JP4189453B2 - 合成樹脂製カスト - Google Patents
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Description
第8図は、従来の代表的なカスト51の構造を示す図である。図示されているように、このカスト51は、基本的には箱状の本体52と、蓋54とによって構成されている。蓋54は、ヒンジ53,53を介して本体52に連結されており、本体52の上方を開閉可能なようになっている。
尚、このカスト51が使用される場合、図示されているようなフィルター56,56が、本体52の底面52a、及び、蓋54の内側面54aにそれぞれ取り付けられる。
また、図示されているように、本体52の底面52a、蓋54、及び、フィルター56を固定するフィルター保持板57,57には、多数の通気孔55(55a〜d)が形成されている。これらの通気孔55は、滅菌処理を行う際に高温高圧蒸気を通すためのものである。
ここで、滅菌処理について簡単に説明すると、この処理は、通常、滅菌すべきガーゼ等を収容したカスト51を、オートクレーブ機(高温高圧蒸気滅菌装置)内に導入して行われる。オートクレーブ機の内部は、130〜140℃の温度に調整された高温高圧蒸気が循環しており、また、カスト51の本体52、蓋54、及び、フィルター保持板57,57には、多数の通気孔55が形成されているので、カスト51をオートクレーブ機内に導入すると、高温高圧蒸気が蓋54の通気孔55a(又は、フィルター保持板57の通気孔55c)、フィルター56、フィルター保持板57の通気孔55d(又は、本体52の底面52aの通気孔55b)を抜けてカスト51内に進入し、内部のガーゼ等が滅菌されることになる。
このように、滅菌処理時において高温の条件下に置かれることになるため、従来のカスト51は、熱による変形を回避できるように、また、耐久性、耐衝撃性等の理由から、ほとんどのものがステンレスによって形成されている。
しかしながら、ステンレス製のカストは、重量が嵩むため、同時に複数個を持ち運ぶことが困難であるという問題があった。また、重量が嵩むカストを、積み重ねて持ち運ぶ機会も少ないため、従来のステンレス製のカストは、複数個を積み重ねることができるような構造とはなっていなかった。
また、ステンレス製のカストは、外側から内部を視認することができないため、収容している物の種類(ガーゼ、脱脂綿の別)、大きさ、残量を確認するには、蓋を開けて中を覗く必要があるが、蓋を開けている時間や回数が多くなると、それだけ雑菌が内部へ侵入する危険が大きくなるという問題がある。
尚、実際の医療現場においては、内容物を識別できるように、カストの外側に着色テープ等を貼って色分けするという工夫もなされているが、この方法による場合、内容物の種類は確認できても、残量については確認することができないという問題がある。また、使用後にはテープを剥がす手間が必要となるほか、テープの粘着剤が残留してしまうと、そこに雑菌が付着しやすくなるため、衛生上も好ましくないという問題がある。
本発明は、以上に説明したような従来技術の問題を解決すべくなされたものであって、高温高圧蒸気の滅菌処理や衝撃に対しても十分な耐久性を有し、軽量で、また、内容物を簡単に確認することができるという、合成樹脂製カストを提供することを目的とする。
尚、本発明に係る合成樹脂製カストの本体及び蓋を成形する合成樹脂として、ポリエーテルイミド又はポリフェニルサルホンを使用した場合には、高温高圧蒸気への耐性及び強度の点において優れたカストを製造することができる。
また、前記蓋部の上面に、他の同型のカストの下側部分が嵌合するような形状の嵌合部を形成した場合には、カストを上方へ安定して積み上げることが可能である。
更に、本体や蓋を透明な樹脂によって形成した場合には、蓋を開けることなく内容物の種類、大きさ及び残量を確認することができるので、蓋の開閉回数を減らし、開閉時間を短縮することができ、その結果、雑菌侵入の危険性を軽減することができる。
また、合成樹脂によって本体や蓋を形成する場合、様々な着色を施すことができるため、様々な色のカストを用意しておけば、内容物ごとにカストを色分けして使用することができる。例えば、ガーゼ(小)はピンク色のカスト、ガーゼ(大)はオレンジ色のカスト、脱脂綿(小)は青いカスト、脱脂綿(大)は紫色のカストにそれぞれ収容するようにしておけば、使用者において、必要なものを的確に取り出すことができる。また、無菌室においては緑色のカストを、感染症患者のいる病棟においては黄色のカストを使用する等、色分けしてカストの使用場所を区別するようにしておけば、菌の移動・拡散を好適に抑止して、院内感染等の防止を図ることもできる。
さらに、本体の底面や蓋に形成されている多数の通気孔のうち、少なくとも一つが長孔状に形成され、金型内への樹脂注入時における樹脂の流れ方向に沿って延出するように構成した場合には、本体の底面や蓋を、射出成形によって効率良く製造することができ、また、それらの物性(強度)を向上させることができる。
また、本発明に係る合成樹脂製カストが、前記フィルターの保持手段を蓋及び本体の底面に固定するための留め具を有し、蓋を閉めた状態において本体の内側に存在することになるフィルターの保持手段及び留め具が、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホンのうち、少なくとも一つを含む合成樹脂から構成されている場合には、カスト内部に金属からなる部品等が一切使用されないため、カスト内部へとサビや金属粉等の汚染物質が混入することが無く、カストの内容物を清潔に保管することができる。
更に、留め具が、突設部が設けられた差込軸と、前記保持手段を蓋及び本体の底面へと押付けるように構成された頭部と、を有しており、蓋及び底面には、穴が設けられており、穴の内側には、前記差込軸に設けられた突設部が係合することによって、留め具が固定されるように構成された段部が設けられており、留め具の差込軸を前記穴へと差込んでから回転させ、突設部を前記段部に係合させることによって留め具を固定し、これにより、前記保持手段が蓋及び本体の底面へと、前記頭部に押付けられて固定されるようになっている場合には、前記保持手段を、蓋及び本体へと容易に固定することができる。
第2図は、第1図に示したカスト1へのフィルター6の取付方法の説明図である。
第3図は、留め具8によって、フィルター保持板7を蓋4へと固定する様子を説明した図である。
第4図は、第3図のAA線におけるフィルター保持板7等の垂直断面図である。
第5図は、貫通孔40を有するような樹脂プレート41を射出成形によって成形する方法の説明図である。
第6図は、第5図に示した下金型42bのBB線による水平断面図である。
第7図は、第5図に示した下金型42bのBB線による水平断面図である。
第8図は、従来のカスト51へのフィルター56の取付方法の説明図である。
尚、このカスト1が使用される場合、第2図に示されているようなフィルター6,6が、本体2の底面2a、及び、蓋4の内側面4aにそれぞれ取り付けられる。
また、図示されているように、本体2の底面2a、蓋4、及び、フィルター6を保持するフィルター保持板7,7(フィルターの保持手段)には、多数の通気孔5(5a〜d)が形成されている。これらの通気孔5は、滅菌処理を行う際に高温高圧蒸気を内部へ通すためのものである。
フィルター6は、滅菌処理時において通気孔5から出入りする高温高圧蒸気を通過させる一方、滅菌処理後においては、カスト1内への雑菌の侵入を防止するためのものである。尚、フィルター6を保持するフィルター保持板7は、留め具8によって、蓋4の内側面4a、及び、本体2の底面2aに固定されるようになっている。
本実施形態に係るカスト1は、本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7,7が、合成樹脂材によって構成されているので、従来のステンレス製のカストと比べて重量を軽くすることができるうえ、合成樹脂材として透明なものが使用されているため、カスト1の内部を外側から視認でき、カスト1が収容している内容物の種類、大きさ及び残量を、蓋4を開けることなく確認することができる。
また、合成樹脂材は、ステンレス等の金属と比べて加工性に優れているので、カストを合成樹脂材によって形成する場合、金属を用いる場合と比べて、デザインの自由度が向上する。また、合成樹脂材は、弾性を有しているので、この性質を活かして、後述するような係合手段等を製作することもできる。
尚、このような透明性を有する合成樹脂材であって、且つ、高温高圧蒸気下における滅菌処理や衝撃に対しても十分な耐久性を有する合成樹脂材として、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト、ポリサルホン、ポリフェニルサルホンを使用することが好ましく、中でも、高温への耐性及び強度の点において優れている、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドを使用することが好ましい。また、これらのうち、耐高温高圧蒸気特性の点から、ポリエーテルイミド、ポリフェニルサルホンを使用することが更に好ましい。
次に、留め具8を使用したフィルター保持板7の固定方法について、更に詳しく説明する。第3図は、留め具8によって、フィルター保持板7を蓋4へと固定する様子について説明したものである。
留め具8は、図示されているように、頭部10と、差込軸11とを有しており、差込軸11には、突設部12が設けられている。また、頭部10の上面には、ツマミ13が設けられている。ツマミ13は、その長手方向の長さが、頭部10の上面の径よりも短くなっており、その両端には、凸部13a,13aがそれぞれ設けられている。
フィルター保持板7には、座繰り穴16が設けられている。座繰り穴16は、図示されているように、留め具8の頭部10を受けるような形状をした座繰り部16aを有している。また、フィルター保持板7には、ストッパー18が、フィルター保持板7と一体的に成形されている。
ストッパー18は、図示されているように、二つのアーム20,20を有している。アーム20,20それぞれの先端には、ツマミ13を狭持するため、ツマミ13の凸部13aに対応する形状をした、凹部19が設けられている。
尚、前述の通り、ストッパー18は、フィルター保持板7と一体的に成形されている(つまり、合成樹脂材によって構成されている)ので、弾性を有している。そのため、アーム20,20は、矢印Mによって示される方向に、それぞれ動くことができるようになっている。
ところで、第3図においては、留め具8等の構造を解り易く説明するため、留め具8とフィルター保持板7とを分離した状態で示しているが、実施の際には、留め具8は、頭部10の下面が座繰り部16aに当接するまで座繰り穴16へと差込まれ、フィルター保持板7に取付けられて使用される。
この場合、前述の通り、ツマミ13の長手方向の長さが、頭部10の上面の径よりも短くなっているので、頭部10の上面は、アーム20の先端部によって抑えられることになる。そのため、ツマミ13は、座繰り穴16から抜けることがないように(図において右方向へと移動することがないように)なっている。
そして、以上の状態において、ツマミ13が、第3図に示すような向きの場合には、ツマミ13の凸部13a,13aそれぞれが、アーム20の凹部19,19によって狭持されることになるので、留め具8は、その回動が制限された状態となっている。一方、この状態から、ツマミ13を摘んで、留め具8を回転させた場合には、アーム20,20それぞれが拡がって、ツマミ13が凹部19,19から解放されるため、留め具8は、座繰り穴16において、回動できるようになる。
以上に述べたようなストッパー18の構造により、留め具8は、フィルター保持板7に設けられた座繰り穴16において、スナップ動作をしながら、回動できるようになっている。
また、フィルター保持板7が固定されることになる蓋4には、穴9が設けられている。この穴9は、蓋4の外側面4b(第3図において背面側の面)における開口寸法が、蓋4の内側面4a(第3図において手前側の面)における開口寸法よりも、大きくなっており、一部に段部14が設けられた「段付き穴」となっている。更に、蓋4の内側面4aにおける穴9の周囲には、フィルターガイド15が設けられており、このフィルターガイド15は、その高さhが、フィルター6の厚さdとほぼ同等の寸法となるように形成されている。
そして、蓋4への固定は、フィルター保持板7に取り付けられた留め具8の差込軸11を、図に示すような向きのまま、フィルター6に設けられた貫通孔17に挿通させてから、これを穴9へと差込んだ後、留め具8を回転させて、突設部12を段部14と係合させ、留め具8を係止させることによって行う。
このように、留め具8が係止されることにより、フィルター保持板7は、留め具8の頭部10によって、蓋4の内側面4aへと押し付けられ固定される。参考のため、このフィルター保持板7が、留め具8によって蓋4へと固定された状態を、第4図(第3図のA−A線におけるフィルター保持板7等の断面図)に示す。尚、留め具8については、断面図ではなく、側面図を示した。
尚、以上においては、フィルター保持板7を蓋4へと固定する方法を例に説明したが、フィルター保持板7を本体2の底面2aへと固定する場合も、以上に説明した方法と同様にして行うことができる。
また、フィルター保持板7を蓋4及び本体2の底面2aへと固定する方法は、以上に説明した留め具8によって固定する方法に限られず、凹凸部材の嵌合や、ボルト及びナットの締結のような、公知の技術手段によって行うことも可能である。
尚、本実施形態に係るカスト1は、第2図に示すように、カスト1の本体2の上縁部(又は蓋の周縁部)には、中空部を有するシリコーン製のパッキン32が装着されているので、蓋4を閉じた際にカスト1の密閉性を高め、カスト1内部への雑菌等の侵入を防止できるようになっている。
また、本体2と蓋4には、蓋4を閉めた状態を維持するための係合手段(掛止具30、掛受部31)が設けられており、これらも、本体2や蓋4と同じく、合成樹脂材によって構成されているので、デザインの自由度が向上している。
更に、本実施形態において、蓋4の上面には、その周縁に近い位置に嵌合部(環状の凸部33)が設けられている。この嵌合部は、他の同型のカストの下側部分が嵌合するような形状となっており、従って、複数のカスト1を安定して積み上げることができるようになっている。
また、本発明に係る合成樹脂製カストは、蓋4を閉めた状態において本体2の内側に存在することになるフィルター保持板7及び留め具8が、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホンのうち、少なくとも一つを含む合成樹脂から構成されているので、カスト内部に金属からなる部品等が一切使用されないため、カスト内部へとサビや金属粉等の汚染物質が混入することが無く、カストの内容物を清潔に保管することができる。
更に、留め具8の差込軸11を穴9へと差込んでから回転させ、突設部12を段部14に係合させることによって留め具8を固定し、これにより、フィルター保持板7が、蓋4及び本体2の底面2aへと、頭部10に押付けられて固定されるようになっているので、フィルター保持板7を、蓋4及び本体2へと容易に固定することができる。
ところで、本実施形態において、本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7に形成された通気孔5は、第2図に示されているように長孔状に形成されており、また、これらの通気孔5は、本体2の側面の延出方向よりも、金型内へ樹脂を注入した際の樹脂の流れ方向(樹脂注入口から放射方向)に近い方向へ延出するように形成されており、これによって、本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7を、射出成形法によって効率よく製造することができる。
この点につき更に詳しく説明する。例えば、第5図に示すような、貫通孔40,40を有する樹脂プレート41を、射出成形法によって製造しようとする場合、下金型42bと上金型42aとからなる金型42をセットし、それらの間に形成された空間へ、樹脂注入口44から樹脂を注入するが、このとき、第6図に示すように、注入された樹脂43は、金型42内において、樹脂注入口44から放射状に(放射方向に)拡がっていくことになる。
但し、金型42内には、貫通孔40,40を形成するための突起部35,35が形成されているため、注入された樹脂43は、それらの突起部35に行く手を阻まれ、第7図に示すような状態で金型42内の空間を次第に埋めていくことになる。
このように、突起部35を有する金型42を使用して射出成形を行う場合、突起部35の裏側(樹脂注入口44から見て裏側)の部分(ブラインド部46)へは、通常、樹脂43が行きわたりにくいため、それらの部分へも完全に樹脂43を送り込むためには、樹脂43の注入圧力を高くする必要がある。
仮に、樹脂43の注入圧力が足りない場合には、成形品において、ブラインド部46に相当する部分が充填不足又は欠損してしまうことがあり(成形不良)、また、注入される樹脂43の粘性が高くなってしまった場合にも、同様の問題が生じ得る。
そして、このような問題が発生する頻度は、突起部35の形状や、樹脂43の拡散流れ方向等にもよるが、突起部35の数が多いほど、また、ブラインド部46の総面積が大きいほど高くなる、と言える。
一方、本実施形態に係るカスト1の本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7においては、通気孔5(5a〜5d)はいずれも長孔状に形成されている(第1図及び第2図参照)。そのため、従来のカスト51(第8図参照)における通気孔55の総開口面積と同等の開口面積を確保した場合であっても、従来のように通気孔55が円形である場合と比較して、通気孔5の数を少なくすることができるので、射出成形の際に必要となる金型において、通気孔5形成のための突起部の数を少なくすることができる。
また、通気孔5は、金型内へ樹脂を注入した際の樹脂の拡散流れ方向、つまり、樹脂注入口(本実施形態においては、金型の樹脂注入口は、本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7のそれぞれ中央部45に相当する位置に形成されている。)からの「放射方向」と概ね一致する方向へ延出するように形成されている。従って、金型内へ樹脂を注入する際、樹脂を円滑に進行させることができるほか、ブラインド部(第7図の符号46参照)の総面積を大幅に縮減することができる。
更に、通気孔5が長孔状に形成されているため、従来のカスト51における通気孔55の総開口面積と同等の開口面積を確保した場合であっても、従来のように通気孔55が円形である場合と比較して、隣り合う通気孔5の間の距離を大きく取ることができるので、通気孔5,5の間において壊れにくく、充分な強度を有する成形品(カスト1の本体2、蓋4、及び、フィルター保持板7)を製造することができる。
このように、本実施形態においては、突起部の数を少なくすることができるだけでなく、樹脂成形の際、金型内において樹脂を円滑に流動させることができ、また、ブラインド部の総面積を小さくできるため、ブラインド部に相当する部分の充填不足や欠損(成形不良)が発生する頻度を極めて小さくすることができる、更に、隣り合う通気孔の間の距離を大きく取ることができる。従って、通気孔の間において壊れにくく、充分な強度を有する成形品を、効率良く製造することができる。
また、本発明に係るカストを、透明な合成樹脂によって形成した場合には、収容している物の種類や残量等を確認するために蓋を開ける必要がなく、不必要に、ガーゼや脱脂綿を外気にさらして、これらを汚染させてしまう問題もない。
更に、カストの本体の上縁部に、中空部を有するシリコーン製のパッキンが装着され、カストの蓋に取り付けられた掛止具が、本体に設けられている掛受具へと引っ掛けられることによって、閉じた状態の蓋を確実に固定できるようになっているので、蓋を閉じた際にカストの密閉性を高め、カスト内部への雑菌等の侵入を好適に防止することができる。
また、蓋上面の周縁に近い位置に設けられた凸部の内周部が、カスト本体の下部の外側部分より、やや小さい寸法となっているので、カストを上方へと複数積み上げる際に、上に積み上げるカストの本体の下部が、蓋の上面に嵌合することになって、複数のカストを安定して積み上げることができる。
更に、本発明に係る合成樹脂製カストは、本体の内側に存在することになるフィルターの保持手段及び留め具が、合成樹脂から構成されているので、カスト内部に金属からなる部品等が一切使用されないため、カスト内部へとサビや金属粉等の汚染物質が混入することが無く、カストの内容物を清潔に保管することができる。
また、留め具の差込軸を穴へと差込んでから回転させ、差込軸に設けられた突設部を段部に係合させることによって留め具を固定し、これにより、フィルターの保持手段が蓋及び本体の底面へと、留め具の頭部に押付けられて固定されるようになっているので、保持手段を、蓋及び本体へと容易に固定することができる。
また、前述したように、金型内における突起部の数を少なくすることができ、ブラインド部の総面積を小さくすることができ、更に、射出成形時、金型内において樹脂を円滑に流動させることができ、加えて、隣り合う通気孔の間の距離を大きく取ることができるため、成形不良の問題を好適に回避し、充分な強度を有する合成樹脂の成形品を、極めて効率良く製造することができる。
Claims (3)
- 上面が開放された箱状の本体と、ヒンジを介して当該本体の上部に取り付けられ、開放された当該本体の上面を開閉可能なように構成された蓋と、からなるカストであって、
前記本体及び前記蓋が、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホンのうち、少なくとも一つを含む透明な樹脂によって形成されており、
前記本体及び前記蓋の底面には、高温高圧蒸気が前記本体内を通過できるように、多数の通気孔が形成されるとともに、当該通気孔に当接されるフィルターの保持手段が取り付けられており、
前記通気孔は、金型内へ樹脂を注入するための樹脂注入口からの放射方向と概ね一致する方向へ延出するような長孔状に形成されていることを特徴とする合成樹脂製カスト。 - 前記フィルターの保持手段を前記蓋及び前記本体の底面に固定するための留め具を有し、前記蓋を閉めた状態において前記本体の内側に存在することになる前記保持手段及び前記留め具が、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホンのうち、少なくとも一つを含む合成樹脂から構成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の合成樹脂製カスト。
- 前記留め具は、突設部が設けられた差込軸と、前記保持手段を前記蓋及び前記本体の底面へと押付けるように構成された頭部と、を有しており、前記蓋及び前記本体の底面には、穴が設けられており、前記穴の内側には、前記差込軸に設けられた突設部が係合することによって、前記留め具が固定されるように構成された段部が設けられており、前記留め具の前記差込軸を前記穴へと差込んでから回転させ、前記突設部を前記段部に係合させることによって前記留め具を固定し、これにより、前記保持手段が前記蓋及び前記本体の底面へと、前記頭部に押付けられて固定されるようになっていることを特徴とする、請求の範囲第2項に記載の合成樹脂製カスト。
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