JP4190621B2 - ロール吊具 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、クレーン等のフックにより吊持されるビームと、ビームの両側に設けられる玉掛けワイヤーからなり、圧延ロール等を運搬するのに使用される自動玉掛けロール吊具に関する。
【0002】
【従来技術】
圧延ロール等を運搬するのに使用されるロール吊具として、実開昭56−173584号には、クレーンフック等により吊持されるビームと、ビームの両側にそれぞれ固定される一対のシャックルと、一対のシャックルに両端をそれぞれ連結して吊り下げられるループ状の玉掛けワイヤーからなり、ロール置き台に載置される圧延ロールを運搬するときには、クレーン操作で吊具を圧延ロール上に移動させたのち、玉掛けワイヤーをロールネック部に掛けて吊り上げるロール吊具が開示されている。
【0003】
上述の吊具では、玉掛け作業を行う際、クレーン運転者と共に、玉掛けワイヤーをロールネック部に掛ける作業者が必要であり、しかもロールは重量が大になると玉掛けワイヤーも太く、かつ重くなるため取扱いが困難で、危険であるうえ、作業時にはシャックルが固定されているため、ロール長さによってシャックル間の間隔が異なるロール吊具に取換えねばならない。
【0004】
特開平6−1585号には、チョック付圧延ロールの吊具に関するものとして、ビームと、ビームに軸支されてモータにより回転駆動され、両側に左ネジと右ネジを刻設したスクリュー軸と、ビームの両端に位置して、それぞれがスクリュー軸のネジ部に螺着されるナットを備え、スクリュー軸の回転によってスクリュー軸方向に移動する吊具本体からなり、各吊具本体は、電動ウインチによって開閉する昇降ブームと、昇降ブームの開閉によってチョックより突設されピンに掛けられるロール吊ワイヤーロープを有する吊具が開示されている。
【0005】
この吊具によれば、スクリュー軸を回転することにより、ロール長さに応じて吊具本体の間隔を変えることが可能であり、またスクリュー軸を駆動するモータや昇降ブームを開閉する電動ウインチをクレーンの運転室から制御することにより、玉掛け作業を自動化することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述する特開平6−1585号の吊具は、チョック付圧延ロール用の吊具であるが、玉掛けワイヤーをロールネック部に掛けて吊り上げる圧延ロールの吊具についても玉掛けワイヤーの移動をクレーンの運転室からリモートコントロールによって制御できるようにすれば、玉掛け作業を自動化することができ、またロール長さに応じて玉掛けワイヤーの位置調整が可能であるが、ビームの揺れによって玉掛け作業が困難となり、またロール径の大きなロールに対しても玉掛け作業が困難となる。
【0007】
本発明の第1の目的は、吊具が揺れないようにして玉掛け作業を確実に行うことができる、自動玉掛けロール吊具を提供しようとするものであり、第2の目的は、ロール径の小さなロールに対してはもとより、ロール径の大きなロールに対しても玉掛け作業を確実に行うことができる自動玉掛けロール吊具を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
請求項1記載の発明は、第1の目的を達成するための発明で、クレーンフック等により吊持されるビームと、ビームの両側にビームに沿って移動し、互いに離接可能に設けられる玉掛けワイヤーからなり、玉掛けワイヤーの移動がリモートコントロールによって行われる自動玉掛けロール吊具において、前記ビームには、巻取りドラムとパンタグラフ機構が取付けられ、該パンタグラフ機構の下端には、玉掛け時に圧延ロールを押付けてビームの揺れ止めを行う押え具が取着される一方、前記巻取りドラムは前記押え具に連結されるワイヤーを巻取り、或いは巻き戻すことによりパンタグラフ機構を伸縮させて前記押え具を昇降させることを特徴とする。
【0009】
本発明において、玉掛けワイヤーをリモートコントロールにより互いに離接可能に移動させるには、例えば左ネジと右ネジを刻設したスクリュー軸をビームに軸支し、玉掛けワイヤーが取着されるナットを各ネジに螺着してリモートコントロールされるモータによりスクリュー軸を正逆に回転させる方法、ピニオンの両側に平行移動が可能なラックを噛合させ、玉掛けワイヤーを各ラックに取着して、リモートコントロールされるモータによりピニオンを正逆に回転させる方法などを用いることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、第2の目的を達成するための発明で、クレーンフック等により吊持されるビームと、ビームの両側にビームに沿って移動し、互いに離接可能に設けられる玉掛けワイヤーからなり、玉掛けワイヤーの移動がリモートコントロールによって行われる自動玉掛けロール吊具において、前記玉掛けワイヤーの吊幅を拡縮することができる吊幅開閉機構を設け、該吊具開閉機構は、モータを駆動源として互いに逆向きに等量回動して開閉し、前記玉掛けワイヤーがループ状に連結される一対の吊金具と、該吊金具の回転方向に位置調整可能である近接スイッチからなり、該近接スイッチが吊金具を検出すると、その検出信号によって前記モータを停止させることを特徴とする。
【0012】
本発明によると、ロール径に応じてアームの開閉角度を変えることにより、玉掛けワイヤーの吊幅を拡縮することができる。すなわちロール径の大きなロールに対しては、アームを開いて玉掛けワイヤーの吊幅を大きくし、ロール径の小さなロールに対してはアームを閉じて吊幅を小さくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
クレーンフック等により吊り下げられるビーム1には、右ネジ2aと左ネジ2bを刻設したスクリュー軸2がビーム長手方向に配設されて軸支され、モータ3より減速機を介して回転駆動されるようにしてある。
スクリュー軸2の右ネジと左ネジにはワイヤー吊幅開閉機構5のナット6が螺着され、スクリュー軸2の正逆の回転によりワイヤー吊幅開閉機構5が互いに接近し、或いは離隔する方向に移動しうるようになっており、各ワイヤー吊幅開閉機構5には玉掛けワイヤー7が連結され、ループ状に吊り下げられている。
【0015】
ワイヤー吊幅開閉機構5は図3及び図4に示すように、上部においてナット6を挟着するブラケット9と、ビーム1より突出するブラケット下端に軸支されて互いに噛合する一対の平歯車11a、11bと、ブラケット9に取着され、一方の平歯車11aを回転駆動する電磁クラッチ内蔵の減速機付きモータ12とよりなり、各平歯車11a、11bには吊金具13を介してシャックル14が連結され、玉掛けワイヤー7が両シャックル14にループ状をなして連結されている。ここで各平歯車11a、11bと吊金具13は同軸に一体に連結され、モータ12を駆動源として互いに逆向きに等量回動されるようになっており、その回動量は近接スイッチ15によって制御されるようになっている。すなわち近接スイッチ15が吊金具13の位置を検出すると、その検出信号によってモータ12を停止させるようになっている。
【0016】
上述の近接スイッチ15は吊金具13の回転方向に位置調整可能で、圧延ロールのロール径に応じてクレーン運転室からのリモートコントロールにより位置調整できるようになっている。
ビーム1にはまた、図1に示すように中央部に押え具(後述する)の昇降装置を構成する巻取りドラム17とパンタグラフ機構18が取付けられ、パンタグラフ機構18の下端には圧延ロール19を押える下面が逆V形の押え具21が取着されている。そしてパンタグラフ機構18と押え具21の自重によりパンタグラフ機構18が伸長し、押え具21で圧延ロール19を押え込んでビーム1の揺れ止めを行えるようにしてある。
【0017】
巻取りドラム17は減速機付きモータ23よりチェーン伝動機構24を介して回転駆動され、押え具21に連結されるワイヤー25を巻取り或いは巻戻すことによりパンタグラフ機構18を伸縮させて押え具21を昇降させることができるようにしてある。
なお、上述のモータ3、12及び23はいづれもクレーン運転室からリモートコントロールされるようになっている。
【0018】
本実施形態の自動玉掛けロール吊具は以上のように構成され、圧延ロール19を運搬するときには、先ずクレーンフック(図示省略)に吊り下げられるロール吊具を圧延ロール上に移動させる。ついでクレーン運転室からモータ23を起動し、巻取りドラム17を逆回転させてワイヤー25の巻き戻しを行う。巻き戻しに伴いパンタグラフ機構18が伸長し、押え金21が降下して圧延ロール19に接する。ワイヤー25が弛むまで押え金21が降下すると、押え金21とパンタグラフ機構18の自重により押え金21が圧延ロール19を押え込む。これによりビーム1及びロール吊具全体の揺れ止めが行われる。実線は大径の圧延ロールを、一点鎖線は小径の圧延ロールを押え込んだ状態を示す(図1)。
【0019】
次にロール径に応じて近接スイッチ15の位置調整をクレーン運転室からリモートコントロールによって行い、モータ12を駆動する。これにより吊金具13が実線位置より一点鎖線位置に上向きに旋回して開き、玉掛けワイヤー7の吊幅を拡げる。モータ12の駆動は、吊金具13が近接スイッチ15に達して近接スイッチ15がON出力されるまで行われ、近接スイッチ15のON出力によりモータ12が停止し、玉掛けワイヤー7の吊幅が拡がった状態に維持される。
【0020】
この状態で次にモータ3を駆動し、スクリュー軸2を回転させてワイヤー吊幅開閉機構5をビーム中央側に移動させる。この移動は圧延ロール19のロール長さに応じて行われ、所定量移動させると、玉掛けワイヤー7のループがロール端よりロールネック部に達する。このときロール吊具は揺れ止めされているため玉掛けワイヤー7のループはロール端をくぐって、ロールネック部まで確実に通される。
【0021】
その後、クレーン操作でビーム1を持ち上げると、玉掛けワイヤー7がロールネック部に掛かり、圧延ロールを持上げる。そして運搬される。運搬中、押さえ具21は上昇させて圧延ロール19の押えを解除しておいてもよいし、圧延ロール19を押さえたまゝ運搬してもよい。押えたまゝ運搬すると、運搬中の圧延ロール19のずれが解消され、吊具に対する揺れも少なくなる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、玉掛けワイヤーをロール端よりロールネック部に通して行う玉掛け作業が自動的に、しかもロール長の異なる圧延ロールに対しても行えるロール吊具において、押え具で圧延ロールを押さえて吊具を揺れ止めすることができるため、玉掛けワイヤーをロールネック部に確実に通して玉掛け作業を行うことができる。
【0023】
請求項2記載の発明によると、玉掛けワイヤーをロール端よりロールネック部に通して行う玉掛け作業が自動的に、しかもロール長の異なる圧延ロールに対しても行えるロール吊具において、ロール径に応じて玉掛けワイヤーの吊幅を変えることができるため、ロール径の大きなロールに対しても玉掛け作業を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるロール吊具の正面図。
【図2】同ロール吊具の側面図。
【図3】ワイヤー吊幅開閉機構の正面図。
【図4】同機構の側面図。
【符号の説明】
1・・ビーム 2・・スクリュー軸
3、12、23・・モータ 5・・ワイヤー吊幅開閉機構
6・・ナット 7・・玉掛けワイヤー
9・・ブラケット 11a、11b・・平歯車
13・・吊金具 14・・シャックル
15・・近接スイッチ 17・・巻取りドラム
18・・パンタグラフ機構 19・・圧延ロール
21・・押え具 24・・チェーン伝動機構
25・・ワイヤー
Claims (2)
- クレーンフック等により吊持されるビームと、ビームの両側にビームに沿って移動し、互いに離接可能に設けられる玉掛けワイヤーからなり、玉掛けワイヤーの移動がリモートコントロールによって行われる自動玉掛けロール吊具において、前記ビームには、巻取りドラムとパンタグラフ機構が取付けられ、該パンタグラフ機構の下端には、玉掛け時に圧延ロールを押付けてビームの揺れ止めを行う押え具が取着される一方、前記巻取りドラムは前記押え具に連結されるワイヤーを巻取り、或いは巻き戻すことによりパンタグラフ機構を伸縮させて前記押え具を昇降させることを特徴とする自動玉掛けロール吊具。
- クレーンフック等により吊持されるビームと、ビームの両側にビームに沿って移動し、互いに離接可能に設けられる玉掛けワイヤーからなり、玉掛けワイヤーの移動がリモートコントロールによって行われる自動玉掛けロール吊具において、前記玉掛けワイヤーの吊幅を拡縮することができる吊幅開閉機構を設け、該吊具開閉機構は、モータを駆動源として互いに逆向きに等量回動して開閉し、前記玉掛けワイヤーがループ状に連結される一対の吊金具と、該吊金具の回転方向に位置調整可能である近接スイッチからなり、該近接スイッチが吊金具を検出すると、その検出信号によって前記モータを停止させることを特徴とする自動玉掛けロール吊具。
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JP23146498A Expired - Lifetime JP4190621B2 (ja) | 1998-08-18 | 1998-08-18 | ロール吊具 |
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1998
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