JP4278958B2 - パチンコ機の遊技部材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機の遊技領域に球の上部中央から左右に分かれた後に再び中央に寄るような流れを作るように設けられる遊技部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機の遊技領域に設けられる遊技部材は、前方に開放された方形状の中央凹部を笠部と左・右ワープ通路部と下ステージおよび透過性パネルで囲むように形成(囲み形成)し、笠部に球入口部を備える。そして、遊技領域に発射された球が遊技部材における球入口部に取り込まれると、当該球がワープ通路部を経由して下ステージに排出される。下ステージに排出された球が下ステージを左右に行き交いながら下ステージの中央部から真下の遊技領域に設けられた始動入賞部品に向けて落下したり、下ステージの左右部から始動入賞部品の左右に向けて落下したりする。つまり、球が下ステージの中央部から落下することで始動入賞部品に入賞する可能性が高くなり、球が下ステージの左右部から落下することで始動入賞部品に入賞する可能性が低くなるというように、遊技部材は始動入賞部品に対する球の入賞に影響を与える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−51448号公報(第1頁、要約、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例は上部の球入口部に取り込まれた球が下ステージに必ず誘導される構造であるので、遊技部材での球の行き交いが画一的で遊技性に欠けるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は前方に開放された凹部を形成する上部での球の行き交いに変化を与えて遊技性を向上することができる遊技部材を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、遊技領域に設けられ、上ステージと左右壁と下ステージとにより囲まれる凹部と、上ステージよりも上方に位置する笠部とを有するパチンコ機の遊技部材であって、前記笠部が遊技領域内の球を取込む複数の球入口と、前記球入口部に取り込んだ球を前記上ステージ上に排出する複数の球出口とを備え、前記上ステージが中央から左右に行くに従って低くなる弧面と、前記弧面の両端部から急落下し、前記球出口から排出され前記孤面上に落下した球を遊技領域に排出する複数の袖部と、前記球出口から排出され前記弧面上に落下した球を取り込み、前記左右壁に設けられたワープ通路に排出するワープ入口部とを備え、前記下ステージが前記ワープ通路から排出された球を前記遊技領域に設けられた始動入賞部品に向けて落下させることによって、前方に開放された凹部を形成する上部での球の踊るような行き交いに変化を持たせることができ、遊技領域に飛び交う球の数が増加して遊技性を向上することができる。また、上ステージよりも上方に笠部を設け、笠部に複数の球入口を設ければ、遊技領域から球入口に取り込まれた球が球出口から上ステージに排出されるので、上ステージでの球の行き交いに変化を一層持たせることができる。また、本発明にあっては、上ステージにワープ入口部を設ければ、上ステージで踊った球をワープ通路から下ステージに排出し、下ステージでの球の踊るような行き交いを誘発することができる。
また、本発明にあっては、前記球入口が前記笠部の中央及び左右に配置され、前記上ステージが前記中央に位置する球入口に取り込まれた球を排出する球出口の下方に突起を備え、前記左右に位置する球入口が斜め上方に開口し、取り込まれた球を前記ワープ入賞口と前記突起との間に排出することによって、上ステージでの行き交いに意外な変化を発生することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1−図3は一実施形態であって、図1は遊技盤1に取り付けられた遊技部材4の外観を示し、図2は遊技部材4の正面を示し、図3は遊技盤1の正面を示す。
【0008】
図3を参照し、パチンコ機の遊技盤1について説明する。遊技盤1は前面である意匠盤面のガイドレール2で囲まれた内側の遊技領域3の中央部に遊技部材4を備え、遊技部材4の真下に始動入賞部品5を備え、始動入賞部品5の真下にアタッカーや大入賞口と呼ばれるような開閉体6の有る可変入賞部品7を備える。遊技部材4における中央の透過性パネル8の裏側には図外の液晶表示器のような図柄表示器が配置される。そして、遊技領域3に発射された球が始動入賞部品5に入賞すると、図外の制御装置が抽選処理を実行し、図柄表示器が図柄変動を開始した後に抽選結果を反映すべく停止する。例えば、抽選結果として外れが抽選されている場合は図柄表示器による停止した確定図柄が当たり図柄以外となって始動入賞に伴うそれ以降の大当たり遊技を行わない(制御装置が可変入賞部品7の開閉体6を開閉しない)。抽選結果として当たりが抽選されている場合は図柄表示器による停止した確定図柄が当たり図柄で揃った後に可変入賞部品7の開閉体6が開閉する大当たり遊技となる。遊技部材4における下ステージ13に取り込まれた球は下ステージ13の中央部から真下の遊技領域に設けられた始動入賞部品5に向けて落下したり、下ステージ13の左右部から始動入賞部品5の左右に向けて落下したりする。
【0009】
図1および図2を参照し、遊技部材4について説明する。遊技部材4はセンター飾りと呼ばれる部品であって、前方に開放された方形状の中央凹部11を上・下ステージ12;13と左・右壁を形成するワープ通路部14;15および透過性パネル8で囲むように形成(囲み形成)し、上ステージ12に左・右ワープ入口部16;17を備え、上ステージ12および左・右ワープ入口部16;17よりも上部に離間された笠部18を備え、笠部18に複数の球入口部21;22;23を備える。本実施形態では、遊技部材4が上ステージ12と左・右ワープ入口部16;17および複数の球入口部21−23を備えた新規な事項によって、複数の球入口部21−23から上ステージ12に向けて排出された球が左・右ワープ入口部16;17に取り込まれるかまたは上ステージ12の左右から遊技盤1の遊技領域3に排出されるようになっている。複数の球入口部21−23から排出された球が上ステージ12に落下する着地点は、遊技部材4を正面から見て、笠部18における中央球入口部22と上ステージ12における左ワープ入口部16との間の位置または中央球入口部22と右ワープ入口部17との間の位置である。その理由は、左・右ワープ入口部16;17が斜めになっているので、左・右ワープ入口部16;17の球出口39;42から放出される球が斜めの落下軌跡を描くからである。
【0010】
具体的には、遊技部材4では、下ステージ13および左・右ワープ通路部14;15が遊技部材4を遊技盤1に固定するために周縁に設けられたフランジ24よりも後方に配置され、上ステージ12と左・右ワープ入口部16;17と笠部18および複数の球入口部21−23がフランジ24よりも前方に配置される一方、上ステージ12と笠部18との間に上光演出部25を備え、ワープ通路部の裏側に左・右光演出部26;27を備え、上光演出部25および左・右光演出部26;27がフランジ24よりも後方に配置される。
【0011】
よって、フランジ24よりも後方に配置された下ステージ13と左・右ワープ通路部14;15と上光演出部25および左・右光演出部26;27が遊技盤1の前側から遊技盤1に形成された図外の開口部に挿入されることで、フランジ24や開口部周りの遊技領域3に接触して遊技部材4と開口部との隙間を遊技部材4の前側から見えないように被覆する。その状態において、止ねじ29が遊技部材4の前側からフランジ24に形成された図外の貫通孔を経由して遊技盤1に締結されることで、遊技部材4が図1に示すように遊技盤1に取り付けられる。遊技部材4が遊技盤1に取り付けられた場合、笠部18と複数の球入口部21−23と上ステージ12および左・右ワープ入口部16;17は遊技盤1の遊技領域3から前側に突出する。
【0012】
笠部18の上面および上ステージ12の上面は中央から左右に行くに従って徐々に低くなる凸状の弧面を形成する。上ステージ12は左・右延設部31;32を備える。左・右延設部31;32の上面は上ステージ12の上面から左右に行くに従って徐々に低くなる弧面31a;32aと当該弧面31a;32aの端部から急に落下する左・右袖部31b;32bとを備える。弧面31a;32aはフランジ24の前を通過する。
【0013】
中央球入口部22は笠部18の中央部に配置され、上方に開口する球入口35と下方に開口する球出口36とを備え、笠部18の中央部を貫通する球入口35から内部に取り込んだ球を笠部18の前側から奥側に誘導して球出口36から上光演出部25の前側に落下排出する。上光演出部25の前面には突起37が設けられ、突起37が中央球入口部22の球出口36から落下した球を斜めに左右に振り分ける。
【0014】
左球入口部21は笠部18の左端部に配置され、斜め上方に開口する球入口38と下方に開口する球出口39とを備え、笠部18の左端部で斜めに向いた球入口38から内部に取り込んだ球を笠部18の前側から中央奥側に誘導して球出口39から上光演出部25の前側に落下排出する。この左球入口部21の球出口39から落下した球は上ステージ12を左から中央に流れる方向性を有する。よって、左球入口部21から排出された球は上ステージ12の上で突起37に衝突したり、衝突後に左ワープ入口部16に向かったり、衝突後に右ワープ入口部17に向かったり、突起37に衝突することなく左・右ワープ入口部16;17を通過して左・右袖部31b;32bから遊技盤1の遊技領域3に向かったりする。
【0015】
右球入口部23は笠部18の右端部に配置され、斜め上方に開口する球入口41と下方に開口する球出口42とを備え、笠部18の右端部で斜めに向いた球入口41から内部に取り込んだ球を笠部18の前側から中央奥側に誘導して球出口42から上光演出部25の前側に落下排出する。この右球入口部23における球出口42から落下した球は上ステージ12を右から中央に流れる方向性を有する。よって、右球入口部23から排出された球は上ステージ12の上で突起37に衝突したり、衝突後に左ワープ入口部16に向かったり、衝突後に右ワープ入口部17に向かったり、突起37に衝突することなく左・右ワープ入口部16;17を通過して左・右袖部31b;32bから遊技盤1の遊技領域3に向かったりする。
【0016】
上ステージ12の前縁部には堰体43が設けられ、堰体43が上ステージ12からの球の落下を防止するとともに球を上ステージ12の中央から左・右ワープ入口部16;17の方向に誘導する。堰体43の前面は遊技部材4が取り付けられる遊技盤1の機種名を表わす文字を有する情報表示部になっている。
【0017】
左・右ワープ入口部16;17は堰体43の左右端部に個別に配置され、上ステージ12の側部を貫通する球入口44;45から内部に取り込んだ球を上ステージ12の下側で前側から奥側に誘導して左・右ワープ通路部14;15に流下排出する。左・右ワープ入口部16;17は無色または有色な透過性合成樹脂で形成されていて、左・右ワープ入口部16;17における球入口44;45から左・右ワープ入口部16;17に流れる球を遊技部材4の前側から遊技者が視認し得る。
【0018】
左ワープ通路部14は左ワープ入口部16から上ステージ12の下部に沿い左側に延長する横通路部46と、横通路部46の延長端から下方に延びる縦通路部47とを備える。左ワープ通路部14の縦通路部47は上部から下方に行くに従って徐々に内側に寄るような形態である。横通路部46の斜め下部前面および縦通路部47の斜め右内側面にはスリット48が設けられる。スリット48は左ワープ通路部14の内部を流れる球を遊技部材4の前側から遊技者に視認させる開口である。よって、左ワープ入口部16から左ワープ通路部14に流れ込んだ球は球の外周面の一部がスリット48の相対峙する縁に接触しつつ横通路部46および縦通路部47を流下する。つまり、スリット48が左ワープ通路部14の内部の球を誘導する機能も有する。左ワープ通路部14は無色または有色な透過性合成樹脂で形成されていて、左ワープ通路部14の内部を流れる球を遊技部材4の前側から遊技者が視認し得る。左ワープ通路部14の球出口49は下ステージ13の左奥側に球を排出する。
【0019】
右ワープ通路部15は右ワープ入口部17から上ステージ12の下部に沿い右側に延長する横通路部51と、横通路部51の延長端から下方に延びる縦通路部52とを備える。右ワープ通路部15の縦通路部52は上部から下方に行くに従って徐々に内側に寄るような形態である。横通路部51の斜め下部前面および縦通路部52の斜め右内側面にはスリット53が設けられる。スリット53は右ワープ通路部15の内部を流れる球を遊技部材4の前側から遊技者に視認させる開口である。よって、右ワープ入口部17から右ワープ通路部15に流れ込んだ球は球の外周面の一部がスリット53の相対峙する縁に接触しつつ横通路部51および縦通路部52を流下する。つまり、スリット53が右ワープ通路部15の内部の球を誘導する機能も有する。右ワープ通路部15は無色または有色な透過性合成樹脂で形成されていて、右ワープ通路部15の内部を流れる球を遊技部材4の前側から遊技者が視認し得る。右ワープ通路部15の球出口54は下ステージ13の右奥側に球を排出する。
【0020】
本実施形態の構造によれば、図1において、遊技領域3から遊技部材4における中央球入口部22に取り込まれた球は球出口36から落下して突起37に衝突して左右または斜め前方のいずれかに振り分けられる。遊技領域3から遊技部材4における左・右球入口部21;23に取り込まれた球は球出口39;42から突起37に向かう斜めの落下軌跡を描いて上ステージ12の突起37と左・右ワープ入口44;45との間に落下する。このように中央球入口部22から上ステージ12に落下した球と左・右球入口部21;23から上ステージ12に落下した球とが相互に衝突して上ステージ12の上で踊るように行き交いながら、左・右ワープ入口44;45に取り込まれたりする。つまり、上ステージ12において球が踊ることで、球の上ステージ12に滞留する時間が長くなるので、多数の球が遊技領域3で遊んでいる情景を遊技者に見せることができ、上ステージ12で踊っている球が始動入賞部品5に入賞するという期待感を遊技者に与えることができる。
【0021】
図3に示すように、遊技盤1に遊技釘61を遊技部材4における左・右球入口部21;23の近傍に位置するように設けることによって、当該遊技釘61に衝突した球が遊技領域3から左・右球入口部21;23に取り込まれる易くなる。図3において、始動入賞部品5の真上に位置するように遊技盤1に設けた遊技釘62は始動入賞部品5への球の入賞を左右する命釘である。
【0022】
上光演出部25が上ステージ12と笠部18との間に設けられているので、遊技の状況に応じて上光演出部25におけるLEDまたは電球のような光源を点灯または点滅させることで、当該光源からの光が上演出部25の前面を照明し、その照明光が上ステージ12で踊る球を浮き出すことができる。左・右光演出部26;27が左・右ワープ通路部14;15の裏側に設けられているので、遊技の状況に応じて左・右光演出部26;27におけるLEDまたは電球のような光源を点灯または点滅させることで、当該光源からの光が左・右光演出部26;27の前面を照明し、その照明光が左・右ワープ通路部14;15を通過する球を浮き出すことができる。
【0023】
前記実施形態では左・右壁を左・右ワープ通路部14;15として形成したが、左・右壁のいずれか一方を左・右ワープ通路部14;15のいずれか一方として形成し、残る左・右壁のいずれか他方を内部に通路の形成していない壁としてもよい。つまり、ワープ通路部としては左・右ワープ通路部14;15のいずれか一方だけでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の遊技部材を示す斜視図。
【図2】 同実施形態の遊技部材を示す正面図。
【図3】 同実施形態の遊技盤を示す正面図。
【符号の説明】
3 遊技領域
4 遊技部材
11 中央凹部(凹部)
12 上ステージ
13 下ステージ
14 左ワープ通路部
15 右ワープ通路部
16 左ワープ入口部
17 右ワープ入口部
18 笠部
21−23 球入口部
37 突起
Claims (2)
- 遊技領域に設けられ、
上ステージと左右壁と下ステージとにより囲まれる凹部と、
上ステージよりも上方に位置する笠部とを有するパチンコ機の遊技部材であって、
前記笠部が遊技領域内の球を取込む複数の球入口と、
前記球入口に取り込んだ球を前記上ステージ上に排出する複数の球出口とを備え、
前記上ステージが中央から左右に行くに従って低くなる弧面と、
前記弧面の両端部から急落下し、前記球出口から排出され前記孤面上に落下した球を遊技領域に排出する複数の袖部と、
前記球出口から排出され前記弧面上に落下した球を取り込み、前記左右壁に設けられたワープ通路に排出する複数のワープ入口部とを備え、
前記下ステージが前記ワープ通路から排出された球を前記遊技領域に設けられた始動入賞部品に向けて落下させることを特徴とするパチンコ機の遊技部材。 - 前記球入口が前記笠部の中央及び左右に配置され、
前記上ステージが前記中央に位置する球入口に取り込まれた球を排出する球出口の下方に突起を備え、
前記左右に位置する球入口が斜め上方に開口し、取り込まれた球を前記ワープ入賞口と前記突起との間に排出することを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の遊技部材。
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