JP4205468B2 - 生物ろ過方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物ろ過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水中の懸濁物質(SS)や溶解性有機物などを高度に除去するため、従来より生物ろ過設備が利用される。この生物ろ過設備として、例えば特許文献1に開示のように、下向流式の生物ろ過槽を備えた設備がある。この下向流式の生物ろ過槽を利用した生物ろ過では、槽上部から流入された被処理水は、ろ材を充填したろ床に下向に通水され、ろ材間を通過するときにろ材表面に付着した生物膜によりSSの捕捉と溶解性有機物の分解が行われる。ろ床の下方にはブロワから供給される加圧空気が導入され、この加圧空気が集水ノズルを通して生物ろ過槽内のろ床に散気されることで、生物膜中の微生物の呼吸や有機物の代謝、酸化分解に必要な酸素の供給が行われる。
【0003】
このような生物ろ過設備を利用した従来の生物ろ過方法では、下水処理中は生物膜に含まれる好気性細菌を活性化するため、常にブロワからの散気が行われていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−319865号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の生物ろ過方法では、例えば降雨時等において生物ろ過槽に流入する下水量が増加し、ろ過速度が大きくなって高負荷運転になると、圧損上昇が大きくなってろ過水位が上昇していた。そして、下水量が通常の状態に戻っても一度上昇した圧損が下がらなかったため、それ以降はろ過水位が上昇し易くなってしてしまい、次の逆洗までの時間が短くなって処理効率の低下を招いてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するために為されたものであり、圧損上昇を抑制して逆洗頻度の増加を抑制し、処理水質の著しい低下を招くことなく処理効率の向上を図ることを可能とする生物ろ過方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、生物ろ過槽に流入する下水量が増加するときに圧損上昇が起こる原因について鋭意検討した。そして、ろ過水位が上昇した生物ろ過槽100を点検したところ、図12に示すように、ろ床102内に広く空気の層104が形成されていることを見出した。この空気の層104は、生物ろ過槽100に流入する下水量が増加したことに伴う水位の上昇(ΔH)により、ブロワ106から下部空間108を通してろ床102に散気された空気が上昇しようとする上向きの力Uと、この空気の上昇を妨げる下向の力Dとが均衡して形成されたものと推測された。そして、この空気の層104が被処理水のろ床102の通過を妨げ、これにより圧損上昇が起こると考えられた。
【0008】
そこで発明者は、生物ろ過槽100に流入する下水量が増加するとき、ブロワ106からの散気を停止すると、このような空気の層104が形成されることなく、圧損上昇が生じなくなることを見出した。ここで、処理水質を高く維持するためには、生物ろ過槽100内は散気により好気性環境下に維持する必要があり、長時間の散気の停止は処理水質の著しい劣化を招くと常識的には考えられていたが、比較的長時間散気を停止しても、処理水質の著しい劣化は生じないことが分かった。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0011】
本発明に係る生物ろ過方法は、下向流式の複数の生物ろ過槽と、複数の生物ろ過槽内に散気するための散気手段とを備えた生物ろ過設備を利用し、複数の生物ろ過槽それぞれに被処理水を供給し、散気手段により散気しながら複数の生物ろ過槽内で被処理水を生物ろ過する生物ろ過方法である。この方法では、複数の生物ろ過槽のうち少なくとも一つの生物ろ過槽を逆洗するときに、逆洗する生物ろ過槽への被処理水の供給を停止し、逆洗する生物ろ過槽以外の槽の少なくとも一つに逆洗する生物ろ過槽へ供給されていた分の被処理水を供給して、被処理水の供給量が所定値を越える槽について、散気手段による散気を停止することを特徴とする。
【0012】
この方法によれば、複数の生物ろ過槽のうち少なくとも一つの生物ろ過槽の逆洗により、他の生物ろ過槽に流入する被処理水の量が所定値を越えて増加して、ろ過速度が大きくなって高負荷運転になっても、他の生物ろ過槽において圧損上昇によりろ過水位が上昇することを回避することができる。従って、全体として逆洗頻度の上昇が抑制され、処理効率の上昇が図られる。しかも、処理水質の著しい劣化を招くおそれもない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る生物ろ過方法を実施するのに好適な生物ろ過設備の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、生物ろ過設備10は下向流式の生物ろ過槽12を備えている。
【0014】
生物ろ過槽12は、仕切り板14により上部空間16と下部空間18とに分割されている。図1に示すように、仕切り板14には、上部空間16と下部空間18とを連通する複数の集水ノズル20が貫通形成されている。この集水ノズル20は、ろ床22において処理した処理水を下部空間18に送り出すと共に、散気ブロワ24から下部空間18を通して送られてくる散気用空気を上部空間16に案内する。また集水ノズル20は、逆洗時に下部空間18を通して逆洗ブロワ26及び逆洗水槽30から送られてくる逆洗用空気及び逆洗水を上部空間16に案内する。このように、この生物ろ過槽12は槽上部から導入された被処理水をろ床に22おいてろ過処理し、槽下部から取り出す構成となっており、これを下向流式と呼ぶ。
【0015】
仕切り板14上には、ろ床22が設けられている。ろ床22は、被処理水中の溶解性有機物を酸化・分解するための生物膜が付着可能な複数の粒子(ろ材)から構成されている。ろ床22を構成する粒子としては、例えば多孔質セラミック(焼結粘土を含む)、ゼオライト、プラスチックろ材などが挙げられる。これらのうち、安価でかつ最適比重を有することから、多孔質セラミック粒子が好ましい。ここで、多孔質セラミック粒子としては、空隙率が40〜50%で、SiO2などを成分として含むものが好適に用いられる。ろ床22を構成する粒子の平均粒径は、0.5〜10mm程度であると好ましく、5〜7mm程度であるとより好ましい。また、ろ床22を構成する粒子32としては、水より大きなの真比重を有するものが用いると好ましい。ろ床22の厚さは2〜3m程度とすると好ましい。
【0016】
このろ床22の上方には、ろ床22に向かって被処理水を均等に分配供給するための分配管34が設けられている。
【0017】
また、生物ろ過槽12の側壁部外面には、被処理水受入ラインL1を通して被処理水を受け入れ、生物ろ過槽12内に供給するための被処理水受入部36が設けられおり、上記した分配管34とは、被処理水供給ラインL2により接続されている。
【0018】
また、生物ろ過槽12内の上部には、逆洗時の逆洗排水を排出するための排水トラフ44が配置されている。この排水トラフ44は、生物ろ過槽12の側壁部外面に設けられた逆洗排水を受け入れる逆洗排水受入部46と連通されている。
【0019】
また生物ろ過設備10は、逆洗時の逆洗排水を貯留する逆洗排水槽48を備えている。この逆洗排水槽48は、上記した逆洗排水受入部46と逆洗排水ラインL3を介して接続されている。
【0020】
また生物ろ過設備10は、生物ろ過槽12内でろ床22に散気するための散気ブロワ24を備えている。この散気ブロワ24は、散気ラインL4を介して生物ろ過槽12の下部空間18と接続されている。なお、散気ブロワ24と散気ラインL4とにより散気手段が構成される。
【0021】
また生物ろ過設備10は、ろ床22の逆洗時に使用する逆洗用空気を送り出すための逆洗ブロワ26を備えている。この逆洗ブロワ26は、逆洗ラインL5を介して生物ろ過槽12の下部空間18と接続されている。
【0022】
また生物ろ過設備10は、生物ろ過槽12で処理された処理水を貯留して分水するための分水槽50を備えている。分水槽50と生物ろ過槽12の下部空間18とは、集水ラインL6を介して接続されている。また分水槽50には処理水排出ラインL7が設けられており、生物ろ過された処理水が系外に排出されるようになっている。
【0023】
また生物ろ過設備10は、ろ床22の逆洗時に使用する逆洗水を貯留する逆洗水槽30を備えている。この逆洗水槽30は、逆洗水受入ラインL8を介して分水槽50と接続されている。また、逆洗水槽30は逆洗水供給ラインL9を介して生物ろ過槽12の下部空間18と接続されている。逆洗水供給ラインL9上には逆洗ポンプ58が設けられており、高い水圧で逆洗水を生物ろ過槽12へ供給できるようになっている。
【0024】
次に、上記した構成の生物ろ過設備10を使用した本実施形態に係る生物ろ過方法について説明する。
【0025】
被処理水は、被処理水受入ラインL1を通して被処理水受入部36に受け入れられる。被処理水は、例えば下水管から送られてきた下水に対し複数回の沈澱処理を施した二次処理水である。
【0026】
被処理水受入部36に受け入れられた被処理水は、被処理水供給ラインL2を通して生物ろ過槽12内に供給される。生物ろ過槽12内に供給された被処理水は、分配管34により下向流でろ床22上に均等に供給される。
【0027】
そして、ろ床22を通過するときにろ材表面に付着した生物膜により、懸濁物質(SS)の捕捉と溶解性有機物の酸化・分解が行われる。ろ床22においてろ過処理された処理水は、集水ノズル20を通して生物ろ過槽12の下部空間18に流出される。
【0028】
下部空間18に溜まった処理水は、集水ラインL6を通して分水槽50に送られ、処理水の一部は処理水排出ラインL7を通して系外に排出され、また処理水の他の一部は逆洗水受入ラインL8を通して逆洗水槽30に送られる。
【0029】
このような被処理水のろ過処理時においては、生物ろ過槽12内のろ床22は、散気ラインL4を通して散気ブロワ24から送られてくる散気用空気により、集水ノズル20を通して常時散気され、好気状態が維持される。これにより、ろ材32に付着した生物膜中の微生物の呼吸や有機物の代謝、酸化分解に必要な酸素の供給が行われる。被処理水のろ過速度は、通常120〜240m/日程度であり、散気時の空気の量は、被処理水中のBOD濃度によるが、0.2〜0.4Nm3/m3程度である。
【0030】
ろ床22を構成するろ材間に懸濁物質が目詰まりし、生物ろ過槽12内の水位(ろ抗)が上昇して限界値を超えたとき、ろ床22の逆洗が行われる。この逆洗時には、逆洗ブロワ26から逆洗ラインL5を通して逆洗用空気が生物ろ過槽12の下部空間18に送られると共に、逆洗水槽30からの逆洗水が逆洗水供給ラインL9を通して生物ろ過槽12の下部空間18に送られる。この逆洗用空気及び/又は逆洗水からなる逆洗流体は、集水ノズル20を通して生物ろ過槽12の上部空間16に導入され、ろ材の間に目詰まりした懸濁物質などが剥離されて、ろ床22の上方に排出される。ろ床22から排出された懸濁物質を含む水は、水位の上昇に伴って排水トラフ44に流入され、逆洗排水受入部46を通って逆洗排水ラインL3を介して逆洗排水として逆洗排水槽48に送られる。なお、逆洗条件は、被処理水の水質、要求される処理水の水質、水温などに依存するが、例えば以下の通りである。即ち、空気及び水を用いた同時逆洗においては、空気の流量が50〜60Nm3/m2/時、水の流量が25〜30m3/m2/時程度であり、水を用いた逆洗においては、水の流量が50〜60m3/m2/時程度である。また、逆洗頻度は、被処理水の水質、および最大水位(ろ抗)によるが、1〜2回/日である。
【0031】
ここで、本実施形態に係る生物ろ過方法では、通常運転時において降雨等により生物ろ過槽12内に流入する被処理水の流入量が所定値を越えるとき、散気ブロワ24による散気を停止することが極めて特徴的である。
【0032】
生物ろ過槽12内に流入する被処理水の流入量が所定値を越えるか否かは、例えば被処理水受入ラインL1上に設けられた流量センサ等により自動で検出してもよいし、生物ろ過設備10の運転者が人為的に判断してもよい。また、散気ブロワ24は、例えば流量センサからの信号に基づいて自動で停止してもよいし、運転者が人為的に停止しても良い。なお、散気ブロワ24を停止する基準としての被処理水の流入量の所定値は、例えば通常の流入量を180m/日(ろ過速度)としたとき、220m/日(ろ過速度)と定められる。
【0033】
そして、降雨等が止んで被処理水の流入量が上記所定値を下回り、生物ろ過槽12内の水位が通常運転状態の水位に戻ったとき、散気ブロワ24を再起動して、ろ床22への散気を再開する。
【0034】
以上詳述したように、本実施形態に係る生物ろ過方法では、生物ろ過槽12に流入する被処理水の量が所定値を越えて増加し、ろ過速度が大きくなって高負荷運転になったとき、散気ブロワ24による散気を停止している。このように、被処理水の流入量に基づいて散気ブロワ24のオン・オフを制御することで、ろ床22内で空気の層が形成されることに基づく圧損上昇がなくなり、水位(ろ抗)が上昇することを回避することができる。その結果、逆洗頻度の上昇が抑制され、被処理水の処理効率の上昇を図ることが可能となる。しかも、この散気ブロワ24の停止期間中に処理された処理水の水質の著しい劣化を招くおそれもない。
【0035】
図2〜図4は、ろ床におけるろ過速度及び散気ブロワ24からの曝気速度(散気速度)を種々変化させたときの、生物ろ過槽12におけるろ過処理の経過時間と水位との関係を示すグラフである。ここで図2〜図4は、それぞれろ床22の高さが2m、1.5m、及び1mのときの結果を示している。
【0036】
図2において丸印、三角印、及び四角印にて示すように、曝気速度が一定のとき、ろ過速度が大きくなるに伴って水位の上昇が早くなることが分かる。これは、通常のろ材間の目詰まりの他にろ床22内で空気の層が形成され、被処理水が通水され難くなったことによるものである。なお、図2において菱形印は、通常のろ材間の目詰まりに基づく水位の上昇具合を示している。
【0037】
また図3及び図4に示すように、曝気速度が高くなると水位が上昇し易くなることが分かる。また曝気を停止するとろ過速度が高くても水位が上昇し難くなることが分かる。これらの結果から、生物ろ過槽12に流入する被処理水の流入量が所定値を越え、ろ過速度が高くなって高負荷運転になるようなときに、散気ブロワ24からの散気を停止することは、水位の上昇を抑制する上で極めて効果的であることが分かる。
【0038】
また図5は、ろ過速度及び曝気速度の違いによる処理水の水質への影響を示すグラフである。図5に示すように、ろ過速度が高くなると処理水の水質が低下することが分かる。ただし、ろ過速度が高い場合は、曝気のある無しで処理水の水質は同程度で、水質の著しい低下は見られないことが分かる。従って、生物ろ過槽12に流入する被処理水の流入量が所定値を越え、ろ過速度が高くなって高負荷運転になるようなときに、散気ブロワ24からの散気を停止しても処理水の水質の著しい低下は起こらないことが分かる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
【0039】
本実施形態に係る生物ろ過方法を実施するのに好適な生物ろ過設備70は、上記した第1実施形態に係る生物ろ過設備10を複数備えたものである。本実施形態では、特に生物ろ過設備が3つの場合について説明する。このとき、分水槽50や逆洗水槽30、逆洗排水槽48など3つの設備で共通化できるものは共通化されていてもよい。そして、3つの生物ろ過槽12には、共通の被処理水受入ラインL1を通して、被処理水が供給されるようになっている(いわゆるメリーゴーランド方式)。
【0040】
図6〜8は、本実施形態に係る生物ろ過方法において、生物ろ過設備70の運転状態と生物ろ過槽12a〜12c内の水位の様子を模式的に示す図である。
【0041】
図6(a)〜(c)に示すように、通常の運転状態では、第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cに被処理水受入ラインL1を介して被処理水が同量QWで供給される。また第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cには、散気ブロワ24から散気速度Qaで散気用空気が供給される。
【0042】
このような通常運転状態で、例えば図6(c)に示すように、第3の生物ろ過槽12cのろ床が目詰まりを起し、水位が限度位置を越えたとき、その槽12cについてろ床22の逆洗を行う。
【0043】
図7(c)に示すように、逆洗時には逆洗が行われる第3の生物ろ過槽12cへの被処理水の供給及び散気用空気の供給は停止される。代わりに、第3の生物ろ過槽12cには所定量QrWの逆洗水と所定量Qraの逆洗用空気の供給が行われる。これにより、第3の生物ろ過槽12cにおいてろ床22のろ材32間に目詰まりした懸濁物質等が剥離され、水位の上昇に伴って逆洗水と共に逆洗排水として、排水トラフ44から逆洗排水受入部(ここでは図示しない)46に送られる。
【0044】
第3の生物ろ過槽12cについて逆洗を行うときは、図7(a)及び7(b)に示すように、第3の生物ろ過槽12cに供給されていた分の被処理水を均等に分配し、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bにはそれぞれ1.5QWの被処理水を供給する。また、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bへの散気用空気の供給を停止する。
【0045】
第3の生物ろ過槽12cについて逆洗が終了すると、図8(a)〜8(c)に示すように、第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cに供給する被処理水量をそれぞれ通常運転時の量QWに戻す。また、第1〜第3のろ過槽12a〜12cへの所定量Qaの散気用空気の供給を開始する。このとき、図8(a)及び8(b)に示すように、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bについて、通常運転モードに戻った状態において水位の上昇はなく、この状態からろ過処理が継続されるため、逆洗の頻度が少なくなる。
【0046】
以上図6〜図8を参照して説明したように、第3の生物ろ過槽12cについて逆洗を行うとき、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bに流入する被処理水の量が増加し、ろ過速度が大きくなって高負荷運転になるが、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bへの散気用空気の供給を停止している。従って、ろ床22内で空気の層が形成されることがなく圧損上昇が生じることがないため、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12b内の水位(ろ抗)が上昇することを回避することができる。その結果、逆洗頻度の上昇が抑制され、被処理水の処理効率の上昇を図ることが可能となる。しかも、第3の生物ろ過槽12cの逆洗時に第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bで処理された処理水の水質の著しい劣化を招くおそれもない。また、逆洗の頻度が少なくなることから、逆洗排水量が減少して設備70の運転維持管理が容易になる。
【0047】
なお比較のため、従来の生物ろ過方法について図9〜図11を参照して説明する。図9〜11は、従来の生物ろ過方法において、生物ろ過設備70の運転状態と生物ろ過槽12a〜12c内の水位の様子を模式的に示す図である。
【0048】
図9(a)〜(c)に示すように、通常の運転状態では、第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cに被処理水受入ラインL1を介して被処理水が同量QWで供給される。また第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cには、散気ブロワ24から散気速度Qaで散気用空気が供給される。
【0049】
このような通常運転状態で、例えば図9(c)に示すように、第3の生物ろ過槽12cのろ床22が目詰まりを起し、水位が限度位置を越えたとき、その槽12cについてろ床22の逆洗を行う。
【0050】
図10(c)に示すように、逆洗時には逆洗が行われる第3の生物ろ過槽12cへの被処理水の供給及び散気用空気の供給は停止される。代わりに、第3の生物ろ過槽12cには所定量QrWの逆洗水と所定量Qraの逆洗用空気の供給が行われる。これにより、第3の生物ろ過槽12cにおいてろ床22のろ材32間に目詰まりした懸濁物質等が剥離され、水位の上昇に伴って逆洗水と共に逆洗排水として、排水トラフ44から逆洗排水受入部(ここでは図示しない)46に送られる。
【0051】
第3の生物ろ過槽12cについて逆洗を行うときは、図10(a)及び10(b)に示すように、第3の生物ろ過槽12cに供給されていた分の被処理水を均等に分配し、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bにはそれぞれ1.5QWの被処理水を供給する。このとき、従来の生物ろ過方法では、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bへの散気用空気の供給は継続されている。従って、ろ床22内に空気の層72が形成され、これにより目詰まりが生じて水位が上昇(ΔH)する。
【0052】
第3の生物ろ過槽12cについて逆洗が終了すると、図11(a)〜11(c)に示すように、第1〜第3の生物ろ過槽12a〜12cに供給する被処理水量をそれぞれ通常運転時の量QWに戻す。また、第3のろ過槽12cへの所定量Qaの散気用空気の供給を開始する。このとき、図11(a)及び11(b)に示すように、第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bについて、ろ床22内に空気の層72が形成されているため、通常運転モードに戻った状態でも、上昇した水位が下がることなく、この状態からろ過処理が継続されるため、逆洗が必要となる水位まで水位が容易に上昇し易くなって、次の逆洗までの時間が短くなる。
【0053】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、第1実施形態に係る生物ろ過方法を実施するための生物ろ過設備10は、図1に示される構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0054】
また、第2実施形態に係る生物ろ過方法において、生物ろ過槽12は3つに限定されることなく、2つ或いは4つ以上であってもよい。但し、生物ろ過槽12は6つ以下であると好ましい。
【0055】
また、上記した第2実施形態に係る生物ろ過方法では、第3の生物ろ過槽12cの逆洗時に、第3の生物ろ過槽12cに供給されていた分の被処理水を第1及び第2の生物ろ過槽12a,12bへ均等に分配していたが、例えば第1の生物ろ過槽12aのみに分配してこの槽の被処理水の供給量を2QWとしてもよい。この場合、逆洗時に第1の生物ろ過槽12aは散気を停止し、第2の生物ろ過槽12bは散気を継続してもよい。すなわち、一の槽の逆洗により被処理水の供給量が所定値を越える他の槽について散気を停止するようにすればよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、圧損上昇を抑制して逆洗頻度の増加を抑制し、処理水質の著しい低下を招くことなく処理効率の向上を図ることを可能とする生物ろ過方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る生物ろ過方法の実施に好適な生物ろ過設備の構成を模式的に示す図である。
【図2】ろ床におけるろ過速度及び散気ブロワからの曝気速度(散気速度)を種々変化させたときの、生物ろ過槽におけるろ過処理の経過時間と水位との関係を示すグラフである(ろ床の高さが2mのとき)。
【図3】ろ床におけるろ過速度及び散気ブロワからの曝気速度(散気速度)を種々変化させたときの、生物ろ過槽におけるろ過処理の経過時間と水位との関係を示すグラフである(ろ床の高さが1.5mのとき)。
【図4】ろ床におけるろ過速度及び散気ブロワからの曝気速度(散気速度)を種々変化させたときの、生物ろ過槽におけるろ過処理の経過時間と水位との関係を示すグラフである(ろ床の高さが1mのとき)。
【図5】ろ過速度及び曝気速度の違いによる処理水の水質への影響を示すグラフである。
【図6】第2実施形態に係る生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(通常運転時)。
【図7】第2実施形態に係る生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(逆洗時)。
【図8】第2実施形態に係る生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(逆洗時から通常運転に戻った時)。
【図9】従来の生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(通常運転時)。
【図10】従来の生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(逆洗時)。
【図11】従来の生物ろ過方法において、生物ろ過設備の運転状態と生物ろ過槽内の水位の様子を模式的に示す図である(逆洗時から通常運転に戻った時)。
【図12】従来の生物ろ過方法において、水位が上昇する要因を説明するための図である。
【符号の説明】
10…生物ろ過設備、12…生物ろ過槽、20…集水ノズル、22…ろ床、24…散気ブロワ、26…逆洗ブロワ、30…逆洗水槽、44…排水トラフ、48…逆洗排水槽、50…分水槽、58…逆洗ポンプ、L1…被処理水受入ライン、L2…被処理水供給ライン、L3…逆洗水排出ライン、L4…散気ライン、L5…逆洗ライン、L6…集水ライン、L7…処理水排出ライン、L8…逆洗水受入ライン、L9…逆洗水供給ライン。
Claims (1)
- 下向流式の複数の生物ろ過槽と、該複数の生物ろ過槽内に散気するための散気手段とを備えた生物ろ過設備を利用し、該複数の生物ろ過槽それぞれに被処理水を供給し、該散気手段により散気しながら該複数の生物ろ過槽内で被処理水を生物ろ過する生物ろ過方法であって、
前記複数の生物ろ過槽のうち少なくとも一つの生物ろ過槽を逆洗するときに、逆洗する生物ろ過槽への被処理水の供給を停止し、逆洗する生物ろ過槽以外の槽の少なくとも一つに逆洗する生物ろ過槽へ供給されていた分の被処理水を供給して、前記被処理水の供給量が所定値を越える槽について、前記散気手段による散気を停止することを特徴とする生物ろ過方法。
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