JP4301260B2 - 有機el装置の製造方法及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL装置の製造方法及び電子機器に関する。
有機EL素子を整列配置した有機EL装置が開発されている。有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機発光層を備えたものであり、陽極から供給された正孔と陰極から供給された電子とが発光層で再結合して発光するようになっている。なお陽極から発光層への正孔注入効率を向上させるため、陽極の表面に正孔注入層が形成されている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
特開2001−203081号公報 特開2002−175887号公報 特開2005−302443号公報
一般的に有機EL装置は発光寿命が短いといわれており、さらなる発光寿命の長寿命化が求められている。
そこで本発明の目的は、発光寿命を向上させることが可能な有機EL装置の製造方法及び電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る有機EL装置の製造方法は、少なくとも正孔注入層及び発光層を含む複数の有機層と当該有機層を挟持する陰極及び陽極とを有する有機EL素子が基板上に設けられた有機EL装置の製造方法であって、前記基板上に前記陽極を形成する陽極形成工程と、有機材料と金属元素とを含んだ正孔注入層形成材料を用いて前記正孔注入層を前記陽極上に形成する正孔注入層形成工程と、前記正孔注入層上に前記発光層を形成する発光層形成工程と、前記発光層上に前記陰極を形成する陰極形成工程とを具備することを特徴とする。
本発明者らは、ITO(Indium Tin Oxide)からなる陽極上に正孔注入層を形成したときに陽極内のインジウム元素が正孔注入層内に拡散することを見出し、正孔注入層がインジウム元素を含むことによって正孔注入層の駆動電圧が低下し、有機EL装置が長寿命化することを見出した。さらに、インジウム元素に限らず、他の金属元素においても同様の効果を得ることを見出した。
そこで、本発明では、基板上に陽極を形成し、正孔注入性を有する有機材料と金属元素とを含んだ正孔注入層形成材料を用いて陽極上に正孔注入層を形成することとしたので、正孔注入層が金属元素を含んだ状態で形成されることになる。これにより、正孔注入層の駆動電圧を低下させることができ、有機EL装置を長寿命化することができる。
また、前記正孔注入層形成材料には、前記金属元素の塩が含まれていることが好ましい。
本発明によれば、正孔注入層形成材料には金属元素の塩が含まれているので、正孔注入層に不安定な金属元素を単体で含ませる場合よりも容易に金属元素を含ませることができる。
また、前記金属元素が、インジウム元素及びマグネシウム元素のうち少なくとも一方であることが好ましい。
これにより、正孔注入層の駆動電圧を低下させることができ、有機EL装置を長寿命化することができる、特に、マグネシウム単体あるいはマグネシウムの塩は人体や環境に対して安全性が高いという利点がある。
また、前記有機EL素子が前記正孔注入層と前記発光層との間に中間層を有しており、前記正孔注入層形成工程と前記発光層形成工程との間に、前記正孔注入層上に前記中間層を形成する中間層形成工程を更に具備することが好ましい。
中間層を設けることにより、有機EL装置の長寿命化を図ることができる。この中間層の材料としては、有機材料を用いることが好ましい。
また、前記発光層が、赤色の光を発光する発光性材料からなることが好ましい。
赤色の光を発光する発光性材料は、有機EL素子内に金属元素などの不純物が混入されていても発光性が低下するなどの不具合が極めて少ない。したがって、発光に影響を与えることなく、有機EL装置を長寿命化することができる。
また、前記有機EL素子が複数設けられており、前記複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、前記複数の有機EL素子を構成する前記発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、前記第1発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層と、前記第2発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層とでは、含まれる金属元素の種類が異なっていることが好ましい。
本発明では、有機EL素子が複数設けられており、複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、複数の有機EL素子を構成する発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、この第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、第1発光層が設けられた有機EL素子の正孔注入層と、第2発光層が設けられた有機EL素子の正孔注入層とでは、含まれる金属元素の種類が異なっているので、発光層の種類に応じて最適な金属元素を含ませることができる。これにより、有機EL装置を一層効率的に長寿命化させることができる。
また、前記有機EL素子が複数設けられており、前記複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、前記複数の有機EL素子を構成する前記発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、前記第1発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層と、前記第2発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層とでは、含まれる金属元素の濃度が異なっていることが好ましい。
本発明では、有機EL素子が複数設けられており、複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、複数の有機EL素子を構成する発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、この第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、第1発光層が設けられた有機EL素子の正孔注入層と、第2発光層が設けられた有機EL素子の正孔注入層とでは、含まれる金属元素の濃度が異なっているので、発光層の種類に応じて最適な濃度とすることができる。これにより、有機EL装置を一層効率的に長寿命化させることができる。
また、前記正孔注入層形成工程が、前記正孔注入層形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を前記陽極上に形成する工程を有することが好ましい。
本発明によれば、正孔注入層形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を陽極上に形成する、いわゆる液相法によって正孔注入層を形成するので、液状組成物内に正孔注入層形成材料を溶解又は分散させることになる。これにより、正孔注入層形成材料内の金属元素を化学的に安定化させることができる。
また、前記正孔注入層形成工程が、前記正孔注入層形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜をインクジェット法によって形成する工程を有することが好ましい。
本発明によれば、有機EL素子が複数設けられており、複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されているような有機EL装置を形成する場合に、インクジェット法によって正孔注入層を形成するため、短時間かつ低コストで有機EL装置を製造することができる。
本発明に係る電子機器は、上記の有機EL装置の製造方法によって製造された有機EL装置を搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、正孔注入層の駆動電圧が低く、長寿命の有機EL装置を搭載したので、消費電力が低く長期間使用可能な電子機器を得ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で参照する各図面においては、理解を容易にするために、各構成要素の寸法等を適宜変更して表示している。
図1は、実施形態に係るプリンタヘッドの斜視断面図である。プリンタヘッド101は、複数の有機EL素子を整列配置した光源アレイ(有機EL装置)1と、光源アレイ1からの光を正立等倍結像させるレンズ素子を整列配置してなるレンズアレイ31と、光源アレイ1およびレンズアレイ31の外周部を支持するヘッドケース52とを備えたものである。
図2は、光源アレイを模式的に示した図である。この光源アレイ1は、長細い矩形の素子基板2上に、複数の有機EL(EL)素子3を配列してなる発光素子列3Aと、有機EL素子3を駆動させる駆動素子4からなる駆動素子群と、これら駆動素子4(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路群4aとを一体形成したものである。なお、図2では有機EL素子3が1列に配置されているが、千鳥状に2列に配置してもよい。この場合には、光源アレイ1の長手方向における有機EL素子3のピッチを小さくすることが可能になり、プリンタの解像度を向上させることができる。
有機EL素子3は、一対の電極間に少なくとも有機発光層を備えたものであり、その一対の電極から発光層に電流を供給することにより発光するようになっている。その有機EL素子3における一方の電極には電源線8が接続され、他方の電極には駆動素子4を介して電源線7が接続されている。この駆動素子4は、薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等のスイッチング素子で構成されている。駆動素子4にTFTを採用した場合には、そのソース領域に電源線7が接続され、ゲート電極に制御回路群4aが接続される。そして、制御回路群4aにより駆動素子4の動作が制御され、駆動素子4により有機EL素子3への通電が制御されるようになっている。なお、有機EL素子3および駆動素子4の詳細な構造および製造方法については後述する。
図3は、レンズアレイの斜視図である。このレンズアレイ31は、日本板硝子株式会社製のセルフォック(登録商標)レンズ素子31aを配列したものである。このレンズ素子31aは、直径0.28mm程度のファイバー状に形成されている。また、各レンズ素子31aは千鳥状に配置され、各レンズ素子31aの隙間には黒色のシリコーン樹脂32が充填されている。さらに、その周囲にフレーム34が配置されて、レンズアレイ31が形成されている。
このレンズ素子31aは、その中心から周辺にかけて放物線上の屈折率分布を有している。そのため、レンズ素子31aに入射した光は、その内部を一定周期で蛇行しながら進むようになっている。このレンズ素子31aの長さを調整すれば、画像を正立等倍結像させることができる。そして、正立等倍結像するレンズによれば、隣接するレンズの作る像を重ね合わせることが可能になり、広範囲の画像を得ることができる。したがって、図3のレンズアレイは、光源アレイ全体からの光を精度よく結像させることができるようになっている。
図1に戻り、本実施形態のプリンタヘッド101は、光源アレイ1およびレンズアレイ31の外周部を支持するヘッドケース52を備えている。このヘッドケース52は、Al等の剛性材料によってスリット状に形成されている。ヘッドケース52の長手方向に垂直な断面は、上下両端部が開口した形状となっている。その上半部の側壁52a,52aは略平行に配置され、下半部の側壁52b,52bは下端中央部に向かって傾斜配置されている。
そして、ヘッドケース52の上側に形成された開口部を塞ぐように、光源アレイ1が配置されている。光源アレイ1はボトムエミッション方式であり、後述する素子基板を下側に向けて配置されている。また、ヘッドケース52の側壁52aと光源アレイ1とによって形成される角部には、全周にわたって封止材54a,54bが配設されている。
一方、ヘッドケース52の下側に形成されたスリット状の開口部を塞ぐように、レンズアレイ31が配置されている。ヘッドケース52の側壁52bとレンズアレイ31とによって形成される角部には、全周にわたって封止材55a,55bが配設されている。
次に、上述した光源アレイを構成する有機EL装置について説明する。
図4は、第1実施形態に係る有機EL装置の側面断面図である。第1実施形態に係る有機EL装置1では、正孔注入層70に金属元素が含まれている。
有機EL装置1は、素子基板2と、素子基板2の表面に配設された駆動回路部5と、駆動回路部5の表面に配設された複数の有機EL素子3と、有機EL素子3を封止する封止基板30とを主として構成されている。この有機EL素子3は、素子基板2に垂直な方向から見て略円形状に形成されている。本実施形態では、有機EL素子3における発光光を素子基板2側から取り出すボトムエミッション型の有機EL装置1を例にして説明する。
ボトムエミッション型の有機EL装置1では、発光層60における発光を素子基板2側から取り出すので、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラスや石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等を用いることが可能であり、特にガラス基板が好適に用いられる。
素子基板2上には、有機EL素子3の駆動用TFT123(駆動素子4)などを含む駆動回路部5が形成されている。なお、駆動回路を備えたICチップを素子基板2に実装して有機EL装置を構成することも可能である。
駆動回路部5の具体的な構成として、素子基板2の表面に絶縁材料からなる下地保護層281が形成され、その上に半導体材料であるシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO2及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。そのゲート絶縁層282の表面には、ゲート電極242が形成されている。このゲート電極242は、図示しない走査線の一部によって構成されている。なお前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と対向する領域がチャネル領域241aとされている。一方、ゲート電極242およびゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
またシリコン層241のうち、チャネル領域241aの一方側には低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられ、チャネル領域241aの他方側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Lightly Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282および第1層間絶縁層283を貫通するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、図示しない電源線の一部によって構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282および第1層間絶縁層283を貫通するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同層に配置されたドレイン電極244に接続されている。
上述したソース電極243およびドレイン電極244、並びに第1層間絶縁層283の上層には、アクリル系やポリイミド系等の耐熱性絶縁性樹脂材料などを主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、駆動用TFT123(駆動素子4)やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成されたものである。
そして、平坦化膜284の表面における有機EL素子3の形成領域には、複数の画素電極23が配列形成されている。この画素電極23は、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介して、ドレイン電極244に接続されている。すなわち画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
また、平坦化膜284の表面において画素電極23を囲うように、SiO等の無機絶縁材料からなる無機隔壁25が形成されている。この無機隔壁25の開口部から露出した画素電極23の表面に、複数の機能膜が積層形成されて、有機EL素子3が構成されている。本実施形態の有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入する正孔注入層70と、電子ブロック層(中間層)65と、有機EL物質からなる発光層60と、陰極50として機能する共通電極とを積層して構成されている。
ボトムエミッション型の有機EL装置1の場合、陽極として機能する画素電極23は、透明導電材料によって形成されている。その透明導電性材料として、ITO(インジウム錫酸化物)や、IZO(登録商標、インジウム亜鉛酸化物)等を採用することが可能である。そのうちITOは、酸化インジウム(In)に錫(Sn)をドープした材料等で構成されている。
正孔注入層70の形成材料として、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液が好適に用いられる。このPEDOT/PSSは、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に、ポリチオフェン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させたものである。
正孔注入層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどを使用することができる。
この正孔注入層70内には、インジウム元素が含まれている。正孔注入層70に含まれたインジウム元素は、正孔注入層70の下層である画素電極23(ITO)を構成するインジウム元素が正孔注入層70内に拡散したものと、正孔注入層70の形成時に含有させたものとがある。
Figure 0004301260
正孔注入層70上には、電子ブロック層65が設けられている。電子ブロック層65は、陰極から供給された電子が発光層60を通り抜けるのを防止して、発光層60における電子と正孔との再結合を促進させ、発光効率を向上させる機能を有するものである。電子ブロック層65には相対的に電子の移動を抑制する機能が高い材料を採用することが望ましい。
一方、発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
本実施形態では、発光波長帯域が赤色に対応した発光層が採用されるが、発光波長帯域が緑色や青色に対応した発光層を採用してもよい。赤色の有機EL層60の形成材料としては例えばMEHPPV(ポリ(3−メトキシ6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンを用いる場合がある。また、このような有機EL層60については、特にその厚さについては制限がなく、各色毎に好ましい膜厚が調整されている。
陰極50は、主陰極および補助陰極の積層構造とすることが望ましい。その主陰極として、仕事関数が3.0eV以下のCaやMg、LiF等の材料を採用することが望ましい。これにより、主陰極に電子注入層としての機能が付与されるので、低電圧で発光層を発光させることができる。また補助陰極は、陰極50全体の導電性を高めるとともに、主陰極を酸素や水分等から保護する機能を有している。そのため補助陰極として、導電性に優れたAlやAu、Ag等の金属材料を採用することが望ましい。
陰極50の上方には、接着層40を介して封止基板30が貼り合わされている。
陰極50の全体を覆う封止キャップを素子基板2の周縁部に固着し、その封止キャップの内側に水分や酸素等を吸収するゲッター剤を配置してもよい。また、陰極50の表面にSiO等からなる無機封止膜を積層形成してもよい。
上述した有機EL装置1では、駆動回路部5のソース電極243から供給された画像信号が、駆動素子4により所定のタイミングで画素電極23に印加される。そして、その画素電極23から注入された正孔と、陰極50から注入された電子とが、発光層60で再結合して所定波長の光が放出される。その発光光は、透明材料からなる画素電極23、駆動回路部5および素子基板2を透過して外部に取り出される。なお、無機隔壁25は絶縁材料で構成されているので、無機隔壁25の開口部の内側のみに電流が流れて発光層60が発光する。そのため、無機隔壁25の開口部の内側が有機EL素子3の画素領域となっている。
(有機EL装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法について説明する。
図5〜図9は、第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。なお図5〜図9では、理解を容易にするため、素子基板、駆動回路部および封止基板を省略して記載している。
まず図5に示すように、画素電極23の周囲に無機隔壁25を形成する。次に、超純水を用いて基板表面の超音波洗浄を行う。さらに、画素電極23の表面の親液化処理として、酸素ガス等を用いた大気圧プラズマ処理を行う。
次に図6に示すように、画素電極23および無機隔壁25の表面全体に、液相プロセスにより正孔注入層70を形成する。具体的には、まず正孔注入層70の形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。この液状組成物には、予め硫酸インジウム(III)n水和物を添加しておく。硫酸インジウム(III)n水和物は、液状組成物の全体の重量に対して0.3%程度に添加する。この形成した塗布膜を大気中にて200℃程度で10分程度加熱して乾燥させ、膜中に含まれる水分を除去する。
次に、電子ブロック層65を形成する。この電子ブロック層65を形成する場合にも、液相プロセスを採用する。具体的には、まず電子ブロック層65であるTFBの液状体を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。次に、Nグローブボックスの内部電子ブロック層65を乾燥させる。具体的には、Nグローブボックスのチャンバ内に基板を配置し、チャンバ内をNガスで置換して、チャンバ内における水分および酸素の濃度を1ppm以下まで低下させる。次に、基板を180℃、60分間加熱して塗布膜を乾燥させ、電子ブロック層65を形成する。その後、キシレン溶媒により電子ブロック層65のうちの可溶層を除去することが望ましい。これにより、キシレン溶媒に不溶な電子ブロック層65が形成される。
次に図7に示すように、電子ブロック層65の表面に、液相プロセスにより発光層60を形成する。具体的には、発光層60の形成材料の液状体を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。
次に図8に示すように、発光層60を乾燥させる。この乾燥工程は、Nグローブボックス15の内部で行う。Nグローブボックス15は、内部に基板を配置しうるチャンバ16と、チャンバ16内へのNガスの供給装置17と、チャンバ16内の排気装置18と、基板の加熱装置19とを備えている。このNガスの供給装置17により、チャンバ内の空気をNガスで置換しうるようになっている。
このNグローブボックス15のチャンバ16内に、発光層の形成材料が塗布された基板を配置する。次に、チャンバ16内をNガスで置換し、チャンバ16内における水分および酸素の濃度を1ppm以下まで低下させる。次に、加熱装置19により基板を加熱して塗布膜を乾燥させる。例えば、180℃程度で20分間程度の加熱処理を行う。これにより、発光層60を形成する。次に、図9に示すように、真空蒸着法等により陰極50を形成する。酸素や水分による劣化を抑制するための熱硬化型の樹脂によって陰極50上を封止して、第1実施形態に係る有機EL装置1が形成される。
本発明者らは、ITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極23上に正孔注入層70を形成したときに画素電極23内のインジウム元素が正孔注入層70内に拡散することを見出し、正孔注入層70がインジウム元素を含むことによって正孔注入層70の駆動電圧が低下し、有機EL装置1が長寿命化することを見出した。さらに、インジウム元素に限らず、他の金属元素においても同様の効果を得ることを見出した。
そこで、本実施形態では、正孔注入性を有する有機材料と硫酸インジウム(III)n水和物とを含んだ正孔注入層形成材料を用いて画素電極23上に正孔注入層70を形成することとしたので、正孔注入層23がインジウム元素を含んだ状態で形成されることになる。これにより、正孔注入層70の駆動電圧を低下させることができ、有機EL装置1を長寿命化することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、その説明を省略する。本実施形態では、有機EL装置の正孔注入層の構成及び有機EL装置の製造工程において正孔輸送層を形成する工程が第1実施形態と異なっているため、この点を中心に説明する。
本実施形態の有機EL装置201は、正孔注入層270内にマグネシウム元素を含んでいる。以下、当該マグネシウム元素を含んだ有機EL装置201の製造工程を説明する。
画素電極223の周囲に無機隔壁225を形成し、超純水を用いて基板表面の超音波洗浄を行い、画素電極223の表面の親液化処理として酸素ガス等を用いた大気圧プラズマ処理を行う工程までは、第1実施形態と同様である。
次に、図10に示すように、画素電極223および無機隔壁225の表面全体に、液相プロセスにより正孔注入層270を形成する。具体的には、まず正孔注入層270の形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物を、スピンコート法やスプレーコート法、ディッピング法等により基板全体に塗布する。この液状組成物には、予め硫酸マグネシウム7水和物を添加しておく。硫酸マグネシウム7水和物は、液状組成物の全体の重量に対して0.3%程度に添加する。この形成した塗布膜を大気中にて200℃程度で10分程度加熱して乾燥させ、膜中に含まれる水分を除去する。このようにして正孔注入層を形成する。その後、第1実施形態と同様の工程によって、電子ブロック、発光層、陰極が形成される。
本実施形態によれば、正孔注入層270内にマグネシウム元素が含まれているので、インジウム元素が含まれている場合と同様に正孔注入層270の駆動電圧を低下させることができ、有機EL装置201を長寿命化することができる。また、正孔注入層270を形成する際に用いる硫酸マグネシウム7水和物は人体や環境に対して安全性が高いという利点がある。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、静止画や動画を表示する表示装置に用いられる有機EL装置を例に挙げて説明する。
図11は有機EL装置301の構成を模式的に示す平面図である。
同図に示すように、有機EL装置301は、素子基板302上の中央部に画像や動画などを表示する表示領域303が設けられている。表示領域(図中二点鎖線で囲まれた領域)303内には、画素領域304がマトリクス状に配列されている。1つの画素領域304は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれか一色を発光する領域である。図11では、図中左側から順に赤色、緑色、青色の光を発光する画素領域が配列されている。
表示領域303の周りの領域(図中、一点鎖線と二点鎖線とで挟まれた領域)305には、画素領域304の発光を駆動する駆動回路306や検査回路307が形成されている。領域305の周りの領域、すなわち、素子基板302の周縁領域308には、駆動回路306や検査回路307に信号を供給する駆動ドライバ309や、各部に電源を供給する電源回路310などが形成されている。また、素子基板302の図中下辺側には、外部回路基板311に接続される接続部312が設けられている。
図12は、図11のA−A断面に沿った構成を示す図である。
素子基板302は、基板313と、表面層314と、半導体層315と、ゲート絶縁層316と、ゲート電極317と、第1絶縁層318と、ソース電極319と、第2絶縁層320とを有している。
基板313は、例えばガラスや石英、シリコンなどからなる矩形の基板である。表面層314は、基板313の表面に形成されており、例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどからなる。
半導体層315は、例えばアモルファス・シリコンからなる薄膜を用い、有機EL装置301のスイッチング素子として設けられている。半導体層315は、第1実施形態と同様、チャネル領域315a、低濃度ソース領域315b、高濃度ソース領域315c、低濃度ドレイン領域315d、高濃度ドレイン領域315eが設けられている。
ゲート絶縁層316は、表面層314及び半導体層315を覆うように設けられた絶縁層である。ゲート電極317は、ゲート絶縁層316上に設けられた電極であり、半導体層315のチャネル領域315aに平面視で重なる位置に配置されている。半導体層315、ゲート絶縁層316及びゲート電極317により、薄膜トランジスタが構成されている。第1絶縁層318は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンからなり、ゲート絶縁層316及びゲート電極9を覆うように設けられている。
ソース電極319は、第1絶縁層318上に設けられた電極であり、第1絶縁層318及びゲート絶縁層316を貫通して形成されたコンタクトホール321を介して半導体層315高濃度ソース領域315cに接続されている。第2絶縁層320は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンからなり、第1絶縁層318及びソース電極319を覆うように設けられている。
有機EL層330は、陽極331と、正孔注入層332と、発光層333と、陰極334と、隔壁335とを主体として構成されている。素子基板302の第2絶縁層320の直上に隔壁335が設けられ、隔壁335で囲まれた領域に陽極331、正孔注入層332、発光層333が積層され、発光層333及び隔壁335を覆うように陰極334が設けられた構成になっている。
陽極331は、素子基板302の第2絶縁層320の直上に薄膜状に設けられており、光透過可能な金属、例えばITOやIZO(登録商標)からなる電極である。陽極331は、第2絶縁層320、第1絶縁層318及びゲート絶縁層316の3つの絶縁層を貫通するコンタクトホール322を介して半導体層315の高濃度ドレイン領域315eに接続されている。
正孔注入層332は、陽極331からの正孔を発光層333に注入する層である。発光層333は、正孔注入層332からの正孔と陰極334からの電子とが結合して発光する層である。発光層333は、赤色の光を発光する発光層333Rと、緑色の光を発光する発光層333Gと、青色の光を発光する発光層333Bとを有している。
正孔注入層332及び発光層333は、有機材料によって形成されている。正孔注入層332内には、インジウム元素やマグネシウム元素などの金属元素が所定の濃度で含まれている。例えば、赤色発光層333Rと、緑色発光層333Gと、青色発光層333Bとで、含まれる金属元素の種類が異なるようにしても良いし、含まれる金属元素の濃度が異なるようにしても良い。
陰極334は、例えばITOなどの透明な導電材料からなり、発光層333に電子を注入する電極である。
次に、本実施形態に係る有機EL装置301の製造工程を説明する。
画素電極331の周囲に隔壁335を形成し、超純水を用いて基板表面の超音波洗浄を行い、画素電極331の表面の親液化処理として酸素ガス等を用いた大気圧プラズマ処理を行う工程までは、第1実施形態と同様である。
この後、画素電極331上に正孔注入層332を形成する。具体的には、正孔注入層332の形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物を予め作製しておき、隔壁335で囲まれた領域にインクジェット法によって液状組成物の塗布膜を形成する。この液状組成物には、予め金属元素を添加しておく。この形成した塗布膜を大気中にて200℃程度で10分程度加熱して乾燥させ、膜中に含まれる水分を除去する。このようにして正孔注入層を形成する。その後、第1実施形態と同様の工程によって、電子ブロック、発光層、陰極を形成する。このように有機EL装置301が製造される。
本実施形態によれば、赤色発光層333Rと、緑色発光層333Gと、青色発光層333Bとで異なる種類又は濃度の金属元素を含ませることにより、各発光層を構成する有機材料の種類に応じて最適な種類及び濃度の金属元素を含ませることができる。これにより、有機EL装置301を一層効率的に長寿命化させることができる。
次に、図13〜図16を参照して、本発明の実施例を説明する。本実施例では、正孔注入層を形成する際に添加する硫酸インジウム(III)n水和物(第1実施形態)及び硫酸マグネシウム7水和物(第2実施形態)の添加量に関するものである。
第1実施形態においては、液状組成物の全体の重量に対して硫酸インジウム(III)n水和物の添加量は0.3%であった。本実施例では、この添加量を0%(添加しない状態)、0.3%、0.5%、1.0%と変化させたときの有機EL装置1の駆動電圧(図13)及び寿命(図14)をそれぞれ測定した。ここでいう「寿命」とは、電流密度600mA/cm電流を流し始めてから輝度が10%低下するまでの時間をいうものとする。図13及び図14では、硫酸インジウム(III)n水和物の添加量が0%のときの値を1とした相対値で示している。
図13に示すように、硫酸インジウム(III)n水和物の添加量が0.3%のときには、駆動電圧は0.95程度である。このとき、図14に示すように、有機EL装置1の寿命は2.0程度であり、寿命が2倍程度になっている。
図13に示すように、硫酸インジウム(III)n水和物の添加量が0.5%のときには、駆動電圧は0.98程度である。このとき、図14に示すように、有機EL装置1の寿命は1.7程度であり、寿命が1.7倍程度になっている。
図13に示すように、硫酸インジウム(III)n水和物の添加量が1.0%のときには、駆動電圧は0.99程度である。このとき、図14に示すように、有機EL装置1の寿命は1.5程度であり、寿命が1.5倍程度になっている。
これらのことから、硫酸インジウム(III)n水和物を0.3%添加したときに、最も駆動電圧が低下し、寿命が最も長くなることが読み取れる。
第2実施形態においては、液状組成物の全体の重量に対して硫酸マグネシウム7水和物の添加量は0.3%であった。本実施例では、この添加量を0%(添加しない状態)、0.3%、1.0%と変化させたときの有機EL装置201の駆動電圧(図15)及び寿命(図16)をそれぞれ測定した。ここでいう「寿命」とは、上記と同様に、電流密度600mA/cm電流を流し始めてから輝度が10%低下するまでの時間をいうものとする。図15及び図16では、硫酸マグネシウム7水和物の添加量が0%のときの値を1とした相対値で示している。
図15に示すように、硫酸マグネシウム7水和物の添加量が0.3%のときには、駆動電圧は0.97程度である。このとき、図16に示すように、有機EL装置201の寿命は2.0程度であり、寿命が2倍程度になっている。
図15に示すように、硫酸マグネシウム7水和物の添加量が1.0%のときには、駆動電圧は1.02程度である。このとき、図16に示すように、有機EL装置1の寿命は1.5程度であり、寿命が1.5倍程度になっている。
これらのことから、硫酸マグネシウム7水和物を0.3%添加したときに、最も駆動電圧が低下し、寿命が最も長くなることが読み取れる。
プリンタヘッドの断面斜視図である。 プリンタヘッドの模式的な平面図である。 レンズアレイの斜視図である。 第1実施形態に係る有機EL装置の側面断面図である。 第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図。 本発明の第3実施形態に係る有機EL装置の構成を示す平面図。 本実施形態に係る有機EL装置の構成を示す断面図。 本実施形態の実施例において有機EL装置の駆動電圧を示す図。 本実施形態の実施例において有機EL装置の寿命を示す図。 本実施形態の実施例において有機EL装置の駆動電圧を示す図。 本実施形態の実施例において有機EL装置の寿命を示す図。
符号の説明
1…有機EL装置 3…有機EL素子 10…空調室 23…画素電極 25…無機隔壁 31…レンズアレイ 31a…レンズ素子 50…陰極 60…発光層 65…電子ブロック層 70…正孔注入層 101…プリンタヘッド

Claims (8)

  1. 少なくとも正孔注入層及び発光層を含む複数の有機層と当該有機層を挟持する陰極及び陽極とを有する有機EL素子が基板上に設けられた有機EL装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記陽極を形成する陽極形成工程と、
    3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸と、金属硫酸化合物の水和物とを含んだ正孔注入層形成材料を用いて前記正孔注入層を前記陽極上に形成する正孔注入層形成工程と、
    前記正孔注入層上に前記発光層を形成する発光層形成工程と、
    前記発光層上に前記陰極を形成する陰極形成工程と
    を具備し、
    前記金属硫酸化合物の水和物は、硫酸インジウム(III)n水和物、又は硫酸マグネシウム7水和物である
    ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 前記有機EL素子が前記正孔注入層と前記発光層との間に中間層を有しており、
    前記正孔注入層形成工程と前記発光層形成工程との間に、前記正孔注入層上に前記中間層を形成する中間層形成工程を更に具備する
    ことを特徴とする請求項に記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記発光層が、赤色の光を発光する発光性材料からなる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記有機EL素子が複数設けられており、
    前記複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、
    前記複数の有機EL素子を構成する前記発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、
    前記第1発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層と、前記第2発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層とでは、含まれる金属元素の種類が異なっている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記有機EL素子が複数設けられており、
    前記複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されており、
    前記複数の有機EL素子を構成する前記発光層が、第1の波長の光を発光する第1発光層と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2発光層とを含み、
    前記第1発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層と、前記第2発光層が設けられた前記有機EL素子の前記正孔注入層とでは、含まれる金属元素の濃度が異なっている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 前記正孔注入層形成工程が、前記正孔注入層形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を前記陽極上に形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のうちいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法。
  7. 前記正孔注入層形成工程が、前記正孔注入層形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜をインクジェット法によって形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の有機EL装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項のうちいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法によって製造された有機EL装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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