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JP4218533B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、前面衝突時の衝突荷重から乗員を適切に保護するための車両前部構造に関する。

従来から、前面衝突時に車両前部のボディーを変形させる等して衝突時のエネルギーを吸収し、これにより乗員を保護する技術が種々提案されている。

例えば、下記特許文献1に開示された車両前部構造では、エンジン等の駆動ユニットを支持するサブフレームの前後一対のクロス部材のリヤ側に、前面衝突時に車両後方側へ変位する駆動ユニットを受け止める受け部が設けられている。そして、受け部に入力された荷重をフロントサイドメンバに伝達して、アンダボディーに荷重を分散するようになっている。

また、下記特許文献2に開示された車両前部構造では、エンジンを支持する車体フレームの両側部の所定位置に左右一対のストッパが形成されている。ストッパの先端部はV字状に切り欠かれており、ドライブシャフトの両端部と対向している。これにより、オフセット衝突時にエンジンを介して車両後方側へ押されたドライブシャフトの両端部を左右一対のストッパの先端部に係合させ、それ以上のドライブシャフトの車両後方側への変位を阻止するようになっている。
特開2003−118632号公報 特開2002−321649号公報

上述した先行技術も前面衝突時の乗員保護対策としては有効なものと思われるが、車体構造との関係で適用できないことも十分あり得る。

例えば、フロントクロスメンバにフロントエンジンマウントを直締めする車両前部構造を採用する車両では、前面衝突時にフロントエンジンマウント取付部に潰れ残り(デッドストローク)が発生し、衝突後半でのクラッシュストローク不足による底付きGが発生する。乗員保護の観点からすると、かかる底付きGをできるだけ低減することが望ましいが、上記先行技術では前面衝突時の衝突後半で生じる底付きGの低減を目的としていないので、課題解決には至らないものと思われる。

本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時の後半に発生する底付きGを低減することができる車両前部構造を得ることが目的である。

請求項1記載の本発明に係る車両前部構造は、エンジンルーム内に配設されたトランスミッションケースと、このトランスミッションケースよりも車両前方側に配置され、前面衝突時の衝突荷重によって車両後方側へ変位する車両前部構成部材と、を含んで構成された車両前部構造であって、前記トランスミッションケースの所定位置に設けられた低強度の弱化部と、前記車両前部構成部材に設けられ、前面衝突時の衝突荷重によって当該車両前部構成部材が車両後方側へ所定ストローク変位することにより当該弱化部と干渉し、トランスミッションケースを破断させる干渉部と、を有することを特徴としている。

請求項2記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1記載の発明において、前記干渉部は、車両幅方向を長手方向として配置されたフロントクロスメンバの後部側に配置されかつ当該フロントクロスメンバの車両後方側への変位時の移動軌跡方向を延出方向として向けられたフランジ部である、ことを特徴としている。

請求項3記載の本実施形態に係る車両前部構造は、請求項2記載の発明において、前記フランジ部は、前記フロントクロスメンバにおける前記弱化部との対向位置に固定されるフロントエンジンマウント取付ブラケットに一体に設けられている、ことを特徴としている。

請求項4記載の本実施形態に係る車両前部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、フロントエンジンマウントの外周部を構成する外筒は、前記干渉部が前記弱化部に干渉して前記トランスミッションケースを破断させた後のトランスミッションケース内への侵入時に受ける反力によって塑性変形する、ことを特徴としている。

請求項5記載の本実施形態に係る車両前部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、弱化部は、前記トランスミッションケースに一体に形成された切欠状の抉れ部である、ことを特徴としている。

請求項1記載の本発明の作用は、以下の通りである。

前面衝突時、エンジン及びトランスミッションケースを含むトランスミッションは、自身に作用する慣性力によって車両前方側へ変位しようとする。その一方で、実際に衝突荷重が入力される車両前部構成部材は、車両後方側へ押されて変位する。かかる車両後方側への変位ストロークが所定ストロークに達すると、車両前部構成部材に設けられた干渉部がトランスミッションケースの所定位置に設けられた弱化部に干渉する。従来であれば、概ねこの時点でエネルギー吸収ストロークが終了してしまうので、衝突前半でのエネルギー吸収量は確保されるが、衝突後半でのエネルギー吸収量が不足することになる。

しかし本発明では、トランスミッションケースに設けられた弱化部が低強度であり、この弱化部を狙って車両前部構成部材に設けた干渉部を干渉させることにより、トランスミッションケースが弱化部から破断していく。この破断により車両前部構成部材のトランスミッションケース内への侵入が可能となり、その分だけエネルギー吸収ストロークが延長される。これにより、衝突後半でのエネルギー吸収ストロークを確保することができ、底付きGが低減される。

請求項2記載の本発明によれば、フロントクロスメンバが車両幅方向を長手方向として配置されており、当該フロントクロスメンバの後部側に干渉部としてのフランジ部が配置されている。このフランジ部は、前面衝突時にフロントクロスメンバが車両後方側へ変位した際の移動軌跡方向を延出方向として向けられているため、フロントクロスメンバの車両後方側への変位ストロークが所定ストロークに達すると、フランジ部がそのままトランスミッションケースの弱化部に鋭利な刃物のように突き当たり、これを破断させる。

従って、構成的には何ら特別な追加部品を必要とせず、トランスミッションケースの弱化部に破断荷重を加えることができる。

請求項3記載の本発明の作用は、以下の通りである。

本発明では、フロントクロスメンバにおけるトランスミッションケースの弱化部との対向位置に、フロントエンジンマウント取付ブラケットが一体に設けられている。つまり、本発明では、フロントクロスメンバにフロントエンジンマウントを直締めする車体構造を前提としている。この場合、前面衝突時にフロントエンジンマウントの取付部に潰れ残り(デッドストローク)が発生し、この潰れ残りが衝突後半でのエネルギー吸収ストローク不足、ひいては底付きGの発生をもたらす。

しかし本発明では、フロントエンジンマウント取付ブラケットのフランジ部の向きを弱化部に向かう向きとしたので、当該フランジ部の向きを調整するだけで効果的な干渉部が得られる。従って、構成を成立させるのが非常に容易である。

請求項4記載の本発明によれば、フロントエンジンマウントの外周部を構成する外筒は、干渉部が弱化部に干渉してトランスミッションケースを破断させた後のトランスミッションケース内への侵入時に受ける反力によって塑性変形するため、かかる外筒の塑性変形によるエネルギー吸収効果が衝突後半で得られる。従って、衝突後半でのエネルギー吸収量を増加させることができる。

請求項5記載の本発明の作用は、以下の通りである。

一般に、トランスミッションケースは鋳物で構成されることが多い。

ここで、本発明では、トランスミッションケースに一体に形成された切欠状の抉れ部によって弱化部を構成したので、トランスミッションケースの鋳造成形と同時に弱化部を設けることができる。

以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両前部構造は、トランスミッションケースの所定位置に低強度の弱化部を設けると共に、前面衝突時の衝突荷重によって当該車両前部構成部材が車両後方側へ所定ストローク変位することにより当該弱化部と干渉してトランスミッションケースを破断させる干渉部を車両前部構成部材に設けたので、衝突後半におけるエネルギー吸収ストロークを確保することができ、その結果、前面衝突時の後半に発生する底付きGを低減することができるという優れた効果を有する。

請求項2記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1記載の発明において、車両幅方向を長手方向として配置されたフロントクロスメンバの後部側に配置されかつ当該フロントクロスメンバの車両後方側への変位時の移動軌跡方向を延出方向として向けられたフランジ部によって前述した干渉部を構成したので、構成的には何ら特別な追加部品を必要とすることなくトランスミッションケースの弱化部に破断荷重を加えることができ、その結果、構造の簡素化、低コスト化、低重量化を図ることができるという優れた効果を有する。

請求項3記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項2記載の発明において、フロントクロスメンバにおける弱化部との対向位置に固定されるフロントエンジンマウント取付ブラケットに前述したフランジ部を一体に設けたので、当該フランジ部の向きを調整するだけで効果的な干渉部が得られ、その結果、請求項2記載の発明よりも、構造の簡素化、低コスト化、低重量化を図ることができるという優れた効果を有する。

請求項4記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、フロントエンジンマウントの外周部を構成する外筒は、干渉部が弱化部に干渉してトランスミッションケースを破断させた後のトランスミッションケース内への侵入時に受ける反力によって塑性変形するので、衝突後半でのエネルギー吸収効果を高めることができ、その結果、底付きGを効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。

請求項5記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、トランスミッションケースに一体に形成された切欠状の抉れ部によって弱化部を構成したので、トランスミッションケースの鋳造成形と同時に弱化部を設けることができ、その結果、トランスミッションケースの任意の箇所に容易に弱化部を設定することができるという優れた効果を有する。

以下、図1〜図9を用いて、本発明に係る車両前部構造の実施形態について説明する。なお、図1〜図4に付記した矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。

図1には、本実施形態に係る車両前部構造を構成する主要部品の組付状態を示す側面図が示されている。また、図5及び図6には、衝突前後の本実施形態の要部の状態を裏面側から見た斜視図が示されている。なお、図5及び図6は、実車での衝突試験を行ったときの様子である。

これらの図に示されるように、車両前部10には、車両幅方向を長手方向として配置されたフロントクロスメンバ12が配設されている。フロントクロスメンバ12は、上部側を構成するフロントクロスメンバアッパ14と下部側を構成するフロントクロスメンバロア16の前後のフランジ部14A、16A同士(図1〜図4では前側のみ図示)をスポット溶接することにより閉断面構造に構成されている。

上記フロントクロスメンバ12の車両後方側には、図示しないエンジン並びにトランスミッション18が配設されている。トランスミッション18は、その外郭を構成するトランスミッションケース20を備えている。トランスミッションケース20は、通常はアルミニウム合金等の軽合金材料を使った鋳造品として構成されているが、鉄等を使ったものでもよい。

上記トランスミッションケース20の前側の所定位置には、フロントエンジンマウント22が配設されている。フロントエンジンマウント22は、下方側が開放された略コ字形状に形成されかつトランスミッションケース20の前側の所定位置にボルト24(図6参照)で固定された保持部材26と、この保持部材26の先端部間に挿入配置されたエンジンマウント本体28と、このエンジンマウント本体28をフロントクロスメンバ12に取り付けるためのフロントエンジンマウント取付ブラケット34と、を主要部として構成されている。

図1〜図4では簡略的に図示しているが、エンジンマウント本体28は、同心円状に配置された外筒28A及び内筒28Bと、外筒28A及び内筒28Bの間に加硫接着されたゴム部28Cと、を主要部として構成されている。このうち、内筒28Bが保持部材26の先端部間にボルト30及びナット32(図5参照)で固定されている。

フロントエンジンマウント取付ブラケット34は、フロントクロスメンバ12における保持部材26と対向する位置に溶接等によって取り付けられている。なお、図1〜図4ではフロントクロスメンバ12とフロントエンジンマウント取付ブラケット34とを一部品化して描いているが、図5には詳細構造が見える範囲で描かれている。図5に示されるように、このフロントエンジンマウント取付ブラケット34は、略コ字状断面とされてブラケット上部を構成するブラケットアッパ36と、略皿状断面とされてブラケット下部を構成するブラケットロア38と、によって閉断面構造に構成されている。このうち、ブラケットアッパ36の頂部36A(図5参照)に、前述したエンジンマウント本体28の外筒28Aが固定されている。これにより、トランスミッション18がフロントエンジンマウント22によって防振支持される構成である。

ここで、上述したトランスミッションケース20の所定位置(本実施形態では、トランスミッションケース20の前側で前述した保持部材26の固定部の下縁側)に、弱化部としての括れ部40が形成されている。括れ部40は、側面視で略半円形の切欠状に形成されている。

これに対応して、前述したフロントエンジンマウント取付ブラケット34には、ブラケットアッパ36及びブラケットロア38の両者の打点フランジ36B、38Aによって構成された干渉部としての二枚板状の合わせフランジ部42が設けられている。合わせフランジ部42は、括れ部40に当たるように車両後方かつ斜め上方側へ向けて延出されている。別の言い方をすれば、合わせフランジ部42は、前面衝突時の衝突荷重によってフロントクロスメンバ12が車両後方側へ変位した際の移動軌跡方向が延出方向となるように設けられている。

補足すると、前記合わせフランジ部42を構成するブラケットアッパ36の打点フランジ36Bとブラケットロア38の打点フランジ38Aは、フロントエンジンマウント取付ブラケット34が閉断面を構成して所定の剛性が確保されるようにスポット溶接によって接合されている。また、図1〜図3に高さ方向の基準位置として付記した符号44は、エンジンアンダカバーである。

次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。

図1(及び図5)に示される状態が衝突前の初期状態である。この状態では、フロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42がトランスミッションケース20の括れ部40へ向けて車両後方かつ斜め上方側へ向けられている。

この状態から前面衝突時になると、フロントバンパリインフォースメントのラウンド部が変形すると共に左右一対のフロントサイドメンバのクラッシュボックスが軸方向に圧縮される。さらに、図2に示されるように、エンジン及びトランスミッションケース20を含むトランスミッション18は、自身に作用する慣性力によって車両前方側(図2の矢印A方向)へ変位しようとするが、実際に衝突荷重が入力されるフロントクロスメンバ12は、車両後方側(図2の矢印B方向)へ押し込まれ始める。なお、この状態のときには、フロントエンジンマウント22は外筒28Aに対して内筒28Bが偏芯し、ゴム部28Cは潰れた状態である。また、図2では、基準となる初期状態の本実施形態の要部の位置及び形状を比較のために二点鎖線で図示している(図3及び図4も同じ)。

更に衝突時間が経過して衝突後半に差し掛かった時点で、図3に示されるように、フロントクロスメンバ12が車両後方側へ押し込まれ、それに伴ってトランスミッションケース20が保持部材26を介してフロントエンジンマウント22の締結部(内筒28Bの位置)を中心として略車両下方側(矢印C方向側)へ回転し、これによりフロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42がトランスミッションケース20の括れ部40に干渉(当接)する。その結果、トランスミッションケース20が括れ部40から破断する(図6参照)。この破断によりフロントクロスメンバ12のトランスミッションケース20内への侵入が可能となる。

その後、図4に示されるように、フロントクロスメンバ12はトランスミッションケース20内へ侵入しつつ、更に車両後方側へと変位(ストローク)する。つまり、トランスミッションケース20内へフロントクロスメンバ12が侵入することができた分だけ、エネルギー吸収ストロークが延長されたことになり、衝突後半でのエネルギー吸収ストロークが確保される。またこの過程で、フロントエンジンマウント22の構成部品である外筒28Aが真円形状から楕円形状に塑性変形する。従って、かかるフロントエンジンマウント22の外筒28Aの変形によっても衝突後半のエネルギー吸収がなされることになる。上記の結果、本実施形態に係る車両前部構造によれば、フロントクロスメンバ12の衝突後半でのエネルギー吸収ストロークの増加並びにそれに伴って生じるフロントエンジンマウント22の外筒28Aの変形によって、衝突後半のエネルギー吸収量を増加させることができ、ひいては前面衝突時の後半に発生する底付きGを大幅に低減(抑制)することができる。

図7及び図8には、実車での衝突試験を行った際のデータが示されている。以下、これらのデータに基づいて、本実施形態に係る車両前部構造の効果について言及する。

まず、図7には、正面衝突時のバリア荷重と時間の関係を示すF−t線図が示されている。この図7に示されるグラフは、正面衝突時のバリア荷重の合計を表している。衝突前半では、グラフに付記したように、フロントバンパリインフォースメントのラウンド部の変形、左右一対のフロントサイドメンバの前部に配置されたクラッシュボックスの軸圧縮変形、フロントサイドメンバ全体(ダッシュパネルを含む)の後退を経て、バリア荷重はピークに達し、この辺りからフロントクロスメンバ12(エンジンマウント後ろ)の変形が開始される。そして、衝突開始から所定時間が経過した時点(衝突開始から衝突終了の中間点付近)で、トランスミッションケース20が破断に至り、フロントエンジンマウント22の外筒28Aが変形し始める。この図7からは、本実施形態に係る車両前部構造を適用した場合、トランスミッションケース20の破断及びフロントエンジンマウント22の外筒28Aの変形という現象が、衝突開始から衝突終了の丁度中間点付近(即ち、この辺りから衝突後半に突入していく)で起こることが実証されている。

次に、図8には、正面衝突時の減速度と車両変形量の関係を示すG−S線図が示されている。この図8に示される太線グラフは正面衝突時の従来のG−S特性を表しており、細線グラフは本実施形態に係る車両前部構造が適用された場合のG−S特性を表している。このグラフから解るように、従来では、衝突後半にストローク不足による底付きG(P部)が発生している。それに対し、本実施形態に係る車両前部構造が適用された場合は、衝突後半でのエネルギー吸収ストローク(車両変形ストローク)がΔSだけ増加しており、これにより底付きGがΔGだけ減少していることが実証されている。

なお、以上においては正面衝突時の場合を例にして本実施形態の作用・効果を説明してきたが、オフセット衝突時(ODB)の場合でもほぼ同様の作用・効果が得られる。

次に、本実施形態に係る車両前部構造のその他の効果(請求項2乃至請求項5に係る発明に対応する作用・効果)について言及する。

本実施形態に係る車両前部構造では、フロントクロスメンバ12の後部側に取り付けられるフロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42を干渉部として利用する構成を採ったので、構成的には何ら特別な追加部品を必要とせず、既存の部品を利用して、トランスミッションケース20の括れ部40に破断荷重を加えることができる。その結果、本実施形態によれば、構造の簡素化、低コスト化、低重量化を図ることができる。

また、本実施形態に係る車両前部構造では、フロントクロスメンバ12にフロントエンジンマウント22が直締めされかつ衝突後半にエネルギー吸収ストローク(車両変形ストローク)不足に起因した底付きGが発生する車体構造を前提とし、かかる前提を踏まえてフロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42の向きを括れ部40に向かう向きに設定する構成を採ったので、当該合わせフランジ部42の向きを調整するだけで効果的な干渉部が得られる。従って、構成を成立させるのが非常に容易である。その結果、本実施形態によれば、より一層の構造の簡素化、低コスト化、低重量化を図ることができる。

さらに、本実施形態に係る車両前部構造では、前述したように、フロントエンジンマウント22の外周部を構成する外筒28Aが、合わせフランジ部42が括れ部40に干渉してトランスミッションケース20を破断させた後のトランスミッションケース20内への侵入時に受ける反力によって真円形状から楕円形状に塑性変形するため、かかる外筒28Aの塑性変形によるエネルギー吸収効果が衝突後半で得られる。その結果、本実施形態によれば、底付きGを効果的に抑制することができる。加えて、フロントエンジンマウント22の外筒28Aの変形を衝突後半のエネルギー吸収に利用できるということは、外筒28Aの板厚や外径を変更することで、衝突後半のエネルギー吸収量のチューニングを容易に行うことができるという効果をもたらす。

また、本実施形態に係る車両前部構造では、アルミニウム合金の鋳造によって構成されたトランスミッションケース20に切欠状の括れ部40を設けることによって弱化部を構成したので、トランスミッションケース20の鋳造成形と同時に弱化部である括れ部40を設けることができる。その結果、トランスミッションケース20の任意の箇所に容易に括れ部40等の弱化部を設定することができる。

なお、上述した本実施形態では、車両前部構成部材としてフロントクロスメンバ12を用いたが、これに限らず、フロントサイドメンバのクロスメンバ部分やサブフレーム等を用いてもよく、車両前部を構成する部材で適用し得る部材であればよい。

また、上述した本実施形態では、干渉部としてフロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42を用いたが、これに限らず、他の構成を用いることも可能である。例えば、フロントクロスメンバ12自体のリヤ側の合わせフランジ部において括れ部40と対向する部位を背面視で略ハット形状に折り曲げて使用してもよいし、フロントクロスメンバ12自体のリヤ側の合わせフランジ部の全体が括れ部40を向くように延出させてもよい。さらには、排気管ハンガー等も干渉部として利用可能である。

さらに、上述した本実施形態では、フロントエンジンマウント取付ブラケット34を利用して干渉部(合わせフランジ部42)を設けたが、弱化部を打撃するための専用の新設部品を設置してもよい。例えば、図9に示される実施形態では、フロントエンジンマウント取付ブラケット34の合わせフランジ部42の先端部に側面視で略嘴(くちばし)形状の突起部48が設けられている。このような専用部品を設定する構成を採ってもよい。

また、上述した本実施形態では、弱化部としてトランスミッションケース20の所定位置に括れ部40を設けたが、これに限らず、干渉部との干渉によりトランスミッションケース20を効果的に破断させるための構成を付加してもよい。例えば、切欠状の括れ部40に替えて、薄肉部を設けたり、V字状等のノッチを設ける等してもよい。さらに、図9に示される実施形態のように、括れ部40の内周面に前記突起部48を確実に係止させるための略三角形状の係止部50を設ける構成を採ってもよい。

本実施形態に係る車両前部構造を構成する主要部品の組付状態(衝突前の状態)を示す側面図である。 衝突前半(衝突初期)の状態を示す図1に対応する側面図である。 衝突後半(衝突中間点付近)の状態を示す図1に対応する側面図である。 衝突終期の状態を示す図1に対応する側面図である。 実車での衝突試験時の衝突前の要部の状態を裏面側から見た斜視図である。 実車での衝突試験時の衝突後の要部の状態を裏面側から見た斜視図である。 本実施形態に係る車両前部構造が適用された場合の正面衝突時のバリア荷重と時間の関係を示すF−t線図である。 本実施形態に係る車両前部構造が適用された場合の正面衝突時の減速度と車両変位量の関係を示すG−s線図である。 別の実施形態を示す図5に対応する斜視図である。

符号の説明

10 車両前部
12 フロントクロスメンバ(車両前部構成部材)
20 トランスミッションケース
22 フロントエンジンマウント
28A 外筒
34 フロントエンジンマウント取付ブラケット
40 括れ部(弱化部)
42 合わせフランジ部(干渉部)
48 突起部(干渉部)
50 係止部(弱化部)

Claims (5)

  1. エンジンルーム内に配設されたトランスミッションケースと、
    このトランスミッションケースよりも車両前方側に配置され、前面衝突時の衝突荷重によって車両後方側へ変位する車両前部構成部材と、
    を含んで構成された車両前部構造であって、
    前記トランスミッションケースの所定位置に設けられた低強度の弱化部と、
    前記車両前部構成部材に設けられ、前面衝突時の衝突荷重によって当該車両前部構成部材が車両後方側へ所定ストローク変位することにより当該弱化部と干渉し、トランスミッションケースを破断させる干渉部と、
    を有することを特徴とする車両前部構造。
  2. 前記干渉部は、車両幅方向を長手方向として配置されたフロントクロスメンバの後部側に配置されかつ当該フロントクロスメンバの車両後方側への変位時の移動軌跡方向を延出方向として向けられたフランジ部である、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両前部構造。
  3. 前記フランジ部は、前記フロントクロスメンバにおける前記弱化部との対向位置に固定されるフロントエンジンマウント取付ブラケットに一体に設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の車両前部構造。
  4. フロントエンジンマウントの外周部を構成する外筒は、前記干渉部が前記弱化部に干渉して前記トランスミッションケースを破断させた後のトランスミッションケース内への侵入時に受ける反力によって塑性変形する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれかに記載の車両前部構造。
  5. 前記弱化部は、前記トランスミッションケースに一体に形成された切欠状の抉れ部である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両前部構造。
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