JP4297573B2 - デジタル信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、オフセット周波数を含むベースバンド信号を正確に復調するためめのデジタル信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル信号で変調された搬送波信号(キャリア信号)を受信し、前記のデジタル信号を復調する回路として、従来より直交検波回路が知られている。直交検波方式は、キャリアから中心周波数成分を分離抽出する検波方式とは異なり、受信したキャリア信号に直交する位相の2つの正弦波(局部発振信号)を掛けて信号を復調する方式である。
【0003】
一般にデジタル通信において、変調信号は、帯域が制限・限定されており、受信する側もその限定された帯域の信号のみを取り出して復調することを前提としており、狭い周波数間隔で複数のチャンネルが設定されている。したがって、直交検波回路においても、ローパスフィルタで隣接チャンネルの信号をカットする必要がある。
【0004】
このため、受信点でのキャリア周波数と受信器内部の局部発振周波数の両方が正確に意図された周波数に一致していなければならない。すなわち、キャリア周波数と局部発振周波数が理想的な周波数に一致していなければ、復調したベースバンド信号は一定の周波数変調を受けたオフセット周波数を含む信号となり、この信号をローパスフィルタに通すと、オフセット周波数によって信号帯域がずれているため、信号の周波数スペクトラムの一部がカットされて変形されてしまい、デジタルデータの正常な復調が妨げられてしまう。
【0005】
ここで、オフセット周波数fd は次の式で与えられる。
【0006】
fd ≡(fAC−fIC)+(fAL−fIL)
ただし、
fAC:実際のキャリア周波数
fIC:理想的なキャリア周波数
fAL:実際の局部発振周波数
fIL:理想的な局部発振周波数
上式から判るように、局部発振周波数(またはサンプリングクロック周波数)を変化させることによってオフセット周波数を0に調節することができ、従来はフィードバック制御によるこのような周波数調整方式で正確な復調を実現していた。
【0007】
従来の直交検波回路の例を図6に示す。同図(A)の回路では、受信信号(RF信号)をI系統とQ系統に分岐し、両方に位相を90°シフトした局部発振周波数信号をミキシングすることによって信号をI,Q分離している。I,Qに分岐された信号は、それぞれ別々にAD変換される。局部発振周波数信号を発振する局部発振器には、後段の回路から制御用調整信号が入力されている。制御用調整信号は、後段の回路で検出されたオフセット周波数に対応して局部発振器を補正するための信号である。
【0008】
また、同図(B)の回路は、受信信号(RF信号)に対して局部発振周波数信号をミキシングして信号を中間周波またはベースバンドにダウンコンバートしたのちAD変換し、デジタルデータに変換された信号をソフト処理でI,Q分離する回路である。そして、後段の回路で検出された制御用調整信号がサンプリングクロック信号発振器に入力されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の直交検波回路には、以下に述べるような欠点があった。まず、コストアップ・大型化するということである。局部周波数やサンプリングクロックをオフセット周波数の存在する範囲で精度よく可変とする回路をアナログ回路で構成しようとすると大掛かりになることが避けられずコストアップになる欠点があった。また、実際の直交検波回路では局部発振器やサンプリングクロック発振器に周波数を可変するための回路が設けられていないものも多く、これをさらに設けることは装置の大型化につながる問題点があった。
【0010】
また、補正精度に問題があった。オフセット周波数は、その成り立ちから考えて連続的に変化しうるものである。すなわち、これを補正するためには細かい精度で周波数を連続的に可変しなければならないが、サンプリングクロックを作成する回路などはその周波数をステップ的にしか変化させることができないものが多いため誤差が生じてしまうという問題点があった。
【0011】
さらに、オフセット周波数が時間変化するような場合に対応できないという問題点があった。すなわち、上記従来の回路では、受信サンプル→オフセット周波数の検出→復調およびサンプリング周波数の微調整というフィードバック制御で信号処理を行うが、このフィードバック制御が遅れ時間を有しているため、結果として復調に供されるサンプリング信号にはオフセット周波数が含まれたままになるという問題点があった。
【0012】
この発明は、検波した信号のオフセット周波数をデジタル処理段階で補正することにより、正確にシンボルを復調することのできるデジタル信号処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、オフセット周波数fd を含み、デジタル化されたベースバンド信号を入力するとともに、ローパスフィルタの係数に補正値exp(j2πfd t)を乗じて変更し、該ローパスフィルタに上記ベースバンド信号を通してろ波することを特徴とする。
【0014】
この発明では、オフセット周波数fd に対応して複素ローパスフィルタの係数を補正値exp(j2πfd t)を乗じて変更する。なお、離散時間信号の場合に、補正値はexp(j2πfd nτ)となる(n=0,1,2,…(整数)、τ=サンプリング周期)。これにより、フィルタの透過帯域がオフセット周波数を含むベースバンド信号と一致し、ベースバンド信号のスペクトラムを保存しつつ不要帯域をカットすることができる。すなわち、従来より一般的なデジタルフィルタは、実数系列のデータ入力に対して実数のフィルタ係数を用意し、これらのたたみ込み演算によって出力を得るものであるが、この発明では、各々のタップ係数を複素数に拡張し、入力信号もI信号とQ信号からなる複素データ列zとして複素数のデジタルフィルタを実現する。そして、この複素数のフィルタ係数を変更可能とし、その変更は、デフォルトの係数(実数値のフィルタ係数)に対して、オフセット周波数fd の補正値exp(j2πfd t)を乗じたものとすることで、オフセット周波数を含むベースバンド信号のスペクトラムを保存しつつ隣接チャンネルの妨害波の影響を除去することができる。
【0015】
また、この発明の処理はデジタル処理であるため、サンプリングデータをバッファして処理することが可能であり、完全な実時間処理でなくてもよい。したがって、各サンプリングデータのオフセット周波数を検出し、遅れ時間なく前記サンプリングデータに対して検出されたオフセット周波数fd を適用することもでき、オフセット周波数に対する完全な対応が可能になる。
【0016】
また、デジタル信号の処理はDSPなどのプロセッサでソフト的に行うことができるため、構成を極めて簡略化することができる。
【0017】
請求項2の発明は、オフセット周波数fdを含み、デジタル化されたベースバンド信号を入力し、上記ベースバンド信号の各サンプリングデータに対して補正値exp(−j2πfdt)を乗じて周波数シフトし、該補正後のベースバンド信号をローパスフィルタにてろ波することを特徴とする。
【0018】
この発明では、サンプリングしたデータ列にオフセット周波数fd に等しい逆符号周波数の複素正弦波信号exp(−j2πfd t)を乗ずることによってオフセット周波数をキャンセルする。なお、離散時間信号の場合に、補正値はexp(−j2πfd nτ)となる。このように、サンプリング後にオフセット周波数をキャンセルすることにより、高周波回路で周波数を修正する場合に比べて構成が簡略化され、遅れのない制御が可能になる。すなわち、請求項1の発明と同様に、この発明の処理はデジタル処理であるため、サンプリングデータをバッファして処理することが可能であり、完全な実時間処理でなくてもよい。したがって、各サンプリングデータのオフセット周波数を検出し、遅れ時間なく前記サンプリングデータに対して検出されたオフセット周波数fd を適用することもでき、オフセット周波数に対する完全な対応が可能になる。また、デジタル信号の処理はDSPなどのプロセッサでソフト的に行うことができるため、構成を極めて簡略化することができる。
【0019】
請求項3の発明は、前記オフセット周波数fd が時間的に変動するのに応じてリアルタイムに前記補正値を変更することを特徴とする。
この発明では、オフセット周波数が時間的に変化するような場合に対応するため、変動するオフセット周波数fd に応じてデジタルフィルタの各タップのフィルタ係数を変更するための補正値や、サンプリングデータを周波数シフトするための補正値を変更する。上記のようにこの変更を遅れ時間なしで行うことができるため、オフセット周波数の時間的変動に対しても完全に追従することができる。
【0020】
以下、図1、図2に示す各種信号の周波数スペクトラムを用いてこの発明をより詳細に説明する。
図1は、周波数スペクトラムが信号処理によってどのように変化するかを示す遷移フローを示す図であり、同図左側がオフセット周波数がない場合のスペクトラムを示し、同図右側がオフセット周波数(プラス側のオフセット周波数)を有する場合のスペクトラムを示す。同図(A)は、IFまたはRFの周波数スペクトラムを示す図である。すなわち、この図は、目的信号(デジタルデータ)が中間周波数または搬送波周波数に重畳されているときのスペクトラムであり、f0 がキャリア周波数(または中間周波数)を示している。
【0021】
同図(B)は、同図(A)の信号をサンプリングした場合の周波数スペクトラムを示す図である。この図では、サンプリング周波数fS で実数サンプリングしている。離散的同一性のために周波数fS 毎に写像(レプリカ)が形成されている。同図(C)は、I,Q分離データを示している。I,Q分離は、周波数条件の設定などによってデータコピーや符号反転コピーなどの簡略な処理で実現することが可能であるため、この場合も一つおきに符号を反転させてコピーし、実部と虚部に分解したデータのスペクトラムとすることができる。これは等価的に周波数をシフトさせていることになり、この段階で1つの写像がベースバンド上に現れる。そして、同図(C)のスペクトルのうちベースバンド上のスペクトルのみをLPFで切り出すことにより、同図(D)に示すようなベースバンド信号を得ることができる。
【0022】
このようにキャリア周波数がずれたり中間周波数がずれたりしたとき同図(B)のようにスペクトラムはシフトし、最終的なベースバンドデータを得るときにもそのシフトは保存されている(同図(D)参照)ことがわかる。そして、ここでローパスフィルタをかけるとき、そのフィルタの帯域範囲以上にオフセット周波数が大きいと正しくベースバンド信号を取り出すことができなくなる。
【0023】
請求項1の発明では、図2(A)に示すように、ローパスフィルタの中心周波数をオフセット周波数の分だけシフトさせてフィルタリングすることにより、オフセット周波数を含むベースバンド信号のスペクトラムを欠けることなく取り出すことができる。そして、後工程にて復調・復号に供される。ただし、この段階では、ベースバンド信号は、未だにオフセット周波数による変調がかかっているので、厳密にベースバンド信号というわけではないが、後段回路が目的とする処理がベースバンド信号の復元にあるのではなく、そこに含まれている位相コード(デジタルデータ)の検出であるときは、この状態のままでもオフセット周波数を考慮して検出が可能であるため、上記フィルタでベースバンド上のスペクトルを保存し、隣接チャンネルの影響や写像を除去できれば十分である。なお、もしオフセット周波数を完全に除去することが必要であれば、後段の付加的処理で周波数シフトして完全なベースバンド信号にもどすこともできる。
【0024】
一方、請求項2の発明は、同図(B)に示すように(2)の段階でオフセット周波数によるずれを解消する方法であり、順次入力されるサンプリングデータ毎にオフセット周波数分を逆にシフトして真のベースバンド信号に変換する。そして、(3)の段階においてはすでに所望の0中心のスペクトラムを有するベースバンド信号になっている。したがって、これ以後の処理は、オフセット周波数が0であることを前提とした処理でよく、ローパスフィルタは固定の実数係数のフィルタでよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
図面を参照してこの発明の実施形態であるデジタル受信器について説明する。図3は係数可変の複素フィルタを含む回路を示している。
【0026】
入力信号すなわちRF信号またはIF信号はAD変換器10に入力され、サンプリングクロック発生器11が発生する所定のサンプリングクロックでサンプリングされ、デジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された入力信号は、I,Q分離部12でソフト的にI,Q分離される。なお、このI,Q分離部12以後の処理は全てDSPなどでソフト的に処理される機能部である。I,Q分離された(複素数化された)入力信号はバッファメモリ13に蓄えられる。そして、この信号を複素LPF14に通すことにより隣接チャンネルの信号の除去、波形の整形が行われる。そして、付加処理部15によりこの信号が再度実数の信号に変換され後処理部16に入力される後処理部は、この信号に基づいてシンボル(デジタルデータ)を復調するとともにオフセット周波数fd を検出する。割り出されたオフセット周波数fd は複素LPF14に伝達される。複素LPF14は、これに応じてフィルタ係数を変換し、このオフセット周波数だけ、中心周波数をシフトする。なお、オフセット周波数の推定を先に行い、シンボルの復調は複素LPF14のフィルタ係数の変更後に行うようにしてもよい。デジタル信号のソフト的処理であるためこれは可能である。
【0027】
一般にローパスフィルタ(LPF)は、隣接するチャンネルの妨害波を抑制するために周波数領域での特性は直線位相で振幅は左右対称に、帯域幅の内側で一定値、外側でほぼ0となるような特性に設定されている。したがって、通常は実数のフィルタ係数を有している。これをh[n] とする。(n=0,1,2,‥‥,N−1)ただしNはフィルタ長である。
【0028】
後処理部16からの入力等でオフセット周波数がfd で判明すると、複素LPF14はタップ係数列v[n] を以下のよう変更する。
【0029】
v[n] =h[n] ・exp(j2πfd nτ)
ここで、τはサンプリング周期;[n] =0,1,2,‥‥、N−1
したがって、フィルタ出力は、入力系列をi[n] ,q[n] 、v[n] ≡vI [n] +j・VQ [n] としたとき、
【0030】
【数1】
【0031】
であり、従来の畳み込みフィルタ演算を合成して得ることができる。ここで、上式中の×を○で囲った記号は離散たたみ込み演算を表す記号である。
【0032】
したがって、得られた系列y[n] の[n] はn=0,1,2,‥‥,N−1ではなく入力系列i[n] ,q[n] に対応する時刻の添字である。
【0033】
ただし、こうして得られた出力系列は、後で示すようにオフセット周波数による変調を受けたものである。このオフセット周波数を除去し、完全なベースバンド信号に復元する場合には、付加処理部15において、さらに、
z[n] =y[n] ・exp(−j2πfd nτ)
の周波数シフト演算を行えばよい。しかし、例えば、ベースバンドデータがビット情報を表すデジタル通信方式で周波数シフトしていても位相情報を抽出できる場合などは、この付加処理部の周波数シフト演算は不要である。
【0034】
次に、図4を参照して、I,Q分離時に各サンプリングデータのオフセット周波数を補正するデジタル受信器について説明する。この受信器では、デジタルフィルタの計算は従来より一般的な実係数のフィルタを用いるが、サンプリングでI,Q分離する際にオフセット周波数の補正を行い、ソフト的にオフセット周波数を0に調節する。
【0035】
同図において、入力信号すなわちRF信号またはIF信号はAD変換器20に入力され、サンプリングクロック発生器21が発生する所定のサンプリングクロックでサンプリングされ、デジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された入力信号は、複素演算部22において、I,Q分離と同時にオフセット周波数の補正が行われる。なお、この複素演算部22以後の処理は全てDSPなどでソフト的に処理される機能部である。完全なベースバンド信号として複素数化された入力信号はバッファメモリ23に蓄えられる。そして、I,Q信号を別々に実係数のLPF24,25に通すことにより、隣接チャンネルの信号の除去、波形の整形が行われる。そして、この信号が後処理部26に入力され、後処理部26がこの信号からデジタルデータを復調するとともにオフセット周波数fd を検出する。割り出されたオフセット周波数fd は複素演算部22に伝達される。複素演算部22は、このオフセット周波数fd をキャンセルするような補正演算を行う。なお、オフセット周波数の推定を先に行い、シンボルの復調は複素演算部22によるオフセット周波数キャンセルの再演算後に再度行うようにしてもよい。デジタル信号のソフト的処理であるためこれは可能である。
【0036】
前記複素演算部22において、I,Q分離のための複素掛算係数列をd[n] とすると、オフセット周波数fd を補正しつつI,Q分離するための係数列z[n] は、
z[n] =d[n] ・exp(−j2πfd nτ)
となる。すなわち、この複素演算後に得られる複素数系列をy[n] 、サンプルされる実数系列をr[n] とすると、
y[n] =r[n] ・z[n] =r[n] ・d[n] ・exp(−j2πfd nτ)
なる演算を行う。
【0037】
通常d[n] は、簡単な整数になるように周波数設計がなされていて、
d[n] ≡dI [n] +j・dQ [n]
とすると、
dI [n] ={1,0 or −1},dQ [n] ={1,0 or −1}
となることが多い。したがって、そのような場合には、この複素演算部における処理は、r[n] の項を符号入れ換えてy[n] へコピーすればよいことになる。
【0038】
入力信号のオフセット周波数が時間とともに変動するとき、図3,図4のデジタル受信器の後処理部16,26は、複素LPF14および複素演算部22に対して、その変動に応じてオフセット周波数fd を出力する。これに応じて複素LPF14はリアルタイムにフィルタ係数を変更し、複素演算部22は遅れ時間なく補正量を変更する。
【0039】
図3のデジタル受信器の処理手順を図5を参照して説明する。なお、図中の番号が処理手順を示している。
【0040】
101ではサンプリングデータをI,Qに分離する。このときは、オフセット周波数が0であるとして分離する。102では、サンプリングデータに含まれるオフセット周波数を推定する。このオフセット周波数の推定は図3の回路では後処理部16が行うようになっているが、この発明はこの方式に限定されるものではなく、前段階の高周波回路で検出するなど種々の方式を適用することができる。
【0041】
103では、得られたオフセット周波数を逆補正するように複素ローパスフィルタ104の係数を変更する。この変更は、フィルタ係数を再計算して求めてもよく、複数種類のフィルタ係数を予め計算して記憶しておき、そのうち最適のものを読み出すようにしてもよい。そして104では、このフィルタ係数が設定された複素ローパスフィルタ14に信号を通してベースバンド信号を取り出す。以上の動作をを繰り返し実行する。
【0042】
なお、後処理部16は複素LPF14を通った信号に対して処理を行う回路であるが、後処理部16がオフセット周波数を推定したのち、このオフセット周波数に対応するフィルタ係数を複素LPF14に設定して再度この信号を処理するようにしてもよく、これによって制御遅れのない完全なリアルタイム制御が可能になる。
【0043】
また、前段階でオフセット周波数が推定可能な場合にはフィードバックでなくあるオフセット周波数が推定された信号が複素LPFに入力されるときにそのオフセット周波数に対応するフィルタ係数を設定することで遅れのない完全なリアルタイム制御が可能になる。
【0044】
なお、図4の回路でも同様に、推定されたオフセット周波数で複素演算部22における補正量をリアルタイムに変更するようにすればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、ベースバンド信号にオフセット周波数が含まれていても、その影響をなくして安定した復調が可能になる。この処理をデジタル化された信号で行うことにより、遅れ時間のない細かい精度の処理が可能になる。このようにレスポンスが早いため、この発明によれば、オフセット周波数が動的に変化する場合でも効果的に対応が可能である。すなわち、データサンプリング段階でオフセット周波数成分が含まれていても、オフセット周波数の量をリアルタイムにローパスフィルタに反映させることができるため、オフセット周波数による信号の歪みを回避できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル信号処理による周波数スペクトラムの遷移フローチャートを示す図である。
【図2】この発明を適用してオフセット周波数の影響を排除する方法を説明する図である。
【図3】この発明の実施形態であるデジタル信号受信回路のブロック図である。
【図4】この発明の他の実施形態であるデジタル信号受信回路のブロック図である。
【図5】リアルタイムにオフセット周波数が変動する場合の処理回路の構成例を示す図である。
【図6】従来の直交検波回路のブロック図である。
【符号の説明】
10…AD変換器、11…サンプリングクロック発生器、12…I,Q分離部、13…バッファメモリ、14…複素ローパスフィルタ、15…付加処理部、16…後処理部、20…AD変換器、21…サンプリングクロック発生器、22…複素演算部、23…バッファメモリ、24,25…ローパスフィルタ、26…後処理部
Claims (3)
- オフセット周波数fdを含み、デジタル化されたベースバンド信号を入力するとともに、
ローパスフィルタの係数に補正値exp(j2πfd t)を乗じて変更し、
該ローパスフィルタに上記ベースバンド信号を通してろ波することを特徴とするデジタル信号処理方法。 - オフセット周波数fdを含み、デジタル化されたベースバンド信号を入力し、
上記ベースバンド信号の各サンプリングデータに対して補正値exp(−j2πfdt)を乗じて周波数シフトし、
該補正後のベースバンド信号をローパスフィルタにてろ波することを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 前記オフセット周波数fdが時間的に変動するのに応じて前記補正値を変更する請求項1または請求項2に記載のデジタル信号処理方法。
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