JP4212377B2 - 連結形薬剤分包機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠剤収納庫と散薬分包機とを連結させた連結形薬剤分包機に関し、詳しくは、連結の態様に関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤と散薬とを任意の組み合わせで分包することを目的として錠剤収納庫と散薬分包機とを連結させた薬剤分包機が知られているが(例えば特許文献1参照)、その錠剤収納庫と散薬分包機の分離や再連結は知られていない。
一方、散薬容器収納棚と散薬分包機とを組み合わせた調剤システムであれば、分離可能かつ再連結可能に連結することで柔軟に組み替えられるようになったものが知られている(例えば特許文献2参照)。この調剤システムでは、散薬分包機を棚の脚にして固定することもでき、棚の下に格納空間を確保してそこへ散薬分包機を滑り込ませて固定せずに連結することもできる。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−327115号公報 (第1頁)
【特許文献2】
特開2002−85525号公報 (第1頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、錠剤と散薬とを任意の組み合わせで分包するという自動調剤の柔軟性向上と、そのような調剤のための自動装置やシステムを柔軟に組み替えられるようにするという機器構成の柔軟性向上とを、同時に達成すべく、上記薬剤分包機を上記調剤システムのように改造することが考えられる。具体的には、錠剤収納庫と散薬分包機とを連結させるに際して分離や再連結が容易に行えるようにするのである。
【0005】
しかしながら、錠剤収納庫と散薬分包機とを連結する場合と、散薬容器収納棚と散薬分包機とを連結する場合とで、自動化率が異なる。散薬容器収納棚と散薬分包機とを連結する場合、棚の散薬容器から散薬を取り出すのが手作業で行われることから、棚と散薬分包機との自動連携動作が無いので、単に連結されていれば足りる。これに対し、錠剤収納庫と散薬分包機とを連結する場合、錠剤収納庫から自動排出された錠剤も時には散薬と一緒に時には散薬と別個に散薬分包機の包装装置へ自動投入されるよう、錠剤収納庫から散薬分包機に及ぶ錠剤経路も連結させなければならない。このため、同一手法・同様手法をそのまま適用することはできない。
【0006】
そこで、自動調剤の柔軟化を図るべく錠剤収納庫と散薬分包機とを連結するとともに、その連結および分離を容易なものにして機器構成の柔軟化も図るべく、錠剤収納庫と散薬分包機との連結や分離に伴う錠剤経路の接続や分断も簡単になるよう、その連結の具体的態様に工夫を凝らすことが、技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第5の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0008】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の連結形薬剤分包機は、出願当初の請求項1に記載の如く、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を複数の案内部材で落下させるとともに錠剤収集機構で収集して錠剤放出口から下方へ放出する錠剤収納庫と、散薬分割装置で散薬を分割して逐次送出するとともにその散薬と前記錠剤収納庫から放出された錠剤とを薬剤合流機構で受け入れて包装装置に投入する散薬分包機とを備えた連結形薬剤分包機において、前記錠剤収納庫と前記散薬分包機との水平方向相対移動を案内するベース板と、前記錠剤収納庫にその底面から下端を進退しうる状態で付設され前記錠剤放出口から放出された錠剤を前記薬剤合流機構へ導く錠剤経路延長部材とを具えたものである。
【0009】
このような第1の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、散薬分割装置と包装装置とからなる散薬分包機に錠剤収納庫が連結されていて、錠剤放出口から放出された各種の錠剤と分割して送出された散薬とが一緒に包装されるようになっているので、錠剤の放出と散薬の送出とを選択することで錠剤と散薬とを任意の組み合わせで分包することができる。このことは従来同様であるが、さらに、錠剤収納庫と散薬分包機とを連結させたり分離させるときには、次のようにして行う。
【0010】
すなわち、連結時には、先ず、設置個所にベース板を敷き、次に、その板上で錠剤収納庫と散薬分包機との何れか一方または双方を水平に相対移動させて錠剤収納庫と散薬分包機とを上下に位置させ、それから、錠剤経路延長部材を錠剤収納庫の底面から薬剤合流機構の錠剤受入口へ向けて進出させる。これだけで、錠剤経路が接続される。
【0011】
しかも、連結のための相対移動に際し、ベース板の案内によって移動経路が規制されるので、その規制に基づいて、錠剤収納庫の錠剤放出口と、散薬分包機の薬剤合流機構の錠剤受入口とが、所定の相対位置に来る。そのため、錠剤経路延長部材を用いた錠剤経路の接続が容易かつ確実に行えるうえ、錠剤経路延長部材も簡易なもので間に合うこととなる。
【0012】
また、分離時には、錠剤経路延長部材を錠剤収納庫の底面から待避させて、錠剤経路を分断する。これだけで、錠剤収納庫と散薬分包機との干渉のおそれが無くなるので、錠剤収納庫と散薬分包機との何れか一方または双方を水平に相対移動させて錠剤収納庫と散薬分包機とを引き離す。このときもベース板の案内によって移動経路が規制されるので、相対移動が円滑になされて、錠剤収納庫と散薬分包機との分離が容易に行える。
【0013】
このように錠剤収納庫と散薬分包機との連結や分離がベース板の案内による水平方向相対移動で容易に行えるとともに、錠剤収納庫から散薬分包機に及ぶ錠剤経路の接続や分断が錠剤経路延長部材の進退で容易に行えるようにもしたことにより、連結に基づく自動調剤の柔軟化に加えて、その連結の具体的態様に基づく機器構成の柔軟化も、同時に達成されることとなる。
したがって、この発明によれば、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を実現することができる。
【0014】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の連結形薬剤分包機は、出願当初の請求項2に記載の如く、上記の第1の解決手段の連結形薬剤分包機であって、前記錠剤放出口の下方空間を囲む又は挟む脚体を前記錠剤収納庫に付設し、前記空間の少なくとも一側面は前記散薬分包機を出し入れ可能に開放したものである。
【0015】
このような第2の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、錠剤収納庫の下部に散薬分包機を収納可能な空間が確保されるとともに、その空間への散薬分包機の出し入れも可能になっているので、連結のために錠剤収納庫と散薬分包機とを上下に位置させることが、錠剤収納庫と散薬分包機との何れか一方または双方を水平に相対移動させることで、容易かつ確実に、行える。
したがって、この発明によれば、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を確実に実現することができる。
【0016】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の連結形薬剤分包機は、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第2の解決手段の連結形薬剤分包機であって、前記ベース板は、その上面に、前記脚体の下端を固定する固定具が離隔配置または分散設置され、さらに、前記散薬分包機の下面に装備された車輪等の移動用部材の移動経路を規制するレール等のガイド部材が前記固定具の内側で平行に配置されている、というものである。
【0017】
このような第3の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、ベース板の上に錠剤収納庫を載せて脚体を固定してから、錠剤収納庫の下方空間に散薬分包機を収納することで、連結がなされる。しかも、その際、散薬分包機の移動用部材をベース板のガイド部材に係合させて散薬分包機を水平方向に移動させることにより、散薬分包機が錠剤収納庫の下方空間へ円滑に移動するので、錠剤収納庫と散薬分包機との連結がより容易かつ確実に行えることとなる。
したがって、この発明によれば、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機をより確実に実現することができる。
【0018】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の連結形薬剤分包機は、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第1〜第3の解決手段の連結形薬剤分包機であって、前記錠剤経路延長部材が、可動部材からなり、前記錠剤放出口のところで上下移動可能に設けられている。または、着脱部材からなり、前記錠剤収納庫の底部に着脱自在な状態で置かれるようになっている、というものである。
【0019】
このような第4の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、錠剤経路延長部材の進退が上下移動にて若しくは着脱にて又はその組み合わせにて簡単に行えるので、錠剤経路延長部材が使い易くて、便利である。また、可動部材や着脱部材からなる錠剤経路延長部材は、簡素化が容易で、コストアップも回避し易い。
これにより、錠剤収納庫から散薬分包機に及ぶ錠剤経路の接続や分断が錠剤経路延長部材を用いて簡便に行えることとなる。
したがって、この発明によれば、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を簡便に実現することができる。
【0020】
[第5の解決手段]
第5の解決手段の連結形薬剤分包機は、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の第4の解決手段の連結形薬剤分包機であって、前記錠剤収納庫が、開閉可能な扉を具えており、この扉のところから前記錠剤経路延長部材の付設個所までが空いている、というものである。
【0021】
このような第5の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、扉を開ければ直ちに錠剤収納庫内に手を入れて錠剤経路延長部材に手を掛けることが可能なので、錠剤経路延長部材が操作し易く、便利である。また、そのような手動式の可動部材や着脱部材からなる錠剤経路延長部材は、より簡素化し易い。扉を閉めれば錠剤経路延長部材は錠剤収納庫内に納まる。
これにより、錠剤経路延長部材を用いた錠剤経路の接続や分断が、一層、簡便なものとなる。
したがって、この発明によれば、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を一層簡便に実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の連結形薬剤分包機について、これを実施するための形態を幾つか説明する。
【0023】
本発明の第1の実施形態は、上述した解決手段の連結形薬剤分包機であって、前記錠剤収納庫と前記散薬分割装置と前記包装装置との動作を制御する電子回路等の制御手段が、前記錠剤収納庫と前記包装装置とを連動させる制御と、前記散薬分割装置と前記包装装置とを連動させる制御と、前記錠剤収納庫と前記散薬分割装置と前記包装装置とを連動させる制御とを選択的に実行しうるようになっている、というものである。
これにより、錠剤のみの包装と、散薬のみの包装と、両薬剤の混合包装とを、単独で行うことも、自由に組み合わせることも、自在になせることとなる。
【0024】
本発明の第2の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の連結形薬剤分包機であって、前記錠剤経路延長部材の進退および着脱の何れか一方または双方を検出する進退検出手段が設けられたものである。
この場合、錠剤経路延長部材の進退や着脱が検出されるので、それに基づいて、錠剤収納庫から散薬分包機への錠剤経路が接続されているのか分断されているのかを、自動判定するができる。これにより、錠剤経路を未接続のまま調剤を行うといった不所望な事態の発生を未然に防止することが可能になるので、連結や分離を気軽に行っても、安心して安全に作動させられる。
【0025】
このような解決手段や実施形態で達成された本発明の連結形薬剤分包機について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第4実施例により説明する。
図1〜図5に示した第1実施例は、上述した解決手段と実施形態を具現化したものであり、図6に示した第2実施例や、図7に示した第3実施例、図8に示した第4実施例は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、フレームや,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【0026】
【第1実施例】
本発明の連結形薬剤分包機の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、全体構造を示し、(a)及び(b)が正面図、(c)が展開斜視図である。図2は、(a)が錠剤収納庫の正面図、(b)が錠剤経路延長部材の斜視図、(c)〜(e)が錠剤経路延長部材の装着手順を示す正面図である。図3は、ベース板への錠剤収納庫の脚体の固定状態を示し、(a)が左側面図、(b)が正面図、(c)が右側面図である。図4は、電子回路部の概要ブロック図である。
【0027】
この連結形薬剤分包機は(図1参照)、錠剤収納庫10と散薬分包機20とベース板60とメインコントローラ80とを具えている。錠剤収納庫10と散薬分包機20は、上下に位置するよう本体部の高さを異にしているので、ベース板60の上面に載せて水平に相対移動させると、連結可能状態になったり、分離したりする。このような機構部を連結させたうえで、各々のコントローラとメインコントローラ80と(電子回路)を信号送受可能に接続すると、メインコントローラ80の動作制御に従って、錠剤収納庫10と散薬分包機20とが連携動作するようになっている。以下、それらを詳述する。
【0028】
錠剤収納庫10は、本体部の前面に設けられた扉11,手撒きカセット13,及びタッチパネル15と、本体部の筐体内に設けられた錠剤フィーダ12,落下案内部材16,錠剤収集機構17,及び錠剤経路延長部材18と、本体部の下方に設けられた脚体14とを具えている。
錠剤フィーダ12は、錠剤を多数個収容していてコントローラの制御に従って必要数を自動排出しうるものであれば足り、錠剤を一個ずつ排出するものであっても良く(例えば特開2002−279068号公報を参照)、錠剤を裁断して排出するものでも良い(例えば特開平11−226088号公報を参照)。このような錠剤フィーダ12は、各種の錠剤を調剤できるよう多数個が設けられ、大抵は、図示のように縦横に並べて、或いは図示しない筒状に並べて設置される。
【0029】
落下案内部材16は、ダクト等の導管を鉛直に立てたものであり、複数本が分散設置されている。何れも、沿線に設置された幾つかの錠剤フィーダ12の排出口に支線・分岐管を延ばしており、それらの錠剤フィーダ12から排出された錠剤を自然落下させて、錠剤収集機構17に導き入れるようになっている。
錠剤収集機構17は、大抵ロート状・ホッパ状の部材からなり、その上端の錠剤受入口が大きく広がる一方、下端の錠剤放出口17aは小さく窄んでいて、錠剤フィーダ12から排出され落下案内部材16にて導かれた錠剤を収集して錠剤放出口17aから下方へ放出するようになっている。この錠剤放出口17aや上述の落下案内部材16には、しばしば、錠剤放出タイミング調整用の開閉シャッタが装着される。
【0030】
扉11は、錠剤フィーダ12や錠剤収集機構17を常態では覆うとともに、それらを錠剤補充時や清掃時には露出させるために、開閉可能になっている。
手撒きカセット13やタッチパネル15は、錠剤収集機構17の斜め下に納めて設置され、扉11のうち該当部分には開口や切欠が形成されていて、扉11を開閉しなくても手撒きカセット13やタッチパネル15に手を掛けられるようになっている。手撒きカセット13は、錠剤フィーダ12に収容されていない錠剤を引出可能な区画室に手撒きしておくと、各区画室から順番に錠剤をコンベア13a等の送り機構にて錠剤収集機構17の錠剤放出口17a近傍へ逐次排出するものであるが、省略しても良い。コンベア13aの錠剤排出先および錠剤放出口17aの放出先には錠剤経路延長部材18が装着されるが、これは後述する。
【0031】
脚体14は、2枚が左右に分かれて本体部の庫底70に付設され、庫底70の両端から下方へ平行に延びている。脚体14の間の前面・正面は、散薬分包機20を出し入れするために、開放されている。図示の例では、脚体14の後面・背面も開放されていて、脚体14は錠剤放出口17aの下方空間を挟むものとなっている。散薬分包機20を後方から出し入れしないのであれば、錠剤収納庫10の脚部の後面・背面は閉じていても良く、その場合、脚体14は錠剤放出口17aの下方空間を囲むものとなる。なお、脚体14は、図示のようなパネル(板材)に限らず、例えばフレーム(枠材)やロッド(棒材)からなるものでも良い。
【0032】
散薬分包機20は、散薬分割装置31〜33を2台と包装装置41〜42と薬剤合流機構51〜53を筐体に内蔵しており、その筐体は、錠剤収納庫10の庫底70と脚体14とが門形になって囲んでいる空間に格納しうるよう、それより僅かに小さくなっている。筐体の前面の左右端部には、突片21が付設されており、これをボルト等の締結具やフック等の係止具などで脚体14等に固定させることで、散薬分包機20と錠剤収納庫10とを堅く連結させるようになっている。筐体の下面には、車輪22(移動用部材)が装着されていて、手押しで容易に移動するようになっている。筐体の上面のうち前面側・手前側には、散薬フィーダ31の薬剤投入口が上向きに開放した状態で設けられている。その後方の筐体最上面には、薬剤合流機構51〜53の錠剤受入口51が上向きに開放した状態で設けられている。この錠剤受入口51は、散薬分包機20と錠剤収納庫10との連結時に錠剤放出口17aの下方に位置するところに、配置されている。
【0033】
散薬分割装置31〜33は、作業効率や分割精度などの観点から、2台が左右に並べて設置されている。それぞれ、散薬フィーダ31とターンテーブル32と切出ユニット33とを具えており、散薬を分割して逐次送出するようになっている。具体的には、調剤作業者によって投入された散薬を、散薬フィーダ31が少しずつ流してターンテーブル32へ送り込み、その際にターンテーブル32が回転しながら受け取ることで円周部のR溝に一様分配し、それから、間欠的に、ターンテーブル32を所定角度ずつ回転させながらその角度分の散薬を切出ユニット33で切り出して薬剤合流機構51〜53の共通ホッパ53へ送り出すようになっている。
【0034】
包装装置41〜42は、上下動しながら共通ホッパ53経由で一包分の薬剤を受け取る投入ホッパ41と、その薬剤を分包紙にて分包する包装装置本体42とを具えている。包装装置本体42は、捲回された分包紙を間欠送りしながら熱融着等にて区画室を形成し、その区画室に投入ホッパ41の下端を差し込ませて一包分の薬剤を収容させ、投入ホッパ41を抜かせてから、区画室を熱融着等にて封止することで、その区画室を一包分の分包体に仕上げる。このような処理を投入ホッパ41への薬剤投入の度に繰り返すことで、投入された薬剤を次々に分包するようになっている。
【0035】
薬剤合流機構51〜53は、錠剤収納庫10から放出された錠剤と散薬分割装置31〜33から送出された散薬とを包装装置の投入ホッパ41に投入するために、上述のように散薬分割装置31〜33と投入ホッパ41との中間に設けられた共通ホッパ53と、その上方・上流に設置された錠剤導引部材52とを具えている。錠剤導引部材52は、ダクト等の導管からなり、その上端開口は広がりながら散薬分包機20の最上面に達して錠剤受入口51となっている。錠剤導引部材52の下端は、錠剤放出口17aから放出された錠剤が共通ホッパ53内に導かれるよう、共通ホッパ53の上端開口の上方に位置している。共通ホッパ53は、ターンテーブル32から切り出された散薬の受け入れも確実に行えるよう、上端開口が大きくなっている。下端の開口は、投入ホッパ41への薬剤投入のため、小さくなっている。この共通ホッパ53にも、しばしば、薬剤放出タイミング調整用の開閉シャッタが装着される。
【0036】
ベース板60は、錠剤収納庫10と散薬分包機20とを載置するため、ステンレス等の丈夫なプレート61(平板)からなり、その上面に固定具62とレール63(ガイド部材)が設けられている。固定具62は、錠剤収納庫10の脚体14の下端を固定するためのものであり、脚体14の端部位置に対応して例えば四隅に離隔配置または分散配置されている。この例の固定具62は(図3参照)プレート61にネジ加工で形成された雌ねじと対になっており、この固定具62で脚体14の固定位置を決めてから、脚体14端部の爪状部材14aをボルト等でプレート61に固定するようになっている。レール63は(図1参照)、錠剤収納庫10の車輪22を例えば挟むようにしてその移動経路を前後方向の直線上に規制するものであり、固定具62の内側に2本が平行に設置され何れも前後に真っ直ぐ伸びている。このようなベース板60は、錠剤収納庫10を固定具62で固定してから散薬分包機20をレール63で規制しながら移動させると、錠剤収納庫10と散薬分包機20との水平方向相対移動を案内するものとなる。
【0037】
錠剤経路延長部材18は(図2(a)参照)、上述したようにコンベア13a先端および錠剤放出口17aの下のところで、錠剤収納庫10の庫底70の開口71に装着されている。この錠剤経路延長部材18は、開口71上に着脱自在な状態で置かれる着脱部材であると同時に、錠剤放出口17aのところで上下移動可能に設けられた可動部材でもあり、その上下移動や着脱を手作業で容易に行えるよう、錠剤収納庫10は、扉11のところから錠剤経路延長部材18の付設個所までが空いていて、扉11を開けると、錠剤経路延長部材18又は開口71とコンベア13aの先端と錠剤放出口17aとが露見するようになっている。
【0038】
錠剤経路延長部材18は(図2(b)参照)、ロート状・ホッパ状の部材からなり、錠剤放出口17aから放出された錠剤とコンベア13aで排出された錠剤との何れも受け入れるために、上端開口が広くなっている。受け入れた錠剤を薬剤合流機構51〜53の錠剤受入口51へ導くために、下端の開口は小さくなっている。庫底70の上面で開口71の両サイドには(図2(c)〜(e)参照)支承片72が立設されており、そこに錠剤経路延長部材18上端の鍔部を載せると、錠剤経路延長部材18の下端が庫底70から下へ進出し、逆に錠剤経路延長部材18を持ち上げると、錠剤経路延長部材18の下端が庫底70から庫内に退避するようになっている。
【0039】
このような錠剤経路延長部材18の進退を検出するために、開口71の両サイドに分かれて、発光ダイオード等からなる送光子73と、その光に感応する光センサ74(進退検出手段)とが、庫底70上面に装着されている。錠剤経路延長部材18が庫底70に装着されると、送光子73から光センサ74への送光が遮断されることに基づいて、進退が検出されるようになっている。
なお、この錠剤経路延長部材18と上述の錠剤導引部材52とを対比すると、錠剤経路延長部材18は錠剤収納庫10に設けられた可動の錠剤経路延長部材であるのに対し、錠剤導引部材52は散薬分包機20に設けられた固定の錠剤経路延長部材である、と言える。
【0040】
メインコントローラ80は(図4参照)、プログラマブルなシーケンサやパーソナルコンピュータからなり、メニューやステータス等を表示するディスプレイと操作入力用のキーボードやマウスなどが付いているので、見やすく操作しやすいところ例えば脚体14上部の前面等に外付けされる。メインコントローラ80は、錠剤収納庫コントローラ81及び散薬分包機コントローラ82とLANケーブルや専用ケーブル等で通信可能に接続される。いわゆる処方オーダーエントリシステム83から処方箋データを受け取る場合には、それに対しても通信可能に接続される。
【0041】
錠剤収納庫コントローラ81は、マイクロプロセッサシステム等からなり、錠剤収納庫10の動作制御を遂行するために、上述したタッチパネル15や,光センサ74,多数の錠剤フィーダ12にアクセスするようになっている。
散薬分包機コントローラ82もマイクロプロセッサシステム等からなり、これは、散薬分包機20の動作制御を遂行するために、上述した散薬分割装置31〜33や包装装置41〜42にアクセスするようになっている。
【0042】
メインコントローラ80は、処方オーダーエントリシステム83又は図示しない操作入力装置等から、処方箋データや派生した調剤データを取得すると、それを錠剤分と散薬分とに分類して錠剤収納庫コントローラ81及び散薬分包機コントローラ82それぞれの指令を作成する。そして、両者に適切なタイミングで指令を出すことで、錠剤収納庫10と散薬分割装置31〜33と包装装置41〜42との動作を自在に制御する。すなわち、メインコントローラ80は、散薬分割装置31〜33は動作させないで錠剤収納庫10と包装装置41〜42とを連動させる錠剤分包制御と、錠剤収納庫10は動作させないで散薬分割装置31〜33と包装装置41〜42とを連動させる散薬分包制御と、錠剤収納庫10と散薬分割装置31〜33と包装装置41〜42とを連動させる混合分包制御とを実行可能であり、しかも、その3パターンの制御を一包ごと任意に選択して実行しうるようになっている。
【0043】
メインコントローラ80には、そのためのプログラムがインストールされている。例えば、錠剤分包と散薬分包と混合分包との3タイプから任意のものをメニュー画面で選択して標準の分包制御状態に設定できるようになっている。また、処方箋データや調剤データの中に、分包制御状態の指定があれば、それを標準設定に優先させるようになっている。その指定は、患者単位でも良いが患者単位でなくても良く、患者単位でないときには、処方単位や調剤単位でも可能であり、さらにはそれより木目細かく、朝・昼・夜など服用単位でも、薬剤単位でも、可能なようになっている。
【0044】
メインコントローラ80には、そのためのデータもセットアップされている。すなわち、メインコントローラ80のデータベースには、調剤対象の各種薬剤に関する薬品名や剤形などの基本情報を記憶保持している薬品マスターファイルが含まれているが、その基本情報に加えて、一緒に服用してはならない薬剤の組み合わせを示す配合禁忌情報と、一緒に服用しても良いが一包中へ一緒に分包すると服用し辛いため混合分包を回避すべき組み合わせを示す混合回避情報も、含まれている。この混合回避情報としては、例えば、カプセル入り錠剤と微粉末の散薬といった剤形に基づく共通の組み合わせや、或る薬剤と或る薬剤といった剤種に基づく個々の組み合わせの他、特定の薬剤を単独分包に指定するもの等が、挙げられる。
【0045】
この第1実施例の連結形薬剤分包機について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1(a),(b)は、錠剤収納庫10と散薬分包機20とを連結した状態を示し、同図(c)は、分離状態を示している。また、図2(c)〜(e)は、錠剤経路延長部材18の装着手順を示している。さらに、図5(a),(b)は、何れも、分包例であり、朝,昼,夜の3回服用分を示している。
先ず、連結を伴う装置設置作業を説明し、次に、分包例を幾つか説明し、最後に、分離を伴う装置組替等の作業を説明する。
【0046】
初期設置時、連結形薬剤分包機の機構部は、錠剤収納庫10と散薬分包機20とベース板60との3台に分離した状態で、設置先に運び込まれる(図1(c)参照)。錠剤経路延長部材18も取り外して運び込まれる。そして、水平な床上にベース板60を敷き、その上に錠剤収納庫10を載せて、固定具62にて脚体14の固定位置を決めたら、ボルト等にて固定する。それから、散薬分包機20を後背部からベース板60に乗せ、車輪22をレール63に沿わせて、散薬分包機20を脚体14の間に押し込み、突片21を脚体14にボルトで止める。このような水平移動により、散薬分包機20が錠剤収納庫10の下方空間へ円滑に格納される(図1(a)参照)。
【0047】
ベース板60上で錠剤収納庫10と散薬分包機20を固定したら、扉11を開け、錠剤経路延長部材18を手にする。扉11を開けると、錠剤収集機構17や庫底70の開口71が見えるので、錠剤経路延長部材18を開口71の上方に持っていき(図2(c)参照)、それから下げて(図2(d)参照)、支承片72に乗せる(図2(e)参照)。そうすると、錠剤経路延長部材18の下端が、開口71を通り抜けて庫底70から下へ突き出し、錠剤経路延長部材18の下端開口が、散薬分包機20の錠剤受入口51の直ぐ上に位置する(図1(b)参照)。また、錠剤経路延長部材18の上端開口は、手撒きカセット13のコンベア13aの錠剤排出端と錠剤収集機構17の錠剤放出口17aとの直ぐ下に位置する(図1(b),図2(a)参照)。さらに、送光子73から光センサ74への送光が遮られる(図2(e)参照)。
【0048】
こうして、錠剤経路が接続されるとともに、その自動検知・自動確認も可能になり、機構部の連結作業が完了する。
それから、メインコントローラ80と錠剤収納庫コントローラ81及び散薬分包機コントローラ82との電気的接続も確立し、各錠剤フィーダ12に錠剤を補充して、扉11を閉めると、調剤動作が可能な状態になる。
なお、錠剤経路延長部材18を装着し忘れた場合や、装着状態が不適切で光センサ74が感応しないような場合には、メインコントローラ80によってタッチパネル15等にアラーム表示がなされるとともに、分包動作が規制されるので、安心して薬剤分包を開始することができる。
【0049】
次に、この連結形薬剤分包機の薬剤分包動作を説明する。分包制御の選定要件は、メニューでの分包制御状態の標準設定や,処方箋または調剤指示,混合回避情報など多岐に亘るが、具体的な薬剤の分包態様は、錠剤と散薬とを混合して分包するのか、混合しないで別々に分包するのかに集約されるので、この観点から説明を進める。また、分包制御状態の標準設定が錠剤分包か散薬分包になっていると、錠剤分包機か散薬分包機として動作するにすぎないので、標準設定は混合分包になっているものとする。さらに、調剤対象が錠剤だけ又は散薬だけの場合は、混合するまでもないので、以下、朝,昼,夜の3回服用分すべてに錠剤と散薬とが含まれる場合を具体例に採って説明する。
【0050】
この場合、処方箋データや調剤データが処方オーダーエントリシステム83等から与えられると、配合禁忌のチェックが行われ、配合禁忌に該当するときには調剤することなくアラームが出されるが、そのチェックをパスすると、調剤対象薬剤のうち散薬に関する調剤指示が画面表示や印刷出力にて出されるので、それを見て、調剤作業者は、該当散薬を秤量し、それを散薬フィーダ31に投入する。錠剤フィーダ12に無い錠剤に関しても調剤指示が出されるので、その錠剤も調剤作業者が手撒きカセット13にセットする。そのような錠剤や散薬については調剤作業者の手助けを要する半自動であるが、錠剤フィーダ12に有る錠剤については全自動なので、調剤作業者はメインコントローラ80に自動調剤の開始を指示する。
【0051】
そうすると、それ以降は、自動で分包処理が進行し、散薬分割装置31〜33から散薬が一包分ずつ送出されて共通ホッパ53に投入される。また、分包対象の錠剤がやはり一包分ずつ錠剤フィーダ12と手撒きカセット13とから排出され、何れの錠剤も錠剤経路延長部材18と錠剤導引部材52を経て共通ホッパ53に投入される。共通ホッパ53に投入された薬剤は、さらに適宜なタイミングで投入ホッパ41に投入され、包装装置本体42によって一包ずつ区画されて分包紙等に封入される。
【0052】
このとき、朝,昼,夜の3回服用分すべてについて、処方箋データや調剤データに混合分包回避の指定が無く、どの薬剤も混合回避情報に該当しなければ、分包制御状態として混合分包が選択されて、錠剤収納庫10から排出された錠剤と散薬分割装置31〜33から送出された散薬とが共通ホッパ53又は投入ホッパ41で一緒にされる。こうして、朝,昼,夜いずれの服用分も、錠剤と散薬とが纏めて一包に分包される(図5(a)参照)。
【0053】
これに対し、例えば、昼の服用分については、処方箋データで混合分包を回避すべき指定がされている場合や、カプセル入りの錠剤と微粉末の散薬とが共に分包対象になっている等のため混合回避情報に該当する場合、分包制御状態として混合分包は選択されず、その代わりに、錠剤分包と散薬分包とが順番に選択され実行される。そのため、錠剤だけで一包が形成され、それから散薬だけで次の一包が形成される。こうして、朝と夜の服用分は、錠剤と散薬とが纏めて一包に分包されるが、昼の服用分は、錠剤と散薬とが別々に分包される(図5(b)参照)。
【0054】
最後に、この連結形薬剤分包機で、錠剤収納庫10と散薬分包機20とを組み替える場合の作業等を説明する。例えば、散薬分包機20の修理や改造のため、連結中の散薬分包機20を分離して、代替機を連結するものとする。
この場合、上述した連結作業と逆のことを行って散薬分包機20を錠剤収納庫10から分離する。すなわち、メインコントローラ80と散薬分包機コントローラ82との接続を切り、錠剤収納庫10の扉11を開けて庫内に手を入れ、錠剤経路延長部材18を持ち上げて庫底70から抜き取る。それから、突片21と脚体14との固定を解き、車輪22をレール63に沿わせて、散薬分包機20を脚体14の間から手前に引き出す。
【0055】
こうして、連結中の散薬分包機20を錠剤収納庫10から分離したら、代替用の散薬分包機20を錠剤収納庫10に連結する。その作業等は、上述した設置時のものと同様なので、繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、やはり、ベース板60の案内機能を利用して散薬分包機20を水平移動させる等のことで、容易に而も迅速に行える。
したがって、この連結形薬剤分包機にあっては、錠剤収納庫10と散薬分包機20との組み替え等が容易に行えるうえ、混合包装と別包装との選択実行が自在に行える。
【0056】
【第2実施例】
本発明の連結形薬剤分包機の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図6は、右側面図であり、錠剤収納庫10の脚体14のベース板60への固定状態を示している。
この連結形薬剤分包機が上述した第1実施例のものと相違するのは、錠剤収納庫10の脚体14にもキャスター14b等の移動部材が設けられている点と、これに対応してベース板60の固定具62が改造されている点である。
固定具62は、前後のものが連なって直線状になり、レール63同様にキャスター14bの移動経路を前後方向に規制するものとなっている。
【0057】
そして、キャスター14bを固定具62に沿って移動させて、錠剤収納庫10をプレート61上の設置部位まで水平移動させると、後方のキャスター14bが固定具62の後端片62aに当接して、錠剤収納庫10の移動が止められる。その状態で、固定具62の前端部に形成された貫通穴62bに止めピンを装着すると、前方のキャスター14bの前側が止められて、錠剤収納庫10がベース板60上で固定される。
この場合、錠剤収納庫10を水平移動させて散薬分包機20から分離したり組み替えたりするのも容易に行える。
【0058】
【第3実施例】
本発明の連結形薬剤分包機の第3実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図7(a)〜(d)は、何れも部分正面図であり、錠剤経路延長部材18の進退検出手段の各種設置状態を示している。
この連結形薬剤分包機が上述した第1,第2実施例のものと相違するのは、進退検出手段が改造されている点である。
【0059】
図7(a)では、送光子73及び光センサ74に代えて、マイクロスイッチ等のメカニカルセンサ75を、庫底70の上面に付設している。
図7(b)では、メカニカルセンサ75を、庫底70の開口71の中に設けている。
図7(c)では、送光子73及び光センサ74を、庫底70の上面でなく、庫底70の下面に、付設している。
図7(d)では、導電性の支承片72を絶縁性座体72aで支持するとともに、錠剤経路延長部材18に導電性部材を採用して、支承片72間での通電の有無を検出することで、錠剤経路延長部材18の着脱および進退を検知するようになっている。
【0060】
【第4実施例】
図8に正面図を示した本発明の連結形薬剤分包機が上述した第1〜第3実施例のものと相違するのは、錠剤収集機構17が左右に分かれて2個になっている点と、手撒きカセット13が錠剤収納庫10から散薬分包機20に移っている点である。
錠剤収集機構17が複数個になっても、それらから放出された錠剤は、何れも錠剤経路延長部材18によって纏められ、錠剤導引部材52に送り込まれるので、分包は適切に行われる。
また、手撒きカセット13が散薬分包機20に移っても、その錠剤排出位置に合わせて、図示のように錠剤導引部材52の錠剤受入口51と錠剤経路延長部材18の下端とを少し下げるか、あるいは図示は割愛したが錠剤導引部材52の途中に錠剤受入口を追加形成する、といった改造も施すことで、何れの錠剤も錠剤導引部材52に送り込まれるので、分包は適切に行われる。
【0061】
【その他】
なお、上記の各実施例では、散薬分割装置31〜33は、2台であったが、これに限られるものでなく、散薬分割装置31〜33は、1台でも良く、3台以上設置しても良く、上下に配置しても良い。また、散薬分割装置31〜33は、上述したターンテーブル利用のものに限らず、いわゆるVマス方式やその他のものであっても良い。
さらに、錠剤経路延長部材18を支持する支承片72は、上述のように専用に設けても良いが、専用である必然性は無く、例えば庫底70のフレーム等を利用して錠剤経路延長部材18を支持するのも良い。
また、メインコントローラ80は、外付けである必要はなく、独立している必要もなく、例えば錠剤収納庫コントローラ81が兼ねるようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、連結や分離がベース板の案内による水平方向相対移動で容易かつ確実に行えるとともに、錠剤経路の接続や分断が錠剤経路延長部材の進退で容易に行えるようにもしたことにより、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を実現することができたという有利な効果が有る。
【0063】
また、本発明の第2の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、錠剤収納庫の下部に散薬分包機の収納空間が確保されるようにしたことにより、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を確実に実現することができたという有利な効果を奏する。
【0064】
さらに、本発明の第3の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、ベース板を具体化するに際して散薬分包機が錠剤収納庫の下方空間へ円滑に移動するようにしたことにより、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機をより確実に実現することができたという有利な効果が有る。
【0065】
また、本発明の第4の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、錠剤経路延長部材を具体化するに際して簡素で使い易いものにしたことにより、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を簡便に実現することができたという有利な効果を奏する。
【0066】
また、本発明の第5の解決手段の連結形薬剤分包機にあっては、扉を開ければ錠剤経路延長部材を手で動かせるようにもしたことにより、自動調剤も機器構成も柔軟な連結形薬剤分包機を一層簡便に実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の連結形薬剤分包機の第1実施例について、全体構造を示し、(a)及び(b)が正面図、(c)が展開斜視図である。
【図2】 (a)が錠剤収納庫の正面図、(b)が錠剤経路延長部材の斜視図、(c)〜(e)が錠剤経路延長部材の装着手順を示す正面図である。
【図3】 錠剤収納庫の脚体のベース板への固定状態を示し、(a)が左側面図、(b)が正面図、(c)が右側面図である。
【図4】 電子回路部のブロック図である。
【図5】 (a),(b)いずれも分包例である。
【図6】 本発明の連結形薬剤分包機の第2実施例について、錠剤収納庫の脚体をベース板に固定したところの右側面図である。
【図7】 本発明の連結形薬剤分包機の第3実施例について、(a)〜(d)いずれも錠剤経路延長部材の進退検出手段の設置状態を示す正面図である。
【図8】 本発明の連結形薬剤分包機の第4実施例について、装置全体の正面図である。
【符号の説明】
10…錠剤収納庫、11…扉、12…錠剤フィーダ、13…手撒きカセット、
13a…コンベア、14…脚体、15…タッチパネル、16…落下案内部材、
17…錠剤収集機構、17a…錠剤放出口、18…錠剤経路延長部材、
20…散薬分包機、21…突片、22…車輪、
31…散薬フィーダ、32…ターンテーブル、33…切出ユニット、
41…投入ホッパ、42…包装装置本体、
51…錠剤受入口、52…錠剤導引部材、53…共通ホッパ
60…ベース板、61…プレート、62…固定具、63…レール、
70…庫底、71…開口、72…支承片、72a…絶縁性座体、
73…送光子、74…光センサ、75…メカニカルセンサ、
80…メインコントローラ、81…錠剤収納庫コントローラ、
82…散薬分包機コントローラ、83…処方オーダーエントリシステム
Claims (5)
- 多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を複数の案内部材で落下させるとともに錠剤収集機構で収集して錠剤放出口から下方へ放出する錠剤収納庫と、散薬分割装置で散薬を分割して逐次送出するとともにその散薬と前記錠剤収納庫から放出された錠剤とを薬剤合流機構で受け入れて包装装置に投入する散薬分包機とを備えた連結形薬剤分包機において、前記錠剤収納庫と前記散薬分包機との水平方向相対移動を案内するベース板と、前記錠剤収納庫にその底面から下端を進退しうる状態で付設され前記錠剤放出口から放出された錠剤を前記薬剤合流機構へ導く錠剤経路延長部材とを具えたことを特徴とする連結形薬剤分包機。
- 前記錠剤放出口の下方空間を囲む又は挟む脚体を前記錠剤収納庫に付設し、前記空間の少なくとも一側面は前記散薬分包機を出し入れ可能に開放したことを特徴とする請求項1記載の連結形薬剤分包機。
- 前記ベース板は、その上面に、前記脚体の下端を固定する固定具が離隔配置または分散設置され、さらに、前記散薬分包機の下面に装備された移動用部材の移動経路を規制するガイド部材が前記固定具の内側で平行に配置されたものである、ことを特徴とする請求項2記載の連結形薬剤分包機。
- 前記錠剤経路延長部材が、前記錠剤放出口のところで上下移動可能に設けられた可動部材、または前記錠剤収納庫の底部に着脱自在な状態で置かれる着脱部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された連結形薬剤分包機。
- 前記錠剤収納庫が、開閉可能な扉を具えており、この扉のところから前記錠剤経路延長部材の付設個所まで空いているものである、ことを特徴とする請求項4記載の連結形薬剤分包機。
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