JP4254138B2 - 機能部の収納構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両のインストルメントパネル等の意匠体に装着される各種機能部の収納構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば車両のインストルメントパネル(以後、単に「インパネ」という)には、各種電動装置を操作するための多数の操作スイッチ等が取着されている。これらの操作スイッチとしては、例えば、サイドミラーの角度を調整するためのスイッチや同サイドミラーの格納状態と使用状態とを切り替えるスイッチ等がある。そして、それら操作スイッチは、各々個別に配置されている。また、車両のグレードやオプションの設定等によって、付加される機能が異なることがあり、これに起因して、インパネに取着される操作スイッチの数が増減することがある。
【0003】
ところで、前記インパネは、各種車両あるいはグレード間で共通して用いられる場合がある。このような場合、インパネには、最も多くの操作スイッチが取着されるグレードに合わせて、操作スイッチ取着用の開口が予め形成される。このため、前記インパネに取着される操作スイッチの数が少なくなると、同インパネにおいて、操作スイッチの取着されない開口が生じるようになる。
【0004】
そこで、従来では、インパネにおいて、上述のように操作スイッチの取着されない開口が生じた場合には、その開口を塞ぐための蓋、いわゆるめくら蓋を、操作スイッチの替わりに取着することがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来構成では、このような前記めくら蓋を、インパネにおける操作スイッチが取着されない開口に取着することで、外観が損なわれるという問題があった。
【0006】
特に近年では、各種操作機構の電動化や情報通信関連装置等の搭載に伴い、それらを操作するための操作スイッチがますます増加する傾向にある。そのため、前記車両のグレードやオプションの設定等により、インパネに設けられる操作スイッチの数の差が拡大することとなって、上述した問題も無視できないものとなってきている。また、このようにインパネに数多くの操作スイッチが取着されることでも、その外観が損なわれるということも生じつつある。
【0007】
なお、前記操作スイッチのみならず、例えばコインケースやカードケース等の各種機能部の数も車両のグレードやオプションの設定等によって増減することがある。
【0008】
本発明は、前記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、配設される機能部の数の大小によらず、意匠体の外観を良好に保つことのできる機能部の収納構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、機能部の収納構造に係る本願請求項1に記載の発明は、固定意匠面を有する車両内装用の意匠体に装着され、回動により収納状態と使用状態とに切り替え配置可能な複数の機能部の収納構造において、前記複数の機能部は、1つの回動軸を共有して前記意匠体に形成した1つの収容部に収容され、収納状態にあるときには、それらの機能面が前記意匠体の固定意匠面と交差する面内で同意匠体の内部側に変位しているとともに、前記機能部における外部から視認される外面が前記固定意匠面の一部を形成し、前記複数の機能部は、開口部を有する収納ボックスと、各種電動装置を操作するための操作スイッチを有する操作板とを含み、前記操作板は、少なくとも一部の前記操作スイッチが表出される使用状態において前記収納ボックスの開口部を覆うように配設されてなることを要旨とするものである。
【0010】
この本願請求項1に記載の発明では、従来、意匠体に対して個別に取着されていた複数の機能部のいくつかが、所定の領域に集約した状態で意匠体に取着される。また、これら機能部を使用しないときには、機能部は意匠体の内部に収容される。このため、意匠体に数多くの機能部の取付部を設ける必要がなく、意匠体の外観を良好に保つことが可能となる。
【0012】
複数の機能部が、意匠体の1つの収容部に収容されるため、意匠体の外観をより良好に保つことが可能となる。
【0013】
また、複数の機能部は、収納状態にあるときには、それらの機能面が前記意匠体の固定意匠面と交差する面内で同意匠体の内部側に変位しているとともに、前記機能部における外部から視認される外面が固定意匠面の一部を形成するため、複数の機能部の収納時における意匠体の意匠性が向上される。
収納ボックスを備えるため、意匠体の内部の空間を有効に利用することができるようになる。また、操作スイッチが多数取着される場合には、その操作スイッチを1枚または複数枚の操作板に集約することが可能となる。これにより、意匠体の外観を良好に保つことができるだけでなく、操作スイッチの基板の数及び複雑なワイヤハーネスの配索作業が大幅に低減される。
また、操作板がその使用状態において収納ボックスの開口部を覆うように配設されるため、操作板の操作を行うときには、収納ボックス内に収納される収納物が飛び出すことを抑制することができるようになる。
本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記操作板が前記収納ボックスの内部を照らす照明手段を備えることを要旨とするものである。
この本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、例えば夜間等、周囲が暗い環境であるときに収納ボックスを使用する際において、その収納ボックスを視認可能となり、操作性が向上される。また、電動装置を操作する操作板に照明手段が設けられる場合には、LED等を接続するのみで収納ボックスの照明を行うことができるため、コストをほとんど増大させることなく、照明機能を有する操作板を製造することが可能になる。
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の発明において、前記意匠体が、車両に装着されるインストルメントパネルであることを要旨とするものである。
インストルメントパネルは、限られたスペース内に多数の機能部が装着され、また、車両のグレードやオプション設定等により、装着される機能部の数が大きく異なることが多い。このため、本願請求項3に記載の発明のインストルメントパネルでは、前記請求項1又は2に記載の発明の作用が、特に効果的に発揮される。
【0015】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記操作板及び前記収納ボックスの少なくとも一方は、プッシュオープン機構またはターンオーバー機構を介して前記収納状態と前記使用状態とを切り替え配置されることを要旨とするものである。
【0016】
この本願請求項4に記載の発明では、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、操作板又は収納ボックスにおける収容状態と使用状態との切り替えをスムーズかつ容易に行うことが可能になる。
【0017】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記収納ボックスが使用状態にあるときには、前記操作板の収納状態から使用状態への切り替えを規制するための規制手段を備えることを要旨とするものである。
【0018】
この本願請求項5に記載の発明では、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、収納ボックスが使用状態となっている際に、機能部の操作者にとって使用する意思のない操作板が不用意に収容状態から使用状態に切り替え配置されることが抑制される。
【0019】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記操作板を、同操作板の収納状態から多段階で回動させることにより前記操作板を前記収納状態から複数の使用状態へ切り替え可能としたことを要旨とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、収容状態から使用状態への切り替え配置の際の操作板の回動量を、前記多段階に調整することが可能となる。これにより、例えば操作板に装着される部を各段階毎に機能に応じて、また、使用頻度に応じて、まとめることができ、操作板の使用時における利便性が向上される。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記操作板には、その回動状態を1つの段階から他の段階に切り替える切り替え操作部を設けたことを要旨とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明では、前記請求項6に記載の発明の作用に加えて、切り替え操作部が設けられえた操作板について、回動状態の各段階を容易に切り替えることが可能となる。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記操作板が、同操作板を一部の前記操作スイッチのみが表出される半回動状態からそれ以上の回動を規制する全回動規制手段を設けたことを要旨とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載の発明では、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、例えば操作板に装着される操作スイッチの数が少ない場合、操作スイッチが取付けられる操作スイッチ取付部の多い操作板本体を利用して、その一部の操作スイッチ取付部に操作スイッチを取り付け、その操作板を半回動状態で使用状態にすることが可能となる。これにより、操作板本体を操作スイッチ数の異なる車種に利用することができ、製造コストが低減される。
【0027】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の発明において、前記操作板は、同操作板の収納状態から多段階で回動されて複数の使用状態に切り替えられるとともに、前記操作スイッチを回動段階毎にそれぞれ表出される複数の操作スイッチ群に分けて装着したことを要旨とするものである。
【0028】
この本願請求項9に記載の発明では、前記請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、例えば、比較的操作頻度の高い操作スイッチ群を、操作板の収納状態から使用状態に切り替え配置する方向の前方側に、一方、比較的操作頻度の低い操作スイッチ群を同方向の後方側に配置することにより、操作スイッチの効率的な操作が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の機能部の収納構造を具体化した第1の実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0036】
図1〜図4に示すように、この機能部の収納構造としてのマルチスイッチボックス10は、車両(図示略)における意匠体としてのインストルメントパネル(以後、単に「インパネ」という)11の車両の左右方向の端部近傍に装着されている。同マルチスイッチボックス10は、各種電動装置を操作するための複数の操作スイッチ12を有する機能部としての操作板13と、同じく機能部としての収納ボックス14とを備えている。これら操作板13と収納ボックス14とは、操作者による回動操作により、収納状態(図1参照)と使用状態(図2〜図4参照)とに切り替え配置可能となっている。また、操作板13は2段階に回動可能となっており、図2では半回動状態である第1の使用状態を、そして、図3では全回動状態である第2の使用状態をそれぞれ示している。
【0037】
次に、前記マルチスイッチボックス10の構造について、図5〜図12を参照して説明する。
前記マルチスイッチボックス10は、インパネ11のマルチスイッチボックス用開口11aに係合される1つの収納部としての収納ケース20を有している。そして、同収納ケース20がインパネ11に対して、その固定意匠面Dの裏面R側の内部に向かって膨出するように取着される。同収納ケース20には、インパネ11の裏面R側の内部に形成された被係止部11bに係合する係止部21が複数形成されている。また、収納ケース20内には、前記操作板13と収納ボックス14とが収容されており、それら操作板13と収納ボックス14との共通の回動軸となる軸部22が、その下部において車両の左右方向に延設されている。
【0038】
前記収納ボックス14は、その上方に機能面としての開口部14aを有する箱型をなしている。同収納ボックス14は、その収納状態において、開口部14aがインパネ11の固定意匠面Dと交差する面内で裏面R側の内部に変位するように配置されている。また、同収納ボックス14は、収納状態において外部から視認される前面14bが固定意匠面Dの一部を形成するようになっている。また、同収納ボックス14の前面14bには、その収納状態から使用状態に切り替え配置する際に用いられて、当該マルチスイッチボックス10の操作者の指等が引っ掛けられる操作爪14eが形成されている。また、収納ボックス14は、後述するターンオーバー機構40を介して前記軸部22を中心として回動することにより前記収容状態と前記使用状態とに切り替え配置される。ここで、収納ボックス14が収納状態から使用状態に切り替え配置される際の回動方向は、図5において時計回りの向きの矢印Aの方向となっている。
【0039】
前記操作板13は、その収容状態において収納ボックス14の開口部14aを覆うように操作板取付部23に取付られている。この操作板取付部23には、操作板13の下方に前記操作スイッチ12のスイッチ基板24が取付けられている。また、操作板取付部23には、スイッチ基板24の下面のほぼ全体を覆う覆い部25と、収納ボックス14の車両の左右方向の両側壁14c,14dを覆う側壁23a,23bとが形成されている。
【0040】
また、操作板取付部23は、収納状態において、機能面としての前記操作板13が前記固定意匠面Dと交差する面内で前記裏面R側の内部に変位するように配設されている。また、同操作板取付部23は、収納状態において外部から視認される前面23cが前記固定意匠面Dの一部を形成するようになっている。また、操作板取付部23は、後述するプッシュオープン機構50を介して前記軸部22を中心として回動することにより前記収容状態と前記使用状態とに切り替え配置される。
【0041】
また、スイッチ基板24には、その上面における車両の後方側の端部近傍に照明手段としてのインジケータ用LED26aが1個または複数個(図5では1個のみ示す)取り付けられている。また、同スイッチ基板24の下面には、前記収納ボックス14の内部を照明する照明手段としての収納ボックス照明用LED26bが1個または複数個(図5では1個のみ示す)取り付けられている。
【0042】
また、スイッチ基板24は、フラットワイヤ27を介して、収納ケース20の底面20aに取り付けられた操作スイッチ用ECU(Electronic Control Unit )基板28に接続されている。同操作スイッチ用ECU基板28にはコネクタ29が接続されており、このコネクタ29には、各種電動機器(図示略)からの配線が束ねられたワイヤハーネスの接続端子(図示略)が接続される。
【0043】
また、図2及び図3に示すように、前記複数の操作スイッチ12は、それらの使用頻度により、操作板13の回動段階、すなわち第1,第2の使用状態毎のスイッチ群に分けられた状態で前記操作板13上に配置されている。詳しくは、前記使用頻度の比較的高い第1のスイッチ群12aを、操作板13における半回動状態の第1の使用状態時に外部から視認可能な領域に配置している(図2参照)。一方、前記使用頻度の比較的低い第2のスイッチ群12bを、操作板13における第1の使用状態時に外部から視認不能で、全回動状態の第2の使用状態時に前記第1のスイッチ群12aとともに外部から視認可能な領域に配置している(図3参照)。
【0044】
また、図6に示すように、前記操作板13と前記覆い部25との間には、操作板13における第1の使用状態から第2の使用状態に切り替え配置する切り替え操作部としての切り替えアーム30が配設されている。同切り替えアーム30は、板状に形成されてなり、車両の前後方向に沿って設けられている。また、切り替えアーム30は、その車両の後方側の一端近傍に設けられた回動軸31を中心として他端側が上下方向に遥動可能であり、同他端側には、前記収納ケース20の内面に形成された被係止部32に係合される係止爪33が形成されている。
【0045】
また、操作板取付部23における第1の使用状態時に外部から視認可能な領域には、貫通孔34が形成されている。前記切り替えアーム30には、前記貫通孔34と対応する位置に、同貫通孔34を貫通して上方に突出する切り替え操作部としての切り替えボタン35が形成されている。また、切り替えアーム30の下面と覆い部25の上面との間には、切り替えアーム30を上方に向かって付勢する片持ち梁状の板ばね36が配設されている。
【0046】
また、図7及び図8に示すように、前記操作板取付部23の側壁23aと収納ボックス14の側壁14cとの間には、収納ケース20における車両の左右方向の一側壁20bの第1の透孔42から表出するように、つる巻きばね41が介装されている。同つる巻きばね41は、その一端が操作板取付部23の前記側壁23aに形成された挿通孔43に挿通した状態で屈曲され、その挿通孔43の内周縁の一部に形成された受け部43aに摺動可能に係止される。この係止により、つる巻きばね41が、前記操作板取付部23に対して前記第1の透孔42内で回動可能に支持されている。一方、つる巻きばね41の他端は、収納ボックス14の前記側壁14cから前記操作板取付部23における側壁23aの透孔44と前記収納ケース20における第1の透孔42とを介して外方に向かって突出したピン45に巻回されている。このつる巻きばね41は、前記ターンオーバー機構40の一部を構成しており、前記収納ボックス14を図8における矢印Aの方向に付勢している。
【0047】
前記収納ケース20における一側壁20bの前記第1の透孔42の外周側には、その第1の透孔42と同心円状の円弧状をなす第2の透孔42aが形成されている。この一側壁20bにおける第1及び第2の透孔42,42aの間には、円弧状で平板状をなすガイド部42bが形成されている。このガイド部42bは、前記第2の透孔42a側の側縁が、その第2の透孔42a内に膨出するように形成され、その第2の透孔42a側の側縁にはラック42cが形成されている。前記操作板取付部23の側壁23aには、そのラック42cに噛合回転可能なようにピニオン42dが取着されている。そして、このラック42c上でのピニオン42dの噛合回転により、前記操作板取付部23の回動が案内されるようになっている。
【0048】
一方、図7及び図9に示すように、前記操作板取付部23の側壁23bと収納ボックス14のフレーム20dとの間には、収納ケース20における車両の左右方向の他側壁20cの外側上に表出するようにつる巻きばね51が介装されている。同つる巻きばね51は、その一端が前記操作板取付部23の側壁23bから収納ケース20の他側壁20cに形成された略円弧状の透孔52を介して外方に向かって突出したピン53に巻回されている。そして、同つる巻きばね51は、前記軸部22に巻回されるとともに、その他端が収納ケース20のフレーム20dの裏面に接触している。このつる巻きばね51は、前記プッシュオープン機構50の一部を構成しており、前記操作板取付部23及び収納ボックス14を図9における矢印Aの方向に付勢している。
【0049】
また、収納ケース20の他側壁20cの外面には、プッシュオープン機構50の一部を構成するハート型カム54が回動軸55を中心として回動可能に取着されている。また、回動軸55には、収納ケース20の他側壁20cとハート型カム54との間につる巻きばね56が巻回されている。つる巻きばね56は、その一端が収納ケース20の他側壁20cにおいて車両の前後方向に延設された突条57に接触しており、他端がハート型カム54に係止している。ハート型カム54は、つる巻きばね56により、図9において矢印Aの方向に付勢されている。また、ハート型カム54は、前記操作板13が前記第1及び第2の使用状態にあるときには、突条57によって、所定の位置以上に図9において矢印Aの方向に回動しないように規制されている。
【0050】
図10に示すように、ハート型カム54の外側側面には、所定のパターンのガイド58が形成されている。ガイド58は、後述する係止ピン59の入口部58aと、出口部58bと、これら入口部58aと出口部58bとの間に形成される係止ピン保持部58cとを有している。
【0051】
また、図9に示すように、操作板取付部23の側壁23bの外面には、収納ケース20の他側壁20cにおいて前記軸部22を中心とする円弧状に形成された透孔61に挿通された支持軸60aを介してアーム部60が取着されている。このアーム部60は、収納ケース20の他側壁20cの外面と対向するように配置されており、支持軸60aとは反対側の端部に前記係止ピン59を有している。
【0052】
また、前記収納ボックス14の側壁14dの下部には、収納ボックス14が使用状態にあるとき、操作板13が収容状態から第1,第2の使用状態に切り替え配置されることを規制するための規制手段としての規制ピン70が配設されている。規制ピン70は、操作板取付部23の側壁23bに形成された円弧状の透孔71と収納ケース20の他側壁20cの前記透孔52とを貫通して、外方に突出している。そして、同規制ピン70は、収納ボックス14とともに前記軸部22を中心として回動し、同収納ボックス14が前記使用状態となったときに前記ハート型カム54に当接する。この規制ピン70とハート型カム54との当接により、ハート型カム54の図9において矢印Aの方向への回動が規制される。
【0053】
このような構成のマルチスイッチボックス10において、操作板13が収容状態にある場合には、図10(a)に示すように、前記係止ピン59はガイド58の係止ピン保持部58cによって保持されている。
【0054】
そして、操作板13を収容状態から第1の使用状態に切り替え配置する際には、まず、操作板取付部23の前面23c(図6参照)を車両の前方方向、すなわち図6及び図9における矢印Aとは逆方向に押圧する。すると、操作板取付部23の全体が前記軸部22(図6参照)を中心として図6及び図9における矢印Aとは逆の方向に回動し、この操作板取付部23の回動に伴って、アーム部60及び係止ピン59も同方向に回動する。このとき、ハート型カム54は、つる巻きばね56より回動軸55を中心として図10(b)における矢印Bの方向に付勢されており、係止ピン59とは逆方向に回動される。これにより、図10(b)に示すように、係止ピン59とガイド58の係止ピン保持部58cとの係合が解除される。
【0055】
この状態で、操作板取付部23の前面23cに加えた押圧力を除荷すると、操作板取付部23は収納ボックス14とともに、前記つる巻きばね51の付勢力により、軸部22を中心として図6及び図9における矢印Aの方向に回動する。その際、係止ピン59は、操作板取付部23とともに回動し、ガイド58の出口部58bを通過してハート型カム54から徐々に離間する。そして、操作板取付部23が図6及び図9における矢印Aの方向に回動してゆくと、図11に示すように、前記切り替えアーム30の係止爪33が収納ケース20の前記被係止部32に係合する。この切り替えアーム30の係止爪33と収納ケース20の被係止部32との係合により、操作板取付部23は、一旦、図11における矢印Aの方向への回動が規制され、操作板13が第1の使用状態へと切り替え配置される。
【0056】
次に、操作板13を第1の使用状態から第2の使用状態に切り替え配置する際には、前記切り替えアーム30の切り替えボタン35を前記板ばね36の付勢力に抗するように押圧する。すると、図11に示すように、切り替えアーム30は、回動軸31と中心として図中二点鎖線にて示すように回動し、切り替えアーム30の係止爪33と収納ケース20の被係止部32との係合が解除される。そして、この解除により、操作板取付部23は、収納ボックス14とともに、前記つる巻きばね51の付勢力により、軸部22を中心として図11において矢印Aの方向に回動し、第2の使用状態へと切り替え配置される。
【0057】
また、操作板13を第1の使用状態あるいは第2の使用状態から収容状態に切り替え配置する際には、操作板取付部23の前面23cを図6及び図9において矢印Aとは逆方向に向かって前記つる巻きばね51の付勢力に抗するように押圧する。すると、操作板取付部23の全体が収納ボックス14とともに軸部22を中心として図6及び図9において矢印Aとは逆方向に回動し、この操作板取付部23の回動により、前記アーム部60の係止ピン59も同方向に変位する。
【0058】
そして、係止ピン59が変位する途中において、図10(c)に示すように、同係止ピン59が、ハート型カム54の周縁に当接する。さらに係止ピン59が同方向に変位すると、図10(d)に示すように、係止ピン59は、前記つる巻きばね56の付勢力に抗してハート型カム54を回動軸55を中心に図10(d)における矢印Cの方向に回動させつつ、ハート型カム54の周縁をすべり変位する。
【0059】
そして、係止ピン59が前記ガイド58の入口部58aに到達すると、ハート型カム54がつる巻きばね56の付勢力によって図10(d)における矢印Cとは逆の方向に回動して、係止ピン59が入口部58aからガイド58内に入り込む。また、ハート型カム54の回動により、係止ピン59は入口部58aから係止ピン保持部58cまでガイド58内を相対移動し、係止ピン59とガイド58の係止ピン保持部58cとが係合される。その後、操作板取付部23の前面23cを押圧する前記押圧力を除荷すると、前記つる巻きばね51の付勢力によって、操作板取付部23は、僅かに図6及び図9における矢印Aの方向へ回動する。しかし、アーム部60の係止ピン59とハート型カム54の係止ピン保持部58cとの係合により、操作板取付部23は、それ以上図6及び図9における矢印Aの方向への回動が規制されて収納状態に保持される。
【0060】
一方、収納ボックス14を収納状態から使用状態に切り替え配置する際には、前記つる巻きばね41の付勢力に抗して収納ボックス14を図6及び図9における矢印Aの方向に回動させる。これにより、収納ボックス14の開口部14aが表出して、収納ボックス14が使用状態となる。この際、前記規制ピン70は、収納ボックス14とともに同方向に回動して、前記ハート型カム54の周縁に当接するようになる。
【0061】
ここで、収納ボックス14が使用状態にあるときに、操作板取付部23の前面23cを車両の前方方向に押圧した場合には、同操作板取付部23の図6及び図9における矢印Aとは逆方向への回動に伴って、前記アーム部60の係止ピン59も同方向に回動する。この係止ピン59の回動により、同係止ピン59とハート型カム54のガイド58の係止ピン保持部58cとの係合が、一旦は解除される。
【0062】
しかし、規制ピン70によってハート型カム54の図6及び図9における矢印Aの方向への回動が規制されている。このため、操作板取付部23の前面23cの押圧力を除荷して、同操作板取付部23を図6及び図9における矢印Aの方向に回動させても、係止ピン59は再びハート型カム54の係止ピン保持部58cに係合する。これにより、収納ボックス14が使用状態にあるときには、操作板13が収納状態から各使用状態に切り替え配置されることが規制される。
【0063】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、操作板13と収納ボックス14とは、1つの軸部22を共有する。このため、従来では、インパネ11に対して個別に取着されていた操作板13と収納ボックス14とを、マルチスイッチボックス10に集約した状態でインパネ11のマルチスイッチボックス用開口11aに取着することができる。また、これら操作板13と収納ボックス14とを使用しないときには、これら操作板13と収納ボックス14とはインパネ11の裏面R側の内部に収容される。このため、インパネ11に操作板及び収納ボックスのそれぞれの取付部を設ける必要がなく、インパネ11の外観を良好に保つことができる。
【0064】
(2)また、複数の操作スイッチ12を有する操作板13を当該マルチスイッチボックス10に収容することで、従来、インパネ11に個別に取着されていた操作スイッチを1枚の操作板13に集約することができる。これにより、インパネ11の外観を良好に保つことができるだけでなく、操作スイッチ12の基板の数及び複雑なワイヤハーネスの配索作業を大幅に低減することができる。
【0065】
(3)また、収納ボックス14を当該マルチスイッチボックス10に設けたことで、インパネ11の裏面R側の内部の空間を有効に利用することができる。
(4)本実施形態では、操作板13及び収納ボックス14を、インパネ11に取り付けられる1つの収納ケース20に収容した。このため、操作板13と収納ボックス14とがインパネ11の1つのマルチスイッチボックス用開口11a内に収容され、インパネ11の外観をより良好に保つことができる。
【0066】
(5)本実施形態では、操作板13及び収納ボックス14のそれぞれは、収容状態にあるときには、操作板13及び収納ボックス14の開口部14aがインパネ11の固定意匠面Dと交差する面内で同インパネ11の裏面R側の内部に変位するようにした。また、収納ボックス14の前面14bと操作板取付部23の前面23cがインパネ11の固定意匠面Dの一部を構成するようにした。このため、操作板13及び収納ボックス14の収納状態時におけるインパネ11の意匠性を向上することができる。
【0067】
(6)本実施形態では、操作板13をプッシュオープン機構50を介して、一方、収納ボックス14をターンオーバー機構40を介してそれぞれ収容状態と使用状態とを切り替え配置するようにした。このため、操作板13と収納ボックス14とにおける収容状態と使用状態との切り替えをスムーズかつ容易に行うことができる。
【0068】
(7)本実施形態では、収納ボックス14が使用状態にあるときに、操作板13の収容状態から使用状態への切り替えを規制する規制ピン70を設けた。このため、収納ボックス14が使用状態となっている際に、当該マルチスイッチボックス10の操作者にとって使用する意思のない操作板13が不用意に収容状態から使用状態に切り替え配置されることを抑制することができる。これにより、収納ボックス14の使い勝手が悪化するのを抑制することができる。
【0069】
(8)本実施形態では、操作板13を第1の使用状態と第2の使用状態との2段階に回動可能とした。このため、操作スイッチ12を使用頻度に応じて各使用状態毎にまとめることができ、操作板13の使用時における利便性を向上することができる。
【0070】
(9)本実施形態では、操作板13を第1の使用状態から第2の使用状態に切り替える切り替えアーム30を設けた。このため、操作板13の第1の使用状態から第2の使用状態への回動状態を容易に切り替えることができる。
【0071】
(10)本実施形態では、複数の操作スイッチ12を、その操作頻度により第1のスイッチ群12aと第2のスイッチ群12bとに分けた。また、比較的操作頻度の高い第1のスイッチ群12aを操作板13における第1の使用状態時に外部から視認可能な領域に配置した。一方、比較的操作頻度の低い第2のスイッチ群12bを第1の使用状態時に外部から視認不能で、第2の使用状態で外部から視認可能になる領域に配置した。従って、操作スイッチ12の効率的な操作が可能となる。
【0072】
(11)本実施形態では、操作スイッチ12のスイッチ基板24にインジケータ用LED26aと収納ボックス照明用LED26bとを接続した。このため、例えば夜間等、周囲が暗い環境であるときに操作板13または収納ボックス14を使用する際において、それらが視認可能となり、操作性を向上することができる。また、スイッチ基板24にLEDを接続するのみであるため、コストをほとんど増大させることなく、照明機能を有するマルチスイッチボックス10を製造することができる。
【0073】
(12)また、一般に、インパネ11には、限られたスペース内に多数の操作スイッチが装着される。これに対して、当該マルチスイッチボックス10をインパネ11に取り付けることで、車両のグレードやオプション設定等により、装着される操作スイッチ12の数が大きく異なるインパネであっても、めくら蓋等の使用を大幅に低減することができる。このため、前記(1)から(11)に記載した効果が顕著に発揮され、本発明のマルチスイッチボックス10は、広汎な車両に対して好適である。
【0074】
(変形例)
なお、本発明の第1の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態では、操作板13を第1の使用状態と第2の使用状態との2段階に回動するようにしたが、この操作板13の回動段階は2段階には限定されない。同操作板13を3段階以上の段数で回動させる構成としてもよい。また、各回動段階における操作板13の回動量は、図2及び図3に示したものには限定されず、任意に設定可能である。なお、このようにした場合には、操作スイッチ12を3以上のスイッチ群に分けて操作板13に装着する構成としてもよい。
【0075】
・また、前記実施形態において、切り替えアーム30を省略して、操作板13を回動調整することなく、全回動のみ可能にした構成としてもよい。なお、この場合には、貫通孔34、板ばね36も省略される。
【0076】
・また、前記実施形態では、操作スイッチ12を操作頻度により2つのスイッチ群12a,12bに分けたが、同操作スイッチ12を、その機能毎に複数のスイッチ群に分ける構成としてもよい。
【0077】
(第2の実施形態)
つぎに、本発明の第2の実施形態について、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に図13を参照して説明する。なお、図13において、図1〜図12と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0078】
この第2の実施形態では、前記第1の実施形態における切り替えアーム30の替わりに、操作板13が収容状態から使用状態に切り替え配置される際に、操作板13の半回動状態からそれ以上の回動を規制する全回動規制手段としての全回動規制アーム80が設けられている。
【0079】
図13に示すように、全回動規制アーム80は、前記第1の実施形態における切り替えアーム30において、切り替えボタン35が形成されていない点のみが異なっている。そして、全回動規制アーム80は、その一端側で回動軸81により回動可能に支持され、他端側に収納ケース20の被係止部32に係合する係止爪83を有し、また、板ばね36により上方に付勢されているという構成は前記第1の実施形態と同様である。
【0080】
このような構成のマルチスイッチボックス10において、操作板13を収容状態から使用状態に切り替え配置すべく、操作板取付部23の前面23cを押圧すると、プッシュオープン機構50により操作板13が図13における矢印Aの方向に回動する。そして、操作板13が所定量回動すると、全回動規制アーム80の係止爪83と収納ケース20の被係止部32とが係合し、それ以上操作板13が図13における矢印Aの方向に回動することが規制される。ここで、全回動規制アーム80は板ばね36により付勢されており、第1実施形態における切り替えボタン35を有していない。これにより、全回動規制アーム80の係止爪83と収納ケース20の係止爪33との係合が解除されることはなく、従って、操作板13が、全回動規制アーム80の係止爪83と収納ケース20の係止爪33とが係合した半回動状態から全回動状態に切り替え配置されることはない。
【0081】
従って、この第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)〜(7)、(11)、(12)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
(13)本実施形態では、操作板13を半回動状態からそれ以上の回動を規制する全回動規制アーム80を設けた。このため、操作板13に装着される操作スイッチ12の数が少ない場合であっても、操作スイッチ12が取付けられる操作スイッチ取付部の多い操作板13を利用して、その一部の操作スイッチ取付部に操作スイッチ12を取り付け、その操作板13を半回動状態で使用状態にすることができる。従って、操作板13を操作スイッチ数の異なる車種、グレード等に利用することができ、製造コストを低減することができる。
【0083】
(変形例)
なお、前記各実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記各実施形態において、操作板13に設けられる操作スイッチ12の数、形状、大きさ、配設位置等は任意である。
【0084】
・また、前記各実施形態では、操作板13及び収納ボックス14を車両の前後方向に回動する構成としたが、これら操作板13及び収納ボックス14を車両の左右方向に回動させる構成としてもよい。
【0085】
・また、前記各実施形態において、操作板13の一部に例えばコインケース等、他の機能部を備える構成としてもよい。
・また、前記各実施形態では、操作板13と収納ボックス14とを備える構成としたが、機能部は、これらには限定されない。操作板13及び収納ボックス14以外に、例えばカードトレイ、コインケース、ドリンクホルダ、車内照明、灰皿、ヒューズボックス、電源ソケット等の機能部を備える構成としてもよい。また、これら機能部のうち、任意の複数の機能部を備える構成としてもよい。また、これら機能部のいくつかをターンオーバー機構40またはプッシュオープン機構50を介して回動させる構成としてもよい。
【0086】
・また、1つのマルチスイッチボックス10に対して同一の機能部を複数備える構成としてもよい。
・また、前記各実施形態では、操作板13をプッシュオープン機構50により、一方、収納ボックス14をターンオーバー機構40により回動する構成としたが、これらの組み合わせは任意である。また、各機構40,50の少なくとも一方を省略した構成としてもよい。
【0087】
・また、前記各実施形態では、インジケータ用LED26aと収納ボックス照明用LED26bとを設ける構成としたが、これら以外にも、例えば、操作スイッチ12を照明するLEDや、車内を装飾するイルミネーション用LED等を備える構成としてもよい。また、これらのLEDのうちのいくつかを備える構成としてもよい。また、LEDに替えて、例えば電球等を備える構成としてもよい。また、これらLEDや電球を設けない構成としてもよい。
【0088】
・前記各実施形態では、マルチスイッチボックス10をインパネ11における運転席側の端部近傍に対して1個のみ設ける構成としたが、このマルチスイッチボックス10の装着する位置は、例えばインパネ11の中央、上部等任意に設定可能である。また、1個のみでなく、複数のマルチスイッチボックス10を装着する構成としてもよい。
【0089】
・また、前記各実施形態では、インストルメントパネル11の例を示したが、本発明の機能部の収納構造は、同インストルメントパネル11以外の意匠体、例えば、ドアトリム、各種ガーニッシュ、パッケージトレイ、シート、アームレスト等にも同様に適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1または請求孔2に記載の発明によれば、意匠体の外観を良好に保つことができる。
【0091】
また、本願請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、複数の機能部の収納時における意匠体の意匠性を向上することができる。
【0092】
また、本願請求項4に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、機能部における収容状態と使用状態との切り替えをスムーズかつ容易に行うことが可能になる。
【0093】
また、本願請求項5に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、複数の機能部の1つが使用状態となっている際に、機能部の操作者にとって使用する意思のない機能部が不用意に収容状態から使用状態に切り替え配置されることを抑制することができる。
【0094】
また、本願請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、例えば1つの機能部に装着される部品を各段階毎に機能に応じて、また、使用頻度に応じてまとめることができ、機能部の使用時における利便性を向上することができる。
【0095】
また、本願請求項7に記載の発明によれば、前記請求項6に記載の発明の効果に加えて、切り替え操作部が設けられた機能部について、回動状態の各段階を容易に切り替えることができる。
【0096】
また、本願請求項8に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、操作板本体を操作スイッチ数の異なる車種に利用することができ、製造コストを低減させることができる。
【0097】
また、本願請求項9に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、操作スイッチが意匠体に多数取着される場合には、その操作スイッチを1枚または複数枚の操作板に集約することができる。また、意匠体の外観を良好に保つことができるだけでなく、操作スイッチの基板の数及び複雑なワイヤハーネスの配索作業を大幅に低減させることができる。
【0098】
また、本願請求項10に記載の発明によれば、前記請求項9に記載の発明の効果に加えて、例えば、比較的操作頻度の高い操作スイッチ群を、操作板の収納状態から使用状態に切り替え配置する方向の前方側に、一方、比較的操作頻度の低い操作スイッチ群を同方向の後方側に配置することにより、操作スイッチの効率的な操作ができる。
【0099】
また、本願請求項11に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、意匠体の内部の空間を有効に利用することができる。
【0100】
また、本願請求項12に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項11のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、周囲が暗い環境であっても、機能部の操作性を向上することができる。また、機能部が操作スイッチである場合には、その基板に、例えばLED等を接続するのみで操作スイッチ、他の機能部、例えば収納ボックス等の照明を行うことができるため、コストをほとんど増大させることなく、照明機能を有する機能部を製造することができる。
【0101】
また、本願請求項13に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明の効果を顕著に発揮させることができ、特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のマルチスイッチボックスの収納状態を示す斜視図。
【図2】操作板の第1の使用状態を示す斜視図。
【図3】操作板の第2の使用状態を示す斜視図。
【図4】収納ボックスの使用状態を示す斜視図。
【図5】マルチスイッチボックスの断面図。
【図6】マルチスイッチボックスの断面図。
【図7】図5及び図6の7―7線断面図。
【図8】マルチスイッチボックスの側面図。
【図9】マルチスイッチボックスの側面図。
【図10】(a)〜(d)はハート型カムと係止ピンとの係合及び離脱の状況を示す説明図。
【図11】マルチスイッチボックスの断面図。
【図12】マルチスイッチボックスの側面図。
【図13】第2の実施形態のマルチスイッチボックスの断面図。
【符号の説明】
10…機能部の収納構造としてのマルチスイッチボックス、11…意匠体としてのインストルメントパネル(インパネ)、12…操作スイッチ、12a…スイッチ群としての第1のスイッチ群、12b…スイッチ群としての第2のスイッチ群、13…機能部としての操作板、14…機能部としての収納ボックス、14a…機能面としての開口部、14b,23c…外面としての前面、20…収容部としての収納ケース、22…回動軸としての軸部、26a…照明手段としてのインジケータ用LED、26b…照明手段としての収納ボックス照明用LED、35…切り替え操作部としての切り替えボタン、40…ターンオーバー機構、50…プッシュオープン機構、70…規制手段としての規制ピン、80…全回動規制手段としての全回動規制アーム。
Claims (9)
- 固定意匠面を有する車両内装用の意匠体に装着され、回動により収納状態と使用状態とに切り替え配置可能な複数の機能部の収納構造において、
前記複数の機能部は、1つの回動軸を共有して前記意匠体に形成した1つの収容部に収容され、収納状態にあるときには、それらの機能面が前記意匠体の固定意匠面と交差する面内で同意匠体の内部側に変位しているとともに、前記機能部における外部から視認される外面が前記固定意匠面の一部を形成し、
前記複数の機能部は、開口部を有する収納ボックスと、各種電動装置を操作するための操作スイッチを有する操作板とを含み、前記操作板は、少なくとも一部の前記操作スイッチが表出される使用状態において前記収納ボックスの開口部を覆うように配設されてなる ことを特徴とする機能部の収納構造。 - 前記操作板が前記収納ボックスの内部を照らす照明手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の機能部の収納構造。
- 前記意匠体が、車両に装着されるインストルメントパネルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能部の収納構造。
- 前記操作板及び前記収納ボックスの少なくとも一方は、プッシュオープン機構またはターンオーバー機構を介して前記収納状態と前記使用状態とを切り替え配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の機能部の収納構造。
- 前記収納ボックスが使用状態にあるときには、前記操作板の収納状態から使用状態への切り替えを規制するための規制手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の機能部の収納構造。
- 前記操作板を、同操作板の収納状態から多段階で回動させることにより前記操作板を前記収納状態から複数の使用状態へ切り替え可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の機能部の収納構造。
- 前記操作板には、その回動状態を1つの段階から他の段階に切り替える切り替え操作部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の機能部の収納構造。
- 前記操作板が、同操作板を一部の前記操作スイッチのみが表出される半回動状態からそれ以上の回動を規制する全回動規制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の機能部の収納構造。
- 前記操作板は、同操作板の収納状態から多段階で回動されて複数の使用状態に切り替えられるとともに、前記操作スイッチを回動段階毎にそれぞれ表出される複数の操作スイッチ群に分けて装着したものであることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の機能部の収納構造。
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