JP4240033B2 - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents

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本発明は、溶銑の予備処理方法に係わり、特に、製鋼炉へ装入する前の溶銑から予め燐(P)、珪素(Si)、硫黄(S)を除去するプロセス(これらを溶銑予備処理という)において、発生するスラグ中の弗素(F)量を低減し、その後に該スラグを建材、路盤材等で利用する際、土壌(環境)へ弗素を溶出させないようにする技術に関する。
近年の製鋼工程では、発生スラグ量の低減のため、製鋼炉へ装入する前に溶銑中の燐、硫黄、珪素を予め除去する所謂「溶銑予備処理」が普及している。
その際、脱燐及び脱珪は、酸化反応であるので、トピードカーに保持した溶銑に脱燐剤として粉状の酸化鉄,CaOや酸素ガスをランスを介してキャリアガスで吹き込むトピード型処理、あるいは転炉に保持した溶銑に、脱燐剤としてのCaOを添加すると共に、上吹きで酸素ガスを吹き込む転炉型処理を主体としている。
一方、脱硫は、トピードカーに保持した溶銑に、粉状のCaO、ソーダ灰を吹き込んだり、取鍋内の溶銑に脱硫剤を投入し、機械攪拌する方法が主体である。なお、最近は、該脱硫剤にMgが利用されるようになっている。
従来、かかる溶銑予備処理においては、添加する脱燐剤、脱硫剤等の融点を低下させるため、それらに蛍石が添加されている。しかしながら、近年、環境問題が重視され、製鉄所が排出するスラグの再利用に際して、該スラグから土壌への弗素溶出量の規制が叫ばれるようになった。そこで、脱燐剤、脱珪剤及び脱硫剤(以下、総称として精錬剤ということあり)の精錬能を減少させることなく、蛍石の使用量を低減させる技術が盛んに研究され、開示されているものも多い。
例えば、特許文献1は、前記した転炉型の溶銑脱燐処理において、底吹きガス攪拌を行ない、目標のスラグ組成を限定し、添加する蛍石の原単位を1kg/t以下に低減する技術を開示している。また、特許文献2は、スラグ中のT.Fe、Al23、SiO2濃度を限定して、蛍石の添加無しで脱燐する条件を開示している。さらに、特許文献3に開示されているように、蛍石の代替としてAl23(具体的には、Al23又はAl灰のような(Al+Al23))を脱硫剤中に混合する方法も、以前より検討されている。この蛍石をAl23で代替し、蛍石と同程度に精錬剤の融点を低下させる技術は、脱燐処理では採用可能であるが、脱硫処理では反応速度が大きく減少する旨の報告がある(鉄と鋼:第75年(1989)、1号、66〜73頁)。
一方、溶銑の脱硫処理では、通常、CaO系、Na2O系、Mg系の脱硫剤が用いられるが、スラグの後処理や処理コストの観点からCaO系での処理が望ましく、CaO系脱硫剤を用いての脱硫効率向上技術の出現が期待されている。CaO系脱硫剤で脱硫を行なう場合、CaOの融点が2000℃以上と高く、媒溶剤である蛍石の反応促進効果は、同じ融点降下作用のあるAl23に比べて大きいので、脱硫剤から蛍石を単純に減少させるのは、脱硫剤使用量の増加に繋がり、強いてはスラグ発生量増加を招き、好ましくない。そこで、別の手段で脱硫効率を高める技術が提案されている。
例えば、特許文献4は、脱硫反応が還元反応であることに着眼して、還元性ガスを利用した脱硫促進技術を開示している。この技術は、CaO系脱硫剤の吹き込みに用いるキャリアガスを水素ガスとすれば、不活性ガスのキヤリアガスに比べて脱硫が促進されるとしている。また、該公報は、比較例として同じく還元性を有する炭化水素系ガスの試用を試み、吹き込んだ際に炭化水素系ガスの分解吸熱による溶銑の温度が低下するので、高温ほど有利な脱硫反応に対して不利である旨、記載している。その他、特許文献5に開示されたように、高炉の出銑樋の流れに対して上方から脱硫剤を添加、下方から炭化水素系ガス吹き込み、溶銑の脱硫を促進する技術や、特許文献6、特許文献7に開示されたCaO系脱硫剤に石炭系炭化水素を3〜20質量%含む有機物質を混合する技術もある。また、特許文献8は、弗素含有スラグを、高炉で用いる焼結鉱の原料として再利用する方法を提案している。該技術は、CaO=6〜12wt%の焼結鉱を製造するにあたり、T.Feが5〜15wt%、Fが0.1〜5wt%の製鋼スラグを焼結原料に混合すると共に、そのスラグの混合量を、高炉操業で生じるスラグの流動性を確保するために、その弗素含有量を3000〜4000ppmになるように調整するものである。
特開平11−269524号公報 特開平11−269522号公報 特開平2−19408号公報 特公平5−43763号公報 特公昭63−19562号公報 特開昭60−26607号公報 特公昭57−43608号公報 特開平10−317070号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、転炉型の溶銑脱燐処理において、底吹きガス攪拌、スラグ組成を限定しても、完全に蛍石原単位をゼロにできない。また、特許文献2記載のようにスラグ組成を限定することは、多種のプロセスや装置が存在する脱燐処理では実施が困難である。一方、脱硫に関して、従来知見のように融点降下が蛍石と同等になるようにAl23を使用しても、脱硫反応効率は低下し、発生するスラグ量が増加する。還元性を強くして脱硫反応を促進する場合でも、特許文献4記載の技術は、脱硫剤を吹込むキャリアガスを全て水素ガスにするので、吹込みランスの溶損、脱硫剤の詰まり等のトラブルがあると、爆発の危険性があり、実用上問題がある。また、特許文献5記載の技術では、脱硫剤の添加と炭化水素系ガスの吹き込み位置が異なる場合、脱硫剤とガスとが十分混合しない。さらに、特許文献6に記載されたような有機物の混合は、コスト的に高価であるという問題点がある。加えて、特許文献8では、製鋼スラグを焼結工程へリサイクルするにあたり、その配合量を定めているが、その技術は、そもそも高炉スラグ中の弗素含有量を高めることを目的としており、生成する高炉スラグ中の弗素は3000〜4000ppmと高く、スラグの流動性確保が狙いである。また、製鋼での弗素使用については何ら言及されていない。
本発明は、かかる事情に鑑み、製鉄所が発生する総てのスラグの弗素含有量を低減すると共に、希釈させて無害化可能な溶銑予備処理方法を提供することを目的としている。
まず、発明者は、上記目的を達成するため、溶銑の脱燐及び脱硫において精錬剤に加える蛍石の量を低減させるための実験を行った。その結果、トピードカーで脱燐剤を吹込む現在の脱燐処理では、蛍石の代替としてAl23を使用しても、脱燐剤ので精錬能が同等であることを見い出した。また、Al23の使用についても耐火物等の問題がないことを確認した。一方、脱硫処理については、いかなる現存のプロセスを用いても、蛍石無しでは脱硫効率を所望の高さにすることができないことを知った。つまり、蛍石の使用を完全に停止することは難しい。そこで、発明者は、必要最低限の蛍石の使用で、製鉄所発生スラグの弗素の無害化について鋭意考察し、脱燐については、蛍石を使用せずにできるだけ反応効率の高いプロセスを選択すると共に、脱硫については、蛍石を使用しても、発生した弗素含有スラグを製鉄所内の適切な工程で無害化できればすれば良いと考えた。つまり、製鉄所全体で対処するという総合的な観点から問題を検討すべきと考えて鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化したのである。
すなわち、本発明は、溶銑を製鋼炉へ装入する前に、該溶銑が含有する珪素、燐、硫黄を予め除去する溶銑予備処理において、トピードカーに保持した前記溶銑に、蛍石を含まない精錬剤をランスを介してキャリアガスで吹き込み脱珪及び脱燐した後、その脱珪及び脱燐された溶銑を取鍋に移し、蛍石を含む脱硫剤を添加して機械撹拌して脱硫すると共に、該脱硫で生じた弗素含有スラグを高炉装入原料の一部として使用し、該弗素含有スラグの弗素を希釈し、弗素含有量1000質量ppm以下の高炉スラグとして高炉から排出することを特徴とする溶銑の予備処理方法である。
本発明では、脱燐剤の反応効率が高いトピード型脱燐及び脱珪で蛍石レス操業を実現し、脱硫では、脱硫剤の反応効率の高い機械攪拌方式を選択したので、蛍石ミニマムの操業を実現するようにし、最後に、発生したスラグを高炉にリサイクルして弗素を希釈するようにしたので、製鉄所の全発生スラグから土壌への弗素溶出が防止できるようになる。
以上説明したように、本発明により、反応効率を落とすことなく溶銑の予備処理が可能となる。また、製鉄所から排出する総てのスラグにおいて、弗素の溶出が防止できるようになる。
以下、発明をなすに至った経緯を交え、本発明の実施の形態を説明する。
発明者は、前記した製鉄所全体で対処するという総合的な観点に立って、溶銑の予備処理を高い脱燐効率と脱硫効率で行ない、発生させたスラグが製鉄所外に出る際に、スラグからの弗素の土壌への溶出を著しく低減させることに着眼した。そのため、最初に溶銑の脱燐、脱珪を検討した後、脱硫及びその発生スラグの処理を順次検討した。
まず、溶銑の脱燐反応及び脱珪反応は、(1)式及び(1)’式のように示される。
2[P]+2.5O2+3CaO=3CaO・P25 (1)
[Si]+O2 =SiO2 (1)’
これらの反応は、酸化反応であり、脱燐の場合、反応生成物である燐酸は、CaOにトラップされてスラグ中に固定される。従来から脱燐においては、蛍石はCaOの溶融を促進するため、脱燐反応をも促進すると言われている。また、この反応は、発熱反応であり、低温ほど脱燐が促進される。本発明では、トピード型脱燐処理を採用することにしたが、その理由は、以下の通りである。一方、脱珪反応では、CaOとの反応によらず、蛍石の影響は少ない。
トピード型脱燐処理では、溶銑中に専用ランスを浸漬し、それを介してキャリアガスで酸化鉄、CaO、CaF2等を吹き込む。キャリアガスとしては、N2、O2等が用いられる。燐を酸化するメインの酸素源は、酸化鉄であり、溶銑中で分解して反応域の温度を低下させるので、脱燐に対して非常に有利な物質である。また、上記物質は、溶銑中に粉の状態で吹き込まれるため、反応界面積が大きく、これも脱燐にとって好ましい。これに対して、前記した転炉型の脱燐処理では、メインの酸素源は、溶銑に上吹きする酸素ガスである。溶銑に対して多量に吹き付けられた酸素は、反応域で脱炭反応も起こし、溶銑の温度を高め、脱燐反応に不利である。また、転炉の炉上から塊状のCaOを添加するので,反応界面積は小さく、トピード型脱燐処理に比べて不利である。
そこで、発明者は、このような脱燐反応へ及ぼすプロセスの影響を配慮し、トピード転脱燐処理を採用することにした。そして、本発明において重要なことは、従来の精錬剤から蛍石を完全に除き、Al23を使用するようにしたことである。これによって、スラグ中に弗素がまったく存在しないようになる。この場合、プリメルトされた焼結鉱を酸化鉄源に用いても良い。また、蛍石の代替として
Al23を使用するに当たっては、耐火物の損耗を考慮する必要がある。つまり、トピードのようにAl23−SiC−CといったAl23系耐火物の場合は、精錬剤にAl23が混入しても問題ない。しかし、転炉型脱燐の場合、同一転炉で溶銑脱燐、脱炭を行なうことがある。その場合、耐火物保護を目的とした石灰、MgO源のスラグコーテイング層がAl23と低融点液相を形成し、耐火物損耗が増大するといった問題が生じる。
以上述べた本発明に係る溶銑脱燐の実現性を確認するため、図1に示すような350トン規模のトピードカー6を用い、通常通りのランス4を介した脱燐剤2の吹き込み法で溶銑5の脱燐実験を行った。この脱燐実験の条件は表1に示す通りである。脱燐剤2は、焼結鉱及びCaOの混合物に従来と同等量の蛍石を添加したもの(水準1)と、蛍石の代替にAl23を添加したもの(水準2)の2種類とした。
脱燐結果を、酸素原単位と脱燐量(脱燐処理前溶銑中燐濃度−脱燐処理後溶銑中燐濃度)との関係で整理し、図2に示す。図2より、蛍石無しにしても、代替としてAl23を用いることにより、従来と同等の脱燐が可能であることが明らかである。
一方、脱硫反応は(2)式で起きる。
[S]+CaO→(CaS)+[O] (2)
脱硫剤としては、従来よりCaO系、ソーダ灰系、Mg系等がある。コスト面から、現在は、CaO系の脱硫剤が主流となっている。この脱硫剤には蛍石が添加されるが、その蛍石は、スラグもしくはCaO系脱硫剤の組織(ネットワーク)を破断し、溶融を促進すると言われている。発明者は、この蛍石に代えて、脱燐の場合と同様にAl23の使用を考えた。しかしながら、Al23は、蛍石と同様にCaO系脱硫剤の融点を低下させるが、生成した液相の粘性が高くなり、脱硫剤を凝集させて反応界面積の低下を招く。従って、反応界面積増加のため、蛍石に代えてAl23を用いるのは、脱硫処理では好ましくない。そこで、発明者は、脱硫剤への蛍石は添加を従来通り行なうが、その使用量をできるだけ減らすことにした。また、脱硫プロセスとしては種々の方式があるが、本発明では、機械攪拌方式を採用することにした。この方式では、添加したCaO系脱硫剤が、溶銑中に巻き込まれて脱硫反応界面積が大きくなるため、精錬剤の利用効率が高い利点があり、少ない精錬剤量でしかも該精錬剤の溶融を促進する蛍石のような滓化促進剤を低減しても、数ppmオーダの所謂「低硫黄域」濃度までの脱硫処理が可能だからである。一方、トピードもしくは取鍋(溶銑鍋ともいう)に溶銑を保持し、CaO系脱硫剤をキャリアガスで吹き込むプロセス(所謂インジェクション法)もある。このプロセスでは、粉状の脱硫剤を吹き込むので、脱硫剤が溶銑中に滞留している間は大きな反応界面積を有する。ところが、かかる脱硫剤は、溶銑に対して比重が小さいので、大流量のキャリアガスに伴われ、数秒で溶銑の表面に浮上してしまい、固体の割合が多いトップスラグを形成し、反応効率を低下する。つまり、溶銑内での滞留時間が短く、機械攪拌方式に比べて反応効率が低いので、本発明では、この方式を採用しないことにしたのである。
以上述べた本発明に係る溶銑脱硫の実現性を確認するため、発明者は、溶銑量5トン規模の機械攪拌式溶銑脱硫実験を行った。使用した機械攪拌式脱硫実験装置を図3に、実験条件を表2にを示す。
同実験において、蛍石原単位と脱硫効率との関係を求めた。その結果を図4に示す。図4より、蛍石使用量を通常の蛍石使用量(原単位で0.8kg/t)より少なくしても0.5kg/t以上であれば、脱硫率80%以上を確保できることが明らかである。
なお、脱硫率は下記(3)式で定義したものである。
脱硫率(%)=(△[S]/[S]i)×100={([S]i−[S]f)/[S]i}×100 (3)
ここで、[S]i:処理前溶銑中S濃度、[S]f:処理後溶銑中S濃度
また、この実験では、蛍石の代替としてAl源または(Al+Al)で表すAl灰のようなものを添加していないが、それらをCaO系脱硫剤に混合してもかまわない。しかし、脱硫スラグを焼結工場へリサイクルする場合、焼結原料中のAlは、流動性を悪化させるため、Al源の添加は少ない方が好ましい。
次に、本発明では、製鉄所外へ排出するスラグからの弗素の溶出防止を最終目的としている。前記したトピード型処理は、高炉からの溶銑搬送容器をそのまま流用でき、温度降下も少ない点で有利である。しかし、その形状に起因してスラグの排出性が悪いという欠点があり、蛍石を使用する脱硫処理をトピードカーで行うと、弗素を含有するスラグが残留し、別途行なう脱燐処理で排出するスラグに混入する恐れがある。脱燐処理で排出するスラグは、SiO2やP25含有量が高いので、スラグの滓化が進んでおり、水和膨脹が少ないため、路盤材等の用途に使用されることが多い。従って、このような脱燐処理後のスラグに弗素が混入すると、環境への弗素の溶出の恐れがあり、好ましくない。本発明で、脱燐処理のみをトピードで行い、蛍石を使用する脱硫処理をスラグの排出性の高い取鍋(溶銑装入鍋)で行う理由は、このことを避けるためでもある。
発明者は、この使用容器の問題を確認するため、残留スラグが付着していないトピードカー6、溶銑装入鍋11にスラグを装入し、それら容器11からのスラグ排出実験を行なった。両者での実施結果を比較して図5に示す。図5より、溶銑装入鍋11からは、ほぼ完全にスラグが除去されるのに対して、トピードカー6からは装入した量の約20%のスラグが排出困難であることが明らかである。
本発明では、脱硫処理後のスラグは、弗素含有量が従来よりはるかに低減しているが、それでもなお、そのままでは環境への溶出基準を満足するまでに至っていない。そこで、本発明では、この脱硫処理後のスラグを製銑工程にリサイクルし、最終的に高炉内で生成するスラグでその弗素含有量を希釈させる。製銑工程へのリサイクル方法としては、脱硫処理後の形態のまま高炉へ直接装入しても良い。しかし、焼結鉱の製造工程において鉄鉱石、コークス、石灰等の焼結原料に配合して焼結鉱とするのが好ましい。脱硫スラグが、これら物質の媒溶剤として作用し、焼結鉱の製造に役立つからである。
次に、高炉スラグ中の弗素含有量と弗素溶出量との関係を調査した。まず、弗素を含有しない高炉スラグと蛍石を混合し、高周波溶解炉で1500℃、2時間処理し、水冷、空冷等の条件を変えて試料を作製した。そして、このようにして作製した試料の弗素溶出量の定量を、以下の工程によって行なった。
(1)スラグの粉砕、(2)篩い分け;粒度0.5〜2mmのものを試料とする、(3)試料量;水1リットル当たり100g、(4)振とう機による200回/分×6時間の振とう、(5)0.45μm目のフィルタによる濾過、(6)残渣蒸留後のICP分析
なお、スラグからの弗素溶出量については、0.05mg/リットルを検出限界として、限界以上と以下で結果を整理した。その結果、高炉スラグ中の弗素含有量を1000ppm以下にすれば、ばらつきを含めても、確実に弗素溶出量が検出限界以下になることを見出した。
前記した本発明に係る溶銑の予備処理方法及びそれと一部条件の異なる方法(比較例)とで溶銑の予備処理を行なった。そして、得られたスラグからの弗素溶出量を調査した。その際の脱燐処理、脱硫処理及び高炉へのリサイクル内容を、一括して表3に示す。なお、脱燐及び脱硫後には、全量のスラグを容器から排出している。また、弗素溶出量の定量は、上述したものと同様の工程順で行なった。
弗素溶出量の調査結果を表4に示す。本発明例1では、トピードでの脱燐で蛍石を使用しないので、トピードからの排出スラグからの弗素の溶出はなく、一方、機械攪拌脱硫において蛍石を使用するので、取鍋から排出されたスラグには、検出限界以上の弗素が認められた。ただし、このスラグを、バランス上、高炉スラグ中の弗素が1000ppm以下となるように焼結原料の配合を決め、焼結工場にリサイクルした結果、高炉内で希釈された高炉スラグは、検出限界以下となっている。このことより、トピードでの蛍石レスによる脱燐処理、取鍋での蛍石ミニマム添加を伴う機械撹拌による脱硫処理、及び脱硫スラグの高炉リサイクルによる弗素希釈により、高炉スラグ中弗素は1000ppm以下となり、脱燐や脱硫の反応効率を従来レベルから低下させることなく、製鉄所から排出するスラグ中に含まれる弗素の溶出を防止できることが明らかである。
本発明の実施に利用するトーピード型脱燐装置を示す図である。 溶銑に吹き込まれ、あるいは添加された酸素量と脱燐効率との関係を示す図である。 本発明の実施に利用する機械撹拌方式の脱硫装置を示す図である。 溶銑に脱硫剤と共に添加された蛍石の原単位と脱硫率との関係を示す図である。 トピードカーと溶銑装入鍋とからのスラグ排出率の比較を示す図である。
符号の説明
1 脱燐剤ホッパ
2 脱燐剤
3 ランス固定台車
4 ランス
5 溶銑
6 トピードカー
7 集塵フード
8 撹拌子(インペラ)
9 ガス上吹きランス
10 脱硫剤
11 取鍋(溶銑装入鍋)
12 キャリアガス

Claims (1)

  1. 溶銑を製鋼炉へ装入する前に、該溶銑が含有する珪素、燐、硫黄を予め除去する溶銑予備処理において、
    トピードカーに保持した前記溶銑に、蛍石を含まない精錬剤をランスを介してキャリアガスで吹き込み脱珪及び脱燐した後、その脱珪及び脱燐された溶銑を取鍋に移し、蛍石を含む脱硫剤を添加して機械撹拌して脱硫すると共に、該脱硫で生じた弗素含有スラグを高炉装入原料の一部として使用し、該弗素含有スラグの弗素を希釈し、弗素含有量1000質量ppm以下の高炉スラグとして高炉から排出することを特徴とする溶銑の予備処理方法。
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