JP4291457B2 - エレベータ巻上機のブレーキ解放装置 - Google Patents

エレベータ巻上機のブレーキ解放装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ巻上機のブレーキ解放装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
つるべ式エレベータの巻上機には、停電等により動力が遮断されたとき、安全上、電動機の回転を自動的に制止させ、乗りかごを直ちに停止させる電磁ブレーキが設けられている。また、その電磁ブレーキには、その停止した乗りかご内の乗客を救出するため、作動した電磁ブレーキを解放させるブレーキ解放装置が接続されている。
【0003】
電磁ブレーキの作動により停止した乗りかご内から乗客を救出するため、作業員は、機械室内において、電動機軸にターニングハンドル(turning hundle)を取り付け、ブレーキ解放装置の解放レバーを操作して電磁ブレーキを少しずつ緩めながらターニングハンドルを回し、乗りかごを最寄り階までゆっくり昇降移動させ着床・戸開を行っていた。
【0004】
このような電動機が停止し電磁ブレーキが作動した状態から、ブレーキ解放装置の解放レバーを操作しての昇降移動操作は、エレベータの保守・点検等に際しても行われる。
【0005】
図5及び図6は、従来のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置を示すもので、図5(a)に示したように、電磁ブレーキ1にはブレーキレバー2が取り付けられており、電磁ブレーキ1を遠隔操作するために、コントロールワイヤ3が中継滑車3aに案内されつつブレーキレバー2と解放レバー4との間に接続されている。
【0006】
解放レバー4は、図6(a)の平面図、及び図6(b)の断面図にも示すように、コントロールワイヤ3が箱状の枠体41の一側面に設けられた径大な孔41aを通して内側に引き込まれ、くの字状の作動レバー42の一端部に接続されて構成されている。
【0007】
その作動レバー42は枠体41に設けた支軸(支点)41bに回動自在に取り付けられており、枠体41からはみ出した作動レバー42の把手部42aの図5(a)及び図6(b)に示す矢印Y方向への押し込み操作により、作動レバー42は図6(c)の状態となるが、このときコントロールワイヤ3は矢印X方向に引っ張られ必要なストローク長が得られる。
【0008】
一方、乗りかご停止時の電磁ブレーキ1は、図5(a)に示すように、不図示のばねにより可動鉄心1aが常に固定鉄心1b方向に付勢されており、可動鉄心1aと固定鉄心1bとの間に設けられたブレーキシュー1cをロックするように構成されている。
【0009】
ブレーキシュー1cは、巻上機のモータ回転軸や減速機の歯車軸等の駆動軸1dとスプライン嵌合しており、この状態で作業員による解放レバー4の操作によりブレーキレバー2が引っ張られると、図5(b)に示すように、電磁ブレーキ1のブレーキレバー2は、てこ(梃)の原理により支点2aを中心に回動するので、可動鉄心1aのつめ1aaを介して可動鉄心1aは押し下げられ、電磁ブレーキ1のギャップ1eは閉じられる。その結果、回転軸1dとスプライン嵌合しているライニング1cが回転可能となり、電磁ブレーキ1のロック状態は解除される。
【0010】
このように、エレベータ巻上機の電磁ブレーキ2aの解放は、作業員が昇降路上の機械室内に格納された解放レバー4の操作により行われていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置では、解放レバー4は、枠体41からはみ出した把手部42aを押し下げるように構成され、作業員はその解放レバーを機械室内において操作していた。
【0012】
しかしながら、最近設置されるようになってきた機械室レスエレベータにおいては、省スペース等の観点から文字どおり機械室を備えていないため、解放レバーもできるだけ小形化されることが要望されている。特に従来の解放レバー4は、把手部42aが枠体からはみ出した構造を有するので、この構造をそのまま採用すると格納場所での制約されたスペース寸法内に収まらないという問題が生じている。
【0013】
そこで、本発明は、解放レバー4を狭い場所にも収納できるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するため、請求項1に記載の発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置は、電磁ブレーキのブレーキレバーに一端が接続されたコントロールワイヤと、このコントロールワイヤの他端が、長さ方向の一方に接続され、中間部の支点を中心にして回動するアームと、このアームの長さ方向の他方に設けられた前記アームの長さ方向に交差する棒状の把手部材とを具備し、前記把手部材は、前記アームに対して着脱自在とされていることを特徴とする。
【0015】
このように、請求項1記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置は、コントロールワイヤの他端が接続されて回動するアームに、棒状の解放レバーが着脱自在に設けられ、ブレーキ解放装置を使用するときのみ解放レバーをアームに取り付け使用するので、解放レバーの収納容積は小さくて済み、機械室レスエレベータに採用することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置において、棒状の把手部材が、アームに装着された状態で前記アームの長さ方向に対し略直交することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置において、アームは、前記把手部材の端部が着脱自在に嵌め込まれる凹部を有することを特徴とする。
【0017】
このように、請求項に記載の発明によれば、アームに凹部を設けたので、把手部材の着脱が容易となり、請求項1記載または請求項2記載の発明の作用に加えて、作業員によるブレーキ解放操作が容易となる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置において、支点設けられた枠体を備え、枠体は、棒状の把手部材を、アームの長さ方向に平行な姿勢で着脱自在に装着可能な装着部を有することを特徴とする。
【0019】
このように、請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の各発明の作用に加えて、装置全体の小形化が確保されつつ把手部材が一体に取り付けられるので、保管管理を確実とすることができる。
【0020】
さらに、請求項に記載の発明は、請求項記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置において、アームは、枠体の装着部に装着された把手部材と係合してアームと枠体とを連結することでアームの支点を中心にした回動を規制する連結部を有することを特徴とする。
【0021】
このように、アームと枠体とは、連結部材により連結するよう構成されたので、請求項4記載の発明の作用に加えて、不使用時における装置の誤動作を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の一実施の形態を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。なお、図5及び図6に示した従来の装置と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
図1(a)は本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第1の実施の形態における解放レバ一4を示す要部平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【0024】
すなわち、図1(a)において、解放レバー4は、箱状の枠体41内の支軸41bを中心に回動可能なアーム(腕)43と、そのアーム43の一端に取り付けられたコントロールワイヤ3と、アーム43の他端部に着脱自在に設けられた棒状の把手部材44とから構成されている。
【0025】
そして、アーム43と棒状の把手部材44とは、図1(b)にも示すように、アーム43の上面に開口した凹部43aに、棒状の把手部材44の下端部が嵌め込まれるので、棒状の把手部材44はアーム43の長さ方向に交差し、この実施の形態では略直交して、着脱自在となるように設けられている。
【0026】
従って作業員は、図1(b)に示すように、把手部材44をアーム43の凹部43aに嵌め込み、図示矢印Y方向に回動させることにより、図示破線で示す位置にアーム43及び把手部材44が回動すると、てこの原理によりコントロールワイヤ3は矢印X方向に引っ張られ、必要とするストローク長さが得られて、従来と同様に電磁ブレーキ1はロック状態から解放される。
【0027】
上記のように、この第1の実施の形態によれば、解放レバー4を把手部材44がアーム43に脱着可能な組立構造としたので、不使用時の格納に際しては、把手部材44の取り外しが可能となり、従来のようにはみ出し部分がなくなる。その結果、解放レバーの収納容積は小さくて済み、例えば薄型巻上機が取り付けられたガイドレール近くの昇降路壁面等、限られた狭い空間内に格納することができる。
【0028】
また、この実施の形態によれば、アーム43の長さ方向に対して、凹部43aの開口向き(角度θ)を変えることによって、把手部材44の回動ストローク長さを変えることができ、よってコントロールワイヤ3のストローク長をブレーキ解放の効き具合に併せて設定することができる。
【0029】
上記第1の実施の形態では、把手部材44を単にアーム43の凹部43aに嵌め込まれる棒状体としたが、作業員のブレーキ解放操作時に把手部材44が容易に凹部43aから外れることがないように、把手部材44の端部に雄ねじを形成した例えば六角ボルトを使用し、雌ねじを形成した凹部43aと螺合するように構成することもできる。
【0030】
すなわち、図2(a)は本発明の第2の実施の形態のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の平面図で、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。
【0031】
図2(a)及び(b)に示すように、解放レバー4は把手部材44に六角ボルトを採用し、六角ボルトの端部外周面に形成された雄ねじ部44aが、アーム43において内周に雌ねじを形成した凹部43aにねじ込まれるように構成した。
【0032】
この結果、把手部材44がアーム43に着脱自在であると同時に、把手部材44はアーム43に堅く取り付けることができるので、作業員は把手部材44の回動操作が容易かつ安定する利点がある。
【0033】
この実施の形態では、把手部材44とアーム43とが螺合するように説明したが、第1の実施の形態と同様に、雄ねじ部44aを形成しないボルトを単に凹部に嵌め込むようにも構成できる。
【0034】
次に、上記第2の実施の形態では、把手部材44を使用していない状態での把手部材44は、アーム43を設けた枠体41とは切り離された状態となるが、六角ボルト等の雄ねじ部44aを利用して、枠体41側に設けた雌ねじ孔にねじ込み、把手部材44が散逸しないように構成することもできる。
【0035】
すなわち、図3(a)は本発明の第3の実施の形態のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の平面図で、図3(b)は図3(a)の正面図である。
【0036】
図3(a)及び(b)に示すように、解放レバー4の枠体41の手前側の側板411の外側に伸延した端部411aを図示のように90度曲げ、そこに把手部材44の貫通孔を設けるとともに、その貫通孔と同心円状に六角ボルトの雄ねじ部44aが螺合するナット45を固着させて構成した。
【0037】
その結果、第2の実施の形態と同様に、作業員は解放レバー4操作時は、把手部材44をアーム43の凹部43aに差し込み操作を行うが、操作終了後は把手部材44を枠体41に固定したナット45にねじ込み収納するので、把手部材44の散逸を防ぎ、確実に保管することができる。
【0038】
また、この実施の形態のように、枠体41の側板端部411aを90度折り曲げてナット45を取り付けたので、把手部材44は枠体41の長さ方向に平行して装着され、解放レバー4全体をコンパクトに構成することができる。
【0039】
次に、上記各実施の形態では、アーム43は支軸41bに回動自在に設けられているので、アーム43が何らかの器材に触れたり、あるいは作業員の誤操作等により、ブレーキ解放すべきでないときに誤ってコントロールワイヤ3を引いてしまうことも考えられる。
【0040】
そこで、ブレーキ解放操作以外のときには、アーム43が回動することなくロック状態とすることが可能なエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第4の実施の形態を説明する。
【0041】
すなわち、図4(a)は本発明装置の第4の実施の形態のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の解放レバ一4の平面図、図4(b)は図4(a)の正面図である。
【0042】
すなわち、図4(a)及び(b)に示すように、アーム43のコントロールワイヤ3側とは反対側の端部にその長さ方向とは略直角にプレート43bを固着した。
【0043】
そして、第3の実施の形態において、90度折り曲げた枠体41の側板端部411aの貫通孔と同心円状となる位置に同様な貫通孔を設けると同時に、第3の実施の形態におけるように、その貫通孔に合わせて図示のようにナット45を固着させた。
【0044】
従って、把手部材43は第1ないし第3の各実施の形態と同様に、アーム43の凹部43aに嵌め込みブレーキ解放操作を行うものであるが、把手部材43を使用しないときは、先端部に雄ねじを形成した六角ボルト等の把手部材43を枠体41の側板端部411a側の貫通孔から挿入して、プレート43bに固着したナット45に螺合させるように構成した。
【0045】
従って、把手部材43がナット45に螺合させた状態では、把手部材43を介して、アーム43に固定されたプレート43bを枠体41の側板端部411aに固定した構成となり、アーム43は枠体41にロック状態となり、アーム43が誤って回動し、誤作動するような不具合発生は回避される。
【0046】
なお、この実施の形態においても、枠体43に取り付けられる把手部材44の長さ方向は、枠体43の長さ方向と平行となり、解放レバー4全体はコンパクトに構成される。
【0047】
以上説明のように、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置は、把手部材44をアーム43に着脱自在に構成したので、解放ブレーキ4全体がよりコンパクトに構成されて、限られた収納容積の空間内に格納保管することができ、機械室レスエレベータに採用して実用上大きな効果を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明のように、請求項1記載の発明によれば、解放レバーの収納容積は小さくて済み、機械室レスエレベータに好適である。また、請求項3に記載の発明によれば、アームに凹部を設けたので、把手部材の着脱が容易となり、作業員によるブレーキ解放操作が容易となる。また、請求項4に記載の発明によれば、枠体と把手部材とを一体化して保管でき、散逸を防ぐことができる。また、請求項5に記載の発明によれば、不使用時における装置の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第1の実施の形態を示す解放レバーの平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第2の実施の形態を示す解放レバーの平面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第3の実施の形態を示す解放レバーの平面図、図3(b)は図3(a)の正面図である。
【図4】図4(a)は、本発明によるエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の第4の実施の形態を示す解放レバーの平面図、図4(b)は図4(a)の正面図である。
【図5】図5(a)は、従来のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置の構成図、図5(b)は図5(a)において、ブレーキが解放された状態の電磁ブレーキの構成図である。
【図6】図6(a)は図5に示す解放レバーの平面図、図6(b)は図6(a)のA−A断面図、図6(c)は図6(a)においてブレーキ解放した状態でのA−A断面図である。
【符号の説明】
1 電磁ブレーキ
2 ブレーキレバー
3 コントロールワイヤ
4 解放レバー
41 枠体
41b 支軸(支点)
42 作動レバー
43 アーム
43a 凹部
44 把手部材
44a ねじ部
45 ナット

Claims (5)

  1. 電磁ブレーキのブレーキレバーに一端が接続されたコントロールワイヤと、
    このコントロールワイヤの他端が、長さ方向の一方に接続され、中間部の支点を中心にして回動するアームと、
    このアームの長さ方向の他方に設けられた前記アームの長さ方向に交差する棒状の把手部材とを具備し、
    前記把手部材は、前記アームに対して着脱自在とされていることを特徴とするエレベータ巻上機のブレーキ解放装置。
  2. 前記棒状の把手部材は、前記アームに装着された状態で前記アームの長さ方向に対し略直交することを特徴とする請求項1記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置。
  3. 前記アームは、前記把手部材の端部が着脱自在に嵌め込まれる凹部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置。
  4. 記支点設けられた枠体を備え、
    前記枠体は、
    前記棒状の把手部材を、前記アームの長さ方向に平行な姿勢で着脱自在に装着可能な装着部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置。
  5. 前記アームは、
    前記枠体の前記装着部に装着された前記把手部材と係合して前記アームと前記枠体とを連結することで前記アームの前記支点を中心にした回動を規制する連結部を有することを特徴とする請求項4記載のエレベータ巻上機のブレーキ解放装置。
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