JP4208208B2 - カプセル粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性成分及び親水性界面活性剤を含有するカプセル粒子の製造法に関し、更に詳しくは、医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品等の分野に利用可能なカプセル粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
油性成分及び親水性界面活性剤を含有するカプセル粒子の製造方法として、3重以上の多重ノズルを用いた製法が特開平6−55060号公報に開示されている。この方法によると、ノズル構造が3重以上であるため、2重ノズルに比べるとノズル構造が複雑になり、ポンプ、タンク、制御機器等の多くの機器が必要となる。さらにカプセルを安定に製造するためにカプセル化時に油性成分含有液と界面活性剤含有液の流量を正確に制御する必要性があった。
【0003】
また、特開平9−327501号公報には、乳化物を内容物とするカプセルの製造方法が開示されているが、親油性の界面活性剤を用いた乳化物を使用しており、水中での乳化特性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、装置の構成が簡素な2重ノズルを用いて、乳化特性に優れた油性成分と親水性界面活性剤を含有したカプセル粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
2重ノズルを用いたカプセル粒子の製造方法であって、外ノズルから皮膜形成液体を、内ノズルから水性成分、親水性界面活性剤及び油性成分を含有したW/O型乳化物又はO/W/O型乳化物を、連続的に吐出させて二層液滴を形成させた後、該二層液滴の皮膜形成液体を硬化又はゲル化させ、さらに水分を除去し、内層の水分濃度を10重量%以下にするカプセル粒子の製造方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
2重ノズルとしては、特に限定されず、例えば特公昭53−1067号公報第4頁第2図、特公昭62−1288号公報第6頁第2図、特開平6−154587号公報第6頁図2等に記載されている2重ノズルを用いることができる。
【0007】
皮膜形成液体としては、水との親和性が高い天然、半合成又は合成の親水性高分子体が好ましく用いられる。その具体例としては、特開平6−55060号公報第4欄16行〜36行に記載のものが挙げられ、それらの中では、ゼラチン、寒天及びカラギーナンがより好ましい。皮膜形成液体の粘度としては、ノズルから吐出される液温において好ましくは1〜1500mPa・s、より好ましくは1〜1000mPa・sである。なお、液温としては0〜100℃が用いられる。
【0008】
水性成分としては、水道水又はイオン交換水、及びそれらに親水性有機溶媒、水溶性多価アルコール及びその誘導体の1種以上を混合して得られたものが挙げられ、これらの中では水道水やイオン交換水が好ましい。また、これら水性成分は、滅菌処理した後に、水性成分として用いることができる。
【0009】
親水性有機溶媒としては、例えば、特開平6−55060号公報第8欄18行〜24行に記載のものが挙げられる。これらの中では、カプセル化の容易性の点から、エタノール及びアセトンが好ましい。
【0010】
水溶性多価アルコール及びその誘導体としては、例えば、特開平6−55060号公報第4欄42行〜48行に記載のものが挙げられる。これらの中では、カプセル化の容易性の点から、グリセリン及びソルビットがより好ましい。
【0011】
親水性有機溶媒、水溶性多価アルコール、又はその誘導体を水道水又はイオン交換水に混合して使用する場合の総含有量は、乳化物を安定に形成させる点から、水道水又はイオン交換水に対して1〜200重量%であることが好ましい。
【0012】
親水性界面活性剤(以下、界面活性剤という)としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、HLBが7〜18の非イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、水中で油性成分を乳化させるために、HLBが7〜18の非イオン界面活性剤が好ましく、HLBが9〜18の非イオン界面活性剤がより好ましく、HLBが10〜18の非イオン界面活性剤がさらに好ましい。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、2種以上の非イオン界面活性剤を混合して用いる場合には、得られた界面活性剤の平均HLBが7〜18の範囲であればよい。HLBは、「乳化・可溶化の技術、工学図書株式会社版、昭和59年5月20日、第8〜12頁」に記載の計算式で求められる。
多価アルコール脂肪酸エステルの場合、
Figure 0004208208
多価アルコール脂肪酸エステルのオキシエチレン付加物の場合、
Figure 0004208208
高級アルコールのオキシエチレン付加物の場合、
HLB=E/5
上記化合物以外の場合は、
【0013】
【数1】
Figure 0004208208
【0014】
で求められる。
尚、HLBA の界面活性剤(A)とHLBB の界面活性剤(B)の混合界面活性剤のHLBは、
【0015】
【数2】
Figure 0004208208
【0016】
で求まり、3成分以上も同様に求められる。
【0017】
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤としては、特に限定はなく、例えば、特開平6−55060号公報第5欄28行〜第6欄13行に記載のものが挙げられる。非イオン界面活性剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤の中でもソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0018】
油性成分としては、親水性界面活性剤と相溶性を有するものが好ましい。ここで相溶性とは、油性成分100重量部に対して界面活性剤が25℃で5重量部以上溶解する性状をいう。例えば、特許第2589257号公報第6欄36行〜第7欄24行に記載のものが挙げられる。これらの中では、ヒマシ油、ヤシ油、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン、流動パラフィン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ヘルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン及びテルペル系化合物等が好ましい。
【0019】
本発明に用いられるW/O型乳化物又はO/W/O型乳化物(Oは油相、Wは水相)は、前記水性成分、界面活性剤及び油性成分を含有するものである。本発明においては、W/O型乳化物又はO/W/O型乳化物を用いることにより、乳化特性に優れたカプセル粒子を容易に得ることができるという効果が発現される。
【0020】
W/O型乳化物の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、特開平9−327501号公報第5欄7行〜13行、特開平4−219131号公報第2欄7行〜12行、特開平4−118044号公報第2頁左下1行〜7行等に記載の方法が例示できる。
【0021】
W相とO相の重量比率は、10:90〜80:20が好ましい。W/O型乳化物中の界面活性剤の含有量は、内容液の乳化特性の観点より、0.1〜20重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、3〜20重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。W相の乳化粒径は0.01〜100μmが好ましく、より好ましくは0.01〜50μmであり、さらに好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは0.01〜1μmである。W/O型乳化物の粘度は、25℃又は100℃で1〜1000mPa・sであることが好ましい。
【0022】
W/O型乳化物の場合、界面活性剤は、カプセル化の生成率の観点から、分散相に含有させるのが好ましい。界面活性剤の分散相での含有量は、乳化物中の全界面活性剤の20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは全量を分散相中に含有させるのがよい。
【0023】
O/W/O型乳化物(以下O1 /W/O2 型乳化物という)の製造方法としては、公知の方法であればよく、特に限定されないが、例えば、O1 /W型乳化物を調製した後、さらにO2 を加えて、O1 /W/O2 型乳化物を調製する方法等が挙げられ、具体的には、例えば、特公平3−54709号公報第3欄20行〜第4欄21行、特開昭59−210971号公報第3頁左上10行〜第4頁左上17行等に記載の製造方法が例示できる。
【0024】
1 相とW相の重量比率は、10:90〜80:20が好ましい。O1 /W型乳化物中の界面活性剤の含有量は、0.1〜50重量%であることが好ましい。O1 相の乳化粒径は、0.01〜10μmであることが好ましい。O1 /W型乳化物の粘度は、25℃又は100℃で1〜10000mPa・sであることが好ましい。
【0025】
1 /W型乳化物とO2 相の重量比率は、10:90〜80:20であることが好ましい。O1 /W/O2 型乳化物中の全界面活性剤の含有量は、内容液の乳化特性の観点より、0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜20重量%がより好ましく、3〜20重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。O1 /W相の乳化粒径は、0.1〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.1〜1μmである。O1 /W/O2 型乳化物の粘度は25℃又は100℃で1〜1000mPa・sであることが好ましい。
【0026】
1 /W/O2 型乳化物の場合、界面活性剤は、カプセルの生成率の観点から、O1 相又は、O1 相とW相の両方に含有させるのが好ましく、O1 相の分散相に含有させるのがより好ましい。界面活性剤の分散相での含有量は、乳化物中の全界面活性剤の20重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは全量を分散相中に含有させるのがよい。
【0027】
なお、W/O型乳化物又はO1 /W/O2 型乳化物の水との界面張力が、好ましくは1mN/m以上、より好ましくは5mN/m以上、さらに好ましくは10mN/m以上、特に好ましくは20mN/m以上になるように、界面活性剤の添加する相、組成、乳化粒径、温度、粘度等を前記範囲内で適宜調製するのが好ましい。
【0028】
なお、前記界面張力は、管の端面が管の長手方向に対して直角であり、該管の端面に口径a(mm)の孔を有する1mm単位の目盛りつきピペットを用い、該ピペット内には、相対的に比重の大きな液を入れたのち、該ピペットの端部を比重の小さい液中に挿入したのち、ピペット内の液を液滴生成間隔が1秒以上となるようにコックによって調整し、一定量の液が流出するまでの液滴数を数え、流出液体の体積を液滴数で除して、1液滴の大きさを求め、かかる液滴が球状であると仮定して相当直径dを算出したのち、式:
d/a=1.74(σ/(a2 gΔρ))0.38
〔式中、aはキャピラリー径(m)、dは液滴の大きさ(m)、gは重力加速度(9.8kg/sec2 )、σは界面張力(mN/m)、Δρは密度差(kg/m3 )を示す〕
に基づいて求めることができる。
【0029】
本発明の製造方法では、例えば、2重ノズルの外ノズルから皮膜形成液体、内ノズルからW/O型乳化物又はO1 /W/O2 型乳化物を連続的に気相又は液相中で吐出させ、二層液滴を形成させる。
【0030】
また、この場合、液相としては実質的に皮膜形成液体と混合又は溶解しないものであれば特に限定されないが、製造上、特開平6−55060号第10欄12行〜31行に記載の硬化剤又はゲル化剤が好ましく、これらの中では、流動パラフィン及びトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンがより好ましい。
【0031】
次いで、該二層液滴の皮膜形成液体を物理的又は化学的手段により硬化又はゲル化させてカプセル粒子を生成させる。ここで物理的手段としては、例えば、皮膜形成液体を冷却した硬化剤と接触させて冷却することにより硬化させる方法等が、化学的手段としては皮膜形成液体と硬化剤との化学反応によりゲル化させる方法等が用いられるが、皮膜形成液体を硬化又はゲル化させる方法であればこれらに限定されない。
【0032】
本発明の製造方法では、前記のように2重ノズルから各液体を吐出させて二層液滴を形成させるが、この際に二層液柱に振動を与えることにより、カプセル粒子の粒径、皮膜厚さ等をより均一に調整することができる。二層液滴に振動を与える方法としては、特に限定はなく、例えば、ノズルに振動を与える方法、ノズルに流入する液体に脈流を与える方法、ノズルから吐出した二層液柱の外相に振動を与える方法等が挙げられる。二層液柱に与える振動数は液柱線速度及び使用する液体粘度より適宜選択され、これらと振動数、ノズルからの吐出流量等との関係により、カプセル粒子の粒径を制御することも可能である。この際に、与える振動数としては、特に限定はなく、カプセル粒子の生産性及びカプセル粒子の粒径の均一性の点で1〜3000Hz、好ましくは1〜2000Hz、特に好ましくは1〜1000Hzである。1Hz未満では、振動が充分ではなく、3000Hzを越えるとカプセル粒子の粒径が不均一となる。なお、本発明では、振動を与えず液滴を得る方法も選択される。
【0033】
カプセル粒子径としては、特に限定はなく、0.1mm〜2cmであることが好ましい。また、ノズル構造が簡素な2重ノズルを用いることにより、0.1〜5mmのカプセル粒子が製造しやすくなる。
【0034】
皮膜率(皮膜率=皮膜重量/カプセル重量×100%)は1〜80重量%が好ましく、より好ましくは3〜50重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0035】
次に、得られた二層液滴から水分を除去し、内層の水分濃度を10重量%以下にする。本発明においては、このように得られた二層液滴から水分を除去し、内層の水分濃度を10重量%以下にすることにより、分散相に存在している親水性界面活性剤が連続相の油性成分に移行し、乳化特性に優れたカプセル粒子を得ることができるという優れた効果が発現される。
【0036】
二層液滴から水分を除去する方法としては、特開平6−55060号公報第12欄17行〜第13欄17行に記載の水分除去方法等の公知の方法が挙げられる。その具体例としては、熱風乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法、抽出による水分除去等の公知の水分除去方法が挙げられる。
【0037】
カプセル粒子の内層の水分濃度は、W相中に存在している界面活性剤が油性成分に十分に溶解又は分散し、良好な内溶液の水への乳化分散性を得る観点から、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。なお、カプセル粒子内層の水分濃度は、公知の方法で調べることができる。具体的には、カプセル粒子の内容液を取り出し、カール・フィッシャー法により、カプセル粒子の内層の水分濃度を測定することができる。
【0038】
水分除去後の皮膜層の水分濃度は、カプセル単体での保存に十分なカプセル強度を得る観点から、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。皮膜層の水分濃度は、乾燥減量法(KETT水分計)で測定することができる。
【0039】
カプセル粒子中の油性成分と界面活性剤の重量比率は、カプセル化及び油性成分の水への乳化分散性の観点から好ましくは70:30〜99:1、より好ましくは75:25〜98:2、特に好ましくは80:20〜95:5である。
【0040】
このようにして得られたカプセル粒子は、乳化特性に優れるものである。例えば、カプセル粒子の内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記攪拌条件下で、得られた混合液を攪拌して内層の油性成分を乳化分散させた場合には、乳化相の分離がほとんどなく、実質的に水と分離していない状態が観察される。
【0041】
攪拌条件:
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm、高さ20cm)
攪拌翼:アンカー翼(翼径5cm、翼高さ5cm、翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
攪拌時間:30秒
【0042】
即ち、カプセル内層の油性成分は水浴中では直ちにきれいに乳化分散し、この白濁乳化した水中の表面には、油浮きもなく、油相の分離がなく乳化分散した状態のままである。
【0043】
本発明によると、2重ノズルを用いたカプセル化装置により、油性成分と親水性界面活性剤を含有したカプセル粒子が製造可能となる。さらに本粒子の内容物の油性成分が容易に水中で乳化するカプセル粒子の製造が可能となる。かくして得られたカプセル粒子は、各種の用途に応じて有用成分、添加剤等を適宜配合して医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品等の分野に利用可能である。
【0044】
【実施例】
(A)皮膜液
ゼラチンAP−100(新田ゼラチン(株)製)を40重量部、グリセリン4重量部、イオン交換水56重量部を70℃で攪拌溶解させ、脱気後、55℃に調温し皮膜液(粘度:310mPa・s)とした。
【0045】
(B)W/O型乳化物▲1▼
イオン交換水25重量部にポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート〔HLB:11〕13.5重量部、ソルビタンセスキオレエート〔HLB:3.7〕1.5重量部を溶解後〔平均HLB:10.3〕、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン60重量部を投入し、ホモミキサーで乳化しW/O型乳化物▲1▼(水との界面張力:7mN/m)を得た。W相中の界面活性剤含有量は100重量%であった。
【0046】
(C)W/O型乳化物▲2▼
イオン交換水25重量部にポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート13.5重量部を溶解後、ソルビタンセスキオレエート1.5重量部〔平均HLB:10.3〕とトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン60重量部を溶解した液を投入し、ホモミキサーで乳化しW/O型乳化物▲2▼(水との界面張力:6mN/m)を得た。W相中の界面活性剤含有量は90重量%であった。
【0047】
(D)O/W/O型乳化物
トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン4.8重量部にポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.8重量部、ソルビタンセスキオレエート1.4重量部〔平均HLB:10.3〕を溶解後、イオン交換水28.6重量部を投入し、ホモミキサーで乳化しO/W型乳化物を得た。O相中の界面活性剤含有量は100重量%であった。次いで、O/W型乳化物にトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン52.4重量部を投入し、ホモミキサーで乳化しO/W/O型乳化物(水との界面張力:16mN/m)を得た。O/W/O型乳化物中のO/W相に存在する界面活性剤含有量は100重量%であった。
【0048】
(E)界面活性剤溶液
ポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート18重量部、ソルビタンセスキオレエート2重量部と、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン80重量部を溶解し、界面活性剤溶液を得た。
【0049】
(F)硬化液
トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを5℃に冷却し、硬化液とした。
【0050】
(G)2重ノズル
内ノズル内径が0.87mm、外径が1.07mmで、外ノズル内径が1.22mmの2重ノズルを用いた。
【0051】
(H)W/O型乳化物▲3▼
ソルビタンセスキオレエート15重量部(HLB:3.7)とトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン60重量部を溶解後、イオン交換水25重量部を投入し、ホモミキサーで乳化しW/O型乳化物▲3▼(水との界面張力:25mN/m)を得た。W相中の界面活性剤含有量は、0重量%であった。
【0052】
実施例1
2重ノズルを用い、外ノズルより70℃の皮膜液を流量12.1〔g/min〕で、内ノズルよりW/O型乳化物▲1▼を流量28.4〔g/min〕で31Hzの振動を与え、同時に5℃の硬化液中に吐出させ、カプセル粒子を得た。該カプセル粒子を内層の水分濃度を8.2%になるように乾燥させ、皮膜率20重量%、粒子径3mmのカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:14.2重量%)を得た。なお、以下の実施例2〜4及び比較例1〜3、5で得られたカプセル粒子は、いずれも皮膜率20重量%、粒子径3mmのものであった。
【0053】
実施例2
内ノズルよりW/O型乳化物▲1▼を流し、内層の水分濃度を0.2%に乾燥させた以外は、実施例1と同様にしてカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:12.7重量%)を製造した。
【0054】
実施例3
内ノズルよりW/O型乳化物▲2▼を流し、内層の水分濃度を0.1%に乾燥させた以外は、実施例1と同様にしてカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:11.4重量%)を製造した。
【0055】
実施例4
皮膜液を流量11.5〔g/min〕で、内ノズルよりO/W/O型乳化物を流し、30Hzの振動を与え、内層の水分濃度を0.8%に乾燥させた以外は実施例1と同様にしてカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:12.4重量%)を製造した。
【0056】
比較例1
実施例1のカプセル粒子を乾燥させず、カプセル粒子(皮膜層の水分濃度:56.0重量%)を得た。
【0057】
比較例2
比較例1で得られたカプセル粒子を内層の水分濃度を15.1%に乾燥させ、カプセル粒子(皮膜層の水分濃度:16.8重量%)を得た。
【0058】
比較例3
皮膜液を流量11.5〔g/min〕で、内ノズルよりO/W/O型乳化物を流し、30Hzの振動を与え、内層の水分濃度を11.8%に乾燥させた以外は実施例1と同様にしてカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:17.2重量%)を得た。
【0059】
比較例4
2重ノズルを用い、外ノズルより70℃の皮膜液を流量16.1〔g/min〕で、内ノズルより界面活性剤溶液を流量2〜28.4〔g/min〕で変化させ、1〜100Hzの振動を与え、同時に0〜10℃の硬化液中に吐出させたが、カプセル粒子は得られなかった。
【0060】
比較例5
内ノズルよりW/O型乳化物▲3▼を流し、内層の水分濃度を0.1%に乾燥させた以外は実施例1と同様にしてカプセル粒子(皮膜層の水分濃度:14.2重量%)を製造した。
【0061】
<乳化評価>
カプセル化が可能であった実施例1〜4と比較例1〜3、5のカプセルの内容液について、図1の装置を用いて、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の攪拌条件下で乳化特性試験を行った。乳化直後の状態を肉眼観察し、評価を行った。その結果を表1に示す。
【0062】
攪拌条件:
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm、高さ20cm)
攪拌翼:アンカー翼(翼径5cm、翼高さ5cm、翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
攪拌時間:30秒
【0063】
ここで、乳化特性の評価は以下の基準に基づいて行った。
○:乳化相の分離がほとんど無いか、又は乳化相から遊離した油滴がほとんど無い。
△:乳化相の分離による水相が存在するか、又は乳化相の分離による遊離油滴が存在。
×:乳化相がほとんど無く、油性成分が遊離した油滴又は油相として存在。
【0064】
【表1】
Figure 0004208208
【0065】
表1に示された結果より、実施例1〜4のカプセルの内容液は、比較例1〜3、5のカプセルの内容液に比べて、いずれも優れた乳化特性を有することがわかる。また、乳化物としてノズルから供給した実施例1〜4では、カプセル化が良好であるのに対し、界面活性剤と油性成分の種類が同一であるが乳化物ではない比較例4ではカプセル化が不可能であった。
【0066】
【発明の効果】
本発明のカプセル粒子の製造方法を用いることにより、装置の構成が簡素な2重ノズルを用いて、乳化特性に優れた、油性成分と親水性界面活性剤を含有したカプセル粒子を製造することが可能となる。さらに本粒子の内容物の油性成分が容易に水中で乳化するカプセル粒子の製造が可能となる。得られたカプセル粒子は、医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品等の分野に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、乳化特性試験をするのに用いる装置を示す。
【符号の説明】
1 3リットルビーカー
2 モーター
3 アンカー翼
D 翼径(5cm)
H 翼高さ(5cm)
m 翼幅(1cm)
h 翼の上面から水面までの距離(cm)

Claims (3)

  1. 2重ノズルを用いたカプセル粒子の製造方法であって、外ノズルから皮膜形成液体を、内ノズルから水性成分、HLBが7〜18の非イオン界面活性剤及び油性成分を含有した、水との界面張力が5mN/m以上のW/O型乳化物又はO/W/O 型乳化物を、連続的に吐出させて二層液滴を形成させた後、該二層液滴の皮膜形成液体を硬化又はゲル化させ、さらに水分を除去し、内層の水分濃度を10重量%以下にするカプセル粒子の製造方法。
  2. カプセル粒子の内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で攪拌した後40℃において、該内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものである請求項1記載のカプセル粒子の製造方法。
    攪拌条件:
    容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm、高さ20cm)
    攪拌翼:アンカー翼(翼径5cm、翼高さ5cm、翼幅1cm)
    翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
    翼の回転数:150rpm
    攪拌時間:30秒
  3. 乳化物の分散相にHLBが7〜18の非イオン界面活性剤の20重量%以上を含有させる請求項1又は2記載のカプセル粒子の製造方法。
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