JP4267673B2 - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

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Description

本発明は、コンタクトレンズ用液剤に関し、さらに詳しくは、コンタクトレンズのこすり洗いに適した粘度を安定に保つことができ、安全で洗浄効果が高いコンタクトレンズ用液剤に関するものである。
コンタクトレンズは直接目に挿入する医療用具であるため、装用による蛋白質、脂質、無機塩などの生体由来物質による汚染は避けられない。また、日常の取り扱いにより、化粧品、ハンドクリーム、ヘアスプレー等の付着や、空気中の塵等の付着によっても汚染される。これらの汚染の結果、レンズの寿命が短縮したり、レンズが曇って装用感を悪化させるのみならず、酸素透過性の低下や、感染症による眼の障害を招く恐れもある。上記の問題を回避するには、コンタクトレンズを、適切に維持するために様々なケア用品が必要である。
通常、コンタクトレンズを洗浄するには、界面活性剤や研磨剤を含有する洗浄液によるこすり洗いや、酵素等を含有する洗浄液に浸漬することにより洗浄する。
一方、コンタクトレンズを保存するには、洗浄したコンタクトレンズを専用の保存液に保存する場合と、保存液を兼ねた洗浄液(洗浄保存液)に保存する場合とがある。
さらには、市販されている消毒液(例えば、商品名「オプティ・フリー」)には洗浄、消毒、保存がすべて一剤でできるものもある。
上記のごとく、コンタクトレンズには生体及び外界由来の物質が付着する可能性があり、その汚染物質の多様性から様々な洗浄液が提供されているが、それらは、必ずしも、眼及びレンズに対して安全で、洗浄効果が高いとは言えない。例えば、従来のコンタクトレンズ洗浄液としては、研磨剤や強力な界面活性剤を配合することにより洗浄効果を高めたものがあるが、これらは、レンズ素材を損傷する恐れがあるばかりか、残留した場合には眼への悪影響も危惧される。
コンタクトレンズ及び眼に対して安全であって、洗浄効果が高いコンタクトレンズ洗浄液を開発することができれば、そのような安全性の高い洗浄液は同時にコンタクトレンズ保存液としても有用であり、広範な用途を有するコンタクトレンズ用液剤として用いることができる。
既述のごとく、コンタクトレンズの洗浄法には、こすり洗いと浸漬洗いがあるが、安全性の高い洗浄液を用いて効率良く洗浄するには、化学的な洗浄効果に物理的な効果が加味される点から、こすり洗い洗浄が適すると考えられる。
このような観点から、本発明者らは、研磨剤や強力な界面活性剤を用いずに、安全かつ効果的にコンタクトレンズをこすり洗いするための洗浄液であって、コンタクトレンズ保存液としても有用なコンタクトレンズ用液剤を開発することを目的として、鋭意、研究を重ねた。その過程で、洗浄に用いる液剤の粘度を、こすり洗いし易く汚染物質の除去に適し、かつすすぎ易い粘度に調節することにより、上記目的に適う液剤を得ることができることに着目するに至った。しかしながら、そのような液剤を得るには、最小限、以下の課題を解決する必要があった。
(1)適切な粘度の設定
粘度が低すぎると、すすぎは容易であるが、洗浄効果が低下し、粘度が高すぎると、使用感が悪い上、すすぎが困難で洗浄液が残存する恐れがあり、また、保存液として不適当である。
(2)粘度の安定性
通常、液剤の粘度は経時的に低下する傾向があることが知られている。
これらの課題を解決するためには、適切な成分(増粘剤、緩衝剤等)を選択し、それらを適切な比率で配合する必要があるが、そのような目的に適うコンタクトレンズ用液剤は提供されていない。例えば、コンタクトレンズ消毒溶液(特表平8−504623)、コンタクトレンズ用保存洗浄剤(特開平5−173098)等が開示されているが、いずれも、上記の課題を解決に導くものではない。
本発明者らは、増粘剤、一定濃度の緩衝剤、及び所望により適量の塩とを用いることにより上記の課題を解決することができ、洗浄効果と粘度安定性が高く、安全なコンタクトレンズ用液剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、0.05〜10%の緩衝剤と増粘剤とを含有し、20℃での粘度が5〜50cpsであることを特徴とするコンタクトレンズ用液剤を提供するものである。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)増粘剤と0.05〜10%の緩衝剤とを含有し、20℃での粘度が5〜50cpsであることを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
(2)緩衝剤がホウ酸系緩衝剤又はリン酸系緩衝剤である項目(1)記載のコンタクトレンズ用液剤。
(3)増粘剤がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレングリコールからなる群から選択される項目(1)又は(2)記載のコンタクトレンズ用液剤。
(4)さらに、塩化ナトリウムを、緩衝剤に対して2〜10倍の比率で含有する項目(1)〜(3)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
(5)こすり洗いに用いることができる項目(1)〜(4)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
(6)粘度が、円すい−平板計回転粘度計を用いる方法で、20℃において測定した値である項目(1)〜(5)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
(7)プラスチック製容器に充填されている項目(1)〜(6)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
(8)プラスチックがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートからなる群から選択される項目(7)記載のコンタクトレンズ用液剤。
本発明のコンタクトレンズ用液剤の粘度の調節には、当該技術分野で通常使用される増粘剤から選択される任意の増粘剤を用いることができる。しかし、本発明の目的から、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。これらの増粘剤は市販品から容易に入手することができる。
一般に増粘剤は、分子量によって粘度が異なるため、適量を加えて目的の粘度に調節する。本発明のコンタクトレンズ用液剤の粘度は、通常、5〜50cps[センチポアズ;10-3Pa・s(Pa・s=kgm-1-1)]の範囲であり、好ましくは8〜25cps、より好ましくは10〜20cpsに調節するとよい。なお、5cps未満又は50cpsより高い粘度では、コンタクトレンズ洗浄におけるこすり易さ及びすすぎ易さに問題があり不適当である。
なお、本明細書中、本発明のコンタクトレンズ用液剤に関して、「粘度」は、後述の円すい−平板形回転粘度計を用いる方法で、原則として、20℃において測定した値を指す。
緩衝剤としては、当該技術分野で通常用いられる緩衝剤、例えば、ホウ酸系、リン酸系、炭酸系、クエン酸系、酒石酸系、乳酸系、酢酸系、フタル酸系等の緩衝剤を用いることができるが、本発明のコンタクトレンズ用液剤の粘度を安定に保持するためには、ホウ酸系又はリン酸系緩衝剤が好ましく、ホウ酸系緩衝剤が特に好ましい。液剤中の緩衝剤の含有量は、粘度安定性が確保されるに充分な量であれば良い。適切な量は緩衝剤の種類、他の添加剤との関係により此処の処方で変動するが、一般に、液剤中に0.05〜10(w/v)%、好ましくは0.1〜2%の濃度になるよう、含有させる。
さらに、本発明のコンタクトレンズ用液剤には、所望により、適量の塩化ナトリウムを加えるとよい。後述の試験例に示すように、ある種の素材からなるコンタクトレンズはホウ素イオンにより膨張するが、適量の塩化ナトリウムを添加することにより、膨張を阻止することができる。そのような目的で本発明のコンタクトレンズ用液剤に含有させる場合には、塩化ナトリウムの濃度は、当該技術分野で一般に用いられる濃度よりも高い。具体的には、塩化ナトリウム濃度は緩衝剤の濃度の2〜10倍であることが好ましく、2〜6倍であることがより好ましい。なお、塩化ナトリウム濃度が緩衝剤の濃度の10倍を越すと、液剤の浸透圧が高くなり過ぎる恐れがあるために、好ましくない。
本発明のコンタクトレンズ用液剤は、適度の粘度を有し、こすり洗いができる洗浄液、洗浄保存液、消毒液、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ保存液として有用である。
後述する試験例に示すように、該液剤はプラスチック容器に充填して保存することにより、粘度安定性がより高くなる。プラスチック素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、Uポリマーなどが挙げられるが、特に好ましいプラスチック素材はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートである。プラスチック以外の容器(例、ガラス)は、粘度低下が起こる恐れがあり、好ましくない。
従って、本発明はまた、プラスチック容器、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネート製の容器に充填してなるコンタクトレンズ用液剤を提供するものである。
本発明のコンタクトレンズ用液剤は、上記の増粘剤、緩衝剤及び所望により塩化ナトリウムを含有するが、これらに加えて、当該技術分野で通常用いられる任意の成分を、本発明の目的に反しないことを条件として含有させることができる。そのような成分としては、安定化剤、防腐剤、界面活性剤、pH調整剤、等張化剤、アミノ酸類、各種酵素等を挙げることができる。
安定化剤として、エデト酸、エデト酸塩(エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)等、防腐剤としてソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル類、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリソルベート80、ポロクサマー類、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油、POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウム等のN−アシルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテル硫酸塩、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルポリアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等が挙げられる。(以上、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンの略である。)
また、pH調整剤として塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム等、等張化剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。
さらに、酵素としては、脂質分解酵素、蛋白分解酵素、アミラーゼ、セルラーゼ等が挙げられる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤をソフトレンズに適用する場合、通常、pHは、5.5〜8.0、浸透圧は、150〜500m Osm程度とする。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の眼科用組成物の粘度は以下の方法又はそれと同等の結果を与える方法により測定される。
粘度測定法
粘度は、円すい−平板形回転粘度計を用いる方法で測定する。この方法は、NEW FOOD INDUSTRY Vol. 22, No. 4-6, 1980 (川崎種一)及び第十三改正日本薬局法に記載の、一般試験法、36.粘度測定法、第2法 回転粘度計法、(3)円すい−平板形回転粘度計の項に記載の方法と同様である。
(1)円すい−平板形回転粘度計による粘度測定について
第1図の簡略化した円すい−平板形回転粘度計により、一般的な手法を説明する。まず、円すい(コーンロータ)1と平円板(プレート)2との間の角度αの隙間に試料を入れ、円すい1又は平円板2を一定の角速度ω若しくはトルクTで回転させ、定常状態に達したときの平円板2又は円すい1が受けるトルク若しくは角速度を測定し、試料の粘度ηを次式により算出する。
η=100×(3α/2πR3)・(T/ω)
η:試料の粘度(mPa・s) (Pa・s=103cps)
α:平円板と円すいがなす角度(rad)
π:円周率
R:円すいの半径(cm)
T:平円板又は円すい面に作用するトルク(10−7N・m)
ω:角速度(rad/s)
(2)眼科用組成物の粘度測定
本発明組成物の粘度は、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定することができ、そのような粘度計の例には、E型粘度計[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]、シンクローレクトリックPC型(ブルックフィールド、米)、フェランティシャーリー(フェランティ、英)、ロートビスコR(ハーケ、独)、IGKハイシャーレオメーター(石田技研、日本)、島津レオメーターR(島津製作所、日本)、ワイセンベルグレオゴニオメーター(サンガモ、英)、メカニカルスペクトロメーター(レオメトリックス、米)等がある。実施例で示す本発明組成物の粘度は、これらの内、E型粘度計の1つであるDVM−E型粘度計を用い、業者の指示に従って測定した値であることから、以下に、該装置を用いる方法を説明する。
DVM−E型粘度計は、第2図に示す構造を有し、粘度計本体5側に、第3図に記載のコーンロータ1(上記円すい1に相当)が、アダプタ・スリーブ3側にプレート又はサンプルカップ2(上記平円板2に相当)が、それぞれ取り付けられている。アジャスタ・リング4はアダプタ・スリーブ3とネジでかみ合っており、その回転に応じて、コーンロータ1とプレート2とが接近又は離れるよう構成されている。第3図に示すように、コーンロータ1の中心には微小突起6があり、該突起6とコーンロータ1の円錐の仮想頂点からの距離をdとする。コーンロータ1は、スプリングを介して定速で回るシンクロナス・モータ(いずれも図示せず)で回転される。そのとき、コーンロータ1に液体の粘性抵抗トルクが働くと、スプリングがそのトルクと釣り合うところまで捩れ、その捩れ角に基づいて、液体の粘度が自動的に計算されて計器に表示される仕組みになっている。
測定条件
測定に際しては、コーン角度1°34’、コーン半径2.4cmのDVM−E型粘度計に付属の標準コーンロータ1をフルスケール・トルク67.4×10-6Nmのスプリングを介してモータで回転させた。微小突起6の円錐の仮想頂点からの距離dは12.7μmである。
粘度計を回転軸が水平面に対して垂直になるように設置し、被検試料1mlをサンプルカップ2に入れ、該サンプルカップ2を、コーンロータ1を取り付けた本体5に装着し、温度が20℃になるまで放置した。次いで、装置を50rpmで回転させ、表示された粘度を読み取った。なお、高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整した。この標準液は、20℃、30℃、40℃における粘度が±0.1%の精度で保証されている。
なお、DVM−E型粘度計以外の市販の機種を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることができることは、当業者ならば容易に理解しうることである。
実施例1〜30 コンタクトレンズ用液剤
下記の表1〜6に記載の比率で、各成分を滅菌精製水中で無菌的に調合して、コンタクトレンズ用液剤を調製する。なお、粘度は上記の方法で 20℃において測定した値である。
Figure 0004267673
Figure 0004267673
Figure 0004267673
Figure 0004267673
Figure 0004267673
Figure 0004267673
実施例31 コンタクトレンズ洗浄剤
100ml中
ホウ酸 0.2
ホウ砂 0.045
ポリオキシエチレン(20)ポリプロピレン(4)セチルエーテル 0.5
塩化ナトリウム 0.7
ポリビニルピロリドンK90 2.5
エデト酸ナトリウム 0.05
滅菌精製水 適量
全量 100ml
以上を無菌的に調合した後、ポリエチレン製容器に充填し、コンタクトレンズ洗浄剤(粘度15cps)とする。
実施例32 コンタクトレンズ洗浄剤
100ml中
ホウ酸 0.3
ホウ砂 0.06
ポロクサマー407 0.1
塩化ナトリウム 1.0
ポリビニルピロリドンK90 2.2
エデト酸ナトリウム 0.05
滅菌精製水 適量
全量 100ml
以上を無菌的に調合した後、ポリプロピレン製容器に充填し、コンタクトレンズ洗浄剤(粘度10cps)とする。
試験例1 使用感の官能試験
実施例32記載の処方において、表7に記載の通り、ポリビニルピロリドン(PVP)K90を0、1、2、3又は5.2%含有する試験液を調製し、コンタクトレンズのこすり洗いにおける官能試験を行った。即ち、コンタクトレンズ装用者10名(酸素透過性ハードコンタクトレンズ使用者4名;ソフトコンタクトレンズ使用者6名)に、これらの試験液を用いた場合のこすり洗いのし易さを評価させた。
Figure 0004267673
結果を以下の表8に示す。
Figure 0004267673
上記の表8から明らかなように、酸素透過性ハードコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズの使用者のいずれにおいても、処方Cが最もこすり洗いし易いと評価する比率が高く、粘度としては10cps付近が適切であることが示された。
試験例2 粘度安定性試験
以下の表9〜11に記載の処方1〜14に従って試験液を調製し、コンタクトレンズ用液剤の粘度安定性を検討した。試験液は、下記の表9の成分(w/v%)を用い、上記実施例と同様にして調製した。なおこの試験例においては、粘度はE型粘度計を用い、上記した方法で20℃において測定した。
Figure 0004267673
Figure 0004267673
Figure 0004267673
各処方の試験液をポリプロピレン(PP)容器に10ml充填した。試験開始時及び10日目にサンプリングし、20℃における粘度を測定した。結果を以下の表12に示す。
Figure 0004267673
表12に示すように、増粘剤の種類による安定性は、PVP>HECの順に安定であり、PVPが最も好ましい。緩衝剤の濃度については0.1〜2.0%で特に粘度が安定であった。また異なる粘度で比較した場合、5から25cpsまでは特に安定であった。
一方、処方14のPVPのみでは、明らかに粘度の低下が見られた。
試験例3 コンタクトレンズのサイズ変化
以下の表13に記載の割合(w/v%)の成分を用い、実施例と同様に処理することにより、塩化ナトリウム濃度がホウ酸及びその塩の合計濃度に対して1.5倍、2.2倍及び3.3倍である試験液を調製した。
Figure 0004267673
各試験液にコンタクトレンズ(セイコーCSIEX)を2時間浸漬するか、試験液中で、レンズ供給者指定の煮沸器(セイコーマイクロバイオライザー)を用いて1回煮沸(90分)した後、レンズサイズを万能投影機を用いて測定し、試験開始前のサイズと比較した。結果を以下の表14に示す。
Figure 0004267673
表14は、ホウ酸及びその塩の合計濃度に対する塩化ナトリウムの比率が最も高い試験液Cを用いた場合、レンズサイズの変化は最も小さいことを示している。また、塩化ナトリウムの比率が高くなるほど、レンズサイズの変化が小さくなっていることから、塩化ナトリウムの濃度はホウ酸及びその塩の合計濃度の2倍以上が適当であり、3倍以上であることがより好ましいことが分かる。
試験例4 容器による粘度安定性
下記記載の処方15の試験液を調製し、試験開始前にサンプルを抜き取り、E型粘度計を用いて上記した方法で20℃において測定した。その後素材が異なる実施例33〜36(但し、実施例33、34は参考例である)及び比較例1の容器に試験液を充填し60℃の恒温器に保存した。試験10日目に再びサンプルを抜き取り、同様に粘度を測定した。
結果を表15に示す。比較例1のガラス容器では明らかに粘度の低下が認められたが、実施例33から36までのプラスチック容器ではいずれも粘度は安定であった。
(処方15)
単位(w/v%)
ホウ酸 0.45
ホウ砂 0.035
PVP K90 2.5
(容器素材)
実施例33 ポリエチレン
実施例34 ポリプロピレン
実施例35 ポリエチレンテレフタレート
実施例36 ポリカーボネート
比較例1 ガラス
Figure 0004267673
粘度測定のための円すい−平板形回転粘度計の一例を示す略図である。 1つの円すい−平板形回転粘度計の縦断側面図である。 第2図の粘度計の要部を示す正面図である。
符号の説明
1 円すい(コーンロータ)
2 平円板(サンプルカップ)
3 アダプタ・スリーブ
4 アジャスタ・リング
5 粘度計本体
6 微小突起

Claims (7)

  1. (A)増粘剤と0.05〜10%の緩衝剤とを含有し、20℃での粘度が5〜50cpsであるコンタクトレンズ用液剤を、(B)ポリエチレンテレフタレート製又はポリカーボネート製の容器に充填してなる、コンタクトレンズ用品
  2. 緩衝剤がホウ酸系緩衝剤又はリン酸系緩衝剤である請求項1記載のコンタクトレンズ用品
  3. 増粘剤がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレングリコールからなる群より選択される請求項1又は2記載のコンタクトレンズ用品
  4. さらに、塩化ナトリウムを、緩衝剤に対して2〜10倍の比率で含有する請求項1〜3いずれか記載のコンタクトレンズ用品
  5. こすり洗いに用いるための、請求項1〜4いずれか記載のコンタクトレンズ用品
  6. ソフトコンタクトレンズ用である、請求項1〜5いずれか記載のコンタクトレンズ用品
  7. (A)増粘剤と0.05〜10%の緩衝剤とを含有し、20℃での粘度が5〜50cpsであるコンタクトレンズ用液剤を、(B)ポリエチレンテレフタレート製又はポリカーボネート製の容器に充填して、保存中の前記コンタクトレンズ用液剤の粘度を安定化する、粘度安定化方法。
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