JP4246627B2 - 調節可能ステアリング・コラム用の保護カバー - Google Patents

Description

本発明は、ダッシュボードと、調節可能なステアリング・コラムに結合された保護カバー要素との間の隙間を遮蔽するための装置を対象とする。

本発明は特に、二方向に沿って移動可能なステアリング・コラムに関し、さらに正確には、縦方向に沿った並進において調節可能であり、その縦方向にほぼ直角な横方向に沿った角回転において調節可能であるステアリング・コラムに関する。ステアリング・コラムの前記角回転は、縦方向と横方向とにほぼ直角な横断方向に沿って、ダッシュボードに対する保護カバー要素のほぼ並進の移動を誘導する。

ＥＰ−Ａ−０８３８３８７は、ダッシュボードとほとんど接触する遮蔽表面と、保護カバー要素とほとんど接触するスライド表面とを有する、比較的剛体の中間要素を含む形式の装置を開示している。その中間要素は、ダッシュボードに対してほぼ軸方向にスライドするが、一方では、保護カバー要素は中間要素に対して横断方向に沿って変位する。

その実施形態はたしかに従来の技術に対して利点を有する。しかしながら、この実施形態は完全に十分ではない。特に、これはダッシュボードの全体構造内部に一致したかさばりを示し、ダッシュボードの形状に調和させて組み合わせるために大きな束縛を引き起こす。

これらのさまざまな問題を解決するために、本発明は、
遮蔽表面がほぼ縦方向に沿って延びており、スライド表面がほぼ横表面に沿って延びていること、
装置がさらに第１手段を含み、この手段は、ダッシュボードに対してステアリング・コラムが縦方向に沿ってスライドするときに、スライド表面がダッシュボードにほとんど接触したままで、かつ遮蔽表面にほとんど接触した状態で、接触保護カバー要素がその遮蔽表面に対してスライドするように、ダッシュボードに対してほぼ縦方向に沿って保護カバー要素を移動させ、ダッシュボードに対して縦方向に沿って中間要素を維持するためのものであること、および
装置がさらに第２手段を含み、この手段は、遮蔽表面が保護カバー要素に対して不動のままで、かつスライド表面がダッシュボードに対してほぼ横断方向に沿って移動するように、ステアリング・コラムが角回転するときに、中間要素をダッシュボードに対してほぼ横断方向に沿って移動させる、保護カバー要素に対して横断方向に沿って中間要素を維持するためのものであること
を提案する。

こうして、装置はより簡単で、費用が低減され、かさばりも少なくなる。

装置がさらに、中間要素を保護カバー要素に直接連結する縦方向にほぼ沿って並進させる案内手段を備えることは有利である。

保護カバー要素に対して中間要素を直接案内しながら、これら２つの要素の相対的位置決めはさらによく制御されることになる。したがって、これら両要素の間の横づけはさらに精密になり、言い換えれば美的観点から見てさらに十分なものになろう。

別の有利な特徴によれば、本発明は、並進案内手段が、
縦方向にほぼ沿って延びている２つの溝と、
前記溝の中に挿入されているリブと、
横断方向に沿って延びている第１突起および横方向に沿って延びている第２突起であって、前記第１および第２突起の各々が溝とリブとの間の点接触を生じさせるために溝とリブとの間に延びている、前記第１および第２突起と
を備えることを提案する。

したがってこの案内は簡単であり、費用も少なく信頼性が高い。点接触は確実にスライドさせ、特にプラスチック材料でできた部材の間で表面接触する場合に生ずる恐れのある、引っかかって停止するような現象を同時に回避する。

本発明は、添付の図面を参照して行う以下の説明においてさらに明らかになろう。

各図は、保護カバー要素とダッシュボード６との間に配置されたカバー４を形成する中間要素および保護カバー要素２を備えた装置を図示する。

保護カバー要素２は、下部半曲面板２ａと上部半曲面板２ｂとから構成され、両曲面板はここではクリップ留めによって互いに固定されている。この保護カバー要素は、点滅照明などの信号手段、外部照明、ワイパなどの操作ケース（図示せず）を閉じ込めるためのものである。これは、ここではハンドルを保持するためのステアリング・コラム軸８が横断する中央通路を縦方向１０に備えている。

上部半曲面板２ｂは、カバー４の遮蔽表面５ａとほとんど接触する閉鎖表面３を備えている。前記の遮蔽表面５ａは、保護カバー要素２の間に、さらに正確には閉鎖表面３とダッシュボード６との間にあるほぼ縦方向１０に沿った隙間を充てんする。カバー４はさらに、縦方向１０に直角な横断方向１２に、ここではほぼ垂直方向に沿ってダッシュボード６とほとんど接触しているスライド表面５ｂを含む。

特に図４および５に示すように、カバー４は下部曲面板２ａの上に置かれている。これは下側で、横断方向１２に向いて下部半曲面板２ａの方向に突き出た２つの縦方向リブ１６を備えている。

下部曲面板２ａは、その上側端に２つのトラフ１８を備え、これらのトラフは、カバー４のリブ１６を受け入れる溝２０を形成している。主突起２２ａと側部突起２２ｂが、リブ１６のそれぞれに、それらの各端部において横断方向に、場合によってはそれらの末端に横方向に突き出ている。

したがって、カバー４は、横断方向１２に延びる少なくとも４つの主突起２２ａと、水平であり縦方向１０にも横断方向１２にも直角である横方向１４に延びる４つの側部突起２２ｂとを含む。これらの突起２２ａ、２２ｂは、ほぼ半球状の形であり、各々がトラフ１８とほぼ点接触を生じさせる。

下部半曲面板２ａとカバー４は機械的構造組立体３０に連結されており、機械的構造組立体３０は、キャリッジ３２と、縦方向１０に沿ってキャリッジ３２の中をスライドするスライダ３４と、調節ロッド５２と、調整ハンドル６２とを含む。

キャリッジ３２は、主として、横方向１４に直角に延びる２つの側部プレート３６と、横方向１４に沿って延び、側部プレート３６に固着された２つの翼３８とを備えている。側部プレート３６の各々は、縦方向１０に延びる細長い案内リブ４０を備えている。

スライダ３４は、主として、互いに平行で互いにある距離を維持しているほぼ一定の厚さを有する２つの側部プレート４２を備えている。これらはキャリッジの側部プレート３６と接触し、各々は１つのリブ４４を備えており、リブ４４は、キャリッジ３２の前記の案内リブ４０がスライダ３４のリブ４４の中に挿入されて縦方向１０に沿って並進案内されるように、案内リブ４０とほぼ同様に縦方向１０に沿って延びている。

スライダ３４はさらに筒形スリーブ４６を備えており、筒形スリーブ４６は側部プレート４２に固着され、縦方向１０に沿ってスライダを一方の側から他方の側へと延び、ステアリング・コラム軸８（図１にのみ図示されている）を受け入れるようになっている円形断面の通路４８を形成している。

キャリッジ３２は、側部プレート３６の各々に設けられた円形孔５０を有し、これらの円形孔は調節ロッド５２をぴったり受け入れ、キャリッジ３２が調節ロッド５２によって維持される覆いとなる。調節ロッド５２は、スライダが縦方向１０に沿って並進できるようにするため、縦方向１０に沿って広がっているスライダ３４の各側部プレート４２に設けられた細長い孔すなわち隙間５４を通過している。

また、調節ロッド５２は、車両のダッシュボード６または構造物に固定するようになっている支持物６０の２つの取付け固定脚５８のそれぞれに設けられた２つの細長い孔すなわち隙間５６を通過している。すなわち、支持物６０はダッシュボードに対して固定されている。細長い孔５６は、機械的組立体３０を横断方向１２に沿ってスライドさせるため横断方向１２に沿って延びている。

調節ロッド５２の周りに回転する、はざ間６５を備えた第１リング６４が調整ハンドル６２に固定され、はざ間６７を備えた第２リング６６と共に協働する。このリングにもまた調節ロッド５２が通っているが、これが挿入されている細長い孔５６によって横方向１４に沿った回転は止められる。調整ハンドル６２に与える位置に応じて、運転者は、シュー６８を固定脚５８に対して圧しながら、機械的組立体３０を支持物６０に対して解放するかまたは固定することができる。

図７に示すように、下部半曲面板２ａは１本のボルト７０を介してスライダに固定されている。

図５に示すように、カバー４は留め金２４によって翼３８に連結される。留め金２４はクリップ留めによって翼３８に固定されてカバー４の中に設けられた細長い孔２８を通っている。留め金２４と孔２８との間に設けられた隙間を考慮すると、カバーは横断方向１２と横方向１４とに沿ってスライド自在である。それに対して、留め金２４は縦方向１０に沿っては孔２８の中にぴったり受け入れられており、縦方向１０に沿ったカバー４の位置はこの方向に沿ったキャリッジ３２の位置によって決定される。この方向に沿ったキャリッジ３２とカバー４との並進移動は組み合せられる。

留め金２４によって維持された弾性足状部２６が、横断方向１２に沿った圧力をカバー４に対して下部半曲面板２ａの方向に加え、これによってカバー４を、特にその主突起２２ａを溝２０と接触した状態に、存在するならば、案内リブ４０とリブ２０の間の延長方向におけるわずかな整列不足も含めて維持する。

運転者が、調整ハンドル６２を動かした後にダッシュボード６に対するハンドルの位置を調節しようとするとき、運転者は前記の縦方向１０に沿ってハンドルを押すかまたは引っ張る。それによって運転者はハンドルが固定されているステアリング・コラム軸８の位置変更を起こさせ、したがって、縦方向に沿った並進移動をスライダ３４に伝達するクラッチ部品７２の位置変更を起こさせる。図７に、乗員室において前進した位置にあるハンドル装置を実線で、また後退した位置にあるハンドル装置を一点鎖線で示す。

調節ロッド５２を介してキャリッジ３２と支持物６０との間が連結されているという事実によって、キャリッジ３２は縦方向１０に沿ってダッシュボード６に対して位置変更することはできず、スライダ３４が縦方向１０に沿ってキャリッジ３２の内側をスライドする。

こうして、カバー４、特にその遮蔽表面５ａとそのスライド表面５ｂはダッシュボード６に対して不動のままであるが、一方、保護カバー要素２、特にその閉鎖表面３は、ダッシュボード６に対して、またハンドルと同じ移動に従って縦方向１０に沿って並進する。図７に示すように、保護カバー要素２の閉鎖表面３はこうして縦方向１０に沿ってカバー４の遮蔽表面５ａに対して、これにほとんど接触しながらスライドする。実際上は、１〜５ミリメートルの間にあることが好ましい隙間が、閉鎖表面３と遮蔽表面５ａとの間に設けられている。

運転者がハンドルをダッシュボード６に対して横断方向１２に沿って調節しようとするとき、運転者はハンドルを横方向１４の周りで回転させる。回転の中心はハンドルとは反対側に位置するステアリング・コラムの末端にあり、これは、横断方向１２に沿った装置の位置変更（２〜８センチメートルの間）よりも非常に大きな装置からの距離（４０〜８０センチメートルの間）に位置する。したがってハンドルの回転は、ダッシュボード６に対する角方向１２に沿ったスライダ３４の並進移動を生じさせる。キャリッジ３２は、リブ４０、４４があることから、スライダ３４に対して横断方向１２に沿って移動することはできないので、スライダ３４によって課された移動が後に続く。

したがって、高い位置にあるハンドルを実線で、低い位置にあるハンドルを一点鎖線で、装置を表す図８に示すように、保護カバー要素２とカバー４とはハンドルの移動にしたがって動くので、保護カバー要素２とカバー４との間の相対移動は存在しない。その代わりに、スライド表面５ｂはダッシュボード６に対して角方向１２に沿って位置変更する。スライド表面５ｂは角方向１２に延びるていので、スライド表面は、横断方向１２に沿ったダッシュボード６の移動中に、これにほとんど接触したままである。

説明を簡単にするために、縦方向１０に沿った、次いで横断方向１２に沿ったハンドルの調節操作を連続して示した。２つの調節を同時に実施することは全くかまわない。

保護カバー要素２とカバー４は、ポリオレフィンなどの比較的剛性のプラスチック材料で作られることが好ましい。構造組立体３０はさらに機械的働きかけに抵抗しなければならないので、これを構成する部品はさらに堅ろうな材料、特に金属をベースにして作られることが有利であろう。

ダッシュボードの内部における、本発明による装置の左上斜視図である。 装置の右下後面斜視図である。 ダッシュボードに固定された支持物のない、装置の左上後面斜視図である。 図６においてIV−IVで示す平面に沿った断面図である。 図６においてＶ−Ｖで示す平面に沿った断面図である。 図５においてVI−VIで示す平面に沿った断面図である。 図４においてVII−VIIで示す平面に沿った断面図である。 図５においてVIII−VIIIで示す平面に沿った断面図である。

Claims (9)

1. ダッシュボード（６）と、ステアリング・コラム（８）に結合された保護カバー要素（２）との間の隙間を遮蔽するようになっている装置（１）において、前記ステアリング・コラム（８）は縦方向（１０）に沿って並進調節可能であり、また縦方向に直角な横方向（１４）に沿って角回転調節可能であり、前記ステアリング・コラムの前記角回転は、縦方向（１０）と横方向（１４）とに直角な横断方向（１２）に沿って、前記ダッシュボードに対する前記保護カバー要素の並進の移動を誘導し、前記装置はさらに、前記ダッシュボードと接触に近い状態にあるスライド表面（５ｂ）と、前記保護カバー要素に接触に近い状態にある遮蔽表面（５ａ）とを有する比較的剛体の中間要素（４）を含み、
   前記遮蔽表面は、縦方向に沿って延び、前記スライド表面は、横断方向に沿って延びており、
   前記保護カバー要素（２）に固定されたスライダ（３４）と、
   前記中間要素に連結されたキャリッジ（３２）とを有し、
   前記ステアリング・コラムを、前記ダッシュボードに対して縦方向にスライドさせている間に、前記遮蔽表面を、前記ダッシュボードに接触状態を維持させる一方、前記保護カバー要素を、前記遮蔽表面に対してその遮蔽面に接触したままスライドするように、前記保護カバー要素を前記ダッシュボードに対して縦方向に移動可能とし、かつ前記中間要素を前記ダッシュボードに対して縦方向において移動しないようにするため、及び
   前記ステアリング・コラムを角回転させている間に、前記遮蔽表面が前記保護カバー要素に対しては動かず、前記スライド表面が、前記ダッシュボード接触したままそのダッシュボードに対して横断方向に動くことができるように、前記中間要素が前記ダッシュボードに対して横断方向に移動可能とし、かつ縦方向には移動しないようにするため
   前記キャリッジは、前記ダッシュボードに対して前記横断方向においてスライド可能に前記ダッシュボードに連結されており、かつ、前記縦方向において前記スライダに対してスライド可能に連結されていることを特徴とする装置（１）。
2. 前記中間要素を保護カバー要素に直接連結するとともに、前記中間要素と保護カバー要素との間で縦方向における相対的な移動を可能とする案内手段（１６、１８、２０、２２ａ、２２ｂ）を備え、前記案内手段が、
   縦方向（１０）に延びる、前記中間要素と前記保護カバー要素の一方に形成させた溝（２０）と、
   前記溝内を延びる、前記中間要素と前記保護カバー要素の他方に形成させたリブ（１６）とを有することを特徴とする請求項１記載の装置。
3. 前記案内手段はさらに、
   前記中間要素又は前記保護カバー要素に設けられ、横断方向に突出している第１突起（２２ａ）と、
   前記中間要素又は前記保護カバー要素に設けられ、横方向に突出している第２突起（２２ｂ）とを備え、
   前記第１と第２突起の各々が溝とリブとの間の点接触を生じさせるために溝とリブとの間に突出していることを特徴とする請求項２記載の装置。
4. 前記スライダ（３４）が前記中間要素（４）の長孔（２８）を通して突出する留め具（２４）を有することを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の装置。
5. 前記中間要素（４）が前記キャリッジ（３２）に対して横断方向（１２）に沿って移動自在であることを特徴とする請求項４に記載の装置。
6. 前記中間要素（４）を保護カバー（２）との接触状態に維持するように、前記中間要素（４）と前記キャリッジ（３２）の間に横断方向（１２）に作用する弾性足状部（２６）をさらに含むことを特徴とする請求項５に記載の装置。
7. 前記中間要素（４）が前記キャリッジ（３２）に対して横方向（１４）に沿って移動自在であることを特徴とする請求項４から６のいずれか一項に記載の装置。
8. 前記ダッシュボードに固定され、横断方向に長い細長い孔（５６）を有する支持物（６０）を前記装置が備え、前記スライダが縦方向に延びる別の細長い孔（５４）を備え、前記キャリッジ（３２）が覆いとなり、その覆いが、それらの細長い孔を通る調節ロッド（５２）を支える２つの孔（５０）を有することを特徴とする請求項１ないし７のいずれかに記載された装置。
9. 前記スライダ（３２）に、一方の側から他方の側へ縦方向（１０）に沿って、ステアリング軸（８）を受け入れるための円形断面の通路（４８）が通っていることを特徴とする請求項４から８のいずれか一項に記載の装置。

Images