JP4279420B2 - エンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプや冷凍機として使用されるエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒートポンプや冷凍機などの冷媒圧送循環式熱移動装置としては、圧縮機をエンジンで駆動する構造のものがある。この種の装置においては、室内側熱交換器を配置した室温と目標温度との差(要求能力)に対応するようにスロットル弁開度を制御し、エンジンおよび圧縮機の回転数を増減させる構造を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述したように構成した従来のエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置においては、負荷変動によってエンジンがハンチングを起こしたり、過負荷になって停止してしまうことがあった。ハンチングを起こすのは、スロットル弁開度を変化させてから室温が変化するまでの間の時間が長いからである。また、過負荷でエンジンが停止するのは、エンジンの応答性が低いことが原因である。
【0004】
このようにエンジンの運転が不安定になるのは、例えば下記の現象が起こることによる。
(1)空調を実施している部屋のドアや窓などが開いて室温が急速に上昇または低下し、圧縮機の負荷が急速に変動する。
(2)飛来した異物が室外機の熱交換器の通風路を遮り、この熱交換器での熱交換効率が低下する。
(3)室外機の熱交換器に急激に風が吹き付けられ、冷媒の圧力が急変する。
(4)室外機に収容したエンジンの吸気口に急激に風が吹き付けられ、吸気の空燃比が変化する。
(5)室内機の運転台数が変化する。
【0005】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、室温が急速に変化したり、室外機が外乱の影響を受けたとしても、安定した運転状態を維持できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明に係るエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置は、目標温度と室温との差に基づいてエンジンの目標回転数を求める目標エンジン回転数演算手段と、実際のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、実際のエンジン回転数から目標とするエンジン回転数を減算し回転数偏差を求める回転数偏差演算手段と、回転数偏差を微分することによって回転数の変化の度合いを求める回転数変位検出手段と、回転数偏差および回転数変化の度合いとから求めたエンジン回転数変化の傾向を表す数値に対応させてエンジンを制御するエンジン制御手段とを備えてなり、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値は、回転数偏差の絶対値および回転数変化の度合いの絶対値が小さくなるにしたがってエンジン回転数変化を小さくなるように設定し、記憶手段に記憶され、前記エンジン制御手段は、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に対応させて予め設定された制御量でスロットル弁を動作させるスロットル制御手段と、実際のエンジン回転数とスロットル弁開度とに対応させて予め設定された燃料制御弁の基本動作量を前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に基づいて補正し、この補正された動作量で燃料制御弁を動作させる燃料制御手段と、実際のエンジン回転数とスロットル弁開度とに対応させて予め設定された基本点火時期を前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に基づいて補正し、この補正された点火時期となるように点火回路を制御する点火時期制御手段とを備え、前記燃料制御手段による燃料制御弁の制御時間と、点火時期制御手段による点火回路の制御時間とは、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値が0の場合には相対的に長くなるものである。
【0007】
本発明によれば、室温が急速に上昇または低下して目標エンジン回転数が大きく変化し、回転数偏差が大きくなったとしても、回転数変化の度合いが小さいときには、エンジンは回転数変化が小さくなるように制御される。
【0008】
また、回転数偏差および回転数変化の度合いの両者とも大きくなるときには、その大きさに対応するようにエンジン回転数が大きく上昇する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置の一実施の形態を図1ないし図11によって詳細に説明する。ここでは、本発明をヒートポンプ、すなわち空調装置に適用するときに採る形態について説明する。
【0010】
図1は本発明に係るエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置の構成図、図2はエンジンの構造を示す構成図、図3は制御系の構成を示すブロック図、図4はエンジン回転数変化の傾向を表す数値を求めるためのマップである。
【0011】
図5はエンジン制御用アクチュエータの動作補正量を求めるためのマップ、図6は燃料制御弁を動作させる速度と点火時期を変える速度を求めるためのマップ、図7は燃料制御弁の基本開度を求めるためのマップ、図8は基本点火時期を求めるためのマップである。
【0012】
図9はスロットル弁の開度を設定する動作を説明するためのフローチャート、図10は燃料制御弁の開度を設定する動作を説明するためのフローチャート、図11は点火時期を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
【0013】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による空調装置である。この空調装置1は、各々閉ループを構成する冷媒回路2および冷却水回路3と、駆動源としての水冷式ガスエンジン4とを備え、冷媒回路2に設けた圧縮機5をエンジン4で回転駆動して冷媒を冷媒回路中で強制循環させる構成を採っている。この空調装置1の室外機を図1中に符号6で示し、室内機を符号7で示す。
【0014】
前記冷媒回路2は、前記圧縮機5と、オイルセパレータ8、四方弁9と、5台の室内熱交換器10と、室内熱交換器毎に設けた膨張弁11と、アキュムレータ12と、2台の室外熱交換器13などから構成し、前記四方弁9で冷媒の循環回路を下記の循環回路Aまたは循環回路Bの何れか一方に切替えることができる構造を採っている。
【0015】
・循環回路A
圧縮機5→オイルセパレータ8→四方弁9→室内熱交換器10→膨張弁11→アキュムレータ12(通過のみ)→室外熱交換器13→四方弁9→アキュムレータ12→圧縮機5
【0016】
・循環回路B
圧縮機5→オイルセパレータ8→四方弁9→室外熱交換器13→アキュムレータ12(通過のみ)→膨張弁11→室内熱交換器10→四方弁9→アキュムレータ12→圧縮機5
【0017】
前記循環回路Aに切替えた場合は、室内熱交換器10が凝縮器として作用し、室外熱交換器13が蒸発器として作用し、室内熱交換器10での冷媒の放熱により空調装置1は暖房として機能する。循環回路Bに切替えた場合は、室内熱交換器10が蒸発器として作用し、室外熱交換器13が凝縮器として作用し、室内熱交換器10での冷媒の吸熱により空調装置1は冷房として機能する。
【0018】
このため、この冷媒回路2では、暖房時には圧縮機5の吐出部から室内熱交換器10を経て膨張弁11に至るまでの冷媒系が高圧回路になり、膨張弁11を過ぎてから室外熱交換器13を経て圧縮機5の吸入部に至るまでの冷媒系が低圧回路になる。冷房時には、圧縮機5の吐出部から室外熱交換器13を経て膨張弁11に至るまでの冷媒系が高圧回路になり、膨張弁11を過ぎてから室内熱交換器10を経て圧縮機5の吸入部に至るまでの冷媒系が低圧回路になる。
【0019】
前記冷媒回路2における圧縮機5の吐出部と四方弁9との間のライン(常に高圧回路になるライン)には高圧側圧力センサ14を設け、四方弁9からアキュムレータ12を経て圧縮機5の吸入部に至るライン(常に低圧回路になるライン)には低圧側圧力センサ15を設けている。これらのセンサ14,15は、後述する室外機制御装置16に冷媒圧力のデータを送出する構造を採っている。
【0020】
前記冷却水回路3は、冷却水ポンプ21と、エンジン4の排気系に設けた排ガス熱交換器22と、エンジン4に形成した冷却水ジャケット23と、感温切換弁24と、リニア三方弁25と、放熱用熱交換器26などから構成している。前記リニア三方弁25には、前記冷媒回路2のアキュムレータ12内を通過して冷却水ポンプ21に戻る冷媒加熱用ライン27と、アキュムレータ12を通過しないで前記放熱用熱交換器26を経て冷却水ポンプに戻る冷却用ライン28とを接続している。
【0021】
前記感温切換弁24には、冷却水を前記リニア三方弁25へ流す高温冷却水ライン29と、リニア三方弁25を通ることなく冷却水ポンプ21へ直接戻す低温冷却水ライン30とを接続している。
前記感温切換弁24は、エンジン始動直後のエンジン温度が低いときには冷却水をリニア三方弁25へ流すことなく低温冷却水ライン30から冷却水ポンプ21へ戻し、エンジン温度が所定値以上になったら冷却水を高温冷却水ライン29からリニア三方弁25へ流す構造を採っている。このため、エンジン4が充分に暖まっていないときに冷却水が放熱用熱交換器26やアキュムレータ12での熱交換で過度に冷却されることを阻止することができる。
【0022】
前記リニア三方弁25は、冷媒加熱用ライン27と冷却用ライン28とへ流す冷却水の流量の割合をリニアに調節できる構造を採っており、室外熱交換器13の暖房時吸熱能力や冷房時放熱能力などに対応させて適当量の冷却水を冷媒加熱用ライン27に流してアキュムレータ12内の液相冷媒にエンジン4の廃熱(排ガスによって与えられる熱と冷却によってエンジン4から奪われる熱)を与え、低圧側冷媒回路における液相冷媒の気化を助長する。
【0023】
前記エンジン4は、単気筒または多気筒の水冷式4サイクルエンジンであり、図2に示すように、シリンダヘッド31およびシリンダブロック32に前記冷却水回路の一部を構成する冷却水ジャケット23を形成している。また、クランクケース33には、クランク軸34のクランク角を検出してクランク角信号を後述する室外機制御装置16に送出するクランク角検出センサ35を取付けている。クランク軸34は、変速機36および電磁クラッチ37を介して前記圧縮機5に接続している。
【0024】
この変速機36は、油圧によって変速比を変える構造を採っている。油圧は、クランク軸34が駆動する油圧ポンプ38から印加され、油圧ポンプ38と変速機36との間のオイル通路に介装した変速制御弁39によって圧力が制御される。前記変速制御弁39は室外機制御装置16が制御する。また、この変速機36の従動プーリ36aの近傍には、圧縮機5の回転数を検出して回転数データを室外機制御装置16に送出する圧縮機回転数検出用センサ40を配設している。
【0025】
前記シリンダヘッド31は、点火プラグ41と、吸気弁42および排気弁43と、これら両弁を駆動する動弁装置44を備えている。点火プラグ41は点火コイル45と点火回路46とを接続している。点火回路46は、室外機制御装置16が制御する回路を採っている。
【0026】
前記動弁装置44は、吸気カム軸の位相を変化させる吸気カム軸用バルブタイミング可変機構47を備えるとともに、排気カム軸の位相を変化させる排気カム軸用バルブタイミング可変機構48を備えている。これらの可変機構は、前記油圧ポンプ38から印加された油圧によって作動する構造を採っている。吸・排気弁42,43の位相を変えるためには、両可変機構47,48と油圧ポンプ38との間にそれぞれ介装した油圧制御弁49,50で油圧を増減させることによって実施する。油圧制御弁49,50は室外機制御装置16が制御する。
【0027】
吸気カム軸の近傍には、吸気カム軸の回転からエンジン回転数を検出するとともに吸気カム軸の位相を検出するための吸気側カム軸センサ51を設けている。排気カム軸の近傍には、排気カム軸の位相を検出するための排気側カム軸センサ52を設けている。これらのセンサは、検出信号を室外機制御装置16に送出するように接続している。
【0028】
シリンダヘッド31の吸気ポート入口には吸気管53を接続し、排気ポート出口には排気管54を接続している。
前記吸気管53は、スロットル弁55とミキサ56とを介装し、上流側端部にエアクリーナ57を接続するとともに、下流側端部に吸気負圧を検出するための吸気負圧センサ58を取付けている。
【0029】
前記スロットル弁55は、パルスモータ55a(図3参照)によって駆動する構造を採っている。パルスモータ55aの動作量も室外機制御装置16が制御する。
前記ミキサ56は、燃料制御弁59と、減圧調整弁60および燃料開閉弁61を介して燃料ガスボンベ62を接続している。燃料供給系は、燃料ガスボンベ62から供給された燃料と、エアクリーナ57から供給された空気とをミキサ56で混合させてエンジン4に供給するように構成している。
【0030】
前記燃料開閉弁61は、燃料ガスボンベ62からの燃料の供給を停止または開始するために設けてあり、前記燃料制御弁59は、燃料ガスボンベ62から供給される燃料の量を調整して空燃比を制御するために設けてある。これら両弁は室外機制御装置16が制御する。
【0031】
前記排気管54は、前記冷却水回路の一部を構成する排ガス熱交換器22を介装し、O2センサ54aとNOXセンサ54bを取付けている。排ガス熱交換器22には冷却水温度を検出するための冷却水温センサ63を設けている。
【0032】
次に、この空調装置1の制御系の構成を図3および図4によって詳細に説明する。
この空調装置1の制御系は、複数の室内機7にそれぞれ設けた室内機制御装置71と、室外機6に設けた室外機制御装置16とから構成している。前記各室内機制御装置71と室外機制御装置16とは、互いに関連して制御を行うことができるように電気的に接続している。
【0033】
室内機7は、室内熱交換器10および膨張弁11の他に、それぞれ送風用ファン72と、オンオフスイッチや温度設定キーなどを有する操作部73と、室内機7を設置した室内の温度を検出する室内温度センサ74などを備えている。この室内機7に設けた室内機制御装置71は、操作部73において希望設定温度が入力されたときに、室内温度センサ74から入力される実際の室内温度と前記希望設定温度とを比較し、これらの温度差が減少するように送風用ファン72の出力を制御する。これとともに、室内機制御装置71は、各室内機7のオンオフなどに応じて各室内熱交換器10に対応する膨張弁11の開閉制御、開度制御を実施する。
【0034】
室外機制御装置16は、冷媒回路制御部81と、エンジン駆動制御部82とから構成している。
前記冷媒回路制御部81は、各室内機7での冷暖房の切換操作に対応させて前記四方弁9を切替え、冷媒回路における冷媒の循環方向を変えるとともに、室内機7の動作台数に対応させて室外熱交換器13のファン83(図1参照)の出力を制御し、室外熱交換器13での放熱量および吸熱量を制御する。また、室外熱交換器13の吸熱能力や、冷房時における室外熱交換器13の放熱能力の状態に対応させてリニア三方弁25の開度を制御し、アキュムレータ12に送る冷却水の流量を調整する。
【0035】
エンジン駆動制御部82は、室内機7の運転台数や設定温度の変化、室内機7が設置してある室内の温度の変化または室外機6を設置した屋外の環境変化などの様々な原因により生じる冷媒回路の負荷変動に対応させてエンジン4の駆動制御を実施する。
【0036】
このエンジン駆動制御部82は、目標エンジン回転数演算手段84と、エンジン回転数検出手段85と、回転数偏差演算手段86と、回転数変位検出手段87と、補機制御手段88と、エンジン制御手段89とから構成している。
【0037】
前記目標エンジン回転数検出手段84は、室内機7の操作部73で設定した目標温度と、室内機7の室内温度センサ74が検出した室温との差に基づいてエンジン4の目標回転数を求める回路である。
【0038】
前記エンジン回転数検出手段85は、吸気カム軸の近傍に設けた吸気側カム軸センサ51によって実際のエンジン4の回転数を検出する回路である。
前記回転数偏差演算手段86は、前記エンジン回転数検出手段85が求めた実際のエンジン回転数から、前記目標エンジン回転数演算手段84が求めた目標エンジン回転数を減算し、回転数偏差を求める回路である。
【0039】
前記回転数変位検出手段87は、前記回転数偏差演算手段86が求めた回転数偏差を微分することによって回転数の変化の度合いを求める回路である。
補機制御手段88は、吸気カム軸および排気カム軸に設けたバルブタイミング可変機構47,48を制御するとともに、変速機36の変速比を調整する回路である。
【0040】
前記エンジン制御手段89は、前記回転数偏差演算手段86が求めた回転数偏差と、前記回転数変位検出手段87が求めた回転数の変化の度合いとからエンジン回転数変化の傾向を表す数値を求め、この数値に対応させてエンジン4を制御する回路である。前記数値は、回転数偏差の絶対値および回転数変化の度合いの絶対値が小さくなるにしたがってエンジン回転数変化を小さくなるように設定し、図4に示すように、回転数偏差と回転数変化の度合いとに割り付けたマップとしてメモリ90に記憶させている。このメモリ90が本発明に係る記憶手段を構成している。前記マップを以下においてはエンジン回転レベルマップという。
【0041】
エンジン4の制御は、スロットル弁55を制御するスロットル制御手段91と、燃料制御弁59を制御する燃料制御手段92と、点火時期を制御する点火時期制御手段93とによって実施する。
【0042】
前記スロットル制御手段91は、上述したエンジン回転レベルマップから読出した数値を図5に示すレベル−動作量変換マップに当てはめ、このマップから対応するスロットル弁用パルスモータ55aの制御量(動作量)を読出して設定する。図5のマップは、エンジン回転数変化の傾向を表す数値に対応するスロットル弁用パルスモータ55a・燃料制御弁用アクチュエータ・点火時期の各々の制御量を割付けてあり、メモリ90に記憶させている。
【0043】
スロットル制御は、エンジン回転数変化の傾向を表す数値が例えば+4のときには、スロットル弁用パルスモータ55aを2ステップだけスロットル弁55が開く方向に作動させて実施する。
【0044】
前記燃料制御手段92は、前記エンジン回転数検出手段85が検出した実際のエンジン回転数と、現在のスロットル弁開度とを図7に示す燃料制御弁開度マップに当てはめ、このマップから対応する基本動作量を読出す。図7に示す燃料制御弁開度マップは、エンジン回転数とスロットル開度とに燃料制御弁59の基本動作量を割付けてあり、メモリ90に記憶させている。
【0045】
前記基本動作量は、エンジン4の運転状態に対応させて補正する。詳述すると、前記図5に示したレベル−動作量変換マップに現在のエンジン回転数変化の傾向を表す数値を当てはめ、このマップから対応する動作量(補正値)を読出し、この動作量を前記基本動作量に加算する。この加算値だけ燃料制御弁59を動作させる。
【0046】
この実施の形態では、燃料制御弁59を動作させる速度をエンジン4の運転状態に対応させて変化させる構成を採っている。すなわち、図6に示すレベル−動作時間変換マップに現在のエンジン回転数変化の傾向を表す数値を当てはめ、このマップから対応する制御時間(単位動作時間)を読出し、この制御時間に基づいて燃料制御弁59を動作させる。
【0047】
図6に示すレベル−動作時間変換マップは、エンジン回転数変化の傾向を表す数値に対応する燃料制御弁59・点火時期の各々の制御時間を割付けてあり、メモリ90に記憶させている。このマップは、エンジン4の運転状態が安定しているとき、すなわちエンジン回転数変化の傾向を表す数値が0の場合には、燃料制御弁59が不必要に作動するのを阻止するとともに、燃料制御弁59の動作回数を低減させてアクチュエータでの電力消費量を低減するために、制御時間が長くなるように設定している。
【0048】
前記点火時期制御手段93は、前記エンジン回転数検出手段85が検出した実際のエンジン回転数と、現在のスロットル弁開度とを図8に示す点火時期マップに当てはめ、このマップから対応する基本点火時期を読出す。図8に示す点火時期マップは、エンジン回転数とスロットル開度とに基本点火時期を割付けてあり、メモリ90に記憶させている。
【0049】
前記基本点火時期は、エンジン4の運転状態に対応させて補正する。詳述すると、前記図5に示したレベル−動作量変換マップに現在のエンジン回転数変化の傾向を表す数値を当てはめ、このマップから対応する点火時期(補正値)を読出し、この補正点火時期を前記基本点火時期に加算する。この加算値が点火時期になるように点火回路46を制御する。
【0050】
この実施の形態では、点火時期を変える速度をエンジン4の運転状態に対応させて変化させる構成を採っている。すなわち、図6に示すレベル−動作時間変換マップに現在のエンジン回転数変化の傾向を表す数値を当てはめ、このマップから対応する制御時間(単位動作時間)を読出し、この制御時間に基づいて点火時期を変化させる。
【0051】
図6に示すレベル−動作時間変換マップは、エンジン4の運転状態が安定しているとき、すなわちエンジン回転数変化の傾向を表す数値が0の場合には、点火時期が無用に変化するのを阻止し、ハンチングが起こるのを阻止するために、制御時間が長くなるように設定している。
【0052】
次に、上述したように構成したエンジン駆動制御部82の動作を図9ないし図11に示すフローチャートによって説明する。
【0053】
スロットル弁55を制御するためには、先ず、図9に示すフローチャートのステップ101で目標エンジン回転数Rrを求め、ステップ102で実際のエンジン回転数Reを検出する。
そして、ステップ103で実際のエンジン回転数Reから目標エンジン回転数Rrを減算し、回転数偏差ΔRを求める。次いで、ステップ104で前記回転数偏差ΔRを微分し、回転数の変化の度合い(回転数変位)ΔR′を求める。
【0054】
このように回転数偏差ΔRと回転数変位ΔR′を求めた後、ステップ105で図4のエンジン回転レベルマップからエンジン回転数変化の傾向を表す数値を読出し、ステップ106で図5のレベル−動作量変換マップからスロットル動作量Tcを読出す。そして、ステップ107でスロットル制御手段91が前記スロットル動作量Tcだけスロットル弁用パルスモータ55aを駆動する。
【0055】
燃料制御弁59を制御するためには、先ず、図10に示すフローチャートのステップ201で図7の燃料制御弁開度マップから燃料制御弁59の基本開度Ft(基本動作量)を読出し、ステップ202で図5のレベル−動作量変換マップから補正動作量Fcを読出す。そして、ステップ203で前記基本開度Ftに補正動作量Fcを加算し、燃料制御弁59の動作要求開度Fを算出する。
【0056】
このように動作要求開度Fを求めた後、ステップ204において図6のレベル−動作時間変換マップから単位動作時間tfを読出し、この単位動作時間tfの間に前記動作要求開度Fだけ燃料制御弁59を動作させる。
【0057】
点火時期を制御するためには、先ず、図11に示すフローチャートのステップ301で図8の点火時期マップから基本点火時期Itを読出し、ステップ302で図5のレベル−動作量変換マップから補正点火時期Icを読出す。そして、ステップ303で前記基本点火時期Itに補正点火時期Icを加算し、要求点火時期Iを算出する。
【0058】
このように要求点火時期Iを求めた後、ステップ304において図6のレベル−動作時間変化マップから単位動作時間tiを読出し、この単位動作時間tiの間に前記要求点火時期Iとなるように点火時期を変更する。
【0059】
したがって、エンジン4の制御はエンジン回転数の変化の度合いに対応するように実施されるから、室温が急激に上昇または低下して目標エンジン回転数が大きく変化し、回転数偏差が大きくなったとしても、回転数変化の度合いが小さいときには、エンジン4は回転数変化が小さくなるように制御される。
【0060】
このため、変化した室温が目標温度に達するまでにエンジン回転数は除々に上昇または低下する。また、回転数偏差が小さくても外乱の影響でエンジン回転数が変化して回転数変化の度合いが大きくなるときには、前記外乱による影響をうち消すようにエンジン回転数が増減する。さらに、回転数偏差および回転数変化の度合いの両者とも大きくなるときには、その大きさに対応するようにエンジン回転数が大きく上昇するから、室温の変化や外乱による室外機6の負荷の変化が急激に起こったとしても、確実にエンジン回転数を追従させることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、室温が急激に上昇または低下して目標エンジン回転数が大きく変化し、回転数偏差が大きくなったとしても、回転数変化の度合いが小さいときには、エンジンは回転数変化が小さくなるように制御される。
【0062】
このため、変化した室温が目標温度に達するまでにエンジン回転数は除々に上昇または低下する。また、回転数偏差が小さくても外乱の影響でエンジン回転数が変化して回転数変化の度合いが大きくなるときには、外乱による影響をうち消すようにエンジン回転数が増減する。さらに、回転数偏差および回転数変化の度合いの両者とも大きくなるときには、その大きさに対応するようにエンジン回転数が大きく上昇するから、室温の変化や外乱による室外機の負荷の変化が急激に起こったとしても、確実にエンジン回転数を追従させることができる。
【0063】
したがって、室温が急速に変化したり、室外機が外乱の影響を受けたとしても、エンジンはハンチングを起こしたり停止することはなく、安定した運転状態を維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置の構成図である。
【図2】 エンジンの構造を示す構成図である。
【図3】 制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】 エンジン回転数変化の傾向を表す数値を求めるためのマップである。
【図5】 エンジン制御用アクチュエータの動作補正量を求めるためのマップである。
【図6】 燃料制御弁を動作させる速度と点火時期を変える速度を求めるためのマップである。
【図7】 燃料制御弁の基本開度を求めるためのマップである。
【図8】 基本点火時期を求めるためのマップである。
【図9】 スロットル弁の開度を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】 燃料制御弁の開度を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】 点火時期を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
4…エンジン、16…室外機制御装置、84…目標エンジン回転数演算手段、85…エンジン回転数検出手段、86…回転数偏差演算手段、87…回転数変位検出手段、89…エンジン制御手段。
Claims (1)
- 目標温度と室温との差に基づいてエンジンの目標回転数を求める目標エンジン回転数演算手段と、実際のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記実際のエンジン回転数から目標とするエンジン回転数を減算して回転数偏差を求める回転数偏差演算手段と、前記回転数偏差を微分することによって回転数の変化の度合いを求める回転数変位検出手段と、前記回転数偏差および回転数変化の度合いとからエンジン回転数変化の傾向を表す数値を求め、この数値に対応させてエンジンを制御するエンジン制御手段とを備えてなり、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値は、前記回転数偏差の絶対値および回転数変化の度合いの絶対値が小さくなるにしたがってエンジン回転数変化を小さくするように設定し、記憶手段に記憶され、
前記エンジン制御手段は、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に対応させて予め設定された制御量でスロットル弁を動作させるスロットル制御手段と、
実際のエンジン回転数とスロットル弁開度とに対応させて予め設定された燃料制御弁の基本動作量を前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に基づいて補正し、この補正された動作量で燃料制御弁を動作させる燃料制御手段と、
実際のエンジン回転数とスロットル弁開度とに対応させて予め設定された基本点火時期を前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値に基づいて補正し、この補正された点火時期となるように点火回路を制御する点火時期制御手段とを備え、
前記燃料制御手段による燃料制御弁の制御時間と、点火時期制御手段による点火回路の制御時間とは、前記エンジン回転数変化の傾向を表す数値が0の場合には相対的に長くなることを特徴とするエンジン駆動冷媒圧送循環式熱移動装置。
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-
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