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ヒンダードアミン光安定剤を含むポリカーボネート組成物
JP4198788B2
Japan
- Other languages
English - Inventor
ジェイムズ・エドワード・ピケット ランダル・リー・カーター ゲリー・ユージーン・スピルマン - Current Assignee
- General Electric Co
Description
translated from
発明の分野
本発明はポリカーボネートおよびヒンダードアミン光安定剤を含む耐候性組成物(ブレンドおよび調合物)に係わる。
発明の背景
ポリカーボネートを含む調合物およびブレンドは太陽光またはその他の形態の光に長く曝されると劣化することが知られている。観察されるその影響の一つはポリカーボネートブレンド/調合物の黄変である。この問題はポリカーボネートブレンド中に光吸収剤または光遮断剤を使用することにより軽減されている。従って、これらの調合物を種々の形態の光への露出による劣化から防ぐために紫外線吸収剤(UVA)がポリカーボネート調合物中に使用されることが知られている。
【0002】
ポリオレフィン類を安定化するのにヒンダードアミン光安定剤(Hindered Amine Light Stabilizer : HALS)を使用することが知られている。ピペラジノン類に基づくものを除いては、商業的に使用されているHALSは主に2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づいている。米国特許4,190,571;4,292,240;4,480,092;5,071,981 にはピペラジノンに基づくHALSの幾つかが開示されており、一方米国特許3,919,234;3,920,659;4,208,522 にはピペラジンジオンに基づくHALSの幾つかが開示されている。
【0003】
ポリカーボネート中へのHALSの使用はそれ程普通にはなされていない。ポリカーボネート調合物/ブレンドに対するHALSの安定化効果は従来”僅か”であると記載されている。例えばACS Advances in Chemistry 249, 1995, pp303-317のR.L.Clough等の "Thompson and Klemchuk in Polymer Durability"を参照されたい。ポリカーボネート調合物中へのUVAの使用は光への露出の結果に伴うポリカーボネートの劣化の速度を遅らせる方法を提供している。しかしながら、この方法は光に誘発される劣化または変色からのポリカーボネート組成物の完全な保護は提供しない。それ故に、光への露出に原因する劣化または変色からポリカーボネートに基づく調合物/ブレンドを保護するのを助けるような方法または処方に対する必要性が引き続いている。
【0004】
ここに、上記に報告した研究とは対照的に、ピペラジノンおよびピペラジンジオンに基づくHALSをポリカーボネートを含む組成物中に使用すると光安定性が著しく増大され、これによりポリカーボネート組成物の劣化が遅延されることが驚くべきことに判明した。また、HALSはポリカーボネートと組み合わせても、両者の間に何等有意な化学反応を起こさずそしてポリカーボネート組成物の溶融安定性に最小の影響しか及ぼさないことも驚くべきことに判明した。
【0005】
発明の要約
本発明はポリカーボネートおよびピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSの少なくとも1種を含む組成物を提供する。ポリカーボネート組成物中へのピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSの混合は驚くべきことにポリカーボネート組成物を耐候性にしそして光への露出に原因する望ましくない劣化または変色からポリカーボネート組成物を保護する。
【0006】
発明の詳細な記述
本発明はポリカーボネートおよびピペラジノンおよびピペラジンジオンに基づくHALSの少なくとも1種を含む組成物を提供する。本発明の別の実施の態様では、(a)ポリカーボネートが全組成物の約95乃至約99.95重量%をなし、そして(b)ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSが全組成物の約5乃至約0.05重量%をなす組成物が提供される。更に好ましい実施の態様では、ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSが全組成物の約0.1乃至約1重量%をなす組成物が提供される。
【0007】
本発明は第二の観点において、(a)ポリカーボネート、(b)ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSの少なくとも1種、(c)添加剤および(d)ブレンド素材を含む組成物を提供する。その実施の態様の一つにおいては、(a)ポリカーボネートが全組成物の約10乃至約99.9重量%をなし、(b)ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSが全組成物の約0.05乃至約5重量%をなし、(c)添加剤が全組成物の約0.01乃至約25重量%をなし、そして(d)ブレンド素材が全組成物の約0乃至約89重量%をなす組成物が提供される。
【0008】
好適な実施の態様では、HALSが全組成物の約0.1乃至約1重量%そしてブレンド素材が全組成物の約30乃至約60重量%含まれる組成物が提供される。更に別の好ましい実施の態様では、ポリカーボネートがBPAポリカーボネートである組成物が提供される。
別の好適な実施の態様によれば、ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSが
【0009】
【化11】
【0010】
【化12】
【0011】
【化13】
【0012】
および
【0013】
【化14】
【0014】
から選ばれる組成物が提供される。ここに、上記式中において、R1 およびR2 は個々にC1-24アルキル、水素、アシル、ベンジル、C1-12ハロアルキル、C2-14アルケニル、非置換C7-14アルアルキルまたはカルボアルコキシであり、そしてR2 は随意にまた酸素をも表し、R3 およびR4 は個々にC1-18ハロアルキル、C1-18アルキル、C5-18シクロアルキル、C2-18アルケニルまたは非置換C7-18アルアルキルを表すかあるいはR3 およびR4 はこれらが結合されている炭素原子と共にC4-12脂環式環を形成しており、R5 およびR6 は個々にC1-18ハロアルキル、C1-18アルキル、C2-18アルケニルまたは非置換C7-18アルアルキルであるかあるいはR5 およびR6 はこれらが結合されている炭素原子と共にC4-12脂環式環を形成しており、R7 はC1-20アルキル、ベンジル、
【0015】
【化15】
【0016】
であり、R8 は水素、C1-24アルキルまたはアリールであり、R9 およびR10は個々にC1-18ハロアルキル、C1-18アルキル、C5-18シクロアルキル、C2-18アルケニルまたは非置換C7-18アルアルキルを表すかあるいはR9 およびR10はこれらが結合されている炭素原子と共にC4-12脂環式環を形成しており、R11およびR12は個々にC1-18ハロアルキル、C1-18アルキル、C2-18アルケニルまたは非置換C7-18アルアルキルであるかあるいはR11およびR12はこれらが結合されている炭素原子と共にC4-12脂環式環を形成しており、R13およびR14は個々にC1-8 アルキルであり但しこれらの基の少なくとも1つはα炭素原子上で分岐しており、R15はC1-20アルキルであり、R17は
【0017】
【化16】
【0018】
であり、R18はHまたはC1-4 アルキルであり、Aは随意にC1 −C6 アルキルで置換された1−6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖(低級)アルキレンであり、そしてnは1−4の整数を表す。
好ましいHALSは
【0019】
【化17】
【0020】
および
【0021】
【化18】
【0022】
(但し、上記式中、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれぞれメチルであり、R17は
【0023】
【化19】
【0024】
であり、そしてR18はHまたはC1-4 アルキルである)によって表される。更に好ましい実施の態様では、HALSが
【0025】
【化20】
【0026】
(但し、上記式中、R9 およびR10は個々にメチルを表すかあるいはR9 およびR10はこれらが結合されている炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成しており、そしてR11およびR12は個々にメチルであるかあるいはR11およびR12はこれらが結合されている炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成している)によって表されるピペラジンジオンである組成物が提供される。
【0027】
本発明に使用されるポリカーボネートは式
[−O−A1−O−C(O)−]
式V
(上記式中、A1 は二価の芳香族炭化水素基である)で表される構造単位を多数含んでなる。適当なA1 基にはm−フェニレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、4,4’−ビ(3,5−ジメチル)−フェニレン、2,2−ビス(4−フェニレン)プロパンおよび米国特許4,217,438 において名称または式で(一般的にまたは特定して)開示されているジヒドロキシ−置換芳香族炭化水素に対応するもののような類似の基が含まれる。
【0028】
A1 基は好ましくは式
−A2−Y−A3−
式VI
(上記式中、A2 およびA3 は各々単環式の二価の芳香族炭化水素基であり、そしてYはA2 とA3 を1つまたは2つの原子が分離している炭化水素橋架け基である)を有する。式VI中の自由原子価結合はYに対して通常A2 およびA3 のメタまたはパラ位にある。A1 が式VIを有する化合物はビスフェノール類であり、従って簡略の為にジヒドロキシ−置換芳香族炭化水素類を命名するのにここではしばしば用語”ビスフェノール”を使用するが、しかしこのタイプの非−ビスフェノール型の化合物も適宜使用できることを理解されたい。
【0029】
上記式VIにおいて、A2 およびA3 基は置換されていないフェニレンでもあるいはその炭化水素−置換誘導体のいずれでもよく、置換基(1つあるいはそれ以上)の例はアルキルおよびアルケニルである。置換されていないフェニレン基が好ましい。A2 およびA3 が共にp−フェニレンであるのが好ましいが、これらが共にo−またはm−フェニレンであっても、あるいはこれらの一方がo−またはm−フェニレンで他方がp−フェニレンであってもよい。
【0030】
橋架け基Yは1つまたは2つの原子、好ましくは1つの原子がA2 とA3 を分離している基である。このタイプの基の例はメチレン、シクロヘキシルメチレン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチルメチレン、エチレン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデンおよびアダマンチリデンであり、gem−アルキレン(アルキリデン)基が好ましい。しかし、不飽和基も含まれる。入手性および本発明の目的に対する特別の適性の理由から、好ましいビスフェノールは、YがイソプロピリデンでありそしてA2 とA3 がそれぞれp−フェニレンである、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(”BPA”)である。本発明に使用されるポリカーボネートの詳細な記述は米国特許4,125,572;3,028,365;3,334,154;3,915,926 に記載されている。
【0031】
本発明の組成物はピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSの少なくとも1種を含む。本発明の組成物の一部としてはピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSの1種または1種より多くのものの混合物が使用できることに注意すべきである。ピペラジノンまたはピペラジンジオンに基づくHALSは一般に式I、式II、式III および式IVによって表される。本発明で同じく使用される添加剤には着色剤、白化剤、熱安定剤、金属不活性化剤、耐衝撃性改良剤、増量剤、静電防止剤、および加工助剤のような物質が含まれる。本発明の組成物に混合できる異種の添加剤が当業界で通常使用されており当業者に知られている。このような添加剤の例示はR.GachterおよびH.MullerのPlastics Additives, 第4版,1993に見ることができよう。
【0032】
本発明に同じく使用されるブレンド素材という語句は芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルおよびスチレン系ポリマーに代表される1種またはそれ以上のポリマー成分を記述するために使用されている。 このブレンド素材の例にはポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、スチレン−アクリロニトリル−アクリレートコポリマー(ASA)、およびポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)が含まれる。
【0033】
実験の詳細な記述
以下の実施例ではポリカーボネートにおけるピペラジノンに基づくHALSの耐候性能を扱ったデータを提供して本発明を例示する。
実施例1:溶剤流延したフイルムの光安定性
6ミルのドクターブレードを使用して20%固形分の溶液をガラス板上に引延することによりメチレンクロライドからBPAポリカーボネートフイルムを約18ミクロン厚で溶剤流延により形成した。HALSをポリカーボネート樹脂の1.0重量%でメチレンクロライド溶液に加えた。
【0034】
これらのフイルムをCIRA内側フィルターおよびソーダ石灰外側フィルターを装備されたAtlas Ci35a キセノンアークWeather-O-meter(登録商標)に露出した。光サイクルは340nmでの放射束密度0.77W/m2 にて165分長、ブラックパネル温度50℃、乾球温度30℃、および湿球温度降下7℃であった。15分の暗サイクルがあり、最後の10分間水を噴霧した。露出は340nmでの放射束密度の合計キロジュール(kJ)で測定した。
【0035】
このフイルムの黄変指数(YI:ASTM手順D−1925による)を表1に示す。黄変指数の数値が低いほどポリカーボネートに対する光の影響がより小さく従って光安定性がより高いことを示唆している。
使用したHALSの構造を表1の後に示す。ビス[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]セバケート(Tinuvin(登録商標)770)、ビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル]セバケート(Tinuvin(登録商標)765)および1−アセチル−4−(3−ドデシル−2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(Sanduvor(登録商標)3058)は全てピペリジン類に属する市販のHALSである。1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス[3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン](Good-rite(登録商標)3034; GR3034 と略す)はピペラジノン類の代表である。YIデータは溶剤流延で形成されたポリカーボネートフイルムの光黄変を軽減するのにGR 3034がより勝れていることを示している。Good-rite(登録商標)3034の勝れた効果は他のHALSに比較してGood-rite(登録商標)3034 に対する黄変指数の数値がより低いことによって示唆されている。
【0036】
表1中のHALSの構造は以下の通りである。
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】
【化24】
【0041】
実施例2:HALSを含有する射出成形された試料の光安定性
押出に先立ちポリカーボネート粉末をオーブン中で60℃で一晩乾燥した。試料は2.0重量%のルチル型TiO2 および1.0重量%の各種のHALSと乾燥配合した。
表4、5aおよび5bにおけるブレンドはBPA−PCおよびポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)(70:30の比で組み合わせられている)、ルチル型TiO2 (2.0重量%)またはカーボンブラック(0.6重量%:BPA−PC中の25%のマスターバッチとして添加した)、Good-rite(登録商標)3034 HALS(1.0重量%)および亜燐酸(0.08重量%)からなっていた。同様にして、表6、7aおよび7bにおけるブレンドはBPA−PCおよびポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)(70:30の比で組み合わせられている)、ルチル型TiO2 (2.0重量%)またはカーボンブラック(0.6重量%:BPA−PC中の25%のマスターバッチとして添加した)、Good-rite(登録商標)3150 HALS(2.5重量%)および亜燐酸(0.05重量%)からなっていた。これらの両方のブレンドにおいて、亜燐酸はポリカーボネートまたはポリエステル樹脂の合成から残存されている可能性のある残留重合触媒を失活させる触媒沈静化剤として働き、これによってエステル交換を防ぐ働きをする。アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンとのブレンドはBPA−PC、スチレン−アクリロニトリルコポリマーおよびブタジエンベースの高ゴムグラフト体(67:16.5:16.5の比で組み合わせられている)、ルチル型TiO2 (2.0重量%)、HALS(1.0重量%)、Irgaphos-168(0.3重量%)およびIrganox-1076(0.3重量%)からなっていた。Irgaphos-168およびIrganox-1076は共に加工安定剤として添加された。
【0042】
これらの調合物はミキサーで配合し、次いで10個のバレルを持つWerner & Pfliederer の30mm同方向回転型二軸スクリュー押出機でコンパウンディングした。ペレットにした調合物は60℃のオーブン内で一晩乾燥してから、次いでNisseiの160トン成形プレスで標準条件にて1/8″厚の小板に射出成形した。これらの小板は3つの異なる条件下で耐候試験にかけた。耐候試験条件(A)は160分の光サイクルおよび20分の暗サイクルを含みそして最後の15分間の間に水を噴霧するものであり(全ての他のパラメーターは実施例1の薄いフイルムにおけるのと同じである)、耐候試験条件(B)は実施例1における薄いフイルムと同じパラメーターであり、そして耐候試験条件(C)はタイプ−Sの硼珪酸内側および外側フィルターを装備されたAtlas Ci35a キセノンアークWeather-O-meter (登録商標)で行った。光サイクルは340nmでの放射束密度0.77W/m2 にて160分長、ブラックパネル温度70℃、乾球温度45℃、および湿球温度降下10℃であった。20分の暗サイクルがあり、最後の15分間水を噴霧した。
【0043】
HALSを含有するBPA−PC小板の黄変指数(YI:ASTM D−1925)を表2aおよび2bに報告する。表2aおよび2bにおいてその低いYI値によって示されているようにGood-rite (登録商標)ピペラジノンは耐候試験にかけたときの色の生成を防ぐ面で他のHALSより性能が勝れている。
表2a:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたポリカーボネート小板の光安定性;耐候試験条件(A)
HALS 初期YI 2990kJ でのYI 3756kJ でのYI
対照(なし) 4.1 16.2 26.0
Tinuvin 440 3.4 9.9 19.2
Tinuvin 770 5.8 17.9 25.7
Tinuvin 622 4.6 10.9 20.1
Sanduvor 3058 5.6 12.6 23.0
Good-rite 3034 4.5 8.0 13.2
表2b:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたポリカーボネート小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 初期YI 2106kJ でのYI 2906kJ でのYI
対照(なし) 5.0 10.6 23.5
Good-rite 3150 4.3 6.8 14.0
Good-rite 3159 5.1 6.8 14.4
表3aおよび表3bにおけるより高い光沢値によって示されているようにGood-rite (登録商標)ピペラジノンはTiO2 で顔料着色されたBPA−PC小板において最良の光沢保持をも提供していた。光沢の測定はBYK Gardner マイクロトリ(micro tri)光沢計を60゜の視角で使用して記録した。Good-rite (登録商標) ピペラジノンHALSはまたBPA−PCにおいてより加工性であり、下記に記載されるようにBPA−PCを含むブレンドにおいても同様な利益を提供する。
【0044】
表3a:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたポリカーボネート小板の光安定性;耐候試験条件(A)
HALS 初期 60 ゜光沢 2990kJ での 60 ゜光沢 3756kJ での 60 ゜光沢
対照(なし) 101 88 24
Tinuvin 440 101 94 49
Tinuvin 770 101 91 27
Tinuvin 622 101 91 48
Sanduvor 3058 101 92 33
Good-rite 3034 101 98 77
表3b:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたポリカーボネート小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 初期 60 ゜光沢 2906kJ での 60 ゜光沢 3089kJ での 60 ゜光沢
対照(なし) 102 76 28
Good-rite 3150 103 96 74
Good-rite 3159 103 96 74
HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたBPA−PC/PBTブレンドの黄変指数を表4に報告し、そして光沢値を表5aに報告する。カーボンブラックおよびHALSを含有するBPA−PC/PBTブレンドに対する光沢値を表5bに報告する。ブラックの試料のカラーシフトは黄変指数では信頼性をもって測定できないので、報告してない。
【0045】
表4:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたPC/PBTブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 初期YI 808kJ でのYI 1791kJ でのYI
対照(なし) 5.8 11.8 19.8
Good-rite 3034 5.0 9.2 16.3
表5a:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたPC/PBTブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 初期 60 ゜光沢 1608kJ での 60 ゜光沢 1791kJ での 60 ゜光沢
対照(なし) 101 63 43
Good-rite 3034 100 72 56
表5b:HALSを含有するカーボンブラックで顔料着色されたPC/PBTブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 60 ゜光沢
初期 1791kJ 2211kJ 2607kJ
対照(なし) 101 80 59 39
Good-rite 3034 100 90 72 52
表4、5aおよび5bにおけるデータはGood-rite (登録商標)ピペラジノンを混合するとブレンドの光安定性を向上することを示している。この向上された光安定性はより高い光沢値およびより低いYI値によって示されている。
【0046】
HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたBPA−PC/PCCDブレンドの黄変指数を表6に報告し、光沢値を表7aに報告する。カーボンブラックおよびHALSを含有するBPA−PC/PCCDブレンドに対する光沢値を表7bに報告する。
表6:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたPC/PCCDブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(C)
HALS 初期YI 1211kJ でのYI 1868kJ でのYI
対照(なし) 9.9 18.3 27.6
Good-rite 3150 8.2 12.6 18.9
表7a:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたPC/PCCDブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(C)
HALS 初期 60 ゜光沢 1211kJ での 60 ゜光沢 1868kJ での 60 ゜光沢
対照(なし) 101 90 58
Good-rite 3150 99 97 91
表7b:HALSを含有するカーボンブラックで顔料着色されたPC/PCCDブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(C)
HALS 初期 60 ゜光沢 1974kJ での 60 ゜光沢 2257kJ での 60 ゜光沢
対照(なし) 100 52 16
Good-rite 3150 100 72 47
HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたBPA−PC/ABSブレンドの黄変指数を表8に報告する。
【0047】
表8:HALSを含有するTiO2 で顔料着色されたPC/ABSブレンド小板の光安定性;耐候試験条件(B)
HALS 初期YI 1301kJ でのYI 2230kJ でのYI
対照(なし) 9.2 15.0 29.7
Good-rite 3034 9.7 6.1 11.9
今まで示したデータはBPA−PCにピペラジノンに基づくHALSを添加すると認められる利益がそのままBPA−PCを含む種々のブレンドに移行されることを実証している。対照に比較してより高い光沢値およびより低いYI値によって立証されているようにGood-rite (登録商標)ピペラジノン類がTiO2 およびカーボンブラックで顔料着色されたBPA−PCとPBT、PCCDまたはABSとのブレンドに顕著に改善された耐候性を付与している。
【0048】
実施例3:溶融安定性
今まで掲げた実施例はBPA−PCおよびBPA−PCを含むブレンドにおける色の生成および光沢の損失を防ぐ面でGood-rite (登録商標)3034が他のHALSより性能が上回っていることを実証している。しかし、HALSの物理的特性への影響についても考慮する必要があろう。殆どのHALSの塩基度は加工中にポリカーボネートの劣化をもたらし、従って一般にはポリカーボネートへのその使用が排斥されている。この問題を克服する試みとしてHALSの幾つかのN−アルキル化およびアシル化変形体が生産されている。樹脂の溶融安定性は劣化の程度およびその結果としての物理的特性への影響の直接の表示を与える筈である。
【0049】
溶融安定性が射出成形された小板から切り取られオーブンで乾燥されたディスクに対して1rad/秒の周波数を使用して窒素パージされたRDS7700 レオメーター内で300℃で測定された。45分間にわたり動的レオロジー特性の変化が測定された。この結果を表10に要約する。HALSを含有する試料全ての最初の粘度は対照例より低い。Tinuvin 770 はこれらのアミン類のなかで最も塩基性であり従って最も劣化をもたらすが、しかし非塩基性のアシル化されたアミン類(Tinuvin 440およびSanduvor 3058)ですら試験の過程で粘度の低下によって立証されているように著しい劣化を引き起こしている。Good-rite (登録商標)3034、Good-rite (登録商標)3150:1,1’,1”−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス[(シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル]]トリス[3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン]およびGood-rite(登録商標)3159:1,1’,1”−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス[(シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル]]トリス[3,3,4,5,5−ペンタメチルピペラジノン]を含有する調合物は試験の過程における粘度の変化の最小を示していた。
【0050】
Good-rite (登録商標)3034、3150および3159の加工性および耐候性の組合せはポリカーボネートにおいてピペラジノン類が他の市販のHALSより勝れていることを実証している。
表10:ヒンダードアミンを含有するポリカーボネートの溶融安定性
HALS 粘度(ポイズ)
初期 min 最終
対照(なし) 9700 9000 8900
Tinuvin 440 6600 3900 2000
Tinuvin 770 2300 880 470
Tinuvin 622 5400 2400 980
Sanduvor 3058 3100 2600 1500
Good-rite 3034 6300 5400 5200
Good-rite 3150 6700 5200 4600
Good-rite 3159 7800 5600 4800
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
Claims (10)
Hide Dependent
translated from
- (a)ポリカーボネートおよび
(b)
R 3 およびR 4 は個々にC 1-18 ハロアルキル、C 1-18 アルキル、C 5-18 シクロアルキル、C 2-18 アルケニルまたは非置換C 7-18 アルアルキルを表すかあるいはR 3 およびR 4 はこれらが結合されている炭素原子と共にC 5-12 脂環式環を形成しており、
R 5 およびR 6 は個々にC 1-18 ハロアルキル、C 1-18 アルキル、C 2-18 アルケニルまたは非置換C 7-18 アルアルキルであるかあるいはR 5 およびR 6 はこれらが結合されている炭素原子と共にC 5-12 脂環式環を形成しており、
R 17 は
からなる群から選ばれるピペラジノンに基づくHALSの少なくとも1種を含む組成物。 - (a)ポリカーボネートが全組成物の95乃至99.95重量%をなし、そして(b)ピペラジノンに基づくHALSが全組成物の5乃至0.05重量%をなす請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- HALSが全組成物の0.1乃至1重量%をなす請求項4に記載の組成物。
- ポリカーボネートがBPAポリカーボネートである請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- さらに(c)添加剤を含み、かつ(d)ブレンド素材を含むか又は含まない、請求項1または2に記載の組成物。
- (a)ポリカーボネートが全組成物の38乃至68重量%をなし、(b)ピペラジノンに基づくHALSが全組成物の0.05乃至5重量%をなし、(c)添加剤が全組成物の0.01乃至25重量%をなし、そして(d)ブレンド素材が全組成物の0乃至89重量%をなす請求項7に記載の組成物。
- HALSが全組成物の0.1乃至1重量%そしてブレンド素材が全組成物の30乃至60重量%含まれる請求項8に記載の組成物。
- ポリカーボネートがBPAポリカーボネートである請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。