JP4273512B2 - 吸放湿性重合体およびその成形体 - Google Patents

吸放湿性重合体およびその成形体 Download PDF

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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/44Preparation of metal salts or ammonium salts

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿性および放湿性能が高く、特に吸湿、放湿速度に優れる吸放湿性重合体およびそれを含有する成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より空気中の湿気を除去する手段として塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、五酸化リン等の吸湿剤が用いられてきたが、これらの吸湿剤は、吸湿量が多く、また吸湿速度も速いが、潮解性があるために、吸湿後液状化して他を汚染したり、成形し難く、再生が困難である等の欠点があった。また、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭等の吸湿剤は、前記のような問題がないものの、吸湿量が少ないこと、吸湿速度が遅く、また再生に高温を要する、さらには吸放湿の繰返しにより粉末化が起きるといった欠点があり、実用化の妨げとなっていた。
【0003】
これに対し、有機系の吸湿材についても、ポリアクリル酸塩系に代表される超吸水性樹脂が吸湿材として利用されている場合もある。しかし、この超吸水性樹脂の場合、吸水性能は非常に優れたものがあるが、吸湿性能に関しては満足のいくものではない。具体的な問題点としては、水の保持性が高く放湿が起こり難いこと、低湿度下における飽和吸湿量が低いこと、吸湿に伴い粘着性を帯びることおよび吸湿速度が遅いことがあげられる。放湿不良、低湿度下の問題および粘着性の問題に関しては、特開平5ー132858号公報において有機系高分子よりなる高吸放湿性繊維が、また特開平8−225610号公報には同じく有機系吸放湿性微粒子が提案されており解決が図られている。しかし、依然として吸湿速度が遅いことについては問題点として指摘されている。
【0004】
この吸湿速度に対しては、例えば特開平5−105704号公報においては、ポリアクリル酸塩と潮解性無機塩を組み合わせた方法が提案されている。該方法によると、低湿度下での吸湿性能が改善され、液ダレのない高い吸湿能力のものを得ることができることが述べてある。しかし、吸湿速度に関しては、吸湿に要する時間は時間オーダー(実施例では、10時間にわたって顕著な吸湿量の増加がある)かかっており、分あるいは秒オーダーでの吸湿速度が要求される用途、例えばローター式除湿機などには満足できるものではない。
【0005】
この吸湿速度に関しては、工業材料 第29巻 8号 18頁に記載されているが、高吸水性樹脂のような親水性の高い高分子は一般に吸湿速度が遅いことが指摘されている。この理由としては、高分子に極性基間相互作用があるため高分子自体の分子運動が抑えられており、水の拡散が起りにくいためと説明されている。また、高湿度下における高い飽和の吸湿量については、吸湿に伴い、徐々にこの相互作用がこわされて、可塑化が進み水の拡散が起り易くなることにより最終的に比較的高い飽和吸湿量が得られることが述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い吸湿性、放湿性を有し、かつその吸湿、放湿性能を短時間で発現することのできる、即ち吸放湿速度にも優れる重合体および該重合体を含有する成形体を提供することである。本発明者は、吸放湿材料の吸放湿性能、特に吸放湿速度に焦点を絞り鋭意研究を続けてきた。その結果、カルボキシル基の塩の型が吸放湿速度に大きく影響するという事実を発見し、高い吸放湿性を有し、かつこれまでにない優れた吸湿、放湿速度を有する有機系重合体とすることができ、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明の上記目的は、カリウム塩型カルボキシル基を1.0〜8.0meq/g含有し、かつ架橋構造を有する有機高分子であって、該有機高分子は、ニトリル基を有するビニルモノマーの含有量が50重量%以上よりなるニトリル系重合体において、ニトリル基をヒドラジン系化合物と反応させて架橋構造を導入した後、残存するニトリル基を加水分解反応を経てカリウム塩型カルボキシル基に変性したものであることを特徴とする吸放湿性重合体により達成される。また、かかる吸放湿性重合体は、繊維状、粒子状、シート状のいずれかの形態をとることができ、この重合体を含有してなる成形体は吸放湿の速度を要求される分野に有用である。以下本発明を詳細に説明する。
【0008】
まず本発明における吸放湿性重合体は、カリウム塩型カルボキシル基を1.0〜8.0meq/g含有し、かつ架橋構造を有する必要がある。本発明の最大のポイントであり、優れた吸湿速度を発現できる鍵はこのカルボキシル基がカリウム塩型となっている点である。カリウムはごく一般的に使用されるアルカリ金属であるためか、高い吸湿量を意図した既述の特許を含めこれまでの特許の中においても、例示の中でカリウム塩型カルボキシル基を記載したものはみられた。しかし、これまでのものはただ単なる例示に過ぎず、特に吸湿速度とカルボキシル基の塩の型との関係について報告されたものはこれまでに無い。
【0009】
本発明者は、この吸放湿速度とカルボキシル基の塩の型との関係について検討した。これまでの文献等では主に飽和時における吸放湿性能が議論されてきた、また吸放湿速度について議論された数少ない場合でも、議論されているのは短いものでも10分間程度のレベルであり、1、2分間あるいは、秒のオーダーでの議論はみられない。この理由は、吸放湿材料の吸放湿速度の定量的な測定の難しさに起因している。即ち、吸放湿材料自体の短時間における吸放湿速度を測定する場合、その吸放湿材料の形態、形状、測定方法、測定条件、測定装置などの様々な因子により吸湿速度が大きく左右されるため正確な測定ができなかったためである。このような問題に対し本発明者は、吸放湿材料を薄く均一に塗布したシートに作成することを可能にしたことにより、これをコルゲート加工し一定の条件のもとに評価することによりこの問題点を克服し短時間における定量的な吸放湿速度の測定を可能とした。
【0010】
その結果、カルボキシル基の交換容量が同じである場合、単位重量当たり飽和吸湿量が多い順としては、ナトリウム塩>カリウム塩=リチウム塩>ルビジウム塩>セシウム塩であったのに対し、2分間以下での吸湿速度の速い順番はカリウム塩>ルビジウム塩>ナトリウム塩=セシウム塩>リチウム塩であるという新しい事実を発見した。従って、速い吸湿速度を得るためにはカルボキシル基の塩型としては、カリウム塩である必要があるという結論に達した。
【0011】
カリウム塩型のカルボキシル基の吸湿速度が何故速いかについては、明確には解明できていないが、日本化学会編、大瀧仁志著「新化学ライブラリー/溶液の化学」のなかで水溶液中のアルカリ金属イオンとこれに水和している水分子の運動について論じられている。これによると、リチウムイオンやナトリウムイオンの場合には、水和水分子の動きは純水中より遅く、イオンに“強い相互作用”のもとに結合しているが、カリウム、ルビジウム、セシウムのイオンの場合は純水中の水よりもかえって動きやすくなっており、イオンと結合しているとはいえ、動き易さの点では純水よりもかえって自由であることが記載されている。また、一方ではルビジウムやセシウムイオンではイオン半径が大きくなりすぎ、水分子とイオンとの相互作用が弱くなり水和する水分子の数は逆に減少に転じるとも記されている。
【0012】
一方、シリカゲルやゼオライトのような多孔質体における水の吸着速度は細孔内拡散速度に支配されているのに対し、親水性高分子への水の吸着速度は分子内拡散支配であるといわれている。このことと、水中での事象に関する上記文献のメカニズムを考え合わせると、大気中から水を取り込む(吸湿)系においても、カリウム塩型カルボキシル基の場合、吸湿された水分子の移動速度が水中と同様に速く、かつ水和する水の量も多いため、速度的にもっとも優れた性能を発現できるのではないかと推測される。
【0013】
なお、このカリウム塩型のカルボキシル基は、吸湿性を発現させるための親水性の高い極性基であり、高い吸湿性能を得ようとする場合、できるだけ多くの該基を含有することが好ましい。しかし、吸湿量と同時に吸湿速度の速いものとするためには、架橋構造との割合において適当なバランスをとることが必要で、具体的には該極性基量があまり多すぎる場合、即ち8.0meq/gを超える場合、導入できる架橋構造の割合が少なくなりすぎ、高吸水性樹脂に近いものとなり、既述の通り粘着性がでる、或いは極端な速度低下が起こるなどといった問題が生じてき、本件の目的を達成することはできない。
【0014】
一方、該極性基量が少ない場合、吸放湿性能は低下してゆき、特に1.0meq/gより低い場合では、得られる吸放湿性は前述の吸湿性無機材料にも劣るため実用上の価値を失う。実際には、該極性基量が4.0meq/g以上の場合、より好ましくは6.0meq/g以上の場合、現存する他の吸湿性の素材に比べてその吸湿性能の優位性が顕著となり、好ましい結果を与える場合が多い。
【0015】
本課題を達成するためのカルボキシル基の塩の型としては、記述の通りカリウム塩型は必須であり、重合体の含有するカルボキシル基のすべてをカリウム型とする場合最良の結果を得ることができる。ただし、必要に応じて他の例えばLi、Na、Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Cu、Zn、Al、Mn、Ag、Fe、Co、Ni等のその他の金属、NH4、アミン等あるいはHをカウンターカチオンとするカルボキシル基が共存することは本発明を何ら逸脱するものではない。また、この場合の全カルボキシル基におけるカリウムイオンと他のイオンとの比率は特に限定はないが、吸放湿速度という観点よりカリウムイオンの割合が高いほうがよく、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上である。
【0016】
本願発明における有機高分子へのカリウム塩型カルボキシル基の導入の方法としては、カリウム塩型化の対象がカルボキシル基含有ビニル系単量体としてのアクリル酸とジビニルベンゼンとの架橋共重合体で、一例としてアンバーライト(ローム・アンド・ハース社の登録商標)IRC76として周知の弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換基であるような場合には、該基を水酸化カリウム,塩化カリウムなどのカリウム塩溶液でイオン交換する方法がある。又、右のビニル系単量体がアクリル酸エステルなどであるジビニルベンゼン架橋共重合体の場合には、該エステル部分を加水分解による変性でカルボキシル基としたのち、カリウム塩溶液でイオン交換すればよい。有機高分子がニトリル基を有するビニルモノマーを重合したニトリル系重合体にヒドラジンによる架橋を施したものである場合には、ニトリル基を加水分解によってカルボキシル基に変性し、該基がカリウム塩型でない場合は上述と同じ水酸化カリウムなどによりカリウム塩型化することができる。
【0017】
カルボキシル基含有ビニル系単量体としてカリウム塩型カルボキシル基を有する単量体を重合して有機高分子にカリウム塩型カルボキシル基を導入する方法としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボキシル基を含有するビニル系単量体のカリウム塩型単量体と、あるいは2種以上の該単量体と共重合可能な他の単量体との共重合により、共重合体を得る方法が挙げられる。また、上記カルボキシル基を含有するビニル系単量体が、酸型あるいはカリウム塩型以外の他の塩型単量体である場合、上記と同様な方法により共重合体とした後、該重合体をカリウムイオンとイオン交換によりカリウム塩型とすることもできる。カルボキシル基を塩型にする方法としても特に限定はなく、水酸化カリウム水溶液、塩化カリウム水溶液等のカリウムイオンを大量に含む溶液を作用させてイオン交換を行う等の方法により行うことができる。
【0018】
上述と一部重複するが、化学変性によリカルボキシル基を導入する方法としては、例えば化学変性処理すればカルボキシル基を得られるような単量体よりなる重合体を得た後に、加水分解によってカルボキシル基に変性し、カリウム塩型でない場合は上記のような方法でカリウム塩型にする方法が挙げられる。このような方法をとることのできる単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基を有する単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等の誘導体であり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸一2一エチルヘキシル、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のエステル化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水物等が例示できる。
【0020】
上記の単量体と共重合可能な他の単量体としては特に限定はなく、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のビニリデン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびこれらの塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メチルイソブテニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等の不飽和ケトン類;蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、モノフルオロ酢酸ビニル、ジフルオロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリルアミドおよびそのアルキル置換体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2―アクリルアミドー2一メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、ビニルステアリン酸、ビニルスルフィン酸等のビニル基含有酸化合物、またはその塩、その無水物、その誘導体等;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレンおよびそのアルキルまたはハロゲン置換体;アリルアルコールおよびそのエステルまたはエーテル類;N一ビニルフタルイミド、N一ビニルサクシノイミド等のビニルイミド類;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N一ビニルピロリドン、N一ビニルカルバゾール、ビニルピリジン類等の塩基性ビニル化合物;アクロレイン、メタクリロレイン等の不飽和アルデヒド類;グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等の架橋性ビニル化合物をあげることができる。
【0021】
また、本発明の架橋構造とは、既述の如く2種類がある。1つはアンバーライトIRC76として周知の弱酸性陽イオン交換樹脂の如く、骨格ポリマーの重合段階での架橋性単量体であるジビニルベンゼンが共重合された共有結合による架橋である。
【0023】
架橋性単量体を用いる方法では、既述の架橋性ビニル化合物であるジビニルベンゼンを用い、カルボキシル基を有する、即ちカルボキシル基含有ビニル系単量体と共重合することにより共有結合に基づく架橋構造を有する有機高分子を得ることができる。
【0025】
あとの 1 つは後架橋による方法であり、ニトリル基を有するビニルモノマーの含有量が50重量%以上よりなるニトリル系重合体の含有するニトリル基と、ヒドラジン系化合物を反応させるものである。ヒドラジン系化合物による方法は酸、アルカリに対しても安定で、しかも架橋構造自体が親水性であるので吸湿性の向上に寄与でき、また、多孔質等の形態を保持することができる強固な架橋を導入できるといった点で極めて優れている。なお、該反応により得られる架橋構造に関しては、その詳細は同定されていないが、トリアゾール環あるいはテトラゾール環構造に基づくものと推定されている。
【0026】
ここでいうニトリル基を有するビニルモノマーとしては、ニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。なかでも、コスト的に有利であり、また、単位重量あたりのニトリル基量が多いアクリロニトリルが最も好ましい。
【0027】
ヒドラジン系化合物との反応により架橋を導入する方法としては、目的とする架橋構造が得られる限りにおいては特に制限はなく、反応時のアクリロニトリル系重合体とヒドラジン系化合物の濃度、使用する溶媒、反応時間、反応温度など必要に応じて適宜選定することができる。このうち反応温度については、あまり低温である場合は反応速度が遅くなり反応時間が長くなりすぎること、また、あまり高温である場合は原料アクリロニトリル系重合体の可塑化が起り、形状が破壊されるという問題が生じる場合がある。従って、好ましい反応温度としては、50〜150℃、さらに好ましくは80℃〜120℃である。また、ヒドラジン系化合物と反応させるアクリロニトリル系重合体の部分についても特に限定はなく、その用途、該重合体の形態に応じて適宜選択することができる。具体的には、該重合体の表面のみに反応させる、または、全体にわたり芯部まで反応させる、特定の部分を限定して反応させる等適宜選択できる。なお、ここに使用するヒドラジン系化合物としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネイト等のヒドラジンの塩類、およびエチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、硝酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のヒドラジン誘導体である。
【0028】
かかる架橋ニトリル系重合体についての、加水分解反応により塩型カルボキシル基を導入する方法についても特に限定はなく、既知の加水分解条件を利用することができる。例えば、上記の架橋されたアクリロニトリル系重合体にアルカリ金属水酸化物、なかでも水酸化カリウム、アンモニア等の塩基性水溶液、或いは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸または、蟻酸、酢酸等の有機酸を添加し、加熱処理する手段等が挙げられる。本発明であるカリウム塩型カルボキシル基量が1.0〜8.0meq/gとなる条件については、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と導入されるカリウム塩型カルボキシル基量の関係を実験で明らかにすることにより、決定することができる。なお、前記の架橋導入と同時に加水分解反応を行うことも出来る。ここにおいて、水酸化カリウム以外の塩基、および酸で加水分解した場合にはカルボキシル基をカリウム塩型にイオン交換する必要がある。
【0029】
本発明いうところの有機高分子とは、前述して来た通り、架橋ニトリル系重合体を加水分解することによりカリウム塩型カルボキシル基を導入したものや、ローム・アンド・ハース社のアンバーライトIRC76の如き弱酸性陽イオン交換樹脂をイオン交換しイオン交換基をカリウム塩型カルボキシル基としたものである。

【0030】
本発明における吸放湿性重合体自体の形態としては特に制限はなく、粒子状、繊維状、シート状など適宜選択することができる。なかでも、粒子状の場合、各種の用途に、各種の成形体の添加剤として使用することができるため、その適応範囲が広く有用である。これらの粒子の大きさとしては、用途に応じて適宜選定することができ、特に限定はないが、平均粒子径が1000μm以下の粒子状である場合、より好ましくは100μm以下の微粒子の場合、各種添加材としての適応範囲が広がるため実用的価値の大きなものとなる。
【0031】
吸放湿性重合体自体の形態が繊維状の場合、紙、不織布、織物、編み物、繊維成形体などへの各種の加工が容易に行え、使用できる用途がひろがり有用である。また、シートの場合、直接コルゲートなどの加工に供することができフィルターなどの用途に有用である。
【0032】
また、本発明の上述形態の吸放湿性重合体は、これを含有した成形体とすることにより、よりその用途が広範に広がる。特に、紙、不織布、織物、編み物、シート、発泡体などの成形体に使用した場合、気体との接触面積が大きく、かつ形態保持性が優れていることより、吸放湿性の素材として有用である。これらを構成する方法としては、本発明の吸放湿性重合体を使用する限りにおいては特に限定はなく、具体的には、繊維状の該重合体により形態を構成するもの、あるいは粒子状の該重合体を担持させたものなどのいずれの方法でもよい。ただ、加工が簡単で、コストが安い点より、粒子状の吸放湿性重合体を担持させたものの場合、より良い結果を得ることができる。
【0033】
本発明の吸放湿性重合体の担持方法としては、素材を構成するマトリックスに混入、含浸、バインダーを用いた塗布あるいは包含させるなど、特に制限はなく、様々な方法を採用することができる。また、吸放湿性重合体は該マトリックス内部に存在するものでも、マトリックス表面に存在するものでもよく、例えば、紙、不織布、織物、編み物、シート、発泡体等の製造過程で該重合体粒子を混入する方法、あるいはこれらに該重合体粒子のスラリーを含浸、あるいはバインダーを利用し塗布させる方法などいかなる方法をも採用することができる。
【0034】
具体的な例としては、粒子状または繊維状の吸放湿性重合体を抄紙により紙を製造する場合には、多量の水中に分散したパルプあるいは合成繊維等の製紙用素材のスラリーに粒子状または繊維状の本発明の吸放湿性重合体を添加し、さらに必要な他の添加剤を添加した後、充分混合し通常の抄紙機を用いて製造することができる。この際、必要に応じて、填料の流失を抑制するために、定着剤を添加することができ、この定着剤としては、ポリエチレンイミン変性物、ポリアクリルアミド変性物、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、陽性テンプン、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどを挙げることができる。なお、定着剤の使用量は、その種類や該重合体粒子の使用量によって適宜選択することができる。さらに、抄紙工程において一般に用いられているサイズ剤、染料、紙力増強剤なども適宜使用することができる。また、表面活性剤としては、アニオン系、カチオン系あるいはノニオン系から、他の添加物などを考慮して適宜選択して使用することができる。これら抄紙に用いられる吸放湿性重合体としては特に限定はないが、粒子状の場合、粒子径l〜100μmの粉末を用いる場合好ましい結果が得られる。粒子径が1μmより小さいと、抄紙の際に抄紙機の網から水と共に落下してしまい、一方100μmを超えると、大きすぎて、均一に分散することが困難となるといった問題が起きる場合がある。また、繊維状の場合、繊維径は細いほうが好ましいが実用上は、0.05〜10dtex、繊維長が1mm〜20mmの範囲にあるもので良好な結果が得られる。
【0035】
また、不織布として形成するような場合、特に限定はなく各種の製造法による不織布に適応することができる。具体的には、乾式法では、接着剤型の浸漬法、プリント法、スプレー法、粉末法、接着繊維法(サーマルボンド法)、機械的結合型のフェルト法、スティッチ法、ニードルパンチ法、水流絡合型のスパンレース法、紡糸型のスパンボンド法、網状法、メルトブロー法、フィルム法、湿式法では、水流絡合型のスパンレース法、紡糸型のスパンボンド法、フラッシュ紡糸法、抄紙型の熱融着繊維法、熱圧法、接着剤法などを挙げることができる。吸放湿性重合体の担持法としても特に限定はなく、例えば繊維状の場合は、不織布を構成する繊維素材に繊維を混ぜ込むことにより容易に成形体とすることができ、また粒子状の場合、これらの不織布の中に挟み込む、不織布を構成する繊維素材に接着担持させる、不織布表面に塗布するなど各種の方法により担持することができる。また、これらの不織布の目付としては特に限定はないが、目付が20〜300g/m2 のものが良好な結果を与える場合が多く、目付が10g/m2 未満では強度が低く、やぶれなどの原因となり易い。また、300g/m2 を越えると、気液の通過性が低くなる傾向があり、好ましくない場合がある。特に、好ましい不織布としては、ポリエチレンからなる鞘成分とポリプロピレン又はポリエステルからなる芯成分からなる複合繊維を使用して形成されているスパンボンド不織布や、表面がポリエステル繊維ウエブ層で裏面がポリプロピレンウエブ層である2層構造の不織布などが挙げられ、これらの不織布は、低融点のポリオレフィン成分に由来して加工が容易に行えることからも好ましい素材を得ることができる。またプラスチックフォームをマトリックスとする場合には、通常の方法により、該重合体粒子をプラスチックフォーム、例えば発泡ポリウレタン等に混合する、あるいは吸放湿性重合体粒子のスラリーを含浸する等の方法により目的とする該重合体含有プラスチックフォームを得ることができる。
【0036】
本発明における重合体の性状としては、特に限定はないが、多孔質体とすることでさらなる吸湿速度向上を果たすことができる。具体的には、比表面積が1m2 /g以上、かつ平均細孔直径が0.005〜1.0μmであるマクロ細孔を有する場合このましい結果を与える。比表面積については、大きいほうが吸湿速度は速くなる傾向にあるが、ただやみくもに大きいだけでも吸湿速度に優れるものが得られるとは限らない。即ち、比表面積が大きな場合でも平均細孔直径が非常に小さな場合は、孔自体が水分子の拡散を妨げ、結果として吸湿速度を低下させる場合がある。従って、吸湿速度に関しては上記の比表面積と平均細孔直径のバランスが重要である。ここでの比表面積とは、物理吸着法であるBET法のうち、一点法により測定された値を言う。また、平均細孔直径とは、水銀圧入法により測定された細孔径分布より得られた、単位質量当たりの細孔容積Vと比表面積Sより、式(4V/S)で求められた値である。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。まず、各特性の評価方法および評価結果の表記方法について説明する。
【0038】
まず、吸湿性能の評価は、飽和吸湿率および2分間吸湿量で評価を行った。飽和吸湿率とは、次の方法により得られた吸湿率をいう。即ち、粒子状、繊維状の吸湿材料自体あるいはシート状の成形体試料、約1.0gを熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(Wds)g、次に試料を温度20℃で相対湿度65%RHに調整された恒温恒湿器に24時間放置し、吸湿した試料の重量を測定する(Wws)g、以上の結果をもとに、次式により算出したものである。なお、シート状の成形体の場合における各重量は、基材の重量を差し引いた、吸放湿性重合体自体の重量を用いて計算する。
飽和吸湿率(重量%)={(Wws−Wds)/Wds}×100
【0039】
また、2分間吸湿量の測定方法は以下の通りである。まず測定試料を次の方法により作成する。吸湿材料を50g/m2含有する約200μm厚みのシートあるいは紙を作成する。シート等の作成法については、各材料の形態に応じ後述する。次に、該シートをセルピッチ幅3.7mm、セル高さ2mmの条件でコルゲート加工を行い、得られた段加工品を、開孔部38mmφ直径、長さ200mmの円筒形に成形したものを測定用の試料とする。次に、該試料の測定は、初めに該試料を、65℃、絶対湿度14g/kg−Dry・airの条件で乾燥処理を行う。該条件下において、重量変化がなくなったことを確認し乾燥処理を完了とし、その時の重量を乾燥重量(Wd1)とする。次に、27℃、絶対湿度11g/kg−Dry・airの空気を、コルゲート長さ方向に、成形体の開孔断面部(38mmφ直径)における面風速が2m/secの条件でコルゲート内を通過させ吸湿を行わせる。この吸湿操作を2分間行い、該2分経過後の重量を測定し、これを吸湿重量(Ww1)とする。得られた、吸湿重量(Ww1)と乾燥重量(Wd1)の差を2分間吸湿量としg単位で表す。
【0040】
一方、放湿速度は2分間での放湿量を評価した。即ち、まず27℃、絶対湿度11g/kg−Dry・airの条件で吸湿処理を行う。該条件下において、飽和吸湿して重量変化がなくなったことを確認し吸湿処理を完了とし、その時の重量を吸湿重量(Ww2)とする。次に、65℃、絶対湿度14g/kg−Dry・airの空気をコルゲート長さ方向に、成形体の開孔断面部(38mmφ直径)における面風速が2m/secの条件でコルゲート内を通過させ乾燥を行う。この乾燥操作を2分間行い、該2分経過後の重量を測定し、これを乾燥重量(Wd2)とする。得られた、乾燥重量(Wd2)と吸湿重量(Ww2)の差を2分間放湿量としg単位で表す。吸湿速度および放湿速度ともに、2分間における吸湿量、放湿量の値が大きいものほど高い性能を有することを意味する。
【0041】
粒子の平均粒子径は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD2000」を使用し、水を分散媒として測定した結果を、体積基準で表し、そのメディアン径をもって平均粒子径とした。
【0042】
カリウム塩型カルボキシル基量は、被測定重合体を湿式分解し、原子吸光法により含有するカリウム量を定量し、その結果からカリウム塩型カルボキシル基量を算出した。また、他のアルカリ金属塩型のものについても、原子吸光法により各金属の量を定量し、各塩型のカルボキシル基量を算出した。
【0043】
重合体の有する全カルボキシル基量は、被測定重合体を水中に分散し、1Nの塩酸によりpHを2.0にまで調整した後、乾燥し重量を測定し、次に該調整サンプルを水中に再分散した後、0.1NのNaOH水溶液により滴定を行い、得られた滴定曲線から、H型重合体重量基準のカルボキシル基量、即ちH型カルボキシル基量を計算により求めた。
【0044】
参考実施例1
弱酸性陽イオン交換樹脂;ローム・アンド・ハース社のアンバーライトIRC76を水酸化カリウムの1N水溶液を用い、カリウム塩型とした。次に、該樹脂をシンマルエンタープライズ社製「ダイノミル」により10μm以下の微粒子に粉砕した。得られた微粒子状吸放湿性重合体100部に対し、バインダーとして固形分55%の酢ビエマルジョン50部を添加し塗布液を作成した。該塗布液を坪量40g/mの原紙に該重合体の担持量が50g/mとなるように塗布し、乾燥を行った。乾燥後、得られた粒子状吸放湿性重合体を含有する塗工紙をコルゲート加工し、2分間の吸湿および放湿速度を測定した。結果はその他の評価項目と共に表1に示した。なお、以下においては参考実施例1を単に実施例1とも記載する。
【0045】
【表1】
Figure 0004273512
【0046】
参考比較例1〜4
実施例1と同様な方法により、カリウム以外のイオン、Li、Na、Rb、Csにつき、それぞれの水酸化化合物を用いイオン交換を行い、それぞれの塩型の樹脂を調整し、粉砕、塗布、コルゲート加工後に2分間の吸湿および放湿速度を測定した。得られた各々の結果は表1にまとめる。なお、それぞれを参考比較例1〜4とするが、単に比較例1〜4とも記載する
【0047】
実施例1と比較例1〜4を比較した場合、飽和の吸湿率ではNa塩型が最も優れており、2番目のカリウム塩型の1.17倍も高く、Na>K=Li>Rb>Csという順であった。これに対し2分間の吸湿量に関しては、本発明のカリウム塩型が最も優れており、2番目のRb塩型に対しも実に1.25倍という高い吸湿速度を有していることが確認できた。また、放湿速度においても、吸湿の際の速度順位と変わらず、放湿速度においてもカリウム塩型が最も優れていることが確認でき、本発明の吸放湿性重合体は極短時間における吸放湿速度に非常に優れていることが実証された。
【0048】
実施例2
アクリロニトリル90重量%とアクリル酸メチル10重量%からなるアクリロニトリル系重合体10部を、48%チオシアン酸ナトリウム水溶液90部に溶解し重合体溶液とし、ポリプロピレン不織布に該溶液をポリマー固形分として30g/m2となるように含浸付着させたのち、これを非溶媒である水(20℃)に浸漬して凝固させシート状成形体を得た。得られたシートは充分に水洗した後、シート担持アクリロニトリル系重合体100部に対し、60重量%ヒドラジン50部および水850部を添加し、90℃、3時間の条件でヒドラジン処理を行うことにより架橋を導入し、さらに、100部の水酸化カリウムを添加し、120℃、5時間反応を行うことにより、残存するニトリル基を加水分解しカリウム塩型カルボキシル基を有する吸放湿性重合体を担持したシート状成形体とした。得られた成形体シートは、吸放湿性重合体を49g/m2含有したものであり、飽和吸湿率等の特性は表2に示す通りであった。そして、該シートを既述の条件でコルゲート加工を行い、2分間での吸湿、放湿速度を測定した。測定結果は同じく表2にまとめる。得られたシート状吸放湿性重合体の場合、カリウム塩型カルボキシル基量が少ないため、飽和吸湿率および2分間での吸放湿量ともに実施例1に比べて低くはなっているが、比較例2のナトリウム塩型のものよりも優れた吸放湿速度であることが確認できた。実施例2の場合、実施例1の場合とは異なりバインダー(吸放湿速度を阻害すると考えられる)を使用していないためか、実施例1に比較してカリウム塩型カルボキシル基量の低下割合ほど吸湿速度の低下は起こっていないという特徴が認められた。
【0049】
【表2】
Figure 0004273512
【0050】
実施例3
実施例2において得られた、アクリロニトリル系重合体溶液を孔径60μmの紡糸用ノズルより、浴温度−2℃、15%のチオシアン酸ナトリウム水溶液を非溶媒とした紡糸浴中へ紡出し、延伸、水洗することにより繊維状のアクリロニトリル系重合体としたこと以外は、実施例2と同様な方法により、繊維径が約18μmの繊維状である本発明の吸放湿性重合体を得た。次に、該繊維50部、パルプ40部、ビニロン繊維10部を混合、抄紙し、坪量100g/m2の繊維状吸放湿性重合体を含有した成形体である紙を得た。この紙を既述の条件でコルゲート加工し、2分間の吸放湿速度を測定した。評価結果等は表2にまとめる。吸放湿性重合体が繊維状の場合においても、比較例2のナトリウム塩型のものよりも優れた吸放湿速度であることが確認できた。2分間の吸放湿速度は実施例1の結果にほぼ近い、良好な結果であったが、繊維状の場合、吸放湿に伴う繊維の膨潤収縮からかコルゲートの変形が認められた。
【0051】
実施例4
浴温度+10℃の水でなる紡糸浴中へ紡出したこと以外は実施例3と同様な方法により、繊維径約20μmの多孔質繊維状吸放湿性重合体を得た。さらに実施例3と同じ方法で抄紙、コルゲート加工を行い紙形態の成形体とし2分間の吸放湿速度を測定した。評価結果は表2に示すとおりであり、もっとも優れた吸放湿速度が確認できた。特に、実施例3と比較した場合、カリウム塩型カルボキシル基量は殆ど同じであるにもかかわらず、多孔質であることにより、より速い吸放湿速度が発現できることが確認できた。なお、該繊維の比表面積は19.5m2/g、平均細孔径は0.065μmであった。
【0052】
参考比較例5
メタクリル酸/p−スチレンスルホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体300部及び硫酸ナトリウム30部を6595部の水に溶解し、櫂型撹拌機付きの重合槽に仕込んだ。次にメタクリル酸メチル2300部、メタクリル酸250部、ジビニルベンゼン500部に2,2’−アゾビスー(2,4−ジメチルバレロニトリル)15部を溶解して重合槽に仕込み、300rpmの撹件条件下、60℃で2時間懸濁重合を行い、平均粒子径60μmのメタクリル酸メチル/メタクリル酸/ジビニルベンゼン架橋共重合体を得た。得られた重合体はカルボン酸型であったので、室温にて0.1N水酸化カリウム水溶液を用いpH=12に調整し、カリウム塩型とした。得られた粒子は、実施例1と同様な方法により、粉砕、塗布、コルゲート加工を行い、2分間での吸放湿速度を測定した。評価結果は表2にまとめるが、カリウム塩型カルボキシル基量がきわめて少ないため、飽和吸湿率が低く、2分間における吸放湿速度も極端に遅い性能のものしか得られておらず、実用的に意味のないものであった。なお、参考比較例5を単に比較例5とも記載する。
【0053】
参考比較例6
メタクリル酸/p−スチレンスルホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体300部及び硫酸ナトリウム30部を6600部の水に溶解し、櫂型撹拌機付きの重合槽に仕込んだ。次にアクリル酸メチル2900部およびジビニルベンゼン150部に2,2’−アゾビスー(2,4−ジメチルバレロニトリル)15部を溶解して重合槽に仕込み、300rpmの撹件条件下、60℃で2時間懸濁重合を行い、平均粒子径63μmのアクリル酸メチル/ジビニルベンゼン架橋共重合体を得た。次に、該重合体100部を水900部中に分散し、これに100部の水酸化カリウムを添加し、90℃、2時間反応を行い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水分解することによりカリウム塩型カルボキシル基8.7meq/g有した粒子状重合体を得た。該重合体粒子の平均粒子径は、加水分解処理により膨潤しており、230μmという大きさであり、殆どゲル状態であった。また、乾燥させると粘着性を示し取り扱いにくいものであった。次に、粉砕を試みたが、乾式では硬くなりすぎてか、また湿式では膨潤が激しく粉砕は不可能であった。このため2分間における吸放湿速度は測定できなかった。また、飽和吸湿率においても、一般の高吸水樹脂のように、低い吸湿率しか示さなかった。これは、カリウム塩型カルボキシル基量が多くなりすぎたため、上記のような問題が起こったものと考えられる。なお、参考比較例6を単に比較例6とも記載する。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、特定の極性基を含有する有機高分子を利用し、優れた吸湿性、放湿性能を有し、かつその吸湿、放湿性能を短時間で発現することのできる、即ちこれまでにない吸放湿速度に優れる高分子重合体を提供することができた点が本発明の特筆すべき効果である。
【0055】
本発明の吸放湿性重合体の機能を活用することにより、繊維、繊維加工品、シート、紙、不織布、フィルム、バインダー、塗料、接着剤、センサー、樹脂、電気、電子などの各種分野への応用が可能となる。
1

Claims (3)

  1. カリウム塩型カルボキシル基を1.0〜8.0meq/g含有し、かつ架橋構造を有する有機高分子であって、該有機高分子は、ニトリル基を有するビニルモノマーの含有量が50重量%以上よりなるニトリル系重合体において、ニトリル基をヒドラジン系化合物と反応させて架橋構造を導入した後、残存するニトリル基を加水分解反応を経てカリウム塩型カルボキシル基に変性したものであって、さらに本文に定義する2分間吸湿量並びに2分間放湿量が、夫々0.76g以上、0.92g以上であることを特徴とする吸放湿性重合体。
  2. 重合体の形態が繊維状、粒子状、シート状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の吸放湿性重合体。
  3. 請求項2に記載の吸放湿性重合体を含有することを特徴とする成形体。
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