JP4249282B2 - 新規シクロデキストリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シクロデキストリンを構成するD(+)−グルコピラノース単位の少なくとも1つの2位水酸基がフタルイミドアルキル化又はアミノアルキル化された新規なシクロデキストリン誘導体及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シクロデキストリン及びその誘導体は、その環状構造に由来する空孔を持つ。この空孔内においてシクロデキストリン及びその誘導体は疎水性質を有するため、疎水化合物に対して包接能を有している。この性質は各産業分野において有用なものであるため、各産業分野においてシクロデキストリン及びその誘導体は盛んに利用されている。例えば、食品分野においてシクロデキストリン及びその誘導体は香味、風味、及び味といったフレーバーを持続させる添加物として利用されている。製薬分野においては薬品の安定化、薬品の投与法の改善、及び薬品の吸収性の改善剤として、又、工学分野ではポリマーの材料としてシクロデキストリン及びその誘導体は用いられている。上記のようにシクロデキストリン及びその誘導体は様々な利用が可能な有用な化合物である。
【0003】
シクロデキストリンは6〜8個のD(+)−グルコピラノース単位からなるα−1,4結合の環状オリゴ糖である。それぞれのD(+)−グルコピラノース単位は1級水酸基である6位水酸基、2級水酸基である2位及び3位水酸基を有している。これらの水酸基の一部又は全部を他の置換基に変換すことにより、溶解能及び/又は包接能を変化させたシクロデキストリン誘導体を得ることができる。既存のシクロデキストリン類とは異なった性質を有するこれらシクロデキストリン誘導体を用いることにより、今までは利用できなかった範囲及び分野での新規な利用の可能性が広がると考えられる。よって、上記水酸基を置換した新規シクロデキストリン誘導体の創造が期待されている。
【0004】
ところで、目的のシクロデキストリン誘導体を得るためには、標的である水酸基を目的の置換基に選択的に変換する必要がある。具体的には、2位、3位及び6位の水酸基に選択的に置換反応を行う必要がある。これらの置換反応については数々の研究が行われてきた。
【0005】
6位の水酸基の選択的置換反応は比較的容易であり、6位に置換基を持つシクロデキストリン誘導体は既に報告されている。これは、6位の水酸基においては、2位又は3位の水酸基に比べて反応が優先して起るためである。そのため、逆に6位の置換に比べて2位及び3位の置換ははるかに困難であった。2位及び3位を置換する反応としては、予め反応性が優先する6位の水酸基を保護した後、2位又は3位の水酸基を置換する方法が知られている。6位の水酸基を保護せずに直接2位の水酸基を選択的に置換した例は少なく、2位に置換基を持つシクロデキストリン誘導体の報告は少ない。中でも6位の水酸基を保護することなく、直接2位の水酸基を選択的にアミノアルキル化した例はない。
【0006】
シクロデキストリンの2位水酸基を位置選択的にアミノアルキル化することが可能になり、2位水酸基がアミノアルキル化されたシクロデキストリン誘導体を得ることができようになると多くの利点がある。例えば、多種のハロゲン化アルキル、カルボン酸、ハロゲン酸化物、エステル化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物、エポキシド化合物、硫化物、リン酸化合物等の化合物と共有結合、配位結合、又はイオン結合させることが可能になる。また、2位水酸基がアミノアルキル化されたシクロデキストリン誘導体のアミノアルキル基の炭素鎖を炭素数の変化、及び置換基の変化等の各種変化させることにより、これまでにはない性質及び/又は機能を有するシクロデキストリン誘導体を製造することが可能になる。これらの可能性は各種の産業分野において様々な利用範囲を拡大すると考えられる。
【0007】
よって、シクロデキストリンの2位水酸基を選択的にアミノアルキル化又は他の置換をしたシクロデキストリン誘導体、及びその誘導体の製造方法の開発が期待されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これまで選択的に置換することが困難であったシクロデキストリンの2位水酸基を置換したシクロデキストリン誘導体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物
本発明において創造された、新規シクロデキストリン誘導体は下記一般式(1)又は(2)で表される。
【0010】
【化6】
【0011】
(式中nは6、7、又は8を表し、mは3以上の整数を表し、アルキル鎖(CH2)mは置換基を有するか、又は無置換である。)
上記シクロデキストリン誘導体(1及び2)は、シクロデキストリンを構成する少なくとも1つのD(+)−グルコピラノース単位の2位水酸基が、フタルイミドアルキル化又はアミノアルキル化された化合物である。誘導体に含まれるアルキル鎖(CH2)mの炭素数は3以上であり、上限はないが、好ましくは6以下である。アルキル基が置換基を有する場合は、置換基としては、例えば、エーテル、アルキン、アルケン、及びアルキル等を含むことができる。
【0012】
式(1)で示されるシクロデキストリン誘導体としては、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−α−シクロデキストリン、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−β−シクロデキストリン、モノ−2−O−(3−フタルイミドブチル)−β−シクロデキストリン、モノ−2−O−(3−フタルイミドヘキシル)−β−シクロデキストリン、及びモノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)γ−シクロデキストリン等を挙げることができる。
【0013】
式(2)で示されるシクロデキストリン誘導体としては、モノ−2−O−(3−アミノプロピル)−α−シクロデキストリン、モノ−2−O−(3−アミノプロピル)−β−シクロデキストリン、モノ−2−O−(3−アミノヘキシル)−β−シクロデキストリン、及びモノ−2−O−(3−アミノプロピル)−γ−シクロデキストリン等を挙げることができる。
【0014】
一般式(1)の誘導体の製造方法
下記一般式で示されるハロゲン化アルキルフタルイミド、
【0015】
【化7】
【0016】
(式中Rはハロゲン化アルキル基を表し、前記アルキル基は、炭素数が3以上であり、ハロゲン以外の置換基を有するか、又はハロゲン以外の置換基は有さない。)
シクロデキストリン及び脱ハロゲン化水素剤を反応させることにより上記一般式(1)で表されるフタルイミドアルキル化シクロデキストリン誘導体を得ることができる。
【0017】
一般式(3)で示されるフタルイミド化合物は、ハロゲン化アルキル基の炭素鎖の炭素数が3以上である。何故なら、ハロゲン化アルキル基の炭素鎖の炭素数が2の場合は、目的とする2位水酸基ではなく6位水酸基がフタルアルキル化されてしまうからである。ハロゲン化アルキル基の炭素鎖の炭素数は、好ましくは6以下である。ハロゲン化アルキル基のハロゲンとしては、例えば、Br、I、Cl等を挙げることができる。ハロゲン化されたアルキル基は置換されていても、置換されていなくてもよく、置換されている場合は、エーテル、アルキン、アルケン、アルキル等を置換基として含むことができる。
【0018】
具体的には、ハロゲン化アルキルフタルイミド化合物としては、アルキル基の炭素数に応じて例えば、ブロモプロピルフタルイミド化合物、ブロモブチルフタルイミド化合物、ブロモペンチルフタルイミド化合物、ブロモヘキシルフタルイミド化合物、クロロプロピルフタルイミド化合物、クロロブチルフタルイミド化合物、クロロペンテルフタルイミド化合物、クロロヘキシルフタルイミド化合物、ヨードプルピルフタルイミド化合物、ヨードブチルフタルイミド化合物、ヨードペンチルフタルイミド化合物、ヨードヘキシルフタルイミド化合物等を使用することができる。
【0019】
シクロデキストリンは、含まれるD(+)−グルコピラノース単位が6〜8であるα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンを用いることができる。
【0020】
脱ハロゲン化水素剤としては、例えば、NaH、KH、LiH、CaH2、NaOH、KOH等の強塩基化合物を用いることができる。但し、反応性、溶解性、及び安全性という観点からNaHを用いることが好ましい。
【0021】
ハロゲン化アルキルフタルイミド化合物及び脱ハロゲン化水素剤の添加量は目的とするシクロデキストリンに対する置換基の導入個数、反応温度、反応時間、用いる溶媒の種類、及びシクロデキストリンに対するモレキュラーシーブスの添加量を考慮し適宜決定することができる。好ましくは、シクロデキストリン1モルに対してハロゲン化アルキルフタルイミド及び脱ハロゲン化水素剤(例えば、NaH)をそれぞれ1〜20モルの範囲で添加して反応を行うことができる。更に好ましくは、シクロデキストリン1モルに対して、シクロデキストリンに導入する置換基のモル数と等量から3倍量の範囲でハロゲン化アルキルフタルイミド及びNaHをそれぞれ添加することができる。
【0022】
本反応には、その反応収率を高めるため必要に応じてモレキュラーシーブスを用いることができる。反応系に水が存在すると、水とハロゲン化フタルイミド誘導体の反応が生じるため、反応系より水を除去する必要がある。脱水作用に対して活性化されたモレキュラーシーブスを使用することにより、効果的に水を除去することができる。その結果、反応収率が高められる。従って、脱水作用に対して活性化されたモレキュラーシーブスを使用することが好ましい。モレキュラーシーブスとしては、例えば、NS3A、MS4A、MS5A、MS13X等を用いることができる。モレキュラーシーブスの形状は粉末又はペレットであってもよい。モレキュラーシーブスの使用量は、含まれる水の重量に対して、5倍以上とすることが適当である。
【0023】
本反応は溶媒中で行うことができ、溶媒としては、反応に関与しないものならばいずれも使用することができる。但し、シクロデキストリンの溶解性という観点からジメチルスルオキシド又はジメチルホルムアミド等の極性溶媒を用いることが好ましい。
【0024】
溶媒中に溶解しているシクロデキストリンの濃度は高いほど反応を効率良く行うことができる。従って、シクロデキストリンは溶媒に完全に溶解していることが好ましい。溶媒は、シクロデキストリン1に対して5〜100重量部の範囲で使用することができる。好ましくは、用いるシクロデキストリン及び溶媒の種類、反応温度に応じ、シクロデキストリンの飽和濃度となる量を使用することができる。
【0025】
本反応温度は、反応収率やシクロデキストリンに導入する置換基の数に応じて適宜決定することができる。本反応は、例えば、昇温下や冷却下で行うことも可能であるが、通常、室温で行うことが好ましい。
反応時間は反応収率等を考慮して適宜決定することができ、例えば、1〜100時間の範囲であることが好ましい。
【0026】
本反応は、水酸基によるハロゲン基の置換反応であるので、必要に応じて、通常使用される置換反応促進剤を使用することができる。例えば、ヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウム等の試薬を用いて反応を促進することができる。
【0027】
一般式(2)の誘導体の製造方法
上記の一般式(1)で表されるフタルイミドアルキル化シクロデキストリン誘導体を加水分解することにより、上記一般式(2)で表されるアミノアルキル化シクロデキストリン誘導体を得ることができる。
【0028】
加水分解は、好ましくはアルカリ条件下において行うことができる。アルカリ条件としては、アルカリ試薬を用いることができる。アルカリ試薬としては、例えば、ヒドラジン、NaOH,又はKOH等のイミド基の加水分解に通常使用されるものを用いることができる。
【0029】
アルカリ試薬の添加量は、シクロデキストリンに対して導入されている置換基の数、反応温度、反応時間、用いる溶媒を考慮し適宜決定することができる。例えば、アミノアルキル化シクロデキストリン1モルに対して、1〜5モルの範囲で添加して反応を行うことができる。
【0030】
反応は溶媒中で行うことができ、反応溶媒としては、反応に関与しないものならばいずれも使用することができる。好ましくは、シクロデキストリン可溶性の極性溶媒、例えば、水等を用いることができる。
【0031】
溶媒に溶解したシクロデキストリンの溶解濃度が高いほど反応効率が高くなる傾向がある。従って、シクロデキストリンは溶媒に完全に溶解していることが好ましい。溶媒は、シクロデキストリン1重量部に対して、5〜100重量部の範囲で使用することができる。好ましくは、使用するシクロデキストリン及び溶媒の種類、反応温度に応じてシクロデキストリンの飽和濃度となる量の溶媒を使用することができる。
【0032】
本加水分解反応は、反応収率やシクロデキストリンに導入される置換基の数等を考慮して、昇温下で行うこともできるが、好ましくは、室温で行うことができる。
反応時間は反応収率を考慮して適宜決定することができる。好ましくは、1〜50時間の範囲で行うことができる。
【0033】
【実施例】
以下の実施例において更に本発明の詳細を説明する。
実施例1
α−シクロデキストリン(20g)をジメチルスルオキシド(200ml)に溶解し、モレキュラーシブス4A(20g)を加え、2日間室温で攪拌した。次に、60%NaH(2.4g)を加え、室温で9時間攪拌した。次に、市販のブロモプロピルフタルイミド(16.5g)を加え、室温で、15時間攪拌した。セライトを用い、モレキュラーシーブスを濾過し、ろ液をアセトン(3000ml)に滴下し、1時間後、減圧濾過した。固体をODSカラムクロマトグラフィーに付し、水及び5%メタノール水溶液で、未反応のシクロデキストリンを回収し、その後、15%のメタノール溶液を用いて溶出し、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−α−シクロデキストリンを得た。(α−シクロデキストリンからの収率:16%)。
:無色の粉末、mp 270(分解温度)H2O及びMeOHの混合物から結晶化。IR Vmax(KBr)cm-1:3390、2920、1763、1705、及び1635。UVλmax(H2O)nm(ε):299(1600)及び221(28,300)。1H NMRδ(DMSO−d6):1.77(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、3.13(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.7(大多数のH、m、シクロマルトヘキサノース単位のH及びNCH 2CH2CH2O)、3.80(1H、m、NCH2CH2CH 2O)、3.84(1H、t、J=9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−3)、4.7−4.8(5H、m、フタルイミドプロピル基を含まないグルコース単位のH−1)、4.92(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)、及び7.7−7.8(4H、m、ArH)。13C NMRδ(DMSO−d6):28.56(NCH2 CH2CH2O)、34.60(NCH2CH2CH2O)、59.8−60.4(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.52(NCH2CH2 CH2O)、71.6−73.4(グルコース単位のC−2、3、5)、80.58(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、82.14−82.75(グルコース単位のC−4)、100.30(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、101.92−102.13(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)、123.12(Ar)、131.74(Ar)、134.44(Ar)、及び168.15(C(O)N)。FABMS m/z:1160.8(M+1)。分析実測値:C、47.01;H、6.18;N、1.16%、計算値(C47H69O32N+2H2O):C、47.20;H、6.15;N、1.17%。
【0034】
実施例2
実施例1と同様にして、β−シクロデキストリン(25g)、ジメチルスルオキシド(250ml)、モレキュラーシブス4A(25g)、60%NaH(2.7g)、プロモプロピルフタルイミド(17.7g)で反応及び後処理を行い、実施例1と同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−β−シクロデキストリンを得た(β−シクロデキストリンからの収率:21%)。
:無色のプリズム、mp 235(分解温度)H2O及びMeOHの混合物から結晶化。IR Vmax(KBr)cm-1:3405、2930、1765、1715、及び1632。UVλmax(H2O)nm(ε):299(1710)及び221(32,500)。1H NMRδ(DMSO−d6):1.85(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、3.23(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.3−3.8(大多数のH、m、サイクロマルトヘプタノース単位のH及びNCH 2CH2CH2O)、3.86(1H、m、NCH2CH2CH 2O)、3.84(1H、t、J=9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−3)、4.80−4.85(6H、m、フタルイミドプロピル基を含まないグルコース単位のH−1)、5.00(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つフルコース単位のH−1)、及び7.8−7.9(4H、m、ArH)。13C NMRδ(DMSO−d6):28.72(NCH2 CH2CH2O)、34.75(NCH2CH2CH2O)、60.1(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.98(NCH2CH2 CH2O)、71.9−73.4(グルコース単位のC−2、3、5)、81.07(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、82.7−82.6(グルコース単位のC−4)、100.75(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、102.0−102.4(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)、123.37(Ar)、131.91(Ar)、134.75(Ar)、及び168.46(C(O)N)。FABMS m/z:1322.8(M+1)。分析実測値:C、46.98;H、5.89;N、1.00%、計算値(C53H79O37N+2H2O):C、47.01;H、5.88;N、1.03%。
【0035】
実施例3
実施例1と同様にして、β−シクロデキストリン(2.0g),ジメチルスルオキシド(20ml)、モレキュラーシブス4A(2g)、60%NaH(0.21g)、市販のプロモブチルフタルイミド(1.5g)で反応及び後処理を行い、実施例1と同様にして、カラムクロマトを行い、水及び15%メタノール水溶液で、未反応のシクロデキストリンを回収し、その後、25%メタノール水溶液を用いて溶出し、モノー2−O−(3−フタルイミドブチルーβ−シクロデキストリンを得た(β−シクロデキストリンからの収率:20%)
:無色のプリズム、mp 272(分解温度)H2O及びMeOHの混合物から結晶化。IR Vmax(KBr)cm-1:3400、2920、1765、1714、及び1638。UVλmax(H2O)nm(ε):298(1840)及び221(34,800)。1H NMRδ(DMSO−d6):1.5−1.7(4H、m、NCH2CH 2CH 2CH2O)、3.23(1H、dd、J=3.1及び9.9Hz、フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のH−2)、3.3−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘプタノース単位のH及びNCH 2CH2CH2CH 2O)、4.80−4.86(6H、m、フタルイミドブチル基を持たないグルコース単位のH−1)、4.97(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のH−1)、及び7.8−7.9(4H、m、ArH)。13C NMRδ(DMSO−d6):24.50(NCH2 CH2CH2CH2O)、26.67(NCH2CH2 CH2CH2O)、37.23(NCH2CH2CH2CH2O)、59.95(フタルイミドブチル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、71.33(NCH2CH2CH2 CH2O)、71.86−73.01(グルコース単位のC−2、3、5)、80.72(フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のC−2)、81.6−82.4(グルコース単位のC−4)、100.34(フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のC−1)101.8−102.2(フタルイミドブチル基を持たないグルコース単位のC−1)、123.11(Ar)、131.64(Ar)、134.47(Ar)、及び168.10(C(O)N)。FABMS m/z:1336.7(M+1)。分析実測値:C、47.80;H、6.23;N、1.01%、計算値(C54H81O37N+H2O):C、47.89;H、6.18;N、1.03%。
【0036】
実施例4
実施例1と同様にして、β−シクロデキストリン(5.0g)、ジメチルスルオキシド(50ml),モレキュラー4A(5g),60%NaH(0.52g),別途合成したプロモヘキシルフタルイミド(4.1g)で反応及び後処理を行い、実施例1と同様にして、カラムクロマトを行い、水及び15%メタノール溶液で、未反応のシクロデキストリンを回収し、その後、35%メタノール水溶液を用いて溶出し、モノ−2−O−(3−フタルイミドヘキシル)−β―シクロデキストリンを得た(β−シクロデキストリンからの収率:20%)。
:無色の粉末、mp 250(分解温度)H2O及びMeOHの混合物から結晶化。IR Vmax(KBr)cm-1:3400、2920、1765、1718、及び1635。UVλmax(H2O)nm(ε):297(1690)及び221(33,400)。1H NMRδ(DMSO−d6):1.25(2H、m、NCH2CH2CH 2CH2CH2CH2O)、1.28(2H、m、NCH2CH2CH2CH 2CH2CH2O)、1.46(2H、m、NCH2CH2CH2CH2CH 2CH2O)、1.56(2H、m、NCH2CH 2CH2CH2CH2CH2O)、3.20(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のH−2)、3.25−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘプタノース単位のH及びNCH 2CH2CH2CH2CH2CH 2O)、4.75−4.90(6H、m、フタルイミドヘキシル基を持たないグルコース単位のH−1)、4.92(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のH−1)、及び7.79−7.85(4H、m、ArH)。13C NMRδ(DMSO−d6):24.84(NCH2CH2CH2 CH2CH2CH2O)、26.18(NCH2CH2 CH2CH2CH2CH2O)、27.97(NCH2 CH2CH2CH2CH2CH2O)、29.23(NCH2CH2CH2CH2 CH2CH2O)、37.48(NCH2CH2CH2CH2CH2CH2O)、60.00(フタルイミドヘキシル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、72.04(NCH2CH2CH2CH2CH2 CH2O)、71.88−73.20(グルコース単位のC−2、3、5)、80.63(フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のC−2)、81.0−82.4(グルコース単位のC−4)、100.47(フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のC−1)101.9−102.1(フタルイミドヘキシル基を持たないグルコース単位のC−1)、123.14(Ar)、131.66(Ar)、134.54(Ar)、及び168.18(C(O)N)。FABMS m/z:1364.9(M+1)。分析実測値:C、49.28;H、6.28;N、1.01%、計算値(C56H85O37N):C、49.30;H、6.28;N、1.03%。
【0037】
実施例5
実施例1と同様にして、γ−シクロデキストリン(20g),ジメチルスルオキシド(200ml)、モレキュラーシブス4A(20g)、60%NaH(1.9g),プロモプロピルフタルイミド(12.4g)で反応及び後処理を行い、実施例1と同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−γ―シクロデキストリンを得た(γ−シクロデキストリンからの収率:23%)。
:無色の粉末、mp 234(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3400、2926、1764、1712、及び1635。UVλmax(H2O)nm(ε):299(1710)及び221(32,000)。1H NMRδ(DMSO−d6):1.80(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、3.19(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.7(大多数のH、m、シクロマルトオクタノース単位のH及びNCH 2CH2CH2O)、3.78(1H、m、NCH2CH2CH 2O)、4.83(7H、m、フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のH−1)、5.02(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)、及び7.7−7.8(4H、m、ArH)。13C NMRδ(DMSO−d6):28.51(NCH2 CH2CH2O)、34.52(NCH2CH2CH2O)、59.6−60.2(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.61(NCH2CH2 CH2O)、71.8−73.2(グルコース単位のC−2、3、5)、80.6−81.5(グルコース単位のC−4)、80.90(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、100.17(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、101.42−101.69(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)123.04(Ar)、131.69(Ar)、134.39(Ar)、及び168.05(C(O)N)。FABMS m/z:1484.9(M+1)。分析実測値:C、44.56;H、6.40;N、0.87%、計算値(C59H89O42N+6H2O):C、44.50;H、6.39;N、0.88%。
【0038】
実施例6
モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−α―シクロデキストリン(1.48g)を水(15ml)に溶解し、1Mヒドラジン水溶液(6.4ml)を加えて、80度で、3.5時間加熱した。反応溶液を減圧濃縮し、アセトンを用いて、固化し、ろ取した。本固体を、Sephadex CM−25カラムクロマトグラフィーに付し、モノ−2−O−(3−アミノプロピル)−α―シクロデキストリンを得た(モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−α―シクロデキストリンからの収率:69%)。
:無色の粉末、mp 237(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3398、2920、及び1615。1H NMRδ(DMSO−d6):1.59(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、2.62(2H、m、NCH 2CH2CH2O)、3.18(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘキサノース単位のH及びNCH2CH2CH 2O)、3.89(1H、t、J=9.8Hz.、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位H−3)、4.7−4.8(5H、m、フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のH−1)、及び4.93(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)。13C NMRδ(DMSO−d6):32.00(NCH2 CH2CH2O)、37.89(NCH2CH2CH2O)、59.8−60.1(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.49(NCH2CH2 CH2O)、71.79−73.24(グルコース単位のC−2、3、5)、80.38(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、82.17−82.77(グルコース単位のC−4)、100.25(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、及び101.97−102.13(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)。FABMS m/z:1030.6(M+1)。分析実測値:C、41.79;H、6.94;N、1.25%、計算値(C39H67O30N+5H2O):C、41.82;H、6.93;N、1.25%。
【0039】
実施例7
実施例6と同様にして、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−β―シクロデキストリン(3.4g)、水(30ml)、1Mヒドラジン水溶液(13ml)で反応及び後処理を行い、実施例6と同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−アミノプロピル)−β―シクロデキストリンを得た(モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−β―シクロデキストリンからの収率:67%)。
:無色の粉末、mp 263(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3400、2920、及び1634。1H NMRδ(DMSO−d6):1.57(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、2.57(2H、m、NCH 2CH2CH2O)、3.21(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘキサノース単位のH及びNCH2CH2CH 2O)、4.7−4.8(6H、m、フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のH−1)、及び4.95(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)。13C NMRδ(DMSO−d6):32.28(NCH2 CH2CH2O)、37.81(NCH2CH2CH2O)、59.6−60.1(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.70(NCH2CH2 CH2O)、71.73−73.00(グルコース単位のC−2、3、5)、80.51(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、81.20−82.13(グルコース単位のC−4)、100.24(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、及び101.74−102.00(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)FABMS m/z:1192.8(M+1)。分析実測値:C、41.89;H、6.19;N、1.06%、計算値(C45H77O35N+H2O):C、41.91;H、6.17;N、1.09%。
【0040】
実施例8
実施例6と同様にして、モノ−2−O−(3−フタルイミドブチル)−β−シクロデキストリン(0.28g)、水(2.8ml)、1Mヒドラジン水溶液(1.1ml)で反応及び後処理を行い、実施例6と同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−アミノブチル)−β―シクロデキストリンを得た(モノ−2−O−(3−フタルイミドブチル)−β―シクロデキストリンからの収率:55%)。
:無色の粉末、mp 231(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3380、2920、1638、及び1575。1H NMRδ(DMSO−d6):1.41(2H、m、NCH2CH 2CH2CH2O)、1.50(2H、m、NCH2CH2CH 2CH2O)、2.55(2H、m、NCH2CH 2CH2CH2O)、3.20(1H、dd、J=3.0及び9.0Hz、フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘプタノース単位のH及びNCH2CH2CH2CH 2O)、3.73(1H、t、J=9.0Hz、フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のH−3)、4.75−4.85(6H、m、フタルイミドブチル基を持たないグルコース単位のH−1)、及び4.93(1H、d、J=3.0Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)。13C NMRδ(DMSO−d6):26.73(NCH2CH2 CH2CH2O)、28.23(NCH2 CH2CH2CH2O)、40.62(NCH2CH2CH2CH2O)、59.9−60.1(フタルイミドブチル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、71.86(NCH2CH2CH2 CH2O)、72.0−73.1(グルコース単位のC−2、3、5)、80.56(フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のC−2)、81.5−82.3(グルコース単位のC−4)、100.40(フタルイミドブチル基を持つグルコース単位のC−1)、及び101.9−102.0(フタルイミドブチル基を持たないグルコース単位のC−1)。FABMS m/z:1206.7(M+1)。分析実測値:C、42.55;H、6.94;N、1.01%、計算値(C46H79O35N+5H2O):C、42.63;H、6.92;N、1.08%。
【0041】
実施例9
実施例6と同様にして、モノ−2−O−(3−フタルイミドヘキシル)−β―シクロデキストリン(0.30g)、水(3.0ml)、1Mヒドラジン水溶液(1.2ml)で反応及び後処理を行い、実施例6を同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−アミノヘキシル)−β―シクロデキストリンを得た(モノ−2−O−(3−フタルイミドヘキシル)−β―シクロデキストリンからの収率:66%)。
:無色の粉末、mp 224(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3390、2920、1637、及び1589。1H NMRδ(DMSO−d6):1.26(4H、m、NCH2CH2CH 2CH2CH2CH2O)、1.35(2H、m、NCH2 CH2CH2CH2CH2CH2O)、1.49(2H、m、NCH2CH2CH2CH2CH 2CH2O)、2.53(2H、m、NCH 2CH2CH2CH2CH2CH2O)、3.21(1H、dd、J=3.0及び9.0Hz、フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘプタノース単位のH及びNCH2CH2CH2CH2CH2CH 2O)、4.75−4.85(6H、m、フタルイミドヘキシル基を持たないグルコース単位のH−1)、及び4.93(1H、d、J=3.0Hz、フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のH−1)。13C NMRδ(DMSO−d6):25.11(NCH2CH2 CH2CH2CH2CH2O)、26.09(NCH2CH2CH2 CH2CH2CH2O)、29.31(NCH2CH2CH2CH2 CH2CH2O)、31.83(NCH2 CH2CH2CH2CH2CH2O)、40.78(NCH2CH2CH2CH2CH2CH2O)、59.8−60.2(フタルイミドへキシル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、72.04(NCH2CH2CH2CH2CH2 CH2O)、71.8−73.2(グルコース単位のC−2、3、5)、80.58(フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のC−2)、81.5−82.4(グルコース単位のC−4)、100.47(フタルイミドヘキシル基を持つグルコース単位のC−1)、及び101.8−102.2(フタルイミドヘキシル基を持たないグルコース単位のC−1)。FABMS m/z:1234.6(M+1)。分析実測値:C、44.02;H、7.05;N、1.00%、計算値(C48H83O35N+4H2O):C、44.14;H、7.02;N、1.07%。
【0042】
実施例10
実施例6と同様にして、モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−γ−シクロデキストリン(3.7g)、水(37ml)、1Mヒドラジン水溶液(14ml)で反応及び後処理を行い、実施例6と同様にして、カラムクロマトを行い、モノ−2−O−(3−アミノプロピル)−γ―シクロデキストリンを得た(モノ−2−O−(3−フタルイミドプロピル)−γ―シクロデキストリンからの収率:65%)。
:無色の粉末、mp 219(分解温度)アセトンから粉末化。IR Vmax(KBr)cm-1:3400、2920、1628、及び1590。1H NMRδ(DMSO−d6):1.57−1.62(2H、m、NCH2CH 2CH2O)、2.62(2H、t、J=6.1Hz、NCH 2CH2CH2O)、3.20(1H、dd、J=3.1及び9.8Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−2)、3.2−3.8(大多数のH、m、シクロマルトヘキサノース単位のH及びNCH2CH2CH 2O)、4.8−4.9(7H、m、フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のH−1)、及び5.08(1H、d、J=3.1Hz、フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のH−1)。13C NMRδ(DMSO−d6):31.93(NCH2 CH2CH2O)、37.87(NCH2CH2CH2O)、59.8−60.4(フタルイミドプロピル基を持つ又は持たないグルコース単位のC−6)、69.51(NCH2CH2 CH2O)、71.8−73.2(グルコース単位のC−2、3、5)、80.75(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−2)、80.1−81.2(グルコース単位のC−4)、99.74(フタルイミドプロピル基を持つグルコース単位のC−1)、及び101.42−101.82(フタルイミドプロピル基を持たないグルコース単位のC−1)。FABMS m/z:1354.8(M+1)。分析実測値:C、41.21;H、6.89;N、0.91%、計算値(C51H87O40N+7H2O):C、41.38;H、6.88;N、0.95%。
【0043】
参考例1
ブロモヘキシルフタイルイミドの合成
市販の1,6−ジブロモヘキサン(0.5ml)を、室温で、市販のカリウムフタルイミド(0.18g)が懸濁しているジメチルスルオキシド(4ml)に加え、1時間攪拌した。反応液を水(40ml)に入れ、エーテル(20ml)で2回抽出し、エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮した。残りをシリカゲルクロマトグラフィーに供し、ブロモヘキシルフタルイミドを酢酸エチル−ヘキサンの混合液で溶出し、精製単離した。本化合物は、ヘキサンから結晶化し、0.25gのブロモヘキシルフタルイミドを得た。
:無色の粉末、mp ヘキサンから結晶化。1H NMRδ(CDCl3):1.38(2H、m、NCH2CH2CH2CH2CH2CH2Br)、1.49(2H、51et、J=7.9Hz、NCH2CH2CH2CH2CH2CH2Br)、1.70(2H,51et、J=7.3Hz、CH2CH2Br)、1.86(2H、51et、J=7.3Hz、NCH2CH2)、3.40(2H、t、J=6.7Hz、CH2Br)、3.69(2H、t、J=7.3Hz、NCH2)、7.71(2H、dd、J=3.1及び5.5Hz、ArH)、及び7.84(2H、dd、J=3.1及び5.5Hz、ArH)。
【0044】
【発明の効果】
シクロデキストリンを構成する少なくとも1つのD(+)−グルコピラノース単位の2位水酸基を、選択的に、フタルイミドアルキル化又はアミノアルキル化することにより新規なシクロデキストリン誘導体を得ることが可能になった。新規シクロデキストリン誘導体は、既存のシクロデキストリン及びその誘導体とは異なる包接能及び溶解能を有する。これらの性質をもつ新規シクロデキストリン誘導体は、既に行われている食品分野等でのシクロデキストリン及びその誘導体の利用を更に拡大するものである。
Claims (7)
- mは6以下の整数を表する請求項1に記載の誘導体。
- 反応をモレキュラーシーブスの存在下で行う請求項3に記載の製造方法。
- 反応を極性溶媒中にて行う請求項3または4に記載の製造方法。
- シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、又はγ−シクロデキストリンである請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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