JP4259182B2 - 生体情報計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧、脈波などの生体情報を計測する生体情報計測装置に関し、詳しくは、主に手首、足首などを圧迫して動脈を阻血するカフ帯に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
近年、健康への意識の高まりから一般家庭に簡便に生体情報を測定できる生体情報計測装置が急速に普及している。この生体情報計測装置としてはたとえば血圧測定装置がある。血圧の測定法にはコロトコフ法、触診法、フラッシュ法、超音波法、オシロメトリック法(カフ振動法)などがあるが、血圧測定装置には一般的に間接的かつ簡便に行えるオシロメトリック法が用いられている。このオシロメトリック法を用いた血圧測定装置は、流体の流出入により膨張・収縮する流体袋の外側に流体袋の膨張を抑制するための弾性体板を備えると共にこれらを外側の布と内側の布とで包んで形成されたカフ帯、流体袋に流体を流出入させるポンプ、動脈の脈波を計測する計測装置を備えて構成されている。この血圧測定装置にて血圧を測定するには、カフ帯を生体の被測定部位に巻き付け、ポンプで流体を流体袋に流入して動脈が完全に閉塞するまで被測定部位を加圧し、その後、徐々に減圧してカフ圧に重畳した動脈の脈波信号を計測装置で捉え、脈波信号の振幅変化を基に最高・最低血圧を判定したり、あるいは一定速度で被測定部位を加圧しながら脈波信号を計測装置で抽出し、最高・最低血圧を判定する。このとき、カフ帯で圧迫する生体の被測定部位としては主に上腕や手首や足首などが挙げられるが、最近では、手首を圧迫するタイプのものが小型で携帯性に優れているために注目されている。
【0003】
ところで、手首30には、図14のように、上腕動脈から分岐した橈骨動脈31と尺骨動脈32のほかに、手甲側に橈骨33、尺骨34が、手掌側に腱35がそれぞれ存在している。橈骨動脈31と尺骨動脈32の周辺部位は柔らかい部位(低硬度圧迫領域36)であり、橈骨33、尺骨34や腱35の周辺部位は硬い部位(高硬度圧迫領域37)である。
【0004】
なお、図15は従来の流体袋2の断面図である。流体袋2は材質としてたとえばウレタンなどが用いられた内側シート11とそれより硬度が高い外側シート12とを熱溶着して形成されている。この流体袋2は、流入口17を介して流体を流出入させることによって膨張・収縮するが、図16に示すように流体袋2の中央部において最も大きく膨らみ、両端へ向かうに従い膨らみは小さくなる性質を有している。そして図17には、この流体袋2の外側に可撓性を有する弾性体板3を固定して形成したカフ帯1を、手首30の手掌側から巻き付けるように装着して加圧した状態を示す。この状態では、流体袋2の最も大きく膨らむ中央部には手首30の腱35などの硬い部位が接して腱35からの反作用により圧迫方向と反対の方向へ膨らむ力が弾性体板3に作用すると共に、橈骨動脈31と尺骨動脈32付近の流体袋2の膨らみは小さく、また、手甲側でも橈骨33、尺骨34の周辺部位でも流体袋2の膨らみが阻害されるのであり、橈骨動脈31及び尺骨動脈32に大きな圧迫を付与できるものではない。このように、橈骨動脈31及び尺骨動脈32を有効に圧迫できないことが、装置の小型化の促進と共に手首用の血圧測定装置の技術課題となっている。
【0005】
橈骨動脈31及び尺骨動脈32を有効に圧迫する技術課題に際し、従来では橈骨動脈31及び尺骨動脈32に接するカフ帯1の部位に複数枚の流体袋2を積層し、局所的にカフ帯1の膨らみを増加させることが行われたり(たとえば特許文献1,2参照)、流体袋2の外側に配設される弾性体板3を手首30の断面にフィットさせ得る形状に形成することなどが行われている(たとえば特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−313805号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2003−24286号公報
【0008】
【特許文献3】
特許第3235602号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者のものは、流体袋2の内容積が増加し、ポンプの流量を多くしなければならないため、ポンプ体積が大きくなり、結果、装置の小型化を阻害してしまう。また、上記後者のものは、依然、橈骨動脈31及び尺骨動脈32の周辺部位の柔らかい部位(低硬度圧迫領域36)よりも、橈骨33や尺骨34や腱35の周辺の硬い部位(高硬度圧迫領域37)ほどカフ帯1による圧迫が大きく行われるものであり、橈骨動脈31及び尺骨動脈32を有効に圧迫する点で充分に機能しないものであった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、装置の小型化を阻害することなく、主要な動脈が内在する被測定部位の柔らかい部位を効率良く局所的に圧迫できる生体情報計測装置を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る生体情報計測装置は、流体の出入りにて膨張・収縮する流体袋2の外側に可撓性を有する弾性体板3を備えてカフ帯1を形成し、このカフ帯1を、主要な動脈が内在する柔らかい部位と主要な動脈が内在しない硬い部位とを有する生体の被測定部位に巻き付けて圧迫し、被測定部位の主要な動脈を阻血して血圧などの生体情報を計測する生体情報計測装置において、被測定部位の硬い部位に接するカフ帯1の領域より被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯1の領域で、被測定部位をより深く押し込むような構造を備え、少なくとも被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯1の領域を含む流体袋2の部位を、カフ帯1の内外方向に伸縮するアコーディオン状に形成したことを特徴とする。
【0012】
これによると、カフ帯1を生体の被測定部位に巻き付けて圧迫したときには、流体袋2に多大な流体を入れるべくポンプ出力を増大させることもなしに、カフ帯1の構造によって主要な動脈が内在する柔らかい部位を局所的に圧迫させることができ、したがって、装置の小型化を阻害することもなく、主要な動脈が内在する被測定部位の柔らかい部位を効率良く局所的に圧迫できる。また少なくとも被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯1の領域を含む流体袋2の部位を、カフ帯1の内外方向に伸縮するアコーディオン状に形成 したことにより、被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯1の領域における流体袋2の伸縮性を大きくでき、伸縮量の大きいカフ帯1の部位で被測定部位の柔らかい部位を効率良く局所的に圧迫できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0014】
図1乃至図4に本発明の基本構成を示す。本発明の生体情報計測装置は手首30の動脈の脈波信号を測定する血圧測定装置Aである。この血圧測定装置Aは、図2のように、手首30に巻いて橈骨動脈31及び尺骨動脈32を圧迫するためのカフ帯1を有し、橈骨動脈31及び尺骨動脈32の脈波を計測する計測装置6をカフ帯1の外側に付設して構成されている。ここで、カフ帯1は、流体の流出入により膨張・収縮する流体袋2を有し、流体袋2の外側への膨張を抑制するための弾性体板3を流体袋2の外側に配置し、これらを外側の布(図示せず)と内側の布(図示せず)とで包んで一体化して構成される。なお、外側の布の外側面にはカフ帯1を手首30に巻くためのバンド4がカフ帯1の長手方向に亙って貼着されており、このバンド4を用いてカフ帯1の内側面を手首30に巻き付け、手首30の断面に沿わせたカフ帯1を面ファスナー5で係着できるようにされている。また、計測装置6には、空気などの流体をチューブ8を介して流体袋2に流入させて加圧するポンプ7、流体袋2内の流体をチューブ8を介して逃がす排気弁9、橈骨動脈31及び尺骨動脈32の脈波を計測する圧力センサ10、圧力センサ10で計測した脈波から算出した血圧値を表示する表示部(図示せず)を備えて構成されている。この血圧測定装置Aで血圧測定を行うには、まず、カフ帯1を手首30に巻き付け、ポンプ7にて流体袋2に流体を送り込み、手首30を所定の圧力に達するまで圧迫し、橈骨動脈31及び尺骨動脈32を阻血する。次に、ポンプ7を停止し一定速度で減圧するように制御された排気弁9を介して流体袋2内の流体を逃し、同時に橈骨動脈31及び尺骨動脈32の脈波を圧力センサ10で捉えることで、血圧値を算出する。
【0015】
流体袋2は、図1のように、たとえばポリウレタンやシリコンなどの可撓性材料で作られた内側シート11と外側シート12とを熱溶着などによって貼り合わせたり、もしくはブロー成形等によって製造される。なお、図中17はポンプ7などから延出されたチューブ8が接続される流体袋2の流入口である。流体袋2は、流体が流入されて膨らんだとき主に内側に膨らむように、内側シート11が外側シート12よりも柔らかくて撓み易いように形成されている。
【0016】
ここで、図14のように、手首30には、上腕動脈から分岐した橈骨動脈31と尺骨動脈32のほかに、橈骨33、尺骨34が、手掌側に腱35がそれぞれ存在しており、橈骨動脈31と尺骨動脈32の周辺部位は柔らかい部位(低硬度圧迫領域36)となり、橈骨33、尺骨34や腱35の周辺部位は硬い部位(高硬度圧迫領域37)となっている。そして、本発明は、被測定部位(手首30)の主要な動脈(橈骨動脈31や尺骨動脈32)が内在する柔らかい部位(低硬度圧迫領域36)、被測定部位(手首30)の主要な動脈(橈骨動脈31や尺骨動脈32)が内在しない硬い部位(高硬度圧迫領域37)に鑑み、低硬度圧迫領域36に接する領域には低硬度組織圧迫用シート13を配置し、高硬度圧迫領域37に接する領域には高硬度組織圧迫用シート14を配置することで、流体袋2の内側シート11を構成し、低硬度組織圧迫用シート13のストローク(伸縮量)を高硬度組織圧迫用シート14にくらべて大きくしたことにある。
【0017】
本例では、低硬度組織圧迫用シート13はゴム硬度70度のウレタンシートで構成され、高硬度組織圧迫用シート14はゴム硬度80度のウレタンシートで構成されており、これらを熱溶着などで貼り合わせることで内側シート11が形成されている。なお、外側シート12はゴム硬度90度のウレタンシートで構成されている。
【0018】
しかして、本例の流体袋2では、その内部に流入口17を介して流体を送り込み加圧すると、図3に示すように.ゴム硬度が低い低硬度組織圧迫用シート13は伸展性が高いためストローク(伸縮量)が大きく、一方ゴム硬摩が高い高硬度組織圧迫用シート14では伸展性が低いためストローク(伸縮量)が小さくなるような膨らみ方になる。したがって、この流体袋2を有したカフ帯1を手首30に周回させ、外側を面ファスナー5で係着して加圧すると、図4に示すように、橈骨33、尺骨34、腱35付近の高硬度圧迫領域37では高硬度組織圧迫用シート14によって圧迫が小さく行われ、橈骨動脈31、尺骨動脈32付近の低硬度圧迫領域36では低硬度組織圧迫用シート13によって圧迫が大きく行われるようになり、そのため橈骨動脈31、尺骨動脈32を効率良く圧迫することができるのである。なお、このように橈骨動脈31、尺骨動脈32を効率良く圧迫させるのに、流体袋2の内側シート11を低硬度組織圧迫用シート13と高硬度組織圧迫用シート14とで構成したことで行わせているので、特に流体袋2に多大な流体を流入させる必要もなく、したがってポンプ出力の増大を回避できて装置の小型化を阻害することもないといった利点もある。
【0019】
本例について更に言うと、バンド4がゆる巻きの場合も圧迫位置ズレが起こりにくくなるため、血圧測定値の精度も良くなる。なお、本例では高硬度組織圧迫用シート14は複数箇所に設けられておりこれらのゴム硬度は同一としているが、低硬度組織圧迫用シート13より硬度が高ければ、各所でゴム硬度が異なっていても構わない。また、低硬度組織圧迫用シート13と高硬度組織圧迫用シート14の接合は熱溶着に限らず、接着剤などにより接着されていても良い。また、低硬度組織圧迫用シート13、高硬度組織圧迫用シート14の材質も、ウレタンに限らずシリコンや塩化ビニールなどでも可能であり、さらにこれらの複合材料によりゴム硬度が異なるように構成できる場合も本例と同様である。
【0020】
以下、本発明の基本構成の他例を列挙する。これらの例においては、先の血圧測定装置Aの基本構成を踏襲しており、カフ帯1の流体袋2の構成につき異なる。しかして、先の基本構成の例と同様部位には、同符号を付して説明を省略し、相違する部位につき説明する。
【0021】
図5に示す基本構成の他例は、流体袋2の内側シート11の材質・ゴム硬度が同じであり、低硬度組織圧迫用シート13、高硬度組織圧迫用シート14での厚さが異なっている点で、先の例と異なる。つまり、本例では、内側シート11の低硬度組織圧迫用シート13及び高硬度組織圧迫用シート14のゴム硬度はいずれも70度であり、高硬度組織圧迫用シート14の厚さは0.2mm、低硬度組織圧迫用シート13の厚さは.0.1mmになるように構成されている。しかして、本例の流体袋2を加圧した場合も、図3と同様に、低硬度組織圧迫用シート13のストローク(伸縮量)が最も大きくなるように膨らむ。したがって、この流体袋2を有したカフ帯1を手首30に周回させ、外側を面ファスナー5で係着し、加圧すると、高硬度圧迫領域37では高硬度組織圧迫用シート14によって圧迫が小さく行われ、低硬度圧迫領域36では低硬度組織圧迫用シート13によって圧迫が大きく行われるようになり、そのため、橈骨動脈31、尺骨動脈32を効率良く圧迫することができる。なお、本例では、ゴム硬度が同一であるため製法の面でも容易であるといった利点も有している。
【0022】
図6,7には基本構成のさらに他例を示す。一般に、手首30は長手方向にテーパ形状を呈し、図7(a)のように、心臓から遠い側(末梢側厚さa)に比べて心臓に近い側(中枢側厚さb)のほうが筋肉組織が厚いため、橈骨動脈31、尺骨動脈32の皮膚表面からの深さは中枢側へ向かうに従い深くなっている。本例は、腕の長手方向における橈骨動脈31や尺骨動脈32の皮膚からの深さに鑑みて、低硬度組織圧迫用シート13の部位によって膨張・収縮によるストローク(伸縮量)に変化をつけたことに特徴を有している。つまり、図6に示すように、流体袋2の内側シート11における低硬度組織圧迫用シート13を、中枢側部位13aと、末梢側部位13bに分割し、中枢側部位13aの硬度をたとえば65度、末梢側部位13bの硬度をたとえば70度にしている。すると、図7(b)に示すように、流体袋2に流体を流入させたときには、流体袋2の内側シート11における低硬度組織圧迫用シート13において、中枢側部位13aが末梢側部位13bに比べてより大きく膨らむようになる。したがって、この流体袋2を有したカフ帯1を手首30に周回させ、外側を面ファスナー5で係着し、加圧すると、皮膚から深い位置に内在する橈骨動脈31、尺骨動脈32にも中枢側部位13aによって流体袋2による圧迫を有効に働かせることができ、橈骨動脈31、尺骨動脈32を効率良く圧迫することができる。
【0023】
なお、本例では、低硬度組織圧迫用シート13を硬度の異なる2段階に分割したが、3分割以上に分割することで、より一層橈骨動脈31や尺骨動脈32の皮膚表面からの深さに適合させた効率の良い圧迫を行うことができる。また、本例では、低硬度組織圧迫用シート13をゴム硬度の違いにより分割したが、図5の例のようにシートの厚みの違いによって分割しても同様の効果が得られる。
【0024】
図8,9には基本構成のさらに他例を示す。本例の流体袋2は、橈骨動脈31を圧迫するための流体袋2aと、尺骨動脈32を圧迫するための流体袋2bとに分割され、流体袋2aと流体袋2bとが接続用チューブ16と溶着あるいは接着により接続されている。接続用チューブ16はたとえば高硬度ウレタンで構成され、接続用チューブ16の内部にはポンプ7からの流体を流体袋2aと流体袋2bに配送する袋連通用流路18が形成されている。流体袋2a,2bの内側シート11はそれぞれ、低硬度組織圧迫用シート13と高硬度組織圧迫用シート14とを熱溶着などして形成されている。そして、この流体袋2を有したカフ帯1を手首30に周回させ、外側を面ファスナー5で係着して加圧すると、図9に示すように、腱35付近の高硬度圧迫領域37には接続用チューブ16が、橈骨33付近の高硬度圧迫領域37には流体袋2aの高硬度組織圧迫用シート14が、尺骨34付近の高硬度圧迫領域37には流体袋2bの高硬度組織圧迫用シート14が、橈骨動脈31付近の低硬度圧迫領域36には流体袋2aの低硬度組織圧迫用シート13が、尺骨動脈32付近の低硬度圧迫領域36には流体袋2bの低硬度組織圧迫用シート13がそれぞれ位置するので、高硬度圧迫領域37に位置した流体袋2のストローク(伸縮量)は小さい一方、低硬度圧迫領域36に位置した流体袋2のストローク(伸縮量)は大きくなり、したがって橈骨動脈31及び尺骨動脈32を効率良く圧迫することができる。特に本例では、腱35付近の高硬度圧迫領域37には接続用チューブ16が位置しているから、この部位でのカフ帯1の手首30への圧迫は比較的緩いものとなり、つまり、カフ帯1による圧迫を高硬度圧迫領域37と低硬度圧迫領域36との間でメリハリを大きくつけることができ、低硬度圧迫領域36をより効率良く局所的に圧迫することを可能としている。
【0025】
また、本例は、上記のように、カフ帯1による圧迫を高硬度圧迫領域37と低硬度圧迫領域36との間でメリハリをつけて低硬度圧迫領域36を効率良く局所的に圧迫できるものであるが、これに加え、腱35付近の高硬度圧迫領域37に流体袋2を配置しないことで流体袋2の全体の内容積が小さくされており、ポンプ7の小型化を促して装置の小型化を図ることができると共に、流体袋2の膨縮のスピードが向上して装置の機能向上を図ることができるといった利点をも有している。なお、袋連通用流路18の断面積を流体袋2の断面積に比べて小さく形成したことも好ましく、これによると、上述した作用効果を一層効果的にすることができる。また、本例についても、図6,7の例のように手首30に内在する橈骨動脈31や尺骨動脈32の皮膚からの深さに応じ、カフ帯1の中枢側から末梢側にかけて、低硬度組織圧迫用シート13の硬度を低くしたり厚みを薄くしたりして、複数部位に分割してもよい。
【0026】
図10、11には基本構成のさらに他例を示す。一般に、尺骨動脈32は橈骨動脈31に比べて手首30の表面から深い位置にある。本例では、各動脈31,32の皮膚からの深さに鑑みて、流体袋2の内側シート11における低硬度組織圧迫用シート13のうち、橈骨動脈31を圧迫するための低硬度組織圧迫用シート13に比べ、尺骨動脈32を圧迫するための低硬度組織圧迫用シート13の伸縮量が大きくなるように形成されている。具体的には、低硬度組織圧迫用シート13の硬度を低硬度組織圧迫用シート13より低く形成している。しかして、この流体袋2を有したカフ帯1を手首30に周回させ、外側を面ファスナー5で係着して加圧すると、図11に示すように、流体袋2の低硬度組織圧迫用シート13による圧迫が流体袋2の低硬度組織圧迫用シート13による圧迫に比べて大きくなされ、皮膚から深い位置にある尺骨動脈32にも流体袋2による圧迫を有効に働かせることができるのである。なお、図8の例の流体袋2bを流体袋2aよりも伸縮量が大きくなるように形成しても、本例同様の効果が得られる。
【0027】
図12には本発明の実施の形態を示す。流体袋2は橈骨動脈31を圧迫する流体袋2aと尺骨動脈32を圧迫する流体袋2bとに分割され、流体袋2a,2bはそれぞれ手首30の圧迫方向に積層されたアコーディオン状に形成されており、生体から最も離れた層が相互に連通されている。なお、流体袋2aと流体袋2bの内側シート11は、低硬度組織圧迫用シート13及び高硬度組織圧迫用シート14にて構成されている。手首30の圧迫方向に積層するようなアコーディオン状に形成された流体袋2a,2bは、手首30の圧迫方向へのストローク(伸縮量)を大きくできることから、流体袋2による手首30への圧迫をより深く行うことができる。
【0028】
図13には実施の形態のさらに他例を示す。この例は、流体袋2のうち低硬度圧迫領域36を圧迫する低硬度組織圧迫用シート13の部位を、それぞれ手首30の圧迫方向に積層されたアコーディオン状に形成した例である。これによると、流体袋2のうち低硬度圧迫領域36を圧迫する部位がアコーディオン状に形成されたことで、手首30の圧迫方向へのストローク(伸縮量)を大きくできる作用効果と、低硬度組織圧迫用シート13のストローク(伸縮量)が高硬度組織圧迫用シート14よりも大きくされた作用効果とを相乗させることができ、橈骨動脈31、尺骨動脈32を深くかつ効率良く圧迫できる。また、図13の例では、低硬度組織圧迫用シート13と高硬度組織圧迫用シート14とのゴム硬度や厚みを略同様にしても、低硬度組織圧迫用シート13の部位がアコーディオン状に形成されたことで、手首30の圧迫方向へのストローク(伸縮量)を大きくできるので、上記橈骨動脈31及び尺骨動脈32を深くかつ効率良く圧迫できる効果は同様に得られる。この場合は製造が一層容易である。なお、図11〜13の例の流体袋2のアコーディオン状の部位にあっては、これに代えて、薄型の複数枚の流体袋2を積層させて構成させてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態の諸例においては、被測定部位を手首30とした生体情報測定装置(血圧測定装置A)を例に挙げて説明したが、被測定部位としては手首30に限られず、上腕部、足首部、大腿部や指などにおいても本装置を適用できることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、カフ帯を生体の被測定部位に巻き付けて圧迫したときには、流体袋に多大な流体を入れるべくポンプ出力を増大させることもなしに、カフ帯の構造によって主要な動脈が内在する柔らかい部位を局所的に圧迫できるのであり、したがって、装置の小型化を阻害することもなく、主要な動脈が内在する被測定部位の柔らかい部位を効率良く局所的に圧迫できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図2】 同上の血圧測定装置を手首に装着した状態を概略的に示す正面断面図である。
【図3】 同上の流体袋の膨らみ具合を説明する流体袋の正面図である。
【図4】 同上のカフ帯の手首への圧迫具合を説明する説明図である。
【図5】 本発明の基本構成の他例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図6】 本発明の基本構成の更に他例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図7】 (a)は腕の構造について説明する説明図であり、(b)は同上の流体袋の膨らみ具合を説明する流体袋の側面図である。
【図8】 本発明の基本構成の更に他例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図9】 同上のカフ帯の手首の圧迫具合を説明する説明図である。
【図10】 本発明の基本構成の更に他例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図11】 同上のカフ帯の手首の圧迫具合を説明する説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図13】 本発明の実施の形態の更に他例における流体袋であり、(a)は正面図であり、(b)は下面図である。
【図14】 手首の構造を説明する手首の概略断面図である。
【図15】 従来技術の例を示す流体袋の正面図である。
【図16】 同上の流体袋の膨らみ具合を説明する流体袋の正面図である。
【図17】 同上のカフ帯の手首の圧迫具合を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 カフ帯
2 流体袋
3 弾性体板
11 内側シート
13 低硬度組織圧迫用シート
14 高硬度組織圧迫用シート
A 血圧測定装置
Claims (1)
- 流体の出入りにて膨張・収縮する流体袋の外側に可撓性を有する弾性体板を備えてカフ帯を形成し、このカフ帯を、主要な動脈が内在する柔らかい部位と主要な動脈が内在しない硬い部位とを有する生体の被測定部位に巻き付けて圧迫し、被測定部位の主要な動脈を阻血して血圧などの生体情報を計測する生体情報計測装置において、被測定部位の硬い部位に接するカフ帯の領域より被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯の領域で、被測定部位をより深く押し込むような構造を備え、少なくとも被測定部位の柔らかい部位に接するカフ帯の領域を含む流体袋の部位を、カフ帯の内外方向に伸縮するアコーディオン状に形成したことを特徴とする生体情報計測装置。
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