JP4254341B2 - 金属管製造装置および金属管の肉厚制御方法 - Google Patents

金属管製造装置および金属管の肉厚制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向における肉厚分布の均一化を目的とした金属管、例えば鋼管の製造装置及び製造時における金属管の肉厚制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼管の長手方向(以下、単に「長手方向」という。)における肉厚分布を均一化することは近年の寸法精度に対するユーザ要求の高まりに応えるための必須条件である。そのために、多くのプロセスでは仕上げ圧延機の出側に肉厚計を配し、長手方向の肉厚分布を監視している。しかしながら、あくまで監視目的の使用が主であり、肉厚分布測定に基づいた仕上げ圧延機の設定変更による自動肉厚制御技術は、いまだに確立されていない。
【0003】
例えば仕上げ圧延機入側の長手方向肉厚分布を測定し、その肉厚偏差に応じてロール回転数パターンを変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−126805号公報(第2頁、図1)
【0005】
また、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布を測定し、管端部の厚肉化を解消するように、管端部が通過する際のスタンド間張力を増加する方向にダイナミックに回転数補正を加える技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献2】
特開平7−246414号公報(第3頁、図1)
【0007】
また、仕上げ圧延機出側の肉厚を測定し、定常部肉厚が目標肉厚になるようにロール回転数のパターンを変更する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献3】
特開平4−238608号公報(第2頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、仕上げ圧延機入側の長手方向肉厚分布しか測定しないため、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布が均一化できなかった場合に、更なる仕上げ圧延機の設定変更は行われず、結果として長手方向肉厚分布の均一化が図れないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載された技術では、管端部の通過タイミングを正確に捉え、非定常状態の圧延現象を制御する必要があるので、高い肉厚精度を得ることは容易ではない。
【0011】
また、特許文献3に記載された技術では、定常部肉厚が目標肉厚になるように長手方向にかかる張力を変更するため、管端の厚肉化現象で、長手方向に均一な肉厚分布が得られないという問題点がある。
【0012】
また、これらの技術は、何れも仕上げ圧延機(例えば、ストレッチレデューサミルやサイザミル)が前段の延伸圧延機(例えば、マンドレルミル)と直結されている場合を想定していないため、圧延機間の張力バランスの影響で長手方向肉厚分布が変化した場合への対応策が示されていないという共通の問題点がある。
【0013】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、管端部の通過タイミング精度に依存することなく、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布の不均一を解決すること、及び、仕上げ圧延機を前段の延伸圧延機と直結配置した場合への対応を可能とした金属管製造装置及び金属管の肉厚制御方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る金属管製造装置は、各ロールの回転数を制御可能な仕上げ圧延機と、該仕上げ圧延機から出た金属管の長手方向における所定位置での肉厚を測定可能な肉厚計と、該肉厚計の出力に基づき金属管の先端部分、中央部分及び後端部分の各肉厚を計算する第1の演算手段と、該第1の演算手段によって計算された前記各肉厚に基づき前記先端部分と中央部分の肉厚差及び後端部分と中央部分の肉厚差を計算する第2の演算手段と、該第2の演算手段で計算された前記各肉厚差の正負と、前記各肉厚差が予め設定された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、許容範囲外の場合は、前記測定された肉厚分布パターンと、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状、先端部が後端部に比べて薄肉、先端部が後端部に比べて厚肉の肉厚分布パターンを比較し、前記測定された肉厚分布パターンが前記予め類型化したうちのどの肉厚分布パターンに合致するのかを選択する比較・選択手段と、該比較・選択手段により選択した前記肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように、前記先端部が薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、前記先端部が厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を制御する制御手段と、を有することとしている。
【0015】
そして、このようにすることで、測定された金属管の肉厚の長手方向分布を、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状、先端部が後端部に比べて薄肉、先端部が後端部に比べて厚肉の肉厚分布パターンと比較し、次圧延材の仕上げ圧延時、 (1) 前記測定された肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように修正したり、(2)前記 (1) に加えて更に、前記先端部が薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、前記先端部が厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を修正する方法を、前記測定された肉厚分布パターンに応じて択することで、管端部の通過タイミング精度に依存することなく、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布不均一を解決でき、仕上げ圧延機を前段の延伸圧延機と直結配置した場合への対応も可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
仕上げ圧延機の回転数修正により、長手方向肉厚分布の改善は可能である(但し、張力付与の困難な両管端の最先端部は除く。)。しかしながら、多くの場合、オペレータが出側肉厚計実績から回転数補正の方向を見極めて、必要なスタンドの回転数を手動で調整している(オペレータ自身の経験、感覚に基づいて回転数調整量を決定する。)。
【0017】
従って、自動的に長手方向肉厚分布を検知し、仕上げ圧延機の設定を変更して肉厚分布を均一化できれば、品質安定化、オペレータ負荷軽減といったメリットが得られる。
【0018】
この際、前記肉厚計で検知すべき長手方向分布は最終製品のものであり、この長手方向肉厚分布を検知するに際し、前述の特許文献1のように仕上げ圧延機の入側に配置した肉厚計を利用するのみでは、最終製品の肉厚分布の均一化が保証されないことから、本発明者は、仕上げ圧延機の出側に配置した肉厚計で計測される長手方向肉厚分布を活用することが必須であると考えた。
【0019】
また、前述の特許文献2のように仕上げ圧延機の設定変更に際し、管端部のみに適用するロール回転数のダイナミック制御では、回転数の変更率・補正使用スタンド数・補正開始終了タイミング等、設定変更の自由度が高い反面、設定条件の安定化に試行錯誤を含めて多大な工数を要する。
【0020】
そこで、回転数設定の変更手段として、本発明者は、仕上げ圧延機の肉厚分布パターンに応じてセットアップ回転数のパターンを変更・修正することを考えた。但し、適切な回転数パターンを選択するためには、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布パターンを類型化し、肉厚分布を悪化させている要因を正確に把握する必要がある。
【0021】
また、前段の延伸圧延機と仕上げ圧延機を直結配置した場合には、両圧延機間の張力変動が肉厚分布に影響するので、張力変動を抑制するように仕上げ圧延機の回転数設定(延伸圧延機との相対速度、全体のレベル)を変更することが肉厚分布の均一化に有効であることを、本発明者は知見した。
【0022】
以上の知見に基づき、数多くの実機データを解析、対応策を検討した結果、先後端の肉厚変動の組合せから肉厚分布の変動要因を特定できることが判明した。
この手法を用いれば、肉厚分布の形態に応じて、仕上げ圧延機の回転数パターンを変更すべきか、延伸圧延機との相対速度差を調整すべきかを判断することができる。
【0023】
例えば、図4(a)に示したように、鋼管の長手方向に亘って全体的に凸状の肉厚分布なら、図4(b)に示したように、仕上げ圧延機内の張力を先頭の第1スタンドから最終の第nスタンドに向けて上げる方向に、すなわち最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるような設定パターンになるように、各スタンドの回転数パターンを変更する。反対に、図5(a)に示したような全体的に凹状の肉厚分布なら、図5(b)に示したように仕上げ圧延機内の張力を下げる方向に、すなわち最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるような設定パターンになるように、各スタンドの回転数パターンを変更する。
【0024】
また、図6(a)に示したように管先端部が管後端部に比べて薄肉になっている場合は、延伸圧延機と仕上げ圧延機間で張力が働いているので、図6(b)に示したように仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に各スタンドの回転数パターンを変更する。反対に、図7(a)に示したように管先端部が管後端部に比べて厚肉になっている場合は、延伸圧延機と仕上げ圧延機間で圧縮力が働いているので、図7(b)に示したように仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に各スタンドの回転数パターンを変更する。これらの判定の最適な組合せにより、長手方向の肉厚分布を均一化することができた。
【0025】
なお、圧延機間の張力変動の抑制には、圧延機間に材料速度計を設置して、その速度が一定速度となるように制御する方式も可能であるが、本発明では、速度実績ではなく、速度変動の結果として現れる仕上げ圧延機出側における肉厚分布のばらつきに着目して、仕上げ圧延機の速度設定を変更することにした。また、回転数設定に際しては、本発明では、肉厚計で測定した肉厚分布から先後端の肉厚変動を算出し、その組合せに応じて、予め用意しておく回転数パターンを選択する形式にした。
【0026】
本発明は、本発明者の上記の知見や、この知見に基づく数多くの実機データの解析を検討した結果よりなされたものである。
すなわち、本発明に係る金属管製造装置は、各ロールの回転数を制御可能な仕上げ圧延機と、該仕上げ圧延機から出た金属管の長手方向における所定位置での肉厚を測定可能な肉厚計と、該肉厚計の出力に基づき金属管の先端部分、中央部分及び後端部分の各肉厚を計算する第1の演算手段と、該第1の演算手段によって計算された前記各肉厚に基づき前記先端部分と中央部分の肉厚差及び後端部分と中央部分の肉厚差を計算する第2の演算手段と、該第2の演算手段で計算された前記各肉厚差の正負と、前記各肉厚差が予め設定された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、許容範囲外の場合は、前記測定された肉厚分布パターンと、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状、先端部が後端部に比べて薄肉、先端部が後端部に比べて厚肉の肉厚分布パターンを比較し、前記測定された肉厚分布パターンが前記予め類型化したうちのどの肉厚分布パターンに合致するのかを選択する比較・選択手段と、該比較・選択手段により選択した前記肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように、前記先端部が薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、前記先端部が厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を制御する制御手段と、を有するものである。
【0027】
本発明に係る金属管製造装置を使用すれば、仕上げ圧延機の出側に設置した肉厚計によって測定された肉厚の長手方向分布を、例えば前述したような予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状の肉厚分布パターンと比較し、次圧延材の仕上げ圧延時、前記測定された肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように各スタンドの回転数を修正する方法を、前記測定された肉厚分布パターンに応じて選択することにより行うことで、また、延伸圧延機と仕上げ圧延機が直列に配置されている場合には、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように、先端部が後端部に比べて薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、先端部が後端部に比べて厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を修正する方法を、前記測定された肉厚分布パターンに応じて選択することにより、管端部の通過タイミング精度に依存することなく、仕上げ圧延機出側の長手方向肉厚分布不均一を解決でき、仕上げ圧延機を前段の延伸圧延機と直結配置した場合への対応も可能になる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を図1〜図11に示す鋼管を製造する場合の実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の鋼管製造装置の設備構成を示した図、図2は本発明の肉厚制御方法において、肉厚分布パターンを分類するための、先後端部及び定常部の平均肉厚を算出する方法を示す図、図3〜図7は本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターンと回転数変更パターンの対応を示す図、図8は本発明の肉厚制御方法の一例を示すフローチャート、図9は仕上げ圧延機の回転数比補正量と後端部肉厚変動量の関係、全体速度補正量と先端部肉厚変動量の関係の一例を示す図、図10は鋼管の長手方向肉厚分布の評価方法を示す図、図11は本発明の肉厚制御の効果を示す図である。
【0029】
図1において、1は例えば延伸圧延機2と直列に配置され、入側から第1スタンド〜第nスタンドのnスタンドを有し、各スタンドにおけるロール1aの回転数を制御可能な仕上げ圧延機であり、その出側に肉厚計3を配置し、仕上げ圧延機1から出た鋼管Pの長手方向における所定位置での肉厚を測定している(図8の#1参照)。
【0030】
この長手方向における所定位置は、予め設定された位置の肉厚を測定するものでも、また、所定の時間或いは間隔毎に肉厚を測定し、その中から定められた点を選択するものでも、また、前記複数の測定点から所定の測定点を選択し、例えば平均値を採る等の演算を施して肉厚とするもの等でも良い。また、長手方向であれば、鋼管の周方向の同一線上の点でなくても良い。
【0031】
4aは第1の演算手段であり、前記肉厚計3の出力に基づき、鋼管Pの先端部分(例えば全長に対して先端側の25%の部分)、中央部分(例えば全長に対して先後端を除いた50%の部分)及び後端部分(例えば全長に対して後端側の25%の部分)の各平均肉厚WTtop 、WTmid 、WTbot (図2参照)を計算する。なお、先後端部の全長に対する比率は25%に限るものではなく、鋼管製造設備や鋼管の長さによって適正値が異なることは言うまでもない。
【0032】
また、4bは第2の演算手段であり、前記第1の演算手段4aによって計算された前記各平均肉厚WTtop 、WTmid 、WTbot に基づき、前記先端部分と中央部分の肉厚差ΔWTtop (=WTtop −WTmid )及び後端部分と中央部分の肉厚差ΔWTbot (=WTbot −WTmid )を計算する。
図1に示した実施例では、これらの第1の演算手段4aでの計算と第2の演算手段4bでの計算を同一の演算装置4によって行わせるものを示している。
【0033】
5は判断手段であり、例えば前記第2の演算手段4bで計算された前記各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot の正負と、これらの各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot が予め設定された許容範囲内か否かを判断する(図8の#2参照)。この各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot の許容範囲は、鋼管Pの外径等により変化させてもよい。
【0034】
そして、前記各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot が、図3(a)に示したように、許容範囲内である場合には、判断手段5は、図3(b)に示したような標準の回転数設定パターンを継続すべく、制御手段6に出力する(図8の#3参照)。
【0035】
一方、前記各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot が許容範囲を外れた場合は、判断手段5は、前記各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot の正負を制御手段6に、また、前記測定された例えば図2に細線で示したような肉厚分布の出力パターンを比較・選択手段7に出力し(図8の#4参照)、比較・選択手段7は、前記判断手段5から出力された測定肉厚分布の出力パターンを、予め類型化した肉厚分布パターンと比較し、何れの肉厚分布パターンに合致するのかを選択する。
【0036】
例えば、比較・選択手段7では、先ず入力された肉厚分布の出力パターンが全体的に凸状の肉厚分布に合致するか否かを判断する(図8の#5参照)。そして、全体的に凸状の肉厚分布に合致すると判断した場合には、この肉厚分布を選択し、制御手段6に出力する。
【0037】
一方、全体的に凸状の肉厚分布に合致しないと判断した場合には、比較・選択手段7は、次に全体的に凹状の肉厚分布に合致するか否かを判断する(図8の#7参照)。そして、全体的に凹状の肉厚分布に合致するか否かを判断し、その判断結果を制御手段6に出力する。
【0038】
次に、比較・選択手段7は、入力された肉厚分布の出力パターンが、管先端部が管後端部に比べて薄肉の肉厚分布に合致するか否かを判断する(図8の#9参照)。そして、管先端部が管後端部に比べて薄肉の肉厚分布に合致すると判断した場合には、この肉厚分布を選択し、制御手段6に出力する。
【0039】
一方、管先端部が管後端部に比べて薄肉の肉厚分布に合致しないと判断した場合には、比較・選択手段7は、次に管先端部が管後端部に比べて厚肉の肉厚分布に合致するか否かを判断する(図8の#11参照)。そして、管先端部が管後端部に比べて厚肉の肉厚分布に合致するか否かを判断し、その判断結果を制御手段6に出力する。
【0040】
制御手段6は、前記判断手段5からの各肉厚差ΔWTtop 、ΔWTbot の正負と、前記比較・選択手段7からの前記出力信号を受けて、選択された肉厚分布パターンに応じて以下の▲1▼〜▲4▼の何れか一つ、或いは、▲1▼▲2▼の何れか一方と▲3▼▲4▼の何れか一方の両者を選択し、各スタンドの回転数パターンを変更する(図8の#13参照)。
【0041】
▲1▼ 図4(b)に示したような、最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させて、勾配を増加させるような設定パターンになるように、各スタンドの回転数パターンを変更する(図8の#6参照)。
【0042】
▲2▼ 図5(b)に示したような、最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させて、勾配を減少させるような設定パターンになるように、各スタンドの回転数パターンを変更する(図8の#8参照)。
【0043】
▲3▼ 図6(b)に示したような、延伸圧延機2と仕上げ圧延機1間の張力を下げる方向に、すなわち全体速度を低下させるように、仕上げ圧延機1の各スタンドの回転数パターンを変更する(図8の#10参照)。
【0044】
▲4▼ 図7(b)に示したような、延伸圧延機2と仕上げ圧延機1間の張力を上げる方向に、すなわち全体速度を増加させるように、仕上げ圧延機1の各スタンドの回転数パターンを変更する(図8の#12参照)。
【0045】
上記の回転数パターンの変更には、例えば実機データに基づいて算出した影響係数を採用すればよい。例えば図9(a)は回転数比補正量と後端部肉厚の変動量の関係の一例を示した図、図9(b)は全体速度補正量と先端部肉厚変動量の関係の一例を示した図である。
【0046】
このように、各スタンドの回転数パターンの変更値は、予め類型化した肉厚分布パターンに応じて予め設定しておくものであるが、その値は鋼管Pの外径、品種等により複数種類設定しても良い。そして、この各スタンドの回転数パターンの変更値は、一度鋼管Pの肉厚を測定し、仕上げ圧延機のロール回転数を変化させ、その後の肉厚の変化をフィードバックして修正しても良い。
【0047】
次に、本発明の効果を確認するために行った、実験結果について説明する。
仕上げ外径が200mmで、肉厚が18mm、20mm、26mm、30mmの4種類の鋼管を、図1で説明した設備構成の本発明製造装置を用いて製造した。各肉厚の1本目(各サイズの最初の1本目の圧延)は、本発明による回転数補正は加えず、仕上げ圧延機における各スタンドの回転数は標準設定で製造した。つまり、従来方法で製造した場合と同様である。
【0048】
そして、各肉厚の2本目以降の圧延は、各肉厚の1本目の圧延における長手方向肉厚分布パターンに基づいて前述の本発明方法により回転数補正パターンを選択し、仕上げ圧延機の回転数を変更して製造した。
【0049】
鋼管の長手方向肉厚分布は、前述の図2の細線と同様に検出されるが、制御精度の評価としては、管先後端部における最大肉厚Maxと最小肉厚Minの差を用い、それが小さいほど良好であると判断できる(図10参照)。
【0050】
本実験では、図10に示した管先後端部における最大肉厚Maxと最小肉厚Minの差の許容範囲を0.4mmに設定して制御効果を検証した。
【0051】
図11に、本実験によって製造した4種類の鋼管の、管先後端部における最大肉厚Maxと最小肉厚Minの差を示す。従来技術で製造した場合と同様の肉厚精度であるサイズ替わり1本目(図11の横軸に括弧1で示す。)と比較して、本発明を適用した各2本目以降は、管先後端部における最大肉厚Maxと最小肉厚Minの差が小さく、長手方向の肉厚分布が均一化されていることが判る。特に、本発明の適用後、2〜3本目以降は、前記最大肉厚Maxと最小肉厚Minの差が制御目標である0.4mm以内に略入っていた。なお、本実験では、製管オペレータは仕上げ圧延機回転数に対する手動修正は行っておらず、オペレータ工数の低減も図れた。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、設備配置の位置関係や管端部のトラッキング性能に依存することなく、製造した金属管の長手方向の肉厚分布を可及的に均一化することができる。また、仕上げ圧延機を前段の延伸圧延機と直結配置した場合への対応も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼管製造装置の設備構成を示した図である。
【図2】本発明の肉厚制御方法において、肉厚分布パターンを分類するための、先後端部及び定常部の平均肉厚を算出する方法を示す図である。
【図3】本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターン((a)図)と回転数変更パターン((b)図)の対応を示す図で、肉厚分布パターンが正常な場合を示した図である。
【図4】本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターン((a)図)と回転数変更パターン((b)図)の対応を示す図で、肉厚分布パターンが全体的に凸状の場合を示した図である。
【図5】本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターン((a)図)と回転数変更パターン((b)図)の対応を示す図で、肉厚分布パターンが全体的に凹状の場合を示した図である。
【図6】本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターン((a)図)と回転数変更パターン((b)図)の対応を示す図で、先端部が薄肉の肉厚分布パターンの場合を示した図である。
【図7】本発明の肉厚制御方法において、回転数変更パターンを選択するための、肉厚分布パターン((a)図)と回転数変更パターン((b)図)の対応を示す図で、先端部が厚肉の肉厚分布パターンの場合を示した図である。
【図8】本発明の肉厚制御方法において、回転数設定変更有無及び変更パターンの選択を決定するために使用したフローチャートである。
【図9】仕上げ圧延機の回転数比補正量と後端部肉厚変動量の関係、全体速度補正量と先端部肉厚変動量の関係の一例を示す図である。
【図10】鋼管の長手方向肉厚分布の評価方法を示す図である。
【図11】本発明の肉厚制御の効果を示す、長手方向肉厚分布の変化量実績を示す図である。
【符号の説明】
1 仕上げ圧延機
1a ロール
2 延伸圧延機
3 肉厚計
4 演算装置
4a 第1の演算手段
4b 第2の演算手段
5 判断手段
6 制御手段
7 比較・選択手段
P 鋼管

Claims (3)

  1. 各ロールの回転数を制御可能な仕上げ圧延機と、
    該仕上げ圧延機から出た金属管の長手方向における所定位置での肉厚を測定可能な肉厚計と、
    該肉厚計の出力に基づき金属管の先端部分、中央部分及び後端部分の各肉厚を計算する第1の演算手段と、
    該第1の演算手段によって計算された前記各肉厚に基づき前記先端部分と中央部分の肉厚差及び後端部分と中央部分の肉厚差を計算する第2の演算手段と、
    該第2の演算手段で計算された前記各肉厚差の正負と、前記各肉厚差が予め設定された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、
    許容範囲外の場合は、前記測定された肉厚分布パターンと、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状、先端部が後端部に比べて薄肉、先端部が後端部に比べて厚肉の肉厚分布パターンを比較し、前記測定された肉厚分布パターンが前記予め類型化したうちのどの肉厚分布パターンに合致するのかを選択する比較・選択手段と、
    該比較・選択手段により選択した前記肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように、前記先端部が薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、前記先端部が厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする金属管製造装置。
  2. 金属管を圧延する仕上げ圧延機の出側に設置した肉厚計による金属管の肉厚測定結果に基づいて仕上げ圧延機の各スタンドの回転数設定を修正する、請求項1に記載の金属管製造装置を使用した金属管の肉厚制御方法において、
    測定された金属管の肉厚の長手方向分布を、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状の肉厚分布パターンと比較し、
    次圧延材の仕上げ圧延時、前記測定された肉厚分布パターンが、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように各スタンドの回転数を修正する方法を、前記測定された肉厚分布パターンに応じて選択することを特徴とする金属管の肉厚制御方法。
  3. 延伸圧延機と直列に配置された仕上げ圧延機の出側に設置した肉厚計による金属管の肉厚測定結果に基づいて、仕上げ圧延機の各スタンドの回転数設定を修正する、請求項1に記載の金属管製造装置を使用した金属管の肉厚制御方法において、
    測定された金属管の肉厚の長手方向分布を、予め類型化した、長手方向に亘って全体的に凸状、長手方向に亘って全体的に凹状、先端部が後端部に比べて薄肉、先端部が後端部に比べて厚肉の肉厚分布パターンと比較し、
    次圧延材の仕上げ圧延時、前記凸状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を増加させる一方先頭の第1スタンドの回転数を低下させるように、前記凹状のパターンの場合は最終の第nスタンドの回転数を低下させる一方先頭の第1スタンドの回転数を増加させるように、前記先端部が薄肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に下げる方向に、前記先端部が厚肉の場合は仕上げ圧延機の回転数を全体的に上げる方向に、各スタンドの回転数を修正する方法を、前記測定された肉厚分布パターンに応じて選択することを特徴とする金属管の肉厚制御方法。
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