JP4285313B2 - 温調機器および熱交換器の脱臭・殺菌方法 - Google Patents

温調機器および熱交換器の脱臭・殺菌方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱交換器のフィンやチューブの表面に付着した臭気物質の脱臭機能、有害微生物の殺菌機能を有する温調機器および熱交換器の脱臭・殺菌方法に関するものであり、カーエアコンや家庭用エアコン等に用いて好適である。
従来、空調用空気を脱臭、殺菌する技術として、空調ダクトの途中部分において活性酸素を発生させることで、室内側に吹出される空気の浄化を行うものが知られている。
この活性酸素としては、例えば特許文献1では、光触媒とオゾンとを用いており、また特許文献2では、正イオン、負イオンを用いている。
特開2003−310731号公報 特開2003−329288号公報
しかしながら、通常、臭気成分や細菌は特に空調ダクト内に配設される熱交換器(蒸発器)の表面に付着、蓄積しやすいものであり、根本的には、この熱交換器への臭気成分や細菌の付着を抑制することが重要と考えられるが、上記光触媒、オゾン、イオン等では充分な対応が難しい。
即ち、光触媒においては、熱交換器に400nm以下の波長領域の紫外線を照射する必要がある。しかし、フィンやチューブから成り複雑な形状をした熱交換部にランプによって万遍なく紫外線を照射することは難しく、場所によっては照射強度が低下するおそれがある。
また、オゾンやイオンはプラズマにより生成されるラジカル種より酸化力が弱く、完全酸化できずに、本来分解すべき臭気成分とは異なる臭気を発生させることになる。例えば、アセトアルデヒドをOやO 等で酸化すると酢酸を生成した段階で酸化分解が止まってしまう。この時生成される酢酸も臭気成分であり、無臭化できなくなってしまう。
更に、オゾンやイオンでは、複雑な形状をした熱交換部の全領域に届きにくく、充分な浄化は難しい。あるいは、熱交換部の表面には凝縮水が付着することが多く、付着した臭気成分が水分のベールに包まれてしまうと、その中に存在する臭気成分にオゾンやイオンがたどり着くまでに消滅する可能性が高い。または水分子と反応して消滅してしまうことが考えられる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、熱交換器表面に付着した臭気成分や細菌をより効率よく分解・殺菌できる温調機器および熱交換器の脱臭・殺菌方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、自動車用に用いられ、熱交換器(10)の表面に付着した臭気成分や細菌の分解、殺菌機能を有する温調機器であって、活性酸素を発生させる薬液を生成もしくは貯蔵すると共に、薬液を熱交換器(10)の表面に供給する供給手段(50)が設けられ、供給手段(50)は、ウオッシャー液の貯蔵部と共用されたことを特徴としている。
これにより、薬液から発生される活性酸素が、熱交換器(10)の表面に付着した臭気成分や細菌等に直接接触するので、臭気成分や細菌等を効率よく分解、殺菌することができる。そして、熱交換器(10)から発生する臭気を抑制することができる。
また、供給手段(50)は、ウオッシャー液の貯蔵部と共用されるようにしているので、専用のスーペースや新たに貯蔵部を設ける必要が無く、安価に対応できる。
尚、請求項2に記載の発明のように、薬液としては、過酸化水素を用いて好適である。即ち、過酸化水素からは、オゾンやイオン等より酸化力の強い・OH(ヒドロキシラジカル)が生成されるので、酸化過程で生成する酸化物を残存させること無く、臭気成分や細菌を効率良く分解、殺菌できることになる。また、熱交換器(10)の表面に凝縮水等の水が付着していても、過酸化水素が水の中に溶け込むため、熱交換器(10)の表面に直接接触することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、供給手段(50)としては、過酸化水素を生成するための陽極と陰極とにより構成される電極構造とすることで、容易に対応が可能となる。
請求項4に記載の発明では、熱交換器(10)の表面には、遷移金属あるいは酸化触媒(14b)が露出していることを特徴としている。
これにより、フェントン反応(H→・OH+OH)やハーバーバイス反応(H+e→・OH+OH)を熱交換器(10)の表面で起こし、・OHの生成を活発にさせることができるので、臭気成分や細菌等の分解、殺菌能力を向上させることができる。
尚、請求項5に記載の発明のように、供給手段(50)から熱交換器(10)の表面に薬液が供給される経路には、遷移金属あるいは酸化触媒(14b)が設けられるようにしても良く、請求項4に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
そして、請求項6に記載の発明のように、遷移金属、酸化触媒(14b)としては、少なくとも白金、銅、鉄のいずれか一つを用いて好適である。
また、請求項7に記載の発明では、熱交換器(10)の表面には、スーパーオキシド発生材(14c)が露出していることを特徴としている。
これにより、過酸化水素とスーパーオキシドとの反応により、・OHが活発に生成されるので(H2O2+O2−→2・OH+O2)、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られる。
また、請求項8に記載の発明のように、熱交換器(10)の表面には、スーパーオキシドを発生する手段を設けるようにしても良い。
そして、スーパーオキシドを発生する手段は、請求項9に記載の発明のように、熱交換器(10)の表面が電極構造の一部分として形成されるものとすることができる。
更に、スーパーオキシド発生材(14c)あるいはスーパーオキシドを発生する手段は、請求項10に記載の発明のように、供給手段(50)から熱交換器(10)の表面に薬液が供給される経路に設けられるようにしても良い。
請求項11に記載の発明では、熱交換器(10)の表面、あるいは供給手段(50)から熱交換器(10)の表面に薬液が供給される経路には、負電位を印加する機構が設けられたことを特徴としている。
これにより、ハーバーバイス反応(H+e→・OH+OH)を熱交換器(10)の表面で起こし、・OHの生成を活発にさせることができるので、臭気成分や細菌等の分解、殺菌能力を向上させることができる。
この時の負電位は、請求項12に記載の発明のように、0〜−2.0V vs.Ag/AgClのレベルで充分対応が可能であり、オゾン等を発生させる手段のように高電圧がかからないために、室内で使用されるラジオやステレオ等にノイズを発生させることが無く、使用者に不快感を与えることが無い。
尚、本発明は、請求項13に記載の発明のように、熱交換器(10)としては、作動中に凝縮水を生成し、臭気成分が付着し易く、細菌が繁殖しやすい蒸発器(10)に適用して好適である
また、請求項14に記載の発明のように、熱交換器(10)は、蒸発器(10)であり、遷移金属あるいは酸化触媒(14b)の下層には、接触角40°以下の親水性皮膜(14a)を形成するのが良く、これにより、蒸発器(10)の表面に生成される凝縮水が空調風によって室内に吹出すのを防止することができる。
請求項15に記載の発明は、自動車用に使用される熱交換器(10)の表面に付着した臭気成分や細菌を分解、殺菌するための熱交換器の脱臭・殺菌方法に関するものであり、過酸化水素の貯蔵部が、ウオッシャー液の貯蔵部と共用されるようになっており、過酸化水素を熱交換器(10)の表面に塗布し、遷移金属、酸化触媒(14b)、スーパーオキシドを発生する手段のうち、少なくとも一つによって、過酸化水素から活性酸素を発生させることを特徴としている。
これにより、熱交換器(10)の臭気成分や細菌等を効率よく分解、殺菌できる方法として提供することができる。
この脱臭・殺菌方法は、請求項16に記載の発明のように、熱交換器(10)として蒸発器(10)を対象として好適である。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る脱臭・殺菌機能を有する温調装置(温調機器)1であり、この温調装置1は自動車用のエアコンに適用されるものである。
温調装置1は、ケース5と、その中に設けられた蒸発器(本発明における熱交換器に対応)10、ヒータ20、過酸化水素発生供給部(本発明における供給部に対応)50と、ケース5の上流側に配設される空気吸入装置30と、ケース5の下流側に設けられる空気吹出し口40とから成る。
蒸発器10は、図2に示すように、例えば積層式ドロンカップタイプの熱交換器であり、冷凍サイクル内に配設され、内部を代替フロン等の冷媒が循環するようになっている。
蒸発器10の上下方向の上側には配管ジョイント11が配設されている。また、多数のチューブ13が積層され、隣接するチューブ13の外面側相互の間隙に放熱フィン14が介在され、熱交換部12を形成している。熱交換部12は、チューブ13内の冷媒通路を流れる冷媒と、チューブ13の外部を流れる空気との間で熱交換を行うものである。放熱フィン14は、空気側の伝熱面積を増大させるものであり、上記熱交換を促進させる。
また、このチューブ13の長手方向の両端部は、タンク15と連通しており、冷媒が各々のチューブ13およびタンク15を循環し、配管ジョイント11を介して蒸発器10に対して流出入する。尚、上記の各部材は例えばアルミニウム合金から成り、一体的にろう付けされている。
空気吸入装置30からケース5内へ導入された空気は、蒸発器10にて冷却され、ヒータ20にて温められるようになっている。そして、冷風と温風とが適宜ミックスされて空気吹出し口40から吹出され、車室内へ送られるようになっている。
蒸発器10の上方には、過酸化水素を発生させると共に、この過酸化水素を主に熱交換部12に供給するための過化水素発生供給部(以下、供給部)50が設置されている。ここでは供給部50は、タンク式のものであり、生成した過酸化水素をある程度貯蔵できる形態としている。過酸化水素の発生方法としては、繰り返し使用が可能なことや発生濃度を高めるために電解生成法によるものとしており、供給部50は陽極と陰極とから構成される電極構造を成している。そして、過酸化水素生成に必要な電気は、車両走行中の発電によるものを用いる。尚、供給部50は、他にも過酸化水素発生剤や活性酸素発生剤を用いるものとしても良い。
また、供給部50は、蒸発器10の上部に限らず、蒸発器10に過酸化水素を付着させることができるようにすればどの位置に設置してもかまわない。また、供給部50は、作業性や保守性、設置空間を考慮して、車両のウオッシャー液タンクと併用したり、助手席足元やリア空間に設置しても良い。
供給部50には、制御装置60が設けられており、この制御装置60によって、内部の過酸化水素が蒸発器10の熱交換部12に供給制御されるようになっている。即ち、制御装置60は、脱臭・殺菌の作動のために乗員が入力する脱臭スイッチ(図示しないマニュアル方式のスイッチ)からの信号、空調情報信号、熱交換部12に設けられた複数の濡れセンサ70等からの信号に基づいて、供給部50から過酸化水素を熱交換部12に滴下するようにしている。尚、過酸化水素の供給形態としては、滴下に限らず、例えば、過酸化水素を蒸気化して、熱交換部12に付着させる形態としても良い。
濡れセンサ70は、その端子間に過酸化水素が付着することで通電し、その領域に過酸化水素が供給されたことを検知するセンサとしており、ここでは熱交換部12を上下方向に3分割した各分割部の下側中央に配置するようにしている。
そして、図3に示すように、熱交換部12の表面(例えば放熱フィン14の表面)には、接触角40°以下と成る親水性皮膜14aを施し、更にその皮膜14aの表面に貴金属や遷移金属等の酸化触媒14bあるいはスーパーオキシド発生材料14cを蒸着等により塗布している。酸化触媒14bとしては、鉄、銅、白金等のいずれかが好適であり、スーパーオキシド発生材料14cとしては、導電性高分子であるポリアニリン等が好適である。
尚、酸化触媒14bやスーパーオキシド発生材料14cは、蒸発器10の全面を覆う必要は無く、ここでは、部分的に塗布されるようにしている。また、蒸発器10の素材が上記のようにアルミニウム合金の場合には、電食防止のために銅や白金等は絶縁体の膜上などに塗布されていることが望ましい。
次に、上記構成に基づく本実施形態の作動について説明する。図4に示すフローチャートは、制御装置60が行う脱臭・殺菌のための制御フローであり、以下、このフローに基づいて説明する。
まず、乗員が脱臭・殺菌を行うために、脱臭スイッチを投入すると、ステップS100で、空調情報から蒸発器10を通過する空気の温度を検出する。そして、検出した空気温度から、ステップS110で現在、冷房作動中か否かを判定する。この判定は、予め定めた所定温度に対して、低い場合は冷房中、高い場合は冷房中ではないと判定するようにしている。
ステップS110で冷房中であると判定すると、ステップS120で、供給部50から熱交換部12へ過酸化水素の滴下を開始する。そして、ステップS130で濡れセンサ70からの濡れ信号に基づいて、熱交換部12の表面が過酸化水素によって濡れた状態になったか否かを判定する。
ステップS130で濡れた状態になったと判定するとステップS140で過酸化水素の滴下を停止する。尚、ステップS130で否と判定すれば、熱交換部12が過酸化水素で濡れ状態となるまで、ステップS120、ステップS130を繰り返す。また、ステップS110で否と判定すれば、ステップS150で暖房(ヒータ20)の作動は終了しているか否かを判定し、暖房の作動を終了している場合は、上記ステップS120に進み、暖房が作動されている場合はステップS150を繰り返す。
これにより、過酸化水素から発生される活性酸素が、蒸発器10の熱交換部12の表面に付着した臭気成分や細菌等に直接接触するので、臭気成分や細菌等を効率よく分解、殺菌することができる。そして、蒸発器10から発生する臭気を抑制することができる。
尚、過酸化水素からは、活性酸素としてオゾンやイオン等より酸化力の強い・OH(ヒドロキシラジカル)が生成されるので、酸化過程で生成する酸化物を残存させること無く、臭気成分や細菌を効率良く分解、殺菌できることになる。また、熱交換部12の表面に凝縮水等の水が付着していても、過酸化水素が水の中に溶け込むため、熱交換部12の表面に直接接触することができる。
そして、熱交換部12(放熱フィン14)の表面には酸化触媒14bを塗布するようにしているので、フェントン反応(H→・OH+OH)やハーバーバイス反応(H+e→・OH+OH)を熱交換部12の表面で起こし、・OHの生成を活発にさせることができ、臭気成分や細菌等の分解、殺菌能力を向上させることができる。
尚、熱交換部12の表面に、スーパーオキシド発生材料14cを塗布した場合は、過酸化水素とスーパーオキシド(O )との反応により、・OHが活発に生成されるので(H+O →2・OH+O)、上記と同様に臭気成分や細菌等の分解、殺菌能力を向上させることができる。
また、放熱フィン14の表面には親水性皮膜14aを施すようにしているので、蒸発器10の表面に生成される凝縮水が空調風によって室内に吹出すのを防止することができる。
尚、酸化触媒14bやスーパーオキシド発生材料14cは、熱交換部12の表面に設けずに、供給部50から過酸化水素が滴下される部位(過酸化水素が供給される経路)に設けるようにしても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5〜図7に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、過酸化水素からの・OH発生手段を変更したものである。
図5に示すように、熱交換部12には、過酸化水素の濃度を検出する濃度センサ80(濡れセンサ70と同様に配置)を設けており、その検出信号は制御装置60に入力されるようにしている。
また、図6に示すように、熱交換部12(放熱フィン14)の表面にはステンレスやチタン等の導電性材料14dが蒸着等により塗布されており、それに対して白金等の対極91を設け、対極91は電源92のプラスに、熱交換部12は電源92のマイナスに印加するようにしている。
そして、制御装置60は、図7に示すフローチャートに基づいて、脱臭・殺菌の作動を制御する。尚、このフローチャートは上記第1実施形態で説明した図4に対して、ステップS160〜ステップS180を追加したものとしている。
即ち、熱交換部12に過酸化水素が供給された後(ステップS120〜ステップS140の後)に、ステップS160で熱交換部12への通電を行う。この時印加する電位は、乾電池レベルの0〜−2.0V vs.Ag/AgClとしている。そして、ステップS170で濃度センサ80によって得られる過酸化水素の濃度が所定濃度以上か否かを判定し、所定濃度以上の場合は、ステップS180で熱交換部12への通電を停止する。
これにより、熱交換部12の表面から電子が酸素に受け渡され、受け渡された電子と過酸化水素により、ハーバーバイス反応(H+e→・OH+OH)を熱交換部12の表面で起こし、・OHの生成を活発にさせることができるので、臭気成分や細菌等の分解、殺菌能力を向上させることができる。
この時、印加する電位は、乾電池レベルとしており、オゾン等を発生させる手段のように高電圧がかからないために、車室内で使用されるラジオやステレオ等にノイズを発生させることが無く、乗員に不快感を与えることが無い。
尚、導電性材料14d、対極91は上記のものに限らず、蒸発器10の表面が陰極、対局91が陽極であれば良い。しかし、蒸発器10に用いる部材によっては、それを腐食から保護する必要があるために、図8に示すように熱交換部12の部材(放熱フィン14)を絶縁性材料14eでコーテイングしておく必要がある。
そして、過酸化水素の濃度がppmオーダーの比較的低濃度であれば負電極に導電性材料としてポリアニリン、正電極にポリアニリンより貴な材料を用いることにより、熱交換部12の表面に過酸化水素とスーパーオキシドを発生させることも可能である(スーパーオキシド発生手段)。
この場合には熱交換部12の表面に生成される水(凝縮水)とスーパーオキシドとが反応し、過酸化水素が生成される(2HO+O →2H)。更に、スーパーオキシドと過酸化水素により・OHが生成され(H+O →2・OH+O)、より高い防臭・殺菌能力を発揮することができる。
また、スーパーオキシド発生材料14cやスーパーオキシド発生手段は、熱交換部12の表面に設けずに、供給部50から過酸化水素が滴下される部位(過酸化水素が供給される経路)に設けるようにしても良い。
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、活性酸素を発生させる薬品として、過酸化水素を用いるようにしたが、本発明ではこれに限らず、硝酸、カリウムブトキシド、BHP(t−Butylhydroperoxide)等としても良い。
また、蒸発器10の近傍に供給部50を設けたが、これに限らず、蒸発器10周辺のケース5に過酸化水素注入口を設け、定期的に乗員やサービス業者がその注入口より過酸化水素を含む薬剤を注入するようにしても良い。この場合、蒸発器10全面に、より効率よく過酸化水素を付着させるために、注入口は上下左右に数箇所設けるようにしても良い。
そして、過酸化水素を注入する際に、酸化触媒やスーパーオキシド発生材料等と反応させるようにすれば、脱臭・殺菌能力を向上させることができる。
また、脱臭スイッチは、マニュアル方式のスイッチに代えて、タイマー方式や自動的に起動するオート方式等としても良い。オート方式の場合は、例えば、蒸発器10周辺の臭気濃度を測定し、一定以上の濃度である場合は過酸化水素の滴下を開始するようにすれば良い。これにより、蒸発器10に臭気物質が付着するのを予防することができる。
温調装置の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態における蒸発器の外観を示す正面図である。 図2における熱交換部(放熱フィン)表面を示す断面図である。 第1実施形態における脱臭・殺菌作動のための制御フローチャートである。 第2実施形態における蒸発器の外観を示す正面図である。 図5における熱交換部(放熱フィン)表面を示す断面図である。 第2実施形態における脱臭・殺菌作動のための制御フローチャートである。 図5における熱交換部(放熱フィン)表面の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 温調装置(温調機器)
5 ケース(覆う部材)
10 蒸発器(熱交換器)
14a 親水性皮膜
14b 酸化触媒
14c スーパーオキシド発生材料
50 過酸化水素発生供給部(供給部)

Claims (16)

  1. 自動車用に用いられ、熱交換器(10)の表面に付着した臭気成分や細菌の分解、殺菌機能を有する温調機器であって、
    活性酸素を発生させる薬液を生成もしくは貯蔵すると共に、前記薬液を前記熱交換器(10)の表面に供給する供給手段(50)が設けられ
    前記供給手段(50)は、ウオッシャー液の貯蔵部と共用されたことを特徴とする温調機器。
  2. 前記薬液は、過酸化水素であることを特徴とする請求項1に記載の温調機器。
  3. 前記供給手段(50)は、前記過酸化水素を生成するための陽極と陰極とにより構成される電極構造を成すことを特徴とする請求項2に記載の温調機器。
  4. 前記熱交換器(10)の表面には、遷移金属あるいは酸化触媒(14b)が露出していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  5. 前記供給手段(50)から前記熱交換器(10)の表面に前記薬液が供給される経路には、遷移金属あるいは酸化触媒(14b)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  6. 前記遷移金属、前記酸化触媒(14b)は、少なくとも白金、銅、鉄のいずれか一つであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の温調機器。
  7. 前記熱交換器(10)の表面には、スーパーオキシド発生材(14c)が露出していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  8. 前記熱交換器(10)の表面には、スーパーオキシドを発生する手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  9. 前記スーパーオキシドを発生する手段は、前記熱交換器(10)の表面が電極構造の一部分として形成されたことを特徴とする請求項8に記載の温調機器。
  10. 前記供給手段(50)から前記熱交換器(10)の表面に前記薬液が供給される経路には、スーパーオキシド発生材(14c)あるいはスーパーオキシドを発生する手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  11. 前記熱交換器(10)の表面、あるいは前記供給手段(50)から前記熱交換器(10)の表面に前記薬液が供給される経路には、負電位を印加する機構が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の温調機器。
  12. 前記負電位は、0〜−2.0V vs.Ag/AgClであることを特徴とする請求項11に記載の温調機器。
  13. 前記熱交換器(10)は、蒸発器(10)であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の温調機器。
  14. 前記熱交換器(10)は、蒸発器(10)であり、
    前記遷移金属あるいは前記酸化触媒(14b)の下層は、接触角40°以下の親水性皮膜(14a)で形成されたことを特徴とする請求項4または請求項6に記載の温調機器。
  15. 自動車用に使用される熱交換器(10)の表面に付着した臭気成分や細菌を分解、殺菌するための熱交換器の脱臭・殺菌方法であって、
    過酸化水素の貯蔵部が、ウオッシャー液の貯蔵部と共用されるようになっており、前記過酸化水素を前記熱交換器(10)の表面に塗布し、
    遷移金属、酸化触媒(14b)、スーパーオキシドを発生する手段のうち、少なくとも一つによって、前記過酸化水素から活性酸素を発生させることを特徴とする熱交換器の脱臭・殺菌方法。
  16. 前記熱交換器(10)は、蒸発器(10)を対象とすることを特徴とする請求項15に記載の熱交換器の脱臭・殺菌方法。
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