JP4186249B2 - 車両のバンパー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる略B型断面に形成されたバンパー補強部材(バンパーレインフォースメント)を有する車両のバンパー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の車両のバンパー構造として、バンパーフェイスの内側にバンパー補強部材を有するものが広く知られている。このものでは、例えば閉断面形状を有するバンパー補強部材を車体に対しバンパーステイを介して取り付け、上記バンパー補強部材の外周囲にウレタン樹脂及びバンパーフェイスを取り付けるようにしている。そして、上記バンパーに対し荷重が入力された場合には、上記バンパー補強部材により車体に対し荷重を確実に伝達するようにして、車体においてそのエネルギを吸収するようにしている。
【0003】
そして、上記の如きバンパーステイを介して取り付けられるバンパー補強部材として、いわゆる略B型断面に形成するものが知られている(例えば、実開昭63−119150号公報参照)。このものでは、図8に示すように、車体外方側に位置し逆く字状の断面形状を有するアウタパネル部材101と、車体側に位置し略W字状の断面形状を有するインナパネル部材102とにより1つの閉断面構造を形成し、この閉断面構造内に逆コ字状の断面形状を有する内部部材103を配設することにより、閉断面構造部を上下方向に2つ備えた略B型断面のバンパー補強部材100を構成している。そして、上記バンパー補強部材100は、内部部材103に溶着したバンパーステイ104をインナパネル部材102に形成した大開口102bから後方に突出した状態にし、そのバンパステイ104の後端部を車体部材200にボルト結合することにより、車体に対し取り付けられるようになっている。このようにバンパー補強部材の断面形状を略B型に形成してこのバンパー補強部材の剛性を高めることにより、荷重に対するバンパー補強部材の変形量を小さくして、車体に対し荷重を伝達するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の車両のバンパー構造においては、バンパー補強部材100がバンパーステイ104を介して取り付けられるようになっているため、上記バンパー補強部材100のインナパネル部材102は車体に対し所定距離だけ離された状態になる上に、上記バンパー補強部材100はバンパーステイ104の先端部と内部部材103との取付部位を介してのみ車体に支持されるようになる。このため、上記バンパー補強部材100が略B型断面を有していてもその各閉断面構造部が衝突荷重に対し潰れ易くなる上に、上記バンパーステイ104に対し車幅方向にオフセットした位置に荷重が入力した場合には上記バンパー補強部材100が曲げ変形するおそれがあり、上記バンパーステイ104を介した車体への荷重の伝達が確実に行われなくなるおそれがある。
【0005】
加えて、バンパー補強部材100の略B型の断面形状をインナパネル部材とアウタパネル部材との2つの部材で形成せずに、アウタパネル部材101、インナパネル部材102及び内部部材103の3つの部材により形成するようにしているため、部材点数の増加及び重量の増大を招いてしまうという問題がある。また、上記バンパー補強部材100をバンパーステイ104を介して車体に取り付けるようにしているため、部品点数がさらに増加するとともに、重量もさらに増大してしまうという問題がある。
【0006】
さらに、上記従来の略B型断面のバンパー補強部材100を組み立てる際には、アウタパネル部材101とインナパネル部材102との縁部にそれぞれ溶接フランジ101a,101a,102a,102aを形成し、この両溶接フランジ101a,102aを互いに突き合わせた当接面において溶接を行うようにしている。ところが、上記従来のバンパー補強部材は、図9に示すように、上記アウタパネル部材101とインナパネル部材102とを相対向させた状態にして上記両溶接フランジ101a,102aの溶接を行うと、上記アウタパネル部材101及びインナパネル部材102が溶接熱を受けて共に上下方向に拡がってしまうという問題がある(同図の一点鎖線参照)。特に高張力鋼板をプレス加工することにより上記バンパー補強部材を成形する場合には、上記アウタパネル部材101及びインナパネル部材102の上下方向の拡がりがさらに大きくなってしまうという不都合がある。このため、上記バンパー補強部材をねらいどおりの形状に仕上げる上でその組立工程が煩雑になってしまうという問題がある。
【0007】
加えて、バンパー補強部材を車体に取り付ける際には、作業者が閉断面形状に構成された上記バンパーステイ104内に手を入れて、その状態で上記バンパー補強部材100と車体部材200とをボルトによって締結することになる。このため、バンパー補強部材の取付作業が煩雑かつ困難になるという不都合がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車体に対する荷重の伝達を確実に行い得ることにあり、加えてバンパー補強部材の構造を簡略化することによる軽量化と、組立及び取付の容易化とを図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体に取り付けられるバンパー補強部材とこのバンパー補強部材の車体外方側を覆うバンパーフェイスとからなり、上記バンパー補強部材が車幅方向に延びる閉断面構造部を上下方向に複数備えた車両のバンパー構造であって、車幅方向の左右両側位置においてそれぞれ車体前後方向に延びる車体フレームと、上記車体フレームの後端部に取り付けられたエンドパネルと、上記エンドパネルにおける上記左右の車体フレームのそれぞれに対応する位置において、当該車体フレーム後端から後方に向かって設けたブラケットと、を備え、上記ブラケットは、上記エンドパネル側に開口すると共に、上記バンパー補強部材と当接する当接部を有する箱状又はハット状に形成され、上記バンパー補強部材は、このバンパー補強部材の閉断面構造部を構成する前側の壁部が、上記ブラケットに車体前後方向に相対向して当接した状態で上記前側の壁部とブラケットとを車体前後方向に互いに締結する取付部材を介して取り付けられ、上記取付部材は、上記当接部に設けられ車体前後方向の外側に突出する杆状部と、バンパー補強部材の上記前側の壁部に設けられ上記杆状部が貫通する貫通孔とからなり、上記バンパー補強部材の上記閉断面構造部を構成する後側の壁部には、上記貫通孔に相対向した位置に上記バンパー補強部材の車体に対する取付作業を行い得るようサイズ設定された作業孔が形成され、上記バンパー補強部材は、平面視でその車幅方向中央部が両側部に比べて車体前後方向の外方となるように湾曲しながら車幅方向に延設しており、上記エンドパネルは、上記左右の車体フレームを互いに連結するように車幅方向に延設していると共に、上記左右の車体フレーム間で車幅方向に延設する閉断面構造のメンバを備えている構成とするものである。
【0010】
上記の構成の場合、閉断面構造部を上下方向に複数備えたバンパー補強部材をバンパーステイを介することなく、取付部材により車体(車体フレーム)に対し直接取り付けるようにしているため、上記バンパー補強部材に入力された荷重を各閉断面構造部の剛性を維持した状態で車体フレームに対し直接伝達することが可能になる。これにより、上記荷重を直接かつ確実に車体フレームに対し伝達することが可能になる。また、バンパー補強部材をバンパーステイを介することなく車体に直接取り付けることにより、部品点数の低減化とともに軽量化を図ることが可能になる。
【0011】
また、バンパー補強部材を車体に対し取り付ける際には、まず、上記バンパー補強部材の貫通孔に対し車体の杆状部を貫通させることにより、上記バンパー補強部材を車体に対し仮預けした状態にすることが可能になる。この状態で作業孔から上記杆状部と係合する係合部材を挿入して上記杆状部と係合させれば、上記バンパー補強部材を車体に対し固定させることが可能になる。その結果、上記バンパー補強部材の車体に対する取り付けの容易化を図ることが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、取付部材は、バンパー補強部材の車幅方向両側部それぞれに上下方向に一対設けられ、上記各側部の上下一対の取付部材を、車幅方向に対し互いにオフセットされた位置に配設する構成とするものである。
【0013】
上記の構成の場合、上下一対の取付部材が車幅方向に対し同じ位置に設定されている場合には、バンパー補強部材に対し車幅方向の荷重が入力すると上記取付部材に対し曲げ力が作用してバンパー補強部材が車体に対し車幅方向に容易にずれるようになる。これを回避するには、各側部に3つの取付手段を設け、それぞれを3角形の頂点に位置させるように設定することが有効ではあるが、本構成のように上下一対の取付部材を車幅方向に互いにオフセットされた位置に配設することによっても、車幅方向の荷重に対する上記バンパー補強部材の車幅方向のずれを防止することが可能になる。その結果、バンパー補強部材の構造の簡略化及び車体に対する取り付けの容易化を図りつつ、このバンパー補強部材を車体に対し安定した状態に取り付けることが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、両側部の上下一対の取付部材を、そのオフセット方向が互いに逆向きになるよう配設する構成とするものである。
【0015】
上記の構成の場合、例えば上下一対の取付部材がバンパー補強部材の両側部に対し共に車幅方向の同じオフセット方向にずらせて設定されている場合には、上記上下一対の取付部材を結んだ線に直交する方向の荷重がバンパー補強部材に入力すれば、このバンパー補強部材が容易に車体に対し荷重入力方向にずれるおそれを生じてしまう。しかしながら、本構成のように両側部の上下一対の取付部材をそのオフセット方向が互いに逆向きになるよう配設することにより、いずれの方向の荷重がバンパー補強部材に入力しても、このバンパー補強部材が車体に対しずれることを防止することが可能になる。その結果、バンパー補強部材を車体に対しより一層安定した状態に取り付けることが可能になる。しかも、上記バンパー補強部材の車幅方向へのずれを防止すれば、第1及び第2閉断面構造部が車幅方向に倒れて潰れるきっかけがなくなる。このため、上記バンパー補強部材に入力された荷重が車体前後方向に確実に伝達され、車体に対して荷重を確実に伝達することが可能になる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、バンパー補強部材を、車体側の壁部を形成するインナパネル部材と車体外方側の壁部を形成するアウタパネル部材とを有し、上記インナパネル部材とアウタパネル部材との内、いずれか一方を略W字状の断面形状を有するように形成する一方、他方をハット状の断面形状を有するように形成し、上記インナパネル部材とアウタパネル部材とが車体前後方向に相対向した状態でその両パネル部材の上下方向略中央位置であって相対向する方向に向かってそれぞれ突出する突出部が互いに接合されて、上下方向に複数の閉断面構造部を形成する構成とするものである。
【0017】
上記の構成の場合、従来の略B型断面のバンパー補強部材とは異なり、アウタパネル部材とインナパネル部材との2つの部材によりバンパー補強部材を形成することにより、部品点数の低減化及び軽量化が図られる。また、上記アウタパネル部材とインナパネル部材との2つの部材によりバンパー補強部材を形成することにより、3つの部材によりバンパー補強部材を形成する場合に比べて溶接点を減少させることが可能になり、バンパー補強部材の組立の簡略化が図られる。さらに、上記アウタパネル部材及びインナパネル部材のいずれか一方を略W字状に形成し、他方を略ハット状に形成することで上記アウタパネル部材及びインナパネル部材には曲げ部分がそれぞれ複数箇所存在することになり、上記アウタパネル部材及びインナパネル部材の剛性が向上する。このため、バンパー補強部材自体の剛性が向上し、上記バンパー補強部材に入力された荷重を確実に車体に対し伝達することが可能になる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、バンパー補強部材を、アウタパネル部材を略W字状の断面形状を有するように形成する一方、インナパネル部材をハット状の断面形状を有するように形成し上記インナパネル部材の上下の端縁部を、上記アウタパネル部材の上壁部及び下壁部の上下方向内向き面に対し当接するように屈曲された状態で上記アウタパネル部材に対し接合することにより形成する構成とするものである。
【0019】
上記の構成の場合、バンパー補強部材の組立時には、まず、アウタパネル部材の上壁部及び下壁部の上下方向内向き面にインナパネル部材の端縁部が当接するように両部材を組み合わせた状態にする。この状態では、インナパネル部材のスプリングバックがアウタパネル部材により抑制されることになるため、上記両部材を所定の形状に保持することが可能になる。その結果、インナパネル部材に設けられた取付部材を正確に位置させた状態にすることが可能になる。しかも、上記両部材を組み合わせた状態で、両部材の溶接を行うことが可能になるため、上記インナパネル部材の熱による拡がりをアウタパネル部材により抑制することが可能になる。このため、バンパー補強部材の組立の容易化が図られる。さらに、上記溶接は、上記インナパネル部材の縁端部の屈曲位置であって外部に露出している部分において行えばよく、その溶接作業の容易化が図られ、上記バンパー補強部材の組立の容易化を図ることが可能になる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、各車体フレームの下面に、車幅方向に延びて車体フレームの端部同士を連結するクロスメンバを配設し、ブラケットを、上下方向に重なった車体フレームとクロスメンバとに跨って配設するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の車両のバンパー構造を車両後部のバンパーに適用した実施形態を示し、1はバンパー補強部材、2はこのバンパー補強部材1が取り付けられる車体側部材としてのエンドパネル、3,3は車幅方向両側位置において車体前後方向に延びる車体フレームとしてのサイドフレームである。この後部バンパーは、図2に示すように、上記サイドフレーム3,3の後端位置に設けられており、上記後部バンパーは、図3に示すように、上記バンパー補強部材1の外周囲にウレタン樹脂1aが取り付けられ、さらに、このウレタン樹脂1aの外周囲をバンパーフェイス1bで覆うことにより構成されるようになっている。
【0023】
上記エンドパネル2は、図2に示すように、車体の後部位置の車体の両側位置において車体前後方向に延びるサイドフレーム3,3の後端に、この両サイドフレーム3,3を互いに連結するように取り付けられている。上記エンドパネル2は、図1に示すように、上記各サイドフレーム3の後端面に当接して後方を向くように配設された後面部2aと、この後面部の下端において屈曲して、車幅方向に延びる閉断面構造を有するクロスメンバ31の下面に当接する下端部2bとにより構成されている。そして、上記後面部2aの両側端部には、上記バンパー補強部材1を取り付けるための上部及び下部ブラケット21,21,22,22がそれぞれ形成されている。
【0024】
上記各上部ブラケット21は、バンパー補強部材1と当接する当接部21bを有する箱状に形成されており、上記エンドパネル2の後面部2aの上部位置に取り付けられるようになっている。また、上記各下部ブラケット22は、上記バンパー補強部材1と当接する当接部22bを有するハット状に形成されており、上記上部ブラケット21の取付位置よりも、車幅方向内方側の下方位置に取り付けられるようになっている。上記各上部及び下部ブラケット21,22には、図4に示すように、杆状部としてのスタッドボルト21a,22aが取り付けられている。このスタッドボルト21a,22aは、その軸部が上記当接部21b,22bの後側から前側に向かって突出し、その頭部が上記当接部21b,22bの内側面に溶接により固定されることにより構成されるようになっている。そして、上記スタッドボルト21a,22aと後述するバンパー補強部材に形成された貫通孔としての上部及び下部取付孔とにより取付部材が構成されるようになっている。
【0025】
上記バンパー補強部材1は、図5に示すように、アウタパネル部材11とインナパネル部材12とにより構成されており、上記アウタパネル部材11は、略W字状の断面形状を有する板状部材を90°反時計回りに回転させて横置きにした状態に形成されている。上記アウタパネル部材11の上下の端縁部は、それぞれ上方向または下方向に屈曲した屈曲部11a,11aとなっている。一方、上記インナパネル部材12は、略ハット状の断面形状を有する板状部材を90°時計回りに回転させて横置きにした状態に形成されている。上記インナパネル部材12の端縁部は、それぞれ車体前後方向の後方に水平方向に屈曲した屈曲部12a,12bとなっている。このようなアウタパネル部材11及びインナパネル部材12の成形は、例えばプレス加工により行えばよい。
【0026】
そして、インナパネル部材12をアウタパネル部材11に相対向させて上記インナパネル部材12の上下方向略中央部の突出部12cが上記アウタパネル部材11の突出部11dに対し当接するようにする。この状態で上記インナパネル部材12の屈曲部12a,12bをそれぞれ上記アウタパネル部材11の上壁部11b及び下壁部11cの内側面にそれぞれ当接させると全体として第1及び第2閉断面構造部13,14を上下方向に2つ備えた略B型断面の形状が形成されるようになる。この接合は、上記アウタパネル部材11及びインナパネル部材12の突出部12c,11dとの当接面、及び、上記アウタパネル部材11及びインナパネル部材12の各屈曲部11a,12aの角部において溶接により行えばよく、上記各屈曲部11a,12aの角部においては、例えば肉盛り溶接により行えばよい。
【0027】
そして、上記バンパー補強部材1のインナパネル部材12の両側端部には、図1に示すように、貫通孔としての上部及び下部取付孔12d,12d,12e,12eがそれぞれ第1及び第2閉断面構造部13,14を形成する車体側の壁部12f,12gに形成されており、上記下部取付孔12e,12eは、上部取付孔12d,12dの位置よりもそれぞれ車幅方向の内方側に位置するようになっている。一方、上記アウタパネル部材11の車体外方側の壁部11e,11fの上記各上部及び下部取付孔12d,12eに相対向する位置には、上記スタッドボルト21a,22aに螺合されるナットが挿入可能な大きさの径を有する上部及び下部作業孔11g,11hがそれぞれ形成されるようになっている。
【0028】
上記バンパー補強部材1は、図1に示すように、上記エンドパネル2に設けられたスタッドボルト21a,22aをシール部材4,4,…を介して上記バンパー補強部材1の各上部及び下部取付孔12d,12eに対し挿入した状態で、上記各スタッドボルト21a,22aに対しナット51a,52aを螺合させることにより、エンドパネル2に対し取り付けられている(図6参照)。
【0029】
つぎに、上記実施形態の作用・効果を説明する。
【0030】
バンパー補強部材1をバンパーステイを介することなく、スタッドボルト21a,22aと、上部及び下部取付孔12d,12eとによりエンドパネル2に対し直接取り付けるようにしているため、上記バンパー補強部材1に入力された荷重を第1及び第2閉断面構造部13,14の剛性を維持した状態で車体に対し直接伝達することができるようになる。これにより、上記荷重を確実に車体に対し伝達することができるようになる。しかも、上記スタッドボルト21a,22aと、上部及び下部取付孔12b,12cとが各サイドフレーム3位置に形成されていることにより、バンパー補強部材1に対し荷重が入力したときには、上記入力荷重を直接かつ確実に上記サイドフレーム3に伝達することができるようになる。
【0031】
また、例えば上下一対のスタッドボルト21a,22aと、上部及び下部取付孔12d,12eとが車幅方向に同じ位置に配設されている場合、または、上下一対のスタッドボルト21a,22aと、上部及び下部取付孔12d,12eとがバンパー補強部材の両側部に対しともに車幅方向の同じ方向にオフセットされた位置に配設されている場合には、バンパー補強部材に対する荷重の入力方向によっては、バンパー補強部材が容易に車体に対し車幅方向にずれるようになってしまう。ところが、本実施形態のように上下一対のスタッドボルト21a,22aと、上部及び下部取付孔12d,12eとをそのオフセット方向が互いに逆向きになるように配設することにより、上記バンパー補強部材1の車幅方向にずれることを防止することができるようになる。その結果、上記バンパー補強部材1を車体に対し安定した状態に取り付けることができるようになる。しかも、上記バンパー補強部材1の車幅方向へのずれを防止すれば、第1及び第2閉断面構造部13,14が車幅方向に倒れて潰れるきっかけをなくすことになる。このため、上記バンパー補強部材1に入力された荷重を車体前後方向に確実に伝達することができるようになり、車体に対して荷重を確実に伝達することができるようになる。
【0032】
さらに、バンパー補強部材1をエンドパネル2に対し取り付ける際には、まず、上記バンパー補強部材1の上部及び下部取付孔12d,12eに対し各スタッドボルト21a,22aを貫通させることにより、上記バンパー補強部材1をエンドパネル2に対し仮預けした状態にすることができるようになる。この状態で上記バンパー補強部材1に形成された上部及び下部作業孔11e,11hからナット51a,52aを挿入して、例えばインパクトレンチにより上記ナット51a,52aとスタッドボルト21a,22aとを螺合させれば、上記バンパー補強部材1をエンドパネル2に対し固定させることができるようになる。その結果、上記バンパー補強部材1の車体に対する取り付けの容易化を図ることができる。
【0033】
加えて、バンパー補強部材1をバンパーステイを介することなくエンドパネル2に直接取り付けることにより、部品点数の低減化とともに軽量化を図ることができるようになる。また、従来の略B型断面のバンパー補強部材とは異なり、アウタパネル部材11とインナパネル部材12との2つの部材によりバンパー補強部材1を形成することにより、部品点数の低減化及び軽量化を図ることができるようになる。また、上記アウタパネル部材11とインナパネル部材12との2つの部材によりバンパー補強部材1を形成することにより、従来の3つの部材によりバンパー補強部材を形成する場合に比べて溶接点を減少させることができるようになる。さらに、上記アウタパネル部材11を略W字状に形成し、インナパネル部材12を略ハット状に形成することで上記アウタパネル部材11及びインナパネル部材12には曲げ部分がそれぞれ複数箇所存在することになり、上記アウタパネル部材11及びインナパネル部材12の剛性が向上するようになる。このため、バンパー補強部材1自体の剛性が向上し、上記バンパー補強部材1に入力された荷重を確実に車体に対し伝達することができるようになる。
【0034】
加えて、バンパー補強部材1の組立時には、まず、アウタパネル部材11の上壁部11bの下面及び下壁部11cの上面にインナパネル部材12の屈曲部12a,12bが当接するように両部材11,12を組み合わせた状態にする。この状態では、インナパネル部材12のスプリングバックがアウタパネル部材11により抑制されることになるため、上記両部材11,12を所定の形状に保持することができるようになる。その結果、インナパネル部材11に設けられた取付孔12d,12eを正確に位置させた状態にすることができるようになる。しかも、上記両部材11,12を組み合わせた状態で、両部材11,12の溶接を行うことが可能になるため、上記インナパネル部材12の熱による拡がりをアウタパネル部材11により抑制することができるようになる。このため、バンパー補強部材1の組立の容易化を図ることができるようになる。さらに、上記溶接は、上記各部材11,12の屈曲部11a,12a,12bの接合位置であって外部に露出している部分において行えばよく、その溶接作業の容易化が図られ、上記バンパー補強部材1の組立の容易化を図ることができるようになる。
【0035】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、取付部材としての上部及び下部取付孔12d,12eとスタッドボルト21a,22aとの内、上部及び下部取付孔12d,12eをバンパー補強部材1に形成し、スタッドボルト21a,22aをエンドパネル2に取り付けるようにしているが、これに限らず、逆にスタッドボルトをバンパー補強部材1に取り付け、上部及び下部取付孔をエンドパネル2に形成するようにしてもよい。
【0036】
上記実施形態では、下部のスタッドボルト22a及び下部取付孔12eを上部のスタッドボルト21a及び上部取付孔12dに対して車幅方向内方側に位置させるようにしているが、これとは逆に、例えば図7に示すように、下部取付孔12e′を上部取付孔12d′に対し車幅方向外方側に位置させるようにし、それに対応して下部のスタッドボルトを上部のスタッドボルトに対し車幅方向外方側に位置させるようにしてもよい。
【0037】
上記実施形態では、エンドパネル2のブラケットとして上部及び下部ブラケット21,22の2つを形成して、各ブラケットに対しスタッドボルト21a,22aを取り付けるようにしているが、これに限らず、例えば1つのブラケットに2つのスタッドボルトをそれぞれ取り付けるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明における車両のバンパー構造によれば、閉断面構造部を上下方向に複数備えたバンパー補強部材をバンパーステイを介することなく、取付部材により車体に対し直接取り付けるようにしているため、上記バンパー補強部材に入力された荷重を各閉断面構造部の剛性を維持した状態で車体に対し直接伝達することができる。これにより、上記荷重を確実に車体に対し伝達することができる。また、バンパー補強部材をバンパーステイを介することなく車体に直接取り付けることにより、部品点数の低減化とともに軽量化を図ることができる。
【0039】
特に、取付部材が車体フレーム位置に形成されていることにより、バンパー補強部材に対し荷重が入力したときには、上記入力荷重を直接かつ確実に車体フレームに伝達することができる。
【0040】
また、バンパー補強部材を車体に対し取り付ける際には、まず、上記バンパー補強部材の貫通孔に対し車体の杆状部を貫通させることにより、上記バンパー補強部材を車体に対し仮預けした状態にすることができる。この状態で作業孔から上記杆状部と係合する係合手段を挿入して上記杆状部と係合させれば、上記バンパー補強部材を車体に対し固定させることができ、上記バンパー補強部材の車体に対する取り付けの容易化を図ることができる。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、バンパー補強部材の構造の簡略化及び車体に対する取付の容易化を図りつつ、このバンパー補強部材を車体に対し安定した状態に取り付けることができる。
【0042】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、いずれの方向の荷重がバンパー補強部材に入力しても、このバンパー補強部材が車体に対しずれることを防止することができ、バンパー補強部材を車体に対しより一層安定した状態に取り付けることができる。しかも、上記バンパー補強部材の車幅方向へのずれを防止することにより、第1及び第2閉断面構造部の車幅方向に倒れて潰れが防止されるため、上記バンパー補強部材に入力された荷重が車体前後方向に確実に伝達され、車体に対して荷重を確実に伝達することができる。
【0043】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、アウタパネル部材とインナパネル部材との2つの部材によりバンパー補強部材を形成することにより、部品点数の低減化及び軽量化を図ることができる。また、上記アウタパネル部材とインナパネル部材との2つの部材によりバンパー補強部材を形成することにより、3つの部材によりバンパー補強部材を形成する場合に比べて溶接点を減少させることができ、バンパー補強部材の組立の簡略化を図ることができる。さらに、上記アウタパネル部材及びインナパネル部材のいずれか一方を略W字状に形成し、他方を略ハット状に形成することで上記アウタパネル部材及びインナパネル部材には曲げ部分がそれぞれ複数箇所存在することになり、上記アウタパネル部材及びインナパネル部材の剛性を向上させることができる。このため、バンパー補強部材自体の剛性が向上し、上記バンパー補強部材に入力された荷重を確実に車体に対し伝達することができる。
【0044】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果に加えて、バンパー補強部材の組立時には、まず、アウタパネル部材内にインナパネル部材を折り込むようにして両者を組み合わせた状態にして、インナパネル部材のスプリングバックをアウタパネル部材により抑制することができる。その結果、インナパネル部材に設けられた取付部材を正確に位置させた状態にすることができる。しかも、上記両部材を組み合わせた状態で、両部材の溶接を行うことができ、上記インナパネル部材の熱による拡がりをアウタパネル部材により抑制することができる。このため、バンパー補強部材の組立の容易化を図ることができる。さらに、上記溶接を上記インナパネル部材の縁端部の屈曲位置であって外部に露出している部分において行えばよく、その溶接作業の容易化を図ることができ、上記バンパー補強部材の組立の容易化をより一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 バンパー補強部材が取り付けられた車両を示す底面図である。
【図3】 図2のA−A断面を示す一部省略断面図である。
【図4】 図2のB−B断面を示す一部省略断面図である。
【図5】 バンパー補強部材を示す一部省略断面図である。
【図6】 バンパー補強部材をエンドパネルに取り付けた状態を示す側面図である。
【図7】 他の実施形態に係るバンパー補強部材を示す正面図である。
【図8】 従来のバンパー構造を示す図3対応図である。
【図9】 従来のバンパー補強部材を示す端面説明図である。
【符号の説明】
1 バンパー補強部材
3,3 サイドフレーム(車体フレーム)
11 アウタパネル部材
12 インナパネル部材
13 第1閉断面構造部
14 第2閉断面構造部
1b バンパーフェイス
11e,11f 車体外方側の壁部
11g 上部作業孔
11h 下部作業孔
12f,12g 車体側の壁部
12d 上部取付孔(貫通孔)
12e 下部取付孔(貫通孔)
21a,22a スタッドボルト(杆状部)
Claims (6)
- 車体に取り付けられるバンパー補強部材とこのバンパー補強部材の車体外方側を覆うバンパーフェイスとからなり、上記バンパー補強部材が車幅方向に延びる閉断面構造部を上下方向に複数備えた車両のバンパー構造であって、
車幅方向の左右両側位置においてそれぞれ車体前後方向に延びる車体フレームと、
上記車体フレームの後端部に取り付けられたエンドパネルと、
上記エンドパネルにおける上記左右の車体フレームのそれぞれに対応する位置において、当該車体フレーム後端から後方に向かって設けたブラケットと、を備え、
上記ブラケットは、上記エンドパネル側に開口すると共に、上記バンパー補強部材と当接する当接部を有する箱状又はハット状に形成され、
上記バンパー補強部材は、このバンパー補強部材の閉断面構造部を構成する前側の壁部が、上記ブラケットに車体前後方向に相対向して当接した状態で上記前側の壁部とブラケットとを車体前後方向に互いに締結する取付部材を介して取り付けられ、
上記取付部材は、上記当接部に設けられ車体前後方向の外側に突出する杆状部と、バンパー補強部材の上記前側の壁部に設けられ上記杆状部が貫通する貫通孔とからなり、
上記バンパー補強部材の上記閉断面構造部を構成する後側の壁部には、上記貫通孔に相対向した位置に上記バンパー補強部材の車体に対する取付作業を行い得るようサイズ設定された作業孔が形成され、
上記バンパー補強部材は、平面視でその車幅方向中央部が両側部に比べて車体前後方向の外方となるように湾曲しながら車幅方向に延設しており、
上記エンドパネルは、上記左右の車体フレームを互いに連結するように車幅方向に延設していると共に、上記左右の車体フレーム間で車幅方向に延設する閉断面構造のメンバを備えている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。 - 請求項1において、
取付部材は、バンパー補強部材の車幅方向両側部それぞれに上下方向に一対設けられ、
上記各側部の上下一対の取付部材は、車幅方向に対し互いにオフセットされた位置に配設されている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。 - 請求項2において、
両側部の上下一対の取付部材は、そのオフセット方向が互いに逆向きになるよう配設されている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。 - 請求項1において、
バンパー補強部材は、
車体側の壁部を形成するインナパネル部材と車体外方側の壁部を形成するアウタパネル部材とを有し、
上記インナパネル部材とアウタパネル部材との内、いずれか一方が略W字状の断面形状を有するように形成される一方、他方がハット状の断面形状を有するように形成され、
上記インナパネル部材とアウタパネル部材とが車体前後方向に相対向した状態でその両パネル部材の上下方向略中央位置であって相対向する方向に向かってそれぞれ突出する突出部が互いに接合されて、上下方向に複数の閉断面構造部が形成されている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。 - 請求項4において、
バンパー補強部材は、アウタパネル部材が略W字状の断面形状を有するように形成される一方、インナパネル部材がハット状の断面形状を有するように形成され上記インナパネル部材の上下の端縁部が、上記アウタパネル部材の上壁部及び下壁部の上下方向内向き面に対し当接するように屈曲された状態で上記アウタパネル部材に対し接合されることにより形成されている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。 - 請求項1において、
各車体フレームの下面には、車幅方向に延びて車体フレームの端部同士を連結するクロスメンバが配設されており、
ブラケットは、上下方向に重なった車体フレームとクロスメンバとに跨って配設されている
ことを特徴とする車両のバンパー構造。
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