JP4289617B2 - 既製杭の打設方法 - Google Patents

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本発明は、住宅等の建築物を支持する既製杭の打設方法に関する。
軟弱地盤において建築物の支持力を得るために、地下に存在する強固な支持層にまで杭を打設し、該杭によって建築物を支持する工法がある。このような杭には、鋼管杭のような既製の杭や、地盤を掘削してコンクリートを注入し、固化させる場所打ち杭等があるが、住宅等の比較的小規模な建築物の支持には、無排土且つ無振動で打ち込むことができる鋼管杭が多用されている。
既製杭は、所定長さの鋼管の先端に螺旋翼を設けた鋼管杭が一般的であり、鋼管杭の先端が支持層に到達するように地盤に打ち込むが、1本の鋼管の長さで足りない場合は鋼管を継ぎ足しながら打ち込む。例えば、支持層が深度15mに存在し、長さ6mの鋼管杭を打ち込む場合には、3本の鋼管を継ぎ足して鋼管杭の先端が支持層に到達するまで打ち込んだ後、鋼管杭の頭部の余分な約3m分を切断する。鋼管杭の上には住宅の基礎が施工され、該基礎は地盤を根切って配設されるので、鋼管杭の切断レベルは基礎の下面と一致し、地表面より下側となる。鋼管杭の切断はガスバーナーや鋼管カッター等の切断具で行われるが、該切断具を切断レベルまで挿入するためには、打ち込んだ鋼管杭の周囲の地盤を掘削する必要がある。このような鋼管杭周囲の掘削は、手作業で、或いは小型のバックホウ等の施工機械を用いて行っている。
他方、建築物の立て替え等により既設のコンクリート杭等を除去する際に、長尺のコンクリート杭等を途中で切断する場合がある。例えば、既設のコンクリート杭より大径のケーシングの下端に超高圧水の噴射ノズルを設けたケーシング掘進装置を用い、該ケーシングをコンクリート杭の周囲で回転させながら掘進させ、所定深度において超高圧水を噴射してコンクリート杭を切断する工法がある(特許文献1参照)。
特開平2002−138475号公報
前記鋼管杭は、測量された杭芯位置に位置合わせして、杭打ち機で回転圧入して地盤に打ち込まれるのが一般的であるが、地盤に貫入し始める際に鋼管杭の先端が杭芯位置からずれる所謂芯ズレが起こり易いという問題がある。さらに、打ち込まれた鋼管杭の頭部を切断するための鋼管杭周囲の掘削は、小型のバックホウ等の施工機械を用いて行われるが、その鋼管杭自体が邪魔となって作業性が悪いという問題がある。また、鋼管杭の打設作業を効率化するため、複数本の鋼管杭を地盤に打ち込んでから各鋼管杭周囲の掘削作業及び鋼管杭頭部の切断作業を行うところ、掘削作業を行う鋼管杭の周りには、切断前の他の鋼管杭の頭部が地盤から突出しているので、施工機械の取り回しも困難である。また、手作業では時間がかかり、作業効率がよくないという問題がある。
他方、前記ケーシング掘進装置は、主としてビル等を支持する長尺且つ大径のコンクリート杭を対象としており、また、既に地中に埋設されており、建築物の立て替え等により不要となった杭の撤去を目的とするものである。鋼管杭は、住宅等の比較的小規模の建築物の支持に多用されるものであり、宅地等に、前記ケーシング掘進装置や高圧水発生装置等のような大型の装置を搬入することは困難であり、施工コストも高くなる。また、鋼管杭を打設した後には基礎を施工して住宅を建築するので、大量の水を使用すれば地盤が乱れ、例えば打ち込んだ鋼管杭の周囲が軟弱化して支持力が低下したり、地表面が泥濘化するおそれがある。
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、既製杭の頭部を切断するための既製杭周囲の地盤の掘削を簡易且つ低コストで、地盤を乱すことなく行う手段を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、既製杭を地盤に打ち込む際の芯ズレを防止することにある。
本発明に係る既製杭の打設方法は、打設すべき既製杭の外径より径大の切断穴と、該切断穴より小径で、且つ、前記既製杭の外径又は該既製杭に設けられた螺旋翼の外径と略同径の案内穴とを、該切断穴の下方に案内穴が同心で連続するように同時に掘削する先掘り工程と、前記案内穴に既製杭の先端部を挿入して該既製杭を地盤の所定深度まで打ち込む杭打ち工程と、前記切断穴に切断具を挿入して打ち込まれた既製杭を切断レベルで切断する切断工程と、を含むことを特徴とする。
また、打設すべき既製杭の外径より径大の切断穴と、該既製杭の外径又は該既製杭に設けられた螺旋翼の外径と略同径の案内穴とを、掘削翼に、外周縁から上方へ突出する土受け部が夫々形成された先掘り用掘削オーガによって、該切断穴の下方に案内穴が同心で連続するように掘削する先掘り工程と、前記案内穴に既製杭の先端部を挿入して該既製杭を地盤の所定深度まで打ち込む杭打ち工程と、前記切断穴に切断具を挿入して打ち込まれた既製杭を切断レベルで切断する切断工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る既製杭の打設方法によれば、打設すべき既製杭の外径より径大の切断穴と、該既製杭の外径又は該既製杭に設けられた螺旋翼の外径と略同径の案内穴とを、該切断穴の下方に案内穴が同心で連続するように先掘りするので、既製杭の頭部を切断するための既製杭周囲の地盤の掘削を簡易且つ低コストで行うことができ、既製杭周囲の地盤を乱すこともない。また、前記案内穴に既製杭の先端部を挿入して打ち込むことにより、杭芯の位置が明確となり且つ打ち込み時に芯ズレすることがない。
以下、本発明の実施の形態ついて詳細に説明する。
図1は、地盤に打設する既製杭の一例である鋼管杭1を示すものである。鋼管杭1は、図に示すように、鋼管杭本体2の先端部の外周に螺旋翼3が設けられてなり、地上に設置したアースオーガ等の杭打ち機により回転されながら地下の支持層まで圧入されるものであり、無排土且つ低振動で地中に埋設することができ、埋設後は螺旋翼3の鉛直方向の投影面積分だけ支持力が増加するという利点がある。このような鋼管杭1は、工場等で予め所定の長さに作製されたものを施工現場に搬入して打設されるが、支持層の深度が深い場合には、鋼管杭本体2を施工現場で溶接等して継ぎ足しながら地盤に打ち込まれる。
図2は、前記鋼管杭1を打設するための杭打ち機の一例を示すものであるが、杭打ち機4は、図に示すように、車両部5にオペレータが乗車して操作を行うための操作部6が設けられ、該車両部5からリーダー7を鉛直に支持する支持アーム8が延設され、該リーダー7にアースオーガ9が昇降自在に設けられてなる。前記鋼管杭1は、その基端がアースオーガ9にチャックされて回転されるとともにアースオーガ9リーダー7を降下することにより、螺旋翼3で推進されながら地盤に打ち込まれる。なお、本実施の形態では既製杭として鋼管杭1を用いて杭打ち機4により地盤に打ち込む場合を例に説明しているが、該鋼管杭1及び杭打ち機4の構成は一例であり、本発明に係る既製杭の打設方法において、これらを任意の構成の既製杭及び杭打ち機に適宜変更できることは勿論である。
図3は、前記鋼管杭1を地盤に打ち込んだ後に周囲を掘削するための先掘り用掘削オーガ100を示すものである。該先掘り用掘削オーガ100は、前記杭打ち機4のアースオーガ9に取り付けられて回転及び上下動が可能となって、鋼管杭1を打ち込む際に杭芯位置を案内する案内穴と打ち込んだ鋼管杭1の頭部を切断するための切断穴とを、鋼管杭1を打ち込む前に先掘りするためのものである。図に示すように、先掘り用掘削オーガ100は、切断穴用掘削翼(第1の掘削翼)11,12が切断穴用回転軸(第1の回転軸)13から径方向外側へ突設されてなる切断穴用掘削オーガ(第1の掘削オーガ)10と、案内穴用掘削翼(第2の掘削翼)21が案内穴用回転軸(第2の回転軸)22から径方向外側へ突設されてなる案内穴用掘削オーガ(第2の掘削オーガ)20とを具備してなる。
切断穴用回転軸13は、円筒状の鋼管であり、通常、鋼管杭1の切断レベルは地表面下の数十cm程度なので、切断穴用回転軸13の軸方向の長さは1,2m程度とすれば十分である。切断穴用回転軸13の先端部には径方向に挿通孔14が形成されている。該挿通孔14は、切断穴用掘削オーガ10の先端に案内穴用掘削オーガ20を接続するためのものである。一方、切断穴用回転軸13の基端には、前記杭打ち機4のアースオーガ9がチャックして回転を伝達するためのチャック部15が設けられているが、該チャック部15はアースオーガ9に合わせて公知且つ任意の形状を採用すればよい。
切断穴用掘削翼11,12は、前記切断穴用回転軸13の先端付近の外周に上下2段に突設されている。切断穴用掘削翼11,12は外径が異なるほかは同形状のものなので、切断穴用掘削翼11を例に説明する。切断穴用掘削翼11は、図4に示すように、鋼板をプレス成形してなる円盤であり、中心に前記切断穴用回転軸13と略同径の孔16が穿設されており、該孔16から径方向へ切断されて切断端17が形成されている。該孔16は切断穴用回転軸13を挿通するためのものであり、切断端17は切断穴用掘削翼11を螺旋状に曲成するためのものである。また、切断穴用掘削翼11の外周縁は、図5に示すように、上方へ突出するように折り曲げられて土受け部18が形成されている。該土受け部18により切断穴用掘削翼11上の土砂が滑落するのを防止している。このような切断穴用掘削翼11は、その切断端17を、図3に示すように、貫入方向、即ち切断穴用回転軸13の軸線方向へ所定ピッチで離間させるように曲成して切断穴用回転軸13の外周に溶接等により固定されて、螺旋状に1回転しながら径方向外側へ突出している。該所定ピッチは1回転当りの貫入量を考慮して適宜設定し、切断穴用掘削翼11の外径は鋼管杭1の周囲の掘削範囲を考慮して設定するが、例えば、ガスバーナーや鋼管カッター等の切断具を挿入するためには、鋼管杭1の周囲を数十cm程度掘削するのが好ましい。なお、本実施の形態では、土受け部18は、切断穴用掘削翼11の外周縁を上方へ折り曲げて形成したが、外周縁に帯状の鋼材を溶接固定することにより形成してもよい。
切断穴用掘削翼12は、前記切断穴用掘削翼11と略同形状なので図示して説明しないが、図3に示すように、切断穴用回転軸13の軸線方向の上下2段に突設される切断穴用掘削翼11,12のうち下段となる切断穴用掘削翼11の外径r1は上段の切断穴用掘削翼12の外径r2より若干小さくされており、地盤に貫入し始める際の抵抗を少なくして切断穴用掘削オーガ10の地盤への貫入を容易にしている。なお、本実施の形態では切断穴用掘削翼11,12を上下2段に配置したが、例えば、鋼管杭1の切断レベルが比較的浅く、鋼管杭1の周囲の掘削が浅くても十分な場合は切断穴用掘削翼を1段としてもよい。また、切断穴用掘削翼11,12を螺旋状としているのは回転により地盤に貫入させるためであり、切断穴用回転軸13を回転させながら切断穴用掘削翼11,12により掘削土を排出するためではないので、切断穴用掘削翼11,12を螺旋状に連続させる必要はない。したがって、切断穴用掘削翼11,12を各々独立にプレス成形して切断穴用回転軸13に溶接等により固定することができ、簡易且つ低コストに切断穴用掘削オーガ10を作製できる。
また、本実施の形態では各切断穴用掘削翼11,12を円盤状のものとしたが、本発明に係る既製杭の打設方法で用いる先掘り用掘削オーガでは、切断穴用回転軸13の外周に掘削翼が鉛直投影で略円盤状に突設されていれば、切断穴用掘削翼11,12自体が円盤状でなくてもよい。例えば、図6,7に示すように、円盤を4等分した切断穴用掘削翼19を、所定ピッチで傾斜させながら鉛直投影で略円盤状となるように切断穴用回転軸13の外周に突設してもよい。なお、図には詳細に示していないが、各切断穴用掘削翼19の外周縁に前記土受け部18と同様の土受け部を設ければ、切断穴用掘削翼19上の土砂が滑落するのを防止でき、下段の切断穴用掘削翼19の外径を小さくすれば、前述と同様に地盤への貫入抵抗が軽減できる。
案内穴用回転軸22は、外径が前記切断穴用回転軸13の内径より若干小さく、前記切断穴用回転軸13に内挿可能な円筒状の鋼管であり、これにより、案内穴用回転軸22と切断穴用回転軸13とが同心に接続されるようになっている。また、案内穴用回転軸22の軸方向の長さは、案内穴の深さを考慮して設定する。案内穴用回転軸22の基端部には径方向に挿通孔23が形成され、図3に示すように、該基端部が前記切断穴用回転軸13の先端部に内挿され、挿通孔14,23に挿通されたボルト30及びナット31により、切断穴用掘削オーガ10の先端に案内穴用掘削オーガ20が同心に延設される。一方、案内穴用回転軸13の先端には、三角形状の鋼板である先端部材24が設けられている。該先端部材24は、その三角形状の1隅が案内穴用回転軸22の軸線上に位置するように固定されており、先端部材24を基準として地盤の杭芯位置と先掘り用掘削オーガ100の軸線とを合わすようになっている。なお、本実施の形態では、案内穴用回転軸22を切断穴用回転軸13に内挿してボルト30及びナット31で固定することにより、切断穴用掘削オーガ10と案内穴用掘削オーガ20とを接続しているが、切断穴用掘削オーガ10と案内穴用掘削オーガ20とは分離可能に構成する必要はなく、例えば溶接により分離不能に固定してもよい。
案内穴用掘削翼21は、前記案内穴用回転軸22の外周に径方向外側へ突設されている。該案内穴用掘削翼21は、前記切断穴用掘削翼11,12と外径が異なるほかは同形状のものなので詳細な説明は省略するが、図3に示した案内穴用掘削翼21の外径r3は、図1に示した前記鋼管杭1の螺旋翼3の外径r4と略同径であり、これにより、螺旋翼3と同径の案内穴が掘削される。なお、本実施の形態では、先端部に螺旋翼3が突設された鋼管杭1を地盤に打設するので、案内穴の径を螺旋翼3と同径としたが、螺旋翼3のような突出部材が先端部に設けられていない鋼管杭を打設するのであれば、案内穴の径を鋼管杭の外径とすべく、案内穴用掘削翼21の外径r3を設定する。即ち、案内穴用掘削翼21の外径r3は、打設すべき既製杭の先端部の形状に合わせて適宜設定すればよい。また、本実施の形態では、案内穴用掘削翼21を1段のみ配置したが、案内穴の深さに合わせて案内穴用掘削翼21を適宜増減してもよい。また、案内穴用掘削翼21を螺旋状としているのは、切断穴用掘削翼11,12と同様に、回転により地盤に貫入させるためであって掘削土を排出するためではないで、例えば上下2段とする場合の案内穴用掘削翼を螺旋状に連続させる必要はない。また、案内穴用掘削翼21は、案内穴用回転軸22の外周に掘削翼が鉛直投影で略円盤状に突設されていれば、例えば、図6,7に示したように、円盤を4等分した案内穴用掘削翼27を、所定ピッチで傾斜させながら鉛直投影で略円盤状となるように切断穴用回転軸13の外周に突設してもよい。
以下、前記杭打ち機4及び先掘り用掘削オーガ100を用いた既製杭の打設方法について説明する。
まず、鋼管杭1を打込む敷地において、例えば標準貫入試験等の地盤調査を行い鋼管杭1を支持する支持層の深度を予測し、住宅等の建築物を支持するために必要な鋼管杭1の本数及び配置を決定する。その後、敷地において鋼管杭1の打設位置を決めて打設するが、地盤の打設位置には、杭芯位置を示す釘等を打ち込んでおく。本既製杭の打設方法は、切断穴と案内穴とを掘削する先掘り工程と、鋼管杭1を地盤の所定深度まで打ち込む杭打ち工程と、鋼管杭1を切断する切断工程とからなる。
〔先掘り工程〕
まず、前記地盤調査に基づいて設定された各杭芯位置Cに切断穴及び案内穴を掘削する。詳細には、杭打ち機4のアースオーガ9に切断穴用掘削オーガ10の切断穴用回転軸13を接続し、リーダ7に沿ってアースオーガ9を降下させて、図8に示すように、案内穴用掘削オーガ20の先端部材24を地盤の杭芯位置Cに合わせる。これにより、先掘り用掘削オーガ100の軸線と杭芯位置Cが合致する。その後、アースオーガ9を作動させて切断穴用回転軸13及び案内穴用回転軸22を回転し、図9に示すように、切断穴用掘削翼11,12及び案内穴用掘削翼21を地盤へ貫入する。鋼管杭1の切断レベルLは、地表面下の30〜50cm程度が通常であり、下段の切断穴用掘削翼11が少なくとも該切断レベルLに至るまで貫入する。
切断穴用掘削翼11が切断レベルに至るまで先掘り用掘削オーガ100を地盤に貫入した後、アースオーガ9を停止してリーダ7に沿って上昇させ、先掘り用掘削オーガ100を無回転で地盤から引き抜く。図10に示すように、先掘り用掘削オーガ100が無回転で引き上げられることにより、切断穴用掘削翼11,12及び案内穴用掘削翼21が貫入していた土砂は、切断穴用掘削翼11,12及び案内穴用掘削翼21上に載った状態で地盤から削り取られる。切断穴用掘削翼11,12が上下2段に配設されることにより、掘削翼1枚当たりが削り取る土砂の量が少なくなり、切断穴用回転軸11を引き抜く際の切断穴用掘削翼11,12の負担が軽減して変形等が起こり難くなるとともに、切断穴用掘削翼11,12上から土砂が崩れ落ちることも軽減される。さらに、図5に示したように切断穴用掘削翼11の外周縁には土受け部18が形成されており、図示していないが切断穴用掘削翼12及び案内穴用掘削翼21の外周縁にも同様に土受け部が夫々形成されているので、切断穴用掘削翼11,12及び案内穴用掘削翼21上の土砂が崩れ落ちることが防止され、土砂を確実に削除できる。これにより、図10に示すように、切断穴40の下方に案内穴41が同心で連続するように掘削できる。切断穴40の径は前記切断穴用掘削翼11,12の外径であるから、打設すべき鋼管杭1の鋼管杭本体2の外径より径大であり、案内穴41の径は前記案内穴用掘削翼21の外径であるから、鋼管杭1の螺旋翼3と略同径である。なお、本先掘り工程を1本の鋼管杭1の杭芯位置Cに対して行い、その後、次の杭打ち工程を行ってもよいが、杭打ち機4を大幅に移動する必要がない範囲で複数本の鋼管杭1の杭芯位置Cに対して先掘り工程を行ってから次の杭打ち工程を行うと作業効率がよいので好ましい。
〔杭打ち工程〕
次に、切断穴40及び案内穴41が掘削された位置に鋼管杭1を打ち込む。鋼管杭1は工場等で作製されており、該鋼管杭1を施工現場へ搬入して前記杭打ち機4を用いて地盤に打ち込む。詳細には、図2に示すように、鋼管杭1の基端を杭打ち機4のアースオーガ9に接続し、鋼管杭1の先端を前記案内穴41上に位置合わせして、アースオーガ9を降下させる。既に切断穴40及び案内穴41を掘削しているので、杭芯位置Cには釘等の目印がないが、案内穴41の中心は杭芯位置Cと合致しており、且つ案内穴41の径は鋼管杭1の螺旋翼3と略同径なので、図11に示すように、該案内穴41に鋼管杭1の螺旋翼3を内挿することにより該鋼管杭1を杭芯位置Cに合わせることができる。
その後、アースオーガ9を回転するとともにリーダ7に沿って降下させ、鋼管杭1を回転させながら地盤に貫入していく。鋼管杭1の螺旋翼3を略同径の案内穴41に内挿しておくことにより、貫入し始めに鋼管杭1の軸線が杭芯位置Cからずれることがないので精度よく鋼管杭1を貫入することができ、また、螺旋翼3が案内穴41に案内されることにより、鋼管杭1の鉛直性も向上する。鋼管杭1は、その先端が支持層に到達するまで地盤に貫入するが、支持層が鋼管杭1の長さより深い位置にある場合には、鋼管杭1を基端付近まで貫入すればアースオーガ9を一旦停止して該鋼管杭1から外し、該鋼管杭1の基端に新たに鋼管杭本体2を溶接等により継合し、その鋼管杭本体2の基端にアースオーガ9を接続して、同様に地盤に貫入する。鋼管杭1の先端が支持層に到達すればアースオーガ9を停止して打ち込みを終了する。打ち込みが終わった状態で、図12に示すように、余分な長さである鋼管杭1の頭部1aは地上に突出した状態となっている。なお、この鋼管杭1の打ち込み方法は一例であり、他の公知且つ任意の打ち込み方法を用いることができる。また、鋼管杭1を1本打ち込んだ後、次の切断工程を行ってもよいが、杭打ち機4を大幅に移動する必要がない範囲で複数本の鋼管杭1を打ち込むと、切断工程では杭打ち機4を使用しないので、該杭打ち機4を別の範囲の先掘り工程或いは杭打ち工程に使用することができ、作業効率が向上する。
〔切断工程〕
前記先掘り工程により掘削された鋼管杭1の周囲の切断穴40にガスバーナーや鋼管カッター等の切断具を挿入し、図13に示すように、切断レベルで余分な鋼管杭1の頭部1aを切断する。この鋼管杭1の切断方法は、公知且つ任意の方法を用いることができる。また、鋼管杭1を切断した後、鋼管杭1の基端にはカバーを配設し、案内穴41を埋め戻して鋼管杭1周囲の地盤を整える。これを繰り返して、敷地内に複数本の鋼管杭1所定の配置で打設し、その後、住宅の基礎等を施工する。



このように、本既製杭の打設方法によれば、鋼管杭1の打ち込み前に、切断穴40及び案内穴41を先掘りするので、後掘りのように鋼管杭1が切断用の穴の掘削や施工機械の取り回しの邪魔とならず作業効率がよい。また、案内穴41に鋼管杭1の先端部を挿入して打ち込むことにより、杭芯の位置が明確となり且つ打ち込み時に芯ズレすることもない。このような、切断穴40及び案内穴41の掘削は、先掘り用掘削オーガ100を用いて簡易に行うことができる。また、先掘り用掘削オーガ100は鋼管杭1を打ち込む杭打ち機4で地盤に貫入して引き抜くことができるので専用の重機等が不要であり、また、杭打ち機4を使用する先掘り工程及び杭打ち工程を複数本の鋼管杭1に対してまとめて施工し、それらの切断工程を行いながら別の範囲で該杭打ち機4を使用して先掘り工程及び杭打ち工程を行うことにより作業効率が向上し、これらにより低コストで鋼管杭1が打設できる。さらに、鋼管杭1周囲の掘削や切断に水等を使用しないので地盤を乱すこともない。
鋼管杭1の概略構成を示す正面図である。 杭打ち機4の概略構成を示す正面図である。 先掘り用掘削オーガ100の構成を示す正面図である。 図3のA−A断面図である。 図4のB−B部分断面図である。 他の形状の切断穴用掘削翼19及び案内穴用掘削翼27を示す正面図である。 図6のC−C断面図である。 先掘り工程における杭芯位置C合わせを説明するための模式図である。 先掘り工程において先掘り用掘削オーガ100を地盤に貫入した状態を説明するための模式図である。 先掘り工程において先掘り用掘削オーガ100を地盤から引き上げた状態を説明するための模式図である。 杭打ち工程において鋼管杭1の先端部を案内穴40に内挿した状態を説明するための模式図である。 杭打ち工程において鋼管杭1を打ち込んだ状態を説明するための模式図である。 切断工程を説明するための模式図である。
符号の説明
1 鋼管杭(既製杭)
3 螺旋翼
10 切断穴用掘削オーガ(第1の掘削オーガ)
11,12,19 切断穴用掘削翼(第1の掘削翼)
13 切断穴用回転軸(第1の回転軸)
16 孔
17 切断端
18 土受け部
20 案内穴用掘削オーガ(第2の掘削オーガ)
21,27 案内穴用掘削翼(第2の掘削翼)
22 案内穴用回転軸(第2の回転軸)
40 切断穴
41 案内穴
100 先掘り用掘削オーガ

Claims (2)

  1. 打設すべき既製杭の外径より径大の切断穴と、該切断穴より小径で、且つ、前記既製杭の外径又は該既製杭に設けられた螺旋翼の外径と略同径の案内穴とを、該切断穴の下方に案内穴が同心で連続するように同時に掘削する先掘り工程と、前記案内穴に既製杭の先端部を挿入して該既製杭を地盤の所定深度まで打ち込む杭打ち工程と、前記切断穴に切断具を挿入して打ち込まれた既製杭を切断レベルで切断する切断工程と、を含むことを特徴とする既製杭の打設方法。
  2. 打設すべき既製杭の外径より径大の切断穴と、該既製杭の外径又は該既製杭に設けられた螺旋翼の外径と略同径の案内穴とを、掘削翼に、外周縁から上方へ突出する土受け部が夫々形成された先掘り用掘削オーガによって、該切断穴の下方に案内穴が同心で連続するように掘削する先掘り工程と、前記案内穴に既製杭の先端部を挿入して該既製杭を地盤の所定深度まで打ち込む杭打ち工程と、前記切断穴に切断具を挿入して打ち込まれた既製杭を切断レベルで切断する切断工程と、を含むことを特徴とする既製杭の打設方法。
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