以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明に係る発行装置の原理ブロック図である。図1において、この発明に係る発行装置は、装置本体1Aに収納してある遊技情報媒体1Bを発行する発行装置において、遊技情報媒体1Bの所定位置への装着を指令する装着指令手段1Cと、上記装置本体1Aが、装着された遊技情報媒体1Bから受け取った情報に基づいて当該遊技情報媒体1Bが正当なものであるか否かの認証を行う認証手段1Dと、上記認証で当該遊技情報媒体1Bが正当なものと判別したとき、当該遊技情報媒体1Bに対して初期情報の書き込みおよび待機を行わせる発行準備手段1Eと、装置本体1Aに投入された有価価値を認識する投入有価価値認識手段1Fと、上記有価価値が所定有価価値以上のとき上記待機中で初期情報がすでに書き込まれている遊技情報媒体に対して時間情報を書き込みその遊技情報媒体1Bを発行する発行手段1Gと、を備えるようにした。
上記の発行装置によれば、有価価値の投入の前に予め遊技情報媒体1Bの認証および時間情報以外の初期情報の書き込みが完了しており、有価価値の投入があった後は、時間情報を書き込んで発行するだけである。したがって、遊技情報媒体1Bの発行に際して発行を受ける操作者をほとんど待たせることなく速やかに発行することができる。また、時間情報は発行時と同一になるので、日付が異なってしまうようなことは発生せず、遊技情報媒体1Bを一枚も無駄にすることなく発行することができる。
図2はこの発明が適用される通信システムにおける遊技店とカード会社とのデータ通信系を示す図である。図において、遊技店70に設置した経営分析装置71および管理装置72は、同様に店内に設置してあるATM交換機73との間を光ファイバ伝送路70aでそれぞれ接続してあり、遊技店70全体には、店内に設置してあるその他の各種装置(図3)も含めて、このATM交換機73を経由して情報の送受を行うATM(asynchronous transfer mode,非同期転送モード)通信によるネットワークが構成してある。
また、経営分析装置71および管理装置72は、ATM交換機73を介して店外のカード会社74に電話回線70bで接続してある。この電話回線70bには例えば広帯域ISDNのディジタル回線が使用される。カード会社74は、当該遊技店70だけでなく他の遊技店75とも電話回線70bでATM交換機を介して結ばれており、ATM通信で複数の遊技店70,75等をネットワーク化している。
上記のATM通信は広帯域ISDNの基盤技術として導入され普及しつつある通信方式であり、回線帯域を効率よく利用できるパケット交換と、高速交換が可能な回線交換(時分割多重)との双方の利点を備え、送りたい情報をディジタル化して短い固定長ブロック(セル)に分割し、その先頭に宛先などを示すヘッダを付けて順次送り出すようになっている。上記のATM交換機73では、送り出されてきたセルのヘッダを参照し高速にセルを振り分けそれぞれの宛先に送り届ける。このATM通信では、情報の取り扱い単位を固定長として網内のプロトコル処理を簡素化したため、155Mbpsといった高速、広帯域通信が可能となり、音声、データ、画像などすべてのメディアを同一種類のセルとして交換・転送可能としている。
図3は遊技店内でのデータ通信系を示す図である。遊技店70内の全体も、上述したようにATM通信でネットワーク化してあり、ATM交換機73には上記の経営分析装置71および管理装置72の他に、景品POS(point of sales)76および光中継器90がそれぞれ光ファイバ伝送路70aで接続してある。
光中継器90には、光通信が可能な位置でその光中継器90に対しては2番目の階層に相当する位置に、2つの光中継器91および92が配置してあり、遊技店70の全域を光通信でカバーできるようになっている。光中継器90は光中継器91に送信可能であり、その光中継器91は光中継器92に送信可能であり、さらに光中継器92は光中継器90に送信可能となっている。すなわち、情報は光中継器90→光中継器91→光中継器92→光中継器90の一方向に伝送される。このように、トークンリングを使うことにより、各光中継器90,91,92間の伝送制御を行え、一定期間内にデータを伝送する機会が保証されることにより、確実なデータ伝送が行われることになる。
光中継器91には、その下方でやはり光通信で互いに送受信が可能となる位置に島設備80に設けてある各遊技機82…およびその島設備80の一端側に設けてある大型金額付加機87が配置してあり、一方の光中継器92には、その下方で同様に光通信で互いに送受信が可能となる位置に、更新機85およびカード発行機1が配置してある。
上記の光通信は例えば赤外線による光通信であり、その赤外線の送受信は、光中継器90,91および92の各下端側に設けた光送受信部90a,91a,92a、並びにカード発行機1、更新機85、大型金額付加機87、遊技機82…の各上端側に設けた光送受信部1a,85a,87aおよび82a…を経由して行われる。
このような構成において、島設備80の遊技機82…および大型金額付加機87が管理装置72に情報を送信するときは、その情報は光中継器91→光中継器92→光中継器90→ATM交換機73の順で送られ、逆に管理装置72から受信するときは、その情報はATM交換機73→光中継器90→光中継器91の順で送られてくる。
また、カード発行機1および更新機85が管理装置72に情報を送信するときは、その情報は光中継器92→光中継器90→ATM交換機73の順で送られ、逆に管理装置72から受信するときは、その情報はATM交換機73→光中継器90→光中継器91→光中継器92の順で送られてくる。
遊技店70内の上記の各装置は、ATM交換機73を経由して相互にアクセス可能となるとともに、電話回線70bを使って遊技店70外のカード会社74に対してもアクセス可能となる。
図4はこの発明が適用される通信システム全体の構成を示すブロック図である。この通信システムでは、遊技店70内では光によるATM通信を用いることにより高速、広帯域通信が可能であり、例えばATM交換機73と管理装置72や光中継器90との間では、光ファイバ伝送路70aを経由して155Mbpsという大容量情報の通信が可能であり、またATM交換機73と経営分析装置71や景品POS76との間では100Mbpsの情報量がやはり光ファイバ伝送路70aを経由して通信可能となる。さらに、光中継器90と2番目の階層に相当する位置の光中継器91や光中継器92との間では光信号によって16Mbpsの情報量が、その光中継器91,92とカード発行機1等の最下層の各装置との間では同様に光信号によって1Mbpsの情報量が、それぞれ通信可能となるように構成してある。
このように構築した通信システムにおいて、カード会社74と遊技店70との間、また遊技店70内の各装置間では、後述するような遊技カード使用に伴う各種情報や遊技機82…での遊技情報等の送受を高速にリアルタイムで行うことができ、各装置間での情報伝達が密接に行われている。
上記の図2、図3および図4に示す通信システムにおいて、カード会社74は遊技情報媒体1Bの一例としての遊技カード(例えばICカード)C(図9)を遊技店70に発行するものであり、カード会社74のオペレータは遊技カードCを遊技店70に納入し遊技店70に備えてあるカード発行機1のカードタンクに装填する。カード会社74が納入するこの遊技カードCのメモリ部分には、後述するように、この遊技カードCの制御処理手順を記載した各種プログラムや遊技カードCのカード番号、セキュリティコード、仮のカード発行機識別番号などが予め記憶してある。
遊技店70に設置してあるカード発行機1は、遊技カードCを所持していない遊技者に遊技カードCを発行するためのものであり、遊技者が遊技カードCを購入すべくカード発行機1に所定の金額を投入し、かつ発行のための最終確認の操作を行ったたとき、カード発行機1ではカードタンクから一枚の遊技カードCを取り出し、所定の手順を経た上で遊技者に発行する。このカード発行機1の詳細は後述する。
大型金額付加機87は、遊技者が購入した遊技カードCに所望の金額を付加するためのものであり、遊技者がこの大型金額付加機87に遊技カードCを装着すると、遊技者が投入した金額の範囲内で選択した金額を遊技カードCに付加しその遊技カードCを遊技者に返却する。
遊技機82は、パチンコ球を遊技媒体とするパチンコ機やメダルを遊技媒体とするパチスロ等であり、遊技者が当該遊技機82に遊技カードCを装着したときその遊技カードCに記憶してある有価価値を読み取ってその有価価値の範囲内で変換して得られた遊技媒体に基づいて遊技者に所定の遊技を行わせるものであり、その遊技の結果として獲得した遊技媒体は持ち球数として遊技カードCに記憶される。ここで、有価価値とは例えば球貸し金額や貯球金額であり、球貸し金額は上記の大型金額付加機87を用いて遊技カードCに付加した金額で遊技媒体に変換されていないものをいい、貯球金額は持ち球数のうちから所望数量の遊技媒体を金額に変換したものをいう。遊技カードCには、これらの球貸し金額、貯球金額、および持ち球数が記憶され表示されるようになっている。
この遊技機82…の各々には隣接する遊技機との間に台間金額付加機86…(図3)が備えてあり、遊技者はこの台間金額付加機86…に遊技カードCを装着することにより、遊技カードCに所望の金額を付加でき、遊技中には大型金額付加機87まで行かなくてもその場で簡易に金額を付加できるようになっている。なお、設置スペース等の関係で台間金額付加機86で使用できる貨幣は千円紙幣に限られている。
景品POS76は、遊技店70のカウンタに配置してあり遊技カードCに記憶してある持ち球数情報に基づいて遊技媒体を現金や景品に変換したり、所定の交換率で貯球金額に変換したりする操作を、遊技者の希望に応じて行うものである。
更新機85は遊技カードCを支障なく使用するために、所定の有効期限(例えば1年間)を過ぎた遊技カードCを新しい遊技カードに交換するためのもので、遊技者が更新機85に更新したい遊技カードCを挿入すると、その遊技カードCが正規のものであることを判別した上で自動的に新しい遊技カードCを発行するようにしている。これにより、遊技カードCの機能の劣化により発生するトラブルを防止することができ、遊技カードCの高い安全性を維持することができる。
管理装置72は、図2に示すように、コンピュータ、ディスプレィ、キーボード、プリンタ、大容量記憶装置等から構成され、遊技店70内の上記各装置を管理したり監視したりするものである。例えば、多数の遊技機82…から必要なデータを収集し各種遊技状態でのデータを整理して各遊技機82…の動作状態を管理し監視している。
この管理装置72は、カード会社74から上記の電話回線70bを経由してカード発行機1、大型金額付加機87、遊技機82…、景品POS76、および更新機85の各識別番号や、遊技カードCのセキュリティコード等を受け取り、これらの情報を光中継器90、光中継器91および光中継器92を経由してカード発行機1に初期データとして送信する。また、カード発行機1以外のその他の各装置に対してはその装置の識別番号や遊技カードCのセキュリティコードなどを初期データとして送信する。
なお、この場合、カード発行機1に送信された初期データのうち、自分自身の識別番号となるカード発行機の識別番号にはこの時点では仮の識別番号と真の識別番号の2つが設定されている。
カード発行機1は、カードタンクから取り出した一枚の遊技カードCとの間で次のような処理を経てその遊技カードCを発行する。すなわち、先ず管理装置72から送られてきて記憶している自分自身のカード発行機1の仮の識別番号を遊技カードCに送る。遊技カードCは、送られてきた仮の識別番号と、遊技カードCに予め記憶してある仮の識別番号とを照合し、一致するとカード発行機1は正当なものであると認証し、今度はカード発行機1に自分のセキュリティコードを送る。カード発行機1は、送られてきたセキュリティコードと、管理装置72から送られてきて記憶している遊技カードCのセキュリティコードとを照合し、一致すると遊技カードCは正当なものであると認証する。
カード発行機1では、このような遊技カードCとの間での相互認証を行った上で、遊技カードCに各装置の識別番号等を書き込ませる。その際に、納入時点で遊技カードCに予め書き込んであったカード発行機1の仮の識別番号には真の識別番号が上書きされる。
上記の相互認証による遊技カードCの発行処理手順については、詳細に後述する。
以後、遊技者が上記の通信システム(遊技システム)において遊技カードCを大型金額付加機87や遊技機82…その他の各装置に装着したとき、遊技カードCには各装置の識別番号や遊技カードCのセキュリティコードが記憶してあり、各装置には自分自身の識別番号と遊技カードCのセキュリティコードとが初期データとして記憶してあるので、遊技カードCとその各装置との間でもそれらの情報を用いて相互認証を行い、この相互認証を経た上で遊技カードCとその各装置との間の送受信を行うようにしている。
経営分析装置71は、管理装置72と同様にコンピュータ、ディスプレィ、キーボード、プリンタ、大容量記憶装置等から構成され、管理装置72、遊技機82…等から収集したデータに基づき演算等を行って営業情報、遊技情報、景品の交換情報などを割り出す処理を実行し、またそれらの情報の画面表示や印刷を行う。
次に、この発明の発行装置の一例としてのカード発行機の構成について図5〜図9を用いて説明する。
図5はカード発行機1の正面操作盤の構成を示す図、図6はカード発行機1の正面側内部構成を示す図、図7はカード発行機1の裏面側内部構成の概略を示す図である。カード発行機1は、スタンドボックスタイプの筐体100の内部に後述する主要機器が収納してあり、その筐体100前面の一側縁には正面操作盤101が開閉可能に軸着してある。
正面操作盤101は前方方向に全体的に湾曲した形状になっており、この正面操作盤101の前に立って操作する遊技者(使用者)が操作しやすい構成になっている。
正面操作盤101には、図5に示すように、その上部中央でちょうど遊技者の目の高さに相当する位置にCRT表示画面104が、またその左側にスピーカ105が配置してあり、このCRT表示画面104とスピーカ105とはガイダンス部103を構成し、遊技者に遊技カードCを発行する際のガイダンスを行う。
CRT表示画面104の右側には、遊技者が遊技カードCの発行を最終的に確認して要求するための発行スイッチ107と、遊技カードCの発行をキャンセルするためのキャンセルスイッチ108とから成る操作スイッチ部106が配置してある。これらの発行スイッチ107とキャンセルスイッチ108には、タッチプレートに触れることによりオンとなるタッチ式センサを用いてある。また、そのタッチプレートに遊技者が触れるとそのスイッチ107,108の周りが明るく発光するように確認用としての発行スイッチランプ22とキャンセルスイッチ23とが設けてあり、遊技者はその発行スイッチランプ22,キャンセルスイッチランプ23の点灯によってオン状態を確認できるようになっている。
正面操作盤101の中央で操作スイッチ部106の下方に紙幣を挿入するための紙幣挿入口109が、またその紙幣挿入口109の左側でCRT表示画面104の下方に硬貨投入口110がそれぞれ設けてあり、さらにその硬貨投入口110から左下方向に向けて返却レバー111とカード発行口112とが順に配置してある。このカード発行口112は、発行される遊技カードCを容易に取れるように遊技者の胸または腰に相当する高さに配置してある。
正面操作盤101の下部には、右側から順に紙幣返却口113、硬貨返却口114およびレシート発行口115が配置してある。遊技者が上記返却レバー111を回転させると投入した硬貨が硬貨返却口114に払い出される。また、遊技者がキャンセルスイッチ108をオンさせたときは、それまでに投入された紙幣、硬貨の合計金額に相当する分を上記の紙幣返却口113や硬貨返却口114に払い出して遊技者に返却するようになっている。レシート発行口115からは、遊技カードCと同時に発行されるレシートRがプリンタ21で印字されて出てくるようになっている。
正面操作盤101の左側側縁にはこの正面操作盤101を筐体100側にロックして施錠するための施錠装置116が設けてある。また、正面操作盤101の上端側には、レンズタイプの照明部102が設けてあり、内部に設けてある蛍光灯118の照明光を効果的に照射するようになっている。さらに、正面操作盤1の下端部中央には、人体検出センサ35が設けてあり、遊技カードCの発行を受けるべくこのカード発行機1の正面に立つ人を検出できるようになっている。
筐体100の内部は、図6および図7に示すように正面側と裏面側とに隔壁で二分してあり、その各空間に各種機器が収納してある。また正面操作盤101の裏側にも各種機器が設けてある。
筐体100内部の正面左側では、その下端面150にプリンタ21が配置してあり、プリンタ21は、上述したようにレシートRに印字してそのレシートRをレシート発行口115から排出している。その印字内容については後述する。
プリンタ21の上端側にカード発行部29が載置し固定してある。このカード発行部29は、後述する主制御装置1M(図7)からの指令を受けて遊技カードCを発行するものであり、カード会社74から納入された遊技カードCを保管するカードタンク(図示省略)、そのカードタンクから取り出した1枚の遊技カードCからデータを読み取ったりその遊技カードCにデータを書き込んだりするカードR/W制御装置291、カードタンクからカードR/W制御装置291まで遊技カードCを搬送する搬送路(図示省略)、発行される遊技カードCをカード発行口112まで導くカード排出口292、およびカードR/W制御装置291において不良であると判別された遊技カードCを回収し保管するための不良回収ボックス(図示省略)から構成されている。
一方、筐体100内部の正面右側には紙幣装置24が配置してある。この紙幣装置24には、5千円紙幣および1万円紙幣を回収して保管する回収タンク241と、千円紙幣を回収して保管する回収タンク242とが備えてある。紙幣挿入口109に挿入され案内通路244を介して紙幣装置24に入ってきた紙幣のうち、5千円紙幣および1万円紙幣は上方の回収タンク241に保管され、千円紙幣は下方の回収タンク242に保管される。なお、千円紙幣は釣り銭用として使用されるので、回収タンク242は釣り銭供給用タンクとしての機能も果たしており、その釣り銭用の千円紙幣は回収タンク242に開口して設けた案内通路243を介して紙幣返却口113から払い出され遊技者に返却される。この紙幣装置24の内部には紙幣制御装置25(図8)が収納してあり、紙幣制御装置25は主制御装置1Mからの指令を受けて紙幣装置24全体の動作を制御している。
また、筐体100内部の正面側中央の奥には、小型入力装置28が隔壁に懸架して配備してある。この小型入力装置28は、カード発行機1専用のデータ端末器であり、接続コード(図示省略)で主制御装置1Mに接続してあり、筐体100の内部からオペレータが取り出して使用できるようになっている。小型入力装置28には入力キーと16桁のLCD表示器が備えてあり、例えば入力キーに割り付けてある「売上」キーを押すと、カード発行機1での売上集計をそのLCD表示器に表示するようになっており、この小型入力装置28を用いてカード発行機1での売り上げ集計や釣り銭入力の管理を簡易的に行うことができ、またエラーモニタとしても使用することができる。
さらに、筐体100内部の正面側中央の奥で小型入力装置28の上方に、エラー解除スイッチ38(図8)およびモードスイッチ40(図8)が設けてある。エラー解除スイッチ38は、異常発生後オペレータがその対応処置を施したときにエラー解除を行うためのスイッチであり、モードスイッチ40は、例えばこのカード発行機1を遊技店70に導入した際の導入テスト時にプリンタ21やカードR/W制御装置291などの各端末装置の動作確認を行うためのスイッチである。なお、これらのスイッチ38,40は、筐体100の裏面側内部にも設けてありオペレータが裏面側からも使用できるようになっている。
正面操作盤101の裏面側で中央列の上部には、画像表示制御装置20が配置してあり、主制御装置1Mからの指令を受けて上記のCRT表示画面104での画面表示とスピーカ105による音声出力とを制御している。また、中央列の下部には、硬貨投入口110から入ってきた硬貨を回収して保管するとともに釣り硬貨の払い出しを行う硬貨装置26が配置してある。この釣り硬貨の払い出しは、硬貨装置26の下端側に開設した案内通路261を介して硬貨返却口114から行われる。この硬貨装置26の内部には硬貨制御装置27(図8)が収納してあり、硬貨制御装置27は主制御装置1Mからの指令を受けて硬貨装置26全体の動作を制御している。
正面操作盤101の裏面側に設けた上記画像表示制御装置20および硬貨装置26は、正面操作盤101を閉じたとき、筐体100内部の正面中央列に形成した間隙に丁度収まるように配置してある。
筐体100の前面下部に操作盤ドアスイッチ36が設けてあり、この操作盤ドアスイッチ36は正面操作盤101を閉じたときオンして、正面操作盤101が不正に開けられるのを監視できるようにしてある。
筐体100の裏面側ドア(図示省略)を開くと、図7に概略的に示すようにいくつかの機器が収納され配置してある。すなわち、裏面左側には、このカード発行機1に電源を供給する電源装置(電源回路)31が設けてあり、裏面右側には、このカード発行機1全体の動作を制御する主制御装置1Mと、管理装置72などの他の装置との間での通信制御を行う通信制御装置41とが設けてある。
この通信制御装置41は、筐体100の上端部分に突出して設けた光送受信部1aを経由して、他の装置との間での情報の送受信を行っている。
通信制御装置41の近傍に発行機番号スイッチ39が設けてある。この発行機番号スイッチ39は例えばディップスイッチタイプのもので、管理装置72に対して当該カード発行機1のアドレスを認識させるためのものである。
また、裏面下部には、無停電電源装置(UPS)32が設けてあり、上記の電源回路31は、電源スイッチ311をオンすることにより商用100ボルトの電源供給を無停電電源装置32を介して受け取り、所定の直流電圧に変換した後その直流電圧をカード発行機1の各部に供給する。そして、商用電源の停電時には、無停電電源装置32が単独で作動し、必要に応じてカード発行機1の各部に電力供給を行い、電源をオフできる状態に移行した時点でシャットダウンする。
さらに、裏面上部には裏面側ドアスイッチ37が設けてあり、この裏面側ドアスイッチ37は裏面側ドアを閉じたときオンして、裏面側ドアが不正に開けられるのを監視できるようにしてある。
図8はカード発行機の動作を制御する制御機構の全体構成を示すブロック図である。図において、カード発行機1の動作を制御する制御機構は、主制御装置1Mを主要部とし、上記のカードR/W制御装置291その他の各種機器を周辺端末として構成される。
主制御装置1MはCPU2を中心に構成され、このCPU2と他の部位とは、データバス、アドレスバス、制御バスを含むシステムバス11を介して相互に接続してあり、システムバス11を経由して互いに必要な情報の転送を行っている。
CPU2は、電源投入時あるいはリセット時に、所定のプログラムを記憶するROM8から適宜にプログラムを読み出すと共に、制御に必要な情報等をワークRAM4から読み出すなどしてして所定の初期化処理を行う。そして、クロック9からの基準クロック信号や割込コントローラ6からの割込信号を受け、これらの制御信号の入力タイミングに基づいて所定のプログラムを順次実行し、その実行時には必要に応じて随時RAM7に対する情報の書き込みや読取りを行う。
主制御装置1Mには、上述したように無停電電源装置32が接続してあり、電源スイッチ311のオンにより無停電電源装置32から電源回路31を介して所定の電圧(例えば5V、12V、24V)がCPU2等に印加される。
停電発生時には無停電電源装置32が作動して一時的に電力を供給するとともに、無停電電源装置32はCPU2に割込信号を出力し、CPU2はその割込信号に基づいて保存すべき諸データをワークRAM4に退避させバックアップを行う。このワークRAM4はバックアップ電源の供給を受けてデータを常時保存可能なメモリであり、通常は電源回路31からの電源を電源切替回路3を介してバックアップ電源としているが、電源オフ時や停電発生時にはCPU2からの制御信号を電源切替回路3が受けてワークRAM4専用に設けてある電池に切り替えその電池をバックアップ電源として用いている。
上記のシステムバス11にはPIO(パラレル入出力ポート)15が接続してあり、このPIO15には下記の各装置が接続してある。
すなわち、PIO15には画像表示インターフェイス12を介して画像表示制御装置20が接続してあり、画像表示制御装置20はCPU2からの指令を受けてCRT表示画面104やスピーカ105を動作させ遊技者に遊技カードC発行のためのガイダンスや報知を行う。
また、PIO15にはプリンタ21が接続してあり、プリンタ21はCPU2からの指令を受けて所定の印字を行う。
さらに、PIO15にはドライバ13を介して発行スイッチランプ22およびキャンセルスイッチランプ23が接続してあり、これらのランプ22,23はCPU2からの指令を受けて点滅するようになっている。
また、PIO15には紙幣制御装置25を介して紙幣装置24が接続してあり、紙幣装置24は紙幣制御装置25経由でCPU2からの指令を受けて動作し、また紙幣装置24からの情報をCPU2に伝えている。同様に、PIO15には硬貨制御装置27を介して硬貨装置26が接続してあり、硬貨装置26は硬貨制御装置27経由でCPU2からの指令を受けて動作し、また硬貨装置26からの情報をCPU2に伝えている。
上記システムバス11にはSIO(シリアル入出力ポート)16およびRS−422レシーバドライバ14を介して小型入力装置28が接続してあり、小型入力装置28とCPU2との間での情報の送受信を行えるようになっている。
さらに、システムバス11にはLボード17が接続してある。このLボード17はカードR/W制御装置291側に設けたLボード293とともに、通信インターフェイスとしての機能を果たしており、CPU2とカードR/W制御装置291とは、このLボード17および293を経由して互いに情報の送受信を行っている。
このカードR/W制御装置291は、上述したようにカード発行部29に内蔵してあり、CPU2からの指令を受けて制御され、カードR/W制御装置291に装着された遊技カードCへの情報の書き込みや遊技カードCの情報の読み取り等を行う。またカードR/W制御装置291からCPU2に情報を伝えている。
また、上記のシステムバス11にはPIO(パラレル入出力ポート)18が接続してあり、このPIO18には下記のセンサおよびスイッチが接続してある。
すなわち、PIO18にはタッチ回路19を介して、発行スイッチ107およびキャンセルスイッチ108に採用したタッチプレートタイプの発行センサ33およびキャンセルセンサ34が接続してあり、発行スイッチ107やキャンセルスイッチ108のオンを各センサ33,34が検出したときの検出信号が、タッチ回路19およびPIO18を経由してCPU2に送られるようになっている。
また、PIO18には操作盤ドアスイッチ36および裏面側ドアスイッチ37が接続してあり、これらのスイッチ36および37がオンしたときのオン信号がPIO18を経由してCPU2に送られ、上述したように正面操作盤101や裏面側ドアスイッチ37の開閉状態を監視できるようになっている。さらに、PIO18にはエラー解除スイッチ38、発行機番号スイッチ39およびモードスイッチ40が接続してあり、これらのスイッチ38,39および40がオンしたときのオン信号がPIO18を経由してCPU2に送られ、そのオン信号に応じてそれぞれエラーの解除、管理装置72へのアドレス設定、および各端末装置の動作確認を行う。
システムバス11にはさらに通信制御装置41が接続してある。通信制御装置41はシステムバス11を介してCPU2との間で情報転送を行うとともに、光送受信部1aの行う通信を制御する。
光送受信部1aは、上記のようにカード発行機1の上部に配置され、光中継器92との間でデータ転送のための赤外線通信を行うもので、赤外線を発光する光送信部と赤外線を受信する光受信部とを有する。
通信制御装置41は、例えば通信インターフェイス回路、通信ドライバ/レシーバ、通信コントローラ、メモリ、マイクロプロセッサ、クロック回路、メモリ、デュアルポートRAM(双方向メモリ)を有して構成され、光送受信部1aに送信されてきた管理装置72等の外部装置からの情報をメモリに一時的に格納しその格納した情報を読み出してデュアルポートRAMに書き込んだり、あるいはCPU2がデュアルポートRAMに書き込んだ情報を読み出してメモリに格納することにより、すなわちデュアルポートRAMを介してカード発行機1と外部装置との双方からの情報の書き込みを可能にすることにより、情報の転送を通信(光送信)タイミングの制約を受けずにスムーズに行えるようになっている。
リアルタイムクロック(R.T.C)10は、小型入力装置28の時刻表示に利用される。
この実施例では、遊技カードCはカードタンクから取り出されてカードR/W制御装置291に装着され、CPU2との間での情報の授受などの所定の手順を経た上で発行される。そこで、以下に遊技カードCおよびカードR/W制御装置291の構成および遊技カードCをカードR/W制御装置291に装着したときの作用を図9を用いて説明する。
図9は遊技カードおよびカードR/W制御装置の構成を示すブロック図である。図において、遊技カードCは、CPU213とROM214、RAM215、EEPROM216の各メモリとを内蔵しデータの記憶およびデータ処理機能を有するICカードとして構成され、例えば薄いプラスチックカード内に一体的に形成してあるため、データのセキュリティ性は極めて高いものとなっている。なお、遊技カードCとして、ICカードでなく、同様にセキュリティ保護が十分になされている光カードを用いるようにしてもよい。その場合には、カードR/W制御装置等の必要部分は光カードに対応したものが使用される。
ROM214には、所定の制御処理手順を記載した各種プログラムが格納してある。
不揮発性で書き換え可能なEEPROM216は電源供給が断たれてもデータを保持可能であり、このEEPROM216には、遊技カードCのセキュリティコードや球貸し金額、貯球金額、持ち球数、各端末装置の識別番号(例えばカード発行機1、大型金額付加機87、遊技機82…、景品POS76、および更新機85の各識別番号)等の保持する必要のある各種情報が格納してある。
遊技カードCが単体で動作するときには、CPU213は、クロック206からの基準クロック信号をクロック切替回路207を介して受信し、その基準クロック信号の入力タイミングに基づいて、ROM214に記憶してある所定のプログラムを実行する。その実行時には必要に応じて随時RAM215やEEPROM216に対する情報の書き込みや読み取りを行っている。
CPU213は遊技者がキースイッチ217をオンしたときのそのオン信号を検出すると、LCDドライバ211を介してLCD(液晶ディスプレイ)212に所定の情報を表示する。例えば、キースイッチ217から最初のオン信号を検出すると球貸し金額(残金)を表示し、次のオン信号で持ち球数を表示し、さらに次のオン信号で貯球金額を表示するというようにオン信号を検出する度に表示内容を変更する。
LCD212は、小型で細長い液晶ディスプレイであり、複数の数字や記号等を使用して1行で必要な情報(例えば球貸し金額、持ち球数、貯球金額等)を表示可能なモノクロタイプのものが用いられる。カラータイプの液晶ディスプレイを用いてもよい。
太陽電池209は外部の太陽光や室内光を受けて直流電力を発生し、遊技カードCが単体で動作するときに必要な電力を各部に供給するものであり、より高い制御電圧を要するLCD212には特に昇圧回路210で一旦昇圧した上でLCDドライバ211を介して供給している。
遊技カードCがカードタンクから搬送路を運ばれてカードR/W制御装置291に装着されると、遊技カードCの送受信平面コイル201は、電磁波による電磁結合でカードR/W制御装置291との間で信号の送受を行うとともに、カードR/W制御装置291から電力の供給を受け、その電磁波に基づく電流をクロック取出回路202、直流化回路203および復調回路205に出力する。
クロック取出回路202は、送受信平面コイル201を介して捕捉したカードR/W制御装置291からの電磁波に含まれる信号から基準クロック信号を抽出し、その基準クロック信号でCPU213を動作させるべくクロック切替回路207にクロック信号の切り替えを行わせる。
また、直流化回路203は送受信平面コイル201を介して捕捉したカードR/W制御装置291からの電磁波から遊技カードCへの供給電力になる電磁エネルギーを取り出して直流変換し、電力切替回路208および送信回路204に供給する。電力切替回路208は遊技カードCへの電力供給を直流化回路203あるいは太陽電池209に切り替えるもので、遊技カードCがカードR/W制御装置291に装着されて送受信平面コイル296および201が電磁結合しているときは直流化回路203からの直流電力をCPU213等に供給し、一方カードR/W制御装置291に装着されずに単体で動作するときは太陽電池209からの直流電力をCPU213等に供給する。送信回路204はCPU213の出力信号に基づいて直流化回路203から供給される直流電力を消費することで、間接的にカードR/W制御装置291側に遊技カードCからの信号を伝達する。
復調回路205は、送受信平面コイル201を介して捕捉したカードR/W制御装置291からの電磁波に含まれる信号を復調して必要なデータを取り出す処理を行い、取り出したデータをCPU213に出力する。
カードR/W制御装置291は、CPU294、変調回路295、受信回路297、送受信平面コイル296およびLボード293を有している。CPU294は、遊技カードCからのデータの読み出しや遊技カードCへのデータの書き込みに必要なデータ処理を行い、カードR/W制御装置291の動作を制御している。
変調回路295は送受信平面コイル296に向けて、電力供給信号に制御信号とデータとを重畳した変調信号をCPU294の出力信号に基づき送っている。すなわち、遊技カードCの動作電力となる電源の供給や、基準クロック信号などの制御信号の送信およびデータの送信を、内蔵した電力増幅器(図示省略)で増幅して行っている。
送受信平面コイル296は変調回路295の出力に基づいて駆動し、遊技カードC側の送受信平面コイル201に対して電磁結合により遊技カードCの動作電力、制御信号およびデータを送信する。
受信回路297は送受信平面コイル296に向けて供給される変調回路295の出力がどのように変化するか、すなわち電磁的に結合した送受信平面コイル296および送受信平面コイル201間では、遊技カードCの送信回路204によって送信すべきデータに応じて電磁波が変化するので、それに対応して変調回路295の出力電圧波形がどのように変化するかを監視することにより、間接的に遊技カードCからのデータに対応した信号変化を検出する。この信号変化の検出は遊技カードCからのデータを受信することに相当する。
付属のLボード293はカードR/W制御装置291に対して電源供給を行うとともに、CPU294との間でデータの転送を行う。
上記の遊技カードCおよびカードR/W制御装置291から成る構成において、主制御装置1Mから遊技カードCに向けてデータを転送する場合は、先ず主制御装置1Mが主制御装置1M側のLボード17内のデュアルポートRAM(図示省略)にそのデータを書き込む。そのデータはカードR/W制御装置291側のLボード293間で転送されてLボード293内のデュアルポートRAM(図示省略)に書き込まれるので、カードR/W制御装置291のCPU294はそのデータを読み取り、変調回路295および送受信平面コイル296を経由して遊技カードC側に出力する。
逆に遊技カードCから主制御装置1Mに向けてデータを転送する場合は、先ずCPU213がそのデータを送信回路204および送受信平面コイル201経由でカードR/W制御装置291に間接的に出力する。カードR/W制御装置291では、受信回路297がそのデータに応じた信号変化を遊技カードCからのデータに相当するものとして検出しCPU294に送る。CPU294がLボード293内のデュアルポートRAMにそのデータを書き込むと、そのデータは主制御装置1M側のLボード17間で転送されてLボード17内のデュアルポートRAMに書き込まれ、主制御装置1Mがそのデータを読み取る。
なお、上記の送受信平面コイル296および201は電磁的に結合しており、遊技カードCはカードR/W制御装置291に対して非接触で情報の送受信を行うことができるので、カードR/W制御装置291との接触による損傷を受けず、また静電気による誤動作も防止することができるので、遊技カードCの信頼性も向上させることができる。
遊技カードCがカードR/W制御装置291に装着されると、遊技カードCと主制御装置1Mとの間では上記の構成のもとで情報の送受信が行われるが、上述したようにその情報の送受信時には先ず相手の正当性を認識するべく相互認証を行っている。次に、この相互認証について図10を用いて説明する。
なお、この段階、すなわち遊技カードCがカード発行機1から発行される前の段階では上述したように、遊技カードCには自分自身のセキュリティコードやカード番号、この遊技カードCの制御処理手順を記載した各種プログラム、カード発行機1の仮の識別番号などが、カード会社74による納入時に予め書き込んである。
一方の主制御装置1Mには当該カード発行機1の識別番号(仮の識別番号と真の識別番号)を含む各装置の識別番号や、遊技カードCのセキュリティコードなどが管理装置72からの初期データとして書き込んである。
図10は遊技カードとカード発行機の主制御装置との間で行われる相互認証の説明図である。遊技カードCがカードR/W制御装置291に装着されると、その装着の通知が主制御装置1Mに送られる。そのとき主制御装置1Mは遊技カードCに向けて、図に示すように自分の方からカード発行機1の仮の識別番号を送信し、同時に遊技カードCのセキュリティコードを送ってくるように要求コマンドを送信する。
遊技カードCでは、予め格納してあるカード発行機1の仮の識別番号と主制御装置1Mから送られてきた識別番号とを照合(チェック)し、一致するとき相手のカード発行機1は正当であると認証し、今度は受信した要求コマンドに応答して自分のセキュリティコードを主制御装置1Mに送信する。
主制御装置1Mでは、予め格納してある遊技カードCのセキュリティコードと遊技カードCから送られてきたセキュリティコードとを照合し、一致するとき相手の遊技カードCは正当であると認証し、この相互間での認証を完了した上で次の情報を遊技カードCに送信する。
すなわち、遊技カードCがカード発行機1のカードR/W制御装置291に装着されると、先ず相手の正当性を互いに認証する相互認証を行い、この相互認証を経た上で遊技カードCとその各装置との間の次の送受信を行うようにしている。
上述したように、この実施例では遊技カードCはカード発行機1を認証し、カード発行機1は遊技カードCを認証し、互いに相手の認証を行った上で遊技カードCとの情報の送受を行う。この相互認証は、カード発行機1と遊技カードCとの間だけで情報の送受を行い、相手から受け取ったその情報を照合すればよいので簡易に行えるが、たとえ簡易であっても双方が相手を確実に認証できるので、遊技カードCの高セキュリティ性と相俟ってシステムとしてのセキュリティ性を高度に保持することができ、カード発行機1としての信頼性を向上させることができる。
また、その相互認証において管理装置72のような第3者的な装置は介在しないので、情報の送受を速やかに行うことができ、このカード発行機1を使用する遊技者も、遊技カードCの発行を速やかに受けることができる。
次に、遊技カードCをカード発行機1に装着したときの双方での制御内容について説明する。
遊技カードCが実行する制御内容を、図11および図12のフローチャートに基づいて説明する。
図11および図12は遊技カードでの処理手順を示すフローチャートである。図において、遊技カードCは、先ずステップS1において電力供給信号(電磁波の供給)が有るか否かを判別する。電力供給信号は遊技カードCをカード発行機1のカードR/W制御装置291に装着したとき、カードR/W制御装置291から無線によって供給されるものである。
ステップS1において電力供給信号が有ると判別したときは、遊技カードCがカードR/W21に装着してある場合であり、この場合は先ずカードR/W制御装置291からの情報を受信する処理を行い(ステップS2)、次いでカード発行機1からの識別番号を確認する処理を行う(ステップS3)。これは、カード発行機1の識別番号が正規のものであるかどうかを確認するものである。
続いてステップS4において識別番号がOKであるか否かの判別を行い、OKでなければステップS1に戻って処理を繰り返し、識別番号がOKであればカード発行機1からセキュリティコードの要求があるか否かの判別を行う(ステップS5)。セキュリティコードの要求があればセキュリティコードをカード発行機1に送信し、ステップS1に戻る。これにより、遊技カードCとカード発行機1との間で相互認証が行われる。
相互認証が終了すると、ステップS5の判別結果はNOとなるので、ステップS6に進み、カード発行機1から情報の書き込み要求があるか否かの判別を行い、書き込み要求があれば情報の書き込みを行い(ステップS9)、ステップS1に戻る。これにより、カード発行機1からの情報が遊技カードCに書き込まれる。
このとき遊技カードCに書き込まれる情報は、上述したように各装置の識別番号(カード発行機1、大型金額付加機87、遊技機82…、景品POS76、更新機85等の各識別番号)、遊技カードCのセキュリティコードや球貸し金額、貯球金額および持ち玉数の記載データ(この時点ではいずれも「0」)などである。カード発行機1から送信してくるカード発行機1の識別番号は真の識別番号であり、遊技カードCに予め書き込んであったカード発行機1の仮の識別番号はこのとき上書きされ真の識別番号となる。
ステップS6で書き込み要求がなければステップS7に進み、遊技カードCが記憶している情報の読み出し要求があるか否かを判別し、読み出し要求があれば、要求のあった情報を送信する処理を行い(ステップS10)、ステップS1に戻る。これにより、カード発行機1から読み出し要求のあった遊技カードC内の対応情報がカード発行機1に送信される。
一方、ステップS1において、電力供給信号が存在しないときは、遊技カードCが単体で動作する場合であり、先ずキースイッチ217をオンしたか否かを判別し(ステップS13)、キースイッチ217がオンしてなければステップS13に待機し、オンしていればそのオン信号の回数をカウントアップし(ステップS14)、そのカウント値が最大になればそのカウント値をクリアし(ステップS15,S16)、そうでなければカウント値に応じて、「0」であればそのLCD212に球貸し金額(残金)を表示し、「1」であれば持ち球数を表示し、「2」であれば貯球金額を表示し、「3」であればその遊技者の本日の遊技結果に対応した収支状況を表示し、また「4」であればその遊技カードCの有効期限を表示するというようにキースイッチ217のオン信号に応じて表示内容を変更させる(ステップS17〜S26)。
次にカード発行機1の主制御装置1Mが実行する制御内容を、図13〜図50のフローチャートに基づいて説明する。
図13、図14および図15はカード発行機の主制御装置でのメイン処理の手順を示すフローチャートである。このメイン処理はカード発行機1の電源投入と同時に開始される。
メイン処理が開始すると、先ずステップS31でCPU2やPIO15、PIO18、SIO16などの入出力ポートの初期化を行い、次にステップS32でデータやフラグなどの変数の初期化、周辺装置の初期化、およびワークRAM4やRAM7、Lボード17のデュアルポートRAMなどのワークエリアの初期化を行う。
続いてステップS33でカードR/W制御装置291の初期化を行い、次にステップS34でネットワークの回線テストパケットを受信したか否かを判別する。これは、ネットワークを管理している管理装置72からの回線テストパケットを受信したか否かを判断するものであり、回線テストパケットを受信していなければ、ステップS41に進んでインターバル処理を実行した後このステップS34に戻り、回線テストパケットを受信するまで待機する。
なお、ステップS41や後述するステップS42等におけるインターバル処理は、警告エラーの調査やその処理、小型入力装置28からの受信処理、停電検出時の処理などを行うものであり、その詳細は図50を用いて後述する。ここで、警告エラーとは、硬貨釣り銭不足のようなその後の発行動作が引き続き可能な程度のエラーをいい、釣り銭補充などによりその警告エラーは解消される。
ステップS34で回線テストパケットを受信すると、ステップS35に進んで回線テスト処理を行う。これは、回線がつながると管理装置72に対してカード発行機1からOKのACKを返すものである。
次に、ステップS36で管理装置72から初期データを受信したか否かを判別する。初期データとしては、上述したようにカード発行機1、大型金額付加機87、遊技機82…、景品POS76、および更新機85の各識別番号や、遊技カードCのセキュリティコード、時間情報などがある。カード発行機1の識別番号としては、この時点では仮の識別番号と真の識別番号とがある。初期データを受信していなければ、ステップS42に進んでインターバル処理を実行した後このステップS36に戻り、初期データを受信するまで待機する。初期データを受信すると、ステップS37に進んで初期データ処理を行い、受信した初期データをカード発行機1のメモリ(RAM7)に書き込む。そして、この初期データは後述するカードデータ前期書込処理(図33のステップS1070)およびカードデータ後期書込処理(図44のステップS411)において、カード発行機1から認証済みの遊技カードCに初期値(遊技関連情報)として書き込まれる。
このように、初期データについては管理装置72側から送信してカード発行機1のメモリに記憶する。すなわち、遊技カードCに書き込むことになるデータについては管理装置72側から送信するようにしたので、その後の遊技システムにおいて重要となるデータの信頼性を十分に確保することができる。
次に、ステップS38で稼働データを設定して管理装置72に送信する。これは、カード発行機1の稼働データを通信制御装置41のデュアルポートRAMに書き込むことにより、光送受信部1aを経由して赤外線通信により管理装置72に送信するものである。この稼働データは、例えば、後述の各処理で発生しカード発行機1の状態を示す「発行機状態」や、遊技カードCの発行枚数、不良カードの枚数、紙幣や硬貨の入金枚数、出金枚数、釣り銭硬貨の枚数などである。
このように、カード発行機1での稼働データを随時管理装置72に送信するようにしたので、管理装置72側ではリアルタイムにカード発行機1の稼働状況を把握することができ、経営上適切な処置を直ちにとれるようになる。
次いで、ステップS39で開店を指示する開店パケットを受信したか否かを判別する。開店パケットを受信していなければ、ステップS43に進んでインターバル処理を実行した後このステップS39に戻り、開店パケットを受信するまで待機する。開店パケットを受信すると、ステップS40に進んで開店処理を行い、その後ステップS44に進む。この開店処理によりカード発行機1が開店状態となる。
ところで、この実施例では、詳細は後述するように、遊技カードCを発行すると、次に発行操作を行う人がいなくても、カードタンクから次の遊技カードCを搬送してカードR/W制御装置291に装着し、その装着状態で遊技カードCを待機させる発行準備処理を採用している。したがって、カード発行機1が開店状態となったときには、すでに遊技カードCが装着されていることになる。
ステップS44では、L送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にカードデータリードコマンドを書き込み、上記のように開店状態となったときにすでに装着されている遊技カードCのデータを読み取るべく、カードR/W制御装置291に指令する。この指令を行った後、次のステップS45に進む。なお、この時点で遊技カードCに書き込んであるデータは、後述するように、時間情報以外の初期値(以下、「メイン初期値」という」)である。
ステップS45ではリードACKフラグがオンであるか否かを判別する。このリードACKフラグは、装着してある遊技カードCがカードR/W制御装置291経由で主制御装置1Mからのカードデータリードコマンドを正常に受信したことを主制御装置1Mに通知してきたときに、後述するL受信割込処理(図26のステップS185,S193)においてセット(オン)されるものであり、リードACKフラグがオンであればステップS50に進む。
ステップS50ではリードACKフラグをクリアし、次のステップS51に進む。
ステップS51では、エラー発生か否かを判別し、エラー発生でなければステップS52に進む。
ステップS52では、リードレスポンスフラグがオンであるか否かを判別する。このリードレスポンスフラグは、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのカードデータリードコマンドに応じて遊技カードCのデータを読み取り主制御装置1Mに送ってきたときに、後述するL受信割込処理(図27のステップS200,S206)においてセットされるものである。
リードレスポンスフラグがオンでないときは、ステップS51に戻りステップS51およびS52を再度実行して待機する。ステップS52でリードレスポンスフラグがオンとなったときは、ステップS53に進む。
ステップS53では、遊技カードCから読み取られ送られてきているデータ(メイン初期値)のチェック処理を行う。このチェック処理は、そのデータに関して、余分のデータが入っていないか、データに不足がないか、正確なデータであるかといったチェックである。
ステップS53でのチェック処理の完了後は、ステップS54でそのデータチェックにおいてエラーが有ったか否かの判別を行い、エラーが無い、すなわちデータチェックの結果が正常であればステップS48に進む。
一方、上記のステップS51でエラー発生のとき、あるいは上記のステップS54でエラーすなわちデータチェックの結果が異常のときは、ステップS55でエラーフラグをセットした後、ステップS47の発行準備処理を実行し、その後ステップS48に進む。
また、上記のステップS45でリードACKフラグがオンでない、すなわち遊技カードCがカードR/W制御装置291経由のカードデータリードコマンドを正常に受信していないときは、ステップS46で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過してもリードACKフラグがオンにならないときは、上記の場合と同様にステップS55でエラーフラグをセットした後、ステップS47の発行準備処理を実行し、その後ステップS48に進む。
ステップS47の発行準備処理では、ステップS55でエラーフラグがセット(オン)されていることを受けて、詳細は後述するように、当該遊技カードCを回収するとともに、次の遊技カードCを搬送装着し、その装着した遊技カードCに対して認証とメイン初期値の書き込みとを行っている。
このように、カード発行機1を立ち上げて開店状態としたときには、すでに装着してある遊技カードCが主制御装置1Mからのカードデータリードコマンドを正常に受信したかどうかを確認し、また装着してある遊技カードCに書き込まれているメイン初期値が正常であるかどうかを確認するようにしたので、例えば前日に装着してあって時間が経過した遊技カードCであってもそのセキュリティを確実に確保することができる。
その際に、遊技カードCがカードデータリードコマンドを正常に受信しなかったり、メイン初期値に異常があるときは、その遊技カードCを回収して直ちに次の遊技カードCの装着、認証、およびメイン初期値の書き込みを行うようにしたので、遊技カードCの発行を受けようとする遊技者がカード発行機1の前に立つときには、正常な遊技カードCが待機している状態となる。したがって、立ち上げ時の遊技カードCに異常があっても、遊技者に速やかに遊技カードCを発行することができる。
上記のステップS48ではリジェクトフラグをクリアし、次にステップS49で、リジェクトカウンタをクリアする。
続いてステップS56で、後述の各処理で発生するステータス(例えば上記の「発行機状態」や各種フラグ)のチェックを行う。そのステータスが閉店でもなくまた致命的エラーでもないときは、カード発行機1が正常であるとして、ステップS57に進み人体検出処理を実行する。ここで、致命的エラーとは、例えばカードR/W制御装置291にトラブルが発生しその後の発行動作を行えないような動作不能エラーをいう。
ステップS57の人体検出処理は、人体検出センサ35が遊技カードCの発行操作を行おうとする人を検出したときに行う処理であり、遊技カードCの発行を受けようとする人が貨幣を投入しさらに発行スイッチ107を押すことで発行スイッチフラグがオンとなるまでの各処理を行う。その詳細は図34〜図40を用いて後述する。
次のステップS58では、人体検出処理の実行時に発生したステータスのチェックを行い、その結果、上記の人体検出処理が正常に実行され致命的エラーが発生していないと判別したときはステップS59に進み、カード発行処理を実行する。
このカード発行処理では、発行スイッチフラグがオンとなったことを受けて、その時点ですでに装着してあってメイン初期値も書き込んである遊技カードCにさらに時間情報を書き込んでその遊技カードCを発行するとともに、レシートRの発行を行い、そのとき釣り銭があれば釣り銭を払い出す一連の処理を行う。その詳細は図41〜図49を用いて後述する。
ステップS59でのカード発行処理が完了したときは、ステップS47の発行準備処理に戻る。この発行準備処理では、次の遊技カードCをカードタンクから搬送してカードR/W制御装置291に装着し、その装着した遊技カードCに対して認証とメイン初期値の書き込みとを行い、次の発行に備えて待機させ、その後上記のステップS57の人体検出処理を実行する。
このように、発行準備処理、人体検出処理、およびカード発行処理を繰り返し実行することで、遊技カードCの発行を継続して行っている。
一方、上記のステップS56でステータスが閉店または致命的エラーのとき、また上記のステップS58でステータスが致命的エラーのときは、ステップS60に進む。
ステップS60では、ステータスが閉店であるか否かを判別し、閉店でなければステータスが致命的エラーのときなのでステップS62に進みエラー処理を行う。このエラー処理では、管理装置72に対してエラー発生パケットを送信し、その後ステップS34に戻って管理装置72からの回線テストパケットの受信を待つことになる。カード発行機1でのエラーを解除した後、この回線テストパケットが管理装置72からカード発行機1へ送られてくることになる。
一方、ステップS60でステータスが閉店であるときは、ステップS61で閉店処理を行う。これによりカード発行機1は閉店状態となり、その後このメイン処理を終了する。
次に、上記のメイン処理ルーチンに対して割り込みで実行する割込処理ルーチンを図16〜図27を用いて説明する。この割込処理は、停電割込処理、16msタイマ割込処理、100msタイマ割込処理、硬貨装置割込処理、紙幣装置割込処理、小型入力装置受信割込処理、光受信割込処理、およびL受信割込処理の各処理である。
図16は停電割込処理を示すフローチャートである。停電検出が行われると、メイン処理に関係なくこの停電割込処理がスタートする。停電が検出されると、先ずステップS65で停電通知フラグがセットされる。この停電通知フラグはインターバル処理(図50)で使用される。
次にステップS66において、ステータスでカード発行機1の動作状態のチェックを行い、ステータスが「キャンセル中」、「カード発行中」、「カード書込中」、「貨幣投入中」、「貨幣払出中」のいずれかであるときは、そのまま今回の停電割込処理を終了し復帰する。すなわち、カード発行機1がこれらの「キャンセル中」、「カード発行中」、「カード書込中」、「貨幣投入中」、「貨幣払出中」の動作状態にあるときは、無停電電源装置32によるバックアップに入り、その動作状態が終了するまで電源を保っている。
一方、ステータスが上記のいずれの動作状態でないときは、ステップS67でワークRAM4にデータをバックアップしその時点での状態を記憶させ、次のステップS68で無停電電源装置32を強制的にオフしてこの停電割込処理を終了する。
図17および図18は16msタイマ割込処理のフローチャートである。このタイマ割込処理はメイン処理ルーチンに対して16ms毎にタイマ割り込みで実行するものであり、この割込処理では、先ずステップS71において、画像表示制御装置20の表示処理に関するデータ用としてRAM7内に割り当ててある表示エリアに記載されたコマンド(モード)の読み込み編集を行う。その各モードは、人体検出処理およびカード発行処理の各サブルーチンにおいて発生するものである。
そして、その表示エリアに客待ちの状態で貨幣の投入を許可している「普段動作モード」が有るか否かを判別し(ステップS72)、「普段動作モード」が有ればモード01という表示用のモード番号とその対応データを画像表示制御装置20に送出する(ステップS81)。画像表示制御装置20では、その情報を画像表示インターフェイス12を経由して受け取り、後述するようにそれに対応する画像や音声を出力することになる。一方、ステップS72で「普段動作モード」が無ければ次のステップS73に進み、カードの発行手順を説明する「動作説明モード」が有るか否かを判別し、「動作説明モード」が有ればモード02というモード番号とその対応データを画像表示制御装置20に送出する(ステップS82)。
以下同様にして、金額の投入を促す「金額投入促進モード」が有ればモード03とその対応データを送出し(ステップS74,S83)、カード発行をキャンセルする「キャンセルモード」が有ればモード04とその対応データを送出し(ステップS75,S84)、各装置の識別番号等の初期値を遊技カードCに書き込む「カード書込中モード」が有ればモード05とその対応データを送出し(ステップS76,S85)、さらに、その書き込みが終了したときの「カード書込完了モード」が有ればモード07とその対応データを送出する(ステップS77,S86)。
上記ステップS71に基づく画像表示制御装置20への送信処理が終了すると、次にステップS78で小型入力装置28への送信処理を行う。次に、ステップS79のイベントカウンタ処理を行うことにより他の処理で利用される16ms倍数の時間を作成し、続いてステップS80で紙幣装置24および硬貨装置26の制御処理を行う。さらに、ステップS87で発行スイッチランプ22およびキャンセルスイッチランプ23に対して所定の点滅処理を指令し、ステップS88でそのランプ22,23の点滅時間や点灯時間を計数するタイマカウンタのインクリメント処理を行い、その後この16msタイマ割込処理を終了してメイン処理ルーチンに復帰する。
図19は100msタイマ割込処理のフローチャートである。このタイマ割込処理はメイン処理ルーチンに対して100ms毎にタイマ割り込みで実行するものであり、この割込処理では、先ずステップS91においてエラー処理を行う。このエラー処理は、エラーの有無やセンサの状態を監視してフラグをセットしたり、モニタランプを点灯させたりするものである。
次のステップS92では、人体検出センサ35がオンしたか否かの判別を行い、オンしていればステップS93で人体検出フラグをセットし、そうでなければステップS104で人体検出フラグをクリアし、その後それぞれステップS94に進む。
ステップS94では時刻カウントが許可されているか否かの判別を行う。この時刻カウントは、管理装置72からの初期データを受信することにより許可されるものである。時刻カウントが許可であれば、次のステップS95に進んで100msカウンタで計数し、続いてステップS96で1秒経過したかの判別を行う。1秒経過であればステップS97に進んで現在時刻を計数し、さらにステップS98で定時としての10秒間が経過したか否かの判別を行い、10秒経過であれば、ステップS99で稼働データ送信依頼フラグをセットし、ステップS100に進む。ステップS98で定時としての10秒が経過していなければステップS99をスキップしてステップS100に進む。ステップS100では、100msカウンタをリセットする。すなわち、定時に到達したときは、100msカウンタをリセットした上で次のステップS101に進む。
また、上記のステップS94で時刻カウントが許可でないとき、およびステップS96で1秒が経過していないときも、それぞれステップS101に進む。
ステップS101では、イベントカウンタ処理を行うことにより他の処理で利用される100ms倍数の時間を作成し、次にステップS102で稼働データ送信依頼フラグがオンであるか否かの判別を行う。稼働データ送信依頼フラグがオンであれば、ステップS103で通信制御装置送信処理を行う。
この通信制御装置送信処理は、稼働データを通信制御装置41のデュアルポートRAMに書き込むことにより、光送受信部1aを経由して赤外線通信により管理装置72に10秒毎の定時データとして送信するものである。また、このとき稼働データ送信依頼フラグはオフされる。この稼働データは、上述したように、カード発行機1の状態を示す「発行機状態」や、遊技カードCの発行枚数、不良カードの枚数、紙幣や硬貨の入金枚数、出金枚数、釣り銭硬貨の枚数などである。
ステップS103での通信制御装置送信処理の後、またはステップS102で稼働データ送信フラグがオンでないときは、そのままこの100msタイマ割込処理を終了してメイン処理ルーチンに復帰する。
図20は硬貨装置割込処理のフローチャートである。この硬貨装置割込処理は、硬貨投入時および硬貨1枚払出終了時にメイン処理ルーチンに対して割り込みで実行するものである。
この硬貨装置割込処理では、先ずステップS110において、割込要因が何であるかを判別し、割込要因が硬貨投入時であれば、ステップS111でその検知信号を硬貨の種別毎に識別してバッファ(RAM7の所定エリア)にストアし、続いてステップS112で硬貨受付禁止信号を硬貨装置26に送出してこの硬貨装置割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
一方、ステップS110における判別で割込要因が硬貨1枚払出終了時であれば、ステップS113に進み、払出終了通知フラグをセットした後この硬貨装置割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
図21は紙幣装置割込処理のフローチャートである。この紙幣装置割込処理は、紙幣挿入時、紙幣払出枚数転送終了時および紙幣払出枚数転送エラー時にメイン処理ルーチンに対して割り込みで実行するものである。
この紙幣装置割込処理では、先ずステップS120において、割込要因が何であるかを判別し、割込要因が紙幣挿入であれば、ステップS121でその検知信号を紙幣の種別毎に識別してバッファ(RAM7の所定エリア)にストアし、続いてステップS122で紙幣受付禁止信号を紙幣装置24に送出してこの紙幣装置割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
一方、ステップS120における判別で、割込要因が紙幣払出枚数転送終了時および紙幣払出枚数転送エラー時であれば、ステップS123に進んで、さらに紙幣払出枚数転送終了時であるか否かの判別を行い、紙幣払出枚数転送終了時であればステップS124で転送終了通知フラグをセットし、そうでなければ割込要因が紙幣払出枚数転送エラー時であるのでステップS125でエラーフラグをセットし、それぞれのフラグセットの終了後この紙幣装置割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
図22は小型入力装置受信割込処理のフローチャートである。この小型入力装置受信割込処理は小型入力装置28からのデータをRS−422レシーバドライバ14およびSIO16を経由して主制御装置1Mが受信して行う処理であり、メイン処理ルーチンに対して割り込みで実行される。
この割込処理では、先ずステップS130において受信バッファ(RAM7の所定エリア)がFULLの状態であるか否かの判別をバッファポインタのポイント値に基づいて行い、FULLでなければ次のステップS131でSIO16まで送られてきているデータを受信して受信バッファに書き込み、続いてステップS132でバッファポインタによるポイント値をインクリメントし、ステップS133に進む。一方、ステップS130で受信バッファがFULLのときは、ステップS131、ステップS132をスキップしてステップS133に進む。
ステップS133では、受信データフラグをセットしてこの小型入力装置割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
図23は光受信割込処理のフローチャートである。この光受信割込処理は管理装置72がカード発行機1の光送受信部1aにデータを送って来ると、通信制御装置41がそのデータをデュアルポートRAMに書き込むので、そのとき主制御装置1Mがそのデータを読み取って行う処理であり、メイン処理ルーチンに対して割り込みで実行される。
この割込処理では、先ずステップS140において割込コードの解析を行う。これは、割込コードが以下のステップに示すようにパケット、ステータス、コマンドのいずれであるかを解析するものである。なお、パケットは管理装置72からのデータであり、ステータスおよびコマンドは通信制御装置41からのデータである。
ステップS141では、割込コードの解析結果からパケットコードであるか否かを判別し、パケットコードのときはステップS142に進んで受信ステータスの読込処理を行う。これは、管理装置72より受信したデータの信頼性を確認するものである。例えば、受信したデータを通信制御装置41でCRCチェックして「OK」あるいは「NG」のデータを内部のデュアルポートRAMに書き込むので、そのチェックデータの確認を行うものである。
次にステップS143で、受信したパケットを読み込んでそのパケットの情報をメモリに記憶し、次のステップS144に進む。この受信パケットは、例えば管理装置72からの開店パケット、初期データパケット、閉店パケット、動作中止要求パケット、動作再開要求パケット、稼働データACKパケットなどである。
一方、上記のステップS141において、割込コードがパケットでないと判別したときは、ステップS145に分岐し、通信制御装置41からのステータス読込要求であるか否かの判別を行う。なお、ステップS145に分岐するのは割込コードがステータスあるいはコマンドの場合に相当し、これらのステータスおよびコマンドは通信制御装置41からのデータである。
ステータス読込要求であれば、次のステップS146で、受信したステータスを読み込んでそのステータスの情報を解析し、その受信ステータスに応じた処理を実行した後、ステップS144に進む。
一方、上記のステップS145でステータス読込要求でないと判別したときは、ステップS147に進んで通信制御装置41からのコマンド読込要求であるか否かの判別を行う。コマンド読込要求であれば、次のステップS148で、受信したコマンドを読み込んでそのコマンドの情報を解析し、その受信コマンドに応じた処理を実行した後、ステップS144に進む。また、ステップS147でコマンド読込要求でないと判別したときは、割込コードはパケット、ステータス、コマンドのいずれでもないため、このようなときはエラー発生であるとしてステップS149でステータスを通信エラーとしてセットしステップS144に進む。
ステップS144では、管理装置41に対してパケットを受け取ったことを知らせるべく、光送信エリア(通信制御装置41のデュアルポートRAM)に処理確認コードを書き込み、通信制御装置41、光送受信部1aを経由して管理装置72へ送信する。その後この光受信割込処理を終了しメイン処理ルーチンに復帰する。
図24、図25、図26および図27はL受信割込処理のフローチャートであり、図25〜図27はそのL受信割込処理中のパケット受信処理サブルーチンを示している。このL受信割込処理はLボード17のデュアルポートRAMに書き込まれたカードR/W制御装置291からのデータを主制御装置1Mが読み取って行う処理であり、メイン処理ルーチンに対して割り込みで実行される。
この割込処理では先ずステップS160において、Lボード17のデュアルポートRAMのデータの読み込みを行う。
次に、ステップS161において、カードR/W制御装置291の初期化処理が終了しているか否かの判別を行う。この判別は、カードR/W制御装置291から初期化の要求があったかどうかで行っている。初期化処理が終了していなければ、ステップS162でカードR/W制御装置291の初期化処理を実行してステップS163に進む。初期化処理が終了しているときは、ステップS162をスキップしてステップS163に進む。
ステップS163では、カードR/W制御装置291からのR/W状態情報が有るか否かを判別し、R/W状態情報が有るときは状態受信処理を実行してその動作を監視し(ステップS164)、その後カードR/W制御装置291からのパケットデータ受信に基づくパケット受信処理を行う(ステップS165)。
また、ステップS163でR/W状態情報が無いときはステップS164をスキップして直接ステップS165のパケット受信処理に入る。
図25〜図27のパケット受信処理では、先ずステップS170において、パケットデータが有るか否かの判別を行い、パケットデータが無いときはそのままこのL受信割込処理を終了する。パケットデータが有るときはパケットデータの解析を行い(ステップS171)、パケットが回線テストACKであるか否かを判別する(ステップS172)。この回線テストACKは、主制御装置1MからカードR/W制御装置291に回線テストパケットを送ったときカードR/W制御装置291がその回線テストパケットを正常に受信したことを主制御装置1Mに通知する確認のための情報である。パケットが回線テストACKであれば回線テストACK受信処理を行い、回線テストACK受信に対応するフラグをセットして他の処理での使用に供する(ステップS177)。パケットが回線テストACKでなければ開店ACKであるか否かを判別する(ステップS173)。
以下、同様にして開店ACKであれば開店ACK受信処理を行い(ステップS178)、開店ACKでなければ閉店ACKであるか否かを判別する(ステップS174)。閉店ACKであれば閉店ACK受信処理を行い(ステップS179)、閉店ACKでなければ停電復旧ACKであるか否かを判別する(ステップS175)。停電復旧ACKであれば停電復旧ACK受信処理を行い(ステップS180)、停電復旧ACKでなければ停電退避ACKであるか否かを判別する(ステップS176)。
受信パケットが停電退避ACKであれば停電退避ACK受信処理を行い(ステップS181)、停電退避ACKでなければ開店準備ACKであるか否かを判別する(ステップS182)。開店準備ACKであれば開店準備ACK受信処理を行い(ステップS190)、開店準備ACKでなければEJECTACKであるか否かを判別する(ステップS183)。ここで、EJECTACKとは遊技カードCのヘッド部分をカード発行口112から出せとの指令に対するACKである。
受信パケットがEJECTACKであればEJECTACK受信処理を行い(ステップS191)、EJECTACKでなければカードデータライトACKであるか否かを判別する(ステップS184)。カードデータライトACKであればライトACK受信処理を行い(ステップS192)、カードデータライトACKでなければカードデータリードACKであるか否かを判別する(ステップS185)。
カードデータリードACKであればリードACK受信処理を行い(ステップS193)、カードデータリードACKでなければEJECTレスポンスであるか否かを判別する(ステップS186)。ここで、EJECTレスポンスとは、遊技者が遊技カードCを抜いて遊技カードCが発行された状態であることを示すためのカードR/W制御装置291からの応答である。EJECTレスポンスであればEJECTレスポンス受信処理を行ってカード発行完了フラグをセットし(ステップS194)、EJECTレスポンスでなければカードIN(遊技カードCが装着された状態)であるか否かを判別する(ステップS187)。カードINであればカードIN受信処理を行ってカード装着フラグをセットし(ステップS195)、カードINでなければエラーパケット(カード詰まり等のエラーが発生した状態)であるか否かを判別する(ステップS188)。
受信パケットがエラーパケットであればエラーパケット受信処理を行い(ステップS196)、エラーパケットでなければR/Wステータス(カードR/W制御装置291の現在の状態報告:例えば、遊技カードCのデータの読み出し中、遊技カードCの搬送中など)であるか否かを判別する(ステップS189)。R/WステータスであればR/Wステータス受信処理を行い(ステップS197)、R/WステータスでなければリジェクトACKであるか否かを判別する(ステップS198)。ここで、リジェクトACKとは、カード回収指令に対するACKである。リジェクトACKであればリジェクトACK受信を行ってリジェクトACKフラグをセットし(ステップS204)、リジェクトACKでなければリジェクトレスポンスであるか否かを判別する(ステップS199)。ここで、リジェクトレスポンスとは、カード回収完了を知らせるカードR/W制御装置291からのレスポンスである。
受信パケットがリジェクトレスポンスであればリジェクトレスポンス受信処理を行ってリジェクトレスポンスフラグをセットし(ステップS205)、リジェクトレスポンスでなければカードデータリードレスポンス(遊技カードCから読み出したデータ)であるか否かを判別する(ステップS200)。カードデータリードレスポンスであればカードデータリードレスポンス受信処理を行う(ステップS206)。このカードデータリードレスポンス受信処理では、Lボード17のデュアルポートRAMを経由して受け取った情報を自メモリに書き込み他の処理での使用に供する。
受信パケットがカードデータリードレスポンスでなければカードデータライトレスポンス(遊技カードCへの書き込み完了応答)であるか否かを判別する(ステップS201)。カードデータライトレスポンスであればカードデータライトレスポンス受信処理を行ってレスポンス受信フラグをセットし(ステップS207)、カードデータライトレスポンスでなければID受信であるか否かを判別する(ステップS202)。ここで、ID受信とは、遊技カードC側で当該カード発行機1が正当なものであるか否かの認証を仮の識別番号に基づいて行い、正当であると認証したとき、今度はその遊技カードCが自分の正当性を判別してもらうためにセキュリティコードとカード番号をカード発行機1に通知してくるので、そのセキュリティコードとカード番号を受信することをいう。
ID受信であればID受信処理を行う(ステップS208)。このID受信処理では、ID受信フラグをセットするとともに、遊技カードCからセキュリティコードやカード番号を受信して自メモリに書き込み、カード発行機1側での認証処理に供する。ID受信でなければ再度パケットデータが有るか否かの判別を行い(ステップS203)、パケットデータが無いときはこのL受信割込処理を終了し、パケットデータが有るときは上記のステップS171に戻る。
なお、上記のステップS177〜ステップS181、ステップS190〜ステップS197、ステップS204〜ステップS208ではそれぞれの処理を行った後ステップS203の判別処理を行うようになっている。
次に、図13、図14および図15のメイン処理ルーチンに戻って、ステップS47での発行準備処理サブルーチン、ステップS57での人体検出処理サブルーチン、ステップS59でのカード発行処理サブルーチン、およびステップS41等でのインターバル処理サブルーチンについて順に説明する。
先ず発行準備処理サブルーチンから説明する。発行準備処理サブルーチンは、上述したように、遊技カードCが発行されたことを受けて引き続き行う処理であり、カードタンクにある遊技カードCをカードR/W制御装置291まで搬送して装着し、相互認証と、メイン初期値の書き込みとを行う。この発行準備処理によって、次に遊技カードCの発行を受ける人がカード発行機1の前に立ったときは、発行される遊技カードCは、すでに装着状態にあり、その遊技カードCとの間での相互認証および遊技カードCへのメイン初期値の書き込みも完了していることになる。
図28〜図33は発行準備処理サブルーチンを示すフローチャートである。この発行準備処理サブルーチンでは、先ずステップS1001において、動作ステータス(発行機状態)を「カード書込中」とし、次のステップS1002に進む。
ステップS1002ではエラーフラグが有るか否かを判別し、エラーフラグが無ければ次のステップS1010に進む。この場合のエラーフラグは、図14のステップS55でセットされたものであり、カード発行機1が開店状態となったけれども、装着してあった遊技カードCに対する読み取りが正常に行われなかったときなどにセットされるフラグである。
ステップS1010では詳細は後述するIDチェック処理を行う。このIDチェック処理では、カード搬送および相互認証を行い、ステータスとして認証結果OK、認証結果NG、または致命的エラーを検出するまでの処理を行う。
次のステップS1011ではステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、ステップS1023に進む。
一方、ステップS1011でステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS1012に進み、認証結果OKであるか否かを判別する。認証結果OKであれば詳細は後述するカードデータ前期書込処理(図33)を実行して、遊技カードCにメイン初期値を書き込む処理を行い、その後、ステップS1023に進む。このカードデータ前期書込処理の詳細は後述する。
ステップS1023では、エラーフラグが有るか否かを判別し、エラーフラグが無ければそのままこの発行準備処理サブルーチンを終了する。この場合のエラーフラグは、遊技カードCへのメイン初期値の書き込みが正常に行われなかったときなどにセットされたフラグである。
ステップS1012で、認証結果がOKでない、すなわち認証結果NGのときは、次のステップS1013に進む。
ステップS1013では、光送信エリア(通信制御装置41のデュアルポートRAM)にカード不良コマンドを書き込んで管理装置72に不良カード発生のパケットを送信するための処理を行い、次のステップS1014に進む。
このように、相互認証が正常に行われなかったときにその異常発生の情報を管理装置72に送信するようにしたので、管理装置72側で随時不良カードの発生状況を把握することができ、遊技店70では、カード会社74に連絡するなど適切にその異常に対応することができる。
ステップS1014では、L送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にリジェクトコマンドを書き込んでカードR/W制御装置291に対してカード回収を指令し、次のステップS1015に進む。Lボード17のデュアルポートRAMにコマンドを書き込むことにより、Lボード17、Lボード29を経由してカードR/W制御装置291にそのコマンドが送信される。
ステップS1015では、リジェクトACKフラグがオンであるか否かを判別する。このリジェクトACKフラグは、上記のL受信割込処理のステップS204でセットされたものであり、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのリジェクトコマンドを正常に受信したことを主制御装置1Mに通知してきたときにセットされるものである。
リジェクトACKフラグがオンでないときは、ステップS1016で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過してもリジェクトACKフラグがオンでないときはカードR/W制御装置291への送信が不良であるとしてステップS1017で致命的エラーをセットし、その後ステップS1010に戻る。
一方、ステップS1015でリジェクトACKフラグがオンであると判別したときは、ステップS1018に進んでリジェクトACKフラグをクリアし、次のステップS1019でエラー発生であるか否かを判別する。エラー発生であれば上記のステップS1017で致命的エラーをセットし、その後ステップS1010に戻る。
ステップS1019でエラー発生でなければ、ステップS1020に進み、リジェクトレスポンスフラグがオンであるか否かを判別する。このリジェクトレスポンスフラグは、上記のL受信割込処理のステップS205でセットされたものであり、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのリジェクトコマンドに応じてカード回収を行い、それが正常に完了したことを主制御装置1Mにレスポンスしてきたときにセットされるものである。
リジェクトレスポンスフラグがオンでないときは、ステップS1019に戻って待機し、一方、リジェクトレスポンスフラグがオンのときは、ステップS1021に進んでリジェクトレスポンスフラグをクリアした後、上記のステップS1010に戻り、後述するように次に待機している遊技カードCの搬送装着を指令する。
一方、上記のステップS1002でエラーフラグ(遊技カードCからのメイン初期値読み取り時のエラー)が有ると判別したとき、また上記のステップS1023でエラーフラグ(遊技カードCへのメイン初期値書き込み時のエラー)が有ると判別したときは、ステップS1024に進む。ステップS1024ではエラーフラグをクリアし、その後上記のステップS1013に進む。
このように、装着した遊技カードCが正当なものでないときや、カード発行機1立ち上げ時の遊技カードCのメイン初期値が正常でないとき、また遊技カードCへのメイン初期値書き込みが正常に行えないときは、その遊技カードCを回収し、次に待機している遊技カードCを装着して認証とメイン初期値の書き込みとを行い、発行準備処理を完了させるようにしたので、そのような事態が発生しても直ちに対応でき、カード発行を受ける操作者がカード発行機1の前にたつときには、正常な遊技カードCがすでに待機しており、速やかに遊技カードCの発行を行うことができる。
次に、上記の発行準備処理におけるステップS1010でのIDチェック処理について説明する。
図30はIDチェック処理を示すフローチャートである。このIDチェック処理では、遊技カードCの搬送装着および相互認証を行い、ステータスとして認証結果OK、認証結果NG、または致命的エラーを検出するまでの処理を行う。
先ずステップS1030においてステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのIDチェック処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS1031に進む。
ステップS1031では、L送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にカード搬送コマンドを書き込んでカードR/W制御装置291に対して遊技カードCをカードタンクから取り出し装着する指令を出し、次のステップS1032に進む。
ステップS1032では、カード装着フラグがオンであるか否かを判別する。このカード装着フラグは、上記のL受信割込処理のステップS195でセットされたものであり、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのカード搬送コマンドに応じて遊技カードCの搬送装着を行い、それが正常に完了したことを主制御装置1Mに知らせてきたときにセットされるものである。
カード装着フラグがオンでないときは、ステップS1033で待機時間としての10秒が経過したか否かを判別し、10秒が経過してもカード装着フラグがオンでないときはカードR/W制御装置291側の不良であるとしてステップS1034で致命的エラーをセットし、次のステップS1035に進む。
一方、ステップS1032でカード装着フラグがオンであると判別したときは、ステップS1033、ステップS1034をスキップして直接ステップS1035に進む。
ステップS1035では、L送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にID要求コマンドおよび当該カード発行機1の仮の識別番号を書き込んでカードR/W制御装置291に送信するための処理を行い、次のステップS1036に進む。
ステップS1036ではIDチェック受信待ち処理を行う。このIDチェック受信待ち処理は、遊技カードC側で当該カード発行機1が正当なものであるか否かの認証を仮の識別番号に基づいて行い、正当なものであると認証したとき、今度はその遊技カードCが自分の正当性を判別してもらうためにセキュリティコードとカード番号をカード発行機1に送ってくるので、そのセキュリティコードとカード番号の受け取りをチェックする処理である。
このIDチェック受信待ち処理を図31を用いて説明すると、先ずステップS1050においてステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのIDチェック処理を終了し、ステータスが致命的エラーでなければ正常であるとして次のステップS1051に進む。
ステップS1051では、ID受信フラグがオンであるか否かを判別する。このID受信フラグは、遊技カードC側で当該カード発行機1が正当であると認証したとき、今度はその遊技カードCが自分の正当性を判別してもらうためにセキュリティコードとカード番号をカード発行機1に送ってくるので、そのセキュリティコードとカード番号を上記のL受信割込処理で取り込んだ場合にセットされるフラグである(図27のステップS208)。
ステップS1051でID受信フラグがオンであると判別したときは、ID受信フラグをクリアしてそのままこのIDチェック受信待ち処理を終了し、IDチェック処理に復帰する。
一方、ID受信フラグがオンでないときは、ステップS1052でインターバル処理を行い、次のステップS1053で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過しないときはステップS1050に戻ってステップS1290以降を繰り返し実行し、1秒が経過してもID受信フラグがオンでないときはリトライ要求フラグをセットしてそのままこのIDチェック受信待ち処理を終了し、IDチェック処理に復帰する。
図30のIDチェック処理に戻って、ステップS1036のIDチェック受信待ち処理が終了すると、次のステップS1037に進む。
ステップS1037ではステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのIDチェック処理を終了し、ステータスが致命的エラーでなければ正常であるとして次のステップS1038に進む。
ステップS1038では、リトライ要求フラグがオンであるか否かを判別する。リトライ要求フラグがオンでないときは、遊技カードC側がカード発行機1を正当と認証したときであり、このときはステップS1039で、遊技カードCから受信したカード番号とセキュリティコードを読み込み、続いてステップS1040でセキュリティコード認証処理を行ってこのIDチェック処理を終了する。
ここで、セキュリティコード認証処理は、カード発行機1が、遊技カードCから受け取ったセキュリティコードに基づいて当該遊技カードCが正当なものであるか否かの認証を行う処理である。
このセキュリティコード認証処理を図32を用いて説明すると、先ずステップS1060においてセキュリティコードの先頭文字を読み込み、次にステップS1061で認証結果OKをセットし、次のステップS1062でセキュリティコード文字列の終端に達したか否かを判別する。セキュリティコード文字列の終端に達していなければ、ステップS1063に進み、現時点で読み込んでいる文字が、予めカード発行機1側で認識している文字(管理装置72からカード発行機1に初期データとして送られてきているセキュリティコード)と一致するかどうかの認証チェックを行う。認証チェックが正常であれば次のステップS1064で次の文字を読み込みステップS1062に戻り、ステップS1062、S1063、S1064を繰り返し実行する。そして、ステップS1063の認証チェックに異常があれば、ステップS1065に進んで認証結果NGをセットしてこのセキュリティコード認証処理を終了し、その後IDチェック処理もそのまま終了する。
また、ステップS1062で文字列の終端に達したときは、全文字(例えば8バイト)にわたって認証チェックが正常であり、このときは認証結果OKにセットしたままでこのセキュリティコード認証処理を終了し、その後IDチェック処理もそのまま終了する。
図30のIDチェック処理に戻って、ステップS1038でリトライ要求フラグがオンのときは、遊技カードC側がカード発行機1を正当でないと認証したときであり、このときはステップS1041でリトライ要求フラグをクリアし、次のステップS1042で認証結果NGをセットし、その後このIDチェック処理を終了する。
次に、上記の発行準備処理におけるステップS1022でのカードデータ前期書込処理について説明する。
図33はカードデータ前期書込処理を示すフローチャートである。このカードデータ前期書込処理では、先ずステップS1070においてL送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)に、遊技カードCへの書き込みを指令するカードデータライトコマンドを書き込むとともに、「更新機85の識別番号」、「カード発行機1の真の識別番号」、「大型金額付加機87の識別番号」、「遊技機82の識別番号」、「景品POS176の識別番号」、「最終ホール名」および「最終ホールの識別番号」をメイン初期値として書き込む。この処理により、これらのメイン初期値が遊技カードCに書き込まれる。
この遊技カードCへの書き込みは、図29のステップS1012での認証結果がOKであることを受けて行うものである。すなわち、遊技カードCには、相互認証を完了し正当と判断されたものにのみ、その後の遊技システムで必要となるメイン初期値を書き込んで発行するようにし、正当でない遊技カードCには書き込まれないこととなるので、メイン初期値のような重要情報が不用意に流出するのを防止することができる。
次のステップS1071では、カードデータライトレスポンス(遊技カードCへの書き込み完了応答)を受けてセットされるレスポンス受信フラグが有るか否かを判別する。
レスポンス受信フラグが有るときは、遊技カードCへのメイン初期値の書き込みが正常に行われた場合であり、この場合はステップS1075でレスポンス受信フラグをクリアし、次のステップS1076でステータスをチェックし、ステータスが正常であればそのままこのカードデータ前期書込処理を終了する。
ステップS1076でステータスが致命的エラーであれば、次のステップS1074でエラーフラグをセットした後、このカードデータ前期書込処理を終了する。
一方、ステップS1071でレスポンス受信フラグが無いときは、ステップS1072でインターバル処理を行い、続いてステップS1073で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過しないときはステップS1071に戻ってステップS1071以降を繰り返し実行し、1秒が経過してもレスポンス受信フラグが無いときは、遊技カードCへのメイン初期値の書き込みに異常があるとして、ステップS1074でエラーフラグをセットしそのままこのカードデータ前期書込処理を終了する。
このように、上記の発行準備処理では、次に遊技カードCの発行を受ける人が操作を行うときには、発行される遊技カードCは、すでに装着状態にあり、その遊技カードCとの間での相互認証および遊技カードCへのメイン初期値の書き込みは完了していることになる。発行を受ける操作者による金額の投入があったときは、後述するように、時間情報を書き込んで発行するだけである。したがって、遊技カードCの発行に際して発行を受ける人をほとんど待たせることなく速やかに発行することができる。
また、時間情報は、カード発行の直前に遊技カードCに書き込むことになり、発行時と同一となるので、日付が異なってしまうようなことは発生せず、遊技カードCを一枚も無駄にすることなく発行することができる。
さらに、遊技カードCはプロセッサを内蔵しているため、磁気カードなどに比べて一枚当たりの価格が高額であるが、その高価格の遊技カードCを一枚も無駄にしないので、その経済的効果も高いものとなる。
次にメイン処理ルーチン(図13〜図15)に戻ってステップS57での人体検出処理サブルーチンについて説明する。
人体検出処理サブルーチンは、上述したようにカード発行機1の前に立った客を検出し、その客が貨幣を投入し発行スイッチ107を押すまでの各処理を行うものである。発行スイッチ107が押されると、次のカード発行処理サブルーチンに進む。
この人体検出処理サブルーチンに基づくカード発行機1の動作は、概略次のようになる。
すなわち、カード発行機1は最初に普段動作(貨幣投入を許可し客待ちをしている状態)を実行し、人体を検出したときに普段動作から説明動作(ガイダンス部103で当該遊技システムでの遊技手順を概略的に説明し案内するシステムガイダンスを行っている状態)に移行し貨幣の投入を待つ。この説明動作時に貨幣の投入があると、貨幣投入動作に移行し、受け付けた投入金額をCRT表示画面104に表示し、投入金額が「発行単価」以上に達すると、貨幣投入を禁止し、発行スイッチ107がオンとなるのを待つ。なお、「発行単価」は、遊技カードC一枚の購入価格であり、例えば千円に設定される。
発行スイッチ107がオンになると、カード発行機1は上記のカード発行処理サブルーチンに基づくカード発行動作に移行する。
発行スイッチ107でなく、キャンセルスイッチ108または返却レバー111がオンになると、それまでに投入された金額を返却し、普段動作に戻る。
なお、普段動作時に貨幣投入があると、直接貨幣投入動作に移行することになる。また、人体検出が有っても、貨幣投入がされていない状態で客が立ち去り、人体検出がオフになると、再び普段動作に戻る。
図34〜図40は人体検出処理サブルーチンを示すフローチャートである。この人体検出処理サブルーチンでは、先ず図34のステップS220においてステータスのチェックを行い、ステータスが閉店または致命的エラーであるときは、そのままこの人体検出処理を終了する。ステータスが閉店でもなくまた致命的エラーでもないときは、カード発行機1が正常であるとして、ステップS221に進み人体検出待ち処理を実行する。
ステップS221の人体検出待ち処理は、詳細は後述するように人体を検出しその客に上記のシステムガイダンスを行い、ステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオン、閉店または致命的エラーであること検出するまでの処理を行う。
次のステップS222では貨幣投入禁止処理を行って一連の処理が終了するまでの貨幣の投入を禁止する。
続いてステップS223で再度ステータスチェックを行う。このステータスチェックは上記ステップS221での人体検出待ち処理の実行時に発生したステータスのチェックであり、ステータスが発行スイッチフラグオン、閉店、致命的エラーのいずれかであるときは、この人体検出処理サブルーチンを終了する。
一方、ステータスがキャンセルスイッチフラグオンであればステップS224に進み、詳細は後述する投入金額払戻処理を実行してキャンセルに伴う払い戻し処理を行い、キャンセルスイッチフラグをクリアした後ステップS220に戻る。
次に、上記ステップS221での人体検出待ち処理について図35〜図39を用いて説明する。
図35は人体検出待ち処理を示すフローチャートである。この人体検出待ち処理は人体を検出しその客にシステムガイダンスを行い、ステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオン、閉店または致命的エラーであることを検出するまでの処理を行う。
先ずステップS230およびステップS231においてRAM7内のデータの初期化を行う。すなわち、ステップS230においてカード番号とセキュリティコードとをクリアし、次のステップS231において投入金額を0に設定する。 続いてステップS232でステータスチェックを行い、ステータスが閉店でもなく致命的エラーでもないときは、カード発行機1は正常であるとして次のステップS233に進む。
ステップS233では、詳細は後述する検出待ち処理を実行し、貨幣の投入を許可した状態で普段動作を継続しつつ人体の検出を待ち、ステータスが貨幣投入有り、人体検出フラグ有り、閉店、または致命的エラーであることを検出するまでの処理を行う。この検出待ち処理の後、次のステップS234に進む。
ステップS234では再度ステータスのチェックを行う。このステータスチェックは上記ステップS233での検出待ち処理の実行時に発生したステータスのチェックであり、ステータスが貨幣投入有り、閉店、致命的エラーのいずれでもなく、したがってステータスが人体検出フラグ有りのとき、次のステップS235に進む。
ステップS235では、詳細は後述する動作説明処理を実行する。この動作説明処理は、システムガイダンスを行いつつ、ステータスが貨幣投入有り、人体検出フラグオフ(人体の検出なし)、閉店または致命的エラーであることを検出するまでの処理を行う。この動作説明処理を終了すると、上記のステップS232に戻る。
一方、上記のステップS234で、ステータスが貨幣投入有り、閉店、致命的エラーのいずれかであるときは、ステップS236に分岐して再びステータスのチェックを行い、ステータスが貨幣投入有りのときは、ステップS237で動作ステータス(発行機状態)を「貨幣投入中」とする。
続いてステップS238で、詳細は後述する貨幣投入処理を実行して貨幣投入に応じた処理を行う。この貨幣投入処理では、ステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオンまたは致命的エラーであることを検出するまでの処理を行い、この貨幣投入処理を終了すると人体検出待ち処理も終了し人体検出処理に復帰する。
また、ステップS236でステータスが閉店または致命的エラーのときは、ステップS237およびステップS238をスキップしてそのままこの人体検出待ち処理を終了し人体検出処理に復帰する。
次に、上記の人体検出待ち処理(図35)におけるステップS233での検出待ち処理、ステップS235での動作説明処理、およびステップS238での貨幣投入処理について順に説明する。
図36は検出待ち処理を示すフローチャートである。この検出待ち処理は、貨幣の投入を許可した状態で普段動作を継続しつつ人体の検出を待ち、ステータスが貨幣投入有り、人体検出フラグ有り、閉店、または致命的エラーであること検出するまでの処理を行う。
先ずステップS240において、動作ステータスを「普段動作中」として次のステップS241に進む。
ステップS241では、RAM7の表示エリアに普段動作モードと書き込んで、客待ち状態であることを示す普段動画をCRT表示画面104で表示するための処理を行う。
続いてステップS242において普段動作中であることを示すランプ点滅パターンをRAM7に書き込んでランプ点滅のための処理を行い、さらにステップS243において貨幣投入禁止フラグをクリアする。
次にステップS244においてステータスをチェックし、ステータスが閉店でも致命的エラーでもなく正常なときは、ステップS245で貨幣投入有りであるか否かの判別を行い、貨幣投入有りでないときすなわち貨幣が投入されていないと判別したときは、ステップS246でインターバル処理を行い、その後ステップS247で人体検出フラグが有るか否かを判別する。
ステップS247で人体検出フラグが無いすなわち人体を検出していないと判別したときは、ステップS244に戻り、ステップS244以降を繰り返し実行する。
一方、ステップS244でステータスが閉店または致命的エラーのとき、ステップS245で貨幣投入有りと判別したとき、およびステップS247で人体検出フラグ有りと判別したときは、そのままこの検出待ち処理を終了する。
図37は動作説明処理を示すフローチャートである。この動作説明処理は、システムガイダンスを行いつつ、ステータスが貨幣投入有り、人体検出フラグオフ(人体の検出なし)、閉店または致命的エラーであることを検出するまでの処理を行う。
先ずステップS250においてステータスのチェックを行い、ステータスが致命的エラーでなく正常なとき、ステップS251において動作ステータスを「説明動作中」とし、次のステップS252に進む。
ステップS252では、RAM7の表示エリアに動作説明モードと書き込み、システムガイダンスを行う説明動画をCRT表示画面104で表示するための処理を行う。
次にステップS253においてステータスをチェックし、ステータスが閉店でも致命的エラーでもなく正常なときは、ステップS254で貨幣投入有りであるか否かの判別を行い、貨幣投入有りでないときすなわち貨幣が投入されていないと判別したときは、ステップS255でインターバル処理を行い、その後ステップS256で人体検出フラグが有るか否かを判別する。
ステップS256で人体検出フラグが有るすなわち人体を検出していると判別したときは、ステップS253に戻り、ステップS253以降を繰り返し実行する。
一方、ステップS253でステータスが閉店または致命的エラーのとき、ステップS254で貨幣投入有りと判別したとき、およびステップS256で人体検出フラグ無しと判別したときは、そのままこの動作説明処理を終了する。
図38は貨幣投入処理を示すフローチャートである。この貨幣投入処理は、貨幣投入に応じて行う実行する処理であり、ステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオンまたは致命的エラーであることを検出するまでの処理を行う。
先ずステップS260において、貨幣が投入された状態(貨幣投入中)であることを示すランプ点滅パターンをRAM7に書き込み、ランプ点滅のための処理を行う。
次にステップS261においてステータスのチェックを行い、ステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオン、致命的エラーのいずれでもないとき、次のステップS262で釣り銭金額を算出する。
続いてステップS263でRAM7の表示エリアに金額投入モードと書き込み、また投入金額および上記ステップS262で求めた釣り銭金額を書き込んで表示のための処理を行う。
次のステップS264では、投入金額が「発行単価」以上であるか否かを判別し、「発行単価」以上であるときはステップS265で貨幣投入禁止フラグがオンであるか否かを判別し、貨幣投入禁止フラグがまだオンになっていないときはステップS266で貨幣投入禁止フラグをセットし、その後ステップS267に進む。
一方、ステップS264で投入金額が「発行単価」に達していないとき、またステップS265で貨幣投入禁止フラグがすでにオンになっているときも、ステップS267に進む。
ステップS267ではキャンセルスイッチ処理を行う。このキャンセルスイッチ処理を図39を用いて説明すると、先ずステップS270においてステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーでなければ次のステップS271でインターバル処理を行う。
続いてステップS272でキャンセルスイッチ108がオンであるか否かを判別する。キャンセルスイッチ108がオンであるときは、ステップS279に分岐してキャンセルスイッチフラグをセットしてステップS276に進む。
キャンセルスイッチ108がオンでなければステップS273で投入金額が「発行単価」に達しているか否かを判別し、「発行単価」に達していればステップS274で発行スイッチ107がオンであるか否かを判別する。発行スイッチ107がオンであれば次のステップS275で発行スイッチフラグをセットしてステップS276に進む。
ステップS273で投入金額が「発行単価」に達していないとき、またステップS274で発行スイッチ107がオンでないときも、それぞれステップS276に進む。
ステップS276では貨幣の追加有りであるか否かを判別し、貨幣の追加が無ければ次のステップS277およびステップS278で発行スイッチフラグがオンであるか否か、またキャンセルスイッチフラグがオンであるか否かを判別し、いずれのフラグもオンでないときはステップS270に戻って、ステップS270以降を繰り返し実行する。
一方、ステップS270でステータスが致命的エラーであるとき、ステップS276で貨幣の追加有りのとき、ステップS277で発行スイッチフラグがオンのとき、またはステップS278でキャンセルスイッチフラグがオンのときは、それぞれこのキャンセルスイッチ処理を終了し、上記図38の貨幣投入処理に復帰しそのステップS261以降を実行する。
図38に戻って、ステップS261でステータスが発行スイッチフラグオン、キャンセルスイッチフラグオン、致命的エラーのいずれかであるときは、この貨幣投入処理を終了する。
次に人体検出処理(図34)のステップS224での投入金額払戻処理サブルーチンについて、図40を用いて説明する。
図40は投入金額払戻処理を示すフローチャートである。この投入金額払戻処理は、上述したようにキャンセルに伴う払い戻し処理を行うものであり、先ずステップS290において動作ステータスを「キャンセル中」とし、次のステップS291に進む。
ステップS291ではRAM7の表示エリアにキャンセルモードと書き込んで表示のための処理を行う。続いてステップS292で貨幣の払い戻しを示すランプ点滅パターンをRAM7に書き込んでランプ点滅のための処理を行う。
さらにステップS293で貨幣の払い出しを開始し、次のステップS294に進む。
ステップS294ではステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーでなければ次のステップS295でインターバル処理を行い、続いてステップS296で貨幣の払い出しが終了したか否かを判別する。貨幣の払い出しが終了していなければ上記のステップS294に繰り返し戻って払い出し終了となるまで待機し、払い出しが終了すると次のステップS297に進む。
ステップS297ではキャンセルスイッチフラグをクリアし、次のステップS298で詳細は後述する釣り銭受取時間待ち処理を行って客が釣り銭を受け取るための待機時間を確保し、続いてステップS299でボタンランプを切り替えてその表示パターンを切り替え、その後この投入金額払戻処理を終了する。
次にメイン処理ルーチン(図13〜図15)に戻ってステップS47でのカード発行処理サブルーチンについて説明する。
カード発行処理サブルーチンは、上述したように発行スイッチフラグがオンとなったことを受けて、すでに装着してあって認証とメイン初期値書き込みとが完了している遊技カードCに対して、さらに時間情報を書き込み、その後その遊技カードCの発行とレシートRの発行とを行い、そのとき釣り銭があれば釣り銭を払い出す一連の処理を行うものである。
上記カード発行処理サブルーチンに基づくカード発行機1の動作は、概略次のようになる。
すなわち、発行単価以上の金額投入と発行スイッチ107のオンがあったとき、カード発行機1は、すでに装着してあって認証処理とメイン初期値書き込みが完了している遊技カードCに対して、さらに時間情報を書き込み、そのメイン初期値と時間情報とから成る全初期値が書き込んである遊技カードCを発行する一連のカード発行動作を行い、そのカード発行動作が終了すると、プリンタ21からレシートRを出力する。
レシートRの出力後、釣り銭があれば硬貨装置26や紙幣装置24から釣り銭額分の貨幣を払い出す釣り銭払出動作を行い、その後普段動作に移行する。また、釣り銭がないときは釣り銭払出動作を行わないで、そのまま普段動作に移行する。
このように、カード発行を受ける遊技者が発行単価以上の金額を投入しかつ発行スイッチ107を押したとき初めてカード発行のための具体的な処理に入るようにした。すなわち、金額投入後は自動的に遊技カードCが発行されるのではなく、遊技者のハッキリした意志表明のもとで発行されることとなる。金額投入後であっても、カード発行を望まなくなったときは上述したように、キャンセルすることもできる。この点で、このカード発行機1は、遊技者サイドに立って納得のいく分かりやすい装置として構成されており、カード発行時に生じやすい無用なトラブルも未然に防止できるようになっている。
図41〜図49はカード発行処理サブルーチンを示すフローチャートである。このカード発行処理サブルーチンでは、先ず図41のステップS310においてRAM7の表示エリアにカード書込モードと書き込み、また投入金額および釣り銭金額を書き込んで表示のための処理を行う。
続いてステップS311でカード発行を示すランプ点滅パターンをRAM7に書き込み、ランプ点滅のための処理を行う。
その後ステップS312でカード書込処理を行う。このカード書込処理では、詳細は後述するように、時間情報の書き込みを行った上でその遊技カードCを発行する。
そして、次のステップS313に進んでステータスのチェックを行い、ステータスが致命的エラーでなく正常であれば、次のステップS314でレシートRの発行を行い、ステップS315に進む。ステータスが致命的エラーであればステップS314をスキップしてレシートRを発行せずに、ステップS315に進む。
このレシートRには、図54に示すように、発行遊技店(ホール)名、発行日の日付、有効期限、当該遊技システムでの遊技手順についての概略的かつ明瞭な説明が記載されており、また領収書としても使用できるように所定事項が記載してある。
このように、遊技カードCの発行時に、当該遊技システムでの遊技手順を印字したレシートRも発行するので、初めての遊技者であっても当該遊技システムの全体を簡単に把握することができ、スムーズに遊技に入ることができる。
さらに、そのレシートRは、領収書としても使用できるので、客は別途領収書の発行を遊技店に要求する煩雑さから解放され、また遊技店側にとっても領収書発行のための手間を省くことができ、双方にとって便宜が図られている。
ステップS315では、詳細は後述する釣り銭計算処理を行って釣り銭を計算するとともに、貨幣別での釣り銭払い戻し数を設定し、次のステップS316に進む。
ステップS316では詳細は後述する釣り銭払出開始処理を行って釣り銭としての硬貨および紙幣の払い出しを行い、次のステップS317に進む。
ステップS317ではステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのカード発行処理を終了する。
ステータスが致命的エラーでなければ次のステップS318でインターバル処理を行い、続いてステップS319で釣り銭の払い出しが終了したか否かを判別する。釣り銭の払い出しが終了していなければ上記のステップS317に繰り返し戻って払い出し終了となるまで待機し、払い出しが終了すると次のステップS320に進む。
ステップS320では発行スイッチフラグをクリアし、次のステップS321で詳細は後述する釣り銭受取時間待ち処理を行って客が釣り銭を受け取るための待機時間を確保し、その後このカード発行処理を終了する。
次に、上記ステップS312でのカード書込処理について図43〜図46を用いて説明する。
図43はカード書込処理を示すフローチャートである。このカード書込処理では、先ずステップS330で動作ステータスを「カード書込中」とする。
続いてステップS331でステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのカード書込処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS332に進む。
ステップS332では、詳細は後述するカードデータ後期書込処理(図44、図45)を実行し、遊技カードCへの時間情報の書き込みやステータスにリジェクトフラグをセットするなどの処理を行う。このカードデータ後期書込処理の後、次のステップS333に進む。
ステップS333では、リジェクトフラグがオンであるか否かを判別し、リジェクトフラグがオンでなければ、遊技カードCへの時間情報の書き込みに異常があったため、遊技カードCが回収された場合に相当するので、ステップS339に分岐して上述した発行準備処理(図28〜図33)を実行し、遊技カードCの搬送装着、認証およびメイン初期値の書き込みを行う。そして、このステップS339の実行後は、上記のステップS331に戻り、ステップS331、ステップS332を実行して時間情報の書き込みを新たに行う。
このように、時間情報の書き込みに異常があるときは、すでに装着してある遊技カードCを回収し、直ちに次の遊技カードCの装着、認証、メイン初期値の書き込みおよび時間情報の書き込みを行い、そのような異常事態に速やかに対処するようにしたので、カード発行機1に金額を投入した遊技者をそれ程待たせることなく、円滑にカード発行を行うことができる。
リジェクトフラグがオンであれば正常に遊技カードCへの書き込みが終了している場合に相当し、この場合は次のステップS334でリジェクトフラグをクリアし、続いてステップS335で詳細は後述するカード排出処理(図46)を行い、遊技カードCを排出し発行するための処理を行う。
なお、リジェクトフラグがオンとなるのは、上記の遊技カードCへの書き込みが正常に終了したときだけでなく、時間情報の書き込み異常が許容限度を越えて発生した場合もリジェクトフラグがオンとなるが(ステップS425)、この場合はエラーセットとなるため(ステップS426)、その後回収されることになる。
そして、次のステップS336でステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのカード書込処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS337に進む。
ステップS337では、光送信エリア(通信制御装置41のデュアルポートRAM)に遊技カードCの発行情報を書き込んで管理装置72に送信するための処理を行い、次のステップS338に進む。
ステップS338では、ワークRAM4のクリア等のカード発行機1の後処理を行い、その後このカード書込処理を終了する。
次に、カード書込処理(図43)のステップS332におけるカードデータ後期書込処理の詳細について、図44および図45を用いて説明する。
図44および図45はカードデータ後期書込処理を示すフローチャートである。このカードデータ後期書込処理では、遊技カードCへの時間情報の書き込みやステータスにリジェクトフラグをセットするなどの処理を行う。
先ずステップS410において、遊技カードCの発行日すなわち使用年月日とその発行日から換算した有効期限(例えば1年後の年月日)とを設定し、次のステップS411でL送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)に遊技カードCへの書き込みを指令するカードデータライトコマンドを書き込むとともに、そのL送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)に「使用年月日」および「有効期限」を時間情報として書き込む。遊技カードCには、先にメイン初期値が書き込んであり、そのメイン初期値と今回の時間情報とですべての初期値(遊技関連情報)が書き込まれたことになる。
次のステップS412では、カードデータライトレスポンス(遊技カードCへの書き込み完了応答)を受けてセットされるレスポンス受信フラグが有るか否かを判別する。
レスポンス受信フラグが有るときは、遊技カードCへの時間情報の書き込みが正常に行われた場合であり、この場合はステップS417でレスポンス受信フラグをクリアし、次のステップS418でステータスをチェックし、ステータスが正常であればステップS424でリジェクトフラグをセットしそのままこのカードデータ後期書込処理を終了する。
ステップS418でステータスが致命的エラーであれば、次のステップS419でエラーセットし、ステップS420に進む。
一方、ステップS412でレスポンス受信フラグが無いときは、ステップS413でインターバル処理を行い、続いてステップS414で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過しないときはステップS412に戻ってステップS412以降を繰り返し実行し、1秒が経過してもレスポンス受信フラグが無いときはリジェクトカウンタに「1」を加算し、その後ステップS416でリジェクトカウンタでのカウント値が「3」を越えたか否かを判別する。
リジェクトカウンタでのカウント値が「3」を越えていないときはステップS420に進む。
ステップS416でリジェクトカウンタでのカウント値が「3」を越えているときは、時間情報の書き込み異常が許容限度を越えて4枚の遊技カードCに対して発生した場合であり、この場合はステップS425でリジェクトフラグをセットし、続いてステップS426でエラーセットしてそのままこのカードデータ後期書込処理を終了する。
ステップS420では、遊技カードCへの時間情報の書き込みが正常に行われていないことを受けて、L送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にリジェクトコマンドを書き込んで、カードR/W制御装置291にカード回収を指令する。そして、この場合はリジェクトフラグがオンでないため、ステップS339の発行準備処理に進むことになり、引き続いて次に待機している遊技カードCを装着し、認証とメイン初期値および時間情報の書き込みとを実行することになる。
次のステップS421では、リジェクトACKフラグがオンであるか否かを判別する。このリジェクトACKフラグは、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのリジェクトコマンドを正常に受信したことを主制御装置1Mに通知してきたときにセットされるものである。
リジェクトACKフラグがオンでないときは、ステップS422で待機時間としての1秒が経過したか否かを判別し、1秒が経過してもリジェクトACKフラグがオンでないときはカードR/W制御装置291への送信が不良であるとしてステップS423でエラーセットし、そのままこのカードデータ後期書込処理を終了する。
一方、ステップS421でリジェクトACKフラグがオンであると判別したときは、ステップS427に進んでリジェクトACKフラグをクリアし、次のステップS428でエラー発生であるか否かを判別する。エラー発生であれば上記のステップS423でエラーセットし、そのままこのカードデータ後期書込処理を終了する。
ステップS428でエラー発生でなければ、ステップS429に進み、リジェクトレスポンスフラグがオンであるか否かを判別する。このリジェクトレスポンスフラグは、カードR/W制御装置291が主制御装置1Mからのリジェクトコマンドに応じてカード回収を行い、それが正常に完了したことを主制御装置1Mにレスポンスしてきたときにセットされるものである。
リジェクトレスポンスフラグがオンでないときは、ステップS428に戻って待機し、一方、リジェクトレスポンスフラグがオンのときは、ステップS430に進んでリジェクトレスポンスフラグをクリアした後、このカードデータ後期書込処理を終了する。
次に、カード書込処理(図43)のステップS332におけるカード排出処理の詳細について、図46を用いて説明する。
図46はカード排出処理を示すフローチャートである。このカード排出処理は、遊技カードCを排出し発行する処理であり、先ずステップS440においてステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのカード排出処理を終了し、ステータスが致命的エラーでなければ正常であるとして次のステップS441に進む。
ステップS441では動作ステータスを「カード排出中」として次のステップS442に進む。
ステップS442ではRAM7の表示エリアに書込完了モードと書き込み、また投入金額および釣り銭金額を書き込んで表示のための処理を行う。続いて、ステップS443でL送信エリア(Lボード17のデュアルポートRAM)にEJECTコマンドを書き込んで遊技カードCの排出を指令し、次のステップS444に進む。
ステップS444では、再度ステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこのカード排出処理を終了し、ステータスが致命的エラーでなければ正常であるとして次のステップS445に進む。
ステップS445では、カード発行完了フラグが有るか否かを判別する。このカード発行完了フラグは、L受信割込処理のステップS194(図26)においてセットされたものであり、カードR/W制御装置291が主制御装置1MからのEJECTコマンドに応じてカードを排出し、遊技者がその遊技カードCを抜いて遊技カードCが正常に発行されたことを主制御装置1Mに通知してきたときにセットされるものである。
ステップS445でカード発行完了フラグが無いと判別したときは、ステップS446でインターバル処理を行った後、ステップS444に戻り、ステップS444以降を実行してカード発行完了フラグがオンとなるのを待つ。
一方、ステップS445でカード発行完了フラグが有ると判別したときは、正常に遊技カードCが発行された場合であり、この場合はステップS447でカード発行完了フラグをクリアし、ステップS448で発行カード枚数をインクリメントし、その後このカード排出処理を終了する。なお、この発行カード枚数は、上記のステップS340において管理装置72に送信される。
次に、カード発行処理(図41)におけるステップS315の釣り銭計算処理サブルーチンについて説明する。
図47は釣り銭計算処理を示すフローチャートである。この釣り銭計算処理は、カード発行時の投入金額が「発行単価」以上のとき釣り銭を貨幣別に設定する処理であり、先ずステップS450でステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこの釣り銭計算処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS451に進む。
ステップS451では釣り銭額を計算し、次のステップS452でその釣り銭額を500円硬貨で払い戻すとしたときの釣り銭払戻枚数を求め、ステップS453でその500硬貨での釣り銭払戻枚数が500円硬貨投入枚数より多いか否かを判別する。
500円硬貨での釣り銭払戻枚数が500円硬貨投入枚数より多いときは、ステップS454で当該500円硬貨投入枚数を500円硬貨での釣り銭枚数とし、次のステップS455に進む。一方、500円硬貨での釣り銭払戻枚数が500円硬貨投入枚数より少ないときは、ステップS452で求めた500硬貨での釣り銭払戻枚数をそのまま払い戻し可能とし、ステップS454をスキップして直接ステップS455に進む。
ステップS455では、釣り銭を先ず上記のステップS452またはS454で設定した払戻枚数分だけ500円硬貨で払い出したときの残りの釣り銭額を求める。
次のステップS456ではその残りの釣り銭額を1000円紙幣で払い戻すとしたときの釣り銭払戻枚数を求め、ステップS457でその1000紙幣での釣り銭払戻枚数が1000円紙幣投入枚数より多いか否かを判別する。
1000円紙幣での釣り銭払戻枚数が1000円紙幣投入枚数より多いときは、ステップS458で当該1000円紙幣投入枚数を1000円紙幣での釣り銭枚数と、次のステップS459に進む。一方、1000円紙幣での釣り銭払戻枚数が1000円紙幣投入枚数より少ないときは、ステップS456で求めた1000紙幣での釣り銭払戻枚数をそのまま払い戻し可能とし、ステップS458をスキップして直接ステップS459に進む。
ステップS459では、ステップS455で求めた釣り銭を上記のステップS456またはS458で設定した払戻枚数分だけ1000円紙幣で払い出したときの残りの釣り銭額を求める。
次のステップS460ではその残りの釣り銭額を100円硬貨で払い戻すとしたときの釣り銭払戻枚数を求め、さらにステップS461では貨幣別での釣り銭払戻枚数を設定してそのままこの釣り銭計算処理を終了する。
このように、釣り銭を払い戻す際には投入枚数を限度にして払い戻すようにしたので、釣り銭硬貨や釣り銭紙幣の不足発生を防止することができる。また、100円硬貨で払い戻すと払戻枚数が多くなるので、払い戻しの優先順位を500円硬貨、1000円紙幣、そして100円硬貨の順とし、釣り銭用に多くの予備を持たなくても済むようにしてある。
次に、カード発行処理(図41)におけるステップS316の釣り銭払出開始処理サブルーチンについて説明する。
図48は釣り銭払出開始処理を示すフローチャートである。この釣り銭払出開始処理は、上記の釣り銭計算処理で設定した貨幣別の払戻枚数に基づいて払い出す処理であり、先ずステップS470でステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、そのままこの釣り銭払出開始処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS471に進む。
ステップS471では、払戻枚数が「0」であるか否かを判別し、「0」でなければステップS472で硬貨での払戻枚数を読み込み、次のステップS473で硬貨装置26に硬貨の種別毎に設けてある釣り銭補給筒のうち当該払い出す硬貨の筒を指定し、その釣り銭補給筒からの払い出しを開始し、次のステップS474に進む。
ステップS474では紙幣での払戻枚数を読み込み、続いてステップS475で紙幣払出処理を開始し、その後この釣り銭払出開始処理を終了する。また、上記のステップS471で払戻枚数が「0」となったときもこの釣り銭払出開始処理を終了する。
次に、カード発行処理(図42)におけるステップS321の釣り銭受取時間待ち処理サブルーチンについて説明する。
図49は釣り銭受取時間待ち処理を示すフローチャートである。この釣り銭受取時間待ち処理は、カード発行に際しての釣り銭受取時間(ここでは10秒)を監視する処理であり、先ずステップS480でイベントタイマの10秒をスタートさせる。
次のステップS481ではステータスをチェックし、ステータスが致命的エラーであれば、ステップS484に進んでイベントタイマの10秒を停止させてそのままこの釣り銭受取時間待ち処理を終了する。ステータスが致命的エラーでなければカード発行機1は正常であるとして次のステップS482に進む。
ステップS482では、先にスタートした10秒の計時がタイムアップしたか否かを判別し、タイムアップしていなければステップS483で人体検出フラグがオンであるか否か、すなわち客が釣り銭を受け取って立ち去ったか否かを判別する。人体検出フラグがオンで客がまだ立ち去っていないときは、ステップS481に戻ってステップS481以降を繰り返し実行する。一方、人体検出フラグがオンでなく客が釣り銭を受け取って立ち去ったときは、上記のステップS484でイベントタイマの10秒を停止させそのままこの釣り銭受取時間待ち処理を終了する。
次に、メイン処理ルーチン(図13)におけるステップS41,S42,S43やその他の各ステップS246,S255,S271,S295,S318,S1052,S413,S446で実行されるインターバル処理について説明する。
図50はインターバル処理を示すフローチャートである。このインターバル処理は、警告エラーの調査や小型入力装置28からの受信処理、停電検出時の処理などを行うものであり、先ずステップS490で警告エラーの調査・処理を行う。すなわち、カードR/W制御装置291や硬貨装置26、紙幣装置27などの各端末装置での警告エラーの発生を監視し、警告エラー発生のときはステータスを変更するなどの処理を行う。
次のステップS491では、小型入力装置28からデータを受信したときの受信処理を行い、続いてステップS492では、貨幣の投入枚数や払出枚数を種別毎に監視する貨幣投入状態監視処理を行う。
そして、次のステップS493では、停電割込処理(図16)のステップS65でセットした停電通知フラグがオンであるか否かを判別する。
停電通知フラグがオンでなければ、ステップS497に進み、押しボタンスイッチがオンされたときの読込処理を行い、その後このインターバル処理を終了する。すなわち、エラー解除スイッチ38またはモードスイッチ40が押されていればそれに対応した所定の処理を行った後、インターバル処理を終了する。
一方、停電通知フラグがオンであれば、ステップS494においてステータスのチェックを行い、ステータスが「キャンセル中」、「カード発行中」、「カード書込中」、「貨幣投入中」、「貨幣払出中」のいずれかであるときは、上記のステップS497での押しボタンスイッチ読込処理を行い、その後このインターバル処理を終了する。すなわち、カード発行機1がこれらの「キャンセル中」、「カード発行中」、「カード書込中」、「貨幣投入中」、「貨幣払出中」の動作状態にあるときは、無停電電源装置32によるバックアップに入り、その動作状態が終了するまで電源を保つとともに、その際にエラー解除スイッチ38またはモードスイッチ40が押されていればそれに対応した所定の処理を行った後、インターバル処理を終了する。
また、ステップS494でステータスが上記のいずれの動作状態でもないときは、ステップS495でワークRAM4にデータをバックアップしその時点での状態を記憶させ、その後ステップS496で無停電電源装置32を強制的にオフしてこのインターバル処理を終了する。このときは、このインターバル処理だけでなく、メイン処理ルーチンその他のすべての処理が終了することになる。
次に、画像表示制御装置20が行う制御処理内容を、図51、図52および図53を用いて説明する。
図51および図52は画像表示制御装置が行う画像制御処理のフローチャートを示す図、また図53は画像表示制御装置が音声によるガイダンスを行う際の、音声データ番号とそのアナウンス例を示す図である。
画像表示制御装置20は主制御装置1Mから送信してきた情報を画像表示インターフェイス12を経由して受信し、その情報に従ってCRT表示画面104やスピーカ105の動作を制御し画面表示によるガイダンスや音声によるガイダンスを行う。すなわち、主制御装置1Mは図17に示した16msタイマ割込処理において各種のモード番号とその対応データを画像表示制御装置20に送信するので、画像表示制御装置20は、それらのデータを受信して以下の各ステップを実行する。
先ず、ステップS500において初期化処理を行った後、ステップS501においてモード01の受信が有るか否かの判別を行い、モード01を受信しているときは、ステップS510で普段動画の表示処理を行いCRT表示画面104で客待ちの状態であることを示す画面を表示する。
ステップS501でモード01を受信していないとき、または上記ステップS510で表示処理を行った後は、ステップS502に進みモード02の受信が有るか否かの判別を行う。
モード02を受信しているときはステップS511で説明動画の表示処理を行い、ガイダンス部103で当該遊技システムでの遊技手順を概略的に説明し案内するシステムガイダンスを行う。また、そのシステムガイダンスに見合った音声の出力を行う。このときの音声出力は、図53の動作説明音声に示すように、例えば”ようこそAICシステムへ”から始まって”さあ、あなたもAICシステムで楽しもうよ”までシステムガイダンスの画面に合わせて15ステップ用意してあり、順次出力される。
ステップS502でモード02を受信していないとき、または上記ステップS511で表示処理と音声出力を行った後は、ステップS503に進みモード03の受信が有るか否かの判別を行う。
モード03を受信しているときは金額が投入された場合であり、この場合はステップS512で投入金額が「発行単価」に達しているか否かを判別する。投入金額が「発行単価」に達していれば、ステップS513で発行スイッチ107を押すことを促す発行スイッチ促進動画の表示処理を行ってCRT表示画面104にその促進動画を表示させ、また、ステップS514でその促進動画に見合った音声の出力、例えば図53のスイッチ促進音声に示すように、”いらっしゃいませ。””スイッチを押して下さい。”というの音声の出力を行う。
一方、投入金額が「発行単価」に達していなければ、ステップS516で金額の投入を促す金額投入促進動画の表示処理を行ってCRT表示画面104にその促進動画を表示させ、また、ステップS517でその促進動画に見合った音声の出力、例えば図53の金額投入促進音声に示すように、”いらっしゃいませ。”という音声の出力を行う。
ステップS503でモード03を受信していないとき、または上記ステップS513,S514,S516,S517でそれぞれの表示処理や音声出力を行った後は、ステップS504に進みモード04の受信が有るか否かの判別を行う。
モード04の受信が有るときはキャンセルスイッチ108が押された場合であり、この場合はキャンセルを示すキャンセル動画の表示処理を行い、また、そのキャンセル動画に見合った音声の出力、例えば図53のキャンセル音声に示すように、”お金をお取り下さい。”という音声の出力を行う。
ステップS504でモード04を受信していないとき、または上記ステップS515で表示処理と音声出力とを行った後は、ステップS505に進みモード05の受信が有るか否かの判別を行う。
モード05の受信が有るときは遊技カードCに書込中であることを示すカード書込動画の表示処理を行い、また、そのカード書込動画に見合った音声の出力、例えば図53の書込中音声に示すように、”しばらくお待ち下さい。”という音声の出力を行う。
ステップS505でモード05を受信していないとき、または上記ステップS518で表示処理と音声出力とを行った後は、ステップS506に進みモード07の受信が有るか否かの判別を行う。
モード07の受信が有るときは遊技カードCへの書込完了であることを示すカード書込完了動画の表示処理を行い、次のステップS520で釣り銭が有るか否かの判別を行い、釣り銭が有ればステップS521でカード排出および釣り銭排出を行うので、それに見合った音声の出力、例えば図53の釣り銭排出音声に示すように、”カードをお取り下さい。””お金をお取り下さい。””ありがとうございました。”という音声の出力を行う。
一方、ステップS520で釣り銭が無いときは、ステップS522でカード排出に見合った音声の出力、例えば図53のカード排出音声に示すように、”カードをお取り下さい。””ありがとうございました。”という音声の出力を行う。
そして、ステップS506でモード07を受信していないとき、またはステップS521あるいはステップS522で音声出力を行った後は、上記のステップS501に戻って、ステップS501以降の制御処理を繰り返し実行する。
上述したように、この実施例では、操作者の金額投入の前に予め遊技カードCの認証および時間情報以外の初期値(メイン初期値)の書き込みを完了しておき、金額投入があった後は、時間情報のみを書き込んで発行するようにしたので、遊技カードCの発行に際して発行を受ける操作者をほとんど待たせることなく速やかに発行することができる。
また、時間情報は、カード発行の直前に遊技カードCに書き込むことになり、発行時と同一となるので、日付が異なってしまうようなことは発生せず、遊技カードCを一枚も無駄にすることなく発行することができる。
さらに、遊技カードCはプロセッサ等を内蔵しているため、磁気カードなどに比べて一枚当たりの価格が高額であるが、その高価格の遊技カードCを一枚も無駄にしないので、経済的効果も高いものとなる。
また、遊技カードCをカードR/W制御装置291に装着した状態で待機させていると、そのときの遊技カードCはカード排出口292に近い位置にあるので、ピアノ線などを用いて遊技カードCが抜き取られるような事態が発生することも考えられるが、この実施例では、待機中の遊技カードCには時間情報が書き込まれておらず、そのような遊技カードCを抜き取って使用しても、当該遊技システムでは受け付けない。このため、カード発行時に時間情報を書き込みという構成は、遊技カードCの保安という観点からも有効に機能し、遊技カードCのセキュリティも高度に保つことができる。
さらに、カード発行機1を立ち上げて開店状態としたときには、すでに装着してある遊技カードCに書き込まれているメイン初期値が正常であるかどうかを確認するようにしたので、例えば前日に装着してあって時間が経過した遊技カードCであってもそのセキュリティを確実に確保することができる。
その際にメイン初期値に異常があれば回収して直ちに次の遊技カードCの装着、認証、およびメイン初期値の書き込みを行うようにしたので、発行を受ける遊技者がカード発行機1の前に立つときには、正常な遊技カードCが待機している状態となる。したがって、立ち上げ時の遊技カードCに異常があっても、遊技者に速やかに遊技カードCを発行することができる。
また、時間情報の書き込みに異常があるときも、すでに装着してある遊技カードCを回収し、直ちに次の遊技カードCの装着、認証、メイン初期値の書き込みおよび時間情報の書き込みを行うようにしたので、時間情報の書き込みに異常が発生しても、速やかに対処でき、カード発行機1に金額を投入した遊技者をそれ程待たせることなく、円滑にカード発行を行うことができる。
上記のカード発行機1では、金額投入後に発行スイッチ107を押すようにしたので、遊技者のハッキリした意志表明のもとで遊技カードCが発行されることとなり、金額投入後であっても、カード発行を望まなくなったときはキャンセルすることもでき、この点で、このカード発行機1は、遊技者サイドに立って納得のいく分かりやすい装置として構成されている。
一方、発行単価以上の金額の投入があれば発行スイッチ107を押さなくとも、自動的に時間情報の書き込みを行い発行するようにしてもよい。このようにすることで、カード発行機1の構成をより簡単なものとすることができる。
また、上記の説明では、カード発行機1は、遊技カードCとの間での相互認証を経た後に、カード発行を行うようにしたが、相互認証でなく、カード発行機1側だけが遊技カードCの真偽を判定し遊技カードCが正当なものであると判定(認証)したときカード発行を行うようにしてもよい。このようにすることにより、より簡易な構成の下でカードの自動発行を行うことができる。
さらに、上記の説明では、遊技カードCに書き込む初期値のうち、メイン初期値(時間情報以外の初期値)はカードデータ前期書込処理において書き込み、時間情報はカードデータ後期書込処理において書き込むようにしたが、初期値のうち任意に選択したデータをカードデータ前期書込処理において書き込み、それ以外の初期値をカードデータ後期書込処理において書き込むように構成してもよい。
このようにカード発行に際して初期値を前期と後期の2回に分けて書き込むという構成を採用することにより、金額投入後の書き込みデータを低減でき、それだけカード発行を短時間に速やかに行うことができる。
また、遊技カードCをカードR/W制御装置291に装着した状態で待機させていると、上述したように、そのときの遊技カードCはカード排出口292に近い位置にあるので、ピアノ線などを用いて遊技カードCが抜き取られるような事態が発生することも考えられるが、カード発行に際して初期値を前期と後期の2回に分けて書き込むことにより、待機中の遊技カードCには、その後の遊技システムにおいて必要となるすべての初期値が書き込まれておらず、そのような遊技カードCを抜き取って使用しても、当該遊技システムでは受け付けない。したがって、遊技カードCの保安という観点からも有効に機能し、遊技カードCのセキュリティも高度に保つことができる。
次に、カード発行機1の第2の実施例として上記相互認証を暗号化のもとで行う場合について、図55を用いて説明する。
この第2の実施例の場合、カード会社74が納入しカード発行機1から発行される前の遊技カードCには、上述した諸データ、すなわち自分自身のセキュリティコード、カード番号、この遊技カードCでの制御処理手順を記載した各種プログラム、カード発行機1の仮の識別番号などに加えてさらに、暗号化プログラムおよび暗号化情報(暗号化鍵)が予め書き込んである。
一方のカード発行機1には、上述した初期データ、すなわち当該カード発行機1の識別番号(仮の識別番号と真の識別番号)を含む各装置の識別番号、遊技カードCのセキュリティコードなどに加えてさらに、暗号化プログラムおよび暗号化情報(暗号化鍵)が管理装置72から送信されて書き込んである。
さらに、カード発行機1以外の各装置にも、上述した初期データ、すなわちその装置の識別番号、遊技カードCのセキュリティコードなどに加えてさらに、暗号化プログラムおよび暗号化情報(暗号化鍵)が管理装置72から送信されてきて書き込んである。これらの情報は、カード会社74より管理装置72に送られてきている。
図55は図10での相互認証を暗号化処理および復号化処理に基づいて行う場合の説明図である。先ず主制御装置1Mは遊技カードCに向けて、カード発行機1の仮の識別番号および遊技カードCのセキュリティコードの要求コマンドを暗号化情報に基づいて所定のアルゴリズムで暗号化し送信する。
遊技カードCでは、受信した情報(仮の識別番号および要求コマンド)を暗号化情報に基づき所定のアルゴリズムで復号化して解析し、予め格納してあるカード発行機1の仮の識別番号と復号化した仮の識別番号とを照合し、一致するとき相手のカード発行機1は正当であると認証し、要求コマンドに応答して自分のセキュリティコードを暗号化情報に基づき所定のアルゴリズムで暗号化して主制御装置1Mに送信する。
主制御装置1Mでは、受信した情報(セキュリティコード)を暗号化情報に基づき所定のアルゴリズムで復号化して解析し、予め格納してある遊技カードCのセキュリティコードと復号化したセキュリティコードとを照合し、一致するとき相手の遊技カードCは正当であると認証し、この相互間での認証を完了した上で次の情報を遊技カードCに送信する。
上記図55での暗号化処理および復号化処理において、所定のアルゴリズムとして例えば排他的論理和演算を用いる場合は、送信するときは送信情報と暗号化情報(暗号鍵)との排他的論理和を求めることにより暗号情報を作成して送信し、その暗号情報を受信したときは暗号情報と暗号化情報との排他的論理和を求めて復号化することにより元の送信情報を得るようにする。アルゴリズムとして排他的論理和演算を用いると、暗号化および復号化を簡単な構成で行うことができるが、安全性や信頼性の要求度合いに応じてより高度のアルゴリズムを用いるようにしてもよい。
このように、この第2の実施例では相互認証を暗号に基づいて行うようにしたので、遊技カードCの偽造や記載データの改竄はほとんど不可能となり、カード発行機1としての信頼性を一層向上させることができる。
以上述べたように、この発明に係る実施形態では、1)装置本体に収納してある遊技情報媒体を発行する発行装置において、遊技情報媒体の所定位置への装着を指令する装着指令手段と、上記装置本体が、装着された遊技情報媒体から受け取った情報に基づいて当該遊技情報媒体が正当なものであるか否かの認証を行う認証手段と、上記認証で当該遊技情報媒体が正当なものと判別したとき、当該遊技情報媒体に対して初期情報の書き込みおよび待機を行わせる発行準備手段と、装置本体に投入された有価価値を認識する投入有価価値認識手段と、上記有価価値が所定有価価値以上のとき上記待機中で初期情報がすでに書き込まれている遊技情報媒体に対して時間情報を書き込みその遊技情報媒体を発行する発行手段と、を備えるようにしている。
2)装置本体に収納してある遊技情報媒体を発行する発行装置において、遊技情報媒体の所定位置への装着を指令する装着指令手段と、上記装着後の遊技情報媒体が、上記装置本体から受け取った情報に基づいて当該装置本体が正当なものであるか否かの第1の認証を行う第1の認証手段と、上記装置本体が、上記装着後の遊技情報媒体から受け取った情報に基づいて当該遊技情報媒体が正当なものであるか否かの第2の認証を行う第2の認証手段と、上記第1の認証および第2の認証による相互認証を経た上で当該遊技情報媒体に対して初期情報の書き込および待機を行わせる発行準備手段と、装置本体に投入された有価価値を認識する投入有価価値認識手段と、上記有価価値が所定有価価値以上のとき上記待機中で初期情報がすでに書き込まれている遊技情報媒体に対して時間情報を書き込みその遊技情報媒体を発行する発行手段と、を備えている。
3)上記の1)項または2)項の発行装置の構成に加えて、上記有価価値の投入後、発行を受ける操作者による発行確認の操作があったときその発行確認操作の認識を行う確認操作認識手段を有し、上記発行手段は、上記発行確認操作が認識された後、上記待機中の遊技情報媒体に対して時間情報を書き込みその遊技情報媒体を発行するようにしている。
4)上記の1)項から3)項の発行装置の構成に加えて、上記装置本体の立ち上げ時にその時点ですでに装置本体に装着してある遊技情報媒体に書き込まれている初期情報が正常であるかどうかの確認を行う立ち上げ時確認手段と、上記確認の結果、上記初期情報に異常があると判定された場合に当該遊技情報媒体を回収する立ち上げ時回収手段と、を備え、上記遊技情報媒体の回収後、直ちに次の遊技情報媒体の装着、認証、初期情報の書き込み、および待機を行うようにしている。
5)上記の1)項から4)項の発行装置の構成に加えて、上記時間情報は、発行当日の年月日であるとしている。
6)上記の1)項から5)項の発行装置の構成に加えて、上記時間情報には発行当日から換算した有効期限を含むようにしている。
7)上記の1)項から6)項の発行装置の構成に加えて、上記初期情報は遊技関連情報であるとしている。
8)上記の1)項から7)項の発行装置の構成に加えて、上記時間情報の書き込みに異常があるとき、装着してある遊技情報媒体の回収を行う時間情報書込時回収手段を備え、上記遊技情報媒体の回収後、直ちに次の遊技情報媒体の装着、認証、初期情報の書き込み、および時間情報の書き込みを行うようにしている。
また、9)装置本体に収納してある遊技情報媒体を発行する発行装置において、遊技情報媒体の所定位置への装着を指令する装着指令手段と、上記装置本体が、装着された遊技情報媒体から受け取った情報に基づいて当該遊技情報媒体が正当なものであるか否かの認証を行う認証手段と、上記認証で当該遊技情報媒体が正当なものと判別したとき、当該遊技情報媒体に対して第1初期情報の書き込みおよび待機を行わせる発行準備手段と、装置本体に投入された有価価値を認識する投入有価価値認識手段と、上記有価価値が所定有価価値以上のとき上記待機中で第1初期情報がすでに書き込まれている遊技情報媒体に対して第2初期情報を書き込みその遊技情報媒体を発行する発行手段と、を備えるようにしている。
以上説明したようにこの発明の実施形態によれば、有価価値投入の前に予め遊技情報媒体の認証および時間情報以外の初期情報の書き込みを完了しておき、金額投入があった後は、時間情報のみを書き込んで発行するようにしたので、遊技情報媒体の発行に際して発行を受ける操作者をほとんど待たせることなく速やかに発行することができる。
また、時間情報は、遊技情報媒体発行の直前に遊技情報媒体に書き込むことになり、発行時と同一となるので、日付が異なってしまうようなことは発生せず、遊技情報媒体を一枚も無駄にすることなく発行することができる。
さらに、遊技情報媒体はプロセッサ等を内蔵しているため、磁気カードなどに比べて一枚当たりの価格が高額であるが、その高価格の遊技情報媒体を一枚も無駄にしないので、経済的効果も高いものとなる。
また、遊技情報媒体を装着した状態で待機させていると、そのときの遊技情報媒体はカード排出口に近い位置にあるので、ピアノ線などを用いて遊技情報媒体が抜き取られるような事態が発生することも考えられるが、この発明では、待機中の遊技情報媒体には時間情報が書き込まれておらず、そのような遊技情報媒体を抜き取って使用しても、当該遊技システムでは受け付けない。このため、遊技情報媒体の保安という観点からも有効に機能し、遊技情報媒体のセキュリティも高度に保つことができる。
また、この発明では、装置本体に収納してある遊技情報媒体を発行する発行装置において、遊技情報媒体は、装置本体から受け取った識別番号と、当該遊技情報媒体に予め記憶している識別番号とを照合することにより、該装置本体が正当なものであるか否かの第1の認証を行う第1の認証手段を備えるとともに、該第1の認証手段により装置本体が正当なものであると認証された場合には、遊技情報媒体から装置本体に当該遊技情報媒体の情報が送信され、装置本体は、遊技情報媒体の所定位置への装着を指令する装着指令手段と、その第1の認証手段により装置本体が正当なものであると認証されて遊技情報媒体から送信される当該遊技情報媒体の情報に基づいて、当該遊技情報媒体が正当なものであるか否かの第2の認証を行う第2の認証手段と、第1の認証および第2の認証による相互認証を経た上で当該遊技情報媒体を発行する発行手段と、を備え、遊技情報媒体に予め記憶している識別番号が、当該遊技情報媒体が発行される際に上書きされるようにした。したがって、遊技情報媒体に予め記憶している識別番号により遊技情報媒体が装置本体を認証した後に、装置本体が遊技情報媒体を認証し、互いに相手の認証を行った上で遊技情報媒体との情報の送受を行うので、遊技情報媒体と装置本体の双方が相手を確実に認証できるようになる上に、遊技情報媒体に予め記憶している識別番号が、遊技情報媒体の発行の際に上書きされるので、遊技情報媒体の高セキュリティ性と相俟ってシステムとしてのセキュリティ性を高度に保持することができ、発行装置としての信頼性を向上させることができる。