JP4184431B2 - 術後癒着の防止及び腔内担体装置としてのヒドロキシエチルスターチの使用 - Google Patents

術後癒着の防止及び腔内担体装置としてのヒドロキシエチルスターチの使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、ヒドロキシスターチ、並びに組織、例えば臓器と体腔表面との間での術後癒着の痙性を最小化又は阻止するための吸収性の物理的障壁として、及び医薬を搬送するための腔内担体装置(device)としてのそれらの使用に関する。
発明の背景
癒着形成、特には腹膜手術に伴う癒着形成は、外科手術後の罹患及び死亡の主な原因である。臨床的に重大な癒着形成に関連して最も頻繁に行われる手術は、虫垂切除及び婦人科の手術である。腹腔内癒着の最も深刻な合併症は腸閉塞である。加えて、癒着は、慢性的もしくは再発性の骨盤の傷み及び婦人における不妊症に関係する。
癒着形成の原因は複雑であり、完全には理解されていない。その第1段階は、過剰のフィブリンが堆積して足場を形成することに関係しているものと信じられている。このフィブリンの足場の線維芽細胞及び中皮細胞を含む細胞性要素による組織化がこれに続く。
癒着形成の阻止に対する様々なアプローチの調査が活発に行われている[diZerega,G.S.&Rodgers,K.E.,“Prevention of Postoperative Adhesion,”in“The Peritoneum,”diZerega,G.S.&Rodgers,K.E.,eds.,Springer−Verlag,New York,pp.307−369(1992)]。一般に、これらの治療は3つの範疇:腹膜浸出におけるフィブリン堆積の阻止、局部組織の炎症の低減、及びフィブリン堆積の除去に入る。
フィブリンの堆積を阻止する治療上の試みには、フィブリン性浸出液を希釈又は洗い流す腹膜洗浄、組織の虚血を最小化する手術技術、及び治癒漿膜表面の付着を制限する障壁の導入が含まれる。フィブリン性流体の凝固に影響を及ぼす薬剤の使用も提案されているが、今日までに得られている結果は、実質的に出血している領域での凝血原の使用が癒着形成を現実に促進し得ることを示唆している[Elins,T.E.,“Can a Pro−Coagulant Substance Prevent Adhesions?”in“Treatment of Post−Surgical Adhesions,”diZerega,G.S.et al.,eds.,Wiley−Liss,New York,pp.103−112(1990)]。
腹膜治癒の重要な期間に組織の付着を制限し、それにより組織表面間でのフィブリンマトリックスの発生を最小化することによって付着形成を阻止する試みにおいて、物理的障壁(physical barriers)が用いられている。使用されている障壁剤には、物理的障壁(mechanical barriers)及び粘性溶液(viscous solutions)の両者が含まれる。拡張されたポリテトラフルオロエチレンの薄いシートからなる障壁を用いて、それらを併せ持つ結果が得られている。いずれにしても、そのような膜は適所に縫合しなけれならず、かつ非吸収性であるため、理想には程遠い。吸収性障壁(例えば、酸化再生セルロースから作製される障壁)が好ましくはあるが、全ての研究が癒着の防止におけるそのような障壁の効力を示してるわけではない。液体障壁も癒着の防止における使用が考慮されている。例えば、硫酸コンドロイチン及びカルボキシメチルセルロースの両者は動物モデルにおいて幾らかの見込みを示している。加えて、デキストラン70(分子量=70,000)の溶液が多くの臨床研究で試験されている。臨床評価の全てではないが、32%デキストラン70に治療効果が見出されている。しかしながら、この溶液の臨床使用は臨床上重要な副作用にも関連する。
抗炎症薬が、術後癒着形成に対するそれらの効果について、手術部位での炎症に応答するフィブリン性浸出液の放出を制限するものと評価されている。これらの薬物の2種類の一般的なクラス、副腎皮質ステロイド及び非ステロイド系抗炎症薬が試験された。動物研究での副腎皮質ステロイドの使用の結果は一般に勧められるものではなく、副腎皮質ステロイドの臨床使用はそれらの別の薬理学的特性によって制限される。術後癒着形成における非ステロイド系抗炎症薬の実験的な評価は有望であることを示す[Rodgers,K.E.,“Nonsteroidal anti−inflammatory drugs(NSAIDs)in the treatment of Postsurgical adhesion,”in“Treatment of Post−Surgical Adhesion,”diZerega,G.S.et al.,eds.,Wiley−Liss,New York,pp.119−129(1990)]が、これらの薬物を癒着の防止について臨床的に評価することが必要である。
今日までに調べられた第3のアプローチはフィブリン堆積の除去を含む。タンパク分解酵素(例えば、ペプシン、トリプシン及びパパイン)は理論的には局部的なフィブリン分解系を増大させ、癒着形成を制限するはずであるが、これらの酵素は腹膜浸出液によって中和され、事実上癒着の阻止の役に立たないものとなってしまう。様々なフィブリン分解剤(例えば、フィブリノリシン、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ)が提唱されているが、術後の治療におけるこれらの酵素の臨床使用に潜在する合併症はそれらの投与の結果生じる過剰の出血である。組換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rt−PA)の局所塗布が様々な動物モデルにおいて癒着の形成を低減させることが示されている。この薬物を手術部位に送る適切な搬送システムを開発し、癒着の阻止が実現可能である場合にその術後時間を見分けるには、さらに調査を要する。
今日まで、術後腹腔内癒着の形成の阻止において普遍的に有効であることが立証されている単一の治療アプローチはない。したがって、様々な異なる状況における術後癒着形成の低減又は阻止に安全かつ有効に用いることができる組成物及び方法の必要性が存在する。
発明の目的
本発明の目的は、外科処置に続く腔内傷害部位での癒着の形成を低減又は阻止する方法において吸収性物理的障壁として用いられるヒドロキシエチルスターチ(HES)を提供することにある。HESは、単独で、又は1種以上の抗癒着形成化合物と組み合わせて有効に用いることができる。
本発明の別の目的は、HESを薬学的に活性な薬剤を体腔に搬送するための腔内搬送装置(delivery device)として用いることである。
本発明のこれらの、及び他の目的は、以下の詳細な説明を鑑みて明らかとなるであろう。
発明の要約
本発明はHES及び医学的治療におけるそれらの有用性に関する。本発明の一態様において、組織の修復の間の組織、例えば臓器と体腔内の傷害部位の表面との間での術後癒着形成を低減又は阻止するための吸収性物理的障壁としてHESが用いられる。この吸収性物理的障壁は、潜在的な癒着形成部位に、その傷害部位での実質的な組織修復(例えば、再上皮化又は中皮修復)を可能にするに十分な期間留まる。所望であれば、このHES障壁は、この効果を高めるために癒着の形成を低減させる化合物を1種以上含んでいてもよい。抗癒着形成効果を有する代表的な化合物には、クイナクリン(quinacrine)、ジピリダモル(dipyridamole)及びそれらの類似体、ケトチフェン(ketotifen)及びそれらの類似体、マノアリド(manoalide)及びそれらの類似体、レチノイド(retinoids)、ラザロイド(lazaroids)、並びに抗炎症性副腎皮質ステロイド(corticosteroid)、ベタメタゾン(betamethasone)が含まれる。
本発明の別の態様においては、HESは、薬学的に活性な薬剤を組織、例えば、臓器、体腔空間の表面に搬送するための腔内担体装置として用いられることがある。この薬学的に活性な薬剤はHESに共有もしくは非共有結合していてもよく、あるいは単にHES内に分散されているだけでもよい。
発明の詳細な説明
本出願に引用される全ての参考文献、特許及び特許出願はそれらの全体がここに組込まれている。
本発明は、ヒドロキシエチルスターチ(HES)が、体腔内の組織表面間の術後癒着の形成を最小化又は阻止するための吸収性物理的障壁として、及び薬学的に活性な薬剤を搬送するための腔内担体装置として、治療方法において有用であるという発見に基づく。HESは、ヒドロキシエチル基が、約0.1ないし約0.8のモル比基準(すなわち、10個のグルコピラノース単位毎に1個のヒドロキシエチル基ないし10個のグルコピラノース単位毎に8個のヒドロキシエチル基)で、約3×104ないし約4×106ダルトンの範囲、好ましくは約2×105ないし約2.4×106ダルトンの範囲の分子量を有するアミロペクチンモノマーで置換されているアミロペクチンである。HESの再検討のためには、例えば、Thomson,W.L.(1978)“Hydroxyethyl Starch,”in“Blood Substitutes and Plasma Expanders,”Alan R.Liss,Inc.,New York,NY,pp.283−292を参照のこと。HESの一形態、ヘタスターチ(HES−7−8:10)、すなわちヘスパンは血漿容積増量剤及び赤血球沈降剤として商業的に用いられており、このポリマーの10個のD−グルコピラノース毎に存在する約7−8個のヒドロキシ基がCH3CH2OH基に変換される程度までエーテル化されているアミロペクチンを90%を超えて含む。“1993 Physicians’ Desk Reference,”pp.967−68を参照のこと。下記実施例においては、HESの2つの形態、10個のグルコピラノース単位当り1つのCH2CH2OHを有する一形態(HES−1:10)およびHES−7−8:10を評価した。本発明以前には、癒着形成阻止のための吸収性物理的障壁及び薬学的に活性な薬剤を搬送するための腔内担体装置としてのHESの有用性は知られていなかった。
本発明の一態様において、HES、例えばHES−1:10及びHES−7−8:10が、手術に先立つ最もありふれた原因である体腔内における組織表面間での癒着形成(細胞−細胞癒着ではない)の最小化又は阻止に用いられる吸収性物理的障壁として用いられる。HESは、手術後の腹膜における癒着形成の阻止において単独で有効であることが見出された。加えて、本発明は、癒着の形成の阻止が重要な問題である他の状況、例えば、心血管、整形、胸部、眼、CNS及び他の用途に有用性を見出す。以下の論考のために、主として腹膜の癒着形成の阻害において有用な組成物及び方法の説明に注意を向ける。
HESは、構造及び臨床用途に関して、デキストランと全体的な類似性を共有する。デキストランは、多くの臨床及び動物研究において、癒着形成の低減に有用であることが示されている。デキストランの抗癒着形成効果に対しては2つの可能性のある機構が提唱されている。機構の1つは水中浮揚に基づくものであり、それによりデキストランの塗布の後にその被験物質の高浸透圧性によって多量の腹水形成が観察された。例えば、diZerega et al(1944)“Use of Instillates to prevent intraperitoneal Adhesions.Crystalloid and Dextran,”Infertility and Reprod.Med.Clinics of North America,Vol.5,pp.463−78;及びCohen et al.(1983)“Use of Intraperitoneal Solutions for Preventing pelvic adhesions in the Rat,”J.Reprod.Med.,Vol.28,pp.649−653を参照のこと。他方の機構は凝固パラメータの変更に基づくものである。同書。しかしながら、以下に概説される動物研究において、HESはデキストランで観察されるような多くの腹水の形成は引き起こさなかった。
デキストラン含有製剤は、それらが高浸透圧性である場合にのみ癒着の形成を低減することが示されている。同書。高浸透圧性製剤は、腹腔内への流体の移動による平衡化プロセスによる腹水形成を招く。同書。この腹水は、腹膜修復のプロセスの間浮揚によって組織を分離する水中浮揚媒体を生成する。下記実施例には、HESが低浸透圧性製剤において癒着の形成を有効に低減することが示されている。したがって、癒着の阻止における作用の機構はデキストランとHESとでは明確に異なる。加えて、この文献は、HESがデキストランと同程度にはフィブリン分解及び凝固に影響を及ぼさないことを示唆する。
凝固パラメータに対するHESの効果は、誘導体化の程度及び分子量に依存し得る。ペンタスターチ(低MW及び低誘導体化)は凝固パラメータを変更するものとは思われない。Strauss et al.(1988)“Pentastarch may cause fewer effects on coagulation than hetastarch,”Transfusion,Vol.28,pp.257−60;London et al.(1989)“A randomized clinical traial of 10% pentastarch(low molecular weight hydroethyl starch)versus 5% albumin for plasma volume expansion after cardiac operation,”J.Thorac.Cardiovasc.Surg,Vol.97:785−97;Samana,C.et al.(1991)“Absence of side effects of hydroxyethyl starch 200 in a porcine model of experimental arterial thrombosis,”Thrombosis Res.,Vol.62,pp.591−8。
HESは外見上マクロファージによって一掃され、したがって、マクロファージの機能の減少に関する理論的な懸念が存在していた。しかしながら、さらなる研究ではこれは支持されていない。WBC機能の幾つか(食作用、走化性、サイトカイン放出及び炎症媒介物の放出)に対して効果は示されていない。Eastlund,D.(1992)“Monocyte chemotaxis and chemotactic cytokine release after exposure to hydroxyethyl starch,”Transfusion,Vol.32,pp.855−60;Strauss et al.(1986)“Ingestion of hydroxyethyl starch by human leukocytes,”Transfusion,Vol.26,pp.88−90;Hain,H.et al.(1988)“Prostaglandin E2,thromboxane B2,and leukotriene B4 release from peritoneal macrophages by different osmotic agents in nonuremic guinea pigs,”Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs,Vol.XXXIV,pp.429−32。
HESの観察された作用は、それ自体では、それが癒着の形成の低減において有用性を有するかどうかを予測することを可能にするのに十分なものではない。例えば、HESはトロンビン誘発凝固時間の遅延時間を短縮し、フィブリン原線維の側方会合を増大させた。しかしながら、HESはまた、フィブリン分解を促進し、APTT時間を延ばし、第VIII因子の生成及び凝血原活性を減少させる。したがって、止血パラメータに対するHESの効果は混合されたものであり、いずれにしても、それがあるとして、HESが癒着の形成に関してどのような効果を有するのかを予測することは困難である。Carr.ME.(1986)“Effect of hydroethyl starch on the structure of thrombin− and reptilase−induced fibrin gels,”J.Lab.Clin.Med.,Vol.108,pp.566−61;Kuitunen,A et al.(1993)“Hydroethyl starch as a prime for cardiopulmonary bypass:Effects of two different solutions on haemostasis,”Acta Anaesthesiologica Scandinavia,Vol.37,pp.652−8;Collins,R.et al.(1994)“The effect of hydroxyethyl starch and other plasma volume substitutes on endothelial cell activation:an in vitro study,”Intensive Care Med.,Vol.20,pp.37−41;Folk,JL et al.(1988)“Effects of hetastarch and albumin on coagulation in patients with septic shock,”J.Clin.Pharmacol.,Vol.28,pp.412−5。
本発明において用いられるHESは、グルコピラノース単位当り約0.1ないし約0.8のヒドロキシエチル基の範囲のモル比でヒドロキシエチル基が置換されているアミロペクチンである。このアミロペクチンモノマーは、約3×104ないし約4×106ダルトンの範囲、好ましくは約2×105ないし約2.4×106ダルトンの範囲の分子量を有することができる。本発明の実施において好ましいHESはHES−1:10、HES−7−8:10及びHES−5:10(通常ペンタスターチと呼ばれる)である。HESは、シグマケミカル社(Sigma Chemical Company)(セントルイス、MO、USA)を含む様々な商業的源から購入することができる。
所望であれば、HESの凝集又は架橋形態を本発明のHES製剤に用いることができる。HESモノマー間の相互作用を誘発する方法は当該技術分野において公知であり、これには加熱又は照射が含まれる。例えば、Concettoni et al.(1992)“Thermic and UV instability of hetastarch,”Pharmacological Res.,Vol.25,pp.87−88;及びConcettoni et al.(1990)“Energy of Activation of hetastarch in a limited range of thermal exposition,”Acta Physiological Hungaria,Vol.75(Supp.),pp59−60を参照のこと。
HES製剤は、約25℃ないし約100℃で所定量を水に溶解することにより調製することができる。HES−1:10が溶解により高温、例えば100℃を要するのに対して、HES−7−8:10が室温で容易に水に溶解することが観察されている。
所望であれば、HESストック溶液を遠心して微粒物質を除去し、オートクレーブ処理、無菌濾過、又はあらゆる適切な方法によって無菌化する。室温に冷却する際、この無菌ストック溶液を適切な容量の無菌の生理学的に許容し得るビヒクルで希釈してHES製剤を製造する。
一般に、投与することができるHESの濃度は、下限での効力及び上限でのその物質の溶解度又は毒性によって制限される。実際には、HES製剤の濃度は、一般に、水性ビヒクル中に約0.1%ないし約60%(w/v)、好ましくは約5.4%ないし約34.3%(w/v)のHESの範囲をとる。前述の濃度範囲で、HES製剤は低浸透圧性であり、水中浮揚及びその結果生じる生理学的副作用を回避する。しかしながら、いかなる浸透圧をも付与することが可能であり、例えば、本発明の組成物を体腔内で体組織に対して等張もしくは高浸透圧性になるように処方することができる。浸透圧は、用いられるHESの量を変えることにより、又は生理学的に許容し得る浸透圧的に活性な物質を用いることにより調整することができる。
HES製剤は、使用前に、一般には約−20℃ないし約30℃、好ましくは約4℃ないし約25℃の範囲の温度で保存することが可能である。特定のHES製剤、例えば13.5%HES−1:10を投与の前に4℃で保存した後に、抗癒着形成効果の増強が観察された。本発明の作用のいかなる理論にも制限されるものではないが、低温保存はHES組成物の粘度を増加させるものと信じられる。
生理学的に許容し得るビヒクルの限定を受けない例には、水、生理食塩水又はアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、コハク酸塩等を含む緩衝水溶液、例えば、ナトリウムリン酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、重炭酸塩、炭酸塩及びトロメタミン(TRIS)が含まれる。生理学的に許容し得るビヒクルは、適用の標的部位との接触で刺激もしくは炎症を引き起こし、あるいはこれらを悪化させるべきではない。本発明での使用に好ましいビヒクルには、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、クエン酸緩衝液、及びリンゲル乳酸塩溶液が含まれる。
本発明の実施において、HES組成物には、効果を高めるために抗癒着形成化合物がさらに補足されていることが好ましい。代表的な抗癒着形成化合物には、例えば、ラザロイドについての1994年11月17日に出願された米国特許第08/341,651号;キナクリンについての1994年6月7日に出願された米国特許出願連続番号08/253,438号;レチノイドについての1995年1月16日に出願された米国特許第08/373,399号;ジピリダモルについての1994年6月7日に出願された米国特許第08/253,437号;Kathleen Elizabeth Rodgers及びGere Stodder diZerega(南カリフォルニア大学、譲受人)による5−リポキシゲナーゼ阻害剤を用いる術後癒着形成の低減又は阻止方法(METHOD FOR REDUCING OR PREVENTING POST-SURGICAL ADHESION FORMATION USING 5-LIPOXYGENASE INHIBITORS)についての、本発明と同時に出願された米国特許第08/473,183号;Kathleen Elizabeth Rodgers及びGere Stodder diZerega(南カリフォルニア大学、譲受人)によるマノアライド及びそれらの類似体を用いる術後癒着形成の低減又は阻止方法(METHOD FOR REDUCING OR PREVENTING POST-SURGICAL ADHESION FORMATION USING MANOALIDE AND ANALOGUES THEREOF)についての、本発明と同時に出願された米国特許第08/479,128号;及びKathleen Elizabeth Rodgers及びGere Stodder diZerega(南カリフォルニア大学、譲受人)によるケトチフェン及び類似体を用いる術後癒着形成の低減又は阻止方法(METHOD FOR REDUCING OR PREVENTING POST-SURGICAL ADHESION FORMATION USING KETOTIFEN AND ANALOGS)についての、本発明と同時に出願された米国特許第08/472,299号に記述されるものが含まれる。他の代表的な抗癒着形成剤には、トルメチン(Tolmetin)及びイブプロフェン(Ibuprofen)のようなNSAIDS;及びベタメタゾン(Betamethasone)及びデキサメタゾン(Dexamethasone)のような抗炎症性副腎皮質ステロイドが含まれる。ベタメタゾンは特に効力の高い抗癒着形成剤であり、本発明のHES組成物と共同でのその使用を下記実施例に例示する。
所望であれば、本発明のHES製剤は、緩衝剤に加えて、保存剤、共存溶剤、懸濁剤、増粘剤、イオン強度及び浸透圧調整剤並びに他の賦形剤を含んでいてもよい。薬物搬送ビヒクル中に用いることができる適切な水溶性保存剤には、亜硫酸水素酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸塩、ベンズアルコニウム塩化物、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀ホウ酸塩、パラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール又はビタミンE及びトコフェロールのような酸化防止剤並びにEDTA及びEGTAのようなキレート剤が含まれる。これらの薬剤は、一般には約0.001重量%ないし約5重量%の量、好ましくは約0.01ないし約2重量%の量が存在し得る。
本発明の方法に従い、HESが有効な量で潜在的な癒着形成部位に実質的な再上皮形成(reepithelialization)を可能にするに十分な期間保持される。HESは典型的には手術期間の全体にわたって投与され、これには、本発明の目的のために、手術開始時から手術それ自体を通して手術の完了の直前までが含まれ得る。本発明の実施において、HES組成物は、好ましくは、(例えば、手術後の皮膚縫合の前に)単一用量で投与される。所望であれば、HES組成物を手術の間繰り返し投与することができる。一般には、傷害部位に投与することが可能なHES製剤の量は約0.2ないし約100ml/体重kg、好ましくは約2ないし約10ml/体重kgの範囲をとる。
本発明の別の態様においては、HES製剤を、薬学的に活性な薬剤を直腸、尿道、鼻腔、膣、耳道、口腔、口窩、腹膜、肋膜、関節空間、中枢神経系(例えば、硬膜内空間)、腱空間、脊髄近傍(paraspinal)空間のような標的体腔に搬送する腔内担体装置として用いることができる。当該分野における研究者には容易に明らかであるように、医薬はこの障壁に共有結合又は非共有結合(例えば、イオン結合)していてもよく、あるいは単にその内部に分散されていてもよい。
腔内担体装置として用いられる場合、HES製剤は、一般には約0.001重量%ないし約10重量%の薬剤、好ましくは約0.01%ないし約5%の範囲をとる有効量の薬学的に活性な薬剤、例えば薬物を含む。水不溶性の薬学的に活性な薬剤の薬物溶解度を高めるため、DMSO又はエタノールのような共存溶媒を用いることができる。不溶性薬物は、しばしば、適切な懸濁剤又は増粘剤の助けで懸濁させることができる。
本発明の腔内担体装置によって体腔に投与することができる薬学的に活性な薬剤の適切な、しかしながら限定を受けるものではない種類には、抗菌物質、例えば、セフォキシチン、ペニシリン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、アンピシリン、セファロスポリン、n−ホルムアミドイルチエナマイシン及び他のチエナマイシン誘導体、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、バシトラシン、スルホンアミドのようなβ−ラクタム抗生物質;ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソミシン及びトブラマイシンのようなアミノグリコシド抗生物質;ノルフロキサシンのようなナリジクス酸及び類似体並びにフルオロアラニン/ペンチジドンの抗微生物性の組み合わせ;ニトロフラゾン等;ピリラミン、クロルフェニラミン、テトラヒドロゾリン、アンタゾリン等の抗ヒスタミン剤及びうっ血除去剤;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルチゾン、プレドニゾロン、トリアンシノロン副腎皮質ステロイド、インドメタシン、スリンダック、イブプロフェン、トルメチン及びフルビプロフェン、その塩及びその対応する硫化物のような抗炎症剤、が含まれる。アシクロビアのような抗ウイルス性化合物;組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、及びウロキナーゼのようなフィブリン分解酵素;腫瘍壊死因子、インターロイキン−1、及びインターフェロンのようなサイトカイン;並びに上皮成長因子及びトランスフォーミング成長因子のような成長因子もこの担体によって搬送される種類の化合物として含まれる。
抗真菌剤、殺アメーバ剤、殺トリコモナス剤又は抗原生動物剤を必要とする膣及び尿道の状態の治療には、ポリオキシエチレン、ノニルフェノール、アルキルアリールスルホン酸塩、オキシキノリン硫酸塩、ミコナゾール硝酸塩、スルファニルアミド、カンジシジン、スルフィソキサゾール、ミスタチン、クロルチマゾール、メタロニダゾール等及び抗原性動物剤、例えば、クロラムフェニコール、クロロキン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール等、抗新生物剤、例えば、シスプラチン及び5−フルオロウラシルを用いることができる。
本発明の組成物はいかなる適切な手段によっても標的部位に適用することができる。一般には、腔内投与は体空間に依存し、例えば、腹腔内には注ぎ込み、関節内空間には注入する。
本発明は添付の例を参照することによってより理解することが可能であり、これらの例は単に説明するためのものであって、いかなる意味においても以下の添付の請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
実施例
腹膜手術後の癒着形成の低減における単独又は抗癒着化合物との組み合わせでのHES組成物の効力を確認するため、複数の研究を行った。2つのモデル系、側壁癒着モデル及び子宮角モデルを用いた。これらのモデルの両者を用いて得られた結果と癒着の阻止における有用性との間の明瞭な相関が、明瞭な臨床効力が示され、かつ婦人科の手術における癒着の阻止についてFDAの認可が得られているインターシード(TC7)で示されている。
腹膜側壁モデルにおいては、ウサギを1.2mg/kgアセチルプロマジンで予備麻酔し、55mg/kg塩酸ケタミン及び5mg/kgキシラジンの混合物を筋肉内注射することにより麻酔した。無菌手術の準備をした後、正中線開腹を行った。右腹部側壁で腹膜の3×5cm領域及び横断腹筋を除去した。盲腸を体外に露出させ、指で押して盲腸表面全体にわたって漿膜下出血を起こした。その後、盲腸をその正常な解剖学的位置に戻した。試験しようとする化合物をアルツェット(Alzet)ミニ浸透圧ポンプ(アルザ社(Alza Corporation)、Palo Alto、CA、USA)に入れ、術後の期間全体にわたってその分子が連続的に放出されるようにした。このアルツェットミニ浸透圧ポンプを皮下空間に設置し、搬送チューブでポンプと側壁の傷害部位とをつなげた。対照ウサギのポンプにはビヒクルを入れた。腹壁及び皮膚を標準化された方法で閉じた。
7日後、これらのウサギを犠牲にし、癒着に関与する側壁傷害の面積の割合を決定した。加えて、形成された癒着の粘着性を以下のシステムを用いて採点した。
0=癒着なし。
1=穏やかで容易に切り離すことができる癒着。
2=中度の癒着;切断不可能、臓器を損傷しない。
3=極度の癒着;切断不可能、除去する際に損傷を与える。
癒着の面積又は粘着性の減少が有益であるものと考えられる。
さらなる実験においては、ウサギ子宮角モデルを用いた。このモデルは、事前に、術後にウサギに重篤な癒着を引き起こすことが示されている[Nishimura,K.et al.,“The Use of Ibuprofen for the Prevention of Postoperative Adhesions in Rabbits,”Am.J.Med.,Vol.77,pp.102−106(1984)]。これらのウサギを麻酔(130mg/kgケタミン及び20mg/kgアセチルプロマジンim)し、無菌手術の準備をした。正中線開腹を行い、斑点状の出血が生じるまでガーゼで漿膜表面を擦ることにより両子宮角に外科的に傷を付けた。側枝血液供給を取り除くことにより両子宮角の虚血を誘発した。幾つかの研究においては、上述のアルツェットミニ浸透圧ポンプ及びチューブにより物質を傷害部位に搬送した。別の研究においては、試験化合物の一部を手術の最後に傷害部位に適用し、残りの物質は閉じる前に切れ目から適用した。対照には外科的及びビヒクル対照が含まれる。腹側及び皮膚を標準化された方法で閉じた。
7日後、これらのウサギを犠牲にし、癒着に関与する子宮角損傷の面積の割合を決定した。癒着の全体的な程度を表す初期評点を付ける(0ないし4+)。様々な臓器への癒着に関与する角の表面の割合を、表の総合癒着評点の下に示す。
ここに報告される例で用いられるモデル系において、HESを含む組成物は腹膜癒着の発生を低減することが示された。これらの実施例において、ウサギには様々な容量の試験化合物が与えられた。試験組成物のHES濃度は約5.4%ないし約40%の範囲であった。別の試験組成物は、キナクリン、ラザロイド及びベタメタゾンのような抗癒着剤を含んでいた。
実施例1:HES組成物の調製
HES−1:10(6.15グラム、カタログ番号H6382、シグマ社、セントルイス、MO、USA)をマグネチック・スターラーを用いて水(100ml)に再懸濁させ、85℃に加熱してHES−1:10を溶解した。次に、この溶液を約1分間煮沸し、冷却した。この物質を10分間1000×gで遠心して不溶粒状物質の大切片を除去し、オートクレーブに入れて加熱して滅菌した。オートクレーブ処理の後、この調製品をビヒクル又は薬物のいずれかで希釈した(試験群に応じて、ビヒクル1部について9部のHES−1:10)。その後、この物質をシリンジに入れ、室温又は4℃で保存した。室温での保存では、HES−1:10溶液の粘度が同程度に変更されたようには見えなかった。しかしながら、4℃での3ないし5週間の保存では、パーセントの高いHES−1:10溶液で凝固点までの粘度の増加が生じた。
HES−7−8:10に関しては、所定量のHES−7−8:10を蒸留水で希釈し、10×薬物又はビヒクル1部に対して9部のHESの希釈率で混合した。パーセントは重量/容量基準で算出した。混合した後、この製剤を濾過又はオートクレーブ処理により滅菌した。
HES製剤を調製するための材料及び手順は以下の通りである。
希釈剤:a)生理食塩水−脱イオン水又は蒸留水中の0.85%NaCl、オートクレー処理して滅菌(下記表においては生理食塩水と呼ぶ);b)PBS−0.01Mリン酸ナトリウム、0.1M NaCl、pH7.4、オートクレーブ処理して滅菌;c)クエン酸バッファ−0.02Mクエン酸、0.0032Mクエン酸ナトリウム、0.077M NaCl、pH3.5、無菌濾過(下記表においてはクエン酸塩と呼ぶ)。
薬物:これらを適切なバッファ又は塩溶液に最終濃度の10倍の濃度で溶解した。この10×薬物溶液を対応する無菌HES−1:10又はHES−7−8:10溶液で1:10に希釈し、1×薬物濃度及び9:10 HES−1:10濃度を形成した。例えば、生理食塩水または生理食塩水中の10×薬物で9:10に希釈されたストック15%HES−1:10溶液は、13.5%HES−1:10中に1×薬物レベルを生じる。
これらの実施例において用いられる幾つかの試験製剤の浸透圧測定を以下に示す。
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実施例2:HES−1:10/キナクリン組成物の評価
この実施例においては、単独又はキナクリン(0.5mg/ml)との組み合わせでの10.8%(w/v)又は13.5%(w/v)HES−1:10組成物を、ウサギ子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。抗マラリア薬であるキナクリンは、ここにその全体を援用する1994年6月7日出願の同時継続米国特許出願第08/253,438号に開示されるように、術後抗癒着形成効果を有することが見出された。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。対照は手術のみであった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してそれらの順位に対する分散の分析を行った。これらの結果を表1及び2にまとめる。単独及びキナクリンとの組み合わせでのHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の低減に有効であることが見出された。
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表1から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。13.5% RT HES−1:10と13.5% RT HES−1:10+キナクリンとの順位序列の比較により0.000のp値が得られた。
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実施例3:HES−1:10/キナクリン組成物の評価
この実施例は、単独又は(0.5mg/ml)キナクリンとの組み合わせでの5.4%(w/v)及び8.1%(w/v)HES−1:10組成物を癒着の阻止について評価したことを除いて実施例2に類似する。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。対照の一方は生理食塩水ビヒクル(表では生理食塩水と呼ぶ)で処理し、他方には手術のみを施した(外科的対照)。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評価に対して行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を付与してこれらの順位の分散の分析を行う。それらの結果を表3及び4にまとめる。単独及びキナクリンとの組み合わせでのHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおける癒着の低減において有効であった。
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表3から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位に対する分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。8.1% 4C HES−1:10と8.1% 4C HES−1:10+キナクリンとの順位序列の比較により0.029のp値が得られ、5.4% RT HES−1:10と5.4% RT HES−1:10+キナクリンの比較により0.020のp値が得られた。
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実施例4:HES−1:10/ラザロイド組成物の評価
この実施例においては、単独又はラザロイド(0.6mg/ml、U−83836−E、アップジョン社(Up John Company)、カラマズー、MI、USAから入手)との組み合わせでの13.5%(w/v)、10.8%(w/v)、8.1%(w/v)又は5.4%(w/v)HES−1:10を、ウサギ子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。ラザロイドは、ここに全体として組込まれている1994年11月17日出願の同時継続米国特許出願08/341,651号に開示されるように、術後抗癒着形成効果を有することが見出された。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。対照は手術のみであった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してそれらの順位に対する分散の分析を行った。これらの結果を表5及び6にまとめる。単独及びラザロイドとの組み合わせでのHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の低減に有効であることが見出された。
Figure 0004184431
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* これらのデータは、この研究の最初の半分に対する手術の最終日からのものである。これらのデータによって表される動物で試験した製剤は、試験の前にさらに5日間保存した。保存に伴っておそらく粘度の増加があり、これにより示される効力の増加を説明することができる。
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表5から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。8.1% RT HES−1:10と8.1% RT HES−1:10+ラザロイドとの順位序列の比較により0.019のp値が得られ、8.1% 4C HES−1:10と8.1% 4C HES−1:10+ラザロイドとの比較により0.000のp値が得られ、5.4% RT HES−1:10と5.4% RT HES−1:10+ラザロイドとの比較により0.042のp値が得られ、かつ8.1% 4C HES−1:10+ラザロイドとラザロイドとの比較により0.030のp値が得られた。
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実施例5:HES−1:10組成物のさらなる評価
この実施例においては、様々な容量のHES−1:10組成物を、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。この組成物を5、10、15、及び20mlの容量で手術の最後に投与し、動物を第7日に犠牲にした。生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水ビヒクルを用いて2組の実験を行った。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順序列を付け、順位値を付与して順位に対する分散の分析を行う。それらの結果を表7及び7a(リン酸緩衝生理食塩水ビヒクル)並びに表8及び8a(生理食塩水ビヒクル)にまとめる。単独のHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の低減に有効であることが見出された。
Figure 0004184431
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表7及び8から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。
Figure 0004184431
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実施例6:ベタメタゾンの側壁モデル評価
癒着形成におけるベタメタゾンの効力を側壁モデルにおいて評価した。この薬物を7日間10μl/時間の速度で搬送し、動物を第7日に犠牲にした。ビヒクルは生理食塩水であった。対照に対して、ベタメタゾンは、側壁モデルにおいて試験した用量で有効であった。試験したウサギのうちの4羽は皮下に液体が溜まっていた。これらの結果を表9にまとめる。データのスチューデントt検定を行ったので、その結果も表9に報告する。
Figure 0004184431
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実施例7:ベタメタゾンの二重子宮角評価
この実施例においては、生理食塩水中の0.5mg/ml及び5.0mg/mlベタメタゾンリン酸ナトリウム(シグマケミカル社、セントルイス、MO、USA)を、ウサギ子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。この組成物を、アルツェットミニ浸透圧ポンプにより、7日間10μl/時間の速度で投与した。動物を第7日に犠牲にした。ビヒクル対照は生理食塩水である。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。このデータに順位序列を付け、順位値を付与して順位に対する分散の分析を行う。これらの結果を表10及び11にまとめる。ベタメタゾンは、二重子宮角モデルにおける癒着形成の低減に非常に有効であることが見出された。
Figure 0004184431
Figure 0004184431
表10から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。
Figure 0004184431
実施例8:ベタメタゾンの動力学的評価
二重子宮角モデルにおけるベタメタゾンの効力を動力学研究においてさらに評価した。この研究においては、手術の後の様々な時間でポンプを切断し、癒着形成の低減に有効な薬物に晒される期間を決定した。これらの結果を表12及び13にまとめる。
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表12から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。
Figure 0004184431
実施例9:HES−1:10/ベタメタゾン組成物の評価
この実施例においては、単独又は合成副腎皮質ステロイドである(0.5mg/ml)ベタメタゾンとの組み合わせでの10.8%(w/v)又は13.5%(w/v)HES−1:10組成物を癒着の阻止について評価した。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。対照は手術のみであった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してそれらの順位に対する分散の分析を行なう。これらの結果を表14及び15にまとめる。単独及びベタメタゾンとの組み合わせでのHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の低減に有効であった。
Figure 0004184431
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表14から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。13.5% RT HES−1:10と13.5% RT HES−1:10+ベタメタゾンとの順位序列の比較により0.001のp値が得られた。
Figure 0004184431
実施例10:HES−1:10/ベタメタゾン組成物の評価
この実施例においては、単独又は0.5mg/mlベタメタゾンとの組み合わせでの8.1%(w/v)及び5.4%(w/v)HES−1:10組成物を、二重子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。対照の一方は生理食塩水ビヒクル(表では生理食塩水と呼ぶ)で処理し、他方には手術のみを施した(外科的対照)。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評価に対して行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を付与してこれらの順位の分散の分析を行う。これらの結果を表16及び17にまとめる。単独又はベタメタゾンとの組み合わせでのHES−1:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおける癒着の低減に有効であった。
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表16から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位に対する分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。8.1% RT HES−1:10と8.1% RT HES−1:10+ベタメタゾンとの順位序列の比較により0.001のp値が得られた。
Figure 0004184431
実施例11:ヘタスターチ組成物の評価
この実施例においては、様々な濃度のヘタスターチ(HES−7−8:10)組成物を、ウサギ二重子宮角モデルにおいて癒着の阻止について評価した。16.2%、13.5%、10.8%、8.1%及び5.4%(w/v)の濃度を有するヘタスターチ組成物(表18及び18a)を15ml、40.0%、34.3%、28.5%、23.5%、18.6%、16.2%及び13.5%(w/v)の濃度を有するヘタスターチ組成物(表19及び19a)を5ml、手術の最後に投与し、動物を第7日に犠牲にした。外科的対照には組成物は投与しなかった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してこれらの順位に対する分散の分析を行う。単独のHES−7−8:10は、試験した濃度で、ウサギ二重子宮角モデルにおける癒着の低減に有効であることが見出された。
Figure 0004184431
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表18及び19から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位に対する分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。
Figure 0004184431
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実施例12:HES−7−8:10/ラザロイド組成物の評価
この実施例においては、単独又は組み合わせ(0.6mg/mlラザロイド(U−83836−E、アップジョン社、カラマズー、MI、USAから入手)を伴う10.8%及び8.1%(w/v)HES−7−8:10)ての16.2%、13.5%、10.8%、8.1%及び5.4%(w/v)ヘタスターチ(HES−7−8:10)を癒着の阻止について評価した。ラザロイドは、ここに全体として組込まれている1994年11月17日出願の同時継続米国特許出願08/341,651号に開示されるように、術後抗癒着形成効果を有することが見出された。この組成物を手術の最後に5mlの容量で投与し、第7日に動物を犠牲にした。外科的対照には組成物は投与しなかった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してそれらの順位に対する分散の分析を行なう。これらの結果を表20及び21にまとめる。単独及びラザロイドとの組み合わせでのHES−7−8:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおける癒着の低減に有効であった。
Figure 0004184431
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表20から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位の分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。10.8% HES−7−8:10とラザロイドを含む10.8% HES−7−8:10との順位序列の比較により0.011のp値が得られ、8.1% HES−7−8:10とラザロイドを含む8.1% HES−7−8:10との比較により0.009のp値が得られた。
Figure 0004184431
実施例13:HES−7−8:10/ベタメタゾンの評価
この実施例においては、単独又は0.005、0.017、0−05、0.17及び0.5mg/mlベタメタゾンリン酸ナトリウムとの組み合わせでの8.1%(w/v)ヘタスターチ(HES−7−8:10)を癒着の阻止について評価した。生理食塩水バッファ中のベタメタゾン(0.017及び0.17mg/ml)を対照として用いた。外科的対照には組成物は投与しなかった。組成物を手術の最後に10mlの容量で投与し、動物を第7日に犠牲にした。外科的対照には組成物は投与しなかった。二重子宮角モデルからのデータ(非パラメータデータ)に基づく統計分析を総合評点に対して行った。データに順位序列を付け、順位値を付与してこれらの順位に対する分散の分析を行う。これらの結果を表22及び23にまとめる。単独及びベタメタゾンとの組み合わせでのHES−7−8:10は、ウサギ二重子宮角モデルにおける癒着の低減に有効であった。
Figure 0004184431
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表22から採られた非パラメータデータの総合評点に対して統計分析を行った。これらのデータに順位序列を付け、順位値を割り当てた。次に、これらの順位に対する分散の分析を行った。得られたスチューデントt検定の結果を以下にまとめる。
Figure 0004184431
本発明の基礎的な新規特徴を示して説明したが、当該技術分野における熟練者が本発明の精神から逸脱することなく説明された形態および詳細における様々な省略、置き換え及び変更をなすことが可能であることは理解されるであろう。したがって本発明は、以下の請求の範囲によって指示される通りにのみ制限される。

Claims (26)

  1. 体腔内における組織表面間での術後癒着の形成を低減又は阻止するための吸収性機械バリアを形成するための医薬の調製における、ヒドロキシエチルスターチの使用であって、該医薬は、抗癒着形成有効量の該ヒドロキシエチルスターチを含む組成物を含み、組織修復を可能にするに十分な期間、術中または術後の該組織表面に投与するように処方され、該医薬は、アルギン酸ナトリウムを含まない、前記ヒドロキシエチルスターチの使用。
  2. 前記組織修復が再上皮形成を包含する請求の範囲第1項による使用。
  3. 前記組織修復が中皮修復を包含する請求の範囲第1項による使用。
  4. 前記ヒドロキシエチルスターチが、グルコピラノース単位当り0.1ないし0.8のヒドロキシエチル基の範囲のモル比で置換されているヒドロキシエチル基を有するアミロペクチンを含む、請求の範囲第1項による使用。
  5. 前記ヒドロキシエチルスターチが3×104ないし4×106ダルトンの範囲の分子量のアミロペクチンモノマーを含む、請求の範囲第4項による使用。
  6. 前記アミロペクチンモノマーが2×105ないし2.4×106ダルトンの範囲をとる請求の範囲第5項による使用。
  7. 前記ヒドロキシエチルスターチがHES−1:10、HES−7−8:10又はHES−5:10を包含する請求の範囲第1項による使用。
  8. 前記組成物が生理学的に許容し得る賦形剤を含有する請求の範囲第1項による使用。
  9. 前記賦形剤が無菌の水、生理食塩水、又は、アルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、コハク酸塩及びトロメタミン(TRIS)を含むバッファ水溶液を包含する請求の範囲第8項による使用。
  10. 前記賦形剤が生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸バッファ、及びリンゲル乳酸塩溶液を包含する請求の範囲第8項による使用。
  11. 前記組成物が少なくとも1種の薬学的に活性な薬剤の有効量をさらに含有する請求の範囲第1項による使用。
  12. 前記薬学的に活性な薬剤が抗癒着形成剤、抗生剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗真菌剤、殺アメーバ剤、殺トリコモナス剤、抗原生動物剤、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤又は抗炎症性副腎皮質ステロイドを包含する請求の範囲第11項による使用。
  13. 前記抗癒着形成剤がラザロイド、レチノイド、キナクリン、マノアライド、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、ケトチフェン、ジピリダモール、NSAID又は抗炎症性副腎皮質ステロイドを包含する請求の範囲第12項による使用。
  14. 前記抗炎症性副腎皮質ステロイドがベタメタゾン又はデキサメタゾンを包含する請求の範囲第12項による使用。
  15. 薬学的に活性な薬剤及び抗癒着有効量のヒドロキシエチルスターチを含有する、術後癒着形成を低減又は阻止するための吸収性機械バリアを形成するための組成物であって、該組成物は、アルギン酸ナトリウムを含まない、組成物。
  16. 前記ヒドロキシエチルスターチが、グルコピラノース単位当り0.1ないし0.8のヒドロキシエチル基の範囲のモル比で置換されているヒドロキシエチル基を有するアミロペクチンを含む、請求の範囲第15項による組成物。
  17. 前記ヒドロキシエチルスターチが3×104ないし4×106ダルトンの範囲の分子量のアミロペクチンモノマーを含む、請求の範囲第16項による組成物。
  18. 前記モノマーが2×105ないし2.4×106ダルトンの範囲をとる請求の範囲第17項による組成物。
  19. 前記ヒドロキシエチルスターチがHES−1:10、HES−7−8:10又はHES−5:10を包含する請求の範囲第16項による組成物。
  20. 前記ヒドロキシエチルスターチが0.1%ないし60%(w/v)の範囲の量で存在する請求の範囲第19項による組成物。
  21. 前記ヒドロキシエチルスターチが5.4%ないし34.3%(w/v)の範囲の量で存在する請求の範囲第20項による組成物。
  22. 前記薬学的に活性な薬剤が抗癒着形成剤を包含する請求の範囲第15項による組成物。
  23. 前記抗癒着形成剤がラザロイド、レチノイド、キナクリン、マノアライド、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、ケトチフェン、ジピリダモール、NSAID又は抗炎症性副腎皮質ステロイドを包含する請求の範囲第22項による組成物。
  24. 前記抗炎症性副腎皮質ステロイドがベタメタゾン又はデキサメタゾンを包含する請求の範囲第23項による組成物。
  25. 前記抗炎症性副腎皮質ステロイドが0.00001mg/mlないし50mg/mlの範囲の量で存在する請求の範囲第24項による組成物。
  26. 前記抗炎症剤が0.001mg/mlないし5mg/mlの範囲の量で存在する請求の範囲第24項による組成物。
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