JP4238000B2 - カラー画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料およびそれを用いたカラー画像形成方法に関するものであり、特に白色度に優れるカラー画像形成方法に関するものであり、更には白色度および画像部の色再現性の高いカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料は、安価に安定した品質で高画質の画像を提供する材料として今日まで広く用いられてきているが、ユーザーの高画質化への要求はますます高まっている。高画質化の要求に対しては特に白色度、色再現性等の改良が求められている。
カラーペーパーや透過型ディスプレイ材料等の直接鑑賞用に用いられる写真感光材料においては、特に白地が重要である。白地の品質を向上させるには、1つは不要な着色を極力少なくすることであり、ハロゲン化銀乳剤のかぶりの低減、増感色素やイラジエーション防止染料の残色の低減、処理液の汚れの感光材料への付着防止などが挙げられる(例えば特許文献1,2,3参照。)。
【0003】
増感色素やイラジエーション防止染料の残色防止や処理液の汚れの感光材料への付着吸着防止に、感光材料を構成する親水性コロイド層のゼラチン等のバインダーを削減することが有効であるが、膜の強度が弱くなるという弊害がある。この弊害は、写真構成層中の親油性写真有用成分(以後、油溶成分と称す)、特に高沸点有機溶媒、を減ずることで対策できるが、この結果、カプラ−溶媒と機能する高沸点有機溶媒を削減するとカプラーの発色性が低下したり、得られた色素の画像堅牢性が悪化する等の別の弊害が生じ、新たな技術が求められていた。
【0004】
また、不要な着色に対して補色の関係にある着色物で色味を調節しニュートラルに見せる方法としては、例えば、紙支持体を白色顔料含有の耐水性樹脂で被服した所謂レジンコート紙を用いる場合、耐水性樹脂層中に群青等の青み顔料を添加する方法が挙げられる(例えば、特許文献4,5,6,7参照。)。 しかしながらこの方法は、色味調節に必要な顔料の必要量が多かったり、支持体の脆性を悪化させるなどの弊害を有しており、更なる技術が求められていた。
また、これらの着色による白色度改良は、画像の有彩色部の明度と彩度を低下させてしまうという問題を有しており改良が望まれていた。
【0005】
一方、好ましい白地はユーザーの好みや鑑賞時の照明の条件などにより変化し、必ずしも1つに決められるものではない。また、感材保存条件、処理条件の変動によりハロゲン化銀のかぶりが変化すると白地が変化してしまう問題があった。従って白地を自由に制御できる技術が求められていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−202291号
【特許文献2】
特開平6−59421号
【特許文献3】
特開平6−329936号
【特許文献4】
米国特許第3,501,298号
【特許文献5】
特開昭53−19021号
【特許文献6】
特開昭58−93050号
【特許文献7】
特開昭63−237056号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、白色度に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラー画像形成方法を提供することにあり、更には白色度および画像部の色再現性の高いハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラー画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、以下のハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラー画像形成方法により本発明の目的が達成されることを見出した。
(1) 支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に対して、画像出力手段により、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報を露光した後に、芳香族第1級アミン系現像主薬を有する処理液で発色現像処理するカラー画像形成方法であって、該画像情報が、入力画像データの無彩色部に対して、事前に該ハロゲン化銀カラー写真感光材料を使用して、該画像出力手段で発色現像処理することにより得られた白地部分のデータ(画像出力手段で得られる最明点のデータ)を用い、予め決められた白色度を与える色度点のデータを利用して該入力画像データを変更した画像情報であり、露光が、前記予め決められた白色度を与える色度点のデータに基いて前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料を全面露光した後、画像情報を露光することを特徴とするカラー画像形成方法。
(2) 前記露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ、該出力手段において達成できる予め決められた前記白色度の色度点のデータ、及び有彩色部における最高彩度のデータの少なくとも3つを用いて、入力画像データを変更した画像情報であることを特徴とする(1)に記載のカラー画像形成方法。
(3) 前記露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ及び該出力手段で達成できる予め決められた白色度の色度点のデータを利用し、入力画像データに対して所定のパラメータにより分配してデータ変換を行った画像情報であることを特徴とする(1)に記載のカラー画像形成方法。
(4) 前記のデータ変更が、無彩色部には前記の予め決められた白色度を達成できる最高明度のデータを用い、有彩色部に対してはシステムが達成できる最高明度のデータの比重が大きくなるように変更することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
【0009】
(5) 前記のデータ変更が、無彩色部には前記の予め決められた白色度の色度点の比重が高く、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ、該出力手段において達成できる予め決められた白色度の色度点のデータ、及び有彩色部における最高彩度のデータの少なくとも3つを用いて、有彩色部に対しては最高明度のデータの比重が高く、かつ無彩色部には最高明度のデータの比重が高いように変更することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
) 前記支持体が反射支持体であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
) 前記支持体が透過または半透過であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
) 前記支持体または写真構成層中に含まれる青み付け物質の量が、現像処理後の感光材料の最明点のbの変化として4.5以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
) 前記発色現像処理後に得られる未露光部における最明点の色度が下記条件を満たすことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
90≦L≦98、−1≦a≦2、−5≦b≦+5
10) 前記ハロゲン化銀乳剤がネガ型であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
11) 前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料が下記一般式(M−1)または一般式(M−2)で表されるマゼンタカプラ−の少なくとも一種を含有することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
【0010】
【化3】
【0011】
一般式(M−1)中、RM1は水素原子又は置換基を表し、RM2及びRM3は各々独立にアルキル基を表し、RM4及びRM5は各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。JMは−O−C(=O)−、−NRM7CO−または−NRM7SO2−を表し、RM7は水素原子またはアルキル基を表す。RM6はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表す。XMは水素原子または発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応により脱離可能な基を表す。
【0012】
【化4】
【0013】
一般式(M−2)中、RM1は水素原子又は置換基を表す。Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または複素環基を表す。Lは−CO−、−SO−を表し、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより離脱可能な基を表す。
12) 前記支持体に最も近いハロゲン化銀乳剤層がイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層以外のハロゲン化銀乳剤層であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
13) 前記露光が光ビームにより走査露光され、かつ露光光源がレーザー光源、発光ダイオード、有機薄膜電解発光素子または真空蛍光管から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
14) 少なくとも3つの互いに異なる波長の光源ユニットにより走査露光し、生成するドットにより網点の面積階調画像を形成する前記画像形成方法であって、かつ、該光源ユニットの少なくとも1つがレーザー光源、発光ダイオード、有機薄膜電解発光素子、または真空蛍光管から選ばれる同一波長の複数からなる光源ユニットであることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
【0014】
15) 前記入力画像のデータ変換を網点の面積階調画像データに対して行うことを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
16) 前記入力画像のデータ変換を誤差拡散法またはディザ法を用いて行うことを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
17) 前記入力画像のデータ変換を濃度変調画像データに対して行うことを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
18) 前記画像情報が文字データを含む画像情報であることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。
本発明の画像出力手段は、画像情報をハロゲン化銀カラー写真感光材料に露光する手段と、カラー発色現像処理手段よりなる。
本発明は、画像出力手段により、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報をハロゲン化銀カラー写真感光材料に露光した後に、芳香族第1級アミン現像主薬を有する発色現像処理するカラー画像形成方法において、該画像情報が、入力画像データの無彩色部に対して、事前に該ハロゲン化銀カラー写真感光材料を使用して、該画像出力手段で発色現像処理することにより得られた白地部分のデータ(画像出力手段で得られる最明点のデータ)を用い、予め決められた白色度を与える色度点のデータを利用して該入力画像データを変更した画像情報であり、露光が、前記予め決められた白色度を与える色度点のデータに基いて前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料を全面露光した後、画像情報を露光することを特徴とするカラー画像形成方法に関するものである。
本発明においては、色度の測定はCIE1976L*** 表色空間(以後CIELAB表色空間と略す)で行う。CIE1976L*** 表色空間の詳細は、日本写真学会・日本画像学会編「ファインイメージングとカラーハードコピー」354ページ(1999年、コロナ社刊行)に詳記されている。また、この表色空間を用いる際の3色刺激値は、蛍光性反射物体のX、Y、Z座標の3刺激値測定方法を規定したJIS Z8717記載の方法に従って求められた値である。測定は例えば、SpectroEye(Gretag Macbeth社製)を用いて測定できる。
【0016】
本発明においては、白地とは非描画部(未露光部)の濃度を言う。出力手段によって達成できる予め決められた白地の白色度とは、使用する出力手段によって達成することができるものであって、かつ観察者が好感を示す、すなわち「好ましい白地の白色度」である。好ましい白地の白色度は、使用される目的、感光材料の種類、観察者等に依存して変わる。例えば、一般に日本人の場合、多少青みがかった白の方がより白色として好まれる傾向があり、本願では、このような白色度のデータを予め決められた白色度の色度点のデータとして利用するものである。以下においては、白地の白色度に関して、「予め決められた」ことを「好ましい」との表現で、代表して表現する。
【0017】
白地の濃度は、明度が高くなるように選択するのが好ましく、好ましい白地からずれた分の補正をイエロー、マゼンタまたはシアン等のカラーカプラ−を発色させて行うことができる。白地の濃度の調節は感光材料の支持体中または写真構成層中の色味付け染料及び顔料の種類と量調節で行うことができる。支持体または写真構成中に含まれる色味付け物質の量は、現像処理後の感光材料の最明点b*の変化として4.5以下が好ましい。白地の補正のためには、減色法によりカラー画像を形成するハロゲン化銀乳剤層のカプラ−を発色させても良いが、白地の補正のための専用の発色層を設けても良い。
【0018】
本発明において露光による白地調節の好ましい幅は、−3.0≦a*≦+3.0、−15.0≦b*≦+10.0、−15.0≦L*≦−0.05が好ましく、更に好ましくは−1.5≦a*≦+1.5、−10.0≦b*≦+2.0、−8.0≦L*≦−0.05である。
【0019】
本発明にて取り扱う画像情報は、文字情報を含んでも含まなくても良いが、文字データを含む場合に好ましく適用される。
【0020】
以下に本発明の画像形成方法において好ましく用いられる露光方法について説明する。本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0021】
感光材料が異なる分光感度分布を有する複数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採ってもよく、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のためには好ましい。
【0022】
本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)、有機薄膜電解発光素子等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ましく使用される。システムをコンパクトで、安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。また、これらの光源は複数個用いてアレーを形成しても良い。
【0023】
このような走査露光光源を使用する場合、本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査露光用光源の波長により任意に設定することができる。半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られるSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持たせることが可能である。このような走査露光における露光時間は、例えば画素密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光する時間とすると、好ましい露光時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。
【0024】
本発明において好ましくは、露光は走査露光にて行なわれ、光源を走査しても良いし感光材料を走査しても良い。またその両者を走査しても良い。1回の露光時間は、以下の式で定義される。
露光時間=スポット径/光源の移動速度(または感光材料の移動速度)
ここで、スポット径とは、走査露光に使用される光源が露光時に移動する方向のスポットの径(半値幅、単位:μm)をいう。また光源の移動速度とは、走査露光に使用される光源が単位時間当たりに移動する速度(単位:μm/秒)をいう。一般に、スポット径は画素の径と同じである必要はなく、それより大きくても小さくても良い。本発明で言う露光回数とは、感光材料上の1点(画素)に対し同一感色性層に感ずる光の照射回数であり、複数回照射の場合にはその中で最大露光強度の露光に対し、1/5以上の強度の露光回数を言う。従って、1/5未満の露光や迷光、スポット間の重なりは、回数に含まない。更に、1/2以上の強度を与える回数が3回以上、特に8回以上であることが好ましい。
【0025】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、以下に記載の露光、現像システムと組み合わせることで好ましく用いることができる。このような現像システムとしては、特開平10−333253号に記載の自動プリント並びに現像システム、特開2000−10206号に記載の感光材料搬送装置、特開平11−215312号に記載の画像読取装置を含む記録システム、特開平11−88619号並びに特開平10−202950号に記載のカラー画像記録方式からなる露光システム、特開平10−210206号に記載の遠隔診断方式を含むデジタルフォトプリントシステム、及び特願平10−159187号に記載の画像記録装置を含むフォトプリントシステムが挙げられる。
好ましいデジタル露光装置としては、例えば デジタルミニラボ フロンティア330(富士写真フイルム社製)、Lambda 130(Durst社製)、LIGHTJET 5000(Gretag社製)などが挙げられる。
【0026】
本発明において、好ましい白色度を得るために感光材料を露光しカラーカプラ−を発色させる場合の露光方法は、上記の露光装置を任意使用することができる。好ましい露光スポット径は光強度の半値巾で5ないし250μmが好ましく、特に10ないし100μmが好ましい。スポットの形状は、円形、楕円形、矩形の何れでも良い。1スポットの光量分布はガウス分布になっていても良いし、比較的強度の一定した台形になっていても良い。
【0027】
本発明は、これら光源を使用して感光材料を露光後に発色現像処理して得られる色素像により白地を好ましい色度に調節するものであるが、該色素像は濃度変調像を形成しても良いし面積変調像を形成しても良い。本発明において、濃度変調像とは、現像されたハロゲン化銀乳剤粒子の周囲に形成される所謂色素雲として観察される色素像が個々独立に白地中に分布している状態をいう。面積変調像とは、隣接する複数個の乳剤粒子が同時に現像するように露光強度に意図して分布を設けて、隣接する色素雲により色素像が形成されている状態をいう。
【0028】
複数の発色性層を同時に発色させる場合には、発色部は複数層間で重なってもずれてもよい。また、複数層を発色させドットを形成させる場合には、誤差拡散法やディザ法により観察距離において好ましい白地になるように調節することができる。また、網点で面積変調画像を形成させてもよく、複数色の網点の角度は任意に設定できる。網点は100dpi以上10000dpi以下が好ましく、更に好ましくは240dpi以上2400dpi以下である。ドットサイズは2μm以上〜100μm以下が好ましく、更に好ましくは2μm以上30μm以下が好ましい。
【0029】
本発明においては、白地部も画像部も含め全ての画像領域に均等に着色させることで、白地を調節することができる。また別の態様としては、白地部には好ましい白地になるよう着色させ、有彩色部には画像を出力されるハロゲン化銀カラー写真感光材料が有している最高彩度を減ずることのないようにするのが好ましい。具体的には、有彩色部の出力データは、画像を出力されるハロゲン化銀カラー写真感光材料が有している最明点のデータ、好ましい白地のデータ、および有彩色部の最高彩度のデータの3つを用いて任意のパラメーターのもとにマッピングを行い設定することもできる。好ましい態様の一つとして、無彩色部に対しては、好ましい白色度を達成できる最高明度のデータを用い、また、有彩色部に対しては、システムが達成できる最高明度のデータの比重が大きくなるようにデータ変換することで、ハイライト部においては色見を感じない好ましい白色が再現され、同時に高彩度部においては、彩度の低下を招くことなく優れた画像が再現される。特にこの方法は、色相角70〜110付近の色の黄色に対しては彩度低下が少なく好ましい。
【0030】
本発明において、感光材料の非描画部の白地を調節する方法は、主として支持体の白色度を調節する方法と写真構成層を形成する親水性コロイド層で調節する方法の2つに大別することができる。
【0031】
本発明において好ましく用いられる反射支持体について詳細に説明する。
本発明の反射支持体は該反射支持体の感光層塗設側の耐水性樹脂被覆層中に白色顔料が含有されていることが好ましい。耐水性樹脂に混合分散する白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化珪素、三酸化アンチモン、燐酸チタニウム、酸化亜鉛、鉛白、酸化ジルコニウム等の無機顔料やポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機微粉末等を挙げることができる。これらの顔料の中でも、二酸化チタンの使用が特に効果的である。二酸化チタンは、ルチル型およびアナターゼ型のいずれでも良いが、白色度を優先する場合アナターゼ型を、また鮮鋭度を優先する場合はルチル型が好ましい。白色度と鮮鋭度両方を考慮してアナターゼ型とルチル型をブレンドして用いても良い。更に耐水性樹脂層が多層から成る場合、ある層にはアナターゼ型を、又、他の層にはルチル型を使用する方法も好ましい。またこれらの二酸化チタンは、サルフェート法、クロライド法のいずれの方法で製造されたものであっても良い。
【0032】
本発明で使用する反射支持体の耐水性樹脂とは、吸水率(質量%)が0.5以下、好ましくは0.1以下の樹脂で、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系重合体等のポリオレフィン、ビニールポリマーやそのコポリマー(ポリスチレン、ポリアクリレートやそのコポリマー)やポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート等)やそのコポリマーである。特に好ましくはポリエチレンとポリエステルである。ポリエチレンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びこれらポリエチレンのブレンドを用いることができる。
【0033】
ポリエステルとしては、ジカルボン酸とジオールから縮合重合によって合成されたポリエステルが好ましく、また好ましいジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。好ましいジオールとしては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物(2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル)プロパン)、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらジカルボン酸の単独あるいは混合物と、ジオールの単独あるいは混合物とを縮合重合して得られる種々のポリエステルを使用することができる。中でもジカルボン酸の少なくとも一種はテレフタル酸であることが好ましい。
【0034】
上記耐水性樹脂と白色顔料の混合比率は質量比で98/2〜30/70(耐水性樹脂/白色顔料)、好ましくは95/5〜50/50、特に好ましくは90/10〜60/40である。これらの耐水性樹脂層は2〜200μmの厚みで基体上に被覆するのが好ましく、更に好ましくは5〜80μmである。基体の感光層塗布面側でない面に被覆する樹脂または樹脂組成物の厚みは、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
【0035】
本発明使用の反射支持体においては、感光層塗設側の耐水性樹脂被覆層が白色顔料の含有率の異なる2層以上の耐水性樹脂被覆層からなる反射支持体であることがコスト、支持体の製造適性等の観点からより好ましい場合もある。この場合白色顔料の含有率が異なる耐水性樹脂被覆層のうち、基体に最も近い耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率が、この層よりも上層にある少なくとも1つの耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率よりも低いことが好ましい。
【0036】
多層耐水性樹脂層における各層の白色顔料の含有率は0質量%〜70質量%、好ましくは0質量%〜50質量%、より好ましくは0質量%〜40質量%である。またこの多層耐水性樹脂層のうち最も白色顔料の含有率が高い層の含有率は9質量%〜70質量%、好ましくは15質量%〜50質量%、更に好ましくは20質量%〜40質量%である。
【0037】
また、耐水性樹脂層には、ブルーイング剤を含有させて好ましい白地の範囲内に調節することができる。ブルーイング剤としては、一般に知られる群青、コバルトブルー、酸化リン酸コバルト、キナクリドン系顔料等とその混合物が用いられる。ブルーイング剤の粒子径に特に限定はないが、市販のブルーイング剤の粒径は通常0.3μm〜10μm程度であり、この範囲の粒径であれば特に使用上支障がない。本発明で使用する反射支持体の耐水性樹脂層が多層構成である場合、耐水性樹脂層におけるブルーイング剤の含有量は、最上層の耐水性樹脂層中の含有率を、下層の含有率以上にするのが好ましい。好ましいブルーイング剤の含有量は、最上層に0.0質量%〜0.5質量%、またその下側の層には0.0質量%〜0.45質量%である。
【0038】
本発明の反射支持体に使用される基体は、天然パルプを主原料とする天然パルプ紙、天然パルプと合成繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合成繊維紙、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂フィルムを擬紙化した、所謂合成紙、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、等のプラスチックフィルムの何れでも良いが、写真用耐水性樹脂被覆の基体としては天然パルプ紙(以下単に原紙と称する)が特に好ましく有利に用いられる。必要に応じ、染料や蛍光染料を添加して白地を本発明の範囲に調節することもできる。
【0039】
本発明に使用される支持体の原紙の厚さは特に限定されるものではないが、坪量としては、50g/m2〜250g/m2が、厚みとしては、50μm〜250μmが望ましい。
【0040】
本発明においてさらに好ましい反射支持体としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に微小空孔を有するポリオレフィン層を有しているものが挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていてもよく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さず(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ましい。紙基体及び写真構成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.70g/mlがより好ましい。また、紙基体及び写真構成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオレフィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15〜70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層と紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、0.1〜0.15がさらに好ましい。
【0041】
また、上記紙基体の写真構成層とは逆側(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポリオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレン又はポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が0.7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明の反射支持体において、紙基体上に設けるポリオレフィン層に関する好ましい態様については、特開平10−333277号、同10−333278号、同11−52513号、同11−65024号、EP0880065号、及びEP0880066号に記載されている例が挙げられる。
【0042】
更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤を含有するのが好ましい。また、前記蛍光増白剤を分散含有する親水性コロイド層を、別途形成してもよい。前記蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾリン系が用いることができ、更に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定されていが、好ましくは1〜100mg/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.5質量%である。
【0043】
反射型支持体としては、透過型支持体、又は上記のような反射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面反射性又は第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であってもよい。また、紙支持体部無しに前記耐水性樹脂のうち特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルを用い、白色顔料を含有させ、100μm〜1000μm程度の厚さにしたプラスチック支持体も好ましく用いることができる。また、組成の異なる耐水性樹脂を複数枚張り合わせることも、白色度向上、カール特性、剛度調整の点で好ましい。
【0044】
本発明の支持体は、反射支持体に限らず透明または半透明支持体を用いることができる。透明支持体の場合には前記耐水性樹脂を用いることができ、組成の異なる複数の樹脂層を積層して用いることもできる。透明性、剛度、加工性、コストなどの点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0045】
支持体上に塗布された写真構成層を形成する親水性コロイド層で好ましい範囲に白地を調節する方法について詳細に説明する。
写真構成層に由来し白地を悪化させる要因としては、ハロゲン化銀乳剤のかぶり、増感色素の残色、処理液の汚れ吸着等が挙げられる。それらの悪化要因を低減することで支持体自身が本来有する白色度に近づけることができる。また、処理で脱色されない染料または顔料を添加し着色させたり、処理後の感光材料中に蛍光増白剤を含有せしめることで、好ましい範囲に調節することができる。
【0046】
本発明において写真構成層の親水性コロイド層の着色に好ましく用いられる顔料について説明する。本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、反射支持体上に塗設された、感光性ハロゲン化銀乳剤層、非感光性層の少なくとも一層中に少なくとも一種の顔料が分散されているものが好ましい。本発明において、顔料を含む層は、ハロゲン化銀乳剤を含有する感光性層でもよく、また、ハロゲン化銀乳剤層の間に位置する中間層やハロゲン化銀乳剤層の上層に位置する紫外線吸収層、またはゼラチンの下塗り層等の非感光性層のいずれでもよい。ハロゲン化銀乳剤層は通常、特性曲線の調節のために塗布流量を変化させるため、色味付けを一定にするためには、顔料を非感光性層に導入する方が好ましい場合が多い。
【0047】
通常、イエローステインを克服するためにはブルーの色味付けを施す。この色味付けとしては通常イエローステインと拮抗させ、ニュートラルな色とし、人間の目に白と感じさせるのに十分な量の顔料を添加する。さらに、顔料を2種類以上用いてそれらの顔料の使用量比率を変えることによって、広い範囲でのイエローステイン補正が可能である。一般にはシアン方向に色相を変化させる青顔料とマゼンタ方向に色相を変化させる赤または紫顔料の併用である。これにより広い範囲の色味の調節が可能である。
本発明に用いられる顔料は水不溶性であればどのような顔料でも良いが、特に有機溶媒に対し、親和性が強く、有機溶媒中で容易に分散されるものが好ましい。
一般に顔料の粒子径は0.01μm〜5μmが効率よく色味付けするのに良い。好ましくは、0.01μm〜3μmである。
【0048】
本発明においては、顔料は以下のようにして導入するのが最も好ましい。即ち、通常の色素形成カプラー(本明細書中、カプラーともいう)等の写真性有用物質を乳化分散し、分散物として感光材料に組み込むのと同様に、本発明に用いられる顔料を高沸点有機溶媒に加え、微粒子顔料からなる均一な自発分散液を生成させる。この液を親水性コロイド中、好ましくはゼラチン水溶液中に、界面活性剤の分散剤と共に超音波、コロイドミル、ホモジナイザー、マントンゴーリン、高速ディゾルバー等の公知の装置により微粒子状に乳化分散し、分散物を得る。本発明に用いられる高沸点有機溶媒は、特に制限するものではなく、通常のものが用いられ、例えば米国特許第2,322,027号、特開平7−152129号に記載のものが挙げられる。
【0049】
また、高沸点有機溶媒と共に補助溶媒を用いることができる。補助溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級アルコールのアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテートやシクロヘキサノン等が挙げられる。
また、本発明に用いられる顔料は、本発明の感光材料に使用するカプラー等の写真用有用化合物を溶解する有機溶媒中に共存させ、共乳化して乳化物として調製して用いるのが最も好ましい。
【0050】
本発明を下記に挙げるいくつかの例によりさらに詳細に説明するが、特に断らない限りそれらの例に限定されるものではない。
本発明においては、求められる色調調整が可能で現像処理時に変化することなく感光材料中に留まるものであればいかなる種類の顔料も制限なく使用することができる。以下に好ましい顔料について具体例を挙げながら説明するが、本発明に用いられる青顔料とは、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)において、C.I.Pigment Blueとして分類されている顔料をさす。同様に、本発明に用いられる赤顔料とは、C.I.Pigment Red, 本発明に用いられる紫顔料とは、C.I.Pigment Violetとして分類されている顔料をさす。
【0051】
本発明で用いることができる青顔料としては、例えばアゾ顔料(例えば、 C.I.Pigment Blue 25)、フタロシアニン顔料(例えば、C.I.Pigment Blue 15:1、同15:3、同15:6、同16、同75)、インダントロン顔料(例えば、 C.I.Pigment Blue 60、同64、同21)、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔料(例えば、 C.I.Pigment Blue 1、同2、同9、同10、同14、同62)、同じくトリアリールカルボニウム系の酸性染料レーキ顔料(例えば 、C.I.Pigment Blue 18、同19、同24:1、同24:x、同56、同61)、インジゴ顔料(例えば、C.I.Pigment Blue 63、同66)などの有機顔料を挙げることができる。これらの中でもインダントロン顔料、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔料及び酸性染料レーキ顔料、インジゴ顔料が色相的に好ましく、さらに堅牢性の点でインダントロン顔料が最も好ましい。
【0052】
本発明における青顔料としては、無機顔料の群青、コバルトブルーも好ましく用いることができる。
本発明に用いられるインダントロン顔料としては、有機溶媒と親和性の高いものが特に好ましく、これは市販品から選ぶことができ、例えば、Ciba Specialty Chemicals(チバ スペシャリティ ケミカルズ)社製の、BlueA3R-KP(商品名)、BlueA3R-K(商品名)等を用いることができる。
【0053】
本発明においては、色相を調整するために、さらに赤乃至紫の顔料を併用することが好ましい。好ましい赤顔料としては、アゾ顔料(例えばC.I.Pigment Red 2、同3、同5、同12、同23、同48:2、同48:3、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同112、同144、同146、同150、同151、同166、同175、同176、同184、同187、同220、同221、同245 )、キナクリドン顔料(例えばC.I.Pigment Red 122、同192、同202、同206、同207、同209)、ジケトピロロピロール顔料(例えばC.I.Pigment Red 254、同255、同264、同272)ペリレン顔料(例えばC.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、同190、同224)、ぺリノン顔料(例えば C.I.Pigment Red 194)、アントラキノン顔料(例えば C.I.Pigment Red 83:1、同89、同168、同177)、ベンズイミダゾロン顔料(例えば C.I.Pigment Red 171、同175、同176、同185、同208)、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔料(例えば C.I.Pigment Red 81:1 、同169)、チオインジゴ顔料(例えば C.I.Pigment Red 88、同181)、ピラントロン顔料(例えば C.I.Pigment Red 216、同226)、ピラゾロキナゾロン顔料(例えば C.I.Pigment Red 251、同252)、イソインドリン顔料(例えば C.I.Pigment Red 260)等を挙げることができる。中でもアゾ顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリレン顔料がより好ましく、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料が特に好ましい。
【0054】
好ましい紫顔料としては、アゾ顔料(例えばC.I.Pigment Violet 13、同25、同44、同50)、ジオキサジン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 23、同37)、キナクリドン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 19、同42)、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔料(例えば C.I.Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、アントラキノン顔料(例えば C.I.Pigment Violet 5:1、同33)、ペリレン顔料(例えば C.I.Pigment Violet 29)、イソビオラントロン顔料(例えば C.I.Pigment Violet 31)、ベンズイミダゾロン顔料(例えば C.I.Pigment Violet 32)等を挙げることができる。中でもアゾ顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料が好ましく、ジオキサジン顔料が特に好ましい。
本発明に用いられるジオキサジン顔料としては、有機溶媒と親和性の高いものが特に好ましく、これは市販品から選ぶことができ、例えば、Ciba Spesialty Chemicals 社製の、Violet B-K(商品名)、Violet B-KP(商品名)等を用いることができる。
【0055】
本発明では、上記に挙げた顔料の他に、色調調整のためさらに他の顔料( C.I.Pigment Yellow、 C.I.Pigment Orange、 C.I.Pigment Brown、 C.I.Pigment Greenで分類された各顔料)を併用することができる。
具体的な化合物については、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、W.Herbst, K.Hunger共著"Industrial Organic pigments"、(VCH Verlagsgesellschsft mbH1993年刊)に記載されている。
【0056】
本発明に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネートなど)を顔料表面に結合させる方法、顔料誘導体(シナジスト)を使用する方法などが考えられ、次の文献等に記載されている。
金属石鹸の性質と応用(幸書房)
印刷インキ技術(CMC出版、1984)
最新顔料応用技術(CMC出版、1986)
中でも樹脂やワックスで顔料表面を予め表面コートされた形で市販されている易分散性の顔料、所謂インスタント顔料(例えばCiba Spesialty Chemicals 社製のマイクロリス顔料)は、感光材料に導入する際に分散する必要なく高沸点有機溶剤中に良好に分散できるため特に好ましい。この場合、顔料が分散された高沸点有機溶剤をさらにゼラチンなどの親水性コロイド中に分散することができる。
【0057】
本発明に於いては、上記のように顔料を高沸点有機溶剤に分散し、次いでそれをゼラチンなどの親水性コロイド中に分散してもよいが、顔料を親水性コロイド中に直接分散してもよい。この際使用される分散剤は、用いるバインダーと顔料に合わせて種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤、を用いることが出来るが、分散安定性の観点から高分子型分散剤を用いることがより好ましい。分散剤の例としては特開平3−69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。
本発明に使用できる顔料の粒径は、分散後で、0.01μm〜10μmの範囲であることが好ましく、0.02μm〜1μmであることが更に好ましい。
顔料をバインダー中へ分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年出版)に記載がある。
【0058】
本発明に用いられる顔料の全使用量の好ましい範囲は、0.0mg/m2〜10mg/m2であり、より好ましくは、0.1mg/m2〜5mg/m2である。また、ブルーの顔料と、異なる色相の顔料を併用するのが好ましい。顔料を写真構成層を形成する親水性コロイド層に添加する方法は、顔料を支持体のポリオレフィン被服樹脂中に添加する方法に対して同一の色味に調節するのに必要な顔料の量を大きく減ずることができるので、コスト上メリットがあり好ましい。
本発明において、前記青顔料と、前記赤顔料及び/又は紫顔料とを併用する場合は、同一または異なる親水性コロイド層に分散させて用いることができ、特に制限するものではない。
【0059】
本発明においては感光材料の写真構成層に油溶性染料を用い白地の調節をすることも好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号の(8)〜(9)頁に記載の化合物1〜27が挙げられる。
【0060】
また、本発明においては感光材料の親水性コロイド層中に蛍光増白剤を含有させて、処理後に感光材料中に蛍光増白剤を残存させることにより白地を調節することもできる。また、感光材料中にポリビニルピロリドン等の蛍光増白剤を捕獲するポリマーを添加することもできる。
【0061】
本発明においてハロゲン化銀カラー写真感光材料は、ネガ型のハロゲン化乳剤であることが好ましい。ネガ型の感光材料においては露光制御により白地の色差1以下の精度で白地の調節が容易である。一方、露光部が現像されずに白地を与えるポジ型の感光材料においては、求められる白地の範囲に色度を調節することが困難である。
【0062】
本発明において好ましく用いられるカプラ−について詳細に説明する。
以下に本発明の一般式(M−1)で表されるカプラーについて説明する。
【0063】
【化5】
【0064】
前記一般式(M−1)において、RM1で表される置換基としてはアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、複素環基(例えば、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スルホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、ドデシルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、アシル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられ、これらの基は、更に上記の置換基によって置換されていてもよい。これらのうちで、例えば、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン原子、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ウレイド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボニル等の各基が好ましく、更に好ましいものは、アルキル基であり、特に好ましくは、t−ブチル基である。
【0065】
前記一般式(M−1)において、RM2〜RM5及びRM7で表されるアルキル基としては、直鎖あるいは分岐のアルキル基、例えばメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、1−ヘキシルノニル等が挙げられる。これらの基は更に前記RM1で表される置換基として挙げられた基等で置換されていてもよい。RM2及びRM3で表されるアルキル基としてはメチル基が好ましい。RM7は水素原子が好ましい。
【0066】
一般式(M−1)において、RM6で表されるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基及びアリールアミノ基としては、例えば前記RM1の表すアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基及びアリールアミノ基と同様な基等が挙げられる。
【0067】
Mで表される、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられ、発色現像主薬の酸化体との反応により脱離可能な基としては、例えばアルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル、等の各基が挙げられるが、好ましくはハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子である。
【0068】
次に、本発明の一般式(M−2)で表されるカプラーについて説明する。
【0069】
【化6】
【0070】
一般式(M−2)において、RM1は一般式(M−1)のRM1に記載の置換基と同じものを表す。その中でも好ましくはアルキル基であり、最も好ましくは分岐アルキル基である。また、一般式(M−2)において、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または複素環基を表す。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は直鎖、分岐鎖または環状であってもよい。環状である場合、これらは一般に、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基とも称され、本発明では、これらの基をも含むものとして使用する。無置換アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−テトラデシル、アダマンチルが挙げられる。無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、1−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2ブテニル、オレイル、シクロヘキセニルが挙げられる。無置換アルキニル基としては、例えば、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルが挙げられる。これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は置換基によって置換されていても良く、該置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0071】
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ドデシルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントラニル)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メトキシフェノキシ、4−t−オクチルフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ、2−エトキシカルボニルプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ピバロイルアミドフェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、ナフチルチオ、2−ブトキシカルボニルフェニルチオ)、アルキルカルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、t−ブチルカルボニル)、アリールカルボニル基(例えば、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、p−トルエンカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ヘプタノイルオキシ、2−エチルヘキサノイルオキシ、シクロヘキサノイルオキシ、ピバロイルオキシ)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、2−ブトキシベンゾイルオキシ、2,5−ジクロロベンゾイルオキシ、3−オクチルオキシカルボニルベンゾイルオキシ)、
【0072】
アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル)、カルボンアミド基(例えば、アセトアミド、プロパンアミド、ヘキサデカンアミド、ピバロイルアミド、ベンツアミド、2−エトキシベンツアミド、3−ドデシルオキシカルボニルプロパンアミド、4−テトラデシルオキシカルボニルブタンアミド)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、2−オクチルオキシ−5−t−オクチルベンゼンスルホンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、t− ブチルアミノ、N,N−ジ-n−ブチルアミノ、メチルエチルアミノ、N,N−ジ−n−オクチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、アミノフェニル、アミノナフチル)、カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイルN,N−ジブチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル、N−メチル−N−オクタデシルスルファモイル)、
【0073】
イミド基(例えば、コハク酸イミド、フタル酸イミド、ヘキサデシルコハク酸イミド、オクタデシルコハク酸イミド)、ウレタン基(例えば、メチルウレタン、エチルウレタン、t-ブチルウレタン、ドデシルウレタン、フェニルウレタン)、ウレイド基(例えば、N−メチルウレイド、N−エチルウレイド、N−ドデシルウレイド、N,N−ジブチルウレイド、N−フェニルウレイド、N−シクロヘキシルウレイド)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、オクチルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニル)、複素環基(好ましくは、環構成原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子を少なくとも1個有する5〜7員の複素環基であり、例えば、ピリジル、キノリル、チエニル、モルホリル、ピペリジル、チアゾリル、ベンツイミダゾリル)、カルボキシル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、無置換アミノ基等が挙げられる。
【0074】
これらの置換基のうち、好ましいものはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、カルボンアミド基、シアノ基、ニトロ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、カルボンアミド基、シアノ基である。これらの置換基はさらに上記に例示した置換基で置換されていてもよい。
【0075】
無置換アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラニルが挙げられる。置換アリール基の置換基としてはアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクタデシル、アダマンチル)、及び、上述のアルキル基の置換基として挙げた置換基が挙げられる。アリール基の置換基として好ましいものはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、スルホンアミド基、カルボンアミド基、シアノ基、ニトロ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、シアノ基である。これらの置換基はさらに上記に挙げた置換基で置換されていてもよい。
【0076】
無置換の複素環基としては、好ましくは、環構成原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子を少なくとも1個有する5〜7員の複素環基であり、さらに好ましくは炭素数0〜20の複素環基であり、例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペラジル、モルホリル、テトラヒドロピラニル、キノリル、ベンツイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、カルバゾリルが挙げられる。置換複素環基の置換基としては上記の置換アリール基において記載した置換基と同じである。複素環基として好ましいものは、ピリジル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリル、ベンツイミダゾリルである。
【0077】
Rとして好ましいのは炭素数1〜50の無置換アルキル基、炭素数2〜50の無置換アルケニル基、炭素数2〜50の無置換アルキニル基、炭素数1〜50の置換アルキル基、炭素数2〜50の置換アルケニル基、炭素数2〜50の置換アルキニル基、炭素数6〜36のアリール基、炭素数6〜36の置換アリール基であり、より好ましくは炭素数2〜30の分岐アルキル基、分岐アルケニル基、分岐アルキニル基、炭素数2〜30の置換アルキル基、炭素数2〜30の置換アルケニル基、炭素数2〜30の置換アルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜25の置換アリール基である。このうち、炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。最も好ましいのは炭素数10〜20の分岐アルキル基である。
【0078】
Lは−CO−、−SO2−を表す。Lとして、好ましくは−CO−である。
一般式(M−2)において、−NHCOCH2O−L−Rはベンゼン環上のどの位置に結合していてもよい。好ましくはメタ位またはパラ位であり、パラ位である場合が特に好ましい。
【0079】
一般式(M−2)において、Xは、好ましくは、水素原子またはハロゲン原子、アリールオキシ基を表す。本発明のカプラーにおいては、このハロゲン原子またはアリールオキシ基であるXが現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱する。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。アリールオキシ基は置換を有してもよいアリールオキシ基であり、置換アリールオキシ基の置換基としては、前述のRにおける置換アリール基で例示した置換基と同義である。また該アリールオキシ基は好ましくは炭素数6〜20である。アリールオキシ基としてはフェノキシ、4−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、4−メトキシカルボニルフェノキシ、4−エトキシカルボニルフェノキシ、2,4−ジメチルフェノキシが挙げられる。これらのうち、Xはハロゲン原子、アリールオキシ基が好ましく、より好ましくはハロゲン原子、最も好ましくは塩素原子である。
以下に、本発明の一般式(M−1)および一般式(M−2)で表されるカプラ−の代表的具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
【化7】
【0081】
【化8】
【0082】
【化9】
【0083】
【化10】
【0084】
【化11】
【0085】
【化12】
【0086】
【化13】
【0087】
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【0089】
【化16】
【0090】
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【0091】
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【0092】
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【化20】
【0094】
【化21】
【0095】
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【0097】
【化24】
【0098】
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【0099】
【化26】
【0100】
【化27】
【0101】
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【0102】
【化29】
【0103】
【化30】
【0104】
【化31】
【0105】
【化32】
【0106】
【化33】
【0107】
【化34】
【0108】
【化35】
【0109】
【化36】
【0110】
【化37】
【0111】
本発明においてカプラーをはじめ、その他写真有用化合物をハロゲン化銀感光材料に導入するには、後述する高沸点有機溶媒を用いる水中油滴分散方法やラテックス分散方法など公知の分散方法を用いることができる。
水中油滴分散方法においてはカプラーやその他写真有用化合物を高沸点有機溶媒中に溶解させ、親水性コロイド中、好ましくはゼラチン水溶液中に、界面活性剤等の分散剤と共に、超音波、コロイドミル、ホモジナイザー、マントンゴーリン、高速ディゾルバー等の公知の装置により、微粒子状に乳化分散することができる。水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は、特開平5−313327号、同5−323539号、同5−323541号、同6−258803号、同8−262662号、米国特許第2,322,027号などに記載されている。
【0112】
また、ポリマー分散法の1つとしてのラテックス分散法の工程、効果、含浸用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出願第(OLS)2,541,274号、同2,541,230号、特公昭53−41091号及び欧州特許公開第029104号等に記載されており、また有機溶媒可溶性ポリマーによる分散についてPCT国際公開第WO88/00723号及び特開平5−150420号等に記載されている。メタクリレート系あるいはアクリルアミド系ポリマーが好ましく、特に画像堅牢性の点でアクリルアミド系ポリマーが好ましい。
本発明のカプラーは高沸点有機溶媒(必要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に溶解し、ゼラチン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に添加する水中油滴分散法が好ましい。
【0113】
ここで、高沸点とは常圧で175℃以上の沸点をいう。
本発明において使用される高沸点溶媒としては、フタル酸エステル類〔例えば、ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート〕、リン酸又はホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスホネート)、安息香酸エステル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピロリドン)、スルホンアミド類(例えば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド)、アルコール類又はフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノール)、
【0114】
脂肪族カルボン酸エステル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N, N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン等)、炭化水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン)、塩素化パラフィン類、アルコール類(オレイルアルコール、オクタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール)等が挙げられる。また、特開平6−258803号、同8−262662号に記載の水素供与性化合物が色相を調節する目的で、好ましく用いることができる。さらに、環境に対する負荷を軽減するため、フタル酸エステル類に代えて、欧州特許EP−969320A1号、同EP−969321A1号を使用することは好ましく、これら以外にも、クエン酸トリブチル、ペンタグリセリントリエステルなどが挙げられる。
【0115】
また、カプラーや写真有用物質を溶解する際に、更に補助溶媒を用いることができる。ここで言う補助溶媒とは、乳化分散時に有効な有機溶媒で、塗布時の乾燥工程後には実質上感光材料から除去されているものを言い、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低級アルコールのアセテート、プロピオン酸エチル、sec−ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、メチルカルビトールプロピオネートやシクロヘキサン等が挙げられる。
【0116】
更には必要に応じ、水と完全に混和する有機溶媒、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、テトラヒドロフランやジメチルホルムアミド等を一部併用することができる。またこれらの有機溶媒は2種以上を組合わせて用いることもできる。
また、乳化分散物状態での保存時の経時安定性改良、乳剤と混合した塗布用最終組成物での写真性能の変化の抑制・経時安定性改良等の観点から、必要に応じて乳化分散物から、減圧蒸留、ヌードル水洗あるいは限外ろ過などの方法により、補助溶媒の全て、または一部を除去することができる。
【0117】
このようにして得られる親油性微粒子分散物の平均粒子サイズは0.04〜0.50μmが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.30μmであり、最も好ましくは0.08〜0.20μmである。平均粒子サイズは、コールターサブミクロン粒子アナライザー model N4(コールターエレクトロニクス社)等を用いて測定できる。親油性微粒子分散物の平均粒子サイズが大きいとカプラーの発色効率が低下したり、感光材料の表面の光沢性が悪化するなどの問題を起こしやすく、サイズが小さすぎると分散物の粘度が上昇し、製造時に取扱いにくくなる。
【0118】
水洗の迅速化という観点からは、高沸点有機溶媒およびその他写真有用化合物の使用量は少ない方が好ましく、カプラーに対する両者の合計は質量比で、好ましくは0.05〜8.0であり、更に好ましくは0.1〜3.0、最も好ましくは0.1〜2.5である。また、高活性のカプラーを用いることで、高沸点有機溶媒を全く使用しないで用いることも可能である。
【0119】
高沸点有機溶媒の誘電率は目的によって異なるが、好ましくは2.0〜7.0、更に好ましくは3.0〜6.0である。
本発明のカプラーからなる親油性微粒子分散物の分散媒体に対する使用量は、好ましくは質量比で分散媒体1に対して2〜0.1、更に好ましくは、1.0〜0.2の範囲である。ここで分散媒体としては、例えばゼラチンが代表的であり、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーが挙げられる。親油性微粒子分散物は、本発明のカプラーとともに、目的に応じて種々の化合物を含有することができる。
【0120】
本発明においてハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に「感光材料」という場合がある)は、支持体上に、イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層と、マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層と、シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層とをそれぞれ少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料が好ましく用いられる。
本発明において、前記イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はイエロー発色層として、前記マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はマゼンタ発色層として及び前記シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はシアン発色層として機能する。該イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層に各々含有されるハロゲン化銀乳剤は、相互に異なる波長領域の光(例えば、青色領域、緑色領域及び赤色領域の光)に対して、感光性を有しているのが好ましい。
【0121】
本発明の感光材料は、前記イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層以外にも、所望により後述する親水性コロイド層、アンチハレーション層、中間層及び着色層を有していてもよい。
本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀感光材料に関して以下に詳細に述べる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子は、好ましくは実質的に{100}面を持つ立方体または14面体の結晶粒子(これらは粒子頂点が丸みを帯び、さらに高次の面を有していてもよい)または8面体の結晶粒子、または全投影面積の50%以上が{100}面または{111}面からなるアスペクト比2以上の平板状粒子が好ましい。アスペクト比とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割った値である。本発明では、立方体または{100}面を主平面とする平板状粒子または{111}面を主平面とする平板状粒子が好ましく適用される。
【0122】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤としては、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩(沃)臭化銀乳剤等が用いられるが、迅速処理性の観点からは、塩化銀含有率が90モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、または塩臭沃化銀乳剤が好ましく、更に塩化銀含有率が98モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、または塩臭沃化銀乳剤が好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤の中でも、ハロゲン化銀粒子のシェル部分に、全銀モルあたり0.01〜0.50モル%、より好ましくは0.05〜0.40モル%の沃塩化銀相を有するものも高感度が得られ、高照度露光適性に優れるため好ましい。また、ハロゲン化銀粒子の表面に全銀モルあたり0.2〜5モル%、より好ましくは0.5〜3モル%の臭化銀局在相を有するものが、高感度が得られ、しかも写真性能の安定化が図れることから特に好ましい。
【0123】
本発明の乳剤は、沃化銀を含有することがこのましい。沃化物イオンの導入は、沃化物塩の溶液を単独で添加させるか、或いは銀塩溶液と高塩化物塩溶液の添加と併せて沃化物塩溶液を添加しても良い。後者の場合は、沃化物塩溶液と高塩化物塩溶液を別々に、またはヨウ化物塩と高塩化物塩の混合溶液として添加しても良い。沃化物塩は、アルカリもしくはアルカリ土類沃化物塩のような溶解性塩の形で添加する。或いは米国特許第5,389,508号明細書に記載される有機分子から沃化物イオンを開裂させることで沃化物を導入することもできる。また別の沃化物イオン源として、微小沃化銀粒子を用いることもできる。
【0124】
沃化物塩溶液の添加は、粒子形成の一時期に集中して行っても良く、またある一定期間かけて行っても良い。高塩化物乳剤への沃化物イオンの導入位置は、高感度で低被りな乳剤を得る上で制限される。沃化物イオンの導入は、乳剤粒子のより内部に行うほど感度の増加が小さい。故に沃化物塩溶液の添加は、粒子体積の50%より外側が好ましく、より好ましくは70%より外側から、最も好ましくは80%より外側から行うのが良い。また沃化物塩溶液の添加は、好ましくは粒子体積の98%より内側で、最も好ましくは96%より内側で終了するのが良い。沃化物塩溶液の添加は、粒子表面から少し内側で終了することで、より高感度で低被りな乳剤を得ることができる。
【0125】
粒子内の深さ方向への沃化物イオン濃度の分布は、エッチング/TOF−SIMS(Time of Flight ( Secondary Ion Mass Spectrometry)法により、例えばPhi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMSを用いて測定できる。TOF−SIMS法については、具体的には日本表面科学会編「表面分析技術選書 二次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。エッチング/TOF−SIMS法で乳剤粒子を解析すると、沃化物塩溶液の添加を粒子の内側で終了しても、粒子表面に向けて沃化物イオンがしみ出していることが分析できる。本発明の乳剤が沃化銀を含有する場合、エッチング/TOF−SIMS法による分析で、沃化物イオンは粒子表面で濃度極大を有し、内側に向けて沃化物イオン濃度が減衰していることが好ましい。
【0126】
本発明の感光材料中の乳剤は、臭化銀局在層を有することが好ましい。
本発明の乳剤が臭化銀局在相を含有する場合、臭化銀含有率が少なくとも10モル%以上の臭化銀局在相を粒子表面にエピタキシャル成長させてつくることが好ましい。また、表層近傍に臭化銀含有率1モル%以上の最外層シェル部を有することが好ましい。
臭化銀局在相の臭化銀含有率は、1〜80モル%の範囲が好ましく、5〜70モル%の範囲が最も好ましい。臭化銀局在相は、本発明におけるハロゲン化銀粒子を構成する全銀量の0.1〜30モル%の銀から構成されていることが好ましく、0.3〜20モル%の銀から構成されていることが更に好ましい。臭化銀局在相中には、イリジウムイオン等のVIII族金属錯イオンを含有させることが好ましい。これらの化合物の添加量は目的に応じて広範囲にわたるが、ハロゲン化銀1モルに対して10-9〜10-2モルが好ましい。
【0127】
本発明においては、ハロゲン化銀粒子を形成及び/または成長させる過程で遷移金属イオンを添加し、ハロゲン化銀粒子の内部及び/または表面に金属イオンを組み込むことがことが好ましい。用いる金属イオンとしては遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、鉛、カドミウム、または、亜鉛であることが好ましい。さらにこれらの金属イオンは配位子を伴い6配位八面体型錯体として用いることがより好ましい。無機化合物を配位子として用いる場合には、シアン化物イオン、ハロゲン化物イオン、チオシアン、水酸化物イオン、過酸化物イオン、アジ化物イオン、亜硝酸イオン、水、アンモニア、ニトロシルイオン、または、チオニトロシルイオンを用いることが好ましく、上記の鉄、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、鉛、カドミウム、または、亜鉛のいずれの金属イオンに配位させて用いることも好ましく、複数種の配位子を1つの錯体分子中に用いることも好ましい。
【0128】
この中で本発明のハロゲン化銀乳剤には、高照度相反則不軌改良の目的で、少なくとも一つの有機配位子を持つイリジウムイオンを持つことが特に好ましい。配位子として有機化合物を用いる場合、他の遷移金属の場合にも共通であるが、好ましい有機化合物としては主鎖の炭素数が5以下の鎖状化合物および/または5員環あるいは6員環の複素環化合物を挙げることが出来る。さらに好ましい有機化合物は分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、または、硫黄原子を金属への配位原子として有する化合物であり、最も好ましくはフラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、フラザン、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンであり、さらにこれらの化合物を基本骨格としそれらに置換基を導入した化合物もまた好ましい。
特にこれらの中で、イリジウムイオンに好ましい配位子は、チアゾール配位子の中でも5メチルチアゾールが特に好ましく用いられる。
【0129】
金属イオンと配位子の組み合わせとして好ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化物イオンの組み合わせが上げられる。これらの化合物においてシアン化物イオンは中心金属である鉄またはルテニウムへの配位数のうち過半数を占めることが好ましく、残りの配位部位はチオシアン、アンモニア、水、ニトロシルイオン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ピラジン、または、4,4’−ビピリジンで占められることが好ましい。最も好ましくは中心金属の6つの配位部位が全てシアン化物イオンで占められ、ヘキサシアノ鉄錯体またはヘキサシアノルテニウム錯体を形成することである。これらシアン化物イオンを配位子とする錯体は粒子形成中に銀1モル当たり1×10-8モルから1×10-2モル添加することが好ましく、1×10-6モルから5×10-4モル添加することが最も好ましい。
【0130】
またイリジウムイオンは、有機配位子だけでなく、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、中でも塩化物イオンまたは臭化物イオンを用いることが好ましい。イリジウム錯体としては、前述の有機配位子をもつもの以外に、以下の具体的化合物を用いることが出来る。
[IrCl63-、[IrCl62-、[IrCl5(H2O)]2-、[IrCl5(H2O)]-、[IrCl4(H2O)2-、[IrCl4(H2O)20、[IrCl3(H2O)30、[IrCl3(H2O)3+、[IrBr63-、[IrBr62-、[IrBr5(H2O)]2-、[IrBr5(H2O)]-、[IrBr4(H2O)2-、[IrBr4(H2O)20、[IrBr3(H2O)30および[IrBr3(H2O)3+である。
【0131】
これらのイリジウム錯体は粒子形成中に銀1モル当たり1×10-10モルから1×10-3モル添加することが好ましく、1×10-8モルから1×10-5モル添加することが最も好ましい。ルテニウムおよびオスミウムを中心金属とした場合にはニトロシルイオン、チオニトロシルイオン、または水分子と塩化物イオンを配位子として共に用いることも好ましい。より好ましくはペンタクロロニトロシル錯体、ペンタクロロチオニトロシル錯体、または、ペンタクロロアクア錯体を形成することであり、ヘキサクロロ錯体を形成することも好ましい。これらの錯体は粒子形成中に銀1モル当たり1×10-10モルから1×10-6モル添加することが好ましく、より好ましくは1×10-9モルから1×10-6モル添加することである。
【0132】
本発明において上記の錯体は、ハロゲン化銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加するか、ハロゲン化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水溶液中、あるいはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成反応溶液に添加することにより、ハロゲン化銀粒子内に組み込むが好ましい。さらにこれらの方法を組み合わせてハロゲン化銀粒子内へ含有させることも好ましい。
【0133】
これらの錯体をハロゲン化銀粒子に組み込む場合、粒子内部に均一に存在させることも好ましいが、特開平4−208936号、特開平2−125245号、特開平3−188437号各公報に開示されている様に、粒子表面層のみに存在させることも好ましく、粒子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を含有しない層を付加することも好ましい。また、米国特許第5,252,451号および5,256,530号明細書に開示されているように、錯体を粒子内に組み込んだ微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質することも好ましい。さらに、これらの方法を組み合わせて用いることも出来、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子内に組み込んでもよい。上記の錯体を含有させる位置のハロゲン組成には特に制限はなく、塩化銀層、塩臭化銀層、臭化銀層、沃塩化銀層、沃臭化銀層に何れに錯体を含有させることも好ましい。
【0134】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な円の直径を以って粒子サイズとし、その数平均をとったもの)は、0.01μm〜2μmが好ましい。
また、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗布することも好ましく行われる。
【0135】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−215272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられる。更にEP0447647号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0136】
また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤の保存性を高めるため、特開平11−109576号に記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−327094号に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基もしくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有す環状ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段落番号0036〜0071は本願の明細書に取り込むことができる。)、特開平11−143011号に記載のスルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキシベンゼンスルホン酸およびこれらの塩など)、特開平11−102045号の一般式(I)〜(III)で表される水溶性還元剤は本発明においても好ましく使用される。
【0137】
分光増感は、本発明の感光材料における各層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する目的で行われる。
本発明の感光材料において、青、緑、赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine dyes and related compounds (John Wiley & Sons [New York,London] 社刊1964年)に記載されているものを挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いられる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0138】
これらの分光増感色素の添加量は場合に応じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3モルの範囲である。
【0139】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、通常化学増感を施される。化学増感法については、不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感、金増感に代表される貴金属増感、あるいは還元増感等を単独もしくは併用して用いることができる。化学増感に用いられる化合物については、特開昭62−215272号の第18頁右下欄から第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いられる。このうち、特に、金増感を施したものであることが好ましい。金増感を施すことにより、レーザー光等によって走査露光したときの写真性能の変動を更に小さくすることができるからである。
【0140】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に金増感を施すには、種々の無機金化合物や無機配位子を有する金(I)錯体及び有機配位子を有する金(I)化合物を利用することができる。無機金化合物としては、例えば塩化金酸もしくはその塩、無機配位子を有する金(I)錯体としては、例えばジチオシアン酸金(I)カリウム等のジチオシアン酸金化合物やジチオ硫酸金(I)3ナトリウム等のジチオ硫酸金化合物等の化合物を用いることが好ましい。
【0141】
有機配位子を有する金(I)化合物としては、特開平4-267249号に記載のビス金(I)メソイオン複素環類、例えば四フッ化硼酸金(I)ビス(1,4,5-トリメチル-1,2,4-トリアゾリウム-3-チオラート)、特開平11-218870号に記載の有機メルカプト金(I)錯体、例えばカリウム ビス(1-[3-(2-スルホナートベンズアミド)フェニル]-5-メルカプトテトラゾールカリウム塩)オーレート(I)5水和物、特開平4-268550号に記載の窒素化合物アニオンが配位した金(I)化合物、例えば、ビス(1-メチルヒダントイナート)金(I)ナトリウム塩四水和物、を用いることができる。また、米国特許第3、503、749号に記載されている金(I)チオレート化合物、特開平8-69074号、特開平8-69075号、特開平9-269554号に記載の金化合物、米国特許第5620841号、同5912112号、同5620841号、同5939245号、同5912111号に記載の化合物も用いることができる。
【0142】
これらの化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10-4モルである。
【0143】
また、コロイド状硫化金を用いることも可能であり、その製造方法はリサーチ・ディスクロージャー(Reserch Disclosure,37154)、ソリッド ステート イオニクス(Solid State Ionics )第79巻、60〜66頁、1995年刊、Compt.Rend.Hebt.Seances Acad.Sci.Sect.B第263巻、1328頁、1966年刊等に記載されている。コロイド状硫化金としてさまざまなサイズのものを利用でき、粒径50nm以下のものも用いることができる。添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり金原子として5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10-4モルである。
本発明においては、金増感を更に他の増感法、例えば硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元増感あるいは金化合物以外を用いた貴金属増感等と組み合わせてもよい。
【0144】
本発明に係わる感光材料には、イラジエーションやハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、シアニン染料)を添加することが好ましい。さらに、欧州特許EP0819977号明細書に記載の染料も本発明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料としては、特開平5−127324号、同5−127325号、同5−216185号に記載された水溶性染料が好ましい。
【0145】
本発明においては、水溶性染料の代わり、あるいは水溶性染料と併用しての処理で脱色可能な着色層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するように配置されていてもよい。この着色層は、着色された色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意に選んで設置することも可能である。また複数の原色域に対応する着色を行った着色層を設置することも可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域(通常のプリンター露光においては400nm〜700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0146】
着色層を形成するためには、従来公知の方法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−7931号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料のように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させて層中に固定する方法、特開平1−239544号に記載されているようなコロイド銀を使用する方法などである。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、たとえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法としては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法については米国特許第2,688,601号、同3,459,563号に示されている。これらの方法のなかで微粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法などが好ましい。
【0147】
本発明のカラー印画紙は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなることが好ましく、一般には、これらのハロゲン化銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色性ハロゲン化銀乳剤層である。
【0148】
しかしながら、これとは異なった層構成を取っても構わない。
イエロ−カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されてもかまわないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層又はシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置に塗設されていることが好ましい。また、発色現像促進、脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点からは、イエロ−カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗設されていることが好ましい。更に、Blix退色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタ及びシアンのそれぞれの発色性層は2層又は3層からなってもよい。例えば、特開平4−75055号、同9−114035号、同10−246940号、米国特許第5,576,159号等に記載のように、ハロゲン化銀乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層に隣接して設け、発色層とすることも好ましい。
【0149】
本発明において適用されるハロゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)及び写真構成層(層配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用される処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−215272号、特開平2−33144号、欧州特許EP0,355,660A2号に記載されているもの、特に欧州特許EP0,355,660A2号に記載されているものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34889号、同4−359249号、同4−313753号、同4−270344号、同5−66527号、同4−34548号、同4−145433号、同2−854号、同1−158431号、同2−90145号、同3−194539号、同2−93641号、欧州特許公開第0520457A2号等に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料やその処理方法も好ましい。
【0150】
特に、本発明においては、前記の反射型支持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中にドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保存安定剤又はカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエローカプラー及びその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなどについては、下記表に示す特許の各箇所に記載のものが特に好ましく適用できる。
【0151】
【表1】
【0152】
本発明において用いられるシアン、マゼンタ及びイエローカプラーとしては、その他、特開昭62−215272号の第91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目やEP0355,660A2号の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63頁50行目に記載のカプラーも有用である。
また、本発明はWO98/33760号の一般式(II)及び(III)、特開平10−221825号の一般式(D)で表される化合物を添加してもよく、好ましい。
【0153】
本発明に使用可能なシアン色素形成カプラー(単に、「シアンカプラー」という場合がある)としては、ピロロトリアゾール系カプラーが好ましく用いられ、特開平5−313324号の一般式(I)又は(II)で表されるカプラー及び特開平6−347960号の一般式(I)で表されるカプラー並びにこれらの特許に記載されている例示カプラーが特に好ましい。また、フェノール系、ナフトール系のシアンカプラーも好ましく、例えば、特開平10−333297号に記載の一般式(ADF)で表されるシアンカプラーが好ましい。上記以外のシアンカプラーとしては、欧州特許EP0488248号明細書及びEP0491197A1号明細書に記載のピロロアゾール型シアンカプラー、米国特許第5,888,716号に記載の2,5−ジアシルアミノフェノールカプラー、米国特許第4,873,183号、同第4,916,051号に記載の6位に電子吸引性基、水素結合基を有するピラゾロアゾール型シアンカプラー、特に、特開平8−171185号、同8−311360号、同8−339060号に記載の6位にカルバモイル基を有するピラゾロアゾール型シアンカプラーも好ましい。
【0154】
また、特開平2−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−32260号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)、欧州特許EP0456226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイミダゾール型シアンカプラーを使用することもできる。
【0155】
尚、これらのシアンカプラーのうち、特開平11−282138号公報に記載の一般式(I)で表されるピロロアゾール系シアンカプラーが特に好ましく、該特許の段落番号0012〜0059の記載は例示シアンカプラー(1)〜(47)を含め、本願にそのまま適用され、本願の明細書の一部として好ましく取り込まれる。
【0156】
本発明に用いられるマゼンタ色素形成カプラー(単に、「マゼンタカプラー」という場合がある)としては、好ましくは、前記一般式(M−1)または(M−2)で表される色素形成カプラーであるが、これ以外に、使用しても良い色素形成カプラーもしくは併用してもよい色素形成カプラーとしては、前記の表の公知文献に記載されたような5−ピラゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マゼンタカプラーが挙げられ、中でも色相や画像安定性、発色性等の点で特開昭61−65245号に記載されたような2級又は3級アルキル基がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位に直結したピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61−65246号に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849A号や同第294,785A号に記載されたような6位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾロアゾールカプラーの使用または併用が好ましい。特に、マゼンタカプラーとしては特開平8−122984号に記載の一般式(M−I)で表されるピラゾロアゾールカプラーが好ましく、該特許の段落番号0009〜0026はそのまま本願に適用され、本願の明細書の一部として取り込まれる。これに加えて、欧州特許第854384号、同第884640号に記載の3位と6位の両方に立体障害基を有するピラゾロアゾールカプラーも好ましく使用若しくは併用できる。
【0157】
また、イエロー色素形成カプラー(本明細書において、単に「イエローカプラー」という場合がある)としては、前記表中に記載の化合物の他に、欧州特許EP0447969A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧州特許EP0482552A1号明細書に記載の環状構造を有するマロンジアニリド型イエローカプラー、欧州公開特許第953870A1号、同第953871A1号、同第953872A1号、同第953873A1号、同第953874A1号、同第953875A1号等に記載のピロール−2又は3−イルもしくはインドール−2又は3−イルカルボニル酢酸アニリド系カプラー、米国特許第5,118,599号明細書に記載されたジオキサン構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーが好ましく用いられる。その中でも、アシル基が1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基であるアシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリドの一方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イエローカプラーの使用が特に好ましい。これらのカプラーは、単独あるいは併用することができる。
【0158】
本発明に使用するカプラーは、前出表中記載の高沸点有機溶媒の存在下で(又は不存在下で)ローダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,203,716号)に含浸させて、又は水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロイド水溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく用いることのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーは、米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第12頁〜30頁に記載の単独重合体又は共重合体が挙げられる。より好ましくはメタクリレート系あるいはアクリルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定性等の上で好ましい。
【0159】
本発明においては公知の混色防止剤を用いることができるが、その中でも以下に挙げる特許に記載のものが好ましい。
例えば、特開平5−333501号に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/33760号、米国特許第4,923,787号等に記載のフェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−249637号、特開平10−282615号及び独国特許第19629142A1号等に記載のホワイトカプラーを用いることができる。また、特に現像液のpHを上げ、現像の迅速化を行う場合には独国特許第19618786A1号、欧州特許第839623A1号、欧州特許第842975A1号、独国特許19806846A1号及び仏国特許第2760460A1号等に記載のレドックス化合物を用いることも好ましい。
【0160】
本発明においては紫外線吸収剤としてモル吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いることが好ましく、例えば、以下の特許に記載の化合物を用いることができる。これらは、感光性層又は/及び非感光性に好ましく添加される。例えば、特開昭46−3335号、同55−152776号、特開平5−197074号、同5−232630号、同5−307232号、同6−211813号、同8−53427号、同8−234364号、同8−239368号、同9−31067号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号、独国特許第19739797A号、欧州特許第711804A号及び特表平8−501291号等に記載されている化合物を使用できる。
【0161】
本発明に係わる感光材料に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好ましいゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm以下、更に好ましくは3ppm以下である。また、感光材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好ましくは5mg/m2以下である。
【0162】
本発明においては、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に記載のような防菌・防黴剤を添加するのが好ましい。さらに、感光材料の被膜pHは4.0〜7.0が好ましく、より好ましくは4.0〜6.5である。
【0163】
本発明においては、感光材料の塗布安定性向上、静電気発生防止、帯電量調節等の点から界面活性剤を感光材料に添加することができる。界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤があり、例えば特開平5−333492号に記載のものが挙げられる。本発明に用いる界面活性剤としてはフッ素原子含有の界面活性剤が好ましい。特に、フッ素原子含有界面活性剤を好ましく用いることができる。これらのフッ素原子含有界面活性剤は単独で用いても、従来公知の他の界面活性剤と併用してもかまわないが、好ましくは従来公知の他の界面活性剤との併用である。これらの界面活性剤の感光材料への添加量は特に限定されるものではないが、一般的には、1×10-5〜1g/m2、好ましくは1×10-4〜1×10-1g/m2、更に好ましくは1×10-3〜1×10-2g/m2である。
【0164】
本発明に適用できる好ましい走査露光方式については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載されており、また、好ましい態様は前述の通りである。
【0165】
本発明の感光材料をプリンター露光する際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドストップフィルターを用いることが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
本発明においては、欧州特許EP0789270A1や同EP0789480A1号に記載のように、画像情報を付与する前に、予め、黄色のマイクロドットパターンを前露光し、複写規制を施しても構わない。
【0166】
本発明の感光材料の処理には、特開平2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に記載の化合物が好ましく用いられる。
【0167】
発色現像液には、公知もしくは市販のジアミノスチルベン系蛍光増白剤を用いることができる。公知のビストリアジニルジアミノスチルベンジスルホン酸化合物としては、例えば特開平10−104809号に記載の化合物が好ましい。市販の化合物は、例えば「染色ノート」第19版(色染社)p.165〜p.168に記載されており、ここに記載されている製品の中でもBlankophor Uwliq、 Blankophor REUまたはHakkol BRKが好ましい。また、後述の実施例で使用するFL‐1、FL‐2、FL‐3、SR-1で表される化合物も好ましく用いることができる。
【0168】
本発明は迅速処理適性を有する感光材料にも好ましく適用される。迅速処理を行う場合には、発色現像時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは50秒以下6秒以上、より好ましくは30秒以下6秒以上である。同様に、漂白定着時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは50秒以下6秒以上、より好ましくは30秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化時間は、好ましくは150秒以下、更に好ましくは130秒以下6秒以上である。
尚、発色現像時間とは、感光材料が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液を離れ、次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中を搬送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の合計を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間とは、感光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は安定浴に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化時間とは、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから乾燥工程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)をいう。
【0169】
本発明の感光材料を露光後、現像する方法としては、本発明においては従来のアルカリ剤と芳香族第一級アミン系現像主薬を含む現像液で現像する方法であるが、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像する方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像方式などを用いることができる。特に、アクチベーター方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少なく環境保全上の点からも好ましい方法である。
アクチベーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬又はその前駆体としては、例えば、特開平8−234388号、同9−152686号、同9−152693号、同9−211814号、同9−160193号に記載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
【0170】
また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベーター方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8−297354号、同9−152695号に記載された過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方法が好ましく用いられる。前記アクチベーター方法において、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理されるが、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、脱銀処理を省略し、水洗又は安定化処理といった簡易な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処理を不要とする処理形態を採用することができる。
【0171】
本発明で用いられるアクチベーター液、脱銀液(漂白/定着液)、水洗及び安定化液の処理素材や処理方法は公知のものを用いることができる。好ましくは、リサーチ・ディスクロージャーItem 36544(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8−234388号に記載されたものを用いることができる。
【0172】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0173】
実施例1
【0174】
(青感層乳剤Aの調製)
塩化銀98.9モル% 臭化銀1モル% 沃化銀0.1モル%のハロゲン組成からなる、平均辺長0.70μm、辺長の変動係数8%のハロゲン化銀立方体粒子を形成した。分光増感色素−1および2をそれぞれ2.5×10-4モル/Agモルと2.0×10-4モル/Agモル添加した。
粒子形成に際しては、K3IrCl5(H2O)、K4Ru(CN)6、K4Fe(CN)6、チオスルフォン酸化合物−1、チオ硫酸ナトリウム、金増感剤−1、及びメルカプト化合物−1及び−2を最適量用いた。このようにして高感側乳剤A−1を作製した。
同様にして、平均辺長0.55μm、辺長の変動係数9%の立方体粒子を形成した。
分光増感ならびに化学増感は、比表面積を合わせる補正(辺長比0.7/0.55=1.27倍)を行なった量で実施し、低感度側乳剤A―2を作成した。
【0175】
【化38】
【0176】
(緑感層用乳剤Cの調整)
乳剤A−1と粒子形成時の温度を下げ並びに増感色素の種類を下記のごとく変える以外は、乳剤A−1、2の調整条件と同様にして緑感性乳剤層用高感側乳剤C―1、低感側乳剤C―2を作成した。
【0177】
【化39】
【0178】
粒子サイズは高感側が、平均辺長0.40μm 低感側が、平均辺長0.30μmである。その変動係数は、いずれも8%であった。
増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素Eをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10-5モル添加した。
【0179】
(赤感層用乳剤Eの調整)
乳剤A−1と粒子形成時の温度を下げ並びに増感色素の種類を下記のごとく変える以外は、乳剤A−1、2の調整条件と同様にして赤感性乳剤用高感側乳剤E―1、低感側乳剤E―2を作成した。
【0180】
粒子サイズは高感側が、平均辺長0.38μm 低感側が、平均辺長0.32μmであり、辺長の変動係数は、各々9%と10%であった。
増感色素GおよびHをそれぞれ、ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては8.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては10.7×10-5モル添加した。
【0181】
【化40】
【0182】
さらに、以下の化合物Iを赤感性乳剤層にハロゲン化銀1モル当たり3.0×10-3モル添加した。)
【0183】
【化41】
【0184】
第一層塗布液調製
イエローカプラー(ExY)57g、色像安定剤(Cpd−1)7g、色像安定剤(Cpd−2)4g、色像安定剤(Cpd−3)7g、色像安定剤(Cpd−8)2gを溶媒(Solv−1)21g及び酢酸エチル80mlに溶解し、この液を4gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む23.5質量%ゼラチン水溶液220g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて900gの乳化分散物Aを調製した。
一方、前記乳化分散物Aと前記乳剤A−1、A−2を混合溶解し、後記組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布量は、銀量換算塗布量を示す。
【0185】
第二層〜第七層用の塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩(H−1)、(H−2)、(H−3)を用いた。また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3、及びAb−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、60.0mg/m2、5.0mg/m2及び10.0mg/m2となるように添加した。
【0186】
【化42】
【0187】
【化43】
【0188】
また、1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを、第二層、第四層、第六層および第七層に、それぞれ0.2mg/m2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.1mg/m2となるように添加した。
また、青感性乳剤層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×10-4モル添加した。
また、赤感性乳剤層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体ラテックス(質量比1:1、平均分子量200000〜400000)を0.05g/m2を添加した。
また第二層、第四層および第六層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2となるように添加した。
また、イラジエーション防止のために、以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0189】
【化44】
【0190】
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
支持体
ポリエチレン樹脂ラミネート紙
[第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2;含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増白剤(4,4′−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)スチルベン。含有率0.03質量%)を含む。ポリエチレン樹脂の量は29.2g/m2
第一層(青感性乳剤層)
塩臭沃化銀乳剤A(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤A−1と小サイズ乳剤A―2との3:7混合物(銀モル比)。)0.24
ゼラチン 1.25
イエローカプラー(ExY) 0.57
色像安定剤(Cpd−1) 0.07
色像安定剤(Cpd−2) 0.04
色像安定剤(Cpd−3) 0.07
色像安定剤(Cpd−8) 0.02
溶媒(Solv−1) 0.21
【0191】
第二層(混色防止層)
ゼラチン 1.15
混色防止剤(Cpd−4) 0.10
色像安定剤(Cpd−5) 0.018
色像安定剤(Cpd−6) 0.13
色像安定剤(Cpd−7) 0.07
溶媒(Solv−1) 0.04
溶媒(Solv−2) 0.12
溶媒(Solv−5) 0.11
【0192】
第三層(緑感性乳剤層)
塩臭沃化銀乳剤C(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤C−1と小サイズ乳剤C−2との1:3混合物(銀モル比)。)0.14
ゼラチン 1.21
マゼンタカプラー(ExM) 0.15
紫外線吸収剤(UV−A) 0.14
色像安定剤(Cpd−2) 0.003
色像安定剤(Cpd−4) 0.002
色像安定剤(Cpd−6) 0.09
色像安定剤(Cpd−8) 0.02
色像安定剤(Cpd−9) 0.01
色像安定剤(Cpd−10) 0.01
色像安定剤(Cpd−11) 0.0001
溶媒(Solv−3) 0.09
溶媒(Solv−4) 0.18
溶媒(Solv−6) 0.08
溶媒(Solv−9) 0.09
【0193】
第四層(混色防止層)
ゼラチン 0.68
混色防止剤(Cpd−4) 0.06
色像安定剤(Cpd−5) 0.011
色像安定剤(Cpd−6) 0.08
色像安定剤(Cpd−7) 0.04
溶媒(Solv−1) 0.02
溶媒(Solv−2) 0.07
溶媒(Solv−5) 0.065
【0194】
第五層(赤感性乳剤層)
塩臭沃化銀乳剤E(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤E−1と小サイズ乳剤E−2との5:5混合物(銀モル比)。)0.16
ゼラチン 0.95
シアンカプラー(ExC−1) 0.023
シアンカプラー(ExC−2) 0.05
シアンカプラー(ExC−3) 0.17
紫外線吸収剤(UV−A) 0.055
色像安定剤(Cpd−1) 0.22
色像安定剤(Cpd−7) 0.003
色像安定剤(Cpd−9) 0.01
色像安定剤(Cpd−12) 0.01
溶媒(Solv−8) 0.05
【0195】
第六層(紫外線吸収層)
ゼラチン 0.46
紫外線吸収剤(UV−B) 0.35
化合物(S1−4) 0.0015
溶媒(Solv−7) 0.18
第七層(保護層)
ゼラチン 1.00
ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体
(変性度17%) 0.4
流動パラフィン 0.02
界面活性剤(Cpd−13) 0.02
【0196】
【化45】
【0197】
【化46】
【0198】
【化47】
【0199】
【化48】
【0200】
【化49】
【0201】
【化50】
【0202】
【化51】
【0203】
【化52】
【0204】
【化53】
【0205】
以上のようにして作成した試料101に対して下記の変更を行った試料102〜103を作成した。
【0206】
試料102の作成
試料101に対して紙支持体の第一層側のポリエチレン樹脂に群青を0.16質量%含有させたこと以外は全く同様にして試料102を作成した。
試料103の作成
試料101に対して紙支持体の第一層側のポリエチレン樹脂に群青を0.33質量%含有させたこと以外は全く同様にして試料103を作成した。
【0207】
上記の感光材料101を127mm幅のロール状に加工し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP350を用いて感光材料に平均濃度のネガティブフイルムから像様露光を行い、下記処理工程にて使用した発色現像補充液の容量が発色現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニングテスト)を行った。処理液組成と工程時間の異なる以下の2つの処理を行い感光材料を評価した。
【0208】
処理工程A
以下のランニング処理液を用いた処理を処理Aとした。
【0209】
処理工程 温度 時間 補充量*
発色現像 38.5℃ 45秒 45mL
漂白定着 38.0℃ 45秒 35mL
リンス(1) 38.0℃ 20秒 −
リンス(2) 38.0℃ 20秒 −
リンス(3)* 38.0℃ 20秒 −
リンス(4)* 38.0℃ 20秒 121mL
乾燥 80℃
【0210】
(注)
* 感光材料1m2あたりの補充量
**富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシステムRC50Dををリンス(3)に装着し、リンス(3)からリンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮液はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。リンスは(1)から(4)への4タンク向流方式とした。
【0211】
各処理液の組成は以下の通りである。
[発色現像液] [タンク液] 〔補充液〕
水 800mL 800mL
蛍光増白剤(FL−1) 2.2g 5.1g
蛍光増白剤(FL−2) 0.35g 1.75g
トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g
ポリエチレングリコール(平均分子量300) 10.0g 10.0g
エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g
亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.20g
塩化カリウム 10.0g −
4,5‐ジヒドロキシベンゼン−
1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート
エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン
・3/2硫酸塩・モノハイドレード 4.8g 14.0g
炭酸カリウム 26.3g 26.3g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.15 12.5
【0212】
[漂白定着液] [タンク液] [補充液]
水 800mL 600mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL 214mL
m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8.3g 16.5g
エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g
エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g
硝酸(67%) 16.5g 33.0g
イミダゾール 14.6g 29.2g
亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g
メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.5 6.5
【0213】
[リンス液] [タンク液] [補充液]
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g
脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL
pH(25℃) 6.5 6.5
【0214】
処理工程B
試料101を127mm幅のロール状に加工し、処理時間、処理温度を変えられるように富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP350を改造した実験処理装置用いて感光材料に平均濃度のネガティブフイルムから像様露光を行い、下記処理工程にて使用した発色現像補充液の容量が発色現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニングテスト)を行った。このランニング処理液を用いた処理を処理Bとした。
【0215】
処理工程 温度 時間 補充量*
発色現像 45.0℃ 20秒 45mL
漂白定着 40.0℃ 20秒 35mL
リンス(1) 40.0℃ 8秒 −
リンス(2) 40.0℃ 8秒 −
リンス(3)* 40.0℃ 8秒 −
リンス(4)* 38.0℃ 8秒 121mL
乾燥 80℃ 15秒
【0216】
(注)
* 感光材料1m2あたりの補充量
**富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシステムRC50Dををリンス(3)に装着し、リンス(3)からリンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮液はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。リンスは(1)から(4)への4タンク向流方式とした。
【0217】
各処理液の組成は以下の通りである。
[発色現像液] [タンク液] 〔補充液〕
水 800mL 800mL
蛍光増白剤(FL−3) 4.0g 8.0g
残色低減剤(SR−1) 3.0g 5.5g
トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 10.0g 10.0g
エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g
亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.10g
塩化カリウム 10.0g ―
4,5−ジヒドロキシベンゼン−
1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート
エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン
・3/2硫酸塩・モノハイドレード 7.0g 19.0g
炭酸カリウム 26.3g 26.3g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.25 12.6
【0218】
[漂白定着液] [タンク液] [補充液]
水 800mL 600mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL 214mL
コハク酸 29.5g 59.0g
エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g
エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g
硝酸(67%) 17.5g 35.0g
イミダゾール 14.6g 29.2g
亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g
メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整)6.00 6.00
【0219】
[リンス液] [タンク液] [補充液]
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g
脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL
pH(25℃) 6.5 6.5
【0220】
【化54】
【0221】
試料101〜103は感光材料を塗布後25℃―55%相対湿度条件に10日保存の後に以下の露光と処理を行い画像を作成した。
【0222】
画像1Aの作製
感光材料101に対して、標準的な画像(画像電子学会発行の高精細XYZ・CIELAB・RGB標準画像)を4種選択し、特開平8−16238号の図1の走査露光装置を用いて露光を与え、前記処理工程Aで発色現像処理を行った。画像はA4サイズで出力し、画像の周囲に1.5cm幅の余白部を作製し、白地として評価に使用した。
光源としては半導体レーザー光を用い688nmの光源(R光)、半導体レーザーにSHGを組み合わせることで532nmの光源(G光)、473nmの光源(B光)を得た。R光の光量を外部変調器を用いて変調し、回転多面体に反射させて、走査方向に対して直行して移動する試料に走査露光した。この走査露光は400dpiで行い、1画素当たりの平均露光時間は8×10-8秒であった。半導体レーザーは温度による光量変化を抑えるために、ペルチェ素子を用いて温度を一定にした。
【0223】
画像1Bの作成
感光材料101に対して白地(画像上で明度が最大の部分)の色度がCIELAB空間上でa*が−0.3、b*が−3.0変化するようにマゼンタとシアンを発色させるように露光条件1を決定した。この露光条件1で感光材料全面に露光を与えた後に、上記画像1Aで行った露光を行い、前記処理工程Aで発色現像処理を行った。
【0224】
画像1Cの作成
感光材料101に対して白地(画像上で明度が最大の部分)の色度がCIELAB空間上でa*が−0.3、b*が−3.0変化するようにマゼンタとシアンを発色させるように露光条件1を決定した。画像の出力の露光条件は出力材料の最大彩度の50%を与える色度点で前記白地での色度補正がなくなるように、前記露光条件1と画像1Aの露光条件を比例配分して露光条件を決定した。
【0225】
感光材料と白地の調節条件および高彩度部の補正方法を表2の様に変更し画像1D〜1Kを作製した。
【0226】
この様にして作製した画像に対して以下の評価を行った。
[評価1:白地の色度測定]
画像の最明点の色度をSpectroEye(Gretag Macbeth社製)を用いF8光源を用い測定した。
【0227】
[評価2:白地の官能評価]
各画像の白地に着目した場合の官能評価を以下の4つの基準で行い、10人の被験者の結果を平均した。評価光源は東芝色評価蛍光灯を用いた。
【0228】
白地として最も好ましい 6点
白地として好ましい 4点
白地として許容である 2点
白地としては好ましくない 0点
【0229】
[評価2:画像部全体の官能評価]
各画像を色、コントラスト、明るさ、鮮やかさに着目した場合の官能評価を以下の4つの基準で行い、10人の被験者の結果を平均した。評価光源は東芝色評価蛍光灯を用いた。
【0230】
明るく鮮やかで好感が持てる。 6点
明るく鮮やかである。 4点
標準的な画像である。 2点
鮮やかでない。 0点
【0231】
画像1A〜1Kの評価結果を表2に示す。
【0232】
【表2】
【0233】
表2によれば、本発明により作製した画像は白地が好ましく認識されることが分かる。また、彩度の高い画像部には白地に与えた濃度補正を減ずると、明るく鮮やかな画像が得られることが分かる。
また、評価画像が白いドレスを着たポートレイトの場合には、他の画像に対してb*が〜3程度高いものが好まれた。本発明によれば、同一の感光材料を用いていながら、出力画像により好ましい白地を任意に調節して出力することができることが分かる。
【0234】
実施例2
実施例1において、感光材料、露光方法、処理方法を以下のように変更して画像を作成し評価を行った。その結果、本発明に従えば白地を任意に調節できること、彩度の低下のない画像を作成できることが確認された。
【0235】
[感光材料、露光、処理方法]
特願2001−102438号の実施例1に記載の試料106をB1サイズに切断し直径30cmの回転ドラムに吸引密着し巻き付け、270回転/分で回転し、R(699nm)、G(525nm)、B(465nm)のLEDアレー(LEDの個数がそれぞれ64個)光を用いて露光した。各光源は台形の強度分布をもつ、30μmの幅のスポットを用い、一点当りの露光秒数を30μ秒とした。露光時には画像情報に加え文字情報組み込んだ露光情報をもとに露光ビームは感光材料面上で10μmずつずらしながら多重露光され、2400dpiの網点画像が露光された。露光後、60秒の後に特願2001−102438号の発色現像処理を行った。処理時の線速は毎秒7mmで行った。
白地の補正に際しては、シアンとマゼンタの網点を発生させて行った。
【0236】
実施例3
厚さ180μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの裏面に染料含有バック層、乳剤面に白色顔料含有層を塗設し、特開平4−110937号に記載の半透明支持体を作製した。この半透明支持体上に、ハロゲン化銀乳剤層は、その塗設量を実施例1の対応する各乳剤層に対して230%とし、非感光性層は、その塗設量を実施例1の対応する各非感光性層に対して100%として、それぞれ塗設した以外は実施例1と同様にしてハロゲン化銀カラー写真感光材料301を作製した。
この様にして得られた試料301に対して以下の変更を行った試料302および303を作製した。
【0237】
試料302の作成
第一層塗布液にイエローカプラー、色像安定剤、溶媒及び補助溶剤と共に顔料(Ciba Speciality Chemicals社製 Blue A3R-K、およびViolet B-K)を混合し、均一にした後に乳化分散した分散物Bを使用した以外は試料301と全く同様の組成物を、上記の支持体上に塗設し試料302を作成した。Blue A3R-Kの塗布量は0.0027g/m2、Violet B-Kの塗布量は0.0018g/m2になるようにした。
【0238】
試料303の作成
試料302に対して第一層塗布液中の顔料の量を2倍に増やした試料303を作成した。
【0239】
試料301〜303は感光材料を塗布後25℃―55%相対湿度条件に20日保存の後に以下の露光と処理を行い画像を作成した。
【0240】
画像3Aの作製
感光材料301に対して、標準的な画像(画像電子学会発行の高精細XYZ・CIELAB・RGB標準画像)を4種選択し、富士写真フイルム社製レーザープリンタPHISUL2を用い露光を行った。青光、緑光および赤光の3つの光源のレーザーのビーム径は10μmで、2400dpiで出力した。画像はA4サイズで出力し、画像の周囲に1.5cm幅の余白部を作製し、白地として評価に使用した。発色現像処理は実施例1に記載の処理工程Aにおいて発色現像、漂白定着、リンス(1)、(2)、(3)、(4)のそれぞれの工程を3倍に延長して行った。
【0241】
画像3Bの作成
感光材料301に対して白地(画像上で明度が最大の部分)の色度がCIELAB空間上でa*は変化無く、b*が−6.0変化するようにマゼンタとシアンを発色させるように露光条件3を決定した。この露光条件1で感光材料全面に露光を与えた後に、上記画像1Aで行った露光を行い、発色現像処理を行った。
【0242】
画像3Cの作成
感光材料301に対して白地(画像上で明度が最大の部分)の色度がCIELAB空間上でa*はは変化無く、b*が−6.0変化するようにマゼンタとシアンを発色させるように露光条件1を決定した。画像の出力の露光条件は出力材料の最大彩度の50%を与える色度点で前記白地での色度補正がなくなるように、前記露光条件3と画像3Aの露光条件を比例配分して露光条件を決定した。
【0243】
感光材料と白地の調節条件および高彩度部の補正方法を表3の様に変更し画像3D〜3Gを作製した。
【0244】
この様にして作製した画像に対して、実施例1に準じた評価を行った。その結果を表3に示す。
【0245】
【表3】
【0246】
表3によれば、本発明により作製した画像は白地が好ましく認識されることが分かる。また、彩度の高い画像部には白地に与えた濃度補正を減ずると、明るく鮮やかな画像が得られることが分かる。
【0247】
また、感光材料301〜303に対して、乳剤面側の白色顔料層を有さない透過型ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作成し、鑑賞時に拡散反射板を通して支持体面側から光照射するタイプの画像を形成させ評価したところ、本発明に従えば白地を好ましい範囲に調節でき、明るく鮮やかな画像を形成することができた。
【0248】
参考例1
実施例1の感光材料101および102に対して第三層のマゼンタカプラ−を表4のように変更した試料401〜410を作製した。これら試料を用い、実施例1の画像1Eと画像1Jに相当する画像を作成した。これら画像を用い、処理直後の白地と10万ルクスのXe光源下で3日保存した後の白地を実施例1に準じて評価した。結果を表4に示す。
【0249】
【表4】
【0250】
表4によれば、本発明により作製した画像は白地が好ましく認識されることが分かる。また、一般式(M−1)または(M−2)で表されるマゼンタカプラ−を使用することで光照射後も好ましい白地が得られることが分かる。また、白地の調節の一部を群青にすることで、光照射後も好ましい白地が得られることが分かる。
【0251】
参考例2
参考例1において試料406〜410の支持体から群青を除去し、第一層塗布液にイエローカプラー、色像安定剤、溶媒及び補助溶剤と共に顔料(Ciba Speciality Chemicals社製 Blue A3R−K、およびViolet B−K)を混合し、均一にした後に乳化分散した分散物Bを使用した以外は試料406〜410と全く同様の組成物を、上記の支持体上に塗設し試料506〜510を作成した。Blue A3R−Kの塗布量は0.0009g/m、Violet B−Kの塗布量は0.0006g/mになるようにした。
これら試料506〜510の白地は試料406〜410の白地とほぼ同様の値を示した。これら試料を用いて参考例1に準じた評価を行ったところ同様の結果が得られた。
【0252】
実施例
実施例3の感光材料301〜303において第一層と第五層の層順を逆にした感光材料を作製した。実施例3と同様に画像を作成し、発色現像処理工程は実施例1に記載の処理工程Bにおいて発色現像、漂白定着、リンス(1)、(2)、(3)、(4)のそれぞれの工程を3倍に延長して行った。実施例3に準じて評価を行った結果、本発明に従えば白地を好ましい範囲に調節でき、明るく鮮やかな画像を形成することができた。
【0253】
実施例
実施例1〜4、参考例1、2の試料において、第五層の組成を以下の様に変更した試料を作成し、実施例1〜4、参考例1、2に準じた評価を行った結果、処理安定性、製造時の変動耐性、迅速処理性に優れた好ましい白地の感光材料が得られることが再現された。
【0254】
第五層(赤感性乳剤層)
塩臭沃化銀乳剤E(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤E−1と小サイズ乳剤E−2との5:5混合物(銀モル比)。)0.10
ゼラチン 1.11
シアンカプラー(ExC−1) 0.02
シアンカプラー(ExC―3) 0.01
シアンカプラー(ExC−4) 0.11
シアンカプラー(ExC−5) 0.01
色像安定剤(Cpd−1) 0.01
色像安定剤(Cpd−6) 0.06
色像安定剤(Cpd−7) 0.02
色像安定剤(Cpd−9) 0.04
色像安定剤(Cpd−10) 0.01
色像安定剤(Cpd−14) 0.01
色像安定剤(Cpd−15) 0.12
色像安定剤(Cpd−16) 0.01
色像安定剤(Cpd−17) 0.01
色像安定剤(Cpd−18) 0.07
色像安定剤(Cpd−20) 0.01
紫外線吸収剤(UV−7) 0.01
溶媒(Solv−5) 0.15
【0255】
【化55】
【0256】
実施例
実施例3において、画像の作成方法を以下の様に変更し、実施例3と同様の評価を行った結果、実施例3とほぼ同様の結果が得られた。
【0257】
画像作製方法
画像解像度を800dpiに変更した。白地の調節のためのマゼンタ及びシアンの一ドットのサイズはそれぞれ10μm、一ドット中の色素の最大濃度は0.5になるよう露光量を調節した。白地部にはマゼンタとシアンの画素は重なりが生じない様に露光パターンを決定した。
【0258】
実施例
実施例1の感光材料101〜103において、これらのそれぞれの感光材料に対し、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色の発色濃度を制御して、画像作成時の白地の色度変化を表5に示すように変更した画像を作成した。ガラスや光沢のある金属中心の画像ではMB味の白地が、洋館を背景にした港の風景にはYG味の白地が好まれる傾向にあった。
【0259】
【表5】
【0260】
【発明の効果】
本発明によれば、白色度および画像部の色再現性の高いカラー画像形成方法にが提供される。

Claims (18)

  1. 支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に対して、画像出力手段により、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報を露光した後に、芳香族第1級アミン系現像主薬を有する処理液で発色現像処理するカラー画像形成方法であって、該画像情報が、入力画像データの無彩色部に対して、事前に該ハロゲン化銀カラー写真感光材料を使用して、該画像出力手段で発色現像処理することにより得られた白地部分のデータ(画像出力手段で得られる最明点のデータ)を用い、予め決められた白色度を与える色度点のデータを利用して該入力画像データを変更した画像情報であり、前記画像出力手段による露光が、前記予め決められた白色度を与える色度点のデータに基いて前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料を全面露光した後、画像情報を露光することを特徴とするカラー画像形成方法。
  2. 前記露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ、該出力手段において達成できる予め決められた前記白色度の色度点のデータ、及び有彩色部における最高彩度のデータの少なくとも3つを用いて、入力画像データを変更した画像情報であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  3. 前記露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ及び該出力手段で達成できる予め決められた白色度の色度点のデータを利用し、入力画像データに対して所定のパラメータにより分配してデータ変換を行った画像情報であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  4. 前記のデータ変更が、無彩色部には前記の予め決められた白色度を達成できる最高明度のデータを用い、有彩色部に対してはシステムが達成できる最高明度のデータの比重が大きくなるように変更することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  5. 前記のデータ変更が、無彩色部には前記の予め決められた白色度の色度点の比重が高く、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された画像情報が、前記画像出力手段で得られる最明点のデータ、該出力手段において達成できる予め決められた白色度の色度点のデータ、及び有彩色部における最高彩度のデータの少なくとも3つを用いて、有彩色部に対しては最高明度のデータの比重が高く、かつ無彩色部には最高明度のデータの比重が高いように変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  6. 前記支持体が反射支持体であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  7. 前記支持体が透過または半透過であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  8. 前記支持体または写真構成層中に含まれる青み付け物質の量が、現像処理後の感光材料の最明点のbの変化として4.5以下であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  9. 前記発色現像処理後に得られる未露光部における最明点の色度が下記条件を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
    90≦L≦98、−1≦a≦2、−5≦b≦+5
  10. 前記ハロゲン化銀乳剤がネガ型であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  11. 前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料が下記一般式(M−1)または一般式(M−2)で表されるマゼンタカプラ−の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
    一般式(M−1)中、RM1は水素原子又は置換基を表し、RM2及びRM3は各々独立にアルキル基を表し、RM4及びRM5は各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。Jは−O−C(=O)−、−NRM7CO−または−NRM7SO−を表し、RM7は水素原子またはアルキル基を表す。RM6はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表す。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応により脱離可能な基を表す。
    一般式(M−2)中、RM1は水素原子又は置換基を表す。Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または複素環基を表す。Lは−CO−、−SO−を表し、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより離脱可能な基を表す。
  12. 前記支持体に最も近いハロゲン化銀乳剤層がイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層以外のハロゲン化銀乳剤層であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  13. 前記露光が光ビームにより走査露光され、かつ露光光源がレーザー光源、発光ダイオード、有機薄膜電解発光素子または真空蛍光管から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  14. 少なくとも3つの互いに異なる波長の光源ユニットにより走査露光し、生成するドットにより網点の面積階調画像を形成する前記画像形成方法であって、かつ、該光源ユニットの少なくとも1つがレーザー光源、発光ダイオード、有機薄膜電解発光素子、または真空蛍光管から選ばれる同一波長の複数からなる光源ユニットであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  15. 前記入力画像のデータ変換を網点の面積階調画像データに対して行うことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  16. 前記入力画像のデータ変換を誤差拡散法またはディザ法を用いて行うことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  17. 前記入力画像のデータ変換を濃度変調画像データに対して行うことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  18. 前記画像情報が文字データを含む画像情報であることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
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