JP4299962B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転電機に係り、特に巻線形回転子を有する回転子の通風に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻線形回転子を有する回転電機は、回転電機の回転軸である主軸を介して原動機に接続され、原動機に負荷を与えることにより、原動機の回転エネルギーが主軸を介して回転電機の回転子を回転させることによって発電を行うことができる。ここでの負荷の条件によっては、安定して定格速度で原動機を回転させることによる発電運転ができないとき等、運転効率の低い負荷条件での発電運転が余儀なくなされることがある。そこで、巻線形回転子を有する回転電機は、負荷の条件に応じて回転速度を変更可能にし、高効率にて発電運転ができるように製作されている。
【0003】
図9は、回転軸を鉛直とするこのような巻線形回転電機の要部立断面図を示すものであり、図中の矢印は、回転電機の内部を循環し、機内を冷却する冷媒の流れを表している。回転電機は、大別して、図示を省略した回転軸である主軸に結合された回転子1と、同じく図示を省略してある発電設備の基礎に据付けられた固定子2とからなる。回転子1は、主軸から回転子スポーク3を介して回転子鉄心4を備えており、この回転子鉄心4の外周側面には、回転子の巻線(回転子巻線)5を埋設するために回転軸方向に形成された複数の溝部を有している。この複数の溝部に埋設された複数の回転子巻線5は、図示しない楔により固定されるが、回転子鉄心4から回転軸方向に突出した部位における回転子巻線5は、回転子の巻線端部(回転子巻線端部)6において、Uボルト7により固定される。固定の方法については後述する。
【0004】
一方、固定子2は、固定子枠8を介して固定子鉄心9を備えており、この固定子鉄心9にも回転子鉄心と同様に複数の溝部を設け、固定子巻線10を埋設し、その端部においては固定子の巻線端部(固定子巻線端部)11を形成している。固定子巻線端部11には、回転電機の運転に際して回転子のように遠心力が作用しないので、回転子巻線端部6を固定するUボルト7は設けられない。
【0005】
図10は、図9の巻線形回転子の巻線端部付近の模式的拡大立断面図である。
回転子鉄心4の端部の回転子巻線端部6の内周側には、回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置された支え部である支持環支え部12を設けている。回転子巻線端部6と支持環支え部12との間には、支持環13が間隔片を介して回転軸方向に積層され、嵌め込まれる。そして、「U」字の形状であって、両端部をナットにより締め付け可能に形成されたUボルト7は、巻線端部6の外側から順次、回転子巻線5、支持環13を挟むように端部が挿し込まれ、支持環13の内径側にてサドル14を介して端部がナットにより固定される。こうして回転子巻線端部6がUボルト7により支持環13に固定され、この支持環13の内径側が回転軸の周方向にわたって鉄心4の端部に固定された支持環支え部12に固定されることから、結果として、回転子1が回転したときに作用する遠心力に対しての抗力を備えるように構成されている。
【0006】
回転電機の運転状態にあっては、回転子、固定子のそれぞれに設けられた巻線が通電され、そこでジュール熱が生じることで機内の温度が上昇する。これは、図示を省略したカバーにより回転電機が密閉されているためである。機内の温度が上昇すると、巻線の絶縁被覆等に悪影響を及ぼすことから、機内の冷媒を循環させ、機内に設けた冷却器15を通過させることで機内の温度を下げている。こうした冷媒の循環経路は、図9の循環経路Aをはじめとして以下に示される。すなわち、冷却器15から流出した冷媒は、回転子1が回転することによるファン効果により、回転子1の中心側(図9の左方向)に導かれ、回転子鉄心4内に流入し、回転子鉄心4とともに回転子巻線5を冷却して、回転子鉄心4と固定子鉄心9とで形成されるエアギャップ部16に導かれる。エアギャップ部16に導かれた冷媒の一部は、固定子鉄心9に流入し、固定子鉄心9および固定子巻線10を冷却した後、冷却器15に至る経路で機内を循環する。
【0007】
また、一方で、エアギャップ部16に導かれた残りの冷媒は、エアギャップ部16に沿って回転軸方向に流れ、鉄心端部に導かれる。鉄心端部に導かれた冷媒は、通風経路Bに示すように、回転子巻線端部6や固定子巻線端部11と熱交換した後、冷却器15に至る経路で機内を循環する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回転電機の運転による回転子1の回転に伴い、回転子巻線端部6を固定している一連の巻線支え構造17のファン効果によって、エアギャップ部16に沿って鉄心端部に導かれた冷媒が、通風経路Bを経て循環せず、冷却器15を経由しない循環経路Cを形成することがある。この循環経路Cを形成するような状態で回転電機の運転を行うと、機内の冷媒が冷却器15を経由しないことから、熱せられた冷媒が回転子巻線端部6を過熱することになるので、回転子巻線端部6の絶縁材料に悪影響を及ぼす懸念がある。また、冷媒が循環経路Cをループすることから、他の部位と比較して、巻線支え構造17を通過する冷媒の流量が相対的に過剰となるため、巻線支え構造17での風損が大きくなる。
【0009】
これらの問題は、現時点において、回転子巻線端部6を固定する方法がUボルトを用いる巻線支え構造17を用いた場合に生じることがある特有なものである。すなわち、回転子巻線端部6の固定に際して、Uボルトによるものでなく、バインド線を用いた場合は、回転子巻線端部6の脱着に工数はかかるものの、巻線端部を網目状に組み合わせることで形成される空隙部が、バインド線で縛ることでその空隙部を封鎖する。このため、空隙部が封鎖されることにより循環経路Cは形成されない。
【0010】
なお、機内の冷却を行う公知技術として、特開平7−241059号公報や実公平7−15329号公報などが知られており、回転子の両端部に設けられたファンによって発生する冷媒の流れを調整して冷却能力を向上させることが記載されているが、両者のいずれも、冷却器を設けた機内で冷媒を循環する必要がない点、回転子巻線端部に供給する冷媒の流量を制御できない点、さらに、Uボルトにより保持する回転子巻線端部を有する回転子を備えないことから巻線支え構造17に生じる循環経路Cが形成されない点で、本発明とは目的が異なる。
【0011】
本発明の目的は、回転子巻線端部6を相互に網目状に組み合わせ、かつ網目状の空隙部を形成して保持された回転子巻線端部6の適正な冷却、冷媒の供給が可能な回転電機を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る回転電機は、固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、前記固定子枠に設けられ前記固定子の巻線端部を前記回転子の巻線端部に接触させずに包囲するように形成された通風調整板と、この通風調整板に前記回転軸を軸として円筒状に設けられ前記回転子を冷却した前記回転電機の内部の冷媒が前記回転軸側に流入することを防止するための通風調整板突出部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1の回転電機において、通風調整板には、固定子の巻線端部と固定子枠との間から回転軸側に流入する冷媒の流量を調整させる流量調整手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1の回転電機において、通風調整板突出部にかえて、通風調整板に設けられ回転子の巻線端部と摺動可能に配置されたブラシシール手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4に係る回転電機は、固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、前記回転子鉄心から突出した巻線端部により形成された網目状の空隙部に設けられこの空隙部を流通する前記回転電機の内部の冷媒の流量を調整するための流量調整手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項5に係る回転電機は、固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、この回転電機の固定子を形成する固定子鉄心を支持する固定子枠に設けられ前記固定子鉄心から突出した固定子の巻線端部と前記回転子鉄心から突出した巻線端部とを区分する通風区分手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項6に係る回転電機は、固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、この回転電機の固定子を形成する固定子鉄心の端部に設けられ前記回転子鉄心と前記固定子鉄心とにより形成されたエアギャップ部を封止するように配置された通風区分手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、これまでに述べた図9および図10と共通の部分には同じ符号を付して、説明は省略する。
【0019】
図1は本発明の第一の実施の形態に係る回転電機の要部立断面図である。図1に示される回転電機は、従来の技術で述べた構成に加え、機内の冷媒を冷却器15から循環経路Aを経由して回転子1の内径側に案内する通風調整板20に、通風調整板21および流量調整手段22を設けている。
【0020】
すなわち、本発明の実施の形態においては、回転電機の固定子を支持する固定子枠8に、固定子鉄心9から突出した固定子の巻線端部7を回転子巻線端部6に接触させずに包囲するように形成させた通風調整板20の回転子巻線端部6の近傍に円筒状の通風調整板突出部21を設けている。また、通風調整板20に、循環経路Aを経て冷却器15から流出した冷媒を通風調整板20により固定子巻線端部11が包囲された空間に導くための通風調整板開口部23を設け、さらに、この通風調整板開口部23の開閉の程度を調整するためのふさぎ板24をそれぞれ通風調整板20の円周方向に設けている。これらを図2を用いて説明すると次のとおりである。
【0021】
図2は、図1のII−II線矢視図である。通風調整板20には、円筒状の(この図ではその一部を示している。)通風調整板突出部21が、ボルト・ナット等の突出部固定機構25により固定されている。そして、突出部固定機構25による通風調整板突出部21の固定位置を調節することで、回転軸と同じ方向の高さを調整可能としている。
【0022】
一方、通風調整板20には、円周方向にわたって(この図ではその一部を示している。)通風調整板開口部23を設け、この通風調整板開口部23の開閉の程度を調整するためのふさぎ板24が設けられる。
【0023】
このように構成された本実施の形態の回転電機にあっては、循環経路Aにより回転子鉄心4を通過して、エアギャップ部16が鉄心の端部に導かれた場合、通風調整板突出部21を備えたことによって、回転子巻線端部6と通風調整板20とで形成される冷媒の流路を調整、制限が可能となるので、冷却器15に流入せずに巻線支え構造17を過剰な冷媒が循環する循環経路Cの形成を抑制できる。また、通風経路Bにより冷却器15に導く高温となった冷媒に、回転子と熱交換を行う前の低温の冷媒を、流量調整手段22であるふさぎ板24にて調整しつつ通風調整板開口部23から固定子巻線端部11に導くことで、固定子鉄心9の端部および固定子巻線端部11の適切な冷却をも可能とする。よって、循環経路Cの形成を抑制することで、高温となった冷媒が回転子巻線端部6を循環することによる巻線端部の異常過熱や、巻線支え構造17における通風量を適切にすることで巻線支え構造17での風損を抑制することができる。なお、通風調整板20と通風調整板突出部21とが一体に構成されている場合においても同等の効果が得られることは無論である。
【0024】
次に、第二の実施の形態を図3、図4を用いて説明する。本実施の形態も第一の実施の形態も、循環経路Cの形成を防ぐものであるが、固定子枠8に設けられた通風調整板20を介して設けられたブラシシール部26を備え、機内の冷媒が、回転子巻線端部6を外周側から迂回して回転軸の方向に流入することを防ぐものである。
【0025】
図3に示す本実施の形態の回転電機にあっては、通風調整板20の内周側の端部を固定子巻線端部11によって支持し、ここで支持された通風調整板20のさらに内周側の延長部位にブラシシール部26を設ける。ブラシシール部26の個々のブラシの長さは、通風調整板20の内周側延長部位と回転子巻線端部6との間隔となるようにしている。そして、これらブラシが通風調整板20の内周側延長部位に沿って回転子巻線端部6との隙間を封止するよう、回転子巻線端部6と摺動可能に、回転電機の回転軸を中心に円周上に配置される。
【0026】
一方、図4は、図3の実施の形態の変形例であって、通風調整板20の内周側の端部を、回転子巻線端部6と固定子巻線端部11との間に入り込むように延長している。そして、この延長部位の内周側に、回転子巻線端部6に対向するようにブラシシール部26を設ける。ブラシシール部26の個々のブラシの長さは、先の延長部位と回転子巻線端部6との間隔となるようにし、これらブラシが通風調整板20の内周側延長部位に沿って回転子巻線端部6との隙間を封止するよう、回転子巻線端部6と摺動可能に、回転電機の回転軸を中心に円周上に配置される。図3に示した回転電機のブラシシール部26が設けられる通風調整板20が固定子巻線端部11に支持されているのに対して、この図4に示される回転電機のブラシシール部26が設けられる調整板20は固定子巻線端部11には支持されない。
【0027】
なお、必要に応じて、ブラシの摺動面に当て板を設けることや、固定子巻線端部11に通風調整板20を支持する際の第2の当て板を設けてもよい。
【0028】
以上のように構成された本実施の形態の回転電機は、機内を冷却する冷媒が、エアギャップ部16を経て鉄心の端部に導かれたとき、ブラシシール部26により回転子巻線端部6と通風調整板20との隙間から回転電機の回転軸の方向に冷媒が流れることを抑制し、冷媒を通風経路Bにて冷却器15に案内できる。さらに、ブラシシール部26のブラシの密度を調整することで、通風の調整も可能となる。よって、循環経路Cの形成を抑制することで、高温となった冷媒が回転子巻線端部6を循環することによる巻線端部の異常過熱や、巻線支え構造17における通風量を適切にすることで巻線支え構造17での風損を抑制することができる。
【0029】
次に、第三の実施の形態を説明する。図5は、本発明の第三の実施の形態を示す回転電機の要部立断面図、図6は、図5のVI−VI線矢視図である。回転子鉄心4から突出した回転子巻線端部6は、巻線を相互に組み合わせることによって網目状に形成されている。そして、これらの回転子巻線5(回転子巻線端部6)は、従来の技術の項で述べたように、Uボルト7により保持されることにより、回転子の遠心力に対しての抗力を有している。本実施の形態では、回転子巻線端部6により形成された網目状の空隙部であって、Uボルト7が挿入されない個所に通風調整用コマ等による第2の流量調整手段19を設けて空隙部を封止することで循環経路Cが形成されるのを抑制する。この第2の流量調整手段19は、絶縁性の樹脂等の素材からなり、回転子巻線端部6の網目状の空隙部を封止するように回転子巻線端部6の内周側、外周側とを接続される。そして、この第2の流量調整手段19の配置数を加減することで、網目状の空隙部を封止するる程度を調節し、図6の紙面の裏側から表方向に向かう冷媒の流量を調整する。
【0030】
このように構成された本実施の形態の回転電機においては、回転子巻線端部6により形成された網目状の空隙部に第2の流量調整手段19を備えているので、機内を冷却する冷媒が、冷却器15循環経路Aから回転子鉄心4や回転子巻線5を冷却したのちエアギャップ部16を経て鉄心の端部に導かれたとき、回転子に設けられた巻線支え構造17に導かれる冷媒の流量を加減することで、巻線支え構造17の回転により生じるファン効果の程度を調整することができる。これは、回転子鉄心4等と熱交換を行うことにより加熱された冷媒が、エアギャップ部16を経て鉄心端部に導かれた後、巻線支え構造17のファン効果により回転子巻線端部6と通風調整板20との隙間から回転電機の回転軸方向に案内される冷媒の流量を調整し、通風経路Bにより冷媒を適切に冷却器15に導くことを意味している。よって、冷却器15を経由しない循環経路Cの形成を抑制することで、高温となった冷媒が回転子巻線端部6を循環することによる巻線端部の異常過熱や、巻線支え構造17における通風量を適切にすることで巻線支え構造17での風損を抑制することができる。
【0031】
次に、第四の実施の形態を説明する。図7、図8はともに、本実施の形態に係る回転電機の要部立断面図であり、双方の回転電機とも、機内の冷媒の通風を独立した流路を形成させるようにしたものである。すなわち、図7の回転電機にあっては、固定子枠8に設けられ内周側を回転子巻線端部6と固定子巻線端部11との間を区分するように通風区分手段27を配置し、その先端を回転子1に非接触にて回転子鉄心4の端部の近傍まで到達させる。さらに、機内を冷却する冷媒が、循環経路Aからエアギャップ部16を経て鉄心の端部に導かれた後、通風区分手段27の固定子巻線端部11に対向する面に案内されるようにして、通風経路Bにより冷却器15に至るようにする。また、冷媒が循環経路Aにより回転子巻線端部6に導かれたときは、回転子巻線端部6と熱交換を行った冷媒が通風区分手段27の回転子巻線端部6と対向する面に案内され、通風調整板20と通風区分手段27とで形成された通風経路Dにより冷却器15に案内される。従って、回転子巻線端部6に導かれる冷媒は、循環経路Aから導かれたもののみであり、エアギャップ部16を経て鉄心端部に至った経路とは独立した流路を形成している。
【0032】
図8に示す回転電機は、図7の回転電機の変形例であって、固定子鉄心9の端部から回転電機の内周側にエアギャップ部16を封止するように配置された第2の通風区分手段28を、巻線支え構造17および回転子鉄心4と非接触に設けている。この第2の通風区分手段28が固定子鉄心9の端部に設けられた場合、機内を冷却する冷媒が循環経路Aにより回転子鉄心4を経てエアギャップ部16に導かれた場合、回転子鉄心4や回転子巻線5と熱交換を行うことで熱せられた冷媒がエアギャップ部16に沿って鉄心の端部付近に流れようとしても、第2の通風区分手段28に案内されて、固定子鉄心9、固定子巻線10と熱交換をする経路を経て冷却器15に導かれることになる。これに対して、循環経路Aによって回転子巻線端部6に導かれた冷媒は、エアギャップ部16からの冷媒と合流することなく、回転子巻線端部6、固定子巻線端部11を冷却した後、通風経路Bにより冷却器15に至る。従って、これらの通風経路は、第2の通風区分手段28によって、互いに独立した流路を形成している。
【0033】
以上のように構成された図7および図8の実施の形態の回転電機は、通風区分手段27あるいは第2の通風区分手段28を備えていることから、循環経路Aにより冷却器15から巻線支え構造17に直接導かれる冷媒の流路と、循環経路Aにより回転子鉄心4等と熱交換を行い、エアギャップ部16から鉄心の端部に導かれた冷媒の流路とを、独立させることができるので、巻線支え構造17のファン効果により巻線支え構造17に巻き込まれる冷媒の流量を抑制することができる。よって、冷却器15を経由しない循環経路C(図8では記入を省略した)の形成を抑制することで、高温となった冷媒が回転子巻線端部6を循環することによる巻線端部の異常過熱や、巻線支え構造17における通風量を適切にすることで巻線支え構造17での風損を抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、回転子に設けられる回転子巻線端部等で構成された巻線支え構造に通風させる冷媒の経路、流量の適正化を図ったことにより、巻線支え構造における過熱、風損が抑制された回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る回転電機の要部立断面図。
【図2】図1のII−II線矢視図。
【図3】本発明の第二の実施の形態を示す回転電機の要部立断面図。
【図4】図3の実施の形態の変形例を示す回転電機の要部立断面図。
【図5】本発明の第三の実施の形態を示す回転電機の要部立断面図。
【図6】図5のVI−VI線矢視図。
【図7】本発明の第四の実施の形態を示す回転電機の要部立断面図。
【図8】図7の実施の形態の変形例を示す回転電機の要部立断面図。
【図9】従来の巻線形回転電機の要部立断面図。
【図10】図9の巻線形回転子の巻線端部付近の模式的拡大立断面図。
【符号の説明】
1…回転子、2…固定子、3…回転子スポーク、4…回転子鉄心、5…回転子巻線、6…回転子巻線端部、7…Uボルト、8…固定子枠、9…固定子鉄心、10…固定子巻線、11…固定子巻線端部、12…支持環支え部、13…支持環、14…サドル、15…冷却器、16…エアギャップ部、17…巻線支え構造、18…間隔片、19…第2の流量調整手段、20…通風調整板、21…通風調整板突出部、22…流量調整手段、23…通風調整板開口部、24…ふさぎ板、25…突出部固定機構、26…ブラシシール部、27…通風区分手段、28…第2の通風区分手段。
Claims (6)
- 固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、
回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、
前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、
内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、
前記固定子枠に設けられ前記固定子の巻線端部を前記回転子の巻線端部に接触させずに包囲するように形成された通風調整板と、
この通風調整板に前記回転軸を軸として円筒状に設けられ前記回転子を冷却した前記回転電機の内部の冷媒が前記回転軸側に流入することを防止するための通風調整板突出部とを備えたことを特徴とする回転電機。 - 前記通風調整板には、前記固定子の巻線端部と前記固定子枠との間から前記回転軸側に流入する前記冷媒の流量を調整させる流量調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記通風調整板突出部にかえて、前記通風調整板に設けられ前記回転子の巻線端部と摺動可能に配置されたブラシシール手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、
回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、
前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、
内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、
前記回転子鉄心から突出した巻線端部により形成された網目状の空隙部に設けられこの空隙部を流通する前記回転電機の内部の冷媒の流量を調整するための流量調整手段を備えたことを特徴とする回転電機。 - 固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、
回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、
前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、
内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、
この回転電機の固定子を形成する固定子鉄心を支持する固定子枠に設けられ前記固定子鉄心から突出した固定子の巻線端部と前記回転子鉄心から突出した巻線端部とを区分する通風区分手段を備えたことを特徴とする回転電機。 - 固定子鉄心とこの固定子鉄心を支持する固定子枠とで形成される固定子と、前記固定子鉄心から回転軸方向に突出した固定子の巻線端部と、
回転子鉄心から回転軸方向に突出した巻線端部を網目状に組み合わせることで空隙部を形成しつつ前記巻線端部を保持する巻線形の回転子とを有し、
前記回転子の巻線端部は前記巻線端部の内周側に設けられ回転軸に対して円周方向に間隔をおいて配置され前記回転子鉄心に固定された支え部により保持され、
前記固定子鉄心と前記回転子鉄心とで形成されるエアギャップ部と前記固定子の巻線端部周囲の間隙と前記回転子の巻線端部周囲の間隙とが連通しており、
内部の冷媒が前記回転子鉄心と回転子巻線を冷却しエアギャップ部に導かれた後、一部の前記冷媒は前記固定子鉄心と固定子巻線を冷却し、前記エアギャップ部に導かれた一部の前記冷媒は前記エアギャップ部に沿って回転軸方向に流れるように構成された回転電機において、
この回転電機の固定子を形成する固定子鉄心の端部に設けられ前記回転子鉄心と前記固定子鉄心とにより形成されたエアギャップ部を封止するように配置された通風区分手段を備えたことを特徴とする回転電機。
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