JP4199410B2 - スクラップレスによる中空部材の製造方法及びその装置並びにワッシャの製造方法 - Google Patents

スクラップレスによる中空部材の製造方法及びその装置並びにワッシャの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中実体の素材(コイル材・バー材)からスクラップ無しに、パイプや貫通穴部品の素材である中空部材を製造する方法及び装置、並びに、この方法を用いてワッシャを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パイプ等の中空部材の製造は、パイプ状バー材を素材として、切削機械にて、所定の寸法に送り込み、分離用刃物(突っ切りバイト)にて切断することで、完成品としていた。ことろが、分離用刃物(突っ切りバイト)にて切断分離する際にスクラップが発生する事と、生産速度が遅い事、素材のパイプ材の価格が高い事等の種々の問題がある。そのため、製品価格の点で競争力が無くなり、鍛造による加工方法に移行して来ているのが、現状である。
【0003】
鍛造による縦型プレスの製造方法では、中実体の素材を使用して、鋸切断又はシャー切断をして成形前素材を作り、この1個ずつの成形前素材に対して、カップ成形・穴抜きを行うことにより、完成品となる。ところが、切断された成形前素材に対しては、成形荷重を一定化させる為の焼鈍が必要であり、さらにカップ成形・穴抜加工を行う金型との焼け付き防止にのために、表面処理(ボンデライト・ボンダリューベ)を施す必要がある。そのため、完成品までの工程が長い事は勿論、成形・穴抜加工を行うため、スクラップの発生が防げない。
【0004】
そのため最近では、中実の連続したコイル材から、連続的に中空部材を生産させる事の出来る多段式フォーマーでの加工が開発されるに至っている。この加工方法は、生産速度も速い事で主流化しているが、多工程になり加工荷重の大きい機械が必要であり、カップ成形・穴抜きが必要なのでスクラップの解消は出来ない。
そこで、スクラップの解消を目的として、多段式フォーマーにおいて、素材にパイプ状のコイル材を使用して、パイプ成形する方法が開発されたが、素材価格が中実体コイル材の2倍と高く、製品価格の点で優位性が無く、完全な普及に至っていない。
【0005】
【発明が開発しようとする課題】
上述のように、中空部材の製造に関する現状の技術にあっては、素材価格の安い中実体素材を使用すると、完成品までに多工程を要すると共に、カップ成形・穴抜きして完成品を得る際、穴抜きした分はスクラップとなり素材の歩留まりの点でロスが大きいという課題を解決が発生する。他方、使用素材をパイプ状にすると、スクラップの発生を解消することはできても、素材価格が高くなってしまうという課題が発生する。
そこで、本願第1の発明は、中実体素材からスクラップなしで、中空部材を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本願の第2の発明は、中実体素材からスクラップなしで中空部材を製造し、この中空部材からワッシャを製造することができる方法の提供を目的とする。
本願の第3の発明は、構造や動作が簡素で、しかも、1工程の鍛造加工で中実体素材からスクラップなしで、中空部材(即ち、パイプ及び貫通穴部品の素材等)を成形する装置を実現することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の第1の発明は、連続した中実体からなる素材aの先端を、鍛造用の雌金型11と、雌金型11の前方に配位された雄金型12とによって成形するに際し、素材移送手段27によって、雌金型11の後方側から連続した中実体の素材aを雌金型11内に送り込み、雌金型11側で素材aを固定する素材固定手段21によって素材aを固定した状態で、雌金型11の前方から雄金型12を相対的に接近させることにより、素材aの先端をカップ状に形成し、雄金型12を雌金型11から相対的に離反させて、カップ状に成形した素材aの先端を切断手段31により切断すると共に、切断した先端a1を搬出し、新たに送り込まれた素材と雌金型11に残った素材aに対して、次回のカップ成形を行うことにより、連続してスクラップを発生させずに中空部材a1を製造できるようにしたスクラップレスによる中空部材の製造方法において、上記の切断手段31は、雌金型11とは別個に設けられたものであって、雌金型11の前方にて移動可能に配位されたものであり、
第1工程=雄金型12と雌金型11とが離反しており、切断手段31が雌金型11の前面の成形位置にて停止していると共に、素材aの先端が雌金型11に位置している状態で、素材aを固定する素材固定手段21によって、素材aを固定する工程。
第2工程=この雌金型11の前方から雄金型12を相対的に接近させることにより、素材aの先端をカップ状に形成する工程。
第3工程=雄金型12を雌金型11から相対的に離反させると共に、素材固定手段21による素材aの固定を解除し、目的とする中空部材の長さ分が切断手段31側に位置するように、素材移送手段27によって、素材aを移送する工程。
第4工程=切断手段31により、切断手段31側に位置する素材aの先端に成形されたカップ部分を切断して中空部材a1を成形する工程。
以上の第1〜第4工程を繰り返し行い、切断手段31の切断位置までの移送量を一定にする事により中空部材の長さを一定に規定し、外径・内径・高さが均一な中空部材を、成形・切断により製造することを特徴とするスクラップレスによる中空部材の製造方法を提供する。
このように、カップ状に成形した素材aの先端を切断するに際しては、雄金型12を雌金型11から離反させて、素材aと雄金型12とを相対的に移動させることにより所定長さ分だけ素材aの先端を雌金型11から出して、雌金型11から出た素材aの先端を切断手段31により切断するようすることが望ましい。これにより、切断した先端a1の長さを所望の長さに設定できる。但し、カップ状の成形の際に、素材aは雌金型11から延び上がるため、その伸び上がった部分のみを切断して目的の中空部材a1を得るようにするのであれば、切断前に素材aを移動させる必要はない。また、目的の中空部材a1の長さが、伸び上がった部分よりも短い場合には、切断前に素材aを雌金型11内に引き込むように、素材aを移動させたり、或いは、切断手段31による切断位置を調整したりすればよい。また、成形に際しては、雌金型11を固定し、雄金型12を移動するものとすることが実際的ではあるが、両金型11,12を移動させ、或いは、雌金型11をのみを移動させるようにして実施することも不可能ではない。
【0007】
本願の第2の発明は、中空部材a1を製造する1次工程と、この工程により製造された中空部材a1に対してさらに加工を加える2次工程とからなり、この1次工程は第1の発明に係る中空部材a1の製造方法であり、2次工程は、1次工程により製造された中空部材a1に対して、鍛造加工を加えてワッシャを製造する工程であることを特徴とするワッシャの製造方法を提供する。
【0008】
本願の第3の発明は、固定側雌金型11と、固定側雌金型11の前方に接近離反可能に配位された移動側雄金型12とを備えた開閉可能な鍛造用金型と、固定側雌金型11の前方にて、移動可能に配位された切断刃物31と、連続した中実体からなる素材aを、固定側雌金型11の後方から固定側雌金型11内を通して、前方に送ることができる素材移送手段27と、これらの金型11,12による成形時に、固定側雌金型11側で素材aを固定する素材固定手段21とを備え、切断刃物31は、移動側雄金型12を通過させることができると共に、成形された素材aの先端を受容することかできる貫通孔32を有しており、移動側雄金型12は、切断刃物31が固定側雌金型11の前方に配位された状態で、上記切断刃物31の貫通孔32内を通過して、素材固定手段21により固定側雌金11側で固定された素材aの先端をカップ状に成形するものであり、素材移送手段27は、上記のカップ状に成形された後、素材固定手段21による素材aの固定を解除し、目的とする中空部材の長さ分が切断刃物31側に位置するように素材aを移送するものであり、切断刃物31は、上記の素材移動手段27によって移送された素材先端a1を貫通孔32内に受容した状態で、移動することにより、受容した素材先端a1を素材本体aから切断して搬出するものであり、素材移送手段27よる切断刃物31への移送量を一定にする事により中空部材の長さを一定に規定し、外径・内径・高さが均一な中空部材を、成形・切断により製造することを特徴とする中空部材の製造装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本願発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本願の実施の形態に係る中空部材の製造工程を示す要部断面図である。
【0010】
この実施の形態に係る装置は、単発プレス・多段式鍛造機械の鍛造・送り・切断が同一工程内でできる装置であって、コイル材・バー材等の連続した中実体の素材aの先端に所定のカップ成形を行う成形機構と、
カップ成形された先端を切断して中空部材を得るための切断機構と、
切断された中空部材を排出する機構とを備える。
【0011】
成形機構は、ダイス11と、ダイス11の前方に対接離反可能に配位されたパンチ12とを備え、このダイス11とパンチ12が開閉可能な一組の鍛造用金型を構成する。尚、ダイス11は固定側雌金型に相当し、パンチ12は移動側雄金型に相当するものであり、以下の説明では、ダイス11は固定側雌金型と読み換えることができ、パンチ12は移動側雄金型と読み換えることができる。
ダイス11は、固定台13の前面部に備えられた固定ラム14に支持されており、パンチ12は、固定台13の正面において前後運動する移動ラム15に支持されている。これらのダイス11とパンチ12は、移動ラム15の前後運動により、対接離反することにより、ダイス11側に支持された素材aの先端をカップ状に鍛造加工する。ダイス11は筒状の成形部分を備える。他方、パンチ12は棒状をなし、ダイス11の筒状の成形部分に入り込んで、中実の素材aをカップ状に加工する。
【0012】
ダイス11及びこれを支持する固定ラム14の後部(図1では下部)は、連続した素材aをダイス11の成形部分内に移送し得るように開放されており、この開放部分が素材aの移送路を構成する。
ダイス11の後方には、成形時に素材aを固定するための素材固定手段が設けられている。この素材固定手段は、成形時に成形荷重に耐え得る力で素材aを固定するもので、この例では、素材戻り防止のクランプ21と、クランプの保持台22と、クランプに素材戻り防止の力を伝えるピン23と、クランプ21に素材戻り防止のクランプ力を発生させるカム24と、カム24の動きにピン23を追従させる為のスプリング25とを備えた機構を採用している。カム24は、電動機等の回転駆動源(図示せず)に接続された回転軸26によって回転し、クランプ21を開閉させる。詳しくは、カム24は、一定の径を備えた大径部24aと、大径部24aより小さな一定の径を備えた小径部24bと、両者24a,24b間をつないで径が徐々に変化する経過部24cとを備える。成形時には、カム24の回転に伴い、大径部24aにピン23の基端が位置するようになり、ピン23の先端がクランプ21を押圧して、クランプ21を閉じる。そして、成形後は、カム24の回転に伴い、経過部24cを経て小径部24bにピン23の基端が位置するようになり、スプリング25の付勢力によってピン23がカム24の動きに追随して後退し、ピン23の先端によるクランプ21の押圧を解除して、クランプ21を開き、素材aの移動を可能にする。
この素材固定手段は、成形時に成形荷重に耐え得る力で素材aを固定すると共に、素材aの移動時には素材aの固定を開放するものであれば適宜変更して実施し得るものであり、例えば、駆動源として流体圧シリンダ等の流体圧アクチュエータ等を用いたり、動力伝達手段としてギア、リンク機構等を用いたり、開閉の制御として電気的や機械的な制御手段を採用したりする等、適宜変更し得る。
【0013】
また、ダイス11の後方(この例では固定台13の後方)には、素材aを、ダイス11の後方からダイス内11を通して前方に送る為の素材移送手段が設けられている。この例では、素材移送手段として回転により素材aを送るようにした送りローラ27が採用されているが、コイル材・バー材等の連続した素材aを軸方向に移送できるものであれば、種々の形態のものに変更し得る。この素材移送手段27は、前述の素材固定手段のクランプ21の開閉に同期して、素材の送りが必要な時に、必要な長さ分だけ素材aを前方に送りだす。
【0014】
ダイス3の前面には、カップ状に形成された素材aの先端を切断するための切断機構が設けられている。この切断機構は、ダイス3の前面において移動する切断刃物31を有する。この切断刃物31は刃物支持体32によって支持されていると共に、移動手段33によって、移動させられる。図では、移動手段33の駆動源や動力伝達手段を図示していないが、流体圧シリンダや電動機等を駆動源として適宜伝達手段で、切断刃物31を移動させ、素材aの先端を切断する。さらに、この例では、切断のための刃物の駆動に加えて、切断後の排出のための移動を行うようにしている。
【0015】
この例では、切断刃物31は、形成時にパンチ12を通過させることができると共に、成形された素材aの先端を受容することかできる貫通孔32を備えた筒状体として実施している。この切断刃物31は、ダイス3の前面において、側方(図の左右方向)に移動して、図1に示すダイス3の前面である成形位置と、図4に示すダイス3の側方の排出位置との間を往復移動する。
【0016】
排出位置に移動した切断刃物31から、切断された素材aの先端(以下、中空部材a1という)を排出するための装置が、ダイス3の側方にて固定台13に設けられている。この例では、切断刃物31内に受容された中空部材a1を、押し出して排出するプッシャー41として実施されている。このプッシャー41は、流体圧シリンダ42等の駆動源にて前後に移動し、中空部材a1を上方に押し出す。しかして、この実施の形態では、切断された中空部材を排出する機構として、切断刃物31を排出位置に移動させる手段と、切断刃物31から中空部材a1を排出するための装置とからなるように実施されているが、切断刃物31による切断後、切断位置で中空部材a1のみを移動させるようにしてもよい。
【0017】
次にこの装置を用いて中空部材a1を製造する方法を説明する。まず、成形開始時点では、図1に示すように、パンチ12は後退しており、切断刃物31はダイス11の前面の成形位置にて停止している。素材aの先端は、ダイス11内に位置しており、その先端面はダイス11前面と略面一となっている。言い換えれば、素材aはダイス11内で成形可能な位置に停止しており、この状態で、素材固定手段が素材aを固定している。より詳しくは、大径部24aにピン23の基端が位置するようになり、ピン23の先端がクランプ21を押圧して、クランプ21を閉じて、素材aを固定している。
【0018】
次に、図2に示すように、移動ラム15の前進運動により、ラムに取り付けられたパンチ12が切断刃物31の貫通孔32内を通過して、素材aのカップ成形を行う。前述のように、カップ成形時には、クランプ21をピン23、カム24で前もって働かしておき、素材の逆戻りを防止している。カップ成形により、素材aの先端は、前方(パンチ12方向)に延びて、その一部は切断刃物31の貫通孔32内に入り込む。カップ成形される中空部分の長さは、目的とするパイプ製品等の中空部品の長さ以上とすることが望ましい。
尚、図では、入り込んだ素材aの形状を、切断刃物31の貫通孔32が規制しているようにも見えるが、素材aのカップ形状はダイス11とパンチ12との形状で確定し、貫通孔32自体は素材の形成に直接関与しない。従って、この貫通孔31の内面とカップ状に成形された素材aの先端の外周面とは、接触してもよいが、接触しないものとして実施することができる。
【0019】
カップ成形後、図3に示すように、移動ラム15が後退し、パンチ12が切断刃物31から遠ざかる。この後退とともに、カム24の回転により、小径部24bにピン23の基端が位置して、クランプ21が開放され、素材送りロール27が回転し、切断刃物31内に所定の長さを送り込む。この送り込む長さは、目的とする中空部品の長さ分が、切断刃物31側に位置するように送り込む。
【0020】
次に、図4に示すように、切断刃物31が移動して、素材aの先端に成形されたカップ部分を切断して中空部材a1を成形する。この切断までの工程で、中空部材a1が、スクラップの発生なしに完成するもので、以上の工程が本願発明の製造方法の要部となる。即ち、雌金型のダイス11の内径によりパイプの外径を、雄金型のポンチ12の外径によりパイプの内径を規定し、さらに、切断刃物31の切断位置までの送り込み量を一定にする事によりパイプの高さを一定に規定し、外径・内径・高さが均一な中空部材a1を、成形・切断により製造する。
さらにこの例では、中空部材a1の排出までを自動的に行うものであり、切断刃物11は前述の排出位置(即ち、切断ブランクの突き出し用のプッシャー41の位置)まで移動している。
【0021】
次に、図5に示すように、切断刃物31が切断ブランク突き出し用プッシャー41の位置で停止した状態から、プッシャー41が移動して、切断刃物31外部へ中空部材a1を排出する。
【0022】
最後に、図6に示すように、プッシャー41にて中空部材a1を切断刃物31外部へ排出後、プッシャー41は元の位置に後退する。その後、切断刃物31は図1の初期状態の位置に戻り、次の成形を、スクラップを発生させずに連続して行うことができる。
ダイス11側に残った素材aは、カップ成形した中空部分の長さが、切断した中空部材a1の長さと等しい場合には、残った素材aの先端には凹凸が形成されない。ところが、カップ成形した中空部分の長さを、切断した中空部材a1の長さより深く(長く)なるように成形することによって、その深い分(長い分)が、切断された後の素材aの先端に、浅いカップ状態となって残る。このように、図1にも示されているが、切断後に素材a側に残ったカップ部分は、次回カップ成形時のガイドの役目を保つ事が出来るため、円滑な成形に有利である。
カップ成形の深さは切断する中空部材a1の高さより1mm以上、より望ましくは2mm以上程深く成形することが望ましい。
【0023】
以上の工程で得られた中空部材a1は、そのまま、パイプとして最終製品とすることもでき、さらに中空製品用の中間部材とすることもできる。即ち、得られた中空部材a1を中間部材として、これに種々の加工を施すことによって種々の中空製品を製造し得るものであり、その例を以下に示す。
【0024】
図7は、上記工程で得られた中空部材a1からワッシャcを加工製造するまでの部材の変化を示すもので、(A)は中空部材a1の断面図、(B)は中間部品bの断面図、(C)は最終製品であるワッシャcの断面図である。
【0025】
この加工は、プレス等の冷間或いは熱間の鍛造と、必要に応じて研削加工を併用できるが、この例では、多段式フォーマーを用いて冷間鍛造によって、製造されている。図8は多段式フォーマーの第1段打ち部分の要部説明図であり、中心線より左側が加工前、右側が加工後を示す。中空部材a1はフォーマーの加工金型により圧造され、中間部品bが形成される。得られた中間部品bは、反転させられ、第2段打ち部分に移送される。図9は多段式フォーマーの第2段打ち部分の要部説明図であり、中心線より左側が加工前、右側が加工後を示す。中間部品bはフォーマーの加工金型により圧造され、最終製品であるワッシャcが加工金型により圧造される。
【0026】
次に、図10は、前述の工程で得られた中空部材a1の端部に面取りを施してパイプとしての完成度を高めるようにした工程の部材の変化を示すもので、(A)は中空部材a1の断面図、(B)は中間部品a2の断面図、(C)は最終製品である面取りを施したパイプa3の断面図である。
この面取りの加工は、切削や研削によっても行うことができるが、上記のワッシャの加工と同様、多段式フォーマーを用いて冷間鍛造によって、加工することかできる。図11は、フォーマーの第1段打ち部分の要部説明図であり、中空部材a1はフォーマーの加工金型により圧造され、下端側の端面の内周角及び外周角が面取りされる。第2段打ち部分についても、図11と同様の金型を用いることができ、図示は省略するが、第1段打ちで得られた中間部品a2を反転させて、他端の端面の内周角及び外周角に面取りを施す。
この加工によって、面取りを施すことができることは勿論、パイプの歪み、特に、前述の方法で中空部材a1を製造する際に、中空部材a1に若干の中心軸の歪み等が生じていても、中空部材a1の端部を内外からフォーマーの金型によって規制して面取りすることによって、その歪みが解消され、正しい中心軸を持ったパイプを得ることができる。勿論、この加工、要求されるパイプの精度に応じて、行えば足りる。
【0027】
図12は、中空部材a1から多段式フォーマーを用いて製造し得る種々の製品の説明図であり、101〜111の断面形状を備えた種々の変形したパイプ或いは中空部材や、112〜116a,116bのねじ用部材等を製造し得る。ねじ用部材112〜116a,116bには、この加工の後、雌ねじや雄ねじが加工される。尚、113a、114a、115a、116aは、ねじ用部材の断面を示したものであり、113b、114b、115b、116bは、これらのねじ用部材の平面を示したものである。
【0028】
以上、本願発明は上記の実施の形態の他、種々変更して実施し得るものであり、例えば、上記の実施の形態では、切断手段として貫通孔を有する切断刃物を用いたが、貫通孔のない切断刃物を、ダイス11の上面の一方の側(例えば右側)に配位しておき、切断の際に、ダイス11の上面の他方の側(例えば左側)に移動させて切断したり、回転式の刃物によって切断したり、或いは、ワイヤーカッタ等の刃物以外の切断手段によって切断することができる。また、上記の例では、切断した後に、切断刃物と共に中空部材a1を移動させたが、ダイス11の前面で切断した後、切断後に中空部材a1を押圧部材やマニュピュレータや極端な場合には人の手作業等を含む種々の方法で、ダイス11の前面から搬出してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本願の第1の発明によれば、鍛造金型に切断機構を組み込む事により、1工程にてパイプ及び貫通穴部品の素材を成形するものであり、中実の素材から一貫してスクラップレスで製造することができ、生産性の向上を図るとともに、低コストの量産が可能となる。しかも、加工圧力の小さい機械でも、この発明の製造方法を実施し得る。
本願の第2の発明は、中実の素材からスクラップレスで製造でき、生産性の向上を図るとともに、低コストの量産が可能となるワッシャの製造方法を提供することができたものである。
本願の第3の発明は、上記の第1、第2の発明の実施に最適な製造装置を提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る中空部材の製造の第1工程を示す要部断面図である。
【図2】同中空部材の製造の第2工程を示す要部断面図である。
【図3】同中空部材の製造の第3工程を示す要部断面図である。
【図4】同中空部材の製造の第4工程を示す要部断面図である。
【図5】同中空部材の製造の第5工程を示す要部断面図である。
【図6】同中空部材の製造の第6工程を示す要部断面図である。
【図7】中空部材a1からワッシャcを加工製造するまでの部材の変化を示すもので、(A)は中空部材a1の断面図、(B)は中間部品bの断面図、(C)は最終製品で1るワッシャcの断面図である。
【図8】ワッシャ製造の多段式フォーマーの第1段打ち部分の要部説明図である。
【図9】多段式フォーマーの第2段打ち部分の要部説明図である。
【図10】中空部材a1の端部に面取りを施してパイプとしての完成度を高めるようにした工程の部材の変化を示すもので、(A)は中空部材a1の断面図、(B)は中間部品a2の断面図、(C)は最終製品である面取りを施したパイプa3の断面図である。
【図11】面取り加工の多段式フォーマーの第1段打ち部分の要部説明図である。
【図12】中空部材a1から多段式フォーマーを用いて製造し得る種々の製品の説明図である。
【符号の説明】
11 雌金型(ダイス)
12 雄金型(パンチ)
21 素材固定手段(クランプ)
27 素材移送手段(送りローラ)
31 切断手段(切断刃物)
32 貫通孔
a 素材
a1 中空部材

Claims (3)

  1. 連続した中実体からなる素材(a)の先端を、鍛造用の雌金型(11)と、雌金型(11)の前方に配位された雄金型(12)とによって成形するに際し、
    素材移送手段(27)によって、雌金型(11)の後方側から連続した中実体の素材(a)を雌金型(11)内に送り込み、
    雌金型(11)側で素材(a)を固定する素材固定手段(21)によって素材(a)を固定した状態で、雌金型(11)の前方から雄金型(12)を相対的に接近させることにより、素材(a)の先端をカップ状に形成し、
    雄金型(12)を雌金型(11)から相対的に離反させて、カップ状に成形した素材(a)の先端を切断手段(31)により切断すると共に、切断した先端(a1)を搬出し、
    新たに送り込まれた素材と雌金型(11)に残った素材(a)に対して、次回のカップ成形を行うことにより、連続してスクラップを発生させずに中空部材(a1)を製造できるようにしたスクラップレスによる中空部材の製造方法において、
    上記の切断手段(31)は、雌金型(11)とは別個に設けられたものであって、雌金型(11)の前方にて移動可能に配位されたものであり、
    第1工程=雄金型(12)と雌金型(11)とが離反しており、切断手段(31)が雌金型(11)の前面の成形位置にて停止していると共に、素材(a)の先端が雌金型(11)に位置している状態で、素材(a)を固定する素材固定手段(21)によって、素材(a)を固定する工程。
    第2工程=この雌金型(11)の前方から雄金型(12)を相対的に接近させることにより、素材(a)の先端をカップ状に形成する工程。
    第3工程=雄金型(12)を雌金型(11)から相対的に離反させると共に、素材固定手段(21)による素材(a)の固定を解除し、目的とする中空部材の長さ分が切断手段(31)側に位置するように、素材移送手段(27)によって、素材(a)を移送する工程。
    第4工程=切断手段(31)により、切断手段(31)側に位置する素材(a)の先端に成形されたカップ部分を切断して中空部材a1を成形する工程。
    以上の第1〜第4工程を繰り返し行い、切断手段(31)の切断位置までの移送量を一定にする事により中空部材の長さを一定に規定し、外径・内径・高さが均一な中空部材を、成形・切断により製造することを特徴とするスクラップレスによる中空部材の製造方法。
  2. 中空部材(a1)を製造する1次工程と、この工程により製造された中空部材(a1)に対してさらに加工を加える2次工程とからなり、この1次工程は請求項1に記載の中空部材(a1)の製造方法であり、2次工程は、1次工程により製造された中空部材(a1)に対して、鍛造加工を加えてワッシャを製造する工程であることを特徴とするワッシャの製造方法。
  3. 固定側雌金型(11)と、固定側雌金型(11)の前方に接近離反可能に配位された移動側雄金型(12)とを備えた開閉可能な鍛造用金型と、
    固定側雌金型(11)の前方にて、移動可能に配位された切断刃物(31)と、
    連続した中実体からなる素材(a)を、固定側雌金型(11)の後方から固定側雌金型(11)内を通して、前方に送ることができる素材移送手段(27)と、
    これらの金型(11,12)による成形時に、固定側雌金型(11)側で素材(a)を固定する素材固定手段(21)とを備え、
    切断刃物(31)は、移動側雄金型(12)を通過させることができると共に、成形された素材(a)の先端を受容することかできる貫通孔(32)を有しており、
    移動側雄金型(12)は、切断刃物(31)が固定側雌金型(11)の前方に配位された状態で、上記切断刃物(31)の貫通孔(32)内を通過して、素材固定手段(21)により固定側雌金(11)側で固定された素材(a)の先端をカップ状に成形するものであり、
    素材移送手段(27)は、上記のカップ状に成形された後、素材固定手段(21)によ る素材(a)の固定を解除し、目的とする中空部材の長さ分が切断刃物(31)側に位置するように、素材(a)を移送するものであり、
    切断刃物(31)は、上記の素材移動手段(27)によって移送された素材先端(a1)を貫通孔(32)内に受容した状態で、移動することにより、受容した素材先端(a1)を素材本体(a)から切断して搬出するものであり、
    素材移送手段(27)よる切断刃物(31)への移送量を一定にする事により中空部材の長さを一定に規定し、外径・内径・高さが均一な中空部材を、成形・切断により製造することを特徴とする中空部材の製造装置。
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