JP4270699B2 - 廃棄物処理材料、廃棄物処理容器、廃棄物処理体、及び廃棄物処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性廃棄物などの処理技術に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
放射性廃棄物の中、放射性物質濃度の低い廃棄物、所謂、低レベルの放射性廃棄物は、現在では、セメントペーストと共に固化され、或いはドラム缶又はコンクリートでライニングされたドラム缶内にセメントモルタル等と共に充填・固化され、青森県六ケ所村の処分施設に搬入されて処分されている。
【0003】
上記低レベルの放射性廃棄物より放射性物質濃度の高い廃棄物、所謂、高βγ,TRU及び高レベルの放射性廃棄物については、地下にトンネル又はサイロを掘削して処分することが検討されている。
【0004】
尚、このようなレベルの高い放射性廃棄物の処分に際しても、低レベルの放射性廃棄物の場合と同様、ドラム缶などの廃棄物収納容器内に放射性廃棄物を固化材と共に充填・固化する遣り方が考慮されている。
【0005】
但し、この場合、レベルの高い放射性廃棄物であるから、低レベルの放射性廃棄物の場合に比べて、放射性廃棄物の廃棄物収納容器からの滲出に対する抑制が一層考慮されなければならない。
【0006】
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、廃棄物の処理に有効、特に廃棄物が外部に滲出し難い技術を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする第2の課題は、放射性廃棄物の処理に有効、特に放射性物質が外部に滲出し難い技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する為に鋭意研究を押し進めた結果、本発明者は、容器材料であるモルタル・コンクリートや固化材に、これまでのものよりも一層緻密で、強度に富む材料を用いれば良い結論に到達した。
【0009】
このような観点からの研究を更に進めて行った結果、本発明者は、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント100重量部と、シリカフューム又はシリカダスト5〜50重量部と、最大粒径が1.5mm以下の骨材50〜250重量部と、平均粒径が3〜20μmの石英粉20〜35重量部と、水10〜30重量部と、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤0.5〜4重量部(固形分換算)とを含む組成物からなるコンクリートの硬化体は、これまでのコンクリートに比べて緻密で、高強度・高耐久性であることから、このコンクリートを用いた廃棄物収納容器を用いれば、充填された放射性物質は外部に滲出し難く、又、このコンクリートで周囲が固化されておれば、内部に包み込まれた放射性物質は外部に滲出し難いことが判って来た。
【0010】
このような知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0011】
すなわち、前記の課題は、廃棄物の処理に用いられる材料であって、前記材料は、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント100重量部と、シリカフューム又はシリカダスト5〜50重量部と、最大粒径が1.5mm以下の骨材50〜250重量部と、平均粒径が3〜20μmの石英粉20〜35重量部と、水10〜30重量部と、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤0.5〜4重量部(固形分換算)とを含むことを特徴とする廃棄物処理材料によって解決される。
【0012】
又、廃棄物を収納する為の容器であって、
前記容器は、上記廃棄物処理材料を用いて構成されてなることを特徴とする廃棄物収納容器によって解決される。
【0013】
又、廃棄物を収納する為の容器であって、
前記容器は、金属製容器の内部が上記廃棄物処理材料でライニングされてなることを特徴とする廃棄物収納容器によって解決される。
【0014】
又、廃棄物処理体であって、
廃棄物が収納された容器内に、上記廃棄物処理材料が充填され、固化されてなることを特徴とする廃棄物処理体によって解決される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の廃棄物処理材料(特に、放射性廃棄物処理材料)は、放射性廃棄物などの廃棄物の処理に用いられる材料であって、前記材料は、セメント(特に、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント)100重量部と、ポゾラン質微粉末(特に、シリカフューム又はシリカダスト)5〜50重量部と、最大粒径が1.5mm以下の骨材50〜250重量部と、平均粒径が3〜20μmの石英粉20〜35重量部と、水10〜30重量部と、減水剤(特に、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤)0.5〜4重量部(固形分換算)とを含む。
本発明の廃棄物処理材料で用いられるセメントは、中庸熱ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメントである。
【0020】
コンクリートのより優れた流動性を求めるために、中庸熱ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメントが用いられる。
【0021】
本発明の廃棄物処理材料では、特に、ポゾラン質微粉末を用いる。これは、ポゾラン質微粉末を配合することによって、そのマイクロフィラー効果およびセメント分散効果により、コンクリートが緻密化し、放射性物質の滲出が低減し、かつ、圧縮強度が向上する。すなわち、ポゾラン質微粉末を配合することによって、本発明が解決しようとする課題が大きく解決される。
【0022】
尚、ポゾラン質微粉末の添加量が増えるにつれて上記効果が増すのであるが、多くなり過ぎると単位水量が増大することから、セメント100重量部に対してポゾラン質微粉末は50重量部以下が好ましい。又、セメント100重量部に対してポゾラン質微粉末は5重量部以上の場合、上記効果が著しい。
【0023】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフュームまたはシリカダストが用いられる。尚、シリカフュームやシリカダストは、一般的に、その平均粒径が1.0μm以下であるから、粉砕などをする必要が無いので、好ましいポゾラン質微粉末である。
【0026】
本発明の廃棄物処理材料では、最大粒径が1.5mm以下の骨材を用いる。最大粒径が1.5mm以下の骨材を配合することによって、コンクリートの作業性及び分離抵抗性、更には硬化後の強度やクラックに対する抵抗性が向上するからである。
【0027】
尚、上記骨材の添加量が増えるにつれて上記効果が増すのであるが、セメント100重量部に対して該骨材が250重量部を越えては大きな意味が無くなる。又、セメント100重量部に対して該骨材が50重量部未満の少な過ぎては上記効果が乏しい。従って、セメント100重量部に対して該骨材が50〜250重量部、特に80〜180重量部が好ましい割合である。
【0028】
本発明で用いられる骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕石、珪砂、及びこれらの混合物などである。最も好ましいのは珪砂である。
【0029】
本発明では、減水剤として、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤が用いられる。この種の減水剤の添加量は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、更にはコストの観点から、セメント100重量部に対して固形分換算で0.5〜4重量部の割合(セメントに対して外割り)となる量である。
【0030】
本発明で用いる水の量は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度や耐久性の観点から、水/セメント比が10〜30重量%となる量である。特に、15〜25重量%が好ましい。
【0031】
又、本発明の廃棄物処理材料では、平均粒径が3〜20μmの石英粉が用いられる。すなわち、平均粒径が3〜20μm、特に4〜10μmの石英粉を更に用いることによって、硬化体の充填密度が高まる。従って、放射性物質が外部に滲出し難くなる。そして、前記効果を十分に確保すると共に、コンクリートの流動性や硬化体の強度面から、石英粉の添加量は、セメント100重量部に対して、20〜35重量部の割合となる量である。石英粉としては、例えば非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末が用いられる。
【0032】
又、本発明において、硬化体の靭性を高める観点から、平均粒度が1mm以下(下限値は幾らでも良い。但し、理論上0は有り得ない。)の繊維状粒子及び/又は薄片状粒子を更に含む廃棄物処理材料を用いるのが好ましい。繊維状粒子の場合、長さ/直径で表される針状比が3以上のものが特に好ましい。
【0033】
尚、本発明で、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(繊維状粒子ではその長さ)のことである。
【0034】
繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、又はムライト等が挙げられる。薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、又はアルミナフレーク等が挙げられる。
【0035】
そして、前記効果を十分に確保すると共に、コンクリートの流動性や硬化体の強度ならびに靱性面から、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子及び/又は薄片状粒子の添加量は、セメント100重量部に対して0.1〜35重量部(特に、10重量部以上。25重量部以下。)の割合が好ましい。
【0036】
又、本発明において、硬化体の曲げ強度を高める観点から、金属繊維及び/又は有機質繊維、特に径が0.01〜1mmで長さが2〜30mmの金属繊維及び/又は有機質繊維を更に含む廃棄物処理材料を用いるのが好ましい。ここで、上記のような特徴の繊維としたのは、径が0.01mm未満の繊維では、繊維自身の強度に大きな期待が掛けられず、逆に、径が1mmを越えた繊維では、同一配合量を考慮すると、本数が少なく、硬化体の曲げ強度の向上に大きな期待を望めないからである。又、長さが30mmを越えると、混練の際、ファイバーボールが生じ易いからであり、長さが2mm未満の場合には、マトリックスとの付着力が低下し、曲げ強度の向上に大きな期待を望めないからである。
【0037】
上記金属繊維としては鋼繊維やアモルファス繊維が挙げられる。中でも、強度面やコスト面などから、特に好ましいのは鋼繊維である。
有機質繊維としては、アラミド繊維、炭素繊維が挙げられる。
上記金属繊維の配合量は、凝結後のコンクリート体積の4%以下(配合されておれば良い)が好ましい。特に好ましい配合量は3.5%以下である。有機質繊維の配合量は、凝結後のコンクリート体積の10%以下(配合されておれば良い)が好ましい。特に好ましい配合量は7%以下である。尚、前記の範囲内において、コンクリートの流動性と硬化体の曲げ強度を勘案して適宜決められる。
【0038】
本発明において、上記廃棄物処理材料の混練方法は如何なる手法をも採用できる。混練に用いる装置も特に限定されず、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の各種のミキサを用いることが出来る。
【0047】
又、本発明の廃棄物処理材料は、場合により、重量骨材とか金属粒を更に含む。
【0049】
そして、廃棄物処理容器(特に、放射性廃棄物処理容器)や廃棄物処理体(特に、放射性廃棄物処理体)に上記廃棄物処理材料を用いる場合、上記混練した材料を成形し、養生・硬化することによって得られる。成形方法は如何なる手法が採用されても良く、又、養生方法についても常温養生や蒸気養生など如何なる手法をも採用できる。
【0050】
本発明になる廃棄物収納容器(特に、放射性廃棄物処理容器)は、放射性廃棄物などの廃棄物を収納する為の容器であって、前記容器は、上記廃棄物処理材料を用いて構成される。特に、金属製容器の内部が上記廃棄物処理材料でライニングされてなる。
上記廃棄物処理材料を用いて構成される廃棄物収納容器の構造は、例えば廃棄物収納用の空間を有し、かつ、外形が円柱状、四角柱状などの多角柱状、例えば略直方体状であるコンクリート製の容器本体部と、この容器本体部の下面に、前記容器本体部に対して一体的に設けられたコンクリート製の脚部とを具備したものを挙げることが出来る。そして、落下時に作用する衝撃力は前記脚部が損壊されることによって吸収されるようにしている。例えば、脚部を、容器本体部を構成するコンクリートよりも圧縮強度の低いコンクリートで構成したり、脚部に空隙を有する部材を埋設して、緩衝能力を高めたりする。又、脚部に衝撃応力を集中させ、落下の際、脚部が確実に損壊されるようにする為、脚部を、容器本体部下面の互いに向き合う一組の辺に沿って設けられた一対の外脚部と、この外脚部間に設けられた前記外脚部に対して平行な内脚部とからなるものとし、更に内脚部を、その中央部分が切り欠かれた形状とすることも考えられる。容器本体部は、脚部と異なり、高い強度が要求される。この為、容器本体部を構成するコンクリートには、例えば炭素繊維などの非金属製材料、或いは防食処理した金属材料から構成される補強材が埋設される。容器本体部の内側面には、その高さ方向と交差する方向、特に高さ方向と直交する方向に沿って、凹部および/又は凸部が形成されている。こうした場合、廃棄物を上記廃棄物処理材料で処理してなる固化体は、容器本体部に対して強固に位置固定される。従って、蓋が設けられていない状態で誤って横転させたとしても、固化体が容器本体部から飛び出さない。特に、凹部および/又は凸部を容器本体部の開口付近に設けた場合には、コンクリートを後打ちすることによって形成される蓋を容器本体部に対して確実に固定できる。 又、上記廃棄物処理材料のみで廃棄物収納容器を構成させるだけでなく、所謂、ドラム缶などの金属製容器の内面にポリマーフィルム層を設け、このポリマーフィルム層の内面に上記廃棄物処理材料でライニングしたタイプのものをも挙げることが出来る。
【0051】
以下、更に詳しく説明する。
【0052】
図1〜図9は本発明の一実施形態になる放射性廃棄物収納容器の構造を示すもので、図1は放射性廃棄物収納容器の斜視図、図2は放射性廃棄物収納容器の底面図、図3は図2におけるX−X線での断面図、図4は図2におけるY−Y線での断面図、図5は図2におけるZ−Z線での断面図、図6は放射性廃棄物収納容器の横断面図、図7は補強材の一部を示す平面図、図8は容器本体部側壁の拡大断面図、図9は閉蓋状態での放射性廃棄物収納容器の半断面図である。
【0053】
図1から判る通り、放射性廃棄物収納容器は、廃棄物収納用の空間1aを有する容器本体部1と、この容器本体部1の下面に設けられた脚部2とからなる。
【0054】
容器本体部1は直方体状の外形を有するものであって、セメントと、ポゾラン質微粉末と、粒径が2mm以下の骨材と、水と、減水剤と、更に必要に応じて平均粒径が3〜20μmの石英粉、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子及び/又は薄片状粒子、金属繊維及び/又は有機質繊維とを含むコンクリート(詳細は後述する)から構成されている。
【0055】
脚部2も上記コンクリート(詳細は後述する)から構成されている。
【0056】
容器本体部1と脚部2とは、同じコンクリートが用いられたものであっても、異なるコンクリートが用いられたものでも良い。但し、脚部2は、容器本体部1よりも圧縮強度の低いコンクリートから構成されているのが好ましい。尚、容器本体部1と脚部2とが、異質のコンクリートで構成される場合でも、脚部2は容器本体部1と別体のものではない。すなわち、脚部2は、容器本体部1に対して一体的に設けられている。こうした構造体は、型内にコンクリートを二度打ちすることで、つまり脚部2となるコンクリートを型内に打設し、それを一定時間養生させた後、続けて容器本体部1となるコンクリートを打設することで得られる。
【0057】
脚部2は、図2に示すごとく、容器本体部底面(下面)の互いに向き合う一組の辺に沿って設けられた一対の外脚部3a,3bと、この外脚部3aと外脚部3bとの間に設けられた外脚部3a,3bに対して平行な内脚部4とからなる。
【0058】
本実施形態では、図2から判る通り、内脚部4を外脚部3a,3bのような連続体とはせずに、互いに独立した二つの部分(以下、内脚部半体と呼ぶ)4a,4bからなる不連続体とした。言い換えれば、内脚部4は、その中央部分が切り欠かれた形状となっている。更に、外脚部3a,3b、及び内脚部半体4a,4bは、共に台形状の断面を有しており、特に内脚部半体4a,4bの互いに対向する面はテーパー状になっている。脚部2をこのような構造としてのは、地面との接触面積をできるだけ少なくする為である。こうすることで、脚部2への衝撃応力の集中が図れ、落下の際に脚部2が確実に損壊(破砕)されるようになる。
【0059】
上記廃棄物収納容器は、例えばフォークリフトによって取り扱われるが、外脚部3aと内脚部4との間に形成される凹部5a、及び外脚部3bと内脚部4との間に形成される凹部5bが、フォークを差し込むためのスペースとなる。
【0060】
容器本体部1を構成するコンクリートには、図3〜図6に示す如く、炭素繊維などの非金属製材料、或いは表面を防食処理した金属材料を用いて構成された補強材6が埋設されている。この補強材6は、図7から判る通り、例えば所定本数の炭素繊維を束ねて形成された縦芯材6aと横芯材6bとからなる格子状のものであって、廃棄物収納用空間1aを取り囲むよう容器本体部1の全ての面、すなわち四つの側面と底面とに埋設(存在)されている。尚、廃棄物収納用空間1aのコーナー部分については、補強材によって直角三角形が形成されるよう、それを二重に配置している。
【0061】
容器本体部1の内側面、特に内側面の中央と開口付近には、図8に詳しく示す通り、高さ方向と直交する方向に沿って、つまり周方向に沿って凹部7,8が形成されている。このうち、中央の凹部7は、廃棄物を固化材(本発明の廃棄物処理材料)で処理してなる固化体を容器本体部1に対して位置固定する為のものである。一方、開口付近の凹部8は、図9に示す如く、コンクリートの後打ちによって固化体上に設けられる蓋9を、容器本体部1に対して位置固定する役割を果たす。尚、固化体や蓋が位置固定されるのは、凹部7,8の存在によって固化体や蓋の周囲に形成される環状の凸部と凹部7,8とが嵌合状態になるからである。従って、凹部7,8のいずれか一方あるいは両方を凸部に代えてもよい。しかし、容器本体部1の内側面に凸部を形成した場合、廃棄物の収納に若干の支障を来すことが考えられる。ゆえに、凹部の方が好ましい。
【0062】
上記構造の廃棄物収納容器は、本発明の廃棄物処理材料を用いたコンクリートから構成されている。
【0063】
次に、廃棄物処理材料の具体例を述べる。
【0064】
廃棄物処理材料における使用材料は下記の通りである。
セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
ポゾラン質微粉末:平均粒径が0.7μmのシリカフューム
骨材:珪砂4号と珪砂5号との2:1(重量比)混合品
金属繊維:鋼繊維(直径0.2mm、長さ15mm)
高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
水:水道水
石英粉:平均粒径が7μmの石英粉
繊維状粒子:ウォラストナイト(平均長さ0.3mm、針状比4)
[参考例1]
配合条件は下記の通りである。
セメント:100重量部
ポゾラン質微粉末:32.5重量部
骨材:120重量部
高性能AE減水剤:セメントに対して1.0重量%(固形分)
水/セメント比:22重量%
混練方法は下記の通りである。
二軸練りミキサに各材料を一括投入して混練した。
養生条件は下記の通りである。
前置き(20℃)で48時間、90℃で48時間蒸気養生した。
上記のようにして得た硬化体の圧縮強度は210MPaであり、曲げ強度は25MPaであった。又、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に準じた試験方法によるフロー値は、270mmであった。
[参考例2]
又、上記材料を下記の配合条件とし、上記混練方法や養生条件の下で同様に行った。
セメント:100重量部
ポゾラン質微粉末:32.5重量部
骨材:120重量部
高性能AE減水剤:セメントに対して1.0重量%(固形分)
水/セメント比:22重量%
金属繊維:コンクリート中の体積の2%
上記のようにして得た硬化体の圧縮強度は210MPaであり、曲げ強度は47MPaであった。又、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に準じた試験方法によるフロー値は、250mmであった。
[実施例1]
又、上記材料を下記の配合条件とし、上記混練方法や養生条件の下で同様に行った。
セメント:100重量部
ポゾラン質微粉末:32.5重量部
骨材:120重量部
石英粉:30重量部
繊維状粒子:24重量部
高性能AE減水剤:セメントに対して1.0重量%(固形分)
水/セメント比:22重量%
金属繊維:コンクリート中の体積の2%
上記のようにして得た硬化体の圧縮強度は230MPaであり、曲げ強度は47MPaであった。又、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に準じた試験方法によるフロー値は、250mmであった。
[実施例2]
又、上記材料を下記の配合条件とし、上記混練方法や養生条件の下で同様に行った。
セメント:100重量部
ポゾラン質微粉末:32.5重量部
骨材:120重量部
石英粉:30重量部
繊維状粒子:24重量部
高性能AE減水剤:セメントに対して1.0重量%(固形分)
水/セメント比:22重量%
金属繊維:コンクリート中の体積の2%
上記配合のものに粗骨材(砕石1505)を7:3(体積比)の割合で添加(コンクリート中の粗骨材量;800kg/m3)した。上記のようにして得た硬化体の圧縮強度は135MPaであった。又、スランプ値は1.5cmであった。上記においては、廃棄物処理材料を用いて廃棄物収納容器を構成した場合を説明した。
【0065】
しかし、この廃棄物処理材料は、廃棄物収納容器の構成材料として用いるだけでなく、放射性廃棄物などの廃棄物が収納された容器内に共に充填し、固化させる為の材料(固化材)としても用いることが出来る。例えば、廃棄物収納容器内に前記廃棄物を浮かして(宙づり)配置した後、固化材、特に上記材料からなる固化材を充填し、固化させる為に用いることも出来る。
【0066】
又、廃棄物収納容器を構成する為の型枠内に廃棄物を浮かして(宙づり)配置した後、固化材、特に上記材料からなる固化材を充填し、成型することも出来る。そして、このような処理方法によれば、容器と廃棄物を覆う周囲の固化材との一体性に優れている。
【発明の効果】
本発明の廃棄物処理材料の硬化体は、乾燥収縮が通常のコンクリートの1/10以下、透水係数も通常のコンクリートの1/10以下、クリープ係数も通常のコンクリートの1/10以下と言ったように緻密で高耐久性に富むものであり、又、圧縮強度は通常のコンクリートの5倍以上、曲げ強度は通常のコンクリートの3倍以上、静弾性係数は通常のコンクリートの2倍以上であり、通常のコンクリートを用いた場合と同一の機械的強度のものを得ようとした場合、薄肉・軽量化が可能であり、そして流動性が良いことから施工も容易である。
【0067】
そして、この廃棄物処理材料が廃棄物、特に放射性廃棄物の処理に用いられた場合、廃棄物、特に放射性物質が外部に滲出し難く、極めて好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物収納容器の斜視立体図
【図2】廃棄物収納容器の底面図
【図3】図2におけるX−X線での廃棄物収納容器の縦断面図
【図4】図2におけるY−Y線での廃棄物収納容器の縦断面図
【図5】図2におけるZ−Z線での廃棄物収納容器の縦断面図
【図6】廃棄物収納容器の横断面図
【図7】補強材の一部を示す平面図
【図8】容器本体部側壁の拡大断面図
【図9】閉蓋状態での廃棄物収納容器の半断面図
【符号の説明】
1 容器本体部
2 脚部
6 補強材
Claims (7)
- 中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント100重量部と、シリカフューム又はシリカダスト5〜50重量部と、最大粒径が1.5mm以下の骨材50〜250重量部と、平均粒径が3〜20μmの石英粉20〜35重量部と、水10〜30重量部と、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤0.5〜4重量部(固形分換算)とを含むことを特徴とする廃棄物処理材料。
- 平均粒度が1mm以下の繊維状粒子及び/又は薄片状粒子を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理材料。
- 金属繊維、アラミド繊維、及び炭素繊維の群の中から選ばれる少なくとも1種以上の繊維を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理材料。
- 前記金属繊維が鋼繊維であることを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理材料。
- 廃棄物を収納する為の容器であって、前記容器は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の廃棄物処理材料を用いて構成されてなることを特徴とする廃棄物収納容器。
- 廃棄物を収納する為の容器であって、前記容器は、金属製容器の内部が請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の廃棄物処理材料でライニングされてなることを特徴とする廃棄物収納容器。
- 廃棄物処理体であって、廃棄物が収納された容器内に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の廃棄物処理材料が充填され、固化されてなることを特徴とする廃棄物処理体。
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