JP4206760B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は冷凍空調装置等に用いられる密閉型圧縮機に係り、特に密閉型圧縮機のリサイクル性を高める配管構造およびリサイクル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の家庭用ルームエアコン等に搭載される密閉型圧縮機は、密閉容器が有底円筒状容器に蓋体が全周溶接されて構成される。この密閉容器内に冷媒を圧縮するロータリ式の圧縮機構部および該圧縮機構部を主軸を介して駆動する固定子と回転子から構成される電動機部が収納されている。なお密閉容器が、両端開放の円筒容器の両側に、蓋体と底体を溶接固着して形成される密閉型圧縮機も存在する。
【0003】
圧縮機構部で圧縮された冷媒を、密閉容器外部へ吐き出す吐出管は銅管にて形成され、ルームエアコン等の冷凍空調装置に本圧縮機が搭載されるとき、冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管と、この銅管で形成される吐出管がリン銅ろうを使ってろう付にて接合される。吐出管は通常、蓋体が有底円筒状容器に溶接される以前に、蓋体に予め銀ろうを使ってろう付にて固定されている。銅管の吐出管を、鋼鈑をプレス成形して製作される蓋体に固定する方法は、銀ろうによるろう付以外にも、黄銅ろうなど、鉄と銅をろう付固定できる他のろう材によるろう付もある。また溶接によって固定する方法もある。なお吐出管は密閉容器の外部に向かって蓋体から突出しているだけでなく、密閉容器の内部にも伸長される。これは主として密閉容器底部に溜められた潤滑油が、圧縮された冷媒とともに吐出管を経て、装置側冷凍回路へ流出することを防止するためのいわゆる油上がり対策によるものである。
【0004】
圧縮機構部にある、冷媒を圧縮するために容積を減じていく圧縮室に、直接液冷媒が流入しないようにロータリ式の密閉型圧縮機には、一構成要素としてアキュームレータが設置される。アキュームレータは一般的に筒状の密閉容器で形成され、通常上側と下側の2つの有底円筒状容器が、互いの開放面を対向して接合される。この時の接合は一般的に銅ろうによるろう付で、炉中で行われることが多い。
【0005】
アキュームレータ上部には、吸入管が固定され、前記の吐出管同様に銅管にて形成され、ろう付や溶接にて、鋼鈑をプレス成形した上側の有底円筒状容器(以降、上側容器と表記)に固定される。吸入管はアキュームレータ外部に突出するだけでなく、アキュームレータ内部に固定されるバッフル板に流入した冷媒を確実にぶつけられるように、このバッフル板に近い位置まで、アキュームレータ内部に伸長される。また、ルームエアコン等の冷凍空調装置に本圧縮機が搭載されるときは、冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管と、この銅管から形成される吸入管がリン銅ろうを使ってろう付にて接合される。
【0006】
近年、地球環境保護の観点から、廃棄物からの資源回収、そしてその再利用が強く望まれ、法的にも2001年4月より家電リサイクル法が施行された。ルームエアコンや冷蔵庫といった冷凍空調装置に搭載される密閉型圧縮機に対してもリサイクルが必要であり、その方法として、液体窒素や液化天然ガスを使って金属の脆化温度まで密閉型圧縮機を冷却したあと、破砕装置により機械的な外力を加えて密閉型圧縮機を破砕し、その破砕片を磁力選別機や渦電流機等の分別手段を用いて、鉄、銅、アルミニウム等の種類別に分別回収するものがある。破砕装置内部で密閉型圧縮機は、回転歯とのぶつかりや破砕片同士のぶつかり合いによって、破砕片が所要の大きさになるまで破砕装置内部を対流し、破砕、ほぐされ、破砕装置の排出口より破砕片が排出される。
【0007】
【特許文献】
特公平7−26628号公報(2頁、第1図)
特公平7−103860号公報(第1図、第4図)
特開平6−182249号公報(3−5頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の密閉型圧縮機を破砕装置で破砕すると、回転歯との接触で本体より分離した蓋体やアキュームレータの上側容器が、他の破砕片や破砕装置内壁との接触で、細片化されることなく、そのまま塊状に塑性変形し、その破砕塊が排出口より排出されることが時折起こり、その際にはその塊状の破砕物内に銅管が埋没されている場合が多い。蓋体であれば吐出管が、アキュームレータの上側容器であれば吸入管が、塊状に塑性変形した蓋体あるいは上側容器の内側に埋没されてしまう。
【0009】
特に、吐出管または吸入管の密閉容器あるいはアキュームレータ外部に突出している部分は、回転歯等との接触で蓋体および上側容器が本体から分離する以前に破断されることが多く、破砕塊に埋没されることは少ないが、内部に伸長している部分が、蓋体あるいは上側容器の塑性変形時にそのまま埋没してしまうのである。
【0010】
内部に銅管を埋没させた蓋体あるいは上側容器の破砕塊は、破砕装置から排出後の分別手段において、外部を鉄が覆っているので、磁力選別機によって鉄として分別回収される。しかし蓋体あるいは上側容器の破砕塊の内部には銅管が埋没しているので、分別した鉄には銅が混入していることになる。銅が含まれる鉄は耐食性が悪くなるため、分別回収した鉄に銅が混入していると、鉄としての価値は下がり、鉄として有効に再利用されないという問題点が生じる。
【0011】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、密閉型圧縮機を破砕装置で破砕して、その破砕片を鉄、銅、アルミニウム等に分別回収する際、鉄として分別回収される破砕片の中に、銅が混入しないような密閉型圧縮機を提供することにある。
【0012】
また、この発明は、密閉型圧縮機を破砕装置で破砕して、その破砕片を鉄、銅、アルミニウム等に分別回収する際、鉄として分別回収される破砕片の中に、銅が混入しないような密閉型圧縮機のリサイクル方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる密閉型圧縮機は、底体を有する円筒状容器に、鋼板から成形された蓋体を溶接して構成される密閉容器と、この密閉容器内に収納され、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、鋼管にて形成されるとともに蓋体にろう付または溶接にて固着され、圧縮機構部で圧縮された冷媒を密閉容器の外部へ吐き出す吐出管と、を備え、吐出管が、蓋体の開口下端に近い位置まで密閉容器の内部に伸長される部分と、前記蓋体に固着される部分と、前記密閉容器の外部に突出する部分と、を有し、吐出管の密閉容器外部に突出する部分の端部外表面には銅メッキ層が形成され、当該密閉型圧縮機を搭載する冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管ろう付さるとともに、銅メッキ層以外の吐出管の密閉容器外部に突出する部分の外表面には塗装処理され、銅メッキ層は、その長さ寸法が、冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されているものである。
【0016】
この発明に係わる密閉型圧縮機は、筒状の密閉容器で形成されるとともに、当該密閉型圧縮機の一構成要素として設置され、圧縮機構部の圧縮室への直接的な液冷媒の流入を防止するアキュームレータと、鋼管にて形成されるとともにアキュームレータにろう付または溶接にて固着され、アキュームレータに冷媒を流入する吸入管と、アキュームレータ内部に固定され、アキュームレータと圧縮機構部の圧縮室を連結する連結管に液冷媒が直接流入しないように、吸入管から流入した液冷媒を分散させるバッフル板と、を備え、吸入管が、バッフル板に近い位置までアキュームレータの内部に伸長される部分と、アキュームレータに固着される部分と、アキュームレータの外部に突出する部分と、を有し、吸入管のアキュームレータ外部に突出する部分の端部外表面には、銅メッキ層が形成され、当該密閉型圧縮機を搭載する冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管ろう付さるとともに、銅メッキ層以外の吸入管のアキュームレータ外部に突出する部分の外表面には塗装処理され、銅メッキ層は、その長さ寸法が、冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されているものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1を示す密閉型圧縮機の断面図であり、図2は蓋体部分の拡大断面図である。図において、密閉容器1は、有底円筒状容器2に蓋体3が全周溶接されて構成されている。そして、この密閉容器内には冷媒を圧縮するロータリ式の圧縮機構部Kおよび圧縮機構部Kを主軸4を介して駆動する固定子13aと回転子13bから構成される電動機部Mが収納されている。上記圧縮機構部Kで圧縮された冷媒を上記密閉容器1の外部へ吐き出す吐出管5は、鋼管にて形成されていて、上記蓋体3には、ろう付または溶接で固定されている。上記蓋体3も鋼鈑からプレス成形されているので、鉄同士の接合となり、溶接による接合が容易になる。
【0021】
またろう付する場合には、銅ろうやリン青銅ろうがろう材として使用される。密閉容器1底部に溜められた潤滑油が、圧縮された冷媒とともに吐出管5を経て、装置側冷凍回路へ流出することを防止するためのいわゆる油上がり対策によって、吐出管5は密閉容器1内部に伸長されている。
【0022】
また、吐出管5の上部外表面には表面処理形成部が形成され、本実施の形態では、銅メッキが施され、該表面処理形成部には銅メッキ層9が形成される。ルームエアコンや冷蔵庫等の冷凍空調装置に密閉型圧縮機を搭載する際には、この表面処理形成部の銅メッキ層9の部分に冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管をリン銅ろうでろう付することで、密閉型圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応できる。
【0023】
この実施の形態1の密閉型圧縮機は、密閉容器1内部に伸長される部分の吐出管5が鋼管であるので、破砕時、蓋体3が分離して塊状に塑性変形して、その塊状の内部に内部に伸長している吐出管5が埋没してしまっても、埋没した吐出管が鉄であるので、その破砕塊には銅の混入はなく、破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0024】
なお、表面処理形成部の銅メッキ層9以外の密閉容器外部に露出している吐出管5の外表面には塗装処理が施される。密閉型圧縮機は、組立完了後に塗装処理されるが、この塗装工程の際に、銅メッキ層9以外の密閉容器外部に露出している吐出管5の外表面にも塗装処理を施すものである。この部分に塗装処理がなされていないと、鋼管であるため錆が発生し、腐食して、冷媒洩れの発生や吐出管の折損に至る危険性が生じてしまうのである。なお塗装処理は、密閉容器1外部に露出している鋼管の外表面全面を確実に被覆するために、銅メッキ層9の下部まで塗装してしまっても構わない。以上によって、露出している鋼管に錆が発生する危険を確実に回避できる。
【0025】
また、もし銅メッキ層9を施さない場合、すなわち鋼管のままの吐出管では、上記の錆による危険性から、密閉容器外部に露出している吐出管5の全外表面に塗装処理を施す必要が生じ、そのように全表面を塗装してしまうと、冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管とのろう付が不可能となってしまう問題が生じる。もし銅メッキ層9を施さない鋼管のままの吐出管で、冷凍回路の銅配管とのろう付該当部位にキャップをかぶせ、それ以外の密閉容器外部に露出している吐出管には塗装処理を施し、冷凍空調装置搭載時にそのキャップを取外してろう付すれば、ろう付は可能となり、搭載までの期間の錆の発生は防止できるが、キャップで保護する部位、すなわち塗装処理が施されない部位の長さ寸法は、ろう付時にろう材が確実に塗装面に行かないように、冷凍回路の銅配管との重ね代より余裕を持つ必要があり、かつその重ね代は精度良く管理できる寸法ではないので、冷凍回路の銅配管とのろう付完了後に、吐出管5に塗装処理が施されていない表面が残る可能性が高く、その部分にその後、錆が発生してしまう危険がある。冷凍回路の銅配管とのろう付完了後に、残った非塗装面を新たに塗装処理する方法も考えられるが、搭載時の作業工程を増やすことになり、作業性が低下してしまう。
【0026】
さらに、鋼管との銅配管のろう付では、ろう材としてリン銅ろうが使用できず、銀ろうなどに変更しなければならないので、ろう材のコストが上昇したり、フラックス材が必要となってそのコストも上乗せされたり、ろう付作業方法が変更されるといった不都合も生じてしまう。しかし、この実施の形態の密閉型圧縮機では、表面処理形成部に銅メッキ層9が形成されているので、密閉型圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応でき、また銅メッキ層9の長さ寸法を冷凍回路の銅配管との重ね代より余裕を持つ寸法としておけば、塗装面にろう材が行くこともなく、非塗装面が残っても、そこには銅メッキ層9があるので、錆が発生する危険も回避できる。
【0027】
なお、吐出管5と冷凍回路の銅配管との接合は、上記したリン銅ろうによるろう付だけでなく、従来から実施していた接合方法であれば、そのまま適用可能である。
【0028】
吐出管5は、鋼管の必要部位に銅メッキ層の表面処理を施せばよい。鋼管は鋼板を丸めて継ぎ目を溶接したシーム管でも、引き抜き、押出しまたは深絞りによって製作される継ぎ目なし管のどれでもよい。また予め必要部位に銅メッキを施した鋼鈑を深絞りによって管状に形成してもよい。
【0029】
この発明の実施の形態1による工程順序としては、表面処理形成部に銅メッキ層9が施された吐出管5が蓋体3にろう付または溶接で固定される。その後で吐出管5を固着した蓋体3が、有底円筒状容器2に溶接固定され、その後に蓋体3や有底円筒状容器2の外表面ともども、表面処理形成部の銅メッキ層9以外の密閉容器外部に露出している吐出管5の外表面が塗装処理される順序となる。
【0030】
図2では、吐出管5の上部の表面処理形成部に銅メッキを施し、銅メッキ層9を形成したが、図3に示すように、表面処理形成部に銅を圧着させて、銅層10を形成してもよい。代表的なものとしては、銅と鋼板のクラッド材がある。このクラッド材を深絞りして、吐出管5を製作する。必要部位にだけ銅層10が圧着されているようなクラッド材を深絞りして管状に製作すればよい。このように圧着した銅層10を有するようにしても、図2の銅メッキ層9を有する吐出管5と同様な効果を奏すことができる。
【0031】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2を示す蓋体3部分の拡大断面図である。図示されない他の部位は、上記実施の形態1と同様で説明は省略する。図4に示す吐出管5は、鋼管部分51と銅管部分52がろう付されて形成されていて、密閉容器1外部に、銅管部分52の全てと一部の鋼管部分51が突出する。鋼管部分51が蓋体3とろう付または溶接され、固定される。そして発明の実施の形態1と同様に、吐出管5は密閉容器1内部に伸長されていて、この部分は鋼管部分51となっている。図4では、鋼管部分51と銅管部分52の接合は、銅管部分52の下部を拡径し、鋼管部分51の上部に拡径部をかぶるように重ね合わせ、銀ろう材にてろう付しているが、逆に鋼管部分51の上部が拡径され、銅管部分52の下部に重ね合わせてもよい。但し銅管部位52を拡径する方が作業は容易である。また両者の接合は、銀ろう以外のろう材によるろう付でもよいし、溶接してもよい。
【0032】
また、ルームエアコンや冷蔵庫等の冷凍空調装置に密閉型圧縮機を搭載する際には、この銅管部分52に冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管はリン銅ろうでろう付することで、密閉型圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応できる。
【0033】
そして、この実施の形態2の密閉型圧縮機は、密閉容器1内部に伸長される部分の吐出管5が鋼管部分51あるので、破砕時、蓋体3が分離して塊状に塑性変形して、その塊状の内部に伸長している吐出管5が埋没してしまっても、埋没した吐出管は鋼管部分51で鉄であるため、その破砕塊には銅の混入はなく、破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0034】
なお、銅管部分52以外の密閉容器外部に露出している吐出管5、それは一部の鋼管部分51に該当するが、その外表面には塗装処理が施される。密閉型圧縮機は、組立完了後に塗装処理されるが、この塗装工程の際に、銅管部分52以外の密閉容器外部に露出している吐出管5の外表面にも塗装処理を施すものである。この部分に塗装処理がないと、鋼管部分51であるため錆が発生し、腐食して、冷媒洩れの発生や吐出管の折損に至る危険性が生じてしまうのである。なお塗装処理は、密閉容器1外部に露出している鋼管部分51の外表面全面を確実に被覆するために、銅管部分52の下部まで塗装してしまっても構わない。以上によって、露出している鋼管部分51に錆が発生する危険が確実に回避できる
【0035】
この実施の形態2の工程としては、鋼管部分51と銅管部分52を予めろう付や溶接で接合して吐出管5を製作しておき、その吐出管5の鋼管部分51を蓋体3にろう付または溶接して、その蓋体3を有底円筒状容器2に溶接固定し、塗装する順序でもよく、銅管部分51のみ蓋体3にろう付または溶接で固定しておき、その後で銅管部分52をろう付または溶接し、その蓋体3を有底円筒状容器2に溶接固定し、塗装する順序でもよい。また、鋼管部分51のみ蓋体3にろう付または溶接で固定しておき、その蓋体3を有底円筒状容器2に溶接固定し、その後で鋼管部分51に銅管部分52をろう付または溶接固定して吐出管5を完成させ、その後に塗装処理する順序でもよい。
【0036】
鋼管部分52は、鋼板を丸めて継ぎ目を溶接したシーム管を使用しても、引き抜き、押出しまたは深絞りによって製作される継ぎ目なし管のどれでもよい。
【0037】
図5に示す形態は、図4に示す形態と同様に、鋼管部分51と銅管部分52を接合して吐出管5を形成するものであるが、鋼管部分51と銅管部分52の端面同士を突き合わせた状態で接合している。鋼管部分51の上端面と銅管部分52の下端面が突き合わされ、その状態で両管がろう付または溶接されている。このように吐出管5を形成しておくと、この密閉型圧縮機を破砕装置で破砕する際、鋼管部分71と銅管部分72の接触面積が小さいので、銅管部分52が容易に鋼管部分51から離脱させることでき、純度の高い銅として分別回収できる。また蓋体3が塑性変形する際に、万が一にも密閉容器1外部に露出している吐出管部分までも取り込んで塊状に変形してしまっても、蓋体3が有底円筒状容器2から分離するより以前に、銅管部分52が鋼管部分51から離脱するので、蓋体3の破砕塊に銅が混入することは避けられ、蓋体3の破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。なお工程や鋼管の製作方法は、図4に示す形態と同様である。
【0038】
図6に示す実施の形態は、図4に示す実施の形態2と同様に、鋼管部分51と銅管部分52を接合して吐出管5を形成するものであるが、銅管部分52の重ね合わせ部近傍の外表面には、図7に示すようにノッチ11が形成される。ノッチ11は重ね合わされていない部分で、かつ重ね合わせ部になるべく近い位置に設ける。ノッチ11は、全周に連続的に形成されてもよく、間隔を設けて複数個形成してもよい。このようにノッチ11を形成しておくことで、この密閉型圧縮機を破砕装置で破砕する際、銅管部分52がノッチ11を起点に容易に切断させることでき、純度の高い銅として分別回収できる。また蓋体3が塑性変形する際に、万が一にも密閉容器1外部に露出している吐出管部分までも取り込んで塊状に変形してしまっても、蓋体3が有底円筒状容器2から分離するより以前に、銅管部分52がノッチ11を起点に切断されるので、蓋体3の破砕塊への銅の混入は、重ね合わせ部分のわずかな量に抑えることができ、蓋体3の破砕塊は品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0039】
なお工程は、図4に示す形態と同様であって、図7に示すように予めノッチ11を銅管部分52に形成しておいてもよいし、鋼管部分51に接合後に、ノッチ11を形成してもよい。なお鋼管の製作方法は、図4に示す形態と同様である。
【0040】
図8は、密閉型圧縮機を破砕装置で破砕し、その破砕片を分別回収するリサイクル方法を示す概念図である。バケット20から密閉型圧縮機30が破砕装置40に投入され、破砕装置40内の回転歯41とのぶつかりや、破砕片31同士のぶつかり合いによって、破砕片31が所要の大きさになるまで、破砕装置40内部を対流し、破砕、塑性変形し、破砕装置40の排出口42より破砕片31が排出される。排出口42から排出された破砕片31はベルトコンベア60によって搬送され、磁力選別機や渦電流機等の分別手段80により鉄、銅、アルミニウム等の種類別に分別回収される。
【0041】
図1から図7に示すこの発明の実施の形態1又は2の吐出管5を有する密閉型圧縮機を、図8に示しその概念を示すリサイクル方法により、破砕し、破砕片を分別回収する密閉型圧縮機のリサイクル手順を図9に示すフローにより説明する。
【0042】
まず、ステップS1で圧縮機のリサイクル方法をスタートさせる。次にステップS2の圧縮機吐出管の破断で、破砕装置40に投入された密閉型圧縮機30が、回転歯41や他の密閉型圧縮機との接触によって、まず密閉容器1外部に突出する吐出管5が破断される。次に、ステップS3の蓋体切断分離で、蓋体3が有底円筒状容器2から切断分離されるる。そして、ステップS4の蓋体破砕魂排出において、分離された蓋体3が塊状に塑性変形し破砕塊となり、蓋体3の破砕塊が破砕装置40の排出口42から排出される。ステップS5の分別回収において、分別手段80によって鉄として回収される。最後にステップS6の分別素材の再利用にて、蓋体3の破砕塊は鉄として再利用されるが、その破砕塊には銅管の混入がなく、純度の高い、品位のある鉄として有効に再利用可能となる。また、他の材料も当然再利用されるものである。
【0043】
実施の形態3.
上記までは、この発明の吐出管5と蓋体3について述べたが、吐出管5を吸入管7に、蓋体3をアキュームレータ6の上側容器6aにあてはめても、吐出管5と蓋体3の場合と同様な効果を奏することができる。図1において、6がアキュームレータで、上側容器6aと下側容器6bが互いの開放面を対向して接合され、密閉状の容器を形成する。このアキュームレータ6上部には、吸入管7が固定される。そして上側容器6aには、吸入管7とは垂直する方向にバッフル板12が固定される。バッフル板12の形状は、外周側に複数の穴を有する円板となっている。吸入管7から流入した液冷媒が、アキュームレータ6と圧縮機構部Kの圧縮室を連結する連結管8a,8bに直接流入しないように、バッフル板12中央部に一旦流入した冷媒を、流速を有した状態でぶつけ、液冷媒を分散させ、外周部の穴から下方へ落とすことで、連結管8a,8bへの液冷媒の直接流入を防止する。そしてバッフル板12の中央部に流入した冷媒が確実にぶつかるように、吸入管7はバッフル板12に近い位置まで、アキュームレータ6内部に伸長されている。
【0044】
図10はこの発明の実施の形態3を示す吸入管7周りの部分拡大断面図であり、図示されない他の部位は図1と同様で、説明は省略する。図10に示す吸入管7は鋼管にて形成され、上部外表面には第2の表面処理形成部が形成され、本実施の形態では、銅メッキが施されており、銅メッキ層16が形成される。ルームエアコンや冷蔵庫等の冷凍空調装置に密閉型圧縮機を搭載する際には、この第2表面処理形成部の銅メッキ層16の部分に冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管をリン銅ろうでろう付することができるので、密閉型圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応できる。
【0045】
この実施の形態3の密閉型圧縮機は、アキュームレータ6内部に伸長される部分の吸入管7が鋼管であるので、破砕時、上側容器6aが分離して塊状に塑性変形して、その塊状の内部に内部に伸長していた吸入管7が埋没してしまっても、埋没した吸入管が鉄であるので、その破砕塊には銅の混入はなく、破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0046】
なお、第2表面処理形成部の銅メッキ層16以外のアキュームレータ6外部に露出している吸入管7の外表面には塗装処理が施される。密閉型圧縮機は、組立完了後に塗装処理されるが、この塗装工程の際に、銅メッキ層16以外の密閉容器外部に露出している吸入管7の外表面にも塗装処理を施すものである。この塗装処理によって、露出している鋼管に錆が発生する危険を確実に回避できる。
【0047】
図10では、吸入管7の上部の第2表面処理形成部に銅メッキを施し、銅メッキ層16を形成したが、図11に示すように、第2表面処理形成部に銅を圧着させて、銅層14を形成してもよい。代表的なものとしては、銅と鋼板のクラッド材がある。このクラッド材を深絞りして、吸入管7を製作する。必要部位にだけ銅層14が圧着されているようなクラッド材を深絞りして管状に製作すればよい。このように圧着した銅層14を有するようにしても、図10の銅メッキ層16を有する吸入管7と同様な効果を奏すことができる。
【0048】
実施の形態4.
図12は、この発明の実施の形態4を示す吸入管7付近の拡大断面図である。図示されない他の部位は上記の実施の形態と同様で、説明は省略する。図12に示す吸入管7は、鋼管部分71と銅管部分72がろう付されて形成されていて、アキュームレータ6外部に、銅管部分72の全てと一部の鋼管部分71が突出し、そして発明の実施の形態3と同様に、アキュームレータ6内部に鋼管部分71が伸長されている。両者の接合は、銀ろう以外のろう材によるろう付でもよいし、溶接してもよい。
【0049】
ルームエアコンや冷蔵庫等の冷凍空調装置に密閉型圧縮機を搭載する際には、この銅管部分72に冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管はリン銅ろうでろう付することで、密閉型圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応できる。
【0050】
そして、この実施の形態4の密閉型圧縮機は、アキュームレータ6内部に伸長される部分の吸入管7が鋼管部分71あるので、破砕時、上側容器6aが分離して塊状に塑性変形して、その塊状の内部に伸長している吸入管7が埋没してしまっても、埋没した吸入管は鋼管部分71で鉄であるため、その破砕塊には銅の混入はなく、破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0051】
また、銅管部分72以外のアキュームレータ6外部に露出している吸入管7、それは一部の鋼管部分71に該当するが、その外表面には塗装処理を施すので、露出している鋼管部分71に錆が発生する危険を確実に回避できる。なお塗装処理は、アキュームレータ6外部に露出している鋼管部分71の外表面全面を確実に被覆するために、銅管部分72の下部まで塗装してしまって構わない。
【0052】
図13に示す形態は、図12に示す形態と同様に、鋼管部分71と銅管部分72を接合して吸入管7を形成するものであるが、鋼管部分71と銅管部分72の端面同士を突き合わせた状態で接合している。鋼管部分71の上端面と銅管部分72の下端面が突き合わされ、その状態で両管がろう付または溶接されている。このように吸入管7を形成しておくと、この密閉型圧縮機を破砕装置で破砕する際、鋼管部分71と銅管部分72の接触面積が小さいので、銅管部分72が容易に鋼管部分71から離脱させることでき、純度の高い銅として分別回収できる。また上側容器6aが塑性変形する際に、万が一にもアキュームレータ6外部に露出している吸入管部分までも取り込んで塊状に変形してしまっても、上側容器6aが下側容器6bから分離するより以前に、銅管部分72が鋼管部分71から離脱するので、上側容器6aの破砕塊に銅が混入することは避けられ、上側容器6aの破砕塊は純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0053】
図14に示す実施の形態4は、図12に示す形態と同様に、鋼管部分71と銅管部分72を接合して吸入管7を形成するが、銅管部分72の重ね合わせ部近傍の外表面には、図15に示すように、ノッチ15が形成される。ノッチ15は重ね合わされていない部分で、かつ重ね合わせ部になるべく近い位置に設ける。ノッチ15は、全周に連続的に形成されてもよく、間隔を設けて複数個形成してもよい。このようにノッチ15を形成しておくことで、この密閉型圧縮機を破砕装置で破砕する際、銅管部分72がノッチ15を起点に容易に切断させることでき、純度の高い銅として分別回収できる。また上側容器6aが塑性変形する際に、万が一にもアキュームレータ6外部に露出している吸入管部分までも取り込んで塊状に変形してしまっても、上側容器6aが下側容器6bから分離するより以前に、銅管部分72がノッチ15を起点に切断されるので、上側容器6aの破砕塊への銅の混入は、重ね合わせ部分のわずかな量に抑えることができ、上側容器6aの破砕塊は品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となる。
【0054】
なお上記した吸入管7となる鋼管は、鋼板を丸めて継ぎ目を溶接したシーム管を使用しても、引き抜き、押出しまたは深絞りによって製作される継ぎ目なし管のどれでもよい。
【0055】
図10から図15に示すこの発明の実施の形態3又は4の吸入管7を有する密閉型圧縮機を、図8にその概念を示すリサイクル方法により、破砕し、破砕片を分別回収する密閉型圧縮機のリサイクル手順を図16に示すフローにより説明する。
【0056】
まず、ステップS11でリサイクル方法をスタートさせる。次に、ステップS12のアキュームレータ吸入管の破断で、破砕装置40に投入された密閉型圧縮機30が、回転歯41や他の密閉型圧縮機との接触によって、まずアキュームレータ6外部に突出する吸入管7を破断する。次にステップS13のアキュームレータ容器上下切断分離において、有底円筒状のアキュームレータ上側容器6aが有底円筒状の下側容器6bから切断分離する。そして、ステップS14の容器破砕魂排出で、分離された上側容器6aが塊状に塑性変形し破砕塊となり、上側容器6aの破砕塊が破砕装置40の排出口42から排出される。ステップS15の分別回収で、分別手段80によって鉄として回収される。最後に、ステップS16の分別素材再利用において、アキュームレータ上側容器6aの破砕塊は鉄として再利用されるが、その破砕塊には銅管の混入がなく、純度の高い、品位のある鉄として有効に再利用可能となる。また、他の材料も当然再利用されるものである。
【0057】
この発明の実施の形態4による密閉型圧縮機は、蓋体3やアキュームレータ上側容器6aが塊状に塑性変形してしまい、その破砕塊が破砕装置40から排出されても、その破砕塊には銅管の混入はない。銅管で形成される吐出管や吸入管を有する従来の密閉型圧縮機では、蓋体3やアキュームレータ上側容器6aの破砕塊が破砕装置40で作られた時には、その破砕塊には銅管が内部に埋没してしまう場合がある。その破砕塊がそのまま排出口42から排出されると鉄として分別回収されてしまうため、分別回収した鉄に銅が混入してしまうことになる。従来のままの密閉型圧縮機で、そのような銅管が埋没した破砕塊を破砕装置40から排出しないようにしようとすれば、破砕塊をより細かな破砕片になるまで破砕装置40内部に対流させ、破砕塊を小片にして、銅管と蓋体3あるいは上側容器6aと分離させなければならなくなる。
【0058】
破砕装置40にて作られる破砕片31の大きさは、排出口42の大きさで決定される。排出口42の大きさを小さく設定すれば、それだけ排出される破砕片31も小さくなる。よって破砕塊をより小さな破砕片になるまで、破砕装置40内部を対流させようと思えば、排出口42をより小さく設定すればよい。しかし排出口42の大きさを小さく設定すればするほど、密閉型圧縮機30を破砕装置40に投入してから、排出口42から破砕片31が排出されるまでの時間が多く必要となってくる。それは破砕装置40を駆動するエネルギーがそれだけ多く必要となってくるということであり、エネルギー節約の観点からは破砕に要する時間はなるべく短いほうがよい。それは破砕片31の大きさを、できる限り大きい状態で排出した方がよいということであり、破砕片31は次工程の分別手段80で分別回収できる範囲で、なるべく大きい方がよいのである。
【0059】
また密閉型圧縮機は、冷凍空調装置搭載時には密閉容器1内部に潤滑油を有している。破砕装置40に投入される以前に、この潤滑油の多くは抜き取られる工程を有するが、完全に密閉容器1内部から除去されるわけではなく、少量は残留している。破砕装置40内部での対流時間が長いほど、破砕片31の温度は高温になる。また破砕装置40の内部では、回転歯41とのぶつかりや破砕片31同士のぶつかり合いから、頻繁に火花が飛び散っている。破砕時間をあまり長く設定すると、破砕片31の温度が、その破砕片31に付着している潤滑油の引火点より高温となり、上記した火花が発火源となって、付着している潤滑油に引火し、火災が発生する危険がある。そのためエネルギー節約だけでなく、破砕時の安全確保すなわち発火させないという観点からも破砕に要する時間はなるべく短いほうがよい。
【0060】
この発明の実施の形態による密閉型圧縮機、ならびにこの発明の実施の形態の密閉型圧縮機のリサイクル方法では、蓋体3やアキュームレータ上側容器6aが塊状に塑性変形しても、その破砕塊の内部に銅管が埋没されることがないので、あえて破砕塊をより細かい破砕片にまで破砕する必要はなく、そのため破砕時間を長く設定しなくとも、その後の分別手段80で鉄と銅は正確に分別できる。家庭用のルームエアコンや冷蔵庫に搭載され、銅管で吐出管や吸入管を形成している従来の密閉型圧縮機では、蓋体3やアキュームレータ上側容器6aの破砕塊をより小さな破砕片になるまで、破砕装置40内部を対流させようと思えば、破砕片の大きさを決定する排出口42の大きさをφ25mm以下に設定しなければならなった。
【0061】
この発明の実施の形態による密閉型圧縮機ならびにこの発明の実施の形態による密閉型圧縮機のリサイクル方法では、家庭用のルームエアコンや冷蔵庫に搭載される密閉型圧縮機を対象にした場合、排出口42の大きさをφ50mm以上に設定し、蓋体3やアキュームレータ上側容器6aの破砕塊が塊のまま排出されたとしても、鉄と銅が正確に分離でき、分別精度の向上という効果が得られる。しかもその分別精度向上のために、破砕時間を長くする必要がないので、破砕に要するエネルギーの節約と破砕時の安全性が確保できるという効果までも併せ持つものである。
【0062】
上記した排出口42は、円形で形成されるため、その大きさをφ50mm以上に設定できると明記したが、四角形で形成され場合は、50mm×50mm以上に設定できる。また、排出口42が破砕装置40の内壁を外径とした円環状に形成される場合は、その円環の幅(外半径と内半径の差)を50mm以上に設定できる。またさらに、破砕片31の大きさを決定する因子が排出口42の大きさでなく、例えば破砕装置40の内壁と回転歯41との隙間で決定されるような場合など、排出口42の大きさ以外の因子を有する破砕装置の場合は、その因子の大きさがφ50mm以上に相当する大きさに設定する。
【0063】
以上に明記した密閉型圧縮機は、ロータリ圧縮機を対象としたが、スクロール圧縮機など他の密閉型圧縮機の場合でも、容器内部伸長される吐出管や吸入管を有する密閉型圧縮機であれば、同様な構成とすることで、同様な効果を奏することができる。また内部に伸長される管を有する容器であれば、密閉型圧縮機だけでなく、例えば、空調装置に搭載される液溜め容器や油分離器など他の機械や部品であっても、同様な構成とすることで、同様な効果を奏することができる。
【0064】
【発明の効果】
この発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内部に伸長する部分の吐出管が鋼管であるので、密閉型圧縮機を破砕し、その破砕片を分別回収する密閉型圧縮機のリサイクルにおける密閉型圧縮機の破砕時に、蓋体が分離して状に塑性変形して、その破砕塊の内部に、密閉容器内部に伸長する部分の吐出管が埋没してしまってもその破砕塊を純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となり、また破砕塊をより細かい破砕片にまで破砕する必要がないために破砕時間を長くする必要がな、破砕に要するエネルギーの節約と火災発生の危険回避による破砕時の安全性確できるという効果が得られ、密閉型圧縮機のリサイクルに大きく貢献できる。また、吐出管の密閉容器外部に突出する部分の端部外表面の銅メッキ層の部分に、冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管をろう付することで、当該密閉圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応でき、さらに、銅メッキ層の長さ寸法が、冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されていることで、吐出管の密閉容器外部に突出する部分に塗装処理が施されない非塗装面が残っても、その部分には銅メッキ層があるので、鋼管に錆が発生する危険が回避できる。
【0065】
またこの発明の密閉型圧縮機は、アキュームレータ内部に伸長する部分の吸入管が鋼管であるので、密閉型圧縮機を破砕し、その破砕片を分別回収する密閉型圧縮機のリサイクルにおける密閉型圧縮機の破砕時に、吸入管が固着されるアキュームレータ上側容器が分離して状に塑性変形して、その破砕塊の内部に、アキュームレータ内部に伸長する部分の吸入管が埋没してしまってもその破砕塊を純度の高い、品位のある鉄として分別回収でき、有効に再利用可能となり、また破砕塊をより細かい破砕片にまで破砕する必要がないために破砕時間を長くする必要がな、破砕に要するエネルギーの節約と火災発生の危険回避による破砕時の安全性確できるという効果が得られ、密閉型圧縮機のリサイクルに大きく貢献できる。また、吸入管のアキュームレータ外部に突出する部分の端部外表面の銅メッキ層の部分に、冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管をろう付することで、当該密閉圧縮機搭載時の作業工程や使用するろう材を従来と変化させることなく対応でき、さらに、銅メッキ層の長さ寸法が、冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されていることで、吸入管のアキュームレータ外部に突出する部分に塗装処理が施されない非塗装面が残っても、その部分には銅メッキ層があるので、鋼管に錆が発生する危険が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による密閉型圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による密閉型圧縮機を示すノッチ近傍拡大断面図である。
【図8】 この発明の密閉型圧縮機のリサイクル工程を示す概念図である。
【図9】 この発明の実施の形態1又は実施の形態2による密閉型圧縮機のリサイクル手順を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態3による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4による密閉型圧縮機を示す要部拡大断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態4による密閉型圧縮機要部拡大断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態4による密閉型圧縮機を示すノッチ近傍拡大断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態3又は実施の形態4による密閉型圧縮機のリサイクル手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 有底円筒状容器、3 蓋体、5 吐出管、6 アキュームレータ、6a 上側容器、6b 下側容器、7 吸入管、9 表面処理形成部、10 銅層、11 ノッチ、14 銅層、15 ノッチ、16 第2表面処理形成部、30 密閉型圧縮機、31 破砕片、40 破砕装置、42 排出口、51 鋼管部分、52 銅管部分、71 鋼管部分、72 銅管部分。

Claims (2)

  1. 底体を有する円筒状容器に、鋼板から成形された蓋体を溶接して構成される密閉容器
    この密閉容器内に収納され、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    鋼管にて形成されるとともに、前記蓋体にろう付または溶接にて固着され、前記圧縮機構部で圧縮された冷媒を前記密閉容器の外部へ吐き出す吐出管と、を備え、
    前記吐出管が、前記蓋体の開口下端に近い位置まで前記密閉容器内部に伸長される部分と、前記蓋体に固着される部分と、前記密閉容器外部に突出する部分と、を有し、
    前記吐出管の密閉容器外部に突出する部分の端部外表面には銅メッキ層が形成され、当該密閉型圧縮機を搭載する冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管ろう付さるとともに、前記銅メッキ層以外の前記吐出管の密閉容器外部に突出する部分の外表面には塗装処理され、
    前記銅メッキ層は、その長さ寸法が、前記冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 筒状の密閉容器で形成されるとともに、当該密閉型圧縮機の一構成要素として設置され、圧縮機構部の圧縮室への直接的な液冷媒の流入を防止するアキュームレータ
    鋼管にて形成されるとともに、前記アキュームレータにろう付または溶接にて固着され、前記アキュームレータに冷媒を流入する吸入管と、
    前記アキュームレータ内部に固定され、前記アキュームレータと前記圧縮機構部の圧縮室を連結する連結管に液冷媒が直接流入しないように、前記吸入管から流入した液冷媒を分散させるバッフル板と、を備え、
    前記吸入管が、前記バッフル板に近い位置まで前記アキュームレータ内部に伸長される部分と、前記アキュームレータに固着される部分と、前記アキュームレータ外部に突出する部分と、を有し、
    前記吸入管のアキュームレータ外部に突出する部分の端部外表面には銅メッキ層が形成され、当該密閉型圧縮機を搭載する冷凍空調装置の冷凍回路の銅配管ろう付さるとともに、前記銅メッキ層以外の前記吸入管のアキュムレータ外部に突出する部分の外表面には塗装処理され、
    前記銅メッキ層は、その長さ寸法が、前記冷凍回路の銅配管との重ね代よりも長く形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
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