JP4289647B2 - 水性接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は水性接着剤組成物、詳しくはノンホルマリン系でJAS特類性能に合格する水性接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
JAS特類合板を生産するには、従来、一般的にアルカリフェノール樹脂系接着剤が使用されている。しかし該接着剤はホルムアルデヒドを含有しているため、生産工程での作業環境並びに生産された合板を住宅部材に使用した場合のホルムアルデヒドの放散があることから、ホルムアルデヒドを含有していない接着剤が強く要望されている。
これに応えるノンホルムアルデヒド系接着剤とし樹脂エマルジョンを主剤とし、イソシアネト 化合物を硬化剤とする水性ビニルウレタン接着剤が使用されてきた。
しかし、経時的な接着剤の粘度増加が激しく粘度安定性に欠ける、調合後時間の経過した調合糊を使用すると接着性能を確保できないといつた問題が残されていた。
【0003】
このような事情によりイソブチレンと無水マレイン酸共重合体をアルカリ水溶液により処理して溶解した水溶液と、ラテックス、充填剤等を配合してなる主剤とグリシジル化合物を硬化剤とする水性接着剤が一部で検討されてきた。しかしながらなお、接着性能、耐久性については未だ満足なものではなく、なお性能向上を求める要望には強いものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような水性接着剤の課題である可使時間が短い、接着性能、耐久性がなお不十分である点を解決できる水性接着剤を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の接着剤に関して以下詳細に説明する。
本発明の水性接着剤組成物の主剤はαオレフィン−無水マレイン酸共重合体(以下共重合体という)をアルカリの存在下において水溶性化した高分子化合物とラテックス及び充填材を含むものからなる。
【0006】
ここで共重合体はαオレフィンと無水マレイン酸共重合体、αオレフィンとマレイン酸モノエステルとの共重合体、αオレフィンと無水マレイン酸及びマレイン酸モノまたはジエステルとの3元共重合体、或いはこれらの共重合体とアルコールとの反応物等がありαオレフィンとしてエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ブテン、イソプレン、n−ヘキセン、メチル−ペンテン、エチル−ブテンなどがある。この中でもイソブチレンが好ましい。
また、共重合体として無水マレイン酸の部分の一部がアンモニアで処理されアンモニア変性されたもの、水マレイン酸の部分が一部イミド環に置き換わった構造を持つイミド変性されたもの等も使用できる。
【0007】
共重合体の中で好ましいイソブチレン−無水マレイン酸共重合体はイソブチレンと無水マレイン酸を付加重合させたもので分子量1000〜100000に調整されたものが使用される。
共重合体の水溶液は塩基性物質の水溶液に該共重合体を加熱攪拌することにより得られ、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体についても同様に塩基性物質の水溶液中で加熱攪拌することにより水溶液化される。
塩基性物質として、苛性カリ、苛性ソーダ等の苛性アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸アンモニウム、アンモニア、有機アミン、酢酸アンモニウムなどがある。これらは単独使用されてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
このような塩基性物質の水溶液中において該共重合体はカルボン酸の塩として水に可溶となり、水性接着剤成分として利用できる。
【0008】
共重合体 の中和は完全中和状態を中和度1として中和度0.6から中和度1の範囲の中和度のものが使用される。各々の中和度は該塩基性物質の配合量の選定により任意に調整できる。
【0009】
本発明においてはラテックスを接着力の向上、固形分濃度、粘度調整等の目的に使用している。使用されるラテックスとしてスチレンとブタジエン共重合体、アクリロニトリルとブタジェン共重合体、ポリクロロプレン、ブタジェンとメタクリレート又はアクリレートの共重合体、アクリレートとスチレン、酢酸ビニルなどのビニルモノマーとの共重合体、並びにカルボキシル基その他の架橋官能基を含むものなどが挙げられる。
この中でも本発明の水性接着剤にはスチレン−ブタジェン共重合体系ラテックスが接着性、混和性、コスト等の点から適合している。
【0010】
また、接着剤の粘度、固形分、接着作業性等の調整のために小麦粉、ヤシ殻粉、木粉、大豆グルー等の有機質系充填材や、炭酸カルシウム、珪石粉、カオリン、クレー、ゼオライト、石膏等の無機質系充填材が適宜選定して使用される。
【0011】
共重合体とラテックスの配合割合は共重合体の30%水溶液 100重量部に対して50%樹脂分のラテックス30〜500重量部が適合している。30重量部以下では初期接着力が不十分となるほか、コストアップになるため好ましくない。逆に500重量部以上であつては乾燥性が低下するため適さない。
また、共重合体とラテックスの合計固形分100重量部に対して充填材は粘度調整等の為に20〜200重量部が適合している。
20重量部以下では耐熱性が低下するため好ましくない。逆に200重量部以上では高粘度になりすぎ使用に適さない。
【0012】
本発明の水性接着剤組成物では硬化剤として1,3ビス(N、N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン若しくはN、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミンを使用する。これらは何れも常温での粘度が2000〜3000cpsであつて、凝固点が−40℃以下であるため取り扱い性に優れている。また揮発分が1%以下であって不快な臭気がなく、人体に吸入される危険性が極めて少ない利点がある。さらに引火点が230℃以上であるため火災の危険性がほとんどない。
該硬化剤の配合量は主剤100重量部に対して3〜5重量部が適 している。これらの硬化剤の使用により従来使用されていたものに比べて接着性能を大幅に向上できるようになった。
【0013】
以下実施例及び比較例により説明する。
実施例1
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(分子量6000)120grを苛性ソーダ50gr、水185grを混合したのち、90℃で攪拌しながらで加熱溶解させた。この溶液に消石灰180gr、水107grを添加、攪拌して乳白色状の液体を調製した。該溶体に対してスチレン−ブタジェンラテックス(住化エイビーエス・ラテックス(株) 、品番 KS405 、固形部50%)360grを配合し、粘度20Pa・s/25℃の主剤を得た。
硬化剤として1,3−ビス(N、N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを 主剤100重量部に対して5重量%を添加して実施例1の接着剤1を得た。
【0014】
比較例1
実施例1において硬化剤としてグリセロールポリグリシジルエーテルを使用する以外は同様にして比較例1の接着剤を得た。
【0015】
比較例2
水性ビニルウレタン系木材接着剤 (アイカアイボン主剤AU−7100GG/架橋剤AUH−1、配合 主剤100重量部/硬化剤15重量部)を比較例2の接着剤とした。
【0016】
実施例と比較例の接着剤を使用してJAS1類試験及びJAS特類試験(調合後10分及び60分)を実施した結果は表1の通りであつた。
【表1】
【0017】
*試験方法
JAS1類試験
2.6mm蝦夷松材の中間に2.9mmのシナ材若しくはカラマツ材を接着した10片の試験片をスチーミング処理試験(室温水2時間浸せき→130℃、3時間スチーミング→室温水浸せき)の条件に置いたあと、引っ張りせん断強度(kgf/cm2)を測定し、合格率(%)を測定した。接着条件は下記の次の通り。
塗布量 尺平方あたり36g
堆積時間 10分
圧締時間 15kgf/cm2×30分
野積み堆積時間 2時間
熱圧時間 10kgf/cm2×115℃×20秒/mm当たり
*JAS特類試験
2.6mmロシアカラ松材の中間に2.8mm産カラ松を接着した試験片10片をスチーミング繰り返し処理試験( 室温水2時間浸せき→130℃、2時間スチーミング→室温水2時間浸せき→130℃、2時間スチーミング→室温水浸せき)の条件に置いたのち、引っ張りせん断強度(kgf/cm2)を測定し、合格率(%)を測定した。
接着剤は調合後10分のものと調合後60分経過したものについて比較測定した。
接着条件は下記の次の通り。
塗布量 尺平方あたり38g
堆積時間 13分以内
圧締時間 10kgf/cm2×60
野積み堆積時間 2時間
熱圧時間 10kgf/cm2×11℃5×3分40秒
【0018】
実施例1の接着剤及び比較例の接着剤について25℃における増粘経過と初期粘度に対する増粘倍率(カッコ内)を測定したところ、表2の通りの結果であつた。
実施例1の接着剤は可使時間が長く使用に従来の接着剤に比べて簡便に使用できることが判明した。
【表2】
【0019】
【発明の効果】
本発明になる水性接着剤組成物はαオレフィン−無水マレイン酸共重合体をアルカリ水溶液により溶解した水溶液とラテックスとを主成分とするものであるため、中性かつノンホルマリンタイプであつて、しかも本発明独自の硬化剤を採用することによりJAS特類試験に合格する性能が実現できた。
しかも、従来水性でノンホルマリン系の接着剤として使用されていた水性ビニルウレタン系接着剤の粘度増加が激しく可使時間が短いため使用しずらい、調合後時間が経過した調合糊を使用すると接着性能を確保できないといつた課題を解決できたものであり、性能、作業性ともに改良されたものである。
従って、ノンホルマリンタイプであつてJAS特類試験に合格でき、しかも作業性にも優れる需要家に最も好ましい接着剤が得られた。
Claims (2)
- 主剤として少なくともαオレフィン−無水マレイン酸共重合体をアルカリ存在下で溶解した水溶液及びラテックス、硬化剤として1,3ビス(N、N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン若しくはN、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミンが配合されていることを特徴とする水性接着剤組成物。
- αオレフィン−無水マレイン酸共重合体の固形分30重量部に対して、ラテックスが固形分で15〜250重量部配合されていることを特徴とする請求項1記載の水性接着剤組成物。
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