JP4271475B2 - 力検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は力検出装置に関し、特に、力とモーメントとを独立して検出するのに適した力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロボットや産業機械の動作制御を行うために、種々のタイプの力検出装置が利用されている。また、電子機器の入力装置のマン・マシンインターフェイスとしても、小型の力検出装置が組み込まれている。このような用途に用いる力検出装置には、小型化およびコストダウンを図るために、できるだけ構造を単純にするとともに、三次元空間内での各座標軸に関する力をそれぞれ独立して検出できるようにすることが要求される。
【0003】
現在、一般に利用されている多軸力検出装置は、三次元構造体に作用した力の特定の方向成分を、特定の部分に生じた変位として検出するタイプのものと、特定の部分に生じた機械的な歪みとして検出するタイプのものに分類される。前者の変位検出タイプの代表格は、容量素子式の力検出装置であり、一対の電極により容量素子を構成しておき、作用した力によって一方の電極に生じた変位を、容量素子の静電容量値に基づいて検出するものである。たとえば、下記の特許文献1には、この静電容量式の力検出装置が開示されている。一方、後者の歪み検出タイプの代表格は、歪みゲージ式の力検出装置であり、作用した力によって生じた機械的な歪みを、ゲージ抵抗などの電気抵抗の変化として検出するものである。たとえば、下記の特許文献2には、この歪みゲージ式の力検出装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−215627号公報
【特許文献2】
特開昭61−292029号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、力検出装置の検出対象には、所定の座標軸方向を向いた力成分と、所定の座標軸まわりのモーメント成分とがある。三次元空間内にXYZ三次元座標系を定義した場合、検出対象は、各座標軸方向の力成分Fx,Fy,Fzと、各座標軸まわりのモーメント成分Mx,My,Mzとの6つの成分になる。しかしながら、これらの各成分をそれぞれ独立して検出するためには、従来は、変位検出タイプのものであれ、歪み検出タイプのものであれ、かなり複雑な三次元構造体をもった力検出装置を用いる必要があった。
【0006】
そこで本発明は、できるたけ単純な構造により、力とモーメントとを区別して検出することが可能な力検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、力検出装置において、
XYZ三次元座標系においてXY平面に平行な上面を有する基板と、
X軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、基板上に変位可能となるように支持された第1の変位板と、
X軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、基板上に変位可能となるように支持された第2の変位板と、
Z軸と第1の変位板との間に配置され、基板上に固定された第1の固定板と、
Z軸と第2の変位板との間に配置され、基板上に固定された第2の固定板と、
第1の固定板の上辺付近と第2の固定板の上辺付近との間に架かる平面に沿うように配置され、基板上に固定された固定天板と、
固定天板の上方に配置され、基板に対して変位可能となるように支持され、第1の変位板の上辺および第2の変位板の上辺に対して、XY平面に沿った方向の力を伝達する変位天板と、
検出対象となる力を受けるために、変位天板の上方のZ軸上に配置された受力体と、
受力体と変位天板とを接続するようにZ軸に沿って配置された連結体と、
第1の変位板と第1の固定板との距離を検出する第1のX軸距離センサと、
第2の変位板と第2の固定板との距離を検出する第2のX軸距離センサと、
変位天板の固定天板に対する傾斜度を検出する傾斜度センサと、
変位天板の固定天板に対するZ軸まわりの回転角を検出する回転角センサと、
第1のX軸距離センサの検出値と第2のX軸距離センサの検出値との差に基づいて、受力体に作用したX軸方向の力Fxを検出し、傾斜度センサのX軸方向に関する傾斜度の検出値に基づいて、受力体に作用したY軸まわりのモーメントMyを検出し、回転角センサの検出値に基づいて、受力体に作用したZ軸まわりのモーメントMzを検出する検出処理部と、
を設けるようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る力検出装置において、
Y軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、基板上に変位可能となるように支持された第3の変位板と、
Y軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、基板上に変位可能となるように支持された第4の変位板と、
Z軸と第3の変位板との間に配置され、基板上に固定された第3の固定板と、
Z軸と第4の変位板との間に配置され、基板上に固定された第4の固定板と、
第3の変位板と第3の固定板との距離を検出する第1のY軸距離センサと、
第4の変位板と第4の固定板との距離を検出する第2のY軸距離センサと、
を更に設け、
検出処理部が、第1のY軸距離センサの検出値と第2のY軸距離センサの検出値との差に基づいて、受力体に作用したY軸方向の力Fyを検出し、傾斜度センサのY軸方向に関する傾斜度の検出値に基づいて、受力体に作用したX軸まわりのモーメントMxを検出するようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る力検出装置において、
変位天板と固定天板との距離を検出するZ軸距離センサを更に設け、
検出処理部が、Z軸距離センサの検出値に基づいて、受力体に作用したZ軸方向の力Fzを検出するようにしたものである。
【0011】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る力検出装置において、
固定板の変位板に対する対向面に固定電極を形成し、変位板の固定板に対する対向面に変位電極を形成し、互いに対向する固定電極と変位電極とからなる容量素子によって、固定板と変位板との距離を検出する距離センサを構成し、容量素子の静電容量値に基づいて距離の検出ができるようにしたものである。
【0012】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1の態様に係る力検出装置において、
固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、
変位天板の下面における、第1の固定電極に対向する位置に第1の変位電極を形成し、第2の固定電極に対向する位置に第2の変位電極を形成し、
第1の固定電極と第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、第2の固定電極と第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、これら2組の容量素子を傾斜度センサとして用い、第1の容量素子の静電容量値と第2の容量素子の静電容量値との差に基づいてX軸方向に関する傾斜度を検出するようにしたものである。
【0013】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第2の態様に係る力検出装置において、
固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極を形成し、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極を形成し、
変位天板の下面における、第1の固定電極に対向する位置に第1の変位電極を形成し、第2の固定電極に対向する位置に第2の変位電極を形成し、第3の固定電極に対向する位置に第3の変位電極を形成し、第4の固定電極に対向する位置に第4の変位電極を形成し、
第1の固定電極と第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、第2の固定電極と第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、第3の固定電極と第3の変位電極とによって第3の容量素子を構成し、第4の固定電極と第4の変位電極とによって第4の容量素子を構成し、これら4組の容量素子を傾斜度センサとして用い、第1の容量素子の静電容量値と第2の容量素子の静電容量値との差に基づいてX軸方向に関する傾斜度を検出し、第3の容量素子の静電容量値と第4の容量素子の静電容量値との差に基づいてY軸方向に関する傾斜度を検出するようにしたものである。
【0014】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第4〜第6の態様に係る力検出装置において、
一対の容量素子を構成する固定電極と変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも広く設定し、変位電極が面方向へ所定範囲内の変位を生じた場合にも、静電容量値が変化しないようにしたものである。
【0015】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7の態様に係る力検出装置において、
固定板/固定天板もしくは変位板/変位天板を導電性材料によって構成し、固定板/固定天板自身もしくは変位板/変位天板自身を固定電極もしくは変位電極として用いるようにしたものである。
【0016】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第7の態様に係る力検出装置において、
導電性材料からなる変位天板と複数の変位板とを互いに接続することにより箱状構造体を形成し、この箱状構造体を単一の共通変位電極として用いるようにしたものである。
【0017】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1の態様に係る力検出装置において、
固定天板の上面に固定電極を形成し、変位天板の下面に変位電極を形成し、互いに対向する固定電極と変位電極とからなる容量素子によって、変位天板の固定天板に対するZ軸まわりの回転角を検出する回転角センサを構成し、容量素子の静電容量値に基づいて回転角の検出ができるようにしたものである。
【0018】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第10の態様に係る力検出装置において、
変位電極を、固定電極に対向する位置に対して所定の回転方向にオフセットした位置に配置し、容量素子の静電容量値の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようにしたものである。
【0019】
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る力検出装置において、
固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極を形成し、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極を形成し、
変位天板の下面における、第1の固定電極に対向する位置に対して所定の回転方向にオフセットした位置に第1の変位電極を形成し、第2の固定電極に対向する位置に対して回転方向にオフセットした位置に第2の変位電極を形成し、第3の固定電極に対向する位置に対して回転方向にオフセットした位置に第3の変位電極を形成し、第4の固定電極に対向する位置に対して回転方向にオフセットした位置に第4の変位電極を形成し、
第1の固定電極と第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、第2の固定電極と第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、第3の固定電極と第3の変位電極とによって第3の容量素子を構成し、第4の固定電極と第4の変位電極とによって第4の容量素子を構成し、これら4組の容量素子の静電容量値の和の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようにしたものである。
【0020】
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜12の態様に係る力検出装置において、
底面が開口部となった直方体をなし、外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成される外側箱状構造体を、底面が基板上に載置されるように接合し、外側箱状構造体の側面板もしくはその一部を変位板として用い、外側箱状構造体の上面板もしくはその一部を変位天板として用いるようにしたものである。
【0021】
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第13の態様に係る力検出装置において、
外側箱状構造体の側面板に、上方に開いたU字状のスリットを形成し、このスリットで囲まれた部分を変位板として用いるようにしたものである。
【0022】
(15) 本発明の第15の態様は、上述の第14の態様に係る力検出装置において、
外側箱状構造体の4つの側面板に、それぞれ上方に開いたU字状のスリットを形成し、互いに隣接する2つの側面板が交差する辺を支柱として、合計4本の支柱により外側箱状構造体の上面板を支持する構造とし、この4本の支柱部分の弾性変形により、外側箱状構造体が変形するようにしたものである。
【0023】
(16) 本発明の第16の態様は、上述の第13〜第15の態様に係る力検出装置において、
外側箱状構造体より小さな直方体をなす内側箱状構造体を、外側箱状構造体に収容した状態で基板上に接合し、この内側箱状構造体の側面板および上面板を固定板および固定天板として用いるようにしたものである。
【0024】
(17) 本発明の第17の態様は、上述の第1〜第12の態様に係る力検出装置において、
外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成され、基板上に立てて接合された4本の支柱と、
これら4本の支柱の上端に4隅が接合された上面板と、
を設け、
互いに隣接する一対の支柱の間に変位板を配置し、この変位板の上辺を上面板の一辺に接合して支持するようにし、上面板もしくはその一部を変位天板として用いるようにしたものである。
【0025】
(18) 本発明の第18の態様は、上述の第13〜第17の態様に係る力検出装置において、
上面板にスリットを形成することにより、上面板を、中央に位置する変位天板と、その周囲に位置する周囲部と、変位天板と周囲部とを接続する可撓性をもったビームと、に分割し、ビームの撓みにより、変位天板が周囲部に対して変位するようにし、周囲部が外側箱状構造体の側面板もしくは支柱を介して基板に接続されるようにしたものである。
【0026】
(19) 本発明の第19の態様は、上述の第18の態様に係る力検出装置において、
上面板にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に位置する第1の翼状部と、X軸の負の部分の投影像上に位置する第2の翼状部と、Y軸の正の部分の投影像上に位置する第3の翼状部と、Y軸の負の部分の投影像上に位置する第4の翼状部と、原点Oの投影像上に位置し第1〜第4の翼状部の内側部分に接続している中心部と、によって、扇風機の羽根状をした変位天板を構成し、
互いに隣接する2つの翼状部の間に1本のビームを配置することにより、中心部が4本のビームにより支持されるようにし、
4本のビームの内側端は中心部に接続され、外側端は周囲部に接続され、中心部の上面には連結体が接続されているようにしたものである。
【0027】
(20) 本発明の第20の態様は、上述の第19の態様に係る力検出装置において、
個々のビームを、主面が水平方向を向いた水平ビームと、主面が垂直方向を向いた垂直ビームと、水平ビームと垂直ビームとを連結する中間ジョイントと、によって構成し、水平方向への撓みと垂直方向への撓みの双方が生じやすい構造としたものである。
【0028】
(21) 本発明の第21の態様は、上述の第1〜第20の態様に係る力検出装置において、
受力体の基板に対する変位を所定範囲内に制限するために、受力体が所定範囲を越えて変位しようとしたときに、受力体に接触して変位を妨げる制御面を有する制御部材を設けるようにしたものである。
【0029】
(22) 本発明の第22の態様は、上述の第21の態様に係る力検出装置において、
受力体と制御部材との少なくとも接触に関与する部分を導電性材料により構成し、両者の接触状態を電気的な導通状態に基づいて検知する接触検知回路を更に設けるようにしたものである。
【0030】
(23) 本発明の第23の態様は、上述の第22の態様に係る力検出装置において、
制御部材の制御面の近傍もしくは受力体の制御面に対向する対向面の近傍に空洞部を形成し、この空洞部が形成された表層部分が可撓性をもった肉薄部を構成するようにし、この肉薄部の表面に導電性の接触突起を設け、対向面と制御面との接触が生じる前に、接触突起と対向面もしくは制御面とが接触することにより電気的な導通状態の検知が行われるようにしたものである。
【0031】
(24) 本発明の第24の態様は、上述の第22の態様に係る力検出装置において、
制御部材の制御面もしくは受力体の制御面に対する対向面に、先端部分が可塑変形を生じる導電性の錐状突起を設けるようにしたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示するいくつかの実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 基本的な実施形態の構造 >>>
【0033】
はじめに、本発明の基本的な実施形態に係る力検出装置の構造を、図1〜図7を参照して説明する。図1は、この力検出装置の側面図である。この力検出装置の外観における大きな構成要素は、図示のとおり、上から順に、受力体110、連結体120、上面板130、側面板140、台座150、基板200である。以下、便宜上、上面板130、側面板140、台座150によって構成される箱形の構造体を外側箱状構造体100と呼ぶことにする。なお、検出処理部250は、この図では、ブロック図として描かれているが、実際には、後述する検出原理に基づく検出を行うためのアナログもしくはデジタル演算回路によって構成されている。
【0034】
ここでは、説明の便宜上、受力体110の中心部に原点O、図の右方向にX軸、図の上方向に軸、図の紙面に対して垂直で裏側へと向かう方向にY軸、をそれぞれとり、XYZ三次元座標系を定義する。基板200の上面は、XY平面に平行な面になる。ここに示す力検出装置は、この座標系において、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fz、X軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMyの5成分を独立して検出することが可能である。§3では、更に、Z軸まわりのモーメントMzを含めた6成分を検出可能な実施形態を説明する。
【0035】
なお、本願では、「力」という文言は、特定の座標軸方向の力を意味する場合と、モーメント成分を含めた集合的な力を意味する場合とを、適宜使い分けることにする。たとえば、図1において、力Fx,Fy,Fzと言った場合は、モーメントではない各座標軸方向の力成分を意味しているが、6つの力Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mzと言った場合は、各座標軸方向の力成分と各座標軸まわりのモーメント成分とを含む集合的な力を意味することになる。また、所定の座標軸の正方向に右ネジを進める場合の当該右ネジの回転方向を、当該座標軸まわりの正のモーメントと定義することにする。
【0036】
図2は、この力検出装置をXZ平面で切断した側断面図である。受力体110の中心位置に座標系の原点Oが示されている。図示のとおり、外側箱状構造体100は、底面が開口部となった中空の直方体の箱である。図1では、この外側箱状構造体100を、上面板130、側面板140、台座150の3つの構成要素として示したが、実際には、側面板140は合計4枚存在する。以下、この4枚の側面板140を個別に参照するときには、第1の側面板141〜第4の側面板144と呼ぶことにする。台座150は、この外側箱状構造体100を基板200の上面に変位可能となるように支持するために設けたものであり、この力検出装置の動作に本質的な役割を果たすものではないが、実用上は設けるのが好ましい。外側箱状構造体100の内部には、ひとまわり小さな内側箱状構造体300が収容されている。この内側箱状構造体300も、底面が開口部となった中空の直方体の箱となっており、1枚の上面板330と4枚の側面板341〜344とによって構成されている。
【0037】
図3は、この力検出装置の上面図である。図示のとおり、この実施形態では、受力体110は円盤状の部材となっており、その下面中央部には、破線で示すとおり、円柱状の連結体120が接合されている。この円柱状の連結体120は、その中心にZ軸が通っており、上端が受力体110の下面中央部に接続され、下端が上面板130の上面中央部に接続されている。上面板130は、正方形状の板であり、外側箱状構造体100の上面を構成する。外側箱状構造体100は、Z軸を中心として配置されており、図に破線で示すとおり、X軸の正の領域上には第1の側面板141が位置し、X軸の負の領域上には第2の側面板142が位置し、Y軸の正の領域上には第3の側面板143が位置し、Y軸の負の領域上には第4の側面板144が位置している。第1の側面板141および第2の側面板142はYZ平面に平行であり、第3の側面板143および第4の側面板144はXZ平面に平行である。台座150は、各側面板141〜144の下辺の周囲を取り囲むフレーム構造をなし、底面が基板200の上面に接合される。
【0038】
図2の側断面図に示されているとおり、受力体110、連結体120、外側箱状構造体100(上面板130、第1の側面板141〜第4の側面板144、台座150)は、同一の材質からなる一体構造をなし、この基本的な実施形態の場合、絶縁性材料によって構成されている。同様に、内側箱状構造体300を構成する上面板330と第1の側面板341〜第4の側面板344も、同一の材質からなる一体構造をなし、この基本的な実施形態の場合、絶縁性材料によって構成されている。また、基板200も絶縁性材料からなる基板である。もっとも、実用上は、§4で述べるとおり、受力体110、連結体120、外側箱状構造体100は、金属などの導電性材料で構成するのが好ましい。
【0039】
受力体110は、検出対象となる力を受けるために、上面板130の上方のZ軸上に配置された構成要素である。この力検出装置は、この受力体110に作用した外力を検出する機能を有している。この受力体110に作用した力は、連結体120によって上面板130に伝達され、その結果、外側箱状構造体100が変形を生じることになる。この力検出装置では、この外側箱状構造体100の変形形態を認識することにより、受力体110に作用した外力の検出を行う。そのため、外側箱状構造体100は、外力の作用により弾性変形を生じる可撓性をもった材質によって構成する必要がある。もっとも、側面板や上面板の厚みをある程度小さくすれば、多くの材料で弾性変形が生じるので、材料の選択に困難が生じることはない。
【0040】
結局、外側箱状構造体100を構成する上面板130および各側面板141〜144は、受力体110から伝達される外力により変位を生じることになる。そこで、以下、このような機能に着目して、各側面板141〜144を「変位板141〜144」と呼び、上面板130を「変位天板130」と呼ぶことにする。一方、内側箱状構造体300を構成する上面板330および各側面板341〜344には、受力体110からの外力が作用しないので、基板200に固定されたままの状態となる。そこで、以下、各側面板341〜344を「固定板341〜344」と呼び、上面板330を「固定天板330」と呼ぶことにする。
【0041】
図2の側断面図にその一部分が示されているとおり、内側箱状構造体300の外側面と外側箱状構造体100の内側面には、複数の電極E1〜E9,F1〜F9が形成されている。ここでは、内側箱状構造体300の外側面に形成された電極E1〜E9を固定電極と呼び、外側箱状構造体100の内側面に形成された電極F1〜F9を変位電極と呼ぶ。文字どおり、固定電極E1〜E9は、内側箱状構造体300を介して基板200上に固定された電極であるが、変位電極F1〜F9は、外側箱状構造体100の変形に伴って変位を生じる電極である。変位電極F1〜F9は、それぞれ固定電極E1〜E9に対向する位置に配置されている。
【0042】
これらの各電極の形状および配置は、図4〜図7に明瞭に示されている。図4は、図2に示す力検出装置を切断線4−4で切った横断面図であり、断面状態で示す第1の変位板141〜第4の変位板144に囲まれた外側箱状構造体100の内部が現れている。特に、内側箱状構造体300の上面を構成する固定天板330上に形成された5枚の固定電極E1〜E5の形状および配置が明瞭に示されている。すなわち、固定天板330の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極E1が形成され、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極E2が形成され、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極E3が形成され、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極が形成され、原点Oの投影像上に第5の固定電極E5が形成されている。ここで、第1の固定電極E1〜第4の固定電極E4は、同一サイズ、同一形状の電極となっており、XZ平面もしくはYZ平面に関して対称となる位置に配置されている。一方、第5の固定電極E5は、Z軸を中心軸とする円形の電極である。
【0043】
一方、内側箱状構造体300の4側面には、それぞれ固定電極E6〜E9が配置されており、これらに対向する位置に、それぞれ変位電極F6〜F9が配置されている。これらの電極配置は、図5に明瞭に示されている。図5は、図2に示す力検出装置を切断線5−5で切った横断面図であり、外側箱状構造体100の各側面を構成する第1の変位板141〜第4の変位板144と、内側箱状構造体300の各側面を構成する第1の固定板341〜第4の固定板344と、がそれぞれ断面で示されており、各変位板141〜144の内側面に形成された変位電極F6〜F9と、各固定板341〜344の外側面に形成された固定電極E6〜E9も断面で示されている。
【0044】
図6は、図2に示す力検出装置を切断線6−6で切った縦断面図であり、図2をちょうど右方向から覗いた状態が示されている。第1の固定板341上に形成された第6の固定電極E6は、図示のとおり長方形の板状電極である。ここでは、便宜上、4枚の固定電極E6〜E9および4枚の変位電極F6〜F9は、いずれも同一形状、同一サイズの板状電極として説明するが、後述するように、実用上は、互いに対向する一対の電極については、相互のサイズを若干変えるようにするのが好ましい。また、この図6では、電極E1/F1,電極E8/F8,電極E9/F9がそれぞれ所定間隔をおいて対向している様子も示されている。
【0045】
図7は、図2に示す力検出装置から外側箱状構造体100を取り外して示した外側箱状構造体100自身の下面図である。フレーム状の台座150に囲まれた空間内に、この外側箱状構造体100の内部の状態が示されている。奥に位置する変位天板130の下面には、図示のとおり、5枚の変位電極F1〜F5が配置されているが、これは、図4に示す5枚の固定電極E1〜E5にそれぞれ対向するものである。ここでは、便宜上、5枚の変位電極F1〜F5は、それぞれ5枚の固定電極E1〜E5と同一形状、同一サイズのものとして説明するが、後述するように、実用上は、サイズを若干変えるようにするのが好ましい。また、図7には、変位板141〜144の内側面に、それぞれ変位電極F6〜F9が形成されている状態も示されている。
【0046】
結局、図2の側断面図に示されているように、外側箱状構造体100と内側箱状構造体300との間には空間が形成されており、この空間を利用して互いに向かい合うように、9組の電極対E1/F1〜E9/F9が形成されていることになる。ここで、内側箱状構造体300の外側面に形成された電極E1〜E9は、いずれも内側箱状構造体300を介して基板200に固定された固定電極であるのに対し、外側箱状構造体100の内側面に形成された電極F1〜F9は、いずれも外側箱状構造体100の変形に伴って変位を生じる変位電極である。ここでは、説明の便宜上、9組の電極対E1/F1〜E9/F9によって構成される9組の静電容量素子を、それぞれ容量素子C1〜C9と呼ぶことにする。また、この容量素子C1〜C9の静電容量値についても、同じ符号C1〜C9を用いて表わすことにする。
【0047】
容量素子C6〜C9の役割は、第1の変位板141〜第4の変位板144の変位を検出することにある。たとえば、図5の横断面図において、第1の変位板141がX軸正方向(図の右方向)に変位すると、第6の変位電極F6も同じ方向、すなわち、第6の固定電極E6から離れる方向に移動することになり、電極対E6/F6によって構成される容量素子C6の電極間距離が広がり、静電容量値C6は減少する。逆に、第1の変位板141がX軸負方向(図の左方向)に変位すると、容量素子C6の電極間距離が縮まり、静電容量値C6は増加する。
【0048】
結局、容量素子C6の静電容量値C6は、第1の変位板141と第1の固定板341との距離を示すパラメータになる。同様に、電極対E7/F7によって構成される容量素子C7の静電容量値C7は、第2の変位板142と第2の固定板342との距離を示すパラメータになり、電極対E8/F8によって構成される容量素子C8の静電容量値C8は、第3の変位板143と第3の固定板343との距離を示すパラメータになり、電極対E9/F9によって構成される容量素子C9の静電容量値C9は、第4の変位板144と第4の固定板344との距離を示すパラメータになる。
【0049】
また、容量素子C5の役割は、変位天板130のZ軸方向に関する変位を検出することにある。たとえば、図2の側断面図において、変位天板130がZ軸正方向(図の上方向)に変位すると、第5の変位電極F5も同じ方向、すなわち、第5の固定電極E5から離れる方向に移動することになり、電極対E5/F5によって構成される容量素子C5の電極間距離が広がり、静電容量値C5は減少する。逆に、変位天板130が軸負方向(図の下方向)に変位すると、容量素子C5の電極間距離が縮まり、静電容量値C5は増加する。結局、容量素子C5の静電容量値C5は、変位天板130と固定天板330との距離を示すパラメータになる。
【0050】
一方、容量素子C1〜C4の役割は、変位天板130の固定天板330に対する傾斜度を検出することにある。たとえば、図2の側断面図において、受力体110に対して、Y軸まわりの正のモーメント+My(紙面に垂直な軸についての時計まわりのモーメント)が作用した場合を考える。この場合、受力体110に作用したモーメントは、連結体120を介して変位天板130へと伝達される。こうして伝達されたモーメントは、変位天板130に対して、図の右半分を下方へ変位させ、図の左半分を上方へ変位させる力を与える。その結果、変位天板130は、本来の水平状態に対して、図2における右側が下がり、左側が上がるように傾斜することになる。本明細書では、このような方向に関する傾斜度を、「X軸方向に関する傾斜度」と呼ぶことにする。
【0051】
この「X軸方向に関する傾斜度」は、容量素子C1,C2の静電容量値の差として検出することが可能である。すなわち、変位天板130が上述のような傾斜状態になると、電極対E1/F1によって構成される容量素子C1の電極間距離は縮まり、静電容量値C1は増加する。一方、電極対E2/F2によって構成される容量素子C2の電極間距離は広がり、静電容量値C2は減少する。したがって、両者の差(C1−C2)は、変位天板130のX軸方向に関する傾斜度を示す値になる。また、変位天板130が、本来の水平状態に対して、図2における右側が上がり、左側が下がるような方向に傾斜すると、容量素子C1の電極間距離は広がり、静電容量値C1は減少し、容量素子C2の電極間距離は縮まり、静電容量値C2は増加する。したがって、その傾斜度は、やはり「X軸方向に関する傾斜度」として、両者の差(C1−C2)で求めることができる(ただし、このときの差(C1−C2)は負の値となる)。結局、X軸方向に関する傾斜の向きおよび大きさが、容量素子C1,C2の静電容量値の差として検出できることになる。
【0052】
全く同様の原理により、Y軸方向に関する傾斜の向きおよび大きさが、容量素子C3,C4の静電容量値の差(C3−C4)として検出できる。すなわち、変位天板130が、本来の水平状態に対して、図6(横がY軸方向となっている)における右側が下がり、左側が上がるような傾斜方向、もしくは逆に、右側が上がり、左側が下がるような傾斜方向に関する傾斜度を、「Y軸方向に関する傾斜度」と呼ぶことにすれば、この「Y軸方向に関する傾斜度」は、容量素子C3,C4の静電容量値の差として検出することが可能であり、その符号は、傾斜の向きを示すものになる。結局、容量素子C1〜C4は、変位天板130の固定天板330に対する「X軸方向に関する傾斜度」と「Y軸方向に関する傾斜度」とを検出する機能をもっていることになる。
【0053】
<<< §2. 基本的な実施形態の検出動作 >>>
続いて、上述した基本的な実施形態に係る力検出装置による検出動作を説明する。既に述べたとおり、この力検出装置は、受力体110に加えられたX軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fz、X軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMyの5成分を検出することが可能である。
【0054】
まず、X軸方向の力Fxの検出原理を、図8の模式図を参照しながら説明する。図8(a) は、この力検出装置におけるX軸方向の力Fxの検出およびY軸まわりのモーメントMyの検出に関与する構成要素を模式的に示すXZ平面図であり、何ら外力が作用していない状態を示している。§1で述べたとおり、基板200は、XYZ三次元座標系においてXY平面に平行な上面を有する基板であり、この基板200の上に、第1の変位板141、第2の変位板142、第1の固定板341、第2の固定板342が配置されている。また、第1の変位板141の上端と第2の変位板142の上端との間に架かるように変位天板130が配置され、第1の固定板341の上端と第2の固定板342の上端との間に架かるように固定天板330が配置されている。
【0055】
また、受力体110は、検出対象となる力を受けるために、変位天板130の上方のZ軸上に配置された構成要素であり、連結体120は、受力体110と変位天板130とを接続するようにZ軸に沿って配置された構成要素である。この例では、連結体120は、変位天板130の上面中央部に接続されており、受力体110に作用した外力は、連結体120を介して変位天板130へと伝達される。
【0056】
図8(b) は、受力体110に対して、X軸正方向の力+Fxが作用したときの各部の変位状態を示す図である。図示のとおり、受力体110に作用した外力+Fxは、連結体120を介して変位天板130へと伝達され、変位天板130に対して、図の右方向へと移動させる力を作用させる。この力は、第1の変位板141および第2の変位板142へも伝達され、第1の変位板141の上辺および第2の変位板142の上辺には、X軸正方向の力+Fxが作用することになる。その結果、第1の変位板141および第2の変位板142は、図示のとおり、X軸正方向に向かって角度θだけ傾斜する。§1で述べた構造では、第1の変位板141、第2の変位板142、変位天板130は、外側箱状構造体100の一部によって構成されているので、この外側箱状構造体100の側面が図示のような平行四辺形に変形することになる。
【0057】
このような変形により、第1の変位板141と第1の固定板341との間の距離は広がり、第2の変位板142と第2の固定板342との距離は縮まる。これとは逆に、X軸負方向の力−Fxが作用したときは、各部の変位状態は図8(c) に示すようになる。すなわち、第1の変位板141および第2の変位板142は、図示のとおり、X軸負方向に向かって角度θだけ傾斜する(ここでは、傾斜方向に符号を付して、このときの傾斜角度を−θと表している)。このような変形により、第1の変位板141と第1の固定板341との間の距離は縮まり、第2の変位板142と第2の固定板342との距離は広がる。
【0058】
したがって、第1の変位板141と第1の固定板341との距離を検出する第1のX軸距離センサと、第2の変位板142と第2の固定板342との距離を検出する第2のX軸距離センサと、を設けておけば、これら両センサによる距離の検出値の差は、受力体110に作用したX軸方向の力Fxを示すことになる。すなわち、この検出値の差の大きさは、力Fxの絶対値を示し、この検出値の差の符号は、力Fxの向きを示すものになる。
【0059】
§1で述べた力検出装置では、図2の側断面図に示されているとおり、電極対E6/F6からなる第6の容量素子C6が第1のX軸距離センサとして機能し、電極対E7/F7からなる第7の容量素子C7が第2のX軸距離センサとして機能する。したがって、両容量素子C6,C7の静電容量値の差(C7−C6)を、X軸方向の力Fxの検出値として出力することができる。なお、差を求める式を(C6−C7)とせずに、(C7−C6)としているのは、容量素子を構成する電極対の距離の大小と静電容量値の大小の関係が逆になることを考慮し、正しい符号をもったFxを得るための配慮である。
【0060】
以上、X軸方向の力Fxの検出原理を述べたが、Y軸方向の力Fyの検出原理も全く同様である。受力体110にY軸方向の力Fyが作用すると、第3の変位板143および第4の変位板144がY軸方向へ傾斜することになる。したがって、第3の変位板143と第3の固定板343との距離を検出する第1のY軸距離センサと、第4の変位板144と第4の固定板344との距離を検出する第2のY軸距離センサと、を設けておけば、これら両センサによる距離の検出値の差は、受力体110に作用したY軸方向の力Fyを示すことになる。この場合も、検出値の差の大きさは、力Fyの絶対値を示し、検出値の差の符号は、力Fyの向きを示すものになる。
【0061】
§1で述べた力検出装置では、図6の断面図に示されているとおり、電極対E8/F8からなる第8の容量素子C8が第1のY軸距離センサとして機能し、電極対E9/F9からなる第9の容量素子C9が第2のY軸距離センサとして機能する。したがって、両容量素子C8,C9の静電容量値の差(C9−C8)を、X軸方向の力Fyの検出値として出力することができる。差を求める式を(C9−C8)としているのは、やはり正しい符号をもったFyを得るための配慮である。
【0062】
次に、Z軸方向の力Fzの検出原理を、図9の模式図を参照しながら説明する。まず、何ら外力が作用していないときに、図9(a) に示す状態であるとしよう。この状態において、受力体110に対して、Z軸正方向の力+Fzが作用したとすると、各部の変位状態は、図9(b) に示すようになり、Z軸負方向の力−Fzが作用したとすると、各部の変位状態は、図9(c) に示すようになる。なお、この模式図9(b) ,9(c) では、図示の便宜上、第1の変位板141および第2の変位板142がZ軸方向に伸縮することにより、変位天板130の位置が上下に変化した状態が示されているが、実際には、各部が互いに関わり合いを持ちながら、構造体全体として所定の変形が生じることになる。すなわち、実際には、Z軸方向の力Fzが作用した場合、第1の変位板141および第2の変位板142はZ軸方向に伸縮するとともに、基板200に対して多少傾斜することになり、また、変位天板130自体も、面方向に伸びるとともに、上方もしくは下方に凸となるような変形を生じることになる。
【0063】
実際の変形態様がどのようなものになるにせよ、受力体110に対して、Z軸正方向の力+Fzが作用すれば、変位天板130と固定天板330との距離は広がることになり、Z軸負方向の力−Fzが作用すれば、変位天板130と固定天板330との距離は縮まることになる。したがって、両天板の距離を検出するZ軸距離センサを設けておけば、このセンサによる距離の検出値は、受力体110に作用したZ軸方向の力Fzを示すことになる。すなわち、図9(a) に示す状態におけるこのZ軸距離センサの検出値を基準値として決めておけば、距離の検出値が基準値より増加した場合には、Z軸正方向の力+Fzが検出されたことになり、その増加量が作用した力の大きさを示すことになる。逆に、距離の検出値が基準値より減少した場合には、Z軸負方向の力−Fzが検出されたことになり、その減少量が作用した力の大きさを示すことになる。
【0064】
§1で述べた力検出装置では、図2の側断面図に示されているとおり、電極対E5/F5からなる第5の容量素子C5がZ軸距離センサとして機能する。したがって、容量素子C5を、Z軸方向の力Fzの検出値として利用することができる。ただ、容量素子を構成する電極対の距離の大小と静電容量値の大小の関係は逆になるので、静電容量値C5が基準値より増加した場合には、Z軸負方向の力−Fzが検出されたことになり(図9(c) の状態)、静電容量値C5が基準値より減少した場合には、Z軸正方向の力+Fzが検出されたことになる(図9(b) の状態)。
【0065】
続いて、Y軸まわりのモーメントMyの検出原理を、図10の模式図を参照しながら説明する。まず、何ら外力が作用していないときに、図10(a) に示す状態であるとしよう。この状態において、受力体110に対して、Y軸まわりの正のモーメント+Myが作用したとする。このようなモーメント+Myは、図3に示す受力体110に対して、作用点P1を紙面垂直下方へ押し下げ、作用点P2を紙面垂直上方へと押し上げる力として作用することになる。したがって、この力検出装置の各部は、図10(a) に示す状態から、図10(b) に示す状態へと変位することになる。一方、これとは逆に、Y軸まわりの負のモーメント−Myが作用したとすると、各部の変位状態は、図10(c) に示すようになる。なお、この模式図10(b) ,10(c) においても、図示の便宜上、第1の変位板141および第2の変位板142がZ軸方向に伸縮することにより、変位天板130の位置が上下に変化した状態が示されているが、実際には、各部が互いに関わり合いを持ちながら、構造体全体として所定の変形が生じることになる。このため、実際には、第1の変位板141および第2の変位板142はZ軸方向に伸縮するとともに、基板200に対して多少傾斜することになり、また、変位天板130自体も撓みを生じることになる。
【0066】
実際の変形態様がどのようなものになるにせよ、受力体110に対して、Y軸まわりのモーメントMyが作用すれば、変位天板130は固定天板330に対して、X軸方向に関する傾斜を生じることになる。したがって、変位天板130の固定天板330に対するX軸方向に関する傾斜度を検出する傾斜度センサを設けておけば、このセンサによる傾斜度の検出値は、受力体110に作用したY軸まわりのモーメントMyを示すことになる。すなわち、図10(a) に示す状態における変位天板130の傾斜度を0とし、図10(b) に示す方向へ傾斜したときの傾斜度を正の検出値として出力し、図10(c) に示す方向へ傾斜したときの傾斜度を負の検出値として出力することができる傾斜度センサを用いれば、この傾斜度センサの出力は、受力体110に作用したY軸まわりのモーメントMyを示すものになる。
【0067】
§1で述べた力検出装置では、既に述べたとおり、図4に示す4枚の固定電極E1〜E4と、図7に示す4枚の変位電極F1〜F4と、によって構成される4組の容量素子C1〜C4が、変位天板130の固定天板330に対する傾斜度を検出する傾斜度センサとして機能する。この傾斜度センサでは、X軸方向に関する傾斜度を、第1の容量素子C1の静電容量値と第2の容量素子C2の静電容量値との差(C1−C2)として検出することができるので、結局、Y軸まわりのモーメントMyは、(C1−C2)なる値として検出されることになる。
【0068】
全く同様の原理により、受力体110に作用したX軸まわりのモーメントMxの検出も可能である。受力体110に対して作用するX軸まわりのモーメントMxは、図3に示す受力体110に対して、作用点P4を紙面垂直下方へ押し下げ、作用点P3を紙面垂直上方へと押し上げる力として作用することになる。したがって、変位天板130は固定天板330に対して、Y軸方向に関する傾斜を生じることになる。§1で述べた力検出装置では、このY軸方向に関する傾斜度は、第3の容量素子C3の静電容量値と第4の容量素子C4の静電容量値との差(C4−C3)として検出することができるので、結局、X軸まわりのモーメントMxは、(C4−C3)なる値として検出されることになる。ここで、(C4−C3)としたのは、正しい符号をもったMxを得るための配慮である。
【0069】
結局、§1で述べた基本的な実施形態に係る力検出装置を用いれば、受力体110に対して作用したX軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fz、X軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMyの5成分を、それぞれ符号を考慮して検出することが可能になる。図11は、このような5成分の力がそれぞれ作用したときの各容量素子C1〜C9の静電容量値の変化の態様を、作用した力の符号を考慮して示すテーブルであり、「0」は変化なし、「+」は増加、「−」は減少を示している。
【0070】
この図11のテーブルに示すような結果が得られることを踏まえると、図1にブロックとして示す検出処理部250として、9組の容量素子C1〜C9の静電容量値を測定する回路と、測定した各静電容量値を用いて、図12に示す式に基づく演算を行う処理装置を用意しておけば、Fx,Fy,Fz,Mx,Myの5成分を得ることができるようになる。
【0071】
なお、この図12に示す式は、得られる力の符号を考慮した式となっている。たとえば、X軸方向の力Fxは、差(C7−C6)により求まり、Y軸方向の力Fyは、差(C9−C8)により求まるが、このときの差の符号は、各座標軸の正方向へ向かう力か、負方向へ向かう力か、を示している。同様に、X軸まわりのモーメントMxは、差(C4−C3)により求まり、Y軸まわりのモーメントMyは、差(C1−C2)により求まるが、このときの差の符号は、各座標軸まわりの正方向のモーメント(右ネジを当該座標軸の正方向へ進めるための回転方向)か、負方向のモーメント(右ネジを当該座標軸の負方向へ進めるための回転方向)か、を示している。また、Z軸方向の力Fzについては、2組の容量素子の静電容量値の差ではなく、第5の容量素子C5の静電容量値C5単独で求めることになるので、前述したとおり、この容量値C5の所定の基準値に対する増加分もしくは減少分が、作用したZ軸方向の力Fzの大きさを示すものになる。なお、図12の式では、Fz=−C5となっており、先頭にマイナス符号を付加しているが、これは容量値C5の増減の関係と、力Fzの符号とが逆であることを示すものである(C5の増加分は、Z軸負方向の力−Fzを示し、C5の減少分は、Z軸正方向の力+Fzを示す)。また、Z軸方向の力Fzは、図11のテーブルからもわかるとおり、Fz=−(C1+C2+C3+C4+C5)、またはFz=−(C1+C2+C3+C4)なる式でも求めることができる。
【0072】
上述したとおり、図11のテーブルにおいて、「+」が記された欄は、該当する力の作用があると、該当する容量素子の静電容量値が増加することを示し、「−」が記された欄は、該当する力の作用があると、該当する容量素子の静電容量値が減少することを示している。このような静電容量値の増減変化が生じる理由は、既に図8〜図10の模式図を用いて説明したとおりである。一方、図11のテーブルにおいて、「0」が記された欄は、該当する力の作用があっても、該当する容量素子の静電容量値には変化が生じないことを示しているが、実際には、これらのすべての場合において、静電容量値の変化が完全に0になるわけではない。ここでは、この図11のテーブルに「0」が記述されている各欄の妥当性について検証してみよう。
【0073】
まず、図11のテーブルにおける±Fxの行や±Fyの行を見ると、容量素子C1〜C5の欄はいずれも「0」となっているが、これは、図8(b) ,図8(c) に示すような変形が生じた場合に、変位天板130と固定天板330との間の距離が全く変化しない、という前提に立ったものである。しかしながら、実際には、側面が図8(b) ,図8(c) に示すような平行四辺形に変形すると、変位天板130と固定天板330との間の距離は若干短くなるので、上述の各欄は「0」ではなく、「+」になるはずである。また、受力体110にX軸方向の力Fxのみが作用したとしても、変位天板130には、連結体120を介して力が伝達されるため、必ずしも変位天板130を図の右方向に平行移動させる力として伝達されるとは限らず、変位天板130が水平状態から若干傾斜する可能性もある。しかしながら、実際には、力±Fxが作用したとき、容量素子C1〜C5の静電容量値の変化は、容量素子C6,C7の静電容量値の変化に比べて小さく、力±Fyが作用したとき、容量素子C1〜C5の静電容量値の変化は、容量素子C8,C9の静電容量値の変化に比べて小さい。したがって、力FxやFyが作用したときの容量素子C1〜C5の静電容量値の変化を無視しうる測定精度の範囲内では、これらの欄は実質的に「0」と考えることができる。
【0074】
また、図11のテーブルにおける±Fxの行を見ると、容量素子C8,C9の欄も「0」となっているが、これは、図8(b) ,図8(c) に示すような変形が生じた場合に、第3の変位板143および第4の変位板144が垂直な状態を維持し、傾斜することはない、という前提に立ったものである。この前提も実際には必ずしも満足されるものではない。特に、§1で述べた基本的な実施形態では、外側箱状構造体100が全体的に変形するため、上記前提が完全に満足されることはないと考えられる。ただ、こちらも「+」や「−」を記した欄における静電容量値の変化に比べれば、通常は、無視しうる範囲内となるので、「0」と考えることができる。±Fyの行の容量素子C6,C7の欄も同様である。
【0075】
更に、図11のテーブルにおける±Fzの行において、容量素子C6〜C9の欄が「0」となっている理由も同様である。すなわち、図9(b) ,図9(c) に示すような変形が生じた場合に、第1の変位板141〜第4の変位板144は、必ずしも垂直な状態を維持するとは限らないので、容量素子C6〜C9の静電容量値は若干の変化を生じる可能性はあるが、通常は、無視しうる範囲と考えることができる。
【0076】
次に、図11のテーブルにおける±Mxの行や±Myの行を見ると、容量素子C5の欄が「0」となっている。この容量素子C5の欄が「0」になっている理由は、図4に示す第5の固定電極E5および図7に示す第5の変位電極F5が、X軸およびY軸に関して対称な形状となっているため、図10(b) ,図10(c) に示すような変形が生じた場合でも、容量素子C5の電極間隔は、一部分は広がるが、別な一部分は縮まり、トータルとしては、静電容量値C5は変化しない、という考え方に基づくものである。したがって、容量素子C5の欄は、実際には、完全には0にならないかもしれないが、通常は「0」として取り扱っても問題はない。±Mxの行の容量素子C1,C2の欄が「0」になっている理由や、±Myの行の容量素子C3,C4の欄が「0」になっている理由も同様であり、これらの場合の電極間隔は、一部分は広がるが、別な一部分は縮まり、トータルとしては変化しないと考えることができる。
【0077】
また、図11のテーブルにおける±Mxの行や±Myの行の容量素子C6〜C9の欄が「0」になっている理由は、図10(b) ,図10(c) に示すような変形が生じた場合に、第1の変位板141〜第4の変位板144は、必ずしも垂直な状態を維持するとは限らないので、容量素子C6〜C9の静電容量値は若干の変化を生じる可能性はあるが、通常は、無視しうる範囲と考えることができるためである。
【0078】
ところで、図11に示すテーブルに「0」と記されているのに、厳密には「0」にはならない別な要因として、電極の有効面積も検討しておく必要がある。容量素子の静電容量値を決定するパラメータは、電極間の誘電率と、電極間隔と、電極面積である。これまでの説明では、容量素子の電極間隔にのみ着目して、静電容量値の変化を考えてきたが、容量素子の電極面積も、静電容量値を変えるパラメータになる。したがって、容量素子を構成する一対の対向電極に、平面的なずれが生じると、容量素子を構成する電極としての有効面積が減少することになり、静電容量値に変化が生じてしまう。
【0079】
この点を考慮すると、たとえば、図11のテーブルにおける±Fxの行の容量素子C8,C9の欄は、電極の有効面積の変化の影響を受けることになり、この要因によっても、厳密には「0」にはならないことになる。たとえば、図5に示す構造において、外力+Fxの作用により、第1の変位板141や第2の変位板142が図の右方向に傾斜し、その結果、第3の変位板143や第4の変位板144の位置が若干でも図の右方向にずれたとすると、電極対E8/F8や電極対E9/F9の電極間隔に変化はなかったとしても、容量素子を構成する電極としての有効面積は減少することになり、静電容量値C8,C9に変化が生じることは避けられない。しかしながら、このような有効面積の変化に起因した静電容量値の変化が、「+」や「−」を記した欄における静電容量値の変化に比べて無視しうる範囲内である限りは、上記各欄を「0」としても問題はない。
【0080】
結局、図11に示すテーブルにおいて「0」と記した欄は、厳密に言えば、静電容量値の変化が0になるわけではないが、「+」や「−」と記した欄における変化の程度が、「0」と記した欄における変化の程度に対して十分に有意であれば、このテーブルに基づく検出原理により、5つの力成分をそれぞれ独立して検出することが可能になる。なお、図11に示すテーブルにおいて「0」と記した欄に関する実際の静電容量値の変化を0に近付けるための工夫を、後の§4および§5で詳細に述べることにする。
【0081】
ところで、§1で述べた力検出装置の場合、第1の変位板141〜第4の変位板144および変位天板130は、外側箱状構造体100の側面および上面として用意され、第1の固定板341〜第4の固定板344および固定天板330は、内側箱状構造体300の側面および上面として用意されているが、本発明を実施する上では、必ずしもこれらの箱状構造体を利用する必要はない。たとえば、X軸方向の力FxとY軸まわりのモーメントMyを検出するのであれば、図8(a) に示す構造体のみを用意すれば十分である。
【0082】
また、§1で述べた力検出装置の場合、第1の変位板141〜第4の変位板144、第1の固定板341〜第4の固定板344は、いずれも基板200に対して垂直(YZ平面またはXZ平面に平行)となるような配置をとっているが、原理的には、これらは必ずしも基板200に対して垂直に配置する必要はない。
【0083】
要するに、第1の変位板141は、X軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、変位可能となるように基板200上に直接もしくは弾性変形を生じる部材を介して間接的に支持されるようにし、第2の変位板142は、X軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、変位可能となるように基板200上に直接もしくは弾性変形を生じる部材を介して間接的に支持されるようにし、第3の変位板143は、Y軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、変位可能となるように基板200上に直接もしくは弾性変形を生じる部材を介して間接的に支持されるようにし、第4の変位板144は、Y軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、変位可能となるように基板200上に直接もしくは弾性変形を生じる部材を介して間接的に支持されるようにすればよい。
【0084】
また、第1の固定板341は、Z軸と第1の変位板141との間に配置され、基板200上に何らかの形で固定されるようにし、第2の固定板342は、Z軸と第2の変位板との間に配置され、基板200上に何らかの形で固定されるようにし、第3の固定板343は、Z軸と第3の変位板143との間に配置され、基板200上に何らかの形で固定されるようにし、第4の固定板344は、Z軸と第4の変位板との間に配置され、基板200上に何らかの形で固定されるようにすればよい。
【0085】
更に、固定天板330は、第1の固定板341の上辺付近と第2の固定板342の上辺付近との間に架かる平面に沿うように配置され、基板200上に何らかの形で固定されるようにし、変位天板130は、固定天板330の上方に配置され、基板200に対して変位可能となるように弾性変形を生じる部材を介して支持され、第1の変位板141の上辺および第2の変位板142の上辺に対して、XY平面に沿った方向の力を伝達できるように構成すればよい。
【0086】
<<< §3. Z軸まわりのモーメントMzの検出 >>>
さて、§1で述べた基本的な実施形態に係る力検出装置について、§2において検出動作を説明し、図12に示す式による演算を行うことにより、Fx,Fy,Fz,Mx,Myなる5つの力成分を別個独立して検出することができることを示した。ここでは、更に、第6の力成分、すなわち、Z軸まわりのモーメントMzを検出するための工夫を述べる。
【0087】
図13は、この力検出装置の受力体110に対して、Z軸まわりの正のモーメント+Mzが作用したときの状態を示す上面図である。このモーメント+Mzは、図示のとおり、受力体110を反時計まわりに回転させる力であり、受力体110上の作用点P1〜P4を、Z軸を中心として反時計まわりに移動させる力ということになる。このような力は、連結体120を介して変位天板130に対して捩れの力として伝達されることになるので、第1の変位板141〜第4の変位板144は図示のように撓み、変位天板130も反時計まわりに回転することになる。もちろん、このときの回転角は、作用したZ軸まわりのモーメントMzの大きさに応じたものになる。したがって、変位天板130の固定天板330に対するZ軸まわりの回転角を検出する回転角センサを設けておけば、この回転角センサの検出値に基づいて、受力体110に作用したZ軸まわりのモーメントMzを検出することが可能になる。
【0088】
実は、この回転角の大きさは、第1の容量素子C1〜第4の容量素子C4を利用して検出することが可能である。その原理を、図14の上面投影図を参照しながら説明する。図14(a) は、§1で述べた基本的な実施形態に係る力検出装置において、何ら外力が作用していない状態における固定天板330の上面に形成された5枚の固定電極E1〜E5と、変位天板130の下面に形成された5枚の変位電極F1〜F5と、の位置関係を示す上面投影図である。ここで、ハッチングは、容量素子を構成する電極対の有効面積を示すためのものであり、断面を示すものではない。この状態では、図示のとおり、5枚の固定電極E1〜E5の上に、5枚の変位電極F1〜F5が完全に重なった状態となっており、実際の電極の全面積(ハッチング部分)に相当する領域が、容量素子として貢献する。
【0089】
ところが、図13に示すように、Z軸まわりの正のモーメント+Mzが作用し、変位天板130が反時計まわりに回転すると、各電極の位置関係は、図14(b) に示すように変化する。すなわち、中央に配置された円形の固定電極E5および変位電極F5の位置関係には変化ないものの、4枚の変位電極F1〜F4(破線で示す)は、反時計まわりに移動するため、ハッチングを施して示した有効面積は減少することになる。したがって、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値はすべて減少する。このとき、電極対E5/F5からなる容量素子C5の静電容量値は変化しないので、C5に変化がないのに、C1〜C4に変化が生じた場合には、Z軸まわりのモーメントMzが作用したものと判断することができる。
【0090】
このような原理を利用すれば、§1で述べた基本的な実施形態に係る力検出装置によっても、Z軸まわりのモーメントMzの大きさを検出することは可能である。しかしながら、モーメントMzの向きの検出を行うことはできない。すなわち、Z軸まわりの負のモーメント−Mzが作用し、変位天板130が時計まわりに回転した場合を考えると、各電極の位置関係は、図14(c) に示すように変化するものの、静電容量値C1〜C4の値は、やはり減少することになる。したがって、C5に変化がないのに、C1〜C4に変化が生じた場合、その変化の程度は、Z軸まわりのモーメントMzの大きさを示すものになるが、いずれの向きのモーメントが作用したか(すなわち、Mzの符号)を特定することはできない。
【0091】
Z軸まわりのモーメントMzについて、その向き(符号)を考慮した検出を行うためには、変位電極F1〜F4を、固定電極E1〜E4に対向する位置に対して所定の回転方向にオフセットした位置に配置すればよい。そうすれば、容量素子C1〜C4の静電容量値の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようになる。これを具体例で示そう。
【0092】
たとえば、固定天板330の上面には、図15(a) に示すような5枚の固定電極EE1〜EE5を形成しておく。すなわち、固定天板330の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極EE1を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極EE2を形成し、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極EE3を形成し、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極EE4を形成し、原点Oの投影像上に第5の固定電極EE5を形成する。この例では、固定電極EE1〜EE4を扇形にしているが、必ずしも扇形にする必要はない。また、第5の固定電極EE5は、Z軸方向の力Fzの検出に用いるものであり、Z軸まわりのモーメントMzの検出に用いられるものではない。
【0093】
一方、変位天板130の下面には、図15(b) に示すような5枚の変位電極FF1〜FF5を形成しておく。なお、この図15(b) は、変位天板130の下面を示すものではなく、固定天板330に対する5枚の変位電極FF1〜FF5の位置を示すものであり、いわば、変位天板130の下面に形成された5枚の変位電極FF1〜FF5を、固定天板330上面に投影したときの投影像を示すものである。したがって、この図15(b) では、固定天板330および5枚の変位電極FF1〜FF5を破線で示してある。
【0094】
図15(a) および(b) には、いずれも参照軸W1,W2を破線で示してある。この参照軸W1,W2は、固定天板330の上面を構成する正方形の対角線に相当するものである。図15(a) に示す各参照軸W1,W2と各固定電極EE1〜EE4との位置関係を、図15(b) に示す各参照軸W1,W2と各変位電極FF1〜FF4との位置関係と比較すれば、変位電極FF1〜FF4が時計まわりの方向に所定の回転角だけオフセットした位置に配置されていることがわかる。たとえば、第1の変位電極FF1は、第1の固定電極EE1に対向する位置に対して時計まわりの方向に所定の回転角だけオフセットした位置に配置されている。
【0095】
図16は、このようなオフセット配置された電極構成をもつ力検出装置についての電極の有効面積の変化を示すための上面投影図である。この図においても、ハッチングは、容量素子を構成する電極対の有効面積を示すためのものであり、断面を示すものではない。まず、図16(a) には、何ら外力が作用していない状態における固定天板330の上面に形成された5枚の固定電極EE1〜EE5(実線で示す)と、変位天板130の下面に形成された5枚の変位電極FF1〜FF5(破線で示す)と、の位置関係が示されている。この状態では、図示のとおり、4枚の固定電極EE1〜EE4に対して、4枚の変位電極FF1〜FF4が、オフセット角度δ0だけずれた状態となっている。この状態での容量素子を構成する電極としての有効面積は、図にハッチングを施して示した領域の面積ということになる。
【0096】
ここで、Z軸まわりの正のモーメント+Mzが作用し、変位天板130が反時計まわりに回転すると、各電極の位置関係は、図16(b) に示すように変化する。すなわち、オフセット角度がδ1に減少し、電極の有効面積は増加する。これは、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値が増加することを意味する。逆に、Z軸まわりの負のモーメント−Mzが作用し、変位天板130が時計まわりに回転すると、各電極の位置関係は、図16(c) に示すように変化する。すなわち、オフセット角度がδ2に増加し、電極の有効面積は減少する。これは、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値が減少することを意味する。したがって、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値の和を求めるようにすれば、この和の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようになる。
【0097】
図17に示すテーブルは、図11に示すテーブルに、Z軸まわりのモーメント±Mzの行を追加したものであり、図18に示す式は、図12に示す式に、Mzについての式を追加したものである。結局、§1で述べた力検出装置における固定電極E1〜E5および変位電極F1〜F5の代わりに、図15(a) に示す固定電極EE1〜EE5および図15(b) に示す変位電極FF1〜FF5を用いるようにすれば、図17のテーブルに示す原理による検出が可能になり、図18の式に示されているとおり、Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mzの6つの成分を独立して検出することが可能になる。
【0098】
なお、図17のテーブルからも明らかなように、容量素子C1〜C4の静電容量値がすべて増加もしくは減少したとしても、そのような増減の要因は、すべてがZ軸まわりのモーメントMzの作用に基づくものであるとは限らない。これは、Z軸方向の力Fzの作用によっても、容量素子C1〜C4の静電容量値の増減が生じるためである。これに対して、容量素子C5の静電容量値の増減は、専らZ軸方向の力Fzの作用によるものである。したがって、Z軸方向の力Fzが作用する環境下では、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値の和に対して、Z軸方向の力Fzの作用に起因する分を除外する補正を行い、補正後の値をZ軸まわりのモーメントMzとして用いるようにする必要がある。図18のMzの式に示されている補正項f(Fz)は、このような補正を行うための項である。
【0099】
<<< §4. 電極構成を単純化した実施形態 >>>
§1で述べた実施形態では、合計9組の容量素子C1〜C9を構成するために、内側箱状構造体300側に9枚の固定電極E1〜E9を形成し、外側箱状構造体100側に9枚の変位電極F1〜F9を形成し、合計18枚の電極を用いていた。しかしながら、9組の容量素子を構成するためには、必ずしも18枚の電極は必要ない。たとえば、9枚の固定電極E1〜E9を単一の共通固定電極とすることも可能であるし、9枚の変位電極F1〜F9を単一の共通変位電極とすることも可能である。ここで述べる実施形態は、後者の例であり、内側箱状構造体300側には、9枚の固定電極E1〜E9を形成する必要があるものの、外側箱状構造体100側には、単一の共通変位電極を構成することにより、電極構成を単純化したものである。
【0100】
しかも、ここで述べる実施形態では、外側箱状構造体100を導電性材料によって構成することにより、第1の変位板141〜第4の変位板144および変位天板130自身を変位電極として利用するようにしているため、実質的な電極構成は、内側箱状構造体300側に9枚の固定電極E1〜E9を用意するだけですむ。
【0101】
図19は、この§4で述べる実施形態に係る力検出装置の基本構造を示す側断面図(XZ平面で切断した図)であり、§1で述べた実施形態における図2に相当する図である。図2に示す力検出装置との相違は、受力体110、連結体120、外側箱状構造体100(変位天板130、第1の変位板141〜第4の変位板144、台座150)が導電性材料によって構成されている点と、変位電極F1〜F9がすべて省略されている点だけである。外側箱状構造体100全体が導電性材料から構成されているため、外側箱状構造体100の各固定電極E1〜E9に対向する部分がそれぞれ変位電極F1〜F9としての機能を果たすことになる。別言すれば、外側箱状構造体100自身が単一の共通変位電極として機能することになる。この図19に示す力検出装置の検出動作は、図2に示す力検出装置の検出動作と全く同様であり、§2で述べたとおりである。
【0102】
このように、図19に示す力検出装置は、図2に示す力検出装置に比べて、機械的な構造が単純になるという利点を有しているが、利点はそれだけではない。§2では、図11に示すテーブルに「0」と記されているのに、厳密には「0」にはならない要因のひとつとして、電極の有効面積の変化を挙げた。たとえば、図2に示す力検出装置の場合、図5に示す構造において、外力+Fxの作用により、第1の変位板141や第2の変位板142が図の右方向に傾斜し、その結果、第3の変位板143や第4の変位板144の位置が若干でも図の右方向にずれると、電極対E8/F8や電極対E9/F9の有効面積が減少することになり、静電容量値C8,C9に変化が生じることは既に述べた。ところが、図19に示す力検出装置では、このような要因による静電容量値の変化は生じることがない。
【0103】
具体的に説明すれば、図19に示す力検出装置では、固定電極E6と、変位板141の一部分(固定電極E6に対向した領域)からなる変位電極とによって、容量素子C6が形成されることになるが、ここで変位板141がいかに変位しようとも、容量素子C6を構成する電極有効面積は一定である。要するに、一対の容量素子を構成する固定電極と変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも広く設定しておけば、変位電極が面方向へ所定範囲内の変位を生じた場合にも、静電容量値が変化しないようにすることができる。図19に示す力検出装置の場合、外側箱状構造体100が単一の共通変位電極となっているため、変位電極の面積は常に固定電極の面積よりも広く設定されることになり、変位電極が面方向へ変位しても、静電容量値は変化しないことになる。
【0104】
外側箱状構造体100を構成するための導電性材料としては、金属が最も適している。この力検出装置による検出原理によれば、外側箱状構造体100は、ある程度の自由度をもって弾性変形する必要がある。金属は、ある程度の弾性変形の性質をもち、導電性をもち、しかも堅牢性を兼ね備えている。この図19に示す力検出装置の場合、たとえば、受力体110、連結体120、外側箱状構造体100は、アルミニウムなどの金属によって構成することができる。また、基板200や内側箱状構造体300は、たとえば、セラミックなどの絶縁体によって構成することができる。ただ、温度環境の変化に起因する各部の熱膨張により、容量素子の電極間隔に変化が生じることをできるだけ避けるには、すべての部分をアルミニウムなどの同一金属で形成するのが好ましい。この場合、固定電極E1〜E9を電気的に分離状態にする必要があるので、たとえば、内側箱状構造体300の外面に、セラミック基板を接着し、その上に各固定電極E1〜E9を形成するようにすればよい。セラミック基板は、絶縁性に優れ、熱膨張係数も小さいので、上記の用途には最適である。もちろん、本発明を実施するにあたって、各部の材質は何ら特定の材質に限定されるものではない。
【0105】
なお、図19に示す構成では、§3で述べたように、Z軸まわりのモーメントMzを検出する機能をもった力検出装置を実現することはできない。なぜなら、導電性をもった変位天板130自身が、固定電極E1〜E4に対する単一の共通変位電極として機能するため、変位天板130にZ軸まわりの回転変位が生じたとしても、容量素子C1〜C4を構成する電極としての有効面積に変化が生じないためである。
【0106】
そこで、Z軸まわりのモーメントMzを検出する機能をもった力検出装置を実現するには、図20に側断面図を示すような構成をとればよい。この力検出装置は、外側箱状構造体100全体が導電性材料から構成されている点については、図19に示す力検出装置と同様であるが、変位天板130の下面には絶縁層160を介して5枚の変位電極FF1〜FF5が形成されており、固定天板330の上面には、これらに対向するように、5枚の固定電極EE1〜EE5が形成されている。ここで、変位電極FF1〜FF4および固定電極EE1〜EE4は、図15に示すように配置されており、所定の回転方向についてオフセットが生じるようになっている。
【0107】
図21は、Z軸まわりのモーメントMzを検出する機能をもった力検出装置を実現する上で、最も好ましいと考えられる固定電極および変位電極の電極構成の一例を示す平面図である。図に示す5枚の電極EE1′〜EE5′は、固定天板330の上面に配置されている固定電極であり、これらに対向する電極FF1′〜FF5′は、変位天板130の下面に配置されている変位電極である。図21は、固定電極EE1′〜EE5′の上方に変位電極FF1′〜FF5′が配置されている状態を示す平面図であり、固定電極EE1′〜EE5′のうちの破線で示す部分は、変位電極FF1′〜FF5′の下に隠れている部分である。図示のとおり、変位電極FF1′〜FF4′と、固定電極EE1′〜EE4′との間には、所定の回転方向についてオフセットが生じている。
【0108】
なお、5枚の電極EE1′〜EE5′は、図示のとおり、それぞれが物理的に独立した電極であるのに対し、変位電極FF1′〜FF5′は互いに融合した単一の共通変位電極を構成している。このように、変位電極FF1′〜FF5′を単一の共通変位電極にしても、5組の容量素子C1〜C5が形成されることに変わりはなく、図17のテーブルに示す原理に基づいて6つの力成分の検出が可能である。
【0109】
また、図21に示す電極構成では、変位電極FF1′〜FF5′を単一の共通変位電極にするとともに、個々の変位電極の面積が常に固定電極の面積よりも広くなるように設定されている。このため、変位電極が面方向(XY平面に平行な方向)へ変位しても、Z軸まわりのモーメントMzとして誤検出されることを防ぐことができる。たとえば、図21に示す状態から、変位電極FF1′〜FF5′全体が図の右方向に若干平行移動したとしても(力+Fxが加わると、そのような平行移動が生じる)、電極対EE1′/FF1′に関する有効面積や、電極対EE2′/FF2′に関する有効面積は変化することがない。このとき、電極対EE3′/FF3′に関する有効面積は増加するが、逆に、電極対EE4′/FF4′に関する有効面積は減少するので、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値の総和に変化は生じない。図18に示す式において、Z軸まわりのモーメントMzを、4組の容量素子C1〜C4の静電容量値の総和によって検出するようにしているのは、このような利点を配慮したものである。なお、図21に示すような電極構成にすると、力+Fxが加わったときに、上述したように、静電容量値C3は増加し、C4は減少するため、図17のテーブルにおける±Mxの欄と同様の容量値変化が生じることになる。しかしながら、電極の有効面積の増減に起因する容量変化は、電極間隔の増減に起因する容量変化に比べれば十分小さいので、X軸方向の力Fxが、X軸まわりのモーメントMxとして有意に検出されることはない。同様にY軸方向の力Fyが、Y軸まわりのモーメントMyとして有意に検出されることはない。
【0110】
<<< §5. 実用的な構造をもった実施形態 >>>
§1で述べた基本的な実施形態に係る力検出装置では、底面が開口部となった直方体をなし、外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成される外側箱状構造体100を、その底面が基板200上に載置されるように接合し、この外側箱状構造体100の4枚の側面板141〜144を変位板として用い、この外側箱状構造体100の上面板130を変位天板として用いるようにしていた。また、この外側箱状構造体100より小さな直方体をなす内側箱状構造体300を、外側箱状構造体100に収容した状態で基板200上に接合し、この内側箱状構造体300の4枚の側面板341〜344および上面板330を固定板および固定天板として用いるようにしていた。
【0111】
このように、外側箱状構造体100や内側箱状構造体300を用いると、比較的単純な構造により、本発明の実施に必要な構成要素を必要な位置に配置することができるので便利である。しかしながら、この§1で述べた基本的な実施形態に係る構造では、必ずしも十分な精度をもった測定を行うことはできない。その理由は、§2で述べたとおり、図11あるいは図17のテーブルにおいて、「0」が記された欄は、該当する力の作用があっても、該当する容量素子の静電容量値には変化が生じないことを示しているが、実際には、これらのすべての場合において、静電容量値の変化が完全に0になるわけではないためである。このテーブルに「0」が記された欄についても、有意な静電容量値の変化が検出されてしまうと、個々の力成分の検出結果に、他の力成分が干渉を及ぼすことになり、各力成分を独立して検出することができなくなる。
【0112】
このように、他の力成分の干渉をできるだけ排除し、精度の高い検出値を得るためには、次のような条件を満足する構造体を実現する必要がある。まず、第1の条件は、受力体110に対して、X軸方向の力FxやY軸方向の力Fyが作用した際には、変位板141〜144側に形成された変位電極F6〜F9については変位が生じるものの、変位天板130側に形成された変位電極F1〜F5については変位が生じないか、あるいは、変位が生じても、変位電極F6〜F9について生じる変位に比べて非常に小さくなるようにする、という条件である。そして、第2の条件は、受力体110に対して、Z軸方向の力Fz、X軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMyが作用した際には、変位天板130側に形成された変位電極F1〜F5については変位が生じるものの、変位板141〜144側に形成された変位電極F6〜F9については変位が生じないか、あるいは、変位が生じても、変位電極F1〜F5について生じる変位に比べて非常に小さくなるようにする、という条件である。
【0113】
ここでは、このような2つの条件を満足させるために有効な構造上の工夫を施した変形例をいくつか述べることにする。まず、図22に示す変形例は、図1に示す基本的な実施形態に係る力検出装置の側面板140に、上方に開いたU字状のスリットSを形成し、このスリットSで囲まれた部分140Aを変位板として用いるようにした例である。図示のとおり、U字状のスリットSによって、側面板140は、スリットSで囲まれた部分140Aと、スリットSの外側の脇板140Bとに別れることになる。そこで、このスリットSで囲まれた部分140Aを変位板として用いるようにすればよい。実際には、外側箱状構造体100は、第1の側面板141〜第4の側面板144を有しているので、これら4枚の側面板にそれぞれ上方に開いたU字状のスリットS1〜S4を形成するようにし、第1の変位板141A〜第4の変位板144Aと、脇板141B〜144Bとを形成する。
【0114】
このように、各側面板にスリットSが形成された外側箱状構造体100に対して、X軸方向の力Fxが作用すると、図23に示すように、外側箱状構造体100の全体的なフレーム構造は、平行四辺形に変形することになる。しかしながら、このフレーム構造を構成する部分は、脇板141B,142BといったスリットSの外側の部分となるので、スリットSの内側部分となる変位板141A,142Aは、変位天板130とともに、X軸正方向へ平行移動する。図23を図8(b) と比べれば、このスリットSの形成により、変位板141A,142Aの変位を増大させる効果が理解できよう。
【0115】
図24は、外側箱状構造体100を構成する4枚の側面板141〜144にそれぞれスリットS1〜S4を形成し、第1の変位板141A〜第4の変位板144Aと、脇板141B〜144Bとを形成した状態を示す上面図(受力体110および連結体120の図示は省略されている)である。ここで、互いに隣接する2つの側面板が交差するZ軸に平行な辺を支柱と考えれば、図示のとおり、変位天板130の4隅の位置に存在する脇板141B〜144Bによって、合計4本の支柱L1〜L4が形成されていることになる。そして、この4本の支柱L1〜L4によって、変位天板130を支持する構造になっており、この4本の支柱L1〜L4の弾性変形により、外側箱状構造体100が変形することになる。
【0116】
別言すれば、図22および図24に示す外側箱状構造体100は、外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成された4本の支柱L1〜L4を、基板200上に垂直に立てた状態で接合し、これら4本の支柱L1〜L4の上端に、変位天板として機能する上面板130の4隅を接合した構造なっている。しかも、互いに隣接する一対の支柱の間には、それぞれ変位板141A〜144Aが配置されており、これら変位板141A〜144Aの上辺は、上面板130の各一辺に接合されている。結局、各変位板141A〜144Aは、その上辺が上面板130の一辺に接合されることにより、基板200上に支持されていることになる。
【0117】
このようなスリットSを有する構造体を用いれば、受力体110に対して、X軸方向の力FxやY軸方向の力Fyが作用した際に、変位天板130側に形成された変位電極F1〜F5について生じる変位を、変位電極F6〜F9について生じる変位に比べて非常に小さくすることができるようになる。すなわち、前述した第1の条件が満足されることになる。
【0118】
図25に上面図を示す変形例は、図24に示す変形例に、更に改良を加えたものである(受力体110および連結体120の図示は省略されている)。図24に示す変形例との相違点は、上面板130にも、4つの「C」字状のスリットSS1〜SS4を形成した点である。この4つの「C」字状のスリットSS1〜SS4は、いずれも「C」字の開口部が中央を向く形で形成されている。図25はやや繁雑であるため、この上面板130のみを抽出した平面図を図26に示す。この図でグレーで塗られた部分が、スリットSS1〜SS4によって分割された各部である。
【0119】
すなわち、上面板130は、図示のとおり、中央に位置する変位天板131〜135と、その周囲に位置する周囲部136〜139と、これらを相互に接続する可撓性をもった4本のビームB1〜B4と、に分割されることになる。中央に位置する変位天板131〜135は、全体として、扇風機の羽根状をしており、この上面板130にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に位置する第1の翼状部131と、X軸の負の部分の投影像上に位置する第2の翼状部132と、Y軸の正の部分の投影像上に位置する第3の翼状部133と、Y軸の負の部分の投影像上に位置する第4の翼状部134と、原点Oの投影像上に位置し各翼状部131〜134の内側部分に接続している中心部135と、によって構成されている。要するに、変位天板は、上面板130の一部(すなわち、翼状部131〜134および中心部135の部分)から構成されることになる。
【0120】
また、互いに隣接する2つの翼状部の間にそれぞれ1本ずつのビームを配置することにより、中心部135は4本のビームB1〜B4により支持される構造になっている。すなわち、4本のビームB1〜B4の内側端は中心部135に接続され、外側端は周囲部136〜139に接続されている。したがって、中心部135に作用したXY平面に沿った方向の力は、4本のビームB1〜B4により、周囲部136〜139へと伝達され、更に変位板141A〜144Aへと伝達される。なお、中心部135の上面の作用点Qには、連結体120が接続されており、受力体110に作用した外力が伝達されることになる。一方、4本のビームB1〜B4の外側端が接続されている作用点Q1〜Q4は、それぞれ支柱L1〜L4によって支えられている。結局、4本のビームB1〜B4の撓みにより、扇風機の羽根状をした変位天板全体が周囲部136〜139に対して変位することになる。しかも、周囲部136〜139は、作用点Q1〜Q4の位置において、支柱L1〜L4を介して基板200に接続されている。
【0121】
上面板130をこのような構造にすれば、受力体110に対して、Z軸方向の力Fz、X軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMyが作用した際に、扇風機の羽根状の変位天板131〜135について大きな変位を生じさせることが可能になる。特に、翼状部131〜134の外周部分は、スリットSS1〜SS4によって、周囲部136〜139と隔てられた自由端となっているため、比較的大きな変位を生じることができる。しかも、この翼状部131〜134の変位は、周囲部136〜139に直接伝達されることはない。連結体120から作用点Qへ伝達された力Fz,Mx,Myは、翼状部131〜134には直接伝わることになるので、力Fz,Mx,Myに基づいて、翼状部131〜134には効果的に変位が生じることになり、前述した原理に基づいて、これらの力の検出が効果的に行われる。一方、これらの力Fz,Mx,Myは、4本のビームB1〜B4を介してのみ周囲部136〜139へと伝えられるので、周囲部136〜139に接続されている変位板141〜144までは、ほとんど伝わらないことになる。結局、前述した第2の条件、すなわち、受力体110に対して、力Fz、Mx、Myが作用した際には、変位天板側に形成された変位電極F1〜F5については変位が生じるものの、変位板141〜144側に形成された変位電極F6〜F9について生じる変位は非常に小さくなる、という条件が満足される。
【0122】
図27は、図25に示す変形例に更に改良を加えた変形例を示す上面図である(受力体110および連結体120の図示は省略されている)。この変形例は、§3で述べたZ軸まわりのモーメントMzを検出する機能をもった力検出装置の検出感度を向上させるメリットがある。図13に示したように、Z軸まわりのモーメントMzを検出する際には、外側箱状構造体100全体が、Z軸を中心として捩れるような変形を生じる必要がある。図25に示す例のように、4本のビームB1〜B4により中心部135を支持する構造を採ると、この4本のビームB1〜B4が可撓性を有するようになるため、図13に示すようなスリットなしの構造に比べれば、Z軸を中心として捩れるような変形がはるかに生じやすくなっている。この図27に示す変形例では、このZ軸を中心とした捩れ変形を更に生じやすくするため、4本のビームの構造に工夫を凝らしている。
【0123】
すなわち、支柱L1〜L4と中心部135との間を接続する4本のビームは、図示のとおり、それぞれ外側に配置された水平ビームB11,B21,B31,B41と、中間に配置された中間ジョイントB12,B22,B32,B42と、内側に配置された垂直ビームB13,B23,B33,B43と、によって構成されている。図27の左下に示されている第3のビームの拡大斜視図を図28に示す。図示のとおり、水平ビームB31は、主面が水平方向を向いたビームであり、垂直方向への撓みが生じやすい性質を有している。一方、垂直ビームB33は、主面が垂直方向を向いたビームであり、水平方向への撓みが生じやすい性質を有している。中間ジョイントB32は、これら2種類のビームを中間で接続する部材である。このようなビームを用いることにより、垂直方向への撓みと水平方向への撓みとの双方が生じやすい構造を実現することができ、Z軸を中心とした捩れ変形を生じやすくすることができ、Z軸まわりのモーメントMzを効果的に検出することができるようになる。
【0124】
また、この図27に示す変形例は、図25に示す例と比べて、変位天板の形状も異なっている。すなわち、図25に示す例では、二等辺三角形をした4枚の翼状部131〜134と中央に位置する円形状の中心部135とによって、扇風機の羽根状の変位天板が設けられていた。これに対して、この図27に示す変形例では、円形状の中心部135に変わりはないが、4枚の翼状部131A〜134Aが、図示のような形に変更されている。この形状は、図21に示す変位電極FF1′〜FF5′に対応するものである。すなわち、この図27に示す変形例では、上面板130全体が金属などの導電性材料で構成されており、図示の形状をした変位天板自身が、1枚の共通変位電極として機能することになる。なお、図27では、図が繁雑になるのを避けるため、内側箱状構造体300の図示は省略してあるが、実際には、固定天板330の上面の図21に示すようなオフセットを生じた位置に、固定電極EE1′〜EE5′が配置されている。
【0125】
<<< §6. 制御部材を用いる実施形態 >>>
図29は、図19に示す実施形態に係る力検出装置に、制御部材400を付加した変形例の構造を示す側断面図である。上述したように、図19の実施形態に係る力検出装置では、受力体110に作用した外力を外側箱状構造体100へと伝達させ、外側箱状構造体100に生じた変形態様を認識することにより、作用した外力の検出が行われることになる。そのために、外側箱状構造体100は、ある程度の可撓性を有しており、外力の作用により弾性変形を生じる構造となっている。しかしながら、受力体110に過度の外力が作用すると、外側箱状構造体100に対して、弾性変形の領域を越えた力が加えられることになり、外力がなくなった後も、元の形状に復帰しなくなってしまったり、構造部に亀裂が発生したりするなど、機械的な損傷を被る可能性がある。
【0126】
この図29に示す変形例は、このように、外側箱状構造体100に過度の力が伝達されることにより、機械的な損傷が生じるのを防ぐために、受力体110の基板200に対する変位を所定の範囲内に制限するための制御部材400を設けた例である。この例では、図示のとおり、基板200の外周部分から立ち上がるような制御部材400を設けている。この制御部材400には、図示のとおり、制御面411,412,413が形成されており、受力体110Aが所定範囲を越えて変位しようとしたときに、この受力体110Aに、制御面411,412,413が接触することにより、そのような過度の変位を妨げることができるようにしてある。この図29に示す変形例における受力体110Aは、図19に示す受力体110よりも直径が大きな円盤からなり、その外周部分が、制御面411,412,413に対する対向面となっている。
【0127】
たとえば、この受力体110Aの下方(−Z軸方向)への変位は、制御面411によって、図示の寸法d1以内となるように制御されている。もし、受力体110Aに対して、下方への大きな力が作用したとしても、受力体110Aの下方への変位が寸法d1に達した段階で、受力体110Aの底面が制御面411に接触することになり、それ以上の変位が生じないように制御される。
【0128】
また、受力体110Aの上方(+Z軸方向)への変位は、制御面412によって、図示の寸法d2以内となるように制御されている。もし、受力体110Aに対して、上方への大きな力が作用したとしても、受力体110Aの上方への変位が寸法d2に達した段階で、受力体110Aの上面が制御面412に接触することになり、それ以上の変位が生じないように制御される。
【0129】
更に、受力体110Aの横方向(±X軸方向および±Y軸方向)への変位は、制御面413によって、図示の寸法d3以内となるように制限されている。もし、受力体110Aに対して、横方向への大きな力が作用したとしても、受力体110Aの横方向への変位が寸法d3に達した段階で、受力体110Aの側面が制御面413に接触することになり、それ以上の変位が生じないように制御される。
【0130】
なお、この図29に示す力検出装置には、受力体110Aがいずれかの制御面411,412,413に接触するような異常事態が生じた場合には、当該異常事態を電気的に検知することが可能な機能を備わっている。すなわち、この力検出装置では、受力体110A、連結体120、変位天板130、変位板140、台座150が、金属などの導電性材料からなる一体構造体によって構成されており、また、制御部材400も金属などの導電性材料によって構成されている。そして、台座150と制御部材400との間には、絶縁層420が挿入されており、図示の状態では、台座150と制御部材400とは、電気的に絶縁状態となるように構成されている。また、台座150に対しては、端子T1への配線がなされており、制御部材400に対しては、端子T2への配線がなされている。
【0131】
ここで、両端子T1,T2間の電気的な導通状態を検知する回路を設けておけば、当該回路は、受力体110Aと制御部材400との接触状態を電気的な導通状態に基づいて検知する接触検知回路として機能する。すなわち、受力体110Aと制御部材400とが、いずれかの制御面411,412,413で接触すれば、この接触部分を介して、両端子T1,T2間が電気的な導通状態となるので、当該接触を電気的に検出することが可能になる。
【0132】
このような機能を利用すれば、この力検出装置に対して、所定の許容範囲を越える外力が加えられたときに、その事実を電気的に検知して何らかの警報を発したり、そのような事実の発生を記録したり、適切な処置を講じることができるようになる。
【0133】
図30は、上述した図29に示す力検出装置における制御面411に関する工夫を示す図であり、制御部材400側の制御面411の構造例を示す拡大断面が示されている。図30(a) に示すとおり、制御部材400の制御面411の近傍に空洞部Vが形成されており、この空洞部Vが形成された表層部分によって、可撓性をもった肉薄部430が形成されている。しかも、この肉薄部430の表面には、導電性の接触突起431が設けられている。
【0134】
図30(a) は、このような構造をもった制御面411と、受力体110A側の対向面とが、所定間隔d1を維持している状態を示している。ここで、受力体110Aに対して、Z軸負方向(図の下方向)に向けた外力−Fzが作用した場合を考えると、図30(b) に示すように、受力体110Aは下方に移動し、その下面が接触突起431に接触することになる。この図30(b) に示す状態になると、上述したように、両者が接触したことを電気的に検知することができるので、警報を発するなどの処置を講じることができる。そして、外力−Fzが更に大きくなると、図30(c) に示すように、肉薄部430に撓みが生じ、接触突起431は空洞部Vへ向けて潜り込むようになる。その結果、受力体110Aの下面(制御面411に対する対向面)は、制御面411に完全に接触した状態になる。
【0135】
このような構成によるメリットは、受力体110Aが制御面411に接触する直前の段階(すなわち、図30(b) に示すように、接触突起431が受力体110Aに接触した段階)において、電気的な接触検知が可能になり、警報を発するなどの処置をとることができる点である。別言すれば、図30(c) に示す状態まで至ってしまうと、実際に受力体110Aが制御面411に衝突してしまうため、この時点で警報を発するなどの処置を講じても、もはや手遅れであるが、図30(b) の段階で警報を発するなどの処置を講じることができれば、図30(c) の状態に至るのを防ぐことができる可能性がある。しかも、図30(c) の状態に至ってしまったとしても、接触突起431は、空洞部Vへ向けて潜り込んだ状態となって保護されているため、破損することはない。
【0136】
なお、この図30に示す例では、空洞部V、肉薄部430、接触突起431を、制御部材400側の制御面411の近傍に形成しているが、逆に、受力体110A側の対向面の近傍に形成するようにしてもかまわない。
【0137】
図31は、制御面411に関する別な工夫を示す拡大断面図である。この例では、図31(a) に示すように、制御面411に、先端部分が可塑変形を生じる導電性の錐状突起441が形成されている。もっとも、先端部分に可塑変形を生じさせるために、わざわざ錐状突起441の材質を、制御部材400の材質と異ならせる必要はない。たとえば、制御部材400として、アルミニウムなどの一般的な金属を使用し、錐状突起441も、同じ金属材料から構成するようにすれば、鋭利な先端部分は、ある程度の可塑変形を生じることになる。
【0138】
図31(a) は、このような構造をもった制御面411と、受力体110A側の対向面とが、所定間隔d1を維持している状態を示している。ここで、受力体110Aに対して、Z軸負方向(図の下方向)に向けた外力−Fzを作用させると、図31(b) に示すように、受力体110Aは下方に移動し、その下面が錐状突起441の先端部分に接触することになる。その結果、錐状突起441の先端部分は、図示のように押し潰され、錐状突起441は、先端が潰れた錐状突起441Aへと変形する。この変形は可塑変形であるため、図31(c) に示すように、外力−Fzが取り除かれ、受力体110Aと制御面411との間隔がもとの間隔d1に復帰した後も、錐状突起441Aの先端は潰れた状態のままになる。
【0139】
このような現象を踏まえると、図31(a) に示すように、錐状突起441が設けられた制御面411は、正確な警報機能を実現する上で役立つことがわかる。これを具体例を挙げて説明しよう。たとえば、いま、受力体110Aに対して、1kg以上の荷重が加わった場合には、何らかの異常警報を発することができる力検出装置を利用したい、という要望があったとする。このような要望に応じた力検出装置を製造するには、受力体110Aと制御面411との間の寸法を正確に制御する必要がある。しかしながら、実際の量産プロセスを考えると、図示の寸法d1が小さくなればなるほど、正確な寸法制御は困難になり、ロットごとに寸法値にばらつきが生じてしまう。したがって、あるロットについては、0.9kgの荷重が加わった時点で警報が出てしまうが、別なロットについては、1.1kgの荷重が加わるまでは警報が出なかった、というようなケースが生じることになり、正確に1kgの荷重が加わった場合に警報を発することができる要望どおりの力検出装置を量産することは困難である。
【0140】
ところが、図31(a) に示すような制御面411(錐状突起441が形成された制御面)を有する力検出装置を利用すれば、個々のロットごとの寸法精度が正確ではなくても、要望どおり、正確に1kgの荷重が加わった場合に警報を発することができる装置を量産することが可能である。すなわち、図31(a) に示す構造をもった装置を量産したら、次に、これらの装置の受力体110Aに、それぞれ正確に1kgの荷重を加える処理を行えばよい。この処理により、各ロットの錐状突起441は、図31(b) に示すように、先端が潰れた錐状突起441Aに変形することになり、その変形状態は、この1kgの荷重を取り除いた後も、図31(c) に示すように、可塑変形として維持されたままになる。このとき、もともとのロットの寸法精度が正確でなければ、この可塑変形の態様は、ロットごとに様々なものになる。しかしながら、いずれのロットも、受力体110Aに再び1kgの荷重を加えると、図31(b) の状態になり、錐状突起441Aの潰れた先端が、受力体110Aの対向面に接触し、警報を発することができる、という点では共通した性質を有しており、いずれも要望どおりの仕様を満たすロットということになる。
【0141】
もちろん、このようなロットを使用中に、たとえば、1.2kgの荷重が加えられてしまえば、錐状突起441Aは更に変形してしまうため、もはや要望どおりの仕様を満たすロットにはならないが、少なくとも、1.2kgの荷重が加えられた時点で、必ず警報が発せられることになるので、その時点で故障したロットとして取り扱うことができる。なお、錐状突起441は、必ずしも制御部材400側の制御面411上に設ける必要はなく、受力体110A側の対向面(制御面411に対する対向面)に設けるようにしてもかまわない。
【0142】
なお、錐状突起441Aが形成された制御面411の下方に空洞部Vを形成し、表層部分に可撓性をもった肉薄部を形成しておけば(ちょうど、図30(a)における接触突起431の代わりに錐状突起441Aを形成した構造)、大きな荷重が加えられた場合に、錐状突起441Aが空洞部V内に潜り込むことになるので、錐状突起441Aの潰れた先端部の状態を維持することができる。この場合、図31(a) に示す段階から錐状突起441の下方に空洞部Vを形成しておく必要があるので、図31(b) に示す段階、すなわち、特定の荷重をかけて錐状突起441の先端を潰して錐状突起441Aにする段階では、空洞部V内に一時的に何らかの詰め物をしておくようにして、力が空洞部Vへ逃げないようにすればよい。
【0143】
<<< §7. その他の変形例 >>>
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。
【0144】
たとえば、上述の実施形態では、X軸距離センサ、Y軸距離センサ、Z軸距離センサ、傾斜度センサとして、いずれも静電容量式の力センサを用いているが、本発明に係る力検出装置を実現する上で、これらの各センサは、必ずしも静電容量式の力センサにする必要はなく、たとえば、ピエゾ抵抗式力センサ、圧電素子を用いた力センサなどを用いてもかまわない。ただ、構造を単純化する上では、上述の実施形態のように、静電容量式の力センサを用いるのが最も好ましい。
【0145】
また、最終的な力やモーメントの検出値を求める機能を果たす検出処理部250も、実際には種々の構成で実現できる。たとえば、個々の容量素子の静電容量値をアナログ電圧値として測定し、この測定値をデジタル信号に変換した後、CPUなどの演算装置を用いて、図12や図18の式に示す演算を実行する、という手法を採ることもできるし、個々の容量素子の静電容量値の測定値をアナログ電圧値のまま取り扱い、アナログ信号として最終的な検出値を出力する、という手法を採ることも可能である。後者の手法を採る場合は、各容量素子の電極を、必要に応じて、アナログ加算器やアナログ減算器からなるアナログ演算回路に接続するようにすればよい。
【0146】
それから、図24に示す実施形態では、4本の支柱L1〜L4により、上面板130を支持する構造を示したが、上面板130をXY平面に沿ってスムーズに変位させることを考慮すると、この4本の支柱L1〜L4は、可撓性をもった円柱状の支柱によって構成するのがより好ましい。また、内側箱状構造体300の内部は中空にする必要はなく、何らかの材料が充填されていてもかまわない。
【0147】
最後に、図29に示した制御部材400の変形例を示しておく。図32は、この変形例に係る制御部材400および円盤状の受力体110Aの上面図である。この例では、図示のとおり、制御面413の各座標軸上の位置に溝部415が形成されており、受力体110Aの同位置に突起部111が形成されている。突起部111と溝部415との間には、ある程度の空隙が設けられているが、受力体110Aに対して、過度のZ軸まわりのモーメントMzが作用すると、突起部111が溝部415に接触し、それ以上の回転が制御される。結局、この図32に示す変形例は、図29に示す例の機能に加えて、更に、Z軸まわりのモーメントMzに起因する変位を制御する機能を有している。
【0148】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る力検出装置によれば、できるたけ単純な構造により、力とモーメントとを区別して検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的実施形態に係る力検出装置の側面図であり(検出処理部250については、ブロックで示されている)、Z軸が中心位置を通っている。
【図2】図1に示す力検出装置をXZ平面で切断した側断面図である。
【図3】図2に示す力検出装置の上面図である。
【図4】図2に示す力検出装置を切断線4−4で切った横断面図である。
【図5】図2に示す力検出装置を切断線5−5で切った横断面図である。
【図6】図2に示す力検出装置を切断線6−6で切った縦断面図である。
【図7】図2に示す力検出装置から外側箱状構造体100を取り外して示した外側箱状構造体100自身の下面図である。
【図8】図2に示す力検出装置におけるX軸方向の力Fxの検出原理を示す模式図である。
【図9】図2に示す力検出装置におけるZ軸方向の力Fzの検出原理を示す模式図である。
【図10】図2に示す力検出装置におけるY軸まわりのモーメントMyの検出原理を示す模式図である。
【図11】図2に示す力検出装置における種々の力およびモーメント成分の検出原理を示す表である。
【図12】図11に示す表に基づいて、各力およびモーメント成分の検出を行うための演算式を示す図である。
【図13】図2に示す力検出装置に、Z軸まわりの正のモーメント+Mzが作用したときの状態を示す上面図である。
【図14】図2に示す力検出装置におけるZ軸まわりのモーメントMzの検出原理を示す上面投影図である(ハッチングは、容量素子を構成する電極対の有効面積部分を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図15】図2に示す力検出装置においてZ軸まわりのモーメントMzの向きと大きさとの双方を検出する変形例の電極構成を示す上面投影図である。
【図16】図15に示す電極構成を有する力検出装置において、Z軸まわりのモーメントMzの検出原理を示す上面投影図である(ハッチングは、容量素子を構成する電極対の有効面積部分を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
【図17】図15に示す電極構成を有する力検出装置における種々の力およびモーメント成分の検出原理を示す表である。
【図18】図17に示す表に基づいて、各力およびモーメント成分の検出を行うための演算式を示す図である。
【図19】電極構成を単純化した実施形態に係る力検出装置の側断面図である。
【図20】電極構成を単純化した別な実施形態に係る力検出装置の側断面図である。
【図21】Z軸まわりのモーメントMzの検出に適した電極構成の一例を示す平面図である。
【図22】本発明の実用的な実施形態に係る力検出装置の側面図である。
【図23】図22に示す力検出装置におけるX軸方向の力Fxの検出原理を示す模式図である。
【図24】図22に示す力検出装置の上面図である(受力体110および連結体120の図示は省略されている)。
【図25】図22に示す力検出装置の変形例の上面図である(受力体110および連結体120の図示は省略されている)。
【図26】図25に示す変形例の上面板130の構造を示す図である。
【図27】図25に示す変形例に更に変形を加えた変形例を示す上面図である(受力体110および連結体120の図示は省略されている)。
【図28】図27に示す変形例に用いられているビームの拡大斜視図である。
【図29】図19に示す実施形態に変位を制御するための制御部材を付加した変形例を示す側断面図である。
【図30】図29に示す変形例における制御部材の構造例およびその動作を示す拡大断面図である。
【図31】図29に示す変形例における制御部材の別な構造例およびその動作を示す拡大断面図である。
【図32】図29に示す制御部材400の変形例を示す上面図である。
【符号の説明】
100…外側箱状構造体
110,110A…受力体
111…突起部
120…連結体
130…変位天板(上面板)
131,131A…第1の翼状部
132,132A…第2の翼状部
133,133A…第3の翼状部
134,134A…第4の翼状部
135…中心部
136〜139…周囲部
140…変位板
140A…変位板
140B…脇板
141…第1の変位板(側面板)
141A…第1の変位板
141B…脇板
142…第2の変位板(側面板)
142A…第2の変位板
142B…脇板
143…第3の変位板(側面板)
143A…第3の変位板
143B…脇板
144…第4の変位板(側面板)
144A…第4の変位板
144B…脇板
150…台座
160…絶縁層
200…基板
250…検出処理部
300…内側箱状構造体
330…固定天板(上面板)
341…第1の固定板(側面板)
342…第2の固定板(側面板)
343…第3の固定板(側面板)
344…第4の固定板(側面板)
400…制御部材
411,412,413…制御面
415…溝部
420…絶縁層
430…肉薄部
431…接触突起
441…錐状突起
441A…先端が潰れた錐状突起
B1〜B4…ビーム
B11,B21,B31,B41…水平ビーム
B12,B22,B32,B42…中間ジョイント
B13,B23,B33,B43…垂直ビーム
C1…第1の容量素子(E1およびF1)
C2…第2の容量素子(E2およびF2)
C3…第3の容量素子(E3およびF3)
C4…第4の容量素子(E4およびF4)
C5…第5の容量素子(E5およびF5)
C6…第6の容量素子(E6およびF6)
C7…第7の容量素子(E7およびF7)
C8…第8の容量素子(E8およびF8)
C9…第9の容量素子(E9およびF9)
d1〜d3…寸法値
E1…第1の固定電極
E2…第2の固定電極
E3…第3の固定電極
E4…第4の固定電極
E5…第5の固定電極
E6…第6の固定電極
E7…第7の固定電極
E8…第8の固定電極
E9…第9の固定電極
EE1,EE1′…第1の固定電極
EE2,EE2′…第2の固定電極
EE3,EE3′…第3の固定電極
EE4,EE4′…第4の固定電極
EE5′…第5の固定電極
F1…第1の変位電極
F2…第2の変位電極
F3…第3の変位電極
F4…第4の変位電極
F5…第5の変位電極
F6…第6の変位電極
F7…第7の変位電極
F8…第8の変位電極
F9…第9の変位電極
FF1,FF1′…第1の変位電極
FF2,FF2′…第2の変位電極
FF3,FF3′…第3の変位電極
FF4,FF4′…第4の変位電極
FF5′…第5の変位電極
Fx…X軸方向の力
Fy…Y軸方向の力
Fz…Z軸方向の力
L1〜L4…支柱
Mx…X軸まわりのモーメント
My…Y軸まわりのモーメント
Mz…Z軸まわりのモーメント
P1〜P4…作用点
Q,Q1〜Q4…作用点
S,S1〜S4,SS1〜SS4…スリット
T1,T2…端子
V…空洞部
W1,W2…参照軸
X,Y,Z…座標軸
δ0,δ1,δ2…オフセット角度
θ…傾斜角

Claims (24)

  1. XYZ三次元座標系においてXY平面に平行な上面を有する基板と、
    X軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、前記基板上に変位可能となるように支持された第1の変位板と、
    X軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、前記基板上に変位可能となるように支持された第2の変位板と、
    Z軸と前記第1の変位板との間に配置され、前記基板上に固定された第1の固定板と、
    Z軸と前記第2の変位板との間に配置され、前記基板上に固定された第2の固定板と、
    前記第1の固定板の上辺付近と前記第2の固定板の上辺付近との間に架かる平面に沿うように配置され、前記基板上に固定された固定天板と、
    前記固定天板の上方に配置され、前記基板に対して変位可能となるように支持され、前記第1の変位板の上辺および前記第2の変位板の上辺に対して、XY平面に沿った方向の力を伝達する変位天板と、
    検出対象となる力を受けるために、前記変位天板の上方のZ軸上に配置された受力体と、
    前記受力体と前記変位天板とを接続するようにZ軸に沿って配置された連結体と、
    前記第1の変位板と前記第1の固定板との距離を検出する第1のX軸距離センサと、
    前記第2の変位板と前記第2の固定板との距離を検出する第2のX軸距離センサと、
    前記変位天板の前記固定天板に対する傾斜度を検出する傾斜度センサと、
    前記変位天板の前記固定天板に対するZ軸まわりの回転角を検出する回転角センサと、
    前記第1のX軸距離センサの検出値と前記第2のX軸距離センサの検出値との差に基づいて、前記受力体に作用したX軸方向の力Fxを検出し、前記傾斜度センサのX軸方向に関する傾斜度の検出値に基づいて、前記受力体に作用したY軸まわりのモーメントMyを検出し、前記回転角センサの検出値に基づいて、前記受力体に作用したZ軸まわりのモーメントMzを検出する検出処理部と、
    を備えることを特徴とする力検出装置。
  2. 請求項1に記載の力検出装置において、
    Y軸の正の部分と交差する平面に沿うように配置され、前記基板上に変位可能となるように支持された第3の変位板と、
    Y軸の負の部分と交差する平面に沿うように配置され、前記基板上に変位可能となるように支持された第4の変位板と、
    Z軸と前記第3の変位板との間に配置され、前記基板上に固定された第3の固定板と、
    Z軸と前記第4の変位板との間に配置され、前記基板上に固定された第4の固定板と、
    前記第3の変位板と前記第3の固定板との距離を検出する第1のY軸距離センサと、
    前記第4の変位板と前記第4の固定板との距離を検出する第2のY軸距離センサと、
    を更に備え、
    検出処理部が、前記第1のY軸距離センサの検出値と前記第2のY軸距離センサの検出値との差に基づいて、受力体に作用したY軸方向の力Fyを検出し、前記傾斜度センサのY軸方向に関する傾斜度の検出値に基づいて、前記受力体に作用したX軸まわりのモーメントMxを検出することを特徴とする力検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の力検出装置において、
    変位天板と固定天板との距離を検出するZ軸距離センサを更に設け、
    検出処理部が、前記Z軸距離センサの検出値に基づいて、受力体に作用したZ軸方向の力Fzを検出することを特徴とする力検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の力検出装置において、
    固定板の変位板に対する対向面に固定電極を形成し、変位板の固定板に対する対向面に変位電極を形成し、互いに対向する固定電極と変位電極とからなる容量素子によって、前記固定板と前記変位板との距離を検出する距離センサを構成し、前記容量素子の静電容量値に基づいて距離の検出ができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  5. 請求項1に記載の力検出装置において、
    固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、
    変位天板の下面における、前記第1の固定電極に対向する位置に第1の変位電極を形成し、前記第2の固定電極に対向する位置に第2の変位電極を形成し、
    前記第1の固定電極と前記第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、前記第2の固定電極と前記第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、これら2組の容量素子を傾斜度センサとして用い、前記第1の容量素子の静電容量値と前記第2の容量素子の静電容量値との差に基づいてX軸方向に関する傾斜度を検出するようにしたことを特徴とする力検出装置。
  6. 請求項2に記載の力検出装置において、
    固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極を形成し、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極を形成し、
    変位天板の下面における、前記第1の固定電極に対向する位置に第1の変位電極を形成し、前記第2の固定電極に対向する位置に第2の変位電極を形成し、前記第3の固定電極に対向する位置に第3の変位電極を形成し、前記第4の固定電極に対向する位置に第4の変位電極を形成し、
    前記第1の固定電極と前記第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、前記第2の固定電極と前記第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、前記第3の固定電極と前記第3の変位電極とによって第3の容量素子を構成し、前記第4の固定電極と前記第4の変位電極とによって第4の容量素子を構成し、これら4組の容量素子を傾斜度センサとして用い、前記第1の容量素子の静電容量値と前記第2の容量素子の静電容量値との差に基づいてX軸方向に関する傾斜度を検出し、前記第3の容量素子の静電容量値と前記第4の容量素子の静電容量値との差に基づいてY軸方向に関する傾斜度を検出するようにしたことを特徴とする力検出装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の力検出装置において、
    一対の容量素子を構成する固定電極と変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも広く設定し、変位電極が面方向へ所定範囲内の変位を生じた場合にも、静電容量値が変化しないようにしたことを特徴とする力検出装置。
  8. 請求項7に記載の力検出装置において、
    固定板/固定天板もしくは変位板/変位天板を導電性材料によって構成し、固定板/固定天板自身もしくは変位板/変位天板自身を固定電極もしくは変位電極として用いたことを特徴とする力検出装置。
  9. 請求項7に記載の力検出装置において、
    導電性材料からなる変位天板と複数の変位板とを互いに接続することにより箱状構造体を形成し、この箱状構造体を単一の共通変位電極として用いることを特徴とする力検出装置。
  10. 請求項1に記載の力検出装置において、
    固定天板の上面に固定電極を形成し、変位天板の下面に変位電極を形成し、互いに対向する固定電極と変位電極とからなる容量素子によって、前記変位天板の前記固定天板に対するZ軸まわりの回転角を検出する回転角センサを構成し、前記容量素子の静電容量値に基づいて回転角の検出ができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  11. 請求項10に記載の力検出装置において、
    変位電極を、固定電極に対向する位置に対して所定の回転方向にオフセットした位置に配置し、容量素子の静電容量値の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  12. 請求項11に記載の力検出装置において、
    固定天板の上面にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に第1の固定電極を形成し、X軸の負の部分の投影像上に第2の固定電極を形成し、Y軸の正の部分の投影像上に第3の固定電極を形成し、Y軸の負の部分の投影像上に第4の固定電極を形成し、
    変位天板の下面における、前記第1の固定電極に対向する位置に対して所定の回転方向にオフセットした位置に第1の変位電極を形成し、前記第2の固定電極に対向する位置に対して前記回転方向にオフセットした位置に第2の変位電極を形成し、前記第3の固定電極に対向する位置に対して前記回転方向にオフセットした位置に第3の変位電極を形成し、前記第4の固定電極に対向する位置に対して前記回転方向にオフセットした位置に第4の変位電極を形成し、
    前記第1の固定電極と前記第1の変位電極とによって第1の容量素子を構成し、前記第2の固定電極と前記第2の変位電極とによって第2の容量素子を構成し、前記第3の固定電極と前記第3の変位電極とによって第3の容量素子を構成し、前記第4の固定電極と前記第4の変位電極とによって第4の容量素子を構成し、これら4組の容量素子の静電容量値の和の増減に基づいて、回転角とともに回転方向の検出ができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の力検出装置において、
    底面が開口部となった直方体をなし、外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成される外側箱状構造体を、前記底面が基板上に載置されるように接合し、前記外側箱状構造体の側面板もしくはその一部を変位板として用い、前記外側箱状構造体の上面板もしくはその一部を変位天板として用いるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  14. 請求項13に記載の力検出装置において、
    外側箱状構造体の側面板に、上方に開いたU字状のスリットを形成し、このスリットで囲まれた部分を変位板として用いるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  15. 請求項14に記載の力検出装置において、
    外側箱状構造体の4つの側面板に、それぞれ上方に開いたU字状のスリットを形成し、互いに隣接する2つの側面板が交差する辺を支柱として、合計4本の支柱により前記外側箱状構造体の上面板を支持する構造とし、この4本の支柱部分の弾性変形により、前記外側箱状構造体が変形するようにしたことを特徴とする力検出装置。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の力検出装置において、
    外側箱状構造体より小さな直方体をなす内側箱状構造体を、前記外側箱状構造体に収容した状態で基板上に接合し、この内側箱状構造体の側面板および上面板を固定板および固定天板として用いるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の力検出装置において、
    外力の作用により弾性変形を生じる材料から構成され、基板上に立てて接合された4本の支柱と、
    これら4本の支柱の上端に4隅が接合された上面板と、
    を設け、
    互いに隣接する一対の支柱の間に変位板を配置し、この変位板の上辺を前記上面板の一辺に接合して支持するようにし、前記上面板もしくはその一部を変位天板として用いるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  18. 請求項13〜17のいずれかに記載の力検出装置において、
    上面板にスリットを形成することにより、前記上面板を、中央に位置する変位天板と、その周囲に位置する周囲部と、前記変位天板と前記周囲部とを接続する可撓性をもったビームと、に分割し、前記ビームの撓みにより、前記変位天板が前記周囲部に対して変位するようにし、前記周囲部が外側箱状構造体の側面板もしくは支柱を介して基板に接続されるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  19. 請求項18に記載の力検出装置において、
    上面板にX軸およびY軸を投影したときに、X軸の正の部分の投影像上に位置する第1の翼状部と、X軸の負の部分の投影像上に位置する第2の翼状部と、Y軸の正の部分の投影像上に位置する第3の翼状部と、Y軸の負の部分の投影像上に位置する第4の翼状部と、原点Oの投影像上に位置し前記第1〜第4の翼状部の内側部分に接続している中心部と、によって、扇風機の羽根状をした変位天板を構成し、
    互いに隣接する2つの翼状部の間に1本のビームを配置することにより、前記中心部が4本のビームにより支持されるようにし、
    前記4本のビームの内側端は前記中心部に接続され、外側端は周囲部に接続され、前記中心部の上面には連結体が接続されていることを特徴とする力検出装置。
  20. 請求項19に記載の力検出装置において、
    個々のビームを、主面が水平方向を向いた水平ビームと、主面が垂直方向を向いた垂直ビームと、前記水平ビームと前記垂直ビームとを連結する中間ジョイントと、によって構成し、水平方向への撓みと垂直方向への撓みの双方が生じやすい構造としたことを特徴とする力検出装置。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の力検出装置において、
    受力体の基板に対する変位を所定範囲内に制限するために、前記受力体が前記所定範囲を越えて変位しようとしたときに、前記受力体に接触して変位を妨げる制御面を有する制御部材を設けたことを特徴とする力検出装置。
  22. 請求項21に記載の力検出装置において、
    受力体と制御部材との少なくとも接触に関与する部分を導電性材料により構成し、両者の接触状態を電気的な導通状態に基づいて検知する接触検知回路を更に設けたことを特徴とする力検出装置。
  23. 請求項22に記載の力検出装置において、
    制御部材の制御面の近傍もしくは受力体の前記制御面に対向する対向面の近傍に空洞部を形成し、この空洞部が形成された表層部分が可撓性をもった肉薄部を構成するようにし、この肉薄部の表面に導電性の接触突起を設け、前記対向面と前記制御面との接触が生じる前に、前記接触突起と前記対向面もしくは前記制御面とが接触することにより電気的な導通状態の検知が行われるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  24. 請求項22に記載の力検出装置において、
    制御部材の制御面もしくは受力体の前記制御面に対する対向面に、先端部分が可塑変形を生じる導電性の錐状突起を設けたことを特徴とする力検出装置。
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