JP4262142B2 - 金属板の形状予測方法及び金属板の製造方法 - Google Patents

金属板の形状予測方法及び金属板の製造方法 Download PDF

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本発明は、鋼等の金属板材の波形状予測方法とこの方法を用いた金属板の製造方法に関するものである。
特許文献1において開示されている平坦度の評価式には、鋼板の定点で定義されたクラウン比率変化を残留応力相当に置き換え、平坦度とする方法がある。また、特許文献2では熱間圧延鋼板の形状予測方法として次のような内容を開示している。(1) 加速冷却停止時あるいは熱間矯正直後に鋼板の板面温度分布を測定し、この分布デ−タに基づいて空冷後に形成される板長手方向の残留応力分布を計算するステップ。(2) 所定の板長さ方向位置における同方向の残留応力の板幅方向分布に基づいて、任意の点又はその残留応力が0となる点を境界として分割した各区間について、ステップ(1)で求めた残留応力分布を矩形近似するステップ。(3) ステップ(2)で分割した各区間について、それぞれの区間内の一点に関するステップ(1)の残留応力の単位板厚当たりの曲げモ−メントを計算するステップ。(4) ステップ(2)で矩形近似した残留応力とステップ(3)で求めた曲げモ−メントとから、所定の簡易予測式を用いて座屈臨界点における残留応力を算出するステップ。(5) ステップ(4)で算出した座屈臨界点での残留応力とステップ(3)で矩形近似した残留応力を比較して、前者が後者よりも大の場合は当該座屈モ−ドでの形状不良がなく、前者が後者よりも小の場合には同形状不良があると判定するステップ。また、最近ではFEMを用いた3次元解析による座屈&大撓み解析を行う場合もある。また三角形の残留応力分布で定式化された座屈のモデルが非特許文献1に示されている。
特開平6−15321号公報 特開平08−187505号公報 日本塑性加工学会誌:塑性と加工、第28巻第312号(1987−1)p58−66
しかし、特許文献1において開示されている平坦度の評価式は、鋼板の2つの定点で定義されたクラウン比率変化を残留応力相当に置き換え、平坦度とする方法であるため、本来幅方向に分布した状態で発生する形状を予測する場合不十分である。また、本来は存在するはずの形状不感帯の考慮がなされていない。つまり、座屈と言う概念が無く、内在する残留応力は全て波形状に変換されるようになっている。形状不感帯とは、金属板に残留応力が内在しても座屈限界までは座屈による面外変形は発生しない応力領域のことを示す。また、特許文献2は座屈の簡易予測式として残留応力分布を矩形近似して座屈判定を行っているが、応力分布を正確に反映したモデルとはなっていない。非特許文献1の残留応力分布を三角形に近似する場合も同様である。また、ストリップ材で問題となる張力のモデル化がなされていない、また、これまでの発明は座屈の有無を判定するだけで座屈した後の形状がどのようになっているか、すなわち座屈発生した後の波高さや急峻度まで求めることが出来ない。さらに、耳波や中波が同一金属板内に発生するような複合波の場合の座屈判定及び座屈後の形状評価が出来ない。また、FEMを用いた3次元解析による座屈&大撓み解析では、板厚、板幅、板長等の予め作成する有限要素モデルのサイズ等の条件によっては解の収束性や解にばらつきがあり、計算オペレータのノウハウ的なものが内在し、技術の一般化も含め、計算時間も長時間必要なことから実用的な手法とはいえない。
以上のように形状予測に対して、その精度に問題が内在することから、予め、形状を予測して矯正機へ廻すか否かの判定が出来ず、形状が良好なものでも、平坦な形状を指定された金属板は、精整工程通板を行わなければならず、コスト増を招いていた。したがって、本発明の目的は金属板の形状予測の精度が高く、予め、精整工程に必要な板の分離を精度良く実施できる金属板の波形状予測方法及びこの方法を利用した金属板の製造方法を提供することである。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)以下のステップを有することを特徴とする金属板の波形状予測方法。
(a)金属板長手方向及び板厚方向に一様な場合の波形状座屈のモデルを、残留応力が幅方向に任意に分布した応力分布でも解析が可能なように、残留応力を板幅方向位置毎に離散化して、幅位置において各要素間の3次式として長手方向には三角関数とした変位関数を組み込んで定式化された座屈方程式を用いて、金属板の幅の拘束条件として金属板エッジを各々片側エッジ部拘束、センター部拘束、両エッジ拘束時の座屈解析を行い、座屈応力の幅方向分布を求め、金属板の長手方向残留応力の幅方向分布と比較して、座屈の判定をするステップ、
(b)座屈が発生しないと判定する場合は形状が平坦であり、残留応力がそのまま内在するとし、座屈が発生すると判定した場合は、金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から座屈応力の幅方向分布を差し引き、この応力偏差の分布が形状に変換されて開放される波形状変換する応力成分と座屈応力の幅方向分布として求められた座屈後も金属板に残留する応力成分とに分離するステップ、
(c)前記波形状変換する応力成分を使って、前記開放されようとする応力と座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力または力との偏差を求め、その偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定し、座屈後の波形状予測を行うステップ。
(2)前記(c)の座屈応力判定ステップにおいて、形状予測を行い、それぞれの拘束時に発生する波形状を求め、次に変位の飛び移り判定を行って、飛び移らないと判定された場合は前記(c)で予測された波形状が相互干渉せずにそのまま予測された波形状となるとし、飛び移ると判定された場合は、各拘束条件での形状を重ね合わせることで、金属板内でピッチや波高さが違う複合波の形状を予測することを特徴とする(1)に記載の金属板の波形状予測方法。
(3)前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力分布とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属板の波形状予測方法。
(4)前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力分布のうち幅方向に一次の成分の20〜100%を差し引いた応力の分布とすることを特徴とする、(1)または(2)に記載の金属板の波形状予測方法。
(5)前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、圧延および/または矯正時に付与される残留応力分布とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属板の形状予測方法。
(6)冷却前の金属板形状或いは冷却後の形状を測定し、形状が平坦になったと仮定した場合に得られる伸び歪差あるいは計算によって得られる応力分布を、請求項3ないし請求項5のいずれかで得られた長手方向残留応力の幅方向分布に重ね合わせて、前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属板の形状予測方法。
)結果として求められた幅方向のプロフィールと波ピッチから得られる幾何学的な歪にヤング率を掛けて得られた応力成分の分布を、前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から差し引き、これを座屈後も金属板に残留する応力成分の分布とすることを特徴とする(1)ないし()のいずれかに記載の金属板の形状予測方法。
(1)ないし(7)のいずれかに記載の予測方法によって精整工程での形状矯正を実施するかどうかの可否判定を行い、座屈しないように冷却前及び冷却後の幅方向温度分布を制御することにより、平坦な板を製造することを特徴とする熱間金属板の製造方法。
)精整工程での形状矯正を実施するかどうかの判定として、予測した急峻度で判定することを特徴とする()記載の熱間金属板の製造方法。
10)以下の手段を有することを特徴とする金属板の波形状予測装置。
圧延機出側で冷却前の金属板の熱歪及び熱応力分布を測定する温度測定手段、
金属板長手方向及び板厚方向に一様な場合の波形状座屈のモデルを、残留応力が幅方向に任意に分布した応力分布でも解析が可能なように残留応力を板幅方向位置毎に離散化して、幅位置において各要素間の3次式として長手方向には三角関数とした変位関数を組み込んで定式化された座屈方程式を用いて、前記温度測定手段で測定した熱歪及び熱応力分布に基づいて、金属板の幅の拘束条件として金属板エッジを各々片側エッジ部拘束、センター部拘束、両エッジ拘束時の座屈解析を行い、座屈応力の幅方向分布を求める演算手段、並びに、長手方向残留応力の幅方向分布と比較して座屈を判定する判定手段、
前記判定手段において座屈が発生しないと判定する場合は形状が平坦であり、残留応力がそのまま内在するとし、座屈が発生すると判定した場合は、前記残留応力を金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から座屈応力の幅方向分布を差し引き、この応力偏差の分布が形状に変換されて開放される波形状変換する応力成分と座屈応力の幅方向分布として求められた座屈後も金属板に残留する応力成分とに分離する演算手段、
前記応力成分を分離する演算手段で求めた前記開放されようとする応力と座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力または力との偏差を求め、その偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定し、前記波形状変換する応力成分より座屈後の波形状予測を行う演算手段。
11)冷却前及び冷却後の幅方向温度分布、圧延および/または矯正によって付与された伸び歪分布、冷却前後の金属板形状から得られる伸び歪差のうち1つまたは2つ以上から、金属板の幅に渡った長手方向の残留応力分布を算出する演算手段を有することを特徴とする(10)に記載の金属板の波形状予測装置。
前記(1)に記載の発明では、金属板に内在する残留応力による形状予測方法として、幅方向に分布した残留応力分布を入力として、座屈判定及び座屈時の形状予測が可能となるため、従来手法のように矩形近似した座屈評価に比べ波形状座屈判定の精度が向上し、形状に変換する応力成分と形状に残留する成分に分離することにより、座屈後の波形状を予測することが可能となる。また、(1)の(a)に記載された金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から座屈応力の幅方向分布との応力偏差の分布を形状に変換されて開放されようとする応力分布とし、この形状に変換されて開放されようとする分布応力と、座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力との偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定することにより、大撓み解析を実行しなくても簡易的に形状が求めることが可能となる。
前記(2)に記載の発明では、金属板の座屈判定ステップにおいて、金属板の幅の拘束条件を両側の各々の片側エッジ部拘束、センター部拘束、両端拘束時の座屈解析を行い、それぞれの拘束時に発生する形状を求め、次に変位の飛び移り判定を行って、飛び移ると判定された場合は、各拘束条件での形状を重ね合わせることで、金属板内でピッチや波高さが違う複合波の形状を予測することが可能となる。
前記(3)に記載の発明では、金属板の座屈判定金属板の幅に渡った長手方向の残留応力分布を冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力と置くことにより、温度を測定するだけで、残留応力分布の予測が可能となり、冷却時の形状を予測することが可能となる。
前記(4)に記載の発明では、金属板の座屈判定金属板の幅に渡った長手方向の残留応力分布を冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力のうち幅方向に一次の成分の20〜100%を差し引いた応力とすることにより、板曲がりやクリープ効果による応力の緩和効果を見積もることが可能となり、より精度の良い予測が可能となる。
前記(5)に記載の発明では、制御冷却しない金属板の圧延もしくは矯正後の残留応力分布並びに冷間形状を予測することができる。
前記(6)に記載の発明は、圧延形状による歪と冷却前或いは冷却後の熱歪を重ね合わせることでさらに精度の良い残留応力及び形状を予測することが可能になり、形状矯正可否判定の精度が向上する。
前記()に記載の発明では、形状変換する応力成分と金属板に残留する成分の精度が更に向上し、これを基に精整工程での形状矯正を実施するかどうかの可否判定を行った場合、その可否の精度が向上する。
前記()に記載の発明では、本来、形状を平坦にするためには残留応力分布、即ち温度分布をフラットにすればよいが、現状の加熱装置や冷却装置では必ずしも幅方向に均一な応力まで制御は出来ないため、(1)〜(7)のいずれかに記載の発明において算出された残留応力の幅方向分布を基に、精整工程での形状矯正を実施するかどうかの可否判定を行った場合、形状を予測しながら、臨界座屈応力の高い応力分布になるように温度を制御すれば良くなるので、従来より、板の平坦度を改善し易くなる。
前記()に記載の発明は形状矯正の判定としては、座屈の有無で判定するのではなく、所定の急峻度で判定するので、金属板の平坦度のランク付けが可能となり、ランク及び客先のニーズに応じた矯正工程の適用判定が可能となるため、より実用的な範囲での判断が可能となるため、矯正工程通板の最適化が図れる。
前記(10)に記載の発明の装置によって、(1)の発明を実現することができる。
前記(11)に記載の発明の装置によって、(3)、(5)、(6)のいずれかまたは2つ以上の発明を実現することができる。
本発明により、金属板の形状予測の精度が向上し、予め、精整工程に必要な板の分離が精度良く実施出来るようになった。
本発明者らは、平坦度予測精度を向上させるための方策について種々の検討を行った。以下、図面に基づいて、本発明の原理について説明する。
まず、対象とする波形状について図1を使って説明する。図1に示す波は代表的な耳波である。波の大きさとして用いられる急峻度或いは平坦度の定義はエッジ部の波高さHを波のピッチLで割り、100倍して、パーセント表示で表す。また、この波形状波高さHで示している位置でx方向に断面で切り出したものを波形状プロフィールと称し、後に述べる座屈解析では求められる波形状プロフィールは高さの次元が無い無次元プロフィールである。
本発明者らはこのような形状の予測を請求項1および図3で示すアルゴリズムによって実現した。
S1((1)に記載の(a)に相当)は金属板の幅に渡った長手方向残留応力分布を用いて、座屈応力分布(座屈発生のクライテリア)を求め、(1)の(a)に記載の長手方向残留応力分布と値を比較して、座屈応力の方が大きければ形状は平坦と判定しS4に進む。また座屈すると判定した場合は、S2((1)に記載の(b)に相当)に進み形状変形に変換する応力成分と座屈後も金属板に残留する応力成分とに分離する。その後、S3に進み形状変形に変換する応力成分を使って形状を予測(形状予測として平坦度、波ピッチ、幅断面プロフィールを出力)する。
本発明者らは、図3のS1で用いる座屈判定用に、前記非特許文献1に示される三角形の残留応力分布で定式化されたモデルをベースにして新たな波形状座屈方程式を作成した。この座屈方程式は、金属板長手方向及び板厚方向に一様な場合の波形状座屈のモデルを、残留応力が幅方向に任意に分布した応力分布でも解析が可能なように、また、板幅方向位置毎に離散化された残留応力でも座屈解析が可能なように定式化したものである。この方程式により、最初に入力された長手方向残留応力の幅方向分布に対し、幅方向に一様に倍率を掛けて得られた分布で、座屈を開始する応力分布を求め、座屈応力分布(座屈発生のクライテリア)とする。
この式に対し、変位関数を定義する。ここで変位関数の定義として、幅位置における各要素間の変位関数を3次式とし、長手方向には三角関数とした。
今回のモデルは残留応力の離散化分布を用いるために図2のように2節点のbeam elementを用いることにし、幅方向の変位関数は3次関数を用いると幅方向の変位量は(1)式のように表せる。
w(y)=a+ay+a+a (1)
次に、耳波あるいは中波のいずれかが生じるような変形では板の長手方向のたわみ分布をみると周期的な変化で発生していることより、波の波形を正弦波で近似し、その半波長Lで長手方向のたわみを表現すると最終的な変位関数は(2)式となる。
w(x,y)=w(y)sin(πx/L) (2)
以上のような変位関数を定義し、座屈方程式を作成することによって、座屈解析を実行するモデルを作成した。このモデルに離散化した(1)の(a)に記載の長手方向残留応力の幅方向分布、金属板の板厚、張力を入力すれば、入力した残留応力分布に対する座屈応力分布、座屈時の幅方向断面の変位方向に0〜1で無次元化された変位プロフィール、座屈によって発生する波のピッチが出力され、入力した残留応力分布と座屈応力分布の絶対値の大小比較で座屈の発生の有無を評価することが可能となる。
さらに、本発明者らは、座屈後の波形状変換する応力と座屈後もそのまま残留応力として内在する応力分布に分離し、座屈後の波形状変換する応力を用いて波形状を予測する方法を考案した。これは図3中のS2に相当するものである。
具体的に図3中のS2においては、(1)に記載の(a)の長手方向残留応力の幅方向分布が座屈応力分布を越えている場合、そのまま、引き算し、引き算した結果の応力分布を座屈後に形状に変換されて開放されようとする応力分布とし、座屈分布を座屈後もそのまま金属板に残留する応力分布として、2つの応力分布に分離するという工程がある。
具体的に図3中のS2においては、(1)に記載の(a)の長手方向残留応力の幅方向分布が座屈応力分布を越えている場合、そのまま、引き算し、引き算した結果の応力分布を座屈後に形状に変換されて開放されようとする応力分布とし、座屈分布を座屈後もそのまま金属板に残留する応力分布として、2つの応力分布に分離するという工程がある。
図3中のS3では前述の形状に変換される応力分布を用いて形状を予測する。この形状予測において、座屈解析で求めた座屈ピッチと座屈時の幅方向断面の無次元変位プロフィールに所定の波高さを仮定し、ピッチと波高さを変位プロフィール(幾何学的形状)から導かれる形状に変換される応力を求め、この応力と座屈後に形状に変換されて開放されようとする応力との差の2乗の幅方向での総和が小さくなるように波高さを求めれば、(1)の(a)に記載の残留応力分布に起因する金属板の形状を精度良く予測出来ることを見出した。詳細には以下の通りである
座屈解析によって座屈の有り無し、座屈応力分布σeigen(y)、座屈ピッチL、板幅位置での形状モードW(y)が求まる。そこでその結果を基に波高さや急峻度を求める方法について示す。yは幅位置を示す。
今回、座屈解析の結果求められる座屈応力分布σeigen(y)は座屈後も平板に残留する残留応力σresidual(y)と等しいと仮定すると、
σeigen(y)=σresidual(y) (3)
(1)の(a)に記載の残留応力分布σinitial(y)と形状に変換されて開放されようとする応力分布σrelease(y)の関係は次式となる。
σinitial(y)―σresidual(y)=σrelease(y) (4)
一方、前述座屈解析結果で求められる座屈プロフィールw(y)(≦1)と波形状半ピッチLを使えば、座屈応力σに対応する座屈プロフィールw(y)=1に波高さHを仮定することによって、平板から波形状隆起による座屈変化によって開放される見かけの開放応力分布σshape(y)を定義出来る。
急峻度λ=(2/π)√Δε=H・w(y)/(2L) (5)
上記関係より
σshape(y)=EΔε(y)=E(π/2)(H・w(y)/(2L)) (6)
ここで残留応力の偏差から求められるσrelease(y)と形状変換によって求められるσshape(y)は応力開放の状態を示しており、本質的には等しいと考えられる。そこで今回のモデルではこのσrelease(y)とσshape(y)の分布が等しくなるようにHを変えていくことで波高さを決定する。
具体的には式(7)のように双方の応力偏差の2乗を幅方向に積分し、積分の最小値となる波高さHを決定する方法をとる。
Min(Σ(σrelease(y)―σshape(y))) (7)
以上を実行すれば波高さHが求まる。このように、(7)に記載の発明にある、(1)に記載の発明の(a)の長手方向残留応力の幅方向分布からと座屈応力の幅方向分布を差し引き、応力の偏差を形状に変換されて開放されようとする応力分布とし、一方でこの開放されようとする応力と座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力との偏差を求め、その偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定することによって波高さHを得ることができた。
次に(2)に記載の発明を説明する。前述の方法で金属板の幅方向内での形状でエッジ、クォータ、センターでの波変位がお互いに影響を及ぼさなければ問題無いが、及ぼす場合は図4に示すアルゴリズムで座屈後の形状予測を行う。
S1では所定の境界条件、例えば両エッジ部自由、DSエッジ部拘束、WSエッジ部拘束、両エッジ部拘束において、それぞれ、座屈解析を行う。S2では、入力した(1)の(a)に記載の長手方向残留応力の幅方向分布について座屈形状を1次〜n次まで全て求める。S3では各形状プロフィールの重ね合わせを行い、重ね合わせ面積の比率が所定値以下であった場合は相互干渉無しと判断し、センター、エッジ、クォータの波形状が独立に発生すると判断する。また、S3で相互干渉ありと判断された場合、S4では、座屈判定した中で最大の臨界座屈応力分布とその時の波ピッチを求め、それ以外全ての波モードのピッチを最大臨界応力分布の時の波ピッチとして再定義し直す。S5では相互相関ありと判断した波形状を重ね合わせる。具体的には単一で求めたピッチと波高さから求められる急峻度と最大残留応力時のピッチとなった時の急峻度が等しくなるように波高さを再定義し、全ての波プロフィールを重ね合わせる。
図5,6,7,8は当方のFEMによる大たわみ解析において、耳波と中波の重ねあわせで波形状が発生することを確認したものである。実際にお互いに波形状が影響を及ぼしあうと判断される場合は、図6,7,8に示すように、座屈応力の高い中波に耳波が飛び移っている。飛び移りとは、耳波と中波で干渉し合い、計算上波長が違うはずの耳波と中波との波長が高次側に合致する現象である。
図5は、本解析で使用した、入力した(1)の(a)に記載の長手方向残留応力の長手方向分布であり、横軸を板幅位置、縦軸を圧延方向の残留応力とした。大たわみ解析ではFEMの要素に長手方向に一様に図5に示す残留応力を相似形で100分割し、相似で徐々に加えて行く。図6は座屈応力が小さい耳波が初めに発生した状況である、図7は中波が発生した状況である。図8は最終的に残留応力を加えた状態を示している。耳波のピッチが中波で発生すると共にピッチが大きくなっており、飛び移り現象が発生していることが、確認できる。このFEMによる大たわみ解析結果と本発明の計算を照合し、S3での各形状プロフィールの重ね合わせで、重ね合わせ面積の比率が10以下であった場合は相互干渉無しと判断できることが判った。
以上の取り組みを行うことで耳波や中波が同一金属板内に発生するような複合波の場合の座屈判定及び座屈後の形状評価及び判定が可能となることを我々は見出した。
次に(3)に記載の発明について説明する。形状評価の基となる金属板の残留応力は、冷却時の変態を考慮したFEM解析結果で考察すると、金属板の幅に渡る長手方向の残留応力分布を冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力とすれば良いことを確認した。従って、残留応力は冷却前及び後の温度分布を基に決定する。
(4)に記載の発明は、極端に温度偏差が発生した場合、冷却中のクリープ等の影響や冷却後の金属板がキャンバーになることによって、実際の金属板に内在する残留応力の一次成分が低減した形で残留応力が発生することが判った。図11は実際の温度分布であり、その際の一次の成分を示したものである。また、図12は図11のデータから一次成分を差し引いた温度分布である。波形状はこの一次の成分を差し引いた温度分布から求められた残留応力で評価する方が実態と良く合う。但し、材料によっては100%一次成分が無くならないこともあるため、状況に応じて20〜100%の傾きを差し引くものとする。
(5)については、(1)の(a)において入力する残留応力を、(1)および(2)で測定された金属板の長手方向残留応力の幅方向分布に、圧延および/または矯正時に付与される残留応力分布を加算して定義したものである。多くの場合、金属板に負荷された張力とそのときに生じたクリープによって圧延および/または矯正時に付与される残留応力が解消される。しかし、対象となる金属板によっては、または、そのときの加工条件によっては、熱応力のみから換算した残留応力で解析するより、これを加味した残留応力分布で評価すると精度の上がることがある。したがって、場合によって(5)の発明は使い分けることになる。
次に(6)に記載の発明について説明する。残留応力は前述のように温度分布に基づく熱歪とおけば簡易的に求まるが、この前提は金属板がフラットな場合を仮定した場合で成り立つもので、実際の操業では、制御冷却を行わない金属板では圧延波形状から換算される伸び歪差と圧延終了後の金属板の幅方向温度分布によって求められる熱歪と重ね合わせを行った歪を残留応力として座屈判定及び形状予測を行った方がより、精度の高い予測が可能である事を掴んだ。熱間矯正機の後面でも十分に形状がフラットで無い場合は、この時点での形状から導かれる伸び歪と温度分布に基づく熱歪の重ね合わせとなる。これらの事実にも基づいて(6)に記載の発明がなされたものである。
次に()に記載の発明について説明する。これまでの本発明での説明からも自明なように、形状計で検出した形状から導かれる見かけの形状に変換された残留応力(歪)だけでは、金属板の残留応力とすることは出来ない。何故なら、座屈しても金属板に内在する残留応力(歪)が存在するからである。もしこのような状態で、条切り等の加工を行った後のキャンバー予測を行おうとすると誤差を生じることになる。
しかし、(3)ないし(6)記載の発明で長手方向残留応力の幅方向分布を得て、これにより1(c)で波形状を得た場合、この()記載の発明をこれに適用することにより精度の高い残留応力分布を得ることができる。即ち、(3)ないし(6)記載の発明で得た長手方向残留応力の幅方向分布から、1(c)で得られた波形状より形状に変換されて開放された応力分布を差し引いたものが金属板に内在する残留応力分布である。本発明では座屈により形状に変換される応力分布と座屈してもなお金属板に内在する応力が分離して判るので、条切り等の後加工による変形の予測も精度が高く管理出来、新たな形状の管理指標としても有効である。
次に()に記載の発明について説明する。精度の高い予測が可能となれば、形状予測結果に基づいてエッジヒータやエッジマスク、形状をコントロールすれば、平坦な形状を作り込むことは可能である。そこで()に記載の発明では(1)ないし()に記載の発明を利用した平坦な形状を作り込む技術を示したものである。
次に()に記載の発明について説明する。これまでの精整工程での形状矯正を実施するかどうかの可否判断は、座屈の有り無しだけではなく、ユーザーに希望によっては平坦度が2%以下、1%以下、0.5%以下等であり、必ずしも座屈の発生有無だけが基準では無い場合が多い。このような場合、座屈の有無だけで判断するのではなく、ユーザーにニーズに応じた判定基準を設けたほうが実用的である。本発明では座屈の判定だけでなく、座屈後の形状予測までが可能であるので、ユーザーのニーズ応じた細やかな判定を行うことで精整工程の通板判定の精度を更に向上させることができる。
10)に記載の発明は、(1)に記載の発明を実現する装置である。
11)の発明は、(3)ないし(6)に記載の発明を実現する装置である。
熱延鋼板の製造工程を例にとって、金属板の平坦度悪化予測を行い、精整工程への通板可否判定を行った事例を示す。図9は熱延鋼板の製造工程における仕上げ圧延機以降の製造設備概要図である。まず、熱延鋼板6は仕上げ最終前圧延機7を通り、事前に圧延板幅サイズに合わせた開度で待機中のサイドガイド8によってガイドされながら、仕上げ最終圧延機1を経て所定の製造サイズに圧延され、温度計5で幅方向温度分布が測定され、ランアウトテーブル(ROT)2によって通板され、所定の材質に作り込むためにROT冷却装置3によって所定の板温度まで冷却され、コイラー4によってコイル状に巻き取られる。
巻き取る板温度は材質によって色々異なるが100〜750℃まであり、本発明において問題としている平坦度は、このコイル温度が室温まで下がった時点で巻き解くと鋼板センター部には中波、エッジ部には耳波と呼ばれる波状の面外変形を起こした場合である。
この時、圧延機出側、冷却前の温度計5を用いて熱歪、熱応力分布を求め、本モデルに入力し、形状予測を行った。実際に冷間状態で形状を測定したところ、圧延後、冷却前の幅方向に渡る温度分布を残留応力としても、精度良く形状を予測する事が判った。熱間圧延の場合、圧延機によって発生した波形状はコイラー4に巻き取られ際に発生する張力+クリープの効果によって冷却される前に矯正されてしまうため、最終的にはその時点での温度分布が残留応力として発生するものと考えられる。また、鋼種によっては冷却する前に圧延形状が矯正されずに冷間形状に残留する場合がある。このような鋼種の場合は圧延機出側の形状計による測定結果より、幅方向の歪分布に換算し、熱歪と重ね合わせて形状を予測する。これらの予測結果を基にして、実際に精整工程への可否判定を行った。その結果、形状が悪く精整通板が必要なのに形状を良と判定する誤検知率は0%(200コイル中0コイル)であった。
厚板鋼板の製造工程を例にとって、金属板の平坦度悪化予測を行い、精整工程への通板可否判定を行った事例を示す。図10は厚板鋼板の製造工程における仕上げ圧延機以降の製造設備概要図である。まず、厚板鋼板10は仕上げ圧延機11を通り、ホットレベラー12を通り、加速冷却設備13で所定の温度まで水冷却され、冷却床15で空冷される。
この時、圧延機出側、加速冷却前の温度計14を用いて熱歪、熱応力分布を求め、本モデルに入力し、形状予測を行った。実際に冷間状態で形状を測定したところ、圧延後、冷却前の幅方向に渡る温度分布を残留応力としても、精度良く形状を予測する事が判った。厚板圧延の場合、圧延機によって発生した波形状はホットレベラーで矯正される。また加速冷却設備においても構造上、拘束ロール16があるため、加速冷却中の冷却ムラによって形状悪化が起ころうとしても拘束ロールのピッチ以上の座屈は発生せず、ピッチ以下の座屈を発生しようとすると臨界座屈応力が大きくなって、殆どの場合、座屈による波形状変化は発生せず、冷却停止温度にもよるが、殆どの場合、冷却終了時点ではクリープ等の影響で形状は矯正され、冷却ムラによる温度分布がついた状態で加速冷却装置から搬出される。従って最終的にはその時点での温度分布が残留応力として発生するものと考えられる。この予測結果を基にして、実際に精整工程への可否判定を行った。その結果、形状が悪く精整通板が必要なのに形状を良と判定する誤検知率は0%(200コイル中0コイル)であった。
:対象となる波形状を説明した図である。 :座屈モデルの特徴である板幅方向に離散化した変位関数を示した図である :本発明の判定処理アルゴリズムである。 :本発明の複合波を予測する処理アルゴリズムである。 :複合波の発生メカニズムを説明する図((1)の(a)に入力する残留応力分布例)である。 :複合波の発生メカニズムを説明する図(耳波が発生した状況)である。 :複合波の発生メカニズムを説明する図(中波が発生した状況)である。 :複合波の発生メカニズムを説明する図(残留応力は加わった最終状況)である。 :熱延工程において本発明を実施した内容を説明するための工程レイアウト図である。 :厚板工程において本発明を実施した内容を説明するための工程レイアウト図である。 :幅方向温度分布の例を示すである。 :図11の幅方向温度分布から一次成分を差し引いた温度偏差を示すである。
符号の説明
1 仕上げ圧延機 2 ランアウトテーブル
3 ROT冷却装置 4 コイラー
5 温度計 6 熱延鋼板
7 仕上げ前圧延機 8 サイドガイド
10 厚板鋼板 11 仕上げ圧延機
12 ホットレベラー 13 加速冷却設備
14 温度計 15 冷却床
16 拘束ロール

Claims (11)

  1. 以下のステップを有することを特徴とする金属板の波形状予測方法。
    (a)金属板長手方向及び板厚方向に一様な場合の波形状座屈のモデルを、残留応力が幅方向に任意に分布した応力分布でも解析が可能なように、残留応力を板幅方向位置毎に離散化して、幅位置において各要素間の3次式として長手方向には三角関数とした変位関数を組み込んで定式化された座屈方程式を用いて、金属板の幅の拘束条件として金属板エッジを各々片側エッジ部拘束、センター部拘束、両エッジ拘束時の座屈解析を行い、座屈応力の幅方向分布を求め、金属板の長手方向残留応力の幅方向分布と比較して、座屈の判定をするステップ、
    (b)座屈が発生しないと判定する場合は形状が平坦であり、残留応力がそのまま内在するとし、座屈が発生すると判定した場合は、金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から座屈応力の幅方向分布を差し引き、この応力偏差の分布が形状に変換されて開放される波形状変換する応力成分と座屈応力の幅方向分布として求められた座屈後も金属板に残留する応力成分とに分離するステップ、
    (c)前記波形状変換する応力成分を使って、前記開放されようとする応力と座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力または力との偏差を求め、その偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定し、座屈後の波形状予測を行うステップ。
  2. 前記(c)の座屈応力判定ステップにおいて、形状予測を行い、それぞれの拘束時に発生する波形状を求め、次に変位の飛び移り判定を行って、飛び移らないと判定された場合は前記(c)で予測された波形状が相互干渉せずにそのまま予測された波形状となるとし、飛び移ると判定された場合は、各拘束条件での形状を重ね合わせることで、金属板内でピッチや波高さが違う複合波の形状を予測することを特徴とする請求項1に記載の金属板の波形状予測方法。
  3. 前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力分布とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属板の波形状予測方法。
  4. 前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、冷却前及び冷却後の幅方向温度分布に基づく熱応力分布のうち幅方向に一次の成分の20〜100%を差し引いた応力の分布とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属板の波形状予測方法。
  5. 前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布を、圧延および/または矯正時に付与される残留応力分布とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属板の形状予測方法。
  6. 冷却前の金属板形状或いは冷却後の形状を測定し、形状が平坦になったと仮定した場合に得られる伸び歪差あるいは計算によって得られる応力分布を、請求項3ないし請求項5のいずれかで得られた長手方向残留応力の幅方向分布に重ね合わせて、前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属板の形状予測方法。
  7. 結果として求められた幅方向のプロフィールと波ピッチから得られる幾何学的な歪にヤング率を掛けて得られた応力成分の分布を、前記(a)の金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から差し引き、これを座屈後も金属板に残留する応力成分の分布とすることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の金属板の形状予測方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の予測方法によって精整工程での形状矯正を実施するかどうかの可否判定を行い、座屈しないように冷却前及び冷却後の幅方向温度分布を制御することにより、平坦な板を製造することを特徴とする熱間金属板の製造方法。
  9. 精整工程での形状矯正を実施するかどうかの判定として、予測した急峻度で判定することを特徴とする請求項記載の熱間金属板の製造方法。
  10. 以下の手段を有することを特徴とする金属板の波形状予測装置。
    圧延機出側で冷却前の金属板の熱歪及び熱応力分布を測定する温度測定手段、
    金属板長手方向及び板厚方向に一様な場合の波形状座屈のモデルを、残留応力が幅方向に任意に分布した応力分布でも解析が可能なように残留応力を板幅方向位置毎に離散化して、幅位置において各要素間の3次式として長手方向には三角関数とした変位関数を組み込んで定式化された座屈方程式を用いて、前記温度測定手段で測定した熱歪及び熱応力分布に基づいて、金属板の幅の拘束条件として金属板エッジを各々片側エッジ部拘束、センター部拘束、両エッジ拘束時の座屈解析を行い、座屈応力の幅方向分布を求める演算手段、並びに、長手方向残留応力の幅方向分布と比較して座屈を判定する判定手段、
    前記判定手段において座屈が発生しないと判定する場合は形状が平坦であり、残留応力がそのまま内在するとし、座屈が発生すると判定した場合は、前記残留応力を金属板の長手方向残留応力の幅方向分布から座屈応力の幅方向分布を差し引き、この応力偏差の分布が形状に変換されて開放される波形状変換する応力成分と座屈応力の幅方向分布として求められた座屈後も金属板に残留する応力成分とに分離する演算手段、
    前記応力成分を分離する演算手段で求めた前記開放されようとする応力と座屈判定時に波形状の高さを仮定して幾何学的に求められる応力または力との偏差を求め、その偏差の2乗の幅方向での総和が最小となるように波形状高さを決定し、前記波形状変換する応力成分より座屈後の波形状予測を行う演算手段。
  11. 冷却前及び冷却後の幅方向温度分布、圧延および/または矯正によって付与された伸び歪分布、冷却前後の金属板形状から得られる伸び歪差のうち1つまたは2つ以上から、金属板の幅に渡った長手方向の残留応力分布を算出する演算手段を有することを特徴とする請求項10に記載の金属板の波形状予測装置。
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