JP4241903B1 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

電気車用の交流電動機を駆動するための電力変換装置を構成するに際し、冷却装置が大型化することを回避して、小型、軽量、低コストで構成すること。交流電動機を制御する制御装置内に具備される電流指令生成部は、電力変換装置内の主回路であるインバータが直流電源の出力電圧の下で発生し得る最大電圧を出力している状態下で、かつ、トルク指令が減少した場合において、インバータの損失が増加しないように調整され、トルク指令に基づくトルクを交流電動機が発生するような電流指令を出力する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気車駆動用の交流電動機、特に永久磁石同期電動機の制御に好適な電動機の制御装置に関する。
近年、産業機器や家電分野、自動車分野等の交流電動機応用分野において、誘導電動機をインバータで駆動制御する従来からの方式に代わって、永久磁石同期電動機をインバータで駆動制御する方式の事例が増えてきている。
永久磁石同期電動機は、誘導電動機と比較して、永久磁石による磁束が確立しているので励磁電流が不要であることや、回転子に電流が流れないため二次銅損が発生しないこと、永久磁石による磁束により発生するトルクの他に、回転子の磁気抵抗の違いを利用したリラクタンストルクを利用することで効果的にトルクを得られること、などから高効率な電動機として知られており、近年、電気車駆動用の電力変換装置への適用も検討されている。
永久磁石同期電動機を駆動制御する手法として、例えば、ある電流で最大のトルクを発生させる最大トルク/電流制御や、電動機の効率を最大に維持する最大効率制御等が挙げられる。これらの最適制御手法は、電動機に印加する電流振幅と位相とを、演算式やあらかじめテーブルに記憶させた最適値になるように調整する制御手法であり、その内容は種々の文献に開示されているので、ここでの詳細な説明を省略する。なお、最大トルク/電流制御については、例えば下記特許文献1に開示されている。
特開2003−33097号公報
ところで、上記のような最適制御手法を実施する場合、電動機の回転速度および出力トルクの大きさに応じてトルク分電流(q軸電流)、磁束分電流(d軸電流)を共に最適値に調整するため、電動機の回転速度および出力トルクの大きさに応じて電動機の最適な鎖交磁束が変化し、電動機端子間電圧(=インバータ出力電圧)が大きく変動することになる。
また、電気車駆動に用いられる電力変換装置に内蔵されるインバータの入力となる直流電源の電圧は1500V〜3000V程度と一般産業用途と比較して高電圧であり、インバータには3300V〜6500V程度の耐圧を有する高耐圧のスイッチング素子を使用する。しかしながら、高耐圧のスイッチング素子は、スイッチング損失、導通損失ともに大きく、これらの和であるインバータ損失は、数KW〜十数KWのオーダーとなり、この損失を冷却するための冷却器や冷却ファン等で構成される冷却装置のサイズ、重量、コストは、電力変換装置のかなりの部分を占めている。
このため、スイッチング周波数は、電動機の電流振動、トルク脈動、騒音、振動が生じない範囲で極力低く設計し、インバータ損失を最小限とすることで冷却装置を小型化することが好ましい。具体的には、常用するスイッチング周波数は750Hz前後として、冷却装置はこのスイッチング周波数によるインバータ損失を冷却できる能力を有するように構成するのが好適である。なお、冷却器、スイッチング素子には熱容量が存在するため、短時間であれば、スイッチング周波数を1000Hz程度まで上げることは可能である。
一方、インバータの制御対象である永久磁石同期電動機の極数に関して、電動機の小型化軽量化の観点から、電気車駆動用途では、6極あるいは8極が好適であり、従来の誘導電動機のほとんどが4極であったのと比較して多極となる。8極機の場合、インバータ出力周波数の最大値(電気車の設計最高速度におけるインバータ出力周波数)は400Hz程度となり、従来の誘導電動機を使用した場合の2倍程度となる。
例えばスイッチング周波数を750Hzとした状態でインバータ出力周波数を400Hzとして運転する場合、インバータ出力電圧半周期中に含まれるパルス数は、キャリア周波数(=スイッチング周波数)をインバータ出力周波数で割った1.875となり、非常に少なくなる。このような状態で電動機を駆動すると、インバータ出力電圧の正の半周期と負の半周期にそれぞれ含まれるパルス数やパルス位置がアンバランスとなり、電動機に印加される電圧の正負対称性が崩れ、電動機に電流振動やトルク脈動が発生し騒音や振動の原因となる。
このような現象を回避するため、パルス数が減少する領域であるインバータ出力周波数が高い領域において、キャリア周波数をインバータ出力周波数に同期させて決定し、インバータ出力電圧の正の半周期と負の半周期にそれぞれ含まれるパルス数やパルス位置を同一として電動機に印加される電圧の正負対称性を確保することを考える。
例えば、インバータの出力電圧振幅を調整でき、且つ可能な限り最も低いスイッチング周波数にできる設定として、キャリア周波数をインバータ周波数の3倍に選定した所謂同期3パルスモードとすることが考えられる。この場合、インバータ出力周波数が400Hzの条件では、キャリア周波数(スイッチング周波数)は1200Hzとなる。
しかしながら、冷却装置のサイズ、重量、コストを考慮すると、電気車用に使用する高耐圧のスイッチング素子は、常時750Hz程度のスイッチング周波数で使用するのが好適であり、上記のように1200Hzのスイッチング周波数で使用すると、インバータ損失が過大となり、冷却装置を大型化する必要が生じ、電力変換装置を小型、軽量、低コストで構成することができないという問題点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電気車用の電動機を駆動するための電力変換装置を構成するに際し、冷却装置が大型化することを回避して、小型、軽量、低コストで構成することを可能とする電動機の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電動機の制御装置は、直流電源に接続され、交流電動機へ任意周波数、任意電圧の三相交流を出力するインバータに対して、前記インバータ内に具備されるスイッチング素子を制御するためのパルス幅変調信号を生成する電圧指令生成部と、入力されたトルク指令に基づくトルクを前記交流電動機が発生するような電流指令を生成出力する電流指令生成部と、を備えた電動機の制御装置において、前記電流指令生成部は、前記インバータの損失が増加するか増加が予測される所定の条件下において、前記トルク指令と前記交流電動機の状態量との関係に基づいて算出され、前記交流電動機の端子電圧を前記直流電源の下で発生しうる最大値に維持し、かつ、前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令を出力することを特徴とする。
本発明にかかる電動機の制御装置によれば、インバータによって駆動される交流電動機が発生するトルクが、交流電動機の端子電圧を維持してインバータの損失が増加しないように調整され電流指令に基づいて生成されるので、交流電動機を駆動する電力変換装置を小型、軽量、低コストで構成することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる電動機の制御装置の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の好適な実施の形態にかかる電動機の制御装置の構成例を示す図である。図1に示すように、電動機の制御装置100の周辺部には、直流電源となるコンデンサ1、コンデンサ1の直流電圧から任意の周波数の交流電圧に変換するインバータ2、永久磁石同期電動機(以下、単に「電動機」という)6が備えられている。
インバータ2の入力側または出力側に位置する周辺回路部には、コンデンサ1の電圧を検出する電圧検出器8、インバータ2の出力線の電流iu,iv,iwを検出する電流検出器3,4,5が配置され、電動機6には、ロータ機械角θmを検出するレゾルバ7が配置されており、それぞれの検出信号は電動機の制御装置100に入力されている。
なお、レゾルバ7の代わりにエンコーダを使用してもよいし、レゾルバ7から得られる位置信号の代わりに、検出した電圧、電流等から位置信号を演算して求める位置センサレス方式を使用してもよく、この場合、レゾルバ7は不要となる。つまり、位置信号の取得はレゾルバ7を使用することに限定されない。また、電流検出器3,4,5に関し、1相分の電流は他の2相の電流から演算により求めることができるので、最低2相分に設置してあればよい。また、インバータ2の直流側電流からインバータ2の出力電流を再現して取得する構成でもよい。
インバータ2には電動機の制御装置100により生成されるゲート信号U,V,W,X,Y,Zが入力され、インバータ2に内蔵されるスイッチング素子がPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御される。インバータ2は電圧型PWMインバータが好適であり、その構成は公知であるので詳細な説明は省略する。
電動機の制御装置100には、図示しない外部の制御装置から、トルク指令T*が入力される構成となっており、電動機の制御装置100は、トルク指令T*に電動機6の発生トルクTが一致するようにインバータ2を制御する構成としている。
つぎに、電動機の制御装置100の構成を説明する。電動機の制御装置100は、ロータ機械角θmから基準位相角θeを算出する基準位相角演算部95、電流検出器3,4,5から検出された三相電流iu、iv、iwと基準位相角θeとからd軸電流id、q軸電流iqを生成する三相−dq軸座標変換部90、基準位相角θeからインバータ出力角周波数ωを算出するインバータ角周波数演算部70、外部より入力されたトルク指令T*とインバータ出力角周波数ωとからd軸電流指令id*、q軸電流指令iq*を生成する電流指令生成部10、d軸電流指令id*とd軸電流の差を比例積分制御し、d軸電流誤差pdeを生成するd軸電流制御部20、q軸電流指令iq*とq軸電流の差を比例積分制御し、q軸電流誤差pqeを生成するq軸電流制御部23、d軸電流指令id*とインバータ出力角周波数ωとからq軸フィードフォワード電圧vqFFを演算するq軸非干渉演算部21、q軸電流指令iq*とインバータ出力角周波数ωとからd軸フィードフォワード電圧vdFFを演算するd軸非干渉演算部22、d軸電流誤差pdeとd軸フィードフォワード電圧vdFFとの和であるd軸電圧指令vd*と、q軸電流誤差pqeとq軸フィードフォワード電圧vqFFとの和であるq軸電圧指令vq*と、基準位相角θeと、電圧検出器8の電圧EFCとから変調率PMFを演算する変調率演算部30、d軸電流誤差pdeとd軸フィードフォワード電圧vdFFとの和であるd軸電圧指令vd*と、q軸電流誤差pqeとq軸フィードフォワード電圧vqFFとの和であるq軸電圧指令vq*と、基準位相角θeとから、制御位相角θを演算する制御位相角演算部40、変調率PMFと制御位相角θとからインバータ2へのゲート信号U,V,W,X,Y,Zを生成する電圧指令/PWM信号生成部50を備えて構成されている。
つぎに、上記で説明した各制御ブロックの機能について説明する。まず、基準位相角演算部95では、以下の式(1)に基づいて、ロータ機械角θmから電気角である基準位相角θeを算出する。
θe=θm・PP …(1)
ここで、PPは電動機6の極対数である。
三相−dq軸座標変換部90では、以下の式(2)に基づいて、三相電流iu、iv、iwと基準位相角θeとからd軸電流id、q軸電流iqを生成する。
Figure 0004241903
インバータ角周波数演算部70では、以下の式(3)に基づき基準位相角θeを微分することでインバータ出力角周波数ωを算出する。
ω=dθe/dt …(3)
また、インバータ出力角周波数ωを2πで割ることにより、インバータ出力周波数FINVを演算する。
つぎに、電流指令生成部10の機能について説明する。電流指令生成部10では、外部より入力されたトルク指令T*とインバータ出力角周波数ωとからd軸電流指令id*、q軸電流指令iq*を生成する。生成手法としては、ある電流で最大のトルクを発生させる最大トルク/電流制御や、電動機の効率を最大に維持する最大効率制御による最適制御手法等が挙げられる。これらの最適制御手法は、電動機の回転速度と出力トルクの大きさ等をパラメータとして、演算式やあらかじめテーブルに記憶させて得た最適なトルク分電流指令(q軸電流指令iq*)、磁束分電流指令(d軸電流指令id*)に電動機6の実電流が一致するように調整を行う方式である。なお、電流指令生成部10の構成は本発明の中心となる部分であるので、詳細の説明は後述する。
つぎに、d軸電流制御部20、q軸電流制御部23により、それぞれ次式(4)、(5)に基づいてd軸電流指令id*とd軸電流の差を比例積分増幅したd軸電流誤差pdeと、q軸電流指令iq*とq軸電流の差を比例積分増幅したq軸電流誤差pqeとを生成する。
pqe=(K1+K2/s)・(iq*−iq) …(4)
pde=(K3+K4/s)・(id*−id) …(5)
ここで、K1、K3は比例ゲイン、K2、K4は積分ゲイン、sは微分演算子である。
なお、pqe、pdeは特に1パルスモードでの運転の場合等において、必要に応じてゼロとするなどして制御に使用しないようにしてもよい。
また、q軸非干渉演算部22、q軸非干渉演算部21は、それぞれ次式(6)、(7)式に基づいてd軸フィードフォワード電圧vdFF、q軸フィードフォワード電圧vqFFを演算する。
vdFF=(R1+s・Ld)・id*−ω・Lq・iq* …(6)
vqFF=(R1+s・Lq)・iq*+ω・(Ld・id*+φa) …(7)
ここで、R1は電動機6の一次巻線抵抗(Ω)、Ldはd軸インダクタンス(H)、Lqはq軸インダクタンス(H)、φaは永久磁石磁束(Wb)である。
また、変調率演算部30では、d軸電流誤差pdeとd軸フィードフォワード電圧vdFFとの和であるd軸電圧指令vd*と、q軸電流誤差pqeとq軸フィードフォワード電圧vqFFとの和であるq軸電圧指令vq*と、基準位相角θeと、コンデンサ1の電圧EFCとから、次式(8)に基づいて変調率PMFを演算する。
PMF=VM*/VMmax …(8)
ただし、
VMmax=(√(6)/π)・EFC …(9)
VM*=sqrt(vd*+vq*) …(10)
である。
なお、変調率PMFは、インバータ出力電圧指令ベクトルの大きさVM*を、インバータが出力可能な最大電圧VMmax(式(9)で定義)に対する割合で示したものであり、PMF=1.0の場合は、インバータ出力電圧指令ベクトルの大きさVM*は、インバータが出力可能な最大電圧VMmaxと等しくなることを示している。また、(2)式〜(10)式から分かる通り、電流指令生成部10により生成されるd軸電流指令id*、q軸電流指令iq*により、変調率PMFが変化することが分かる。
制御位相角演算部40では、d軸電流誤差pdeとd軸フィードフォワード電圧vdFFとの和であるd軸電圧指令vd*、q軸電流誤差pqeとq軸フィードフォワード電圧vqFFとの和であるq軸電圧指令vq*、および基準位相角θeから、次式(11)に基づいて制御位相角θを演算する。
θ=θe+π+THV …(11)
ここで、
THV=tan−1(vd*/vq*) …(12)
である。
つぎに、電圧指令/PWM信号生成部50の構成、機能および動作について説明する。図2は、本実施の形態における電圧指令/PWM信号生成部50の構成例を示す図である。図2に示すように、電圧指令/PWM信号生成部50は、掛算器53、調整ゲインテーブル54、電圧指令演算部55、非同期キャリア信号生成部57、同期3パルスキャリア生成部58、スイッチ59、パルスモード切替処理部60、比較器61〜63、および反転回路64〜66を備えて構成されている。
電圧指令演算部55では、変調率PMFと制御位相角θとから、次式(13)〜(15)に基づき、三相電圧指令であるU相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、W相電圧指令Vw*を生成する。
Vu*=PMFM・sinθ …(13)
Vv*=PMFM・sin(θ−(2・π/3)) …(14)
Vw*=PMFM・sin(θ−(4・π/3)) …(15)
ここで、PMFMは、後述のように、変調率PMFに調整ゲインテーブル54の出力を掛けた電圧指令振幅である。
また後述のとおり、上記の各電圧指令と比較されるキャリア信号CARは、少なくとも非同期キャリア信号、同期キャリア信号として出力される信号であり、図2の構成では、パルスモード制御部であるパルスモード切替処理部60が決定したパルスモードに応じたキャリア信号が選択可能となるように構成されている。
なお、非同期キャリア信号は、インバータ出力周波数FINVに関連なく決められた周波数のキャリア信号であり、ここでは、例えば上述したような冷却装置のサイズ、重量、コストの最適化を考慮したスイッチング周波数である750Hzを想定している。
また、同期キャリア信号は、インバータ出力電圧を構成するパルス数とその位置がインバータ出力電圧の正側半周期と負側半周期で同じになるよう、キャリア信号の周波数をインバータ出力周波数の関数として同期させたものである。
なお、本実施の形態では、同期キャリア信号として同期3パルスキャリア信号を使用した例で説明するが、これ以外の例えば同期5パルスキャリア信号等でも構わないし、複数の同期キャリア信号を準備しておき必要に応じて切り替えるようにしてもよい。
また、上述のように、式(13)〜(15)中の係数PMFMは、変調率PMFに掛算器53で調整ゲインテーブル54の出力を掛けた電圧指令振幅である。調整ゲインテーブル54は、非同期パルスモードおよび同期3パルスモードにおいて、変調率PMFに対するインバータ出力電圧VMの関係が異なるのを補正するためのものであり、概略は以下の通りである。
非同期パルスモードでは、インバータが歪なく出力可能な最大電圧(実効値)は0.612・EFCとなるが、同期3パルスモードでは、0.7797・EFC(=√(6)/π)となる。すなわち、非同期パルスモードでは、同期3パルスモードと比較して、変調率PMFに対するインバータ出力電圧は1/1.274(=0.612/0.7797)となる。この両者の差を打ち消すために、非同期パルスモードでは、変調率PMFを1.274倍した値を電圧指令振幅PMFMとして上述した電圧指令演算部55に入力している。一方、同期3パルスモードでは、変調率PMFを1.0倍した値を電圧指令振幅PMFMとして上述した電圧指令演算部55に入力している。なお、厳密には変調率PMFに対するインバータ出力電圧の関係は非線形であるので、この非線形性を考慮したテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、W相電圧指令Vw*は、比較器61〜63にてキャリア信号CARと大小比較され、ゲート信号U,V,W、および、これらのゲート信号を入力として反転回路64〜66を介して得られるX,Y,Zが生成される。キャリア信号CARは、パルスモード切替処理部60により非同期キャリア信号生成部57で生成する非同期キャリア信号A、同期3パルスキャリア生成部58で生成する同期3パルスキャリア信号B、1パルスモードで選択されるゼロ値Cがスイッチ59により選択された信号であり、非同期キャリア信号A、同期3パルスキャリア信号は、ゼロを中心として−1〜1までの値をとる。
なお、パルスモード切替処理部60は、変調率PMFが0.785未満では非同期パルスモード、変調率PMFが0.785以上1.0未満では同期パルスモード、変調理PMFが1.0以上では1パルスモードを選択するよう動作するものとする。
つぎに、本発明の中心となる電流指令生成部10の構成および動作について説明する。なお、電流指令生成部10は、後述する内容に従い、q軸電流iqの指令であるd軸電流指令id*およびq軸電流指令iq*を生成する。
図3は、永久磁石同期電動機の制御特性を示す図である。なお、図3を含み以下の図面に示す制御特性は、最大出力トルクが1500Nm、インバータ2への入力電圧EFCが3000Vである電気車用に設計した電動機によるものであるが、その他の電動機でも類似の特性となる。
図3において、横軸はd軸電流id、縦軸はq軸電流iqであり、図中の右上から左下に向かって複数本存在する曲線(実線)がトルク一定曲線であり、これらの曲線は、図中の左端に記載している各トルク値(トルクT)におけるd軸電流idとq軸電流iqとの関係(電流ベクトルの関係)を示すものである。
一方、図中の左上から右下への曲線(破線)は、最小電流条件を示す曲線であり、あるトルクTを出力する場合に電動機電流が最小となる曲線である。言い換えると、最小の電流で最大のトルクを発生することができる、所謂最大トルク/電流制御が可能な条件を示す曲線である。
上記最小電流条件を示す曲線と、トルク一定曲線との交点に電流ベクトルを制御すれば、当該トルクTを最小の電流で得ることができる。このように制御することで、あるトルクTを得る場合の電動機6の銅損、インバータ損失を最小とすることができ、電動機6、インバータ2を小型軽量に構成できるというメリットが生ずる。
例えば、1000NmのトルクTを出力させたい場合、d軸電流id=−127A付近、q軸電流iq=220A付近となる図示A点の位置でインバータ2を制御(電流制御)すれば、最小の電流で1000Nmのトルクを発生することができる。
さらに、図中において、一点鎖線で表した曲線は電圧制限曲線でもある誘起電圧一定曲線であり、あるインバータ出力周波数FINVにおいて電動機6の端子電圧が最大となるd軸電流idとq軸電流iqとの関係(電流ベクトルの関係)を示した曲線である。なお、図中には、インバータ2の入力電圧EFCを3000Vとした条件で、インバータ出力周波数FINVをパラメータとした3つのケース(160Hz、240Hz、320Hz)における電圧制限曲線を示している。
理論的に選択可能なd軸電流idとq軸電流iqとの組み合わせ(電流ベクトル)は、これらの電圧制限曲線の内側(曲線の下側)である。すなわち、電圧制限曲線の線上に存在する電流ベクトルにて電動機6を運転した場合、電動機6の線間電圧は最大(つまり、インバータ2の変調率PMFは1.0で最大電圧を出力している状態)となり、このとき出力可能なトルクTは、電圧制限曲線とトルク一定曲線との交点にあたるトルクTとなる。
一方、電圧制限曲線の内側(下側)に存在する電流ベクトルにて電動機6を運転した場合、インバータ2の変調率PMFは1.0未満となり、電動機6の線間電圧はゼロ値以上、最大値未満の値をとる。なお、電圧制限曲線の外側(曲線の上側)に存在する電流ベクトルは、インバータ2の最大出力電圧を越えた領域となるので選択することはできない。
ここで、図3に示す電圧制限曲線の3つのケース(インバータ出力周波数FINV:160Hz、240Hz、320Hz)に着目する。これらの電圧制限曲線から明らかなように、電動機6の速度が増加してインバータ出力周波数FINVが大きくなるに従い、電圧制限曲線は図の下側に移動し、選択可能な電流ベクトルは制限されるとともに、出力可能なトルクTの大きさは小さくなる。また、インバータ出力周波数FINVが大きくなるに従い、最小電流条件を示す曲線上にて発生し得るトルクTが小さくなる。
例えば、インバータ出力周波数FINVが160Hzの場合、最大トルク1500Nmを最小電流条件上(d軸電流id=−185A付近、q軸電流iq=285A付近:図示B点)で発生することができる。しかしながら、インバータ出力周波数FINVが240Hzの場合、発生し得る最大トルクは、当該電圧制限曲線上の図示C点(d軸電流id=−250A付近、q軸電流iq=245A付近)において得られる、おおよそ1480Nmである。また、最小電流条件にて発生することのできる最大トルクは、最小電流条件と電圧制限曲線との交点である図示D点(d軸電流id=−170A付近、q軸電流iq=260A付近)の1300Nmとなる。なお、1300Nm〜1480Nmの間は最小電流条件での運転は不可能であり、d軸電流idを負側に増加させる、所謂弱め磁束制御を行うことで運転が可能な領域である。
つまり、上述したとおり、電動機6の銅損、インバータ2の損失を最小とするために、極力、最小電流条件が成立する電流ベクトルにて所望のトルクを発生させるようにインバータ2を制御する場合に、電動機6の回転速度が増加することでインバータ出力周波数FINVが増加し、最小電流曲線上での制御(最大トルク/電流制御)が不可能となるときには、d軸電流idを負側に増加させた弱め磁束制御を行うことが一般的な制御手法となる。
なお、以上に述べた最小電流条件での制御(最大トルク/電流制御)の他、電動機6の鉄損を含めた電動機6の損失が最小となる最大効率曲線(図示せず)上に電流ベクトルを制御して電動機6を運転制御する、所謂最大効率制御を適用することも可能である。
つぎに、速度ゼロの状態からインバータ2により電動機6を駆動して電気車を力行加速させ、ある速度になった時点で加速を止めて速度を一定に維持する定速運転へ移行する場合と、加速が不要となったのでトルクTを絞ってインバータ2を停止させる場合とを一例とし、それらの動作態様を詳細に説明する。
なお、説明にあたり、まず、従来技術にかかる制御手法を説明することで、上述した課題の詳細部分を明確化する。つぎに、本課題を解決するための一例として示す本実施の形態にかかる制御手法について説明する。
図6は、従来技術にかかる制御手法を適用した場合の制御状態を説明する図であり、図7は、同制御手法を適用した場合の電流ベクトルの軌跡を説明する図である。なお、図6の下端に示す動作時間(1)〜(6)は、それぞれ図7における動作点(1)〜(6)にそれぞれ対応している。
まず、図6を参照し、従来技術にかかる動作時間(1)から(3)までの動作を説明する。動作時間(1)において、インバータ2を起動し、電動機6へ電圧を印加して加速を開始する。動作時間(1)から(2)までは、トルク指令T*をゼロから1300Nmまでランプ状に立ち上げている区間である。このとき、インバータ2の出力電流(以下「インバータ電流IA」と記す)を0Aから180Aまでランプ状に立ち上げる。なお、インバータ電流IAは電動機6の電流と等しく、その値は実効値を示している。
トルク指令T*が1300Nmまで到達すると、インバータ電流IAは180Aの一定値に制御され、動作時間(3)までの間、電動機6は一定トルクを出力して加速する。このとき、インバータ2の変調率PMFは、インバータ出力周波数FINVに比例して増加してゆく。
動作時間(2)−1にて変調率PMFが0.785以上になると、インバータ2のパルスモードをキャリア周波数750Hzの非同期パルスモードから同期パルスモードに切り替える。なお、同図では、同期パルスモードとして同期3パルスモードを一例として示しているが、3パルス以外の例えば同期5パルスモード等でもよく、過変調を組み合わせてもよい。
動作時間(2)から(2)−1の区間は、インバータ電流IA(180A)とインバータ2のスイッチング周波数(750Hz)とは一定なので、インバータ2のスイッチング素子の導通損失およびスイッチング損失の和からなるインバータ損失Pは、一定値となる。なお、動作時間(2)−1にて、インバータ2のパルスモードは同期3パルスモードになり、スイッチング周波数はインバータ出力周波数FINVの3倍に同期した値(同図の例ではおおよそ500Hz(≒170Hz×3))に減少するのでインバータ損失Pは減少する。
動作時間(2)−1から(3)までの区間は、インバータ2のパルスモードは同期3パルスモードであり、インバータ出力周波数FINVの増加に同期してスイッチング周波数が増加する。また、スイッチング周波数の増加に伴い、インバータ損失Pも増加する。
ここで、上述した動作時間(1)から(3)までの電流ベクトルの軌跡を、図7を参照して説明する。図7において、動作点(1)から(2)までの間は、電流ベクトルは最小電流条件を示す曲線上を増加して行く。また、動作点(2)から(3)までの間は、トルクT=1300Nmとなるポイントで維持される。なお、電圧制限曲線は、インバータ出力周波数FINVの増加に伴って、図の下側方向に移動する。
つぎに、図6に戻り、動作時間(3)から(4)までの区間の動作を説明する。動作時間(3)にて変調率PMFが1.0となり、インバータ2の出力電圧の大きさは入力電圧EFCから決まる最大値で頭打ちとなる。このため、動作時間(3)以降は、インバータ2のパルスモードは1パルスモードが選択される。このとき、トルク指令T*は、最大トルク/電流制御を維持するために1300Nmから750Nmまで減少させる制御が行われるので、インバータ電流IAもこの制御に伴って減少して行く。
また、動作時間(3)にて、インバータ2のパルスモードは同期3パルスモードから1パルスモードに切り替わるので、スイッチング周波数は、インバータ出力周波数FINVと同一となる。このため、スイッチング損失が減少し、これに伴ってインバータ損失Pが減少する。
一方、動作時間(3)から(4)の区間では、インバータ電流IAは徐々に減少して行くが、インバータ出力周波数FINVの増加に同期してスイッチング周波数も増加して行くので、インバータ損失P全体としては増加して行く。
つぎに、上述した動作時間(3)から(4)までの区間における電流ベクトルの軌跡を、図7を参照して説明する。まず、動作点(3)にて、変調率PMFが1.0となる。つまり、トルク一定曲線(トルクT=1300Nm)と最小電流条件を示す曲線と電圧制限曲線との交点上に動作点が存在することになる。
以降、インバータ出力周波数FINVの増加に伴って電圧制限曲線は、図の下側に移動するので、電流ベクトルの軌跡は電圧制限曲線と最小電流条件を示す曲線との交差点上を動作点(4)に向かって移動することになる。
なお、上記では、最小電流条件を示す曲線上に電流ベクトルを維持した場合を例として説明しているが、必ずしも最小電流条件を示す曲線上に電流ベクトルを維持する必要はなく、前述のように、トルクTをさらに増加させるためにd軸電流を負に増加させる弱め磁束運転を行ってもよい。例えば、インバータ出力周波数FINV=240Hzの条件では、トルク一定曲線が電圧制限曲線と接する点(d軸電流id=−250A付近、q軸電流iq=245A付近:図3のC点)に電流ベクトルを制御することで、トルクTはおおよそ1480Nmまで出力可能となる。
再度、図6に戻り、動作時間(4)から(6)までの区間の動作を説明する。動作時間(4)では、トルク指令T*を絞り始め、その後、動作時間(6)においてゼロとしている。このような制御態様は、電気車の速度が十分に増加したのでトルク指令T*を減少させた場合、あるいは電気車の加速を中止するためにトルクT*を減少させてインバータ2を停止する場合などを想定している。
この制御により、インバータ電流IAはゼロに向かって減少する。また、インバータ電流IAの減少により電機子反作用による磁束が減少するので、電機子に鎖交する鎖交磁束の大きさが減少して変調率PMFも減少する。なお、変調率PMFの減少に付随してパルスモードは1パルスモードから同期3パルスモードに切り替わる。
ここで、動作時間(4)において、パルスモードは1パルスモードから同期3パルスモードに切り替わるため、スイッチング周波数はインバータ出力周波数FINVと同じ320Hzから、インバータ出力周波数FINVの3倍の960Hzに増加する。スイッチング周波数の増加に伴い、インバータ損失Pも増加する。
なお、その後、動作時間(4)から(6)に向かって、インバータ電流IAがゼロに向かって減少するので、スイッチング素子の導通損失およびスイッチング損失の両者が減少し、これらの和であるインバータ損失Pも減少して行く。
上記と同様に、動作時間(4)から(6)までの電流ベクトルの軌跡を、図7を参照して説明する。まず、動作点(4)にて、変調率PMFが1.0未満となるので、電流ベクトルは最小電流条件を示す曲線上を電圧制限曲線の下側方向に移動する。その後、トルクT=300Nmとなる動作点(5)を経由して、インバータ電流IAがゼロになる動作点(6)まで移動する。
以上の動作が、従来技術にかかる制御手法に基づいた動作である。特に、図6の動作時間(4)から(5)に着目すると、インバータ損失Pの大きさが全運転区間(動作時間(1)から(6))で最も大きくなっていることが分かる。
この動作は、電動機6の速度が高い領域、すなわち、インバータ出力周波数FINVが大きい領域で同期3パルスモードに切り替わるためであり、この区間において、スイッチング周波数が全運転区間の中で最大の960Hzとなることに起因している。
ところで、上述したように、短時間であればスイッチング周波数を1000Hz程度まで上昇させることは可能である。しかしながら、例えばインバータ出力周波数FINVが320Hz近傍にあって、トルク指令T*を750Nmより多少小さい値に設定した場合で、路線の勾配条件等により電気車の速度がバランスした場合を考慮すると、動作時間(4)から(5)の間(動作点(4)から(5)までの間)で長時間運転される可能性がある。即ち、インバータ出力周波数FINVが大きい状態のときに同期3パルスモードが選択され、インバータ損失Pが冷却装置の能力を越えた過大な値のままで電機車の運転が継続される場合が存在する。このため、過温度検知等によるインバータ2の停止や、スイッチング素子の熱破壊等の不具合を招く可能性がある。
さらに、インバータ出力周波数FINVが最大値の400Hzである場合に、同様なトルクT*の絞り込みが行われ、パルスモードが同期3パルスモードとなった場合を考える。このとき、スイッチング周波数は1200Hzとなり、インバータ損失Pは、上記の場合よりさらに過大な大きさとなる。このため、過温度検知等によるインバータ2の停止や、スイッチング素子の熱破壊等の不具合を招く可能性が高くなる。
以上の問題を回避するための一手法として、例えば冷却装置の冷却能力を増加させることが考えられる。しかしながら、冷却装置の冷却能力を増加させた場合には、冷却装置のサイズ、重量、コストが共に増加することになり、インバータ2を含む電力変換装置のサイズ、重量、コストの増加を招くこととなり、好ましい手法であるとは言い難い。
以上の課題を解決するため、本実施の形態では、図4および図5に示される制御手法を用いている。ここで、図4は、本実施の形態にかかる制御手法を適用した場合の制御状態を説明する図であり、図5は、同制御手法を適用した場合の電流ベクトルの軌跡を説明する図である。なお、図4の下端に示す動作時間(1)〜(6)は、それぞれ図5における動作点(1)〜(6)にそれぞれ対応している。
以下、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかる制御手法について説明する。なお、動作時間(4)から地点(6)までの制御動作が本発明の中心となる部分であると共に、従来技術と異なる部分であるため、動作時間(1)から(4)までの区間における動作の説明は省略する。
図4において、動作時間(4)では、トルク指令T*を絞り始め、その後、動作時間(6)においてゼロとしている。このような制御態様は、電気車の速度が十分に増加したのでトルク指令T*を減少させた場合、あるいは電気車の加速を中止するためにトルクT*を減少させてインバータ2を停止する場合などを想定している。
この制御により、インバータ電流IAもゼロに向かって減少している。しかしながら、本実施の形態にかかる制御手法では、電流指令生成部10は、電動機6の端子電圧の大きさが変化しないように、電流ベクトルを調整し、鎖交磁束の大きさを変化させないように制御する。このため、変調率PMFは1.0のまま維持されている。このため、パルスモードは1パルスモードのままであり、従来技術にかかる制御手法のように、同期3パルスモードに切り替わる制御は行われない。
したがって、動作時間(4)から(5)の区間は、パルスモードが1パルスモードのままであり、且つインバータ電流IAが減少して行くので、スイッチング素子の導通損失およびスイッチング損失が減少し、これらの和であるインバータ損失Pも減少して行く。
一方、動作時間(5)において、鎖交磁束の大きさが維持できなくなり、電動機6の端子電圧が維持できなくなる。このとき、変調率PMFの減少が始まるので、パルスモードは1パルスモードから同期3パルスモードに切り替わる。
また、動作時間(5)において、パルスモードが同期3パルスモードに切り替わるため、スイッチング周波数はインバータ出力周波数FINVと同じ320Hzから、インバータ出力周波数FINVの3倍の960Hzに増加する。スイッチング周波数の増加に伴い、インバータ損失Pも増加する。
ここで、同期3パルスモードへの切り替え時点におけるインバータ電流IAについて、図6に示す従来技術と図4に示す本実施の形態とを比較すると、従来技術におけるインバータ電流IAが117Aであるのに対し、本実施の形態におけるインバータ電流IAは58Aであることが分かる。すなわち、インバータ損失Pの最大値は、従来技術と比較して大きく抑制されている。
なお、その後、動作時間(5)から(6)に向かって、インバータ電流IAがゼロに向かって減少するので、スイッチング素子の導通損失およびスイッチング損失の両者が減少し、これらの和であるインバータ損失Pも減少して行く。
つぎに、上述した動作時間(4)から(6)までの区間における電流ベクトルの軌跡を、図5を参照して説明する。まず、動作点(4)から(5)の間は、電流ベクトルが電圧制限曲線上に維持されるように動作する。このため、電動機6の端子電圧が最大値一定に保持されたまま、トルクTと電流ベクトルの大きさ(インバータ電流IA)の両者が共に減少する。
一方、動作点(5)に到達すると、電圧制限曲線上に電流ベクトルを維持することが不可能となる(電圧制限曲線上に電流ベクトルを維持するためにはd軸電流idを正としなければならない)ので、電動機6の端子電圧は最大値より小さくなり、変調率PMFは1.0未満となる。このとき、電流ベクトルは電圧制限曲線の下側方向にd軸電流id=0の状態を維持すると共に、q軸電流iqがゼロに向かって減少し、動作点(6)に到達する。
以上の動作が、本実施の形態にかかる制御動作である。上述したように、本実施の形態にかかる制御手法では、電動機6が高速回転中であり、インバータ出力周波数FINVが大きい場合において、トルク指令T*によらず、特にトルク指令T*が減少して最大トルク/電流制御あるいは最大効率制御等が可能である場合であっても、電流ベクトルを優先的に電圧制限曲線上に維持するような電流指令を生成した制御を行うことで、電動機6の端子電圧を最大電圧に維持してインバータ2のパルスモードを1パルスモードとして運転する(つまり、パルスモードが同期3パルスモードに切り替わらないように制御する)ことで、インバータ損失Pが過大となるのを回避することができる。この制御により、インバータ電流IAが十分に小さくなり、インバータ損失Pが過大とならない条件で、電流ベクトルを電圧制限曲線上から外して、例えばq軸上あるいは最小電流条件を示す曲線上、最大効率曲線上などに電流ベクトルを移すような制御も行うことが可能となる。
ところで、電流ベクトルを電圧制限曲線上に維持する場合、電流ベクトルが最小電流条件を示す曲線あるいは最大効率曲線(図示せず)上から外れてしまう場合がある。この場合、電流ベクトルを最小電流条件を示す曲線あるいは最大効率曲線(図示せず)上で制御する場合と比較して電動機6の効率が若干低下する。このとき、電動機6の損失が増加するので電動機6の温度上昇の懸念があるが、電動機6の熱容量は、インバータ2のそれと比較して十分に大きいので、電動機6の温度上昇は実用上問題がない程度に抑えられる。
なお、必要に応じて、電流ベクトルが動作点(5)に達する前に、この電流ベクトルを電圧制限曲線上から最小電流条件を示す曲線上に移して制御する構成としても構わない。また、電流ベクトルが動作点(5)に達した段階で、この電流ベクトルを電圧制限曲線上から最小電流条件を示す曲線上に移して制御する構成としても構わない。
また、必要に応じて、電流ベクトルが動作点(5)に達する前に、この電流ベクトルを電圧制限曲線上から最大効率曲線上に移して制御する構成としても構わない。また、電流ベクトルが動作点(5)に達した段階で、この電流ベクトルを電圧制限曲線上から最大効率曲線上に移して制御する構成としても構わない。
なお、電流ベクトルを電圧制限曲線上から最小電流条件を示す曲線上あるいは最大効率曲線上に移す場合、移す前後における電流ベクトルの大きさと位相とが不連続となる。一方、電流ベクトルを電圧制限曲線上からq軸上に移す場合には、移す前後における電流ベクトルの大きさと位相との連続性が確保されるので、d軸電流指令id*、q軸電流指令iq*の急変を回避することができ、より安定した制御を行うことが可能となる。
つまり、電流ベクトルをどの動作点まで電圧制限曲線上に維持するかは、以上に述べた本発明の趣旨に則り、インバータ損失Pの最大値を極力小さくすることを目的として決定すればよい。
具体的には、インバータ損失Pに関連する量であるインバータ出力周波数、インバータ電流、インバータ損失(スイッチング損失、導通損失)、スイッチング周波数等のそれぞれが所定値以上であるか否か、あるいは、これらの複数の量が、所定値以上であるか否かを判断基準として含めてもよい。
さらに、制御動作の遅れを最小限とするには、インバータ出力周波数、インバータ電流、インバータ損失、スイッチング周波数等のそれぞれが所定値以上であるか否か、あるいは、これらの複数の量が所定値以上であるか否かを事前に推測する構成とするのが好ましい。
また、インバータ損失Pと電動機6の損失の両方を考慮して、例えば両者の損失の和が最小となるように電流指令を決定してもよい。
なお、電気車駆動用インバータでは、インバータ電流IA、スイッチング周波数ともに大きくなる非同期パルスモードの領域におけるインバータ損失Pを基準として冷却装置の冷却性能を決定することが一般的であるため、全運転領域におけるインバータ損失Pの最大値が、非同期パルスモードにおけるインバータ損失Pを越えないように構成するのが望ましい。
また、電動機6がインバータ2により運転されている状態であって、インバータ2を停止させる場合において、インバータ出力周波数FINVとインバータ電流IAの大きさによっては、上述のとおり、インバータ損失Pが過大となる可能性がある。このため、電動機6がインバータ2により運転されている状態であって、インバータ2を停止させる停止指令(図示せず)が外部の制御装置(図示せず)から電動機の制御装置100に入力された場合、電流指令生成部10は、可能な限り電流ベクトルを電圧制限曲線上に維持するような電流指令を生成する構成とするのが好ましい。このように停止指令をトリガとして電流ベクトルを電圧制限曲線上に維持するような電流指令を生成する構成とすることで、電流指令生成部10の構成を簡易化することができる。
また、図5では、d軸電流idの負の領域のみを示しており、さらに上記の説明では、d軸電流idの正の領域(図示せず)を使用しないものとして説明してきたが、d軸電流idの正の領域を使用してもよい。つまり、電圧制限曲線、トルク一定曲線とも、d軸電流idの負の領域から正の領域まで連続的に延長して存在するので、d軸電流idの正の領域まで使用すれば、動作点(5)を超えた場合でも電圧制限曲線上に電流ベクトルを維持することが可能となる。
このように構成することで、インバータ出力周波数FINVが大きい領域において、パルスモードを1パルスモードのまま維持する区間を長くすることができるので、インバータ損失Pが冷却装置の能力を越えた過大な値となることを回避でき、過温度検知等によるインバータ2の停止や、スイッチング素子の熱破壊等の不具合を回避することができる。
また、このように構成することで、インバータ2のスイッチング素子を冷却する冷却装置の大型化を回避することが可能となり、インバータ2を含む電力変換装置の小型化、軽量化、低コスト化が可能となる。
なお、上記実施の形態では、主として電気車の力行中の動作を一例として説明したが、回生ブレーキをかけた減速動作の場合においても、同様の制御手法を採用することができる。
また、上記以外のケース、例えば、電動機6がフリーラン(惰性)回転中にインバータ2を停止状態から起動する場合において、インバータ出力周波数FINVおよびインバータ電流IAの大きさ如何によっては、上述したような、インバータ損失Pが過大となる可能性がある。このため、インバータ2が停止状態であり、かつ、電動機6がフリーラン(惰性)回転中の場合であって、インバータ2を起動させる起動指令(図示せず)が外部の制御装置(図示せず)から電動機の制御装置100に入力された場合では、電流指令生成部10は、可能な限り電流ベクトルを電圧制限曲線上に維持するような電流指令を生成する構成とするのが好ましい。このような、起動指令をトリガとして電流ベクトルを電圧制限曲線上に維持するような電流指令を生成する構成とすることで、電流指令生成部10の構成を簡易化することができる。
無論、このような構成の場合でも、インバータ損失Pに関連する量であるインバータ出力周波数、インバータ電流、インバータ損失(スイッチング損失、導通損失)、スイッチング周波数等のそれぞれが所定値以上であるか否か、あるいは、これらの複数の量が所定値以上であるか否かを判断基準に含めて、上記のような電流指令を生成する構成としてもよい。
さらに、制御動作の遅れを最小限とするには、インバータ出力周波数、インバータ電流、インバータ損失、スイッチング周波数等のそれぞれが所定値以上であるか否か、あるいは、これらの複数の量が、所定の値以上となるか否かを事前に推測する構成とするのが好ましい。
なお、必要に応じて、電流ベクトルを電圧制限曲線上から最小電流条件を示す曲線上に移して制御する構成としても構わない。また、必要に応じて、電流ベクトルを電圧制限曲線上から最大効率曲線上に移して制御する構成としても構わない。
なお、上記の実施の形態における説明では、永久磁石同期電動機を制御する電動機の制御装置を中心として説明したが、その他の種類の電動機を駆動制御する電動機の制御装置に、本実施の形態にかかる制御手法を適用しても構わない。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電動機の制御装置によれば、電流指令生成部は、所定の条件下において、インバータの損失が増加しないように調整され、トルク指令に基づくトルクを電動機が発生するような電流指令を生成出力するので、冷却装置の大型化を回避することができ、インバータを含む電力変換装置を小型、軽量、低コストで構成することが可能となる。
なお、上記所定の条件としては、インバータが直流電源の出力電圧の下で発生し得る最大電圧を出力している状態において、トルク指令が減少した場合を含むことが好ましい。
また、パルスモードとして少なくとも非同期パルスモード、同期パルスモード、1パルスモードを有する場合には、上記所定の条件として、インバータが1パルスモードで動作中にトルク指令が減少した場合を含むことが好ましい。
また、パルスモードとして少なくとも非同期パルスモード、同期パルスモード、1パルスモードを有する場合には、上記所定の条件として、インバータ損失が非同期パルスモード時よりも大きくなる場合であるか、もしくは大きくなると予測された場合の何れかを含むことが好ましい。
また、上記所定の条件として、インバータの出力周波数が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことが好ましい。
また、上記所定の条件として、インバータの出力電流が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことが好ましい。
また、上記所定の条件として、インバータの損失が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことが好ましい。
また、上記所定の条件として、スイッチング素子のスイッチング周波数が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことが好ましい。
また、上記所定の条件として、電動機がインバータにより運転されている状態であって、インバータを停止させる場合や、電動機がフリーラン回転中であって、インバータを停止した状態から起動させる場合を含むことが好ましい。
また、インバータの損失が増加しないように調整された電流指令は、
(1)インバータの出力電圧が前記直流電源の出力電圧の下で最大となるような値であるか、
(2)電動機に対するトルクを最小の電流で得られる最小電流条件を満たす値と直流電源の出力下でインバータの出力電圧が最大となる条件を満たす値とを必要に応じて切り替えて生成された値であるか、
(3)電動機の効率が最大となる最大効率条件を満たす値と直流電源の出力下でインバータの出力電圧が最大となる条件を満たす値とを必要に応じて切り替えて生成された値であるか、
の何れかを含むことが好ましい。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
さらに、本明細書では、電気車用の電動機の制御装置への適用を考慮して発明内容の説明を実施しているが、適用分野はこれに限られるものではなく、電気自動車、エレベータ等、種々の関連分野への応用が可能であることも言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる電動機の制御装置は、電動機を駆動する電力変換装置を小型、軽量、低コストで構成することを可能とする発明として有用である。
本発明の好適な実施の形態にかかる電動機の制御装置の構成例を示す図である。 本実施の形態における電圧指令/PWM信号生成部の構成例を示す図である。 永久磁石同期電動機の制御特性を示す図である。 本実施の形態にかかる制御手法を適用した場合の制御状態を説明する図である。 本実施の形態にかかる制御手法を適用した場合の電流ベクトルの軌跡を説明する図である。 従来技術にかかる制御手法を適用した場合の制御状態を説明する図である。 従来技術にかかる制御手法を適用した場合の電流ベクトルの軌跡を説明する図である。
符号の説明
1 コンデンサ
2 インバータ
6 電動機
7 レゾルバ
8 電圧検出器
10 電流指令生成部
20 d軸電流制御部
21 q軸非干渉演算部
22 d軸非干渉演算部
23 q軸電流制御部
30 変調率演算部
40 制御位相角演算部
50 電圧指令/PWM信号生成部
53 掛算器
54 調整ゲインテーブル
55 電圧指令演算部
57 非同期キャリア信号生成部
58 パルスキャリア生成部
59 スイッチ
60 パルスモード切替処理部
61〜63 比較器
64〜66 反転回路
70 インバータ角周波数演算部
90 三相−dq軸座標変換部
95 基準位相角演算部
100 制御装置

Claims (13)

  1. 直流電源に接続され、交流電動機へ任意周波数、任意電圧の三相交流を出力するインバータに対して、前記インバータ内に具備されるスイッチング素子を制御するためのパルス幅変調信号を生成する電圧指令生成部と、入力されたトルク指令に基づくトルクを前記交流電動機が発生するような電流指令を生成出力する電流指令生成部と、を備えた電動機の制御装置において、
    前記電流指令生成部は、前記インバータの損失が増加するか増加が予測される所定の条件下において、前記トルク指令と前記交流電動機の状態量との関係に基づいて算出され、前記交流電動機の端子電圧を前記直流電源の下で発生しうる最大値に維持し、かつ、前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令を出力することを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記所定の条件として、前記インバータが前記直流電源の出力電圧の下で発生し得る最大電圧を出力している状態において、前記トルク指令が減少した場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  3. 前記インバータが、パルスモードとして少なくとも非同期パルスモード、同期パルスモード、1パルスモードを有する場合に、
    前記所定の条件として、前記インバータが1パルスモードで動作中に前記トルク指令が減少した場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  4. 前記インバータがパルスモードとして少なくとも非同期パルスモード、同期パルスモード、1パルスモードを有する場合に、
    前記所定の条件として、前記インバータ損失が非同期パルスモード時よりも大きくなる場合であるか、あるいは大きくなると予測された場合の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  5. 前記所定の条件として、前記インバータの出力周波数が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  6. 前記所定の条件として、前記インバータの出力電流が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  7. 前記所定の条件として、前記スイッチング素子のスイッチング周波数が所定の値以上であるか、あるいは所定の値以上になると予測された場合の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  8. 前記所定の条件として、前記交流電動機が前記インバータにより運転されている状態であって、前記インバータを停止させる場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  9. 前記所定の条件として、前記交流電動機がフリーラン回転中であって、前記インバータを停止した状態から起動させる場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  10. 前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令は、前記インバータの出力電圧が前記直流電源の出力電圧の下で最大となるような値であることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  11. 前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令は、前記トルクを最小の電流で得られる最小電流条件を満たす値と、前記直流電源の出力電圧の下で前記インバータの出力電圧が最大となる条件を満たす値と、を必要に応じて切り替えて生成された値であることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  12. 前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令は、前記交流電動機の効率が最大となる最大効率条件を満たす値と、前記直流電源の出力電圧の下で前記インバータの出力電圧が最大となる条件を満たす値と、を必要に応じて切り替えて生成された値であることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  13. 前記交流電動機が永久磁石同期電動機であって、前記電流指令が前記交流電動機の永久磁石磁束の方向をd軸とし、d軸と直交する方向をq軸とするdq座標系にて定義されたものであるときに、
    前記インバータの損失を維持もしくは減少するように調整した電流指令は、該電流指令のベクトルがq軸上に存在するような値と、前記直流電源の出力電圧の下で前記インバータの出力電圧が最大となる条件を満たす値と、の何れかが選択されることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
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