JP4181113B2 - 脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 - Google Patents
脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4181113B2 JP4181113B2 JP2004501988A JP2004501988A JP4181113B2 JP 4181113 B2 JP4181113 B2 JP 4181113B2 JP 2004501988 A JP2004501988 A JP 2004501988A JP 2004501988 A JP2004501988 A JP 2004501988A JP 4181113 B2 JP4181113 B2 JP 4181113B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- posture
- estimated
- acceleration
- robot
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B25—HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
- B25J—MANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
- B25J5/00—Manipulators mounted on wheels or on carriages
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D57/00—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track
- B62D57/02—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members
- B62D57/032—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members with alternately or sequentially lifted supporting base and legs; with alternately or sequentially lifted feet or skid
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B25—HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
- B25J—MANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
- B25J13/00—Controls for manipulators
- B25J13/08—Controls for manipulators by means of sensing devices, e.g. viewing or touching devices
- B25J13/088—Controls for manipulators by means of sensing devices, e.g. viewing or touching devices with position, velocity or acceleration sensors
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D57/00—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track
- B62D57/02—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01C—MEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
- G01C21/00—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
- G01C21/10—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration
- G01C21/12—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning
- G01C21/16—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning by integrating acceleration or speed, i.e. inertial navigation
- G01C21/183—Compensation of inertial measurements, e.g. for temperature effects
- G01C21/185—Compensation of inertial measurements, e.g. for temperature effects for gravity
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01C—MEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
- G01C21/00—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
- G01C21/10—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration
- G01C21/12—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning
- G01C21/16—Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning by integrating acceleration or speed, i.e. inertial navigation
- G01C21/183—Compensation of inertial measurements, e.g. for temperature effects
- G01C21/188—Compensation of inertial measurements, e.g. for temperature effects for accumulated errors, e.g. by coupling inertial systems with absolute positioning systems
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Robotics (AREA)
- Human Computer Interaction (AREA)
- Manipulator (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚式移動ロボットの自己姿勢を推定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、2足移動ロボット等の脚式移動ロボットには、上体に傾斜計が搭載されており、傾斜計の出力(上体の鉛直方向に対する傾斜角)を目標歩容の上体の傾斜角に収束させるようにロボットの姿勢制御が行われる。
【0003】
傾斜計は、上体の角速度を検知するためのジャイロセンサと、鉛直方向(すなわち重力方向)を検知するための加速度センサ(または振り子等の鉛直指示器)とから構成される。傾斜計では、基本的にジャイロセンサが検知した角速度を積分することによって上体の傾斜角を推定するが、そのままでは積分誤差が蓄積する(所謂ドリフトが発生する)ので、加速度センサの検出値を用いて、積分によって得られた推定傾斜角を補正していた。具体的には、加速度センサによって検出される加速度方向に対する傾斜角と、ジャイロセンサの検出値を積分器に通して得られた傾斜角との差を求め、その差に応じた補正量(差にある所定のゲインを乗じた値と差を積分してある所定のゲインを乗じた値の和)を前記積分器に追加的に入力することにより、傾斜角を補正していた。
【0004】
しかし、この方式では、ロボットの走行などのように上体が激しく加速ないしは減速する場合には、加速度センサによって検出される加速度には、重力加速度以外に上体の運動による加速度が加わるため、重力加速度方向が正確に検出できなくなり、上記の補正によって、かえって推定傾斜角の誤差が拡大するおそれがあった。
【0005】
以降、上体などのようなある代表的な部位の傾きと向きを総称して「姿勢」と呼ぶ。「傾き」は、鉛直方向となす角度である。「向き」は、代表的な部位の前方向を示すベクトルを水平面に投影したベクトルの向きである。
【0006】
一般的に代表的な部位とは、ジャイロセンサと加速度センサとから構成される傾斜計が搭載されている部位であるが、他の部位であっても、その部位と傾斜計が搭載されている部位との間の各関節にエンコーダのような関節変位検出器や変位制御アクチュエータがあれば、その部位の傾斜を算出することができるので、その部位を代表的な部位としても構わない。例えば、関節を持つ首で連結された頭部にジャイロセンサおよびまたは加速度センサを備える場合でも、代表部位を上体としても良い。なお、後述する実施形態においては、上体を代表的部位としている。
【0007】
また一般的には全関節変位の組も姿勢と呼ばれるが、特に断りがない限り、本実施例においては、「姿勢」をこの意味では用いない。
【0008】
従来の脚式移動ロボットでは、上記のような問題に加え、移動中に脚体を振ることによる反力によって、足平(脚体先端部)と床との間の摩擦力が限界となって、足平と床の間で回転滑り(スピン)が生じ、ロボット全体が鉛直軸まわりに姿勢回転して、目標歩容の向きからずれるという問題もあった。
【0009】
補足すると、上体が常に鉛直(直立)を維持して、直線歩行する目標歩容だけが生成されるとは限らない。目標歩容においても、ロボット全体または上体は旋回したり、前後左右に傾いたりする。すなわち、目標歩容においても、全体の姿勢回転(または上体等の代表部位の姿勢回転)が存在する。そこで、本明細書では、目標歩容における姿勢回転を目標姿勢回転と呼ぶ。本明細書で主に問題とする現象は、実際のロボットの全体の姿勢回転(または上体等の代表部位の姿勢回転)が、前記目標姿勢回転からずれることである。この現象を、厳密に表現するならば、「目標姿勢回転からの摂動」あるいは「姿勢回転摂動」と呼ぶべきであるが、目標姿勢回転と混同する恐れがない場合には、以降、これを「姿勢回転」と省略する。
【0010】
なお、以降、特に、ロボット全体が鉛直軸まわりに姿勢回転して、目標歩容の向きからずれる現象をスピンと呼ぶ。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上説明した背景に鑑みてなされたものであり、脚式移動ロボットの自己姿勢を精度良く推定することができる自己姿勢推定装置を提供することを目的とする。特に、加速度が水平方向や鉛直方向に激しく変動している状態やロボットの足底と床との間の回転滑りなどによってロボット全体に姿勢回転(またはスピン)が生じている状態においても、自己姿勢を精度良く推定することができる自己姿勢推定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置の第1発明は、前記の目的を達成するために、決定された目標歩容に追従するように制御される脚式移動ロボットにおいて、前記ロボットの所定の部位の実姿勢角速度を検出又は推定する姿勢角速度検出手段と、前記ロボットに搭載された加速度センサと、少なくとも前記目標歩容の目標運動と前記ロボットの関節の変位検出値と該関節の変位目標値とのうちのいずれかを含む該ロボットの運動状態量を用いて該ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度を決定する運動加速度推定手段と、少なくとも前記加速度センサによる加速度検出値と、前記推定運動加速度と、前記検出又は推定された実姿勢角速度とを基に、前記所定の部位の実姿勢を推定する姿勢推定手段とを備え、前記姿勢推定手段は、少なくとも前記検出または推定された実姿勢角速度を含む入力を積分することにより前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める積分手段と、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差に基づいて、前記姿勢角推定値の誤差を推定する姿勢角誤差推定手段と、前記推定された誤差を0に近づけるように、該誤差からフィードバック制御則により求めた操作量を前記積分手段に付加的に入力することによって該積分手段の入力を補正する入力補正手段とから構成され、該積分手段の入力の補正によって、該積分手段の出力である前記姿勢角推定値を補正することを特徴とするものである。
【0013】
この第1発明では、少なくとも前記目標歩容の目標運動と前記ロボットの関節の変位検出値と該関節の変位目標値とのうちのいずれかを含む該ロボットの運動状態量を用いて該ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度が決定される。すなわち、前記運動状態量を用いて加速度センサの位置の運動軌道を幾何学的に求めることができるので、その運動軌道から、加速度センサ自身の運動加速度が推定される。そして、その推定運動加速度と、加速度センサによる加速度検出値(これは重力加速度と運動加速度とを合成したものになる)と前記姿勢角速度検出手段によって検出又は推定された実姿勢角速度とを基に前記所定の部位の実姿勢が推定される。このため、前記加速度検出値に含まれる運動加速度の影響を前記推定運動加速度によって補償しつつ、前記検出又は推定された実姿勢角速度、もしくはその積分値を補正して、前記所定の部位の実姿勢を推定することが可能となる。より詳しくは、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差(ベクトル)は、重力加速度に相当するものとなるが、この差のベクトルは、前記姿勢角推定値に誤差がある場合には、該姿勢角推定値により把握されるグローバル座標系(該姿勢角推定値が正しいと仮定して把握されるグローバル座標系)上では鉛直方向を向かない。ここで、グローバル座標系はロボットが移動する環境の床(地面)に対して固定された座標系である。従って、上記差(ベクトル)を基に、姿勢角推定値(過去値)の誤差を推定することができる。そして、第1発明では、その推定された誤差を0に近づけるように前記積分手段の入力を補正することで、該積分手段の出力である姿勢角推定値が補正される。具体的には、前記誤差から適宜のフィードバック制御則により操作量を求め、その操作量を積分手段に付加的に入力する。これにより、姿勢角推定値の精度を高めることができる。従って、ロボットの自己姿勢としての、該所定の部位の実姿勢を精度よく推定することができる。
【0014】
また、本発明の脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置の第2発明は、決定された目標歩容に追従するように制御される脚式移動ロボットにおいて、前記ロボットに搭載された加速度センサと、前記ロボットの所定の部位の実姿勢角速度を検出又は推定する姿勢角速度検出手段と、少なくとも前記検出又は推定された実姿勢角速度を基に、前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める姿勢推定手段と、前記姿勢角推定値と前記目標歩容における前記所定の部位の目標姿勢角との差である姿勢回転偏差の時間的変化量を姿勢回転偏差変化量として求める姿勢回転偏差算出手段と、前記姿勢回転偏差の変化が前記ロボットの回転すべりによる変化であるとして、該姿勢回転偏差の変化の回転中心を決定する回転中心決定手段と、前記ロボットが、前記回転中心まわりに前記姿勢回転偏差変化量で回転したと想定して、前記ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度を決定する運動加速度推定手段とを備え、前記運動加速度推定手段は、前記目標歩容を記述する座標系である第1の座標系を前記姿勢回転偏差変化量だけ前記回転中心回りに回転させてなる第2の座標系を求める手段を備え、前記目標歩容の目標運動と前記ロボットの関節の変位検出値と該関節の変位目標値とのうちの少なくともいずれかから把握される、前記第1座標系から見た前記加速度センサ自身の加速度と、前記推定運動加速度で運動する加速度センサを前記第2座標系から見た場合の前記加速度センサ自身の加速度とが同一になるように前記推定運動加速度を決定する手段であり、前記姿勢推定手段は、少なくとも前記検出または推定された実姿勢角速度を含む入力を積分することにより前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める積分手段と、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差に基づいて、前記姿勢角推定値の誤差を推定する姿勢角誤差推定手段と、前記推定された誤差を0に近づけるように、該誤差からフィードバック制御則により求めた操作量を前記積分手段に付加的に入力することによって該積分手段の入力を補正する入力補正手段とから構成され、該積分手段の入力の補正によって、該積分手段の出力である前記姿勢角推定値を補正することを特徴とするものである。
【0015】
かかる第2発明では、前記推定運動加速度を決定するとき、前記姿勢角推定値と前記目標歩容における前記所定の部位の目標姿勢角との差である姿勢回転偏差の変化は、ある回転中心の回りにロボットの全体が回転すべりによって前記姿勢回転偏差変化量で回転したことと同等であると想定される。実際、例えばロボットの足平(脚体先端部)と床との間で回転すべり(スピン)が発生した場合には、それが、上記姿勢回転偏差の変化となって現れる。そして、第2発明では、上記想定の基で、ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度を決定するので、上記回転すべりによる前記加速度センサ自身の実際の運動を定量的に把握して、該加速度センサ自身の運動加速度の推定値たる推定運動加速度を決定できる。
【0016】
ここで、推定運動加速度を決定するためには、例えば前記想定の基で、加速度センサの位置(加速度センサの搭載部の位置)を逐次推定し、その位置の運動軌道に基づいて推定運動加速度を決定すればよい。あるいは、例えば、加速度センサの搭載部と異なるロボットのある代表箇所の位置(ロボットのある部位の位置や、着地動作で着地する脚体の接地位置等)を前記想定の基で推定し、その代表箇所の位置の推定値と、ロボットの目標歩容もしくは関節の変位検出値もしくは該関節の変位目標値とを用いて、幾何学的演算(キネマティクス演算)により加速度センサの位置の運動軌道を求め、その運動軌道から前記推定運動加速度を決定するようにしてもよい。補足するとロボットの接地位置(床との接触箇所の位置)あるいはロボットの一つの部位の位置が推定できれば、ロボットの任意の位置の運動軌道は、上記のような幾何学的演算によって求めることができる。
【0017】
より具体的には、第2発明では、前記第1座標系から見た加速度センサ自身の加速度、すなわち、第1座標系上で、ロボットが回転すべり等を生じることなく、目標歩容の目標運動もしくは関節変位検出値もしくは関節変位目標値の通りに運動しているとした場合に該目標運動、関節変位検出値および関節変位目標値のうちの少なくともいずれかから把握される加速度センサ自身の加速度と、前記推定運動加速度で運動する加速度センサを、該第1座標系を前記回転中心回りに前記姿勢回転偏差変化量で回転させてなる第2座標系から見た場合の加速度センサ自身の加速度とが同一になる(各座標系上での加速度センサ自身の加速度の各座標成分が両座標系で同じになる)ように、前記推定運動加速度が決定される。その結果、姿勢回転偏差の変化を適切に反映させて加速度センサ自身の加速度の推定値たる推定運動加速度を決定でき、精度のよい推定運動加速度を得ることができる。
【0018】
さらに、第2発明では、前記姿勢推定手段は、第1発明と同様に、少なくとも前記検出または推定された実姿勢角速度を含む入力を積分することにより前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める積分手段と、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差に基づいて、前記姿勢角推定値の誤差を推定する姿勢角誤差推定手段と、前記推定された誤差を0に近づけるように、該誤差からフィードバック制御則により求めた操作量を前記積分手段に付加的に入力することによって該積分手段の入力を補正する入力補正手段とから構成され、該積分手段の入力の補正によって、該積分手段の出力である前記姿勢角推定値を補正する。これにより、前記第1発明と同様に、前記加速度検出値に含まれる運動加速度の影響を前記推定運動加速度によって補償しつつ、前記姿勢角定値を補正することが可能となる。その結果、該所定の部位の実姿勢の推定値である姿勢角推定値の精度を高めることができる。すなわち、ロボットの自己姿勢としての、前記所定の部位の実姿勢を精度よく推定することができる。
【0019】
また、前記第1〜第2発明では、前記所定の部位は、前記ロボットの上体(脚体が延設される基体)であることが好ましい(第3発明)。上体の姿勢角を精度よく把握することはロボットの安定な移動を行う上で重要であるからである。
【0020】
さらに、前記所定の部位が、前記ロボットの上体である第3発明では、前記姿勢推定手段が補正する前記姿勢角推定値は、該上体の、鉛直方向に対する傾斜角度の推定値であることが特に好適である(第4発明)。上体の鉛直方向に対する傾斜角度は、特にロボットの安定な移動を行う上で重要であるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態に係る脚式移動ロボットの自己位置推定装置を説明する。尚、脚式移動ロボットとしては2足移動ロボットを例にとる。
【0022】
図1は、この実施形態に係る脚式移動ロボットとしての2足移動ロボットを全体的に示す概略図である。
【0023】
図示の如く、2足移動ロボット(以下、ロボットという)1は上体(ロボット1の基体)3から下方に延設された左右一対の脚体(脚部リンク)2,2を備える。両脚体2,2は同一構造であり、それぞれ6個の関節を備える。その6個の関節は上体3側から順に、股(腰部)の回旋(回転)用(上体3に対するヨー方向の回転用)の関節10R,10L(符号R,Lはそれぞれ右側脚体、左側脚体に対応するものであることを意味する符号である。以下同じ)と、股(腰部)のロール方向(X軸まわり)の回転用の関節12R,12Lと、股(腰部)のピッチ方向(Y軸まわり)の回転用の関節14R,14L、膝部のピッチ方向の回転用の関節16R,16Lと、足首のピッチ方向の回転用の関節18R,18Lと、足首のロール方向の回転用の関節20R,20Lとから構成される。
【0024】
各脚体2の足首の2つの関節18R(L),20R(L)の下部には、各脚体2の先端部を構成する足平(足部)22R(L)が取着されると共に、両脚体2,2の最上位には、各脚体2の股の3つの関節10R(L),12R(L),14R(L)を介して前記上体3が取り付けられている。上体3の内部には、詳細を後述する制御ユニット60などが格納される。なお、図1では図示の便宜上、制御ユニット60を上体3の外部に記載している。
【0025】
上記構成の各脚体2においては、股関節(あるいは腰関節)は関節10R(L),12R(L),14R(L)から構成され、膝関節は関節16R(L)から構成され、足首関節は関節18R(L),20R(L)から構成される。また股関節と膝関節とは大腿リンク24R(L)で連結され、膝関節と足首関節とは下腿リンク26R(L)で連結される。
【0026】
尚、上体3の上部の両側部には左右一対の腕体5,5が取り付けられると共に、上体3の上端部には頭部4が配置される。これらの腕体5,5及び頭部4は、本発明の要旨と直接的な関連を有しないため詳細な説明を省略する。
【0027】
上記の構成により、各脚体2の足平22R(L)は、上体3に対して6つの自由度を与えられている。そして、ロボット1の歩行等の移動中に、両脚体2,2を合わせて6*2=12個(この明細書で「*」はスカラに対する演算としては乗算を、ベクトルに対する演算としては外積を示す)の関節を適宜な角度で駆動することで、両足平22R,22Lの所望の運動を行うことができる。これにより、ロボット1は任意に3次元空間を移動することができる。
【0028】
図1に示す如く、各脚体2の足首関節18R(L),20R(L)の下方には足平22R(L)との間に公知の6軸力センサ50が介装されている。該6軸力センサ50は、各脚体2の足平22R(L)の着地の有無、および各脚体2に作用する床反力(接地荷重)等を検出するためのものであり、該床反力の並進力の3方向成分Fx,Fy,Fz並びにモーメントの3方向成分Mx,My,Mzの検出信号を制御ユニット60に出力する。また、上体3には、Z軸(鉛直方向(重力方向))に対する上体3の傾き(姿勢角)およびその角速度等を検出するための傾斜センサ54が備えられ、その検出信号が該傾斜センサ54から制御ユニット60に出力される。この傾斜センサ54は、図示を省略する3軸方向の加速度センサおよび3軸方向のジャイロセンサを備え、これらのセンサの検出信号が上体3の傾きおよびその角速度を検出するために用いられると共に、ロボット1の自己位置姿勢を推定するために用いられる。また、詳細構造の図示は省略するが、ロボット1の各関節には、それを駆動するための電動モータ64(図5参照)と、その電動モータ64の回転量(各関節の回転角)を検出するためのエンコーダ(ロータリエンコーダ)65(図5参照)とが設けられ、該エンコーダ65の検出信号が該エンコーダ65から制御ユニット60に出力される。
【0029】
さらに、図1では図示を省略するが、ロボット1の適宜な位置にはジョイスティック(操作器)73(図5参照)が設けられ、そのジョイスティック73を操作することで、直進移動しているロボット1を旋回させるなど、ロボット1の歩容に対する要求を必要に応じて制御ユニット60に入力できるように構成されている。
【0030】
図2は本実施形態における各脚体2の先端部分(各足平22R(L)を含む)の基本構成を概略的に示す図である。同図に示すように、各足平22R(L)の上方には、前記6軸力センサ50との間にばね機構70が装備されると共に、足底(各足平22R,Lの底面)にはゴムなどからなる足底弾性体71が貼られている。これらのばね機構70及び足底弾性体71によりコンプライアンス機構72が構成されている。ばね機構70は詳細は後述するが、足平22R(L)の上面部に取り付けられた方形状のガイド部材(図2では図示省略)と、足首関節18R(L)(図2では足首関節20R(L)を省略している)および6軸力センサ50側に取り付けられ、前記ガイド部材に弾性材(ゴムやばね)を介して微動自在に収納されるピストン状部材(図2では図示省略)とから構成されている。
【0031】
図2に実線で表示された足平22R(L)は、床反力を受けていないときの状態を示している。各脚体2が床反力を受けると、コンプライアンス機構72のばね機構70と足底弾性体71とがたわみ、足平22R(L)は図中に点線で例示したような位置姿勢に移る。このコンプラインアス機構72の構造は、例えば本出願人が先に提案した特開平5−305584号公報に詳細に説明されている如く、着地衝撃を緩和するためだけでなく、制御性を高めるためにも重要なものである。
【0032】
上記コンプライアンス機構72を含めた足平22R(L)(以下、足平機構22R(L)と称することがある。)のより詳細な構成を図3及び図4を参照してさらに説明する。図3は足平機構22R(L)の側面示の断面図、図4は該足平機構22R(L)の底面側から見た平面図である。
【0033】
足平機構22R(L)は、大略平板状の足平プレート部材102を骨格部材として備えている。この足平プレート部材102は、その前端部(つま先部)と後端部(踵部)とが若干上方に湾曲されているが、他の部分は平坦な平板状になっている。また、足平プレート部材102の上面部には、横断面方形状のガイド部材103がその軸心を上下方向に向けて固設されている。このガイド部材103の内部には、該ガイド部材103の内周面に沿うようにして略上下方向に移動可能に設けられた可動板(ピストン状部材)104が設けられ、該可動板104が足首関節18R(L),20R(L)に6軸力センサ50を介して連結されている。
【0034】
また、可動板104は、その下面の周縁部がばね、ゴム等の弾性材からなる複数の弾性部材106(図ではばねとして記載している)を介して足平プレート部材102の上面部に連結されている。従って、足平プレート部材102は、弾性部材106、可動板104及び6軸力センサ50を介して足首関節18R(L)に連結されている。尚、ガイド部材103の内部(可動板104の下側の空間)は、図示を省略する穴や隙間を介して大気側に開放されており、大気中の空気がガイド部材103の内部に入出自在となっている。また、上記ガイド部材103、可動板104、及び弾性部材106は前記図2に示したばね機構70を構成するものである。
【0035】
足平プレート部材102の底面(下面)には、前記図2に示した足底弾性体71としての接地部材71が取着されている。該接地部材71は、足平機構22R(L)の接地状態で、該足平プレート部材102と床面との間に介在させる弾性部材(床面に直接的に接触する弾性部材)であり、本実施形態では、足平プレート部材102の接地面の四隅(足平プレート部材102のつま先部の両側部並びに踵部の両側部)に固着されている。
【0036】
また、接地部材71は、本実施形態では、比較的軟質のゴム材から成る軟質層107aと、比較的硬質のゴム材から成る硬質層107bとを上下に重合してなる2層構造に形成され、硬質層107bが、脚体2の着床時に直接的に床面に接触する接地面部として最下面側に設けられている。
【0037】
足平機構22R(L)には、上記の構成の他、着地衝撃緩衝装置108が備えられている。この着地衝撃緩衝装置108は、足平プレート部材102の底面に取着された袋状部材109と、該袋状部材109の内部に対して圧縮性流体としての空気(大気中の空気)を入出させるための流通路110とを備えている。
【0038】
袋状部材109は、その周囲に前記接地部材71が存するようにして、足平プレート部材102の底面の大略中央部に設けられている。この袋状部材109は、ゴム等の弾性材により変形自在に構成されており、外力による弾性変形が生じていない自然状態では、図3に実線で示すように、上方に開口した円筒容器形状を呈する。そして、該袋状部材109は、その開口端部が全周にわたって足平プレート部材102の底面に固着され、該足平プレート部材102により閉蓋されている。また、袋状部材109は、円筒容器形状を呈する自然状態では、該袋状部材109の底部が前記接地部材71よりも下方に突出するように設けられている。つまり、該袋状部材109の高さ(足平プレート部材102の下面から袋状部材109の底部までの距離)は、接地部材71の厚さよりも大きいものとされている。従って、足平プレート部材102が接地部材71を介して接地した状態(脚部2の着床状態)では、袋状部材109は、図3に仮想線で示すように、床反力により袋状部材109の高さ方向に圧縮される。
【0039】
尚、本実施形態では、袋状部材109が円筒容器形状を呈する自然状態は該袋状部材109の膨張状態である。そして、袋状部材109は、弾性材により構成されているため、圧縮されたとき、自然状態の形状(円筒容器形状)への形状復元力を有する。
【0040】
前記流通路110は、袋状部材109に対する空気の流入・流出を行う流入・流出手段を構成するものであり、本実施形態では、袋状部材109の内部と前記ガイド部材103の内部とを連通させるように足平プレート部材102に穿設された流通孔である。この場合、前述のように、ガイド部材103の内部は大気側に開放されているので、該流通路110は、袋状部材109の内部を大気側に連通させていることとなる。従って、袋状部材109の内部には、大気中の空気が流通路110を介して入出自在となっており、該袋状部材109の膨張状態(自然状態)では、該袋状部材109内には空気が充填され、その内部の圧力は大気圧と同等になる。また、流通路110は絞り通路となっており、袋状部材109の内部に空気が入出する際には流体抵抗を生じるようになっている。
【0041】
図5は制御ユニット60の構成を示すブロック図である。該制御ユニット60はマイクロコンピュータにより構成されており、CPUからなる第1の演算装置90及び第2の演算装置92、A/D変換器80、カウンタ86、D/A変換器96、RAM84、ROM94、並びにこれらの間のデータ授受を行うバスライン82を備えている。この制御ユニット60では、各脚体2の6軸力センサ50、傾斜センサ54(加速度センサおよびレートジャイロセンサ)、ジョイスティック73等の出力信号はA/D変換器80でデジタル値に変換された後、バスライン82を介してRAM84に送られる。またロボット1の各関節のエンコーダ65(ロータリーエンコーダ)の出力は、カウンタ86を介してRAM84に入力される。
【0042】
前記第1の演算装置90は後述の如く目標歩容を生成すると共に、関節角変位指令(各関節の変位角もしくは各電動モータ64の回転角の指令値)を算出し、RAM84に送出する。また第2の演算装置92はRAM84から関節角変位指令と、前記エンコーダ65の出力信号とに基づいて検出された関節角の実測値とを読み出し、各関節の駆動に必要な操作量を算出してD/A変換器96とサーボアンプ64aとを介して各関節を駆動する電動モータ64に出力する。
【0043】
図6は、この実施形態に係る脚式移動ロボットの制御装置の機能的構成を全体的に示すブロック図である。この図6中の「実ロボット」の部分以外の部分が制御ユニット60が実行する処理機能(主として第1の演算装置90及び第2の演算装置92の機能)によって構成されるものである。なお、以下の説明では、脚体2の左右を特に区別する必要がないときは、前記符号R,Lを省略する。
【0044】
以下説明すると、制御ユニット60は、ロボット1の目標歩容を自在かつリアルタイムに生成して出力する歩容生成装置200、自己位置姿勢推定部214等を備えている。自己位置姿勢推定部214は、詳細は後述するが、本発明の特徴部分に係わる処理を実行し、ロボット1の位置・姿勢(グローバル座標系での位置・姿勢)を推定するものである。
【0045】
歩容生成装置200が出力する目標歩容は、目標上体位置姿勢軌道(上体3の目標位置及び目標姿勢の軌道)、目標足平位置姿勢軌道(各足平22の目標位置及び目標姿勢の軌道)、目標腕姿勢軌道(各腕体5の目標姿勢の軌道)、目標全床反力中心点(目標ZMP)軌道、目標全床反力軌道から構成される。なお、脚体2や腕体5以外に上体3に対して可動な部位を備える場合には、その可動部位の目標位置姿勢軌道が目標歩容に加えられる。
【0046】
ここで、本発明の実施形態での用語の意味あるいは定義について補足しておく。上記歩容における「軌道」は時間的変化のパターン(時系列パターン)を意味し、以下の説明では、「軌道」の代わりに「パターン」と称することもある。また、各部位の「姿勢」は、該部位の傾きと向きとを総称したものである。ここで、「傾き」は該部位の鉛直方向となす角度であり、「向き」は該部位の前方向を示すベクトルを水平面に投影したベクトルの向きである。例えば上体姿勢のうちの傾きは、Z軸(鉛直軸)に対するロール方向(X軸回り)の上体3の傾斜角(姿勢角)と、Z軸に対するピッチ方向(Y軸回り)の上体3の傾斜角(姿勢角)とからなる。また、上体3の向きは、上体3の前方向を示すベクトルを水平面に投影したベクトルのヨー方向(Z軸回り)の回転角で表される。なお、足平姿勢は各足平22に固定的に設定された2軸の空間的な方位角で表される。また、特に、足平22の着地姿勢に関しては、その着地姿勢は、基本的には着地した足平22の向きを表し、具体的には着地した足平22のかかとからつま先に向かうベクトルを水平面に投影したベクトルの向きを表す。また、目標腕姿勢は、腕体5のすべての部位に関する上体3に対する相対的な姿勢で表される。
【0047】
上体位置は、上体3の所定位置、具体的には上体3のあらかじめ定めた代表点の位置を意味する。同様に、足平位置は、各足平22R,22Lのあらかじめ定めた代表点の位置を意味する。なお、上体速度は、上体3の上記代表点の移動速度を意味し、足平速度は、各足平22R,22Lの上記代表点の移動速度を意味する。
【0048】
目標上体位置姿勢等の目標歩容に関し、以下の説明では、誤解を生じるおそれがない場合には、しばしば「目標」を省略する。また、歩容のうちの、床反力に係わる構成要素以外の構成要素、すなわち足平位置姿勢、上体位置姿勢等、ロボット1の運動に係わる歩容を総称的に「運動」という。
【0049】
各足平22R,Lの床反力(並進力及びモーメントからなる床反力)を「各足平床反力」と呼び、ロボット1の全ての(2本の)足平22R,22Lの床反力の合力を「全床反力」と呼ぶ。ただし、以下の説明においては、各足平床反力に関してはほとんど言及しないので、断らない限り、「床反力」は「全床反力」と同義として扱う。
【0050】
目標床反力は、一般的には、作用点とその点に作用する力(並進力)と力のモーメントによって表現される。作用点はどこにとっても良いので、同一の目標床反力でも無数の表現が考えられるが、特に前述の目標床反力中心点を作用点にして目標床反力を表現すると、力のモーメントは、鉛直軸成分を除けば、0になる。
【0051】
尚、動力学的平衡条件を満足する歩容では、目標運動軌道から算出されるZMP(目標運動軌道から算出されるロボット1の慣性力と重力との合力がその点まわりに作用するモーメントが、鉛直軸成分を除いて0になる点)と目標全床反力中心点は一致することから、目標全床反力中心点軌道の代わりに目標ZMP軌道を与えると言っても同じことである(詳細は、例えば本出願人によるPCT公開公報WO/02/40224を参照)。
【0052】
このような背景から、PCT公開公報WO/02/40224の明細書では目標歩容を次のように定義していた。
a)広義の目標歩容とは、1歩ないしは複数歩の期間の目標運動軌道とその目標床反力軌道との組である。
b)狭義の目標歩容とは、1歩の期間の目標運動軌道とそのZMP軌道との組である。
c)一連の歩容は、いくつかの歩容がつながったものとする。
【0053】
ロボット1の歩行を行う場合においては、本出願人が先に特開平10-86080号公報で提案した上体高さ決定手法によって上体鉛直位置(上体高さ)が決定されると、床反力の並進力成分は従属的に決定されるので、目標歩容の床反力に関して明示的に設定すべき物理量としては、ZMPだけで十分であった。したがって、PCT公開公報WO/02/40224の明細書では、狭義の目標歩容としては、上記のb)で十分であった。それに対し、ロボット1の走行を行う場合には、床反力鉛直成分も制御上重要であるので、該床反力鉛直成分を明示的に設定することが好ましい。そこで、本願出願人が先に提案したPCT出願(PCT/JP02/13596)等では、狭義の目標歩容として、次のb’)を採用した。
b’)狭義の目標歩容とは、1歩の期間の目標運動軌道とそのZMP軌道と床反力鉛直成分軌道の組である。
【0054】
この明細書では以降、特にことわらない限り、目標歩容は狭義の目標歩容の意味で使用する。また、目標歩容の「1歩」は、ロボット1の片方の脚体2が着地してからもう一方の脚体2が着地するまでの意味で使用する。
【0055】
歩容における両脚支持期とは言うまでもなく、ロボット1がその自重を両脚体2,2で支持する期間、片脚支持期とはいずれか一方のみの脚体2でロボット1の自重を支持する期間、空中期とは両脚体2,2が床から離れている(空中に浮いている)期間を言う。
【0056】
片脚支持期においてロボット1の自重を支持しない側の脚体2を「遊脚」と呼び、自重を支持する側の脚体2を「支持脚」と呼ぶ。ロボット1の歩行では、両脚支持期と片脚支持期とが交互に繰り返され、ロボット1の走行では片脚支持期と空中期とが交互に繰り返される。この場合、走行の空中期では、両脚体2,2とも、ロボット1の自重を支持しないこととなるが、該空中期の直前の片脚支持期において遊脚であった脚体2、支持脚であった脚体2をそれぞれ該空中期においても遊脚、支持脚と呼ぶ。
【0057】
また、目標上体姿勢、目標上体位置、目標足平位置姿勢、目標腕姿勢等、目標歩容におけるロボット1の各部の位置姿勢は支持脚座標系で記述される。支持脚座標系とは、支持脚の足平22の接地面辺りに原点を持つ床面に固定された座標系である。より詳細には、支持脚座標系は、本出願人の特許3273443号に記載されているように、支持脚の足平22を接地面との間で滑らさないで、水平姿勢になるまで回転させた時の、該支持脚の足首関節の中心から接地面への垂直投影点を原点とし、該支持脚足平22のつま先に向かう水平軸(足平22の前後方向の軸)をX軸として、鉛直軸をZ軸、これらのX軸、Z軸に直交する座標軸(足平22の左右方向の軸)をY軸とする座標系である。
【0058】
本発明の実施形態に係る歩容生成装置200は、2歩先までの遊脚の足平22の着地位置姿勢、着地時刻の要求値(目標値)を入力として、目標上体位置姿勢軌道、目標足平位置姿勢軌道、目標ZMP軌道、目標床反力鉛直成分軌道、及び目標腕姿勢軌道から構成される目標歩容を生成する。このとき、これらの軌道を規定するパラメータ(これを歩容パラメータと呼ぶ)の一部は、歩容の継続性を満足するように修正される。
【0059】
目標歩容の生成にはロボット1の動力学モデルが用いられる。その動力学モデルとしては、例えば、前記PCT公開公報WO/02/40224号に記載の単純化モデルあるいは、本出願人が提案した特開2002-326173号公報に記載の多質点モデル(フルモデル)などを用いれば良い。
【0060】
また、歩容生成装置200は、ロボット1の片方の脚体2が着地してから他方の脚体2が着地するまでの1歩分の目標歩容(前記狭義の意味での目標歩容)を単位として、その1歩分の目標歩容を順番に生成する。ここで、現在あるいはこれから生成しようとしている歩容を「今回歩容」、その次の歩容を「次回歩容」、さらにその次の歩容を「次次回歩容」と呼ぶ。また、「今回歩容」の1つ前に生成した目標歩容を「前回歩容」と呼ぶ。
【0061】
歩容生成装置200が生成する目標歩容の一部を例示的に概説すると、例えば目標足平位置姿勢軌道は、本出願人による特許3233450号に開示した有限時間整定フィルタを用いて生成される。この有限時間整定フィルタによる足平位置姿勢軌道の生成処理では、例えば足平位置軌道は、目標着地位置(着地位置の要求値)に向かって足平22を徐々に加速しながら移動を開始し、目標着地時刻(着地時刻の要求値)までに徐々に速度を0またはほぼ0にまで減速し、該目標着地時刻に目標着地位置に到達して停止するように生成される。足平姿勢軌道についても同様である。これにより生成される目標足平位置姿勢軌道は、着地瞬間における対地速度が0またはほぼ0になるため、特にロボット1の走行を行う場合に、前記空中期からの着地時における着地衝撃を小さくできる。
【0062】
また、図7に示すように人間が走行を行う場合と同様の形態でロボット1の走行を行う場合には、例えば目標床反力鉛直成分軌道および目標ZMP軌道(詳しくは支持脚座標系のX軸方向(支持脚足平22の前後方向)での目標ZMP軌道)は、それぞれ図8(a)、図8(b)に実線で示すようなパターンで設定される。なお、図7の第1番目〜第3番目の図は、それぞれ片脚支持期の開始時、中間時点、終了時におけるロボット1の両脚体2,2の運動状態を模式的に示し、第4番目及び第5番目の図は、それぞれ空中期の中間時点、空中期の終了時(次の片脚支持期の開始時)におけるロボット1の両脚体2,2の運動状態を模式的に示している。
【0063】
ロボット1の走行を行う場合には、目標床反力鉛直成分軌道は、基本的には、片脚支持期では上に凸のパターンとなり、空中期では0に維持される。また、ロボット1の歩行を行う場合には、目標床反力鉛直成分軌道は、例えば図8(a)に二点鎖線で示すように設定される。この場合、二点鎖線のうちの上に凸の部分が両脚支持期に対応し、下に凸の部分が片脚支持期に対応する。また、目標ZMPは走行、歩行のいずれであっても、基本的には、ロボット1の脚体2の接地面内(より詳しくは所謂、支持多角形内)の中央付近に設定される。
【0064】
図9は、前記歩容生成装置200の歩容生成処理、ならびに、図6に示す自己位置姿勢推定部214の自己位置姿勢推定処理を示すフローチャート(構造化フローチャート)である。
【0065】
まずS010において時刻tを0に初期化するなど種々の初期化作業を行う。
【0066】
次いでS012を経てS014に進み、制御周期毎のタイマ割り込みを待つ。制御周期はΔtである。
【0067】
次いでS016に進み、自己位置姿勢推定部214による自己位置姿勢推定を行う。S016における処理がこの出願に係る脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置の特徴をなすが、この説明は後述することとする。
【0068】
次いでS018に進み、歩容切り替わり目(前回歩容の生成が終了し、新たな今回歩容の生成を開始すべき時刻)であるか否かが判断される。そして、その判断結果がYESであるときはS020に進み、NOであるときはS032に進む。なお、以下に説明するS020以降の処理は、本願出願人が先に提案したPCT公開公報WO/02/40224あるいは前記PCT出願PCT/JP02/13596に詳細に説明されているので、本明細書では簡略的な説明に留める。
【0069】
S020に進むときは時刻tを0に初期化する。次いでS022に進み、次回歩容支持脚座標系(詳しくはその位置および向き)、次次回歩容支持脚座標系(詳しくはその位置および向き)、今回歩容周期および次回歩容周期を読み込む。
【0070】
上記次回歩容支持脚座標系および次次回歩容支持脚座標系は、それぞれ、前記ジョイスティック73の操作等によって指定される1歩目の遊脚足平22(今回歩容の遊脚足平22)の着地位置姿勢の要求値(目標着地位置姿勢)、2歩目の遊脚足平22(次回歩容の遊脚足平22)の着地位置姿勢の要求値(目標着地位置姿勢)に応じて、前記した支持脚座標系の定義に従って決定される。
【0071】
また、今回歩容周期、次回歩容周期は、それぞれ、1歩目の遊脚足平22の着地時刻の要求値(目標着地時刻)、2歩目の遊脚足平22の着地時刻の要求値(目標着地時刻)に応じて決定される。
【0072】
上記した遊脚足平22の着地位置姿勢の要求値並びに着地時刻の要求値、あるいは支持脚座標系の位置および向き並びに歩容周期は、あらかじめ歩行スケジュールとして記憶しておいても良く、あるいはジョイスティック73などの操縦装置からの指令(要求)とそのときまでの歩行履歴を基に決定しても良い。
【0073】
次いでS024に進み、今回歩容につながる定常旋回歩容の歩容パラメータが、S022で決定された次回歩容支持脚座標系、次次回歩容支持脚座標系、今回歩容周期および次回歩容周期等に基づいて決定される。主に、目標足平位置姿勢軌道を規定する足平軌道パラメータ、目標上体姿勢の基準軌道を規定する基準上体姿勢軌道パラメータ、目標腕姿勢軌道を規定する腕姿勢軌道パラメータ、目標ZMP軌道を規定するZMP軌道パラメータ、目標床反力鉛直成分軌道を規定する床反力鉛直成分軌道パラメータが決定される。例えば床反力鉛直成分軌道パラメータに関して例示すると、前記図9(a)に示したパターンの折れ点の時刻や値が床反力鉛直成分軌道パラメータとして決定される。
【0074】
ここで、前記定常旋回歩容は、その歩容を繰り返したときに歩容の境界においてロボット1の運動状態に不連続が生じないような周期的歩容を意味する(以降、「定常旋回歩容」を「定常歩容」と略す場合もある)。
【0075】
定常旋回歩容の1周期分の歩容は、第1旋回歩容と第2旋回歩容とからなる。第1旋回歩容は、今回歩容の支持脚座標系に対応する支持脚足平22を次次回歩容支持脚座標系に対応する位置姿勢まで動かすときの歩容に相当し、第2旋回歩容は、次回歩容支持脚座標系に対応する支持脚足平22を次次次回支持脚座標系に対応する位置姿勢まで動かすときの歩容に相当する。この場合、次次次回歩容支持脚座標系は、第2旋回歩容の遊脚足平22の目標着地位置姿勢に対応するものである。そして、該次次次回歩容支持脚座標系は、次次回歩容支持脚座標系(第2旋回歩容の支持脚座標系)から見た該次次次回歩容支持脚座標系の位置姿勢(位置及び向き)が、今回歩容支持脚座標系から見た次回歩容支持脚座標系(今回歩容の遊脚足平22の着地位置姿勢)の位置姿勢(位置及び向き)に一致するように設定される。尚、定常旋回歩容に関して「旋回」なる用語を用いたのは、旋回率を零とするときは直進を意味するので、直進も広義の意味で旋回に含ませることができるからである。
【0076】
定常旋回歩容は、歩容生成装置200で今回歩容の終端における発散成分や上体鉛直位置速度を決定するために暫定的に作成される仮想的な周期的歩容であり、ロボット1を実際に制御するために歩容生成装置200からそのまま出力されるものではない。
【0077】
尚、「発散」とは、上体の位置が両足部(足平)の位置からかけ離れた位置にずれてしまうことを意味する。発散成分の値とは、2足移動ロボットの上体の位置が両足部(足平)の位置(厳密には、支持脚接地面に設定された支持脚座標系の原点からかけ離れていく具合を表す数値であり、上体3の水平方向の位置及びその速度の関数で表される。
【0078】
本実施形態では、これから生成する今回歩容の後につながる定常歩容を移動要求(前記2歩先までの遊脚の足平22の着地位置姿勢、着地時刻などの要求値)に応じて設定し、定常歩容の初期発散成分を求めてから、今回歩容の終端発散成分を定常歩容の初期発散成分に一致するように、今回歩容を生成するようにした。S024の詳細は、本出願人が提案した前記PCT公開公報WO/02/40224、あるいはPCT/JP02/13596に説明されているので、これ以上の説明を省略する。
【0079】
S010からS024までに示す処理を行って後、S026に進み、定常旋回歩容の初期状態(初期上体水平位置速度成分、初期上体鉛直位置速度、初期発散成分、初期上体姿勢角および角速度)を決定する。S026の詳細は、PCT公開公報WO/02/40224、あるいはPCT/JP02/13596に説明しているので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
【0080】
次いで、S028に進み、今回歩容の歩容パラメータを決定(一部仮決定)する。この場合、決定される今回歩容の歩容パラメータは、定常旋回歩容の歩容パラメータと同様、主に、足平軌道パラメータ、基準上体姿勢軌道パラメータ、腕姿勢軌道パラメータ、目標ZMP軌道パラメータ、目標床反力鉛直成分軌道パラメータであり、それぞれのパラメータにより規定される軌道が、定常旋回歩容の軌道に連続するように決定される。ただし、これらのパラメータのうち、目標ZMP軌道パラメータは暫定的なものである。このS028の処理の詳細は、前記PCT公開公報WO/02/40224、あるいはPCT/JP02/13596号等に説明されているので、ここではこれ以上の説明を省略する。
【0081】
次いでS030に進み、今回歩容の終端発散成分が定常歩容の初期発散成分に一致するように、今回歩容の歩容パラメータを修正する。ここで修正される歩容パラメータは、目標ZMP軌道パラメータである。
【0082】
S030において今回歩容パラメータを修正した後、あるいはS018の判断結果がNOである場合には、S032に進み、今回歩容瞬時値を決定する。この処理の詳細は、前記PCT公開公報WO/02/40224、あるいはPCT/JP02/13596号等に説明しているので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
【0083】
次いでS034に進み、PCT出願PCT/JP02/13596号の実施形態のS032の処理と同様、スピン力をキャンセルするための腕振り動作を決定する。
【0084】
次いでS036に進み、歩容生成用時刻tをΔtだけ増やし、S014に戻り、以上のごとく歩容生成を続ける。
【0085】
以上が、歩容生成装置200における目標歩容生成処理、ならびに、自己位置姿勢推定部214の自己位置姿勢推定処理である。
【0086】
図6を参照してこの実施形態に係る制御ユニット60の制御処理をさらに説明すると、歩容生成装置200において、上記したように目標歩容が生成される。生成された目標歩容のうち、目標上体位置姿勢(軌道)および目標腕姿勢軌道は、ロボット幾何学モデル(逆キネマティクス演算部)202に直接送られる。
【0087】
また、目標足平位置姿勢(軌道)、目標ZMP軌道(目標全床反力中心点軌道)、および目標全床反力(軌道)(目標床反力水平成分と目標床反力鉛直成分)は、複合コンプライアンス動作決定部204に直接送られる一方、目標床反力分配器206にも送られる。目標床反力分配器206では、目標全床反力は各足平22R,22Lに分配され、目標各足平床反力中心点および目標各足平床反力が決定される。その決定された目標各足平床反力中心点および目標各足平床反力が複合コンプライアンス動作決定部204に送られる。
【0088】
複合コンプライアンス動作決定部204では、機構変形補償付き修正目標足平位置姿勢軌道が生成され、それがロボット幾何学モデル202に送られる。ロボット幾何学モデル202は、目標上体位置姿勢(軌道)と機構変形補償付き修正目標足平位置姿勢(軌道)が入力されると、それらを満足する脚体2,2の12個の関節(10R(L)など)の関節変位指令(値)を算出して変位コントローラ208に送る。変位コントローラ208は、ロボット幾何学モデル202で算出された関節変位指令(値)を目標値としてロボット1の12個の関節の変位を追従制御する。
【0089】
ロボット1に生じた床反力(詳しくは実各足平床反力)は6軸力センサ50によって検出される。その検出値は前記複合コンプライアンス動作決定部204に送られる。また、前記図9のS016で後述する如く求められた推定上体姿勢と歩容生成装置200が生成した目標上体姿勢との差のうちの傾き成分、すなわち実上体姿勢角偏差θerrx,θerryが姿勢安定化制御演算部212に送られる。なお、θerrxはロール方向(X軸回り)の傾き成分であり、θerryはピッチ方向(Y軸回り)の傾き成分である。この姿勢安定化制御演算部212で、ロボット1の上体姿勢の傾きを目標歩容の上体姿勢の傾きに復元するための目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりの補償全床反力モーメントMdmdが算出され、この補償全床反力モーメントMdmdが複合コンプライアンス動作決定部204に与えられる。複合コンプライアンス動作決定部204は、入力値に基づいて目標足平位置姿勢を修正する。具体的には、複合コンプライアンス動作決定部204では、実全床反力(すべての実足平床反力の合力で、並進力およびモーメントの両者を含む)が、目標各足平床反力の合力である目標全床反力と補償全床反力モーメントMdmdとの合力に一致するように、歩容生成装置200から与えられた目標足平位置姿勢を修正して、機構変形補償付き修正目標足平位置姿勢(軌道)を決定する。ただしすべての状態を目標に一致させることは事実上不可能であるので、これらの間にトレードオフ関係を与えて妥協的になるべく一致させる。すなわち、足平位置姿勢及び床反力の各目標に対する制御偏差に重みを与えて、制御偏差(あるいは制御偏差の2乗)の重み付き平均が最小になるように制御する。
【0090】
補足すると、機構変形補償付き修正目標足平位置姿勢(軌道)は、複合コンプライアンス動作決定部204によって修正された床反力の目標値を発生させるために必要な足平の変形機構(円柱状ゴム、足底スポンジおよび衝撃吸収用の袋状のエアダンパー)の変形量を変形機構の力学モデル(ばねダンパーモデル等)を用いて求めて、その変形量が発生するように修正した、目標足平位置姿勢(軌道)である。
【0091】
以下に、本実施形態におけるS016の自己位置姿勢推定処理について、そのフローチャートである図10を用いて詳説する。
【0092】
まず図10のS2200において、上体3の前記傾斜センサ54に備えたジャイロセンサの検出値、すなわち上体3の角速度(3軸方向の角速度)の検出値を積分器により積分して推定上体姿勢(以下、慣性航法的推定上体姿勢ということもある)を求める。この推定上体姿勢はグローバル座標系で記述される。なお、この処理では、前制御周期(前回以前の制御周期)で、後述するS2202からS2214の処理により求めた上体位置の推定値たる推定上体位置等を用いてジャイロセンサの検出値の積分誤差の蓄積によるドリフトを補正するドリフト補正も行われる。その詳細については後述する。
【0093】
次いで、S2202に進み、制御周期の間(前回制御周期と今回制御周期との間)におけるグローバル座標系から見た推定上体姿勢(S2200で求まる推定上体姿勢)の変化量と、該制御周期の間におけるグローバル座標系から見た目標歩容の上体姿勢の変化量との差を姿勢回転偏差変化量として算出する。換言すれば、グローバル座標系から見た推定上体姿勢の変化速度と、目標上体姿勢の変化速度との差を姿勢回転偏差変化量として算出する。
【0094】
なお、グローバル座標系から見た目標歩容の上体姿勢とは、現在の推定支持脚座標系上(より詳しくは、前回の制御周期に決定された推定支持脚座標系上)で、制御周期の間、上体3の姿勢傾きやスピン(目標上体姿勢からのずれ)がなくロボット1が目標歩容通りに運動したと仮定した場合のグローバル座標系から見た上体姿勢のことである。ただし、推定支持脚座標系とは、実際のロボット1の支持脚足平22の推定位置姿勢に対応した支持脚座標系である。すなわち、推定支持脚座標系は、前記した支持脚座標系の定義によって、より具体的には、実際のロボット1の支持脚足平22を、その推定位置姿勢から、接地面との間で滑らさないで水平まで回転させた時の、該支持脚の足首中心から接地面への垂直投影点を原点とし、該支持脚足平22のつま先に向かう水平軸をX軸にとり、鉛直軸をZ軸、これらに直交する座標軸をY軸にとった座標系である。
【0095】
次いでS2204に進み、姿勢回転中心を決定する。具体的には、その瞬間の目標ZMP(目標ZMPの現在値)を姿勢回転中心として決定する。なお、ロボット1の走行における空中期では、例えば目標歩容におけるロボット1の重心を姿勢回転中心として決定する。
【0096】
次いでS2206に進み、現在の推定支持脚座標系(前回の制御周期で決定された推定支持脚座標系で、図11に示す時刻t−Δtにおける推定支持脚座標系)を、前記姿勢回転偏差変化量だけ、前記姿勢回転中心まわりに回転させた位置・姿勢を改めて現在の推定支持脚座標系(図11に示す時刻tにおける推定支持脚座標系)と決定する。
【0097】
なお、推定支持脚座標系の原点および座標軸の向きは、グローバル座標系によって表されるものとする。また、S010の初期化処理において、推定支持脚座標系の初期値(グローバル座標系での初期位置姿勢)がセットされているものとする。
【0098】
また、推定支持脚座標系の回転中心は、空中期のない通常の歩行においては、支持脚足平22の滑り回転の回転中心を意味する。なお、走りなど、1歩の途中に支持脚も床から離れている空中期においては、狭義の意味では支持脚足平22の滑りが存在するわけではないので、空中での姿勢回転(あるいはスピン)は、推定支持脚座標系の回転中心まわりの回転で表現するのが望ましい。しかし、広義の意味で「支持脚足平の滑り」を推定支持脚座標系の回転中心まわりの姿勢回転と定義しても良いことである。
【0099】
補足すると、支持脚座標系は、支持脚足平22の接地面に対して設定するもので、その原点は、前述のように支持脚の足首中心から接地面への垂直投影点にしなくても良い。すなわち、支持脚座標系は、ロボット1の運動を記述するための支持脚足平22の近傍の仮想の床に設定されたローカル座標系である。結局、ロボット1の姿勢回転(あるいはスピン)現象は、ロボット1が前記仮想の床上で相対的には姿勢回転(あるいはスピン)しないで運動している状態を保ったまま、ロボット1ごと前記仮想の床を、グローバル座標系のなかである所定の点を回転中心として姿勢回転(あるいはスピン)させた現象とみなされる。
【0100】
さらに言い替えると、ロボット1の運動は、ローカル座標系において目標歩容あるいは関節変位検出値に従って運動しているロボット1の全体が、ローカル座標系ごと、グローバル座標系に対して、ある所定の点(姿勢回転中心)を回転中心として摂動回転をしているとみなすことができる。
【0101】
したがって、姿勢回転中心は、推定支持脚座標系の回転中心であり、また、前記摂動回転の回転中心であるとも言える。
【0102】
また、S2206における姿勢回転後の現在の推定支持脚座標系のZ軸の向きは一般には、鉛直方向を向かない。そこで、姿勢回転後に、現在の推定支持脚座標系のZ軸を鉛直方向に戻す(該Z軸の鉛直方向に対する傾斜角度分だけ、次回歩容推定支持脚座標系をその原点回りに回転させる)ようにしてもよい。あるいは、S2206の姿勢回転処理の際に、前記姿勢回転偏差変化量のうち、鉛直軸回りの成分(スピン成分)だけ、推定支持脚座標系を回転させるようにしてもよい。
【0103】
次いでS2208に進み、着地時刻であるか否か、すなわち歩容の切り替わり目であるか否かを判定する。
【0104】
S2208の判定結果がYESである場合には、以下の処理を行う。すなわち、まずS2210に進み、図12に示す如く、現在の推定支持脚座標系(S2206での姿勢回転後の推定支持脚座標系)に対する次回歩容推定支持脚座標系の相対位置姿勢関係が、目標歩容(前回歩容)における支持脚座標系に対する次回歩容支持脚座標系の相対位置姿勢関係と同一関係になるように、次回歩容推定支持脚座標系を決定する。なお、ここで言う次回歩容支持脚座標系は、これから生成しようとしている今回歩容に対する次回歩容支持脚座標系ではなく、前回歩容の次の歩容(つまり今回歩容)の支持脚座標系のことである。また、目標歩容の支持脚座標系はそのZ軸が鉛直方向を向く座標系であるので、姿勢回転後の現在の推定支持脚座標系に対して上記の相対位置姿勢関係を満たす次回歩容推定支持脚座標系のZ軸は、一般には鉛直方向を向かない。そこで、本実施形態では、姿勢回転後の現在の推定支持脚座標系に対して上記の相対位置姿勢関係を満たす次回歩容推定支持脚座標系のZ軸を鉛直方向に戻す(該Z軸の鉛直方向に対する傾斜角度分だけ、次回歩容推定支持脚座標系をその原点回りに回転させる)ことで、最終的に次回歩容推定支持脚座標系を決定するようにしている。なお、S2206において、前述の如く推定支持脚座標のZ軸を鉛直方向に向けるようにした場合には、S2210で次回歩容推定支持脚座標系のZ軸を鉛直方向に戻す処理は不要である。
【0105】
次いでS2212に進み、S2210で決定した次回歩容推定支持脚座標系の位置姿勢(原点の位置及び座標軸の向き)を現在の推定支持脚座標系の位置姿勢に代入する。つまり、現在の推定支持脚座標系の位置姿勢を次回歩容推定支持脚座標系の位置姿勢に置き換える。
【0106】
S2212の後、あるいはS2208の判定結果がNOである場合には、S2214に進み、現在の推定支持脚座標系の位置姿勢に対応して、グローバル座標系での上体位置の推定値たる推定上体位置を決定する。ただし、現在の推定支持脚座標系に対する推定上体位置の関係は、目標歩容(前回の制御周期で決定された目標歩容)の支持脚座標系に対する上体位置(目標上体位置)の関係に一致させる。
【0107】
次いで、S2216に進み、前記傾斜センサ54に備えた加速度センサとジャイロセンサを基に慣性航法により慣性航法的推定上体位置姿勢を求めつつ、幾何学的推定上体位置と慣性航法的推定上体位置との差が0に収束するように慣性航法的上体位置を修正する。この処理の詳細についても後述する。
【0108】
以上が図9のS016の自己位置姿勢推定処理の概要である。
【0109】
なお、S2210では、次回歩容推定支持脚座標系を決定するために目標歩容を用いたが、ロボット1の歩行を行なう場合には、次のようにして次回歩容推定支持脚座標系を決定するようにしてもよい。
【0110】
すなわち、まず、現在(着地瞬間)のロボット1の関節変位検出値を基にキネマティクス演算によって、現在の推定支持脚座標系における着地時の実遊脚足平位置・姿勢(図12の例ではロボット1の前側の足平22の位置姿勢)を推定する。以降、この推定された着地時の実遊脚足平位置・姿勢を推定着地時遊脚足平位置姿勢と呼ぶ。
【0111】
ただし、この時、ロボット1が、現在の推定支持脚座標系上で、目標歩容通りの上体姿勢を維持しつつ、現在の推定支持脚座標系上の仮想の床に対して支持脚の足平22が滑ることなく、関節変位検出値の通りに運動しているものと仮定する。
【0112】
補足すると、前記姿勢回転偏差変化量だけ前記姿勢回転中心まわりに回転させた現在推定支持脚座標系上で、ロボット1が、目標歩容通りの上体姿勢を維持している姿を想定した理由は、この瞬間において、想定した姿における上体姿勢を、グローバル座標系において、推定上体姿勢に一致させるためである。したがって、現在推定支持脚座標系を、前記差だけ姿勢回転させる代わりに、前記姿勢回転偏差変化量の内の鉛直軸まわり成分(スピン成分)だけ回転させる場合には、ロボット1が、現在の推定支持脚座標系上で、目標歩容通りの上体向きを維持しつつ、上体傾きは、前記姿勢回転偏差変化量の傾き成分に一致し、現在の推定支持脚座標系上の仮想の床に対して支持脚の足平22が滑ることなく、関節変位検出値の通りに運動しているものと仮定する。
【0113】
また、この時、6軸力センサ50による床反力検出値と目標歩容の床反力とのうちの少なくともいずれかを基に、足平22の変形機構(前記図3及び図4に示した弾性部材106、接地部材(足底弾性体)71、袋状部材109等)の変形量を変形機構の力学モデル(ばねダンパーモデル等)を用いて求め、その変形量を含めて(考慮して)、推定着地時遊脚足平位置姿勢を求めても良い。より具体的には、図12に示すロボット1の姿のように、現在の推定支持脚座標系において上体姿勢を目標上体姿勢とし、関節変位を関節変位検出値(第j関節変位検出値θj、j=1,2…)とし、変形機構の変形量を床反力検出値を基に推定した変形量とした場合の全体姿(その瞬間のロボット1の全体の姿)を求め、この全体姿における支持脚(図12ではロボット1の後ろ側の脚体2)に対する遊脚足平位置姿勢を求め、これをもって推定着地時遊脚足平位置姿勢とするようにしても良い。また、モータ電流指令あるいは検出値を基に外乱オブザーバを用いて、減速機やリンクに作用する負荷を推定し、推定した負荷を基に前記減速機やリンクの変形を推定して、前記減速機やリンクの変形を含めて(考慮して)、推定着地時遊脚足平位置姿勢を求めるようにしても良い。
【0114】
または、少なくとも目標歩容の関節変位(関節変位目標値)とコンプライアンス補償量(本出願人が先に提案した特開平10-277969号を参照のこと)を基に、キネマティクス演算によって推定着地時遊脚足平位置姿勢を求めるようにしても良い。
【0115】
これらにより、より一層精度良く推定着地時遊脚足平位置姿勢を求めることができる。
【0116】
また、ロボット1の歩行を行っている場合には、S2214の処理では、前記推定着地時遊脚足平位置姿勢を求めた手法と同様の手法を用い、現在のロボット1の各関節の関節変位検出値を基に、キネマティク演算演算によって支持脚座標系に対する上体位置を求め、この位置関係に、現在の推定支持脚座標系に対する推定上体位置の位置関係が一致するように、推定上体位置を決定するようにしてもよい。この場合、推定上体位置、推定支持脚座標系および関節変位検出値の関係は、図12に示すような関係になる。
【0117】
または、少なくとも目標歩容の関節変位(関節変位目標値)とコンプライアンス補償量(本出願人が先に提案した特開平10-277969号を参照のこと)を基に、キネマティクス演算によって支持脚座標系に対する上体位置を求め、これに推定支持脚座標系に対する推定上体位置の関係を一致させても良い。
【0118】
これらにより、より一層精度良く推定上体位置を決定することができる。
【0119】
次に、S2200の処理及びS2216の処理を図13を参照しつつ詳説する。なお、以降の説明では、S2214で前述の如く決定される推定上体位置を幾何学的推定上体位置という。
【0120】
S2200の処理を詳説すると、まず、前回の制御周期およびそれ以前に、前述の如く決定した幾何学的推定上体位置の運動を基に、幾何学的推定上体位置の2階微分である幾何学的推定上体加速度を算出する。この処理は、図13のブロック301で実行される。なお、幾何学的推定上体位置を求める処理は、図13のブロック300で実行されるものとする。補足すると、上体代表点と加速度センサの位置が一致していれば、幾何学的推定上体加速度(厳密には、幾何学的に推定される上体3の中の加速度センサ位置の加速度)を算出する上で、推定上体姿勢は必要ない。
【0121】
次いで、加速度センサ検出値(上体加速度検出値)を、推定上体姿勢を用いてグローバル座標系に変換してなる加速度センサ検出値グローバル座標系換算値を求める。この処理は、図13のブロック302で実行される。なお、説明を簡単にするために、ここでは、加速度センサの位置と上体代表点の位置は一致しているものとする。異なる場合には、キネマティクス演算によって、加速度センサ検出値およびジャイロセンサ検出値を上体代表点における加速度・角速度に変換するか、あるいは、上体代表点における加速度・角速度を加速度センサの位置における加速度、ジャイロセンサの位置における角速度に変換すれば良い。
【0122】
次いで、図14(a)および図14(b)に示すように、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から幾何学的推定上体加速度を減じる(ベクトルの減算を行う)ことにより、推定重力加速度を求める。加速度センサ検出値グローバル座標系換算値には、加速度センサに作用する重力による加速度成分が含まれるが、幾何学的推定上体加速度には、重力による加速度成分が含まれない。従って、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から幾何学的推定上体加速度を減じることで、推定重力加速度が求められる。この処理は、図13のブロック303で実行される。なお、図14(a)は、推定上体姿勢に誤差がない場合、図14(b)は、推定上体姿勢に誤差(以降、これを推定上体姿勢誤差、あるいは推定上体姿勢誤差角度と呼ぶ)がある場合を示す。
【0123】
一方、図14(a)および図14(b)に示すように、推定上体姿勢を基にロボット1が推定したグローバル座標系の鉛直方向(Z軸方向)に発生すると想定される重力加速度を想定重力加速度と呼ぶ。
【0124】
前述したように、幾何学的推定上体加速度はグローバル座標系で記述される。また、実際のロボット1は、推定上体姿勢が実際の上体姿勢を正しく推定しているとみなした上で、目標歩容に追従するように運動している。言い換えると、推定上体位置姿勢を基に推定されるグローバル座標系が正しいとみなした上で、前記推定されたグローバル座標系上で目標歩容に追従するように運動している。より厳密に表現するならば、ロボット1の自己位置姿勢推定処理においては、推定上体位置姿勢を基に推定されるグローバル座標系が正しいと信じ、実際のロボット1の挙動を、正しいと信じているグローバル座標系に設定されるローカル座標系である推定支持脚座標系上で目標歩容通りに運動しているロボット1が、各瞬間に、姿勢検出手段によって得られた(検出あるいは推定された)上体姿勢の変化速度と目標歩容の上体姿勢変化速度の差としての姿勢回転偏差変化量で、姿勢回転中心決定手段によって決定されたその瞬間の所定の姿勢回転中心まわりに、前記推定支持脚座標系と共に、回転したものであるとみなしている。
【0125】
したがって、推定上体姿勢が正しく、かつ加速度センサの検出値に誤差がなければ、図14(a)に示すように、前記想定重力加速度と前記推定重力加速度とは一致する。
【0126】
これに対し、加速度センサの検出値に誤差がなくても、推定上体姿勢に誤差があれば、図14(b)に示すように、前記想定重力加速度の向きと前記推定重力加速度の向きとには、推定上体姿勢誤差角度だけずれが生じる。すなわち、式42が成立する。
【0127】
推定上体姿勢誤差角度 = 想定重力加速度と推定重力加速度との間の角度
…式42
図14(a)および図14(b)に示すように、推定重力加速度と想定重力加速度との差を重力加速度推定誤差と呼ぶと、上記の関係から、重力加速度推定誤差は、加速度センサの検出値に誤差がなければ、推定上体姿勢の誤差によって発生し、推定上体姿勢を基にロボット1が推定したグローバル座標系から見た重力加速度推定誤差の水平成分(推定重力加速度の想定重力加速度に直交する成分)と推定上体姿勢誤差角度とには、式43の関係があることがわかる。ただし、式43は、重力加速度推定誤差の前後方向成分(X成分)と推定上体姿勢誤差角度Y軸まわり成分との関係を表す。重力加速度推定誤差の左右方向成分(Y成分)と推定上体姿勢誤差角度X軸まわり成分の関係を表す場合においては、右辺のマイナス記号を削除すれば良い。ここで、重力加速度は、正である。
【0128】
重力加速度推定誤差の水平成分
= −tan( 推定上体姿勢誤差角度 )*重力加速度
…式43
本実施形態においては、式42あるいは式43から算出される推定上体姿勢誤差角度を用いて、推定上体姿勢誤差が0に収束するように推定上体姿勢を補正するようにした。
【0129】
S2200の処理の説明に戻ると、式42を用いて、現在の瞬間(厳密には、1制御周期前の瞬間)における想定重力加速度と推定重力加速度との間の角度から推定上体姿勢誤差角度を算出する。あるいは、式43を用いて、現在の瞬間(厳密には、1制御周期前の瞬間)における重力加速度推定誤差の水平成分から推定上体姿勢誤差角度を算出しても良い。推定上体姿勢誤差角度の算出処理は、図13のブロック304で実行される。
【0130】
次いで、前記推定上体姿勢誤差角度を、図13のブロック305にて、センサ座標系(座標軸をジャイロセンサの検出軸に合わせた座標系)に変換した後、ブロック306にて、その変換後の値に積分ゲインKaを乗じた値を積分することにより、推定ジャイロセンサドリフト(ジャイロセンサのドリフトの推定値)を求める。さらに、この推定ジャイロセンサドリフトを、ブロック307にて、ジャイロセンサ検出値ωin(上体角速度検出値)から減じることにより、ドリフトを補正した角速度を求める。なお、ブロック307では、ヨーレートのドリフトも適宜減算されるが、これについては後述する。さらに、このドリフトを補正した角速度を、ブロック350にて、推定上体姿勢を用いてグローバル座標系に変換することにより、グローバル上体角速度ωglを求める。
【0131】
次いで、前記推定上体姿勢誤差角度にゲインKbを図13のブロック309で乗じた値をブロック308にてグローバル上体角速度ωglから減じ、その減算後の値(ブロック308の出力)をブロック310(積分器)で積分することにより新たな推定上体姿勢θestmを求める。
【0132】
なお、推定上体姿勢θestmや角速度などは、クォータニオン、回転行列、あるいはオイラー角などで表現される。
【0133】
ジャイロセンサのドリフト(推定ジャイロセンサドリフト)を上記のごとき構成により推定する場合、推定が効果的に働くためには、推定上体姿勢誤差角度のセンサ座標系への変換値(ベクトル)のそれぞれの要素(それぞれのセンサ検出軸まわりの推定上体姿勢誤差角度、言い換えるとセンサローカル推定上体姿勢誤差角度)が、その要素に対応するジャイロセンサのドリフトの影響のみを受けて、他のジャイロセンサのドリフトの影響を受けない、あるいは、ほとんど受けないことが前提条件となる。
【0134】
言い換えると、推定上体姿勢誤差角度のX(Y)軸まわり成分の誤差は、X(Y)軸用ジャイロセンサのドリフトの影響を受けるが、Y(X)軸用ジャイロセンサのドリフトの影響を受けないことが前提条件となる。
【0135】
もし、X軸用ジャイロセンサのドリフトの影響により、推定上体姿勢誤差角度のX軸まわり成分が発生した後、上体をセンサ座標系のZ軸まわりに急に90度回転させると、推定上体姿勢誤差角度は、グローバル座標系において蓄積されたままであるので、結果的に推定上体姿勢誤差角度のセンサローカルX軸まわり成分が、推定上体姿勢誤差角度のセンサローカルY軸まわり成分に移る。したがって、前記前提条件が成立するためには、センサ座標系Z軸まわりの回転速度の絶対値が十分に小さいことが必要条件となる。
【0136】
よって、Z軸(上体の上下方向軸)用ジャイロセンサ検出値の絶対値が大きい時には、積分ゲインKaを小さくするか、あるいは0にする(すなわちジャイロセンサのドリフト補正を行わない)ようにするのが望ましい。
【0137】
また、通常、ロボット1の移動時や作業時には、上体3の上下軸(体幹軸)は鉛直姿勢あるいはその近傍の姿勢になっているので、ジャイロセンサの角速度検出値をグローバル座標系に変換したグローバル上体角速度ωglzは、Z軸用ジャイロセンサの角速度検出値の値に近い値となる。
【0138】
よって、図15に示すように、ジャイロセンサの角速度検出値をグローバル座標系に変換したグローバル上体角速度の鉛直軸まわり角速度ωglzの絶対値が大きい時には、積分ゲインKaを小さくするか、あるいは0にする(すなわちジャイロセンサのドリフト補正を行わない)ようにしても良い。
【0139】
また、ジャイロセンサの角速度検出値の代わりに、上体3の目標歩容の上体回転速度の鉛直軸まわり成分あるいは上体3の上下方向軸まわり成分の絶対値が大きい時には、積分ゲインKaを小さくするか、あるいは0にする(すなわちジャイロセンサのドリフト補正を行わない)ようにしても良い。
【0140】
以上をまとめて言い換えると、ジャイロセンサの角速度検出値および目標歩容の少なくともいずれかを基に求められる上体回転速度の鉛直軸まわり成分あるいは上体3の上下方向軸まわり成分の絶対値が大きい時には、積分ゲインKaを小さくするか、あるいは0にする(すなわちジャイロセンサのドリフト補正を行わない)と良い。
【0141】
また、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から想定重力加速度を減じた値の絶対値あるいは、幾何学的推定上体加速度の絶対値が大きい場合には、センサの検出誤差やロボット1本体の剛性不足などにより、推定重力加速度の誤差が大きくなる傾向があるので、上記ゲインKaを小さく、あるいは0に設定するのが良い。
【0142】
また、前述したごとく、実際のロボット1は、推定上体位置姿勢を基に推定されるグローバル座標系が正しいとみなした上で、前記推定されたグローバル座標系上で目標歩容に追従するように運動している。したがって、支持脚が接地している状態においては、推定上体姿勢に大きな誤差があっても、実際の上体加速度は、実際の重力加速度に支配されず、前記推定されたグローバル座標系上での幾何学的推定上体加速度に、ほぼ一致する。一方、空中期においては、実際の上体加速度は、実際の重力加速度に支配されて加速するので、前記推定されたグローバル座標系上での幾何学的推定上体加速度の方向と大きくずれ、図14(b)の関係が成立しなくなる。したがって、空中期においては、幾何学的推定上体位置の精度は、比較的高精度の加速度センサとジャイロセンサを基に慣性航法によって求めた上体位置の精度よりも低下しがちとなる。したがって、空中期においても、上記ゲインKaを小さく、あるいは0に設定するのが良い。
【0143】
また、前述のように足平22の変形を考慮して上体位置を推定する場合には、空中期でなくとも、脚体先端部の足平22が床と良好に接触していない状態では、足底付近の変形量推定の誤差が大きくなる傾向があるので、幾何学的推定上体加速度の精度は低下する。したがって、支持脚の足平22と床との間の接触面積が小さい場合にも、上記ゲインKaを小さく、あるいは0に設定するのが良い。
【0144】
なお、脚体2の足平22が床と良好に接触している状態とは、具体的には、以下のような状態の少なくともいずれかが満足する状態、あるいは以下のうちの複数が同時に満足する状態を指す。
a)足平22の底面と床との間の接触面積が大きい状態、例えば、足平22が床にべたに接触している状態(いわゆるべた足状態)
b)床反力の分布圧が比較的均一である状態
c)接地箇所が多い状態
d)目標ZMP(あるいは実床反力中心点)が足平22の中央あるいは中央に近い状態
e)接地圧または床反力が高い状態
f)足平22の位置姿勢変化率が小さい状態、厳密には、足平22の底面と床の相対位置姿勢関係の変化が小さい状態
上記状態の判定には、例えば目標歩容の時期(フェーズ)、目標ZMP、床反力検出値を基に行えばよい。あるいは、本実施例では備えていないが、分布圧センサや接触センサの検出値を基に上記状態の判定を行ってもよい。
【0145】
以上のゲイン設定法をまとめると、ジャイロセンサの角速度検出値および目標歩容の少なくともいずれかを基に求められる上体回転速度の鉛直軸まわり成分あるいは上体3の上下方向軸まわり成分の絶対値が大きい状態、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から想定重力加速度を減じた値の絶対値あるいは、幾何学的推定上体加速度の絶対値が大きい状態、空中期、あるいは、脚先端部(足平)が床と良好に接触していない状態では、上記ゲインKaを小さく、あるいは0に設定するのが良い。
【0146】
すなわち、これらの状態を基に総合的に判断して積分ゲインKaを決定するのが良い。
【0147】
またこれらの状態の瞬時値、あるいは長期的傾向に応じて積分ゲインKaを決定しても良い。
【0148】
同じ理由により、ゲイン Kbも前記ゲインKaと同様に設定することが好ましい。
【0149】
本実施形態でのS2200においては、以上の処理の他に、以下のように、状況によりヨーレート補正(ヨー方向のドリフト補正)も行われる。
【0150】
すなわち、まず、ヨーレート補正を行うか否かを、図13のブロック311で判定する。
【0151】
具体的には、以下の条件の少なくともいずれかひとつあるいは複数を判断条件として用意し、この判断条件を満足している場合には、ヨーレート補正を行うと判断する。
a)検出された床反力の鉛直軸まわりモーメント(あるいはその微分値)の絶対値がある所定の値以内である状況
b)目標動作がほぼ静止である状況
c)足底と床の間の接触状況が良好で滑りが生じていないと考えられる状況
d)目標歩容の姿勢角速度とジャイロ検出値(姿勢角速度検出値)の差の絶対値がある所定の値以内である状況
e)目標歩容の姿勢角速度の絶対値がある所定の値以内である状況
f)ジャイロ検出値(姿勢角速度検出値)の絶対値がある所定の値以内である状況
基本的には、支持脚足平22と床との接地面で滑り(回転滑り)が生じないかもしくは生じ難いという状況で、ヨーレート補正を行うと判断する。
【0152】
なお、d)およびf)におけるジャイロ検出値は、ジャイロセンサの検出値そのもの(ジャイロセンサの生の出力そのものが表す姿勢角速度検出値)をヨーレート補正した値であることが望ましい。
【0153】
次いで、ヨーレート補正を行うと判定された場合には、図13に示すように、ブロック312にて、目標歩容、目標上体姿勢、目標関節変位あるいは関節変位検出値の少なくともいずれかと最新の着地時に記憶した推定支持脚座標系(以降、着地時推定支持脚座標系と呼ぶ)を基に、推定支持脚座標系に対応する足平22と床との間に滑りが生じていないと想定した場合の上体姿勢(以降、滑りなし推定上体姿勢と呼ぶ)を算出する。そして、前記推定上体姿勢と前記滑りなし推定上体姿勢との差をブロック313で求め、この差をブロック314でセンサ座標系に変換したものを、フィードバック制御則のブロック315に入力することで、ヨーレートドリフトを求める。ブロック315のフィードバック制御則としては、例えばPID制御則が用いられ、前記差(ブロック314の出力)の時間微分値(または制御周期の間の前記差の変化量)にゲインKeを乗じた値と、前記差(ブロック314の出力)にゲインKfを乗じた値と、前記差(ブロック314の出力)の積分値にゲインKgを乗じた値との和を求めることによりヨーレートドリフトが求められる。そして、この求めたヨーレートドリフトを、前記ブロック307で前記角速度センサ検出値ωinから減じる。また、ヨーレート補正を行わないと判定された場合には、フィードバック制御則のブロック315ヘの入力を遮断して(図13のスイッチ316を開成する)、直前のヨーレートドリフト値を保持し、その値を前記角速度センサ検出値ωinから減じるようにする。なお、滑りなし推定上体姿勢を求める際には、図10のS2210において着地時の遊脚足平位置・姿勢を推定する場合と同様、床反力検出値および/または目標歩容の床反力を基に、足平22の変形機構(前記図3及び図4に示した弾性部材106、接地部材(足底弾性体)71、袋状部材109等)の変形量を変形機構の力学モデル(ばねダンパーモデル等)を用いて求め、前記変形量を含めて(考慮して)、滑りなし推定上体姿勢を求めても良い。また、モータ電流指令あるいは検出値を基に外乱オブザーバを用いて、減速機やリンクに作用する負荷を推定し、推定した負荷を基に前記減速機やリンクの変形を推定して、前記減速機やリンクの変形を含めて(考慮して)、滑りなし推定上体姿勢を求めるようにしても良い。
【0154】
または、少なくとも目標歩容の関節変位とコンプライアンス補償量(本出願人が先に提案した特開平10-277969号を参照)を基に、キネマティクス演算によって滑りなし推定上体姿勢を求めるようにしても良い。
【0155】
これらにより、より一層精度良く滑りなし推定上体姿勢を求めることができる。
【0156】
次に、図10のS2216の処理を図13を参照して詳説する。S2216の処理では、図13に示すごとく慣性航法的推定上体位置Xinertestmの前回値と前記幾何学的推定上体位置との差をブロック317で求め、この差の時間微分値(または制御周期の間の前記差の変化量)にゲインKcを乗じた値と、該差にゲインKdを乗じた値との和をブロック318で求める。つまり、上記差からフィードバック制御則としてのPD制御則より、上記和を求める。また、前記ブロック302の出力である前記加速度センサ検出値グローバル座標系換算値と想定重力加速度Gの差をブロック319で求める。そして、この差(ブロック319の出力)から上記和(ブロック318の出力)をブロック360にて減じた値を、ブロック320にて2階積分することにより、新たな慣性航法的推定上体位置Xinertestmを決定する。
【0157】
なお、ゲインKcおよびKdは、幾何学的推定上体位置の誤差が大きく発生し易い状況では小さく、あるいは0に設定するのが良い。支持脚の足平22の底面と床との間の接触面積が小さい場合、幾何学的推定上体位置の誤差は、大きくなる。したがって、支持脚の足平22の底面と床との間の接触面積が小さい場合には、上記ゲインKcおよびKdを小さく、あるいは0に設定するのが良い。また、特に、足平22が床にべたに接触している状態(いわゆるべた足状態)の時に、上記ゲインKcおよびKdを大きくするのが良い。
【0158】
以上より、例えば、走行の場合には、補正ゲインKa、Kb、KcおよびKdは、図8(c)に示す補正ゲインKのグラフのように、足底全面接地期間では高く、空中期には、0または概ね0にすれば良い。なお図8(c)の補正ゲインKのグラフは、Ka、Kb、KcおよびKdの大きさの変化の傾向を表してはいるが、厳密な値を表しているわけではない。また、図8(c)では補正ゲインKの最大値が1となるように規格化されている。したがって、Kは、補正ゲインKa、Kb、Kc、Kdの絞り(減衰器)を意味すると考えても良い。
【0159】
本実施例においては、前記式42あるいは式43を用いて算出される推定上体姿勢誤差を基に推定上体姿勢を補正するようにしたが、式42および式43を用いず、直接、重力加速度推定誤差の水平成分を基に推定上体姿勢を補正するようにしても良い。すなわち、式43の代わりに次の式44を用いても良い。
【0160】
重力加速度推定誤差の水平成分 =−推定上体姿勢誤差角度*重力加速度
…式44
なお、ゲインKaの設定について補足すると、空中期においては、推定上体姿勢の誤差がいかなる値であろうとも、ロボット1とともに放物運動をする座標系から見ればロボット1全体は無重力状態にいるのと同一であって、加速度センサの出力は、推定上体姿勢の誤差の影響を受けない。したがって、加速度センサの検出精度が高く、目標歩容に対する実際のロボット1の追従性が高く、ロボット1の剛性が高く、且つ目標歩容を生成するために用いられるロボット動力学モデルのパラメータが実際のロボット1とほぼ一致しているという条件(以下、ここでは条件Aという)が満足されるならば、推定重力加速度と想定重力加速度とは常にほぼ一致する。厳密には、推定上体姿勢の誤差に応じて、推定重力加速度と想定重力加速度とは同じ量だけ真値からずれるので、結果的に推定重力加速度と想定重力加速度とは常にほぼ一致する。したがって、本質的に、空中期においては、重力方向を推定することはできない。しかし、推定重力加速度と想定重力加速度とは常にほぼ一致するので、その瞬間の推定上体姿勢誤差はほぼ0となり、上記ゲインKaを小さく設定しなくても、推定上体姿勢誤差にゲインKaを乗じて求められる補正量もほぼ0となり、推定上体姿勢に大きく悪影響を与える恐れは低い。
【0161】
また、上記条件Aを満足する場合には、ゲインKaを一定にしておいた方が、むしろ推定上体姿勢の低周波数成分(DC成分)の精度が高くなる場合もある。なぜなら、上記のごとく、ゲインKaを乗じた値を積分した値を0にするように補正した構成は、ゲインKaを一定にすると、理論上、重力加速度推定誤差の水平成分の長時間平均値を0にするように作用し、また、推定上体姿勢誤差が0の時には、重力加速度推定誤差の水平成分の長時間平均値は理論上0になるからである。しかし、通常は、上記条件Aを満足することは難しいので、図8(c)のようにゲインKaを設定する方が望ましい。
【0162】
また、補正ゲインKa,Kb,KcもしくはKdの値を、定常カルマンフィルタあるいは非定常カルマンフィルタの手法を用いて決定しても良い。ただし、本実施形態のロボット1においては、特に移動中においては、システム雑音(外乱)と観測雑音の性質が、カルマンフィルタの前提条件を十分に満足してはいないので、十分な効果を生むとは限らない。
【0163】
次に、前記実施形態で決定した姿勢回転中心について、以下に補足する。いずれかの脚体2が接地し、十分大きい床反力が発生している時期においては、いわゆる支持多角形(接地面を含む最小凸多角形、ZMP存在可能範囲あるいは全床反力中心点存在可能範囲)の中に、姿勢回転中心があると考えられる。
【0164】
この理由を以下に述べると、姿勢回転中心が支持多角形の外にあると、足平22の底面のあらゆる点が床に対して相対移動していることになるので、足平22の底面と床との間のあらゆる接触点には、動摩擦が働く。動摩擦は、ロボット1が床反力を制御しようとして、脚体2を動かしても、一定値のままで、任意の値に制御することはできない。すなわち、氷の上でつるつる滑ってうまく歩けない状態と同じである。したがって、ロボット1が床反力を制御しつつ安定に移動している場合には、足平22の底面と床との間のある領域においては、滑りが生じないで静摩擦が作用していると考えれる。すなわち、支持多角形の中に、姿勢回転中心があると考えられる。補足すると、ロボット1の足平22が完全剛体であるならば、姿勢回転中心点以外のあらゆる接触点は滑りが生じるが、実際の足平22の底面は、ゴムなどの弾性体でできているので、姿勢回転中心の近傍でも滑りは生じないと考えれる。
【0165】
また、空中期においては、ロボットは、重心を中心として摂動運動をすると考えられる。
【0166】
また、上記以外の時期、すなわちいずれかの脚体2が接地しているが、床反力が十分に発生していない時期においては、運動の連続性を考慮すると、姿勢回転中心は、支持多角形と全体重心位置(あるいは上体代表点位置)との間に存在すると考えられる。
【0167】
以上の考察から、前記図10のS2204において決定する姿勢回転中心としては、より一般的には、以下のいずれかであることが望ましい。
現在時刻tにおける
a)目標ZMP、
b)実ZMP(すなわち、実床反力中心点、あるいは床反力の圧力中心点)、
c)支持脚座標系の所定の点、例えば原点
d)全体重心点、
e)上体代表点
f)上記のいずれかの複数の点の内分点
いずれかの脚が接地し、十分大きい床反力が発生している時期においては、姿勢回転中心は、支持多角形の中に設定するのが良い。具体的には、上記a)およびb)に設定すれば良い。あるいは、姿勢回転中心が支持多角形の中に含まれるように、上記c)における所定の点を設定すれば良い。例えば支持脚座標系の原点(通常、足首関節の下)に設定すれば良い。
【0168】
空中期においては、姿勢回転中心は、上記d)のように設定するのが良いが、全体重心位置は上体代表点位置の近くに存在するので、上記e)のように設定しても良い。
【0169】
上記以外の時期、すなわちいずれかの脚体2が接地しているが、床反力が十分に発生していない時期においては、上記f)のように設定するのが良い。
【0170】
さらに、全期間での運動の連続性を考慮すると、姿勢回転中心点は、連続的に変化するように設定するのが望ましい。
【0171】
いずれにしても、概ねすべての各瞬間において、ロボット1の全体を含む最小凸面体の面上あるいは内部に姿勢回転中心点を設定するのが望ましい。
【0172】
なお、以上説明した実施形態では、加速度センサおよびまたはジャイロセンサは、上体3以外の部位、例えば頭部4に搭載(内蔵)されていても良い。さらに頭部4と上体3との間に首関節がある場合、首関節の変位指令(目標変位)または変位検出値を基に、加速度センサおよびまたはジャイロセンサの検出値をキネマティクス演算によって、上体代表点の加速度と角加速度とに変換しさえすれば、残りは、前記各実施形態と同様に自己位置推定を行えば良い。
【0173】
また、推定支持脚座標系および幾何学的推定上体位置を決定する際に関節変位を用いる場合においては、その関節変位を、目標歩容の関節変位または、関節変位検出値としたが、これらの重み付き平均でも良い。また、このときの重みは周波数特性を持たせても良い。
【0174】
推定支持脚座標系や推定上体位置姿勢など、推定される位置姿勢を表現する時には、前記実施形態のごとくグローバル座標系を基準として表現する代わりに、目標位置姿勢からの摂動分で表現しても良い。
【0175】
また、前記実施形態においては、前記図13に示したごとく、グローバル座標系における推定重力加速度を基に、グローバル座標系における推定上体姿勢誤差角度を求め、グローバル座標系における推定上体姿勢誤差角度にゲインKbを乗じた値を、グローバル上体角速度ωglを積分する積分器(図13のブロック310)に付加的に入力することによって、推定上体姿勢を補正していた。すなわち、グローバル座標系において、推定上体姿勢を補正していたが、この代わりに、ジャイロセンサのローカル座標系(上体3に固定された座標系)上で補正しても良い。具体的には、図13において、ゲインKbのブロック309と、その出力をグローバル上体角速度ωglから減じる加算器(ブロック308)を削除し、積分器Ka/S(ブロック306)を、Ka/S+Kb、すなわち、PI制御則のブロックに変更しても良い。
【0176】
原理上、このようにローカル座標系で補正しても、ヨーレートが高い旋回(その場旋回含む)時に、Kbによって傾斜ドリフトの収束が悪くなることはない。
【0177】
推定上体姿勢の補正において、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から幾何学的推定上体加速度を減じることにより推定重力加速度を求める代わりに、加速度センサ検出値グローバル座標系換算値から目標歩容の上体加速度を減じることにより推定重力加速度を求めるようにしても良い。
【0178】
実際には、目標歩容通りに運動しようとしているロボットには、姿勢回転中心まわりの姿勢回転が発生しているので、姿勢回転によって、上体加速度は、目標歩容からずれる。しかし、姿勢回転の内の姿勢傾斜は、前後左右に振動しても平均的には、0である。また、通常、姿勢回転の内のスピンに関しては、1歩毎にスピンの向きが逆に切り替わるので、平均的には0に近い。したがって、遠心力など、姿勢回転の回転方向によらずほぼ同一方向に作用する力を除けば、姿勢回転による上体加速度への影響は、正の影響と負の影響とが相殺し、長期的には、ほぼ0になる。なお、ここで、「長期」とは、推定上体姿勢の補正の整定時間以上の時間を指す。
【0179】
よって、推定上体姿勢の補正のために、幾何学的推定上体加速度を用いる代わりに、目標歩容の上体加速度を用いても、補正の効果が大きく低下することはない。
【0180】
以上説明した如く、前記実施形態においては、慣性航法によって推定上体位置(慣性航法的推定上体位置)と推定上体姿勢とを求めると共に、幾何学的推定上体位置を用いて慣性航法的な推定上体位置及び推定上体姿勢を補正するようにしたので、ロボット1の自己位置姿勢ならびに着地位置・向き(推定支持脚座標系の位置・向き)を精度良く推定することができる。
【0181】
産業上の利用可能性
以上の如く、本発明は、2足移動ロボット等の脚式移動ロボットの上体等の所定の部位の姿勢を精度よく推定することができる技術を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における脚式移動ロボットとしての2足移動ロボットの全体的構成の概略を示す概略図。
【図2】図1の各脚体の足平部分の構成を概略的に示す概略図。
【図3】各脚体の足平部分の詳細構成を示す側面視の断面図。
【図4】各脚体の足平部分の詳細構成を示す底面図。
【図5】図1のロボットに備えた制御ユニットの構成を示すブロック図。
【図6】図5の制御ユニットの機能的構成を示すブロック図。
【図7】ロボットの走行歩容を示す説明図。
【図8】図8(a),(b),(c)はそれぞれ目標歩容の床反力鉛直成分、目標ZMP、自己位置姿勢推定用のゲインの設定例を示すグラフ。
【図9】第1実施形態における制御ユニットの要部の処理を示すフローチャート。
【図10】図9のフローチャートの自己位置姿勢推定処理を示すフローチャート。
【図11】図9のフローチャートの自己位置姿勢推定処理を説明するための図。
【図12】図9のフローチャートの自己位置姿勢推定処理を説明するための図。
【図13】図9のフローチャートの自己位置姿勢推定処理の要部の処理を示すブロック図。
【図14】図14(a),(b)は図13の処理を説明するための図。
【図15】図13の処理で用いるゲインの設定例を示すグラフ。
Claims (4)
- 決定された目標歩容に追従するように制御される脚式移動ロボットにおいて、
前記ロボットの所定の部位の実姿勢角速度を検出又は推定する姿勢角速度検出手段と、
前記ロボットに搭載された加速度センサと、
少なくとも前記目標歩容の目標運動と前記ロボットの関節の変位検出値と該関節の変位目標値とのうちのいずれかを含む該ロボットの運動状態量を用いて該ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度を決定する運動加速度推定手段と、
少なくとも前記加速度センサによる加速度検出値と、前記推定運動加速度と、前記検出又は推定された実姿勢角速度とを基に、前記所定の部位の実姿勢を推定する姿勢推定手段とを備え、
前記姿勢推定手段は、少なくとも前記検出または推定された実姿勢角速度を含む入力を積分することにより前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める積分手段と、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差に基づいて、前記姿勢角推定値の誤差を推定する姿勢角誤差推定手段と、前記推定された誤差を0に近づけるように、該誤差からフィードバック制御則により求めた操作量を前記積分手段に付加的に入力することによって該積分手段の入力を補正する入力補正手段とから構成され、該積分手段の入力の補正によって、該積分手段の出力である前記姿勢角推定値を補正することを特徴とする脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置。 - 決定された目標歩容に追従するように制御される脚式移動ロボットにおいて、
前記ロボットに搭載された加速度センサと、
前記ロボットの所定の部位の実姿勢角速度を検出又は推定する姿勢角速度検出手段と、
少なくとも前記検出又は推定された実姿勢角速度を基に、前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める姿勢推定手段と、
前記姿勢角推定値と前記目標歩容における前記所定の部位の目標姿勢角との差である姿勢回転偏差の時間的変化量を姿勢回転偏差変化量として求める姿勢回転偏差算出手段と、
前記姿勢回転偏差の変化が前記ロボットの回転すべりによる変化であるとして、該姿勢回転偏差の変化の回転中心を決定する回転中心決定手段と、
前記ロボットが、前記回転中心まわりに前記姿勢回転偏差変化量で回転したと想定して、前記ロボットの運動によって発生する前記加速度センサ自身の加速度の推定値としての推定運動加速度を決定する運動加速度推定手段とを備え、
前記運動加速度推定手段は、前記目標歩容を記述する座標系である第1の座標系を前記姿勢回転偏差変化量だけ前記回転中心回りに回転させてなる第2の座標系を求める手段を備え、前記目標歩容の目標運動と前記ロボットの関節の変位検出値と該関節の変位目標値とのうちの少なくともいずれかから把握される、前記第1座標系から見た前記加速度センサ自身の加速度と、前記推定運動加速度で運動する加速度センサを前記第2座標系から見た場合の前記加速度センサ自身の加速度とが同一になるように前記推定運動加速度を決定する手段であり、
前記姿勢推定手段は、少なくとも前記検出または推定された実姿勢角速度を含む入力を積分することにより前記所定の部位の実姿勢の推定値としての姿勢角推定値を求める積分手段と、前記加速度センサによる加速度検出値と前記推定運動加速度との差に基づいて、前記姿勢角推定値の誤差を推定する姿勢角誤差推定手段と、前記推定された誤差を0に近づけるように、該誤差からフィードバック制御則により求めた操作量を前記積分手段に付加的に入力することによって該積分手段の入力を補正する入力補正手段とから構成され、該積分手段の入力の補正によって、該積分手段の出力である前記姿勢角推定値を補正することを特徴とする脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置。 - 前記所定の部位は、前記ロボットの上体であることを特徴とする請求項1又は2記載の脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置。
- 前記姿勢推定手段が補正する前記姿勢角推定値は、前記所定の部位の、鉛直方向に対する傾斜角度の推定値であることを特徴とする請求項3記載の脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002127066 | 2002-04-26 | ||
JP2002127066 | 2002-04-26 | ||
PCT/JP2003/005447 WO2003090979A1 (fr) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | Systeme permettant d'estimer l'attitude d'un robot mobile monte sur des jambes |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2003090979A1 JPWO2003090979A1 (ja) | 2005-08-25 |
JP4181113B2 true JP4181113B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
ID=29267632
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004501988A Expired - Fee Related JP4181113B2 (ja) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | 脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 |
JP2004501989A Expired - Fee Related JP4246696B2 (ja) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | 脚式移動ロボットの自己位置推定装置 |
JP2004501990A Expired - Fee Related JP4181114B2 (ja) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | 脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 |
Family Applications After (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004501989A Expired - Fee Related JP4246696B2 (ja) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | 脚式移動ロボットの自己位置推定装置 |
JP2004501990A Expired - Fee Related JP4181114B2 (ja) | 2002-04-26 | 2003-04-28 | 脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US6963185B2 (ja) |
EP (5) | EP1508408B1 (ja) |
JP (3) | JP4181113B2 (ja) |
KR (3) | KR100956537B1 (ja) |
DE (5) | DE60332227D1 (ja) |
WO (3) | WO2003090979A1 (ja) |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2597022A1 (en) | 2011-11-26 | 2013-05-29 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664527A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664523A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664532A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664531A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664528A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664524A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664462A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2727806A1 (en) | 2012-11-01 | 2014-05-07 | Honda Motor Co., Ltd. | Mobile vehicle |
US8825254B2 (en) | 2012-08-31 | 2014-09-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle, and control method of inverted pendulum type vehicle |
EP2783960A1 (en) | 2013-03-27 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783958A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783961A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783963A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783959A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783962A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9061721B2 (en) | 2013-05-31 | 2015-06-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9162726B2 (en) | 2013-03-12 | 2015-10-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Mobile vehicle |
US9505459B2 (en) | 2013-05-31 | 2016-11-29 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9511656B2 (en) | 2013-05-31 | 2016-12-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
JP2021076901A (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-20 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の姿勢推定装置 |
Families Citing this family (132)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3726058B2 (ja) * | 2001-12-28 | 2005-12-14 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットおよびその床反力検出装置 |
WO2003057427A1 (fr) * | 2001-12-28 | 2003-07-17 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Dispositif de commande pour robot mobile sur jambes |
DE60237470D1 (de) * | 2001-12-28 | 2010-10-07 | Honda Motor Co Ltd | Gangerzeugungsvorrichtung für beweglichen roboter mit beinen |
JP3726057B2 (ja) * | 2001-12-28 | 2005-12-14 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットおよびその床反力検出装置 |
WO2003064116A2 (en) * | 2002-01-31 | 2003-08-07 | Braintech Canada, Inc. | Method and apparatus for single camera 3d vision guided robotics |
DE60332227D1 (de) * | 2002-04-26 | 2010-06-02 | Honda Motor Co Ltd | System zur selbst abschätzung der lage des mobilen roboters mit beinen |
EP1504858B1 (en) * | 2002-04-26 | 2014-06-04 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Control device and footstep determination device for legged mobile robot |
JP3938326B2 (ja) * | 2002-05-10 | 2007-06-27 | 川田工業株式会社 | ロボット用付加的支持構造 |
US20040064195A1 (en) | 2002-07-15 | 2004-04-01 | Hugh Herr | Variable-mechanical-impedance artificial legs |
US7343223B2 (en) * | 2003-03-13 | 2008-03-11 | Alps Electric Co., Ltd. | Robot apparatus and load sensor |
CN101531216B (zh) * | 2003-03-27 | 2011-01-05 | 索尼株式会社 | 机器人设备及其控制方法 |
KR101083417B1 (ko) * | 2003-06-27 | 2011-11-14 | 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 | 다리식 이동 로봇의 제어장치 |
US8075633B2 (en) | 2003-09-25 | 2011-12-13 | Massachusetts Institute Of Technology | Active ankle foot orthosis |
US7603199B2 (en) | 2003-11-27 | 2009-10-13 | Honda Motor Co., Ltd. | Control device for mobile body |
KR100620118B1 (ko) * | 2004-03-31 | 2006-09-13 | 학교법인 대양학원 | 관성센서를 이용한 보행패턴 분석장치 및 그 방법 |
KR100571839B1 (ko) * | 2004-03-31 | 2006-04-17 | 삼성전자주식회사 | 인간형 로봇 |
JP2006068872A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Honda Motor Co Ltd | 脚式移動ロボット |
JP2006136962A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Hitachi Ltd | 移動ロボット |
JP4316477B2 (ja) * | 2004-11-18 | 2009-08-19 | パナソニック株式会社 | 移動ロボットの追従方法 |
JP4492322B2 (ja) * | 2004-12-02 | 2010-06-30 | トヨタ自動車株式会社 | 歩行ロボット |
US7313463B2 (en) * | 2005-03-31 | 2007-12-25 | Massachusetts Institute Of Technology | Biomimetic motion and balance controllers for use in prosthetics, orthotics and robotics |
US8512415B2 (en) | 2005-03-31 | 2013-08-20 | Massachusetts Institute Of Technology | Powered ankle-foot prothesis |
US10080672B2 (en) | 2005-03-31 | 2018-09-25 | Bionx Medical Technologies, Inc. | Hybrid terrain-adaptive lower-extremity systems |
US20070162152A1 (en) | 2005-03-31 | 2007-07-12 | Massachusetts Institute Of Technology | Artificial joints using agonist-antagonist actuators |
US20070123997A1 (en) | 2005-03-31 | 2007-05-31 | Massachusetts Institute Of Technology | Exoskeletons for running and walking |
US8500823B2 (en) | 2005-03-31 | 2013-08-06 | Massachusetts Institute Of Technology | Powered artificial knee with agonist-antagonist actuation |
US8864846B2 (en) | 2005-03-31 | 2014-10-21 | Massachusetts Institute Of Technology | Model-based neuromechanical controller for a robotic leg |
US20060249315A1 (en) | 2005-03-31 | 2006-11-09 | Massachusetts Institute Of Technology | Artificial human limbs and joints employing actuators, springs, and variable-damper elements |
US20070043449A1 (en) | 2005-03-31 | 2007-02-22 | Massachusetts Institute Of Technology | Artificial ankle-foot system with spring, variable-damping, and series-elastic actuator components |
US10307272B2 (en) | 2005-03-31 | 2019-06-04 | Massachusetts Institute Of Technology | Method for using a model-based controller for a robotic leg |
US11278433B2 (en) | 2005-03-31 | 2022-03-22 | Massachusetts Institute Of Technology | Powered ankle-foot prosthesis |
JP2007007796A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Toyota Motor Corp | 歩行ロボット |
JP2007041733A (ja) * | 2005-08-01 | 2007-02-15 | Toyota Motor Corp | 運動体の姿勢角検出装置 |
US20070073439A1 (en) * | 2005-09-23 | 2007-03-29 | Babak Habibi | System and method of visual tracking |
KR100883792B1 (ko) * | 2005-12-29 | 2009-02-18 | 한국생산기술연구원 | 이동 로봇의 위치 추정 시스템 및 그 방법 |
KR20070073273A (ko) * | 2006-01-04 | 2007-07-10 | 삼성전자주식회사 | 휴대용 단말기에서 폴더의 회전 상태를 감지하는 장치 및방법 |
JP5034235B2 (ja) * | 2006-01-16 | 2012-09-26 | ソニー株式会社 | 制御システム及び制御方法、並びにコンピュータ・プログラム |
JP4173513B2 (ja) * | 2006-06-12 | 2008-10-29 | ヤマザキマザック株式会社 | 機器移設有無検知装置及びその機器移設有無検知装置を備えた機器 |
WO2008036354A1 (en) | 2006-09-19 | 2008-03-27 | Braintech Canada, Inc. | System and method of determining object pose |
JP4281777B2 (ja) * | 2006-10-05 | 2009-06-17 | トヨタ自動車株式会社 | 傾斜角推定機構を有する移動体 |
WO2008076942A1 (en) * | 2006-12-15 | 2008-06-26 | Braintech Canada, Inc. | System and method of identifying objects |
JP4365402B2 (ja) * | 2006-12-20 | 2009-11-18 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の移動角度検出装置 |
JP4143103B2 (ja) | 2006-12-20 | 2008-09-03 | 本田技研工業株式会社 | 移動装置、ならびにその制御システム、制御プログラムおよび監督システム |
JP4171510B2 (ja) | 2006-12-20 | 2008-10-22 | 本田技研工業株式会社 | 移動装置、ならびにその制御システム、制御プログラムおよび監督システム |
FR2916069B1 (fr) * | 2007-05-11 | 2009-07-31 | Commissariat Energie Atomique | Procede de traitement pour la capture de mouvement d'une structure articulee |
KR100864607B1 (ko) * | 2007-05-31 | 2008-10-22 | 한국과학기술원 | 휴머노이드 이족 보행 로봇을 위한 기울기 센서와 각속도센서를 이용한 관성 측정 장치 및 방법 |
JP5161498B2 (ja) * | 2007-06-18 | 2013-03-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 姿勢信号演算装置 |
KR100922494B1 (ko) * | 2007-07-19 | 2009-10-20 | 삼성전자주식회사 | 이동 로봇의 자세 측정 방법 및 상기 방법을 이용한 위치측정 방법 및 장치 |
JP4985776B2 (ja) * | 2007-09-25 | 2012-07-25 | 富士通株式会社 | ロボット制御装置、ロボット制御方法およびロボット制御プログラム |
CN101855517A (zh) * | 2007-11-13 | 2010-10-06 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 目标的方位测量 |
JP4968684B2 (ja) | 2007-12-10 | 2012-07-04 | 本田技研工業株式会社 | 目標経路設定支援システム |
KR100926783B1 (ko) * | 2008-02-15 | 2009-11-13 | 한국과학기술연구원 | 물체인식 및 인식된 물체를 포함하는 주변 환경 정보를바탕으로 한 로봇의 자기 위치 추정 방법 |
KR100988568B1 (ko) * | 2008-04-30 | 2010-10-18 | 삼성전자주식회사 | 로봇 및 그 지도작성방법 |
CN101581936B (zh) * | 2008-05-16 | 2012-01-25 | 深圳富泰宏精密工业有限公司 | 利用手机控制两足式机器人的系统及方法 |
KR20090126038A (ko) * | 2008-06-03 | 2009-12-08 | 삼성전자주식회사 | 보행 로봇 및 그 제어 방법 |
KR101008360B1 (ko) * | 2008-07-01 | 2011-01-14 | (주)마이크로인피니티 | 이동 로봇에서의 자이로 센서 오차를 교정하는 장치 및방법 |
EP3219295B1 (en) | 2008-09-04 | 2023-11-15 | Otto Bock HealthCare LP | Hybrid terrain-adaptive lower-extremity systems |
US20110082566A1 (en) | 2008-09-04 | 2011-04-07 | Herr Hugh M | Implementing a stand-up sequence using a lower-extremity prosthesis or orthosis |
US8559699B2 (en) * | 2008-10-10 | 2013-10-15 | Roboticvisiontech Llc | Methods and apparatus to facilitate operations in image based systems |
US8127871B2 (en) * | 2008-11-03 | 2012-03-06 | Robert J Viola | Frame walker predicated on a parallel mechanism |
KR20100078248A (ko) * | 2008-12-30 | 2010-07-08 | 삼성전자주식회사 | 보행 로봇 및 그 제어방법 |
JP4957753B2 (ja) * | 2009-06-15 | 2012-06-20 | セイコーエプソン株式会社 | ロボット、搬送装置、及び慣性センサーを用いた制御方法 |
JP5219956B2 (ja) * | 2009-07-23 | 2013-06-26 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の制御装置 |
KR20110015765A (ko) * | 2009-08-10 | 2011-02-17 | 삼성전자주식회사 | 로봇의 경로계획장치 및 그 방법 |
US8924015B2 (en) * | 2009-09-14 | 2014-12-30 | Honda Motor Co., Ltd. | Whole-body humanoid control from upper-body task specifications |
JP5232120B2 (ja) * | 2009-10-01 | 2013-07-10 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の制御装置 |
CN102892388A (zh) | 2010-04-05 | 2013-01-23 | Iwalk股份有限公司 | 控制假体或矫形器中的转矩 |
JP5456557B2 (ja) * | 2010-04-26 | 2014-04-02 | 本田技研工業株式会社 | ロボット、制御システムおよび制御プログラム |
JP5652042B2 (ja) * | 2010-08-06 | 2015-01-14 | セイコーエプソン株式会社 | ロボット装置、ロボット装置の制御方法およびプログラム |
WO2012096956A1 (en) | 2011-01-10 | 2012-07-19 | Iwalk, Inc. | Powered joint orthosis |
WO2012097156A2 (en) | 2011-01-12 | 2012-07-19 | Iwalk, Inc. | Controlling powered human augmentation devices |
US9687377B2 (en) | 2011-01-21 | 2017-06-27 | Bionx Medical Technologies, Inc. | Terrain adaptive powered joint orthosis |
WO2012125562A1 (en) | 2011-03-11 | 2012-09-20 | Iwalk, Inc. | Biomimetic joint actuators |
JP5930892B2 (ja) * | 2011-09-07 | 2016-06-08 | 本田技研工業株式会社 | 接触状態推定装置及び軌道生成装置 |
US9737419B2 (en) | 2011-11-02 | 2017-08-22 | Bionx Medical Technologies, Inc. | Biomimetic transfemoral prosthesis |
KR20130063230A (ko) * | 2011-12-06 | 2013-06-14 | 삼성전자주식회사 | 보행 로봇 및 그 제어 방법 |
US9032635B2 (en) | 2011-12-15 | 2015-05-19 | Massachusetts Institute Of Technology | Physiological measurement device or wearable device interface simulator and method of use |
KR101913332B1 (ko) * | 2011-12-23 | 2018-10-31 | 삼성전자주식회사 | 이동 장치 및 이동 장치의 위치 인식 방법 |
JP5929224B2 (ja) | 2012-01-20 | 2016-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | ロボット |
JP5185473B1 (ja) * | 2012-02-13 | 2013-04-17 | パナソニック株式会社 | 脚式ロボット |
US9221177B2 (en) | 2012-04-18 | 2015-12-29 | Massachusetts Institute Of Technology | Neuromuscular model-based sensing and control paradigm for a robotic leg |
CA2876187C (en) | 2012-06-12 | 2021-01-26 | Iwalk, Inc. | Prosthetic, orthotic or exoskeleton device |
KR101441187B1 (ko) * | 2012-07-19 | 2014-09-18 | 고려대학교 산학협력단 | 자율 보행 로봇 경로 계획 방법 |
JP5919143B2 (ja) * | 2012-08-31 | 2016-05-18 | 本田技研工業株式会社 | 駆動装置 |
DE102012224107A1 (de) | 2012-12-20 | 2014-06-26 | Continental Teves Ag & Co. Ohg | Verfahren zum Bestimmen einer Referenzposition als Startposition für ein Trägheitsnavigationssystem |
US20150176989A1 (en) * | 2013-12-23 | 2015-06-25 | Hti Ip, Llc | Accelerometer-Based Hill Angle Estimation |
JP6380828B2 (ja) * | 2014-03-07 | 2018-08-29 | セイコーエプソン株式会社 | ロボット、ロボットシステム、制御装置、及び制御方法 |
US9259838B1 (en) | 2014-07-24 | 2016-02-16 | Google Inc. | Systems and methods for ground plane estimation |
US9618937B1 (en) | 2014-08-25 | 2017-04-11 | Google Inc. | Slip detection using robotic limbs |
US9387588B1 (en) * | 2014-08-25 | 2016-07-12 | Google Inc. | Handling gait disturbances with asynchronous timing |
US9403275B2 (en) * | 2014-10-17 | 2016-08-02 | GM Global Technology Operations LLC | Dynamic obstacle avoidance in a robotic system |
US9352470B1 (en) * | 2014-11-11 | 2016-05-31 | Google Inc. | Yaw slip handling in a robotic device |
JP6240590B2 (ja) * | 2014-11-12 | 2017-11-29 | 本田技研工業株式会社 | 移動ロボットの制御装置 |
US9499218B1 (en) | 2014-12-30 | 2016-11-22 | Google Inc. | Mechanically-timed footsteps for a robotic device |
US20180099846A1 (en) | 2015-03-06 | 2018-04-12 | Wal-Mart Stores, Inc. | Method and apparatus for transporting a plurality of stacked motorized transport units |
US10071892B2 (en) | 2015-03-06 | 2018-09-11 | Walmart Apollo, Llc | Apparatus and method of obtaining location information of a motorized transport unit |
WO2016142794A1 (en) | 2015-03-06 | 2016-09-15 | Wal-Mart Stores, Inc | Item monitoring system and method |
JP6700546B2 (ja) * | 2015-06-01 | 2020-05-27 | 富士通株式会社 | 負荷検出方法、負荷検出装置および負荷検出プログラム |
JP6450273B2 (ja) * | 2015-07-08 | 2019-01-09 | 本田技研工業株式会社 | 移動ロボットの動作環境情報生成装置 |
CN105180929A (zh) * | 2015-09-01 | 2015-12-23 | 深圳市华颖泰科电子技术有限公司 | 一种车载惯性导航系统中惯性传感器的安装方法 |
US9586316B1 (en) * | 2015-09-15 | 2017-03-07 | Google Inc. | Determination of robotic step path |
US9925667B1 (en) * | 2016-01-25 | 2018-03-27 | Boston Dynamics, Inc. | Continuous slip recovery |
US10179619B1 (en) * | 2016-03-30 | 2019-01-15 | Schaft Inc. | Robotic foot sensor |
CA2961938A1 (en) | 2016-04-01 | 2017-10-01 | Wal-Mart Stores, Inc. | Systems and methods for moving pallets via unmanned motorized unit-guided forklifts |
JP2017196704A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | セイコーエプソン株式会社 | 可動部の振動測定方法、ロボットの振動測定方法および制御装置 |
JP2017196705A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | セイコーエプソン株式会社 | ロボット、及びロボットシステム |
CN106184463B (zh) * | 2016-08-15 | 2019-03-08 | 北京钢铁侠科技有限公司 | 具有零点位置检测功能的仿人机器人关节机构 |
US10821614B2 (en) | 2016-11-11 | 2020-11-03 | Sarcos Corp. | Clutched joint modules having a quasi-passive elastic actuator for a robotic assembly |
US10828767B2 (en) | 2016-11-11 | 2020-11-10 | Sarcos Corp. | Tunable actuator joint modules having energy recovering quasi-passive elastic actuators with internal valve arrangements |
CN110831725A (zh) * | 2017-06-29 | 2020-02-21 | 索尼互动娱乐股份有限公司 | 机器人控制装置、控制方法及控制程序 |
CN109693235B (zh) * | 2017-10-23 | 2020-11-20 | 中国科学院沈阳自动化研究所 | 一种仿人眼视觉跟踪装置及其控制方法 |
CN110053039B (zh) * | 2018-01-17 | 2021-10-29 | 深圳市优必选科技有限公司 | 一种机器人行走中重力补偿的方法、装置及机器人 |
SE542305C2 (en) * | 2018-01-30 | 2020-04-07 | Infonomy Ab | Arrangement and system for wearable balance meter |
JP7294335B2 (ja) | 2018-06-22 | 2023-06-20 | ソニーグループ株式会社 | 滑り検出装置 |
CN109394095B (zh) * | 2018-10-23 | 2020-09-15 | 珠海市一微半导体有限公司 | 一种机器人运动地毯偏移的控制方法、芯片及清洁机器人 |
CN109184673B (zh) * | 2018-11-12 | 2023-11-24 | 美钻深海能源科技研发(上海)有限公司 | 一种机械式管柱接箍检测装置及方法 |
US11241801B2 (en) | 2018-12-31 | 2022-02-08 | Sarcos Corp. | Robotic end effector with dorsally supported actuation mechanism |
DE112020000380T5 (de) * | 2019-01-11 | 2021-09-23 | Omron Corporation | Steuereinrichtung |
KR102658278B1 (ko) * | 2019-02-20 | 2024-04-18 | 삼성전자주식회사 | 이동형 로봇 및 그것의 로봇 암 정렬 방법 |
KR20210000095A (ko) * | 2019-06-24 | 2021-01-04 | 삼성전자주식회사 | 자세 추정 방법 및 장치 |
US20220334594A1 (en) * | 2019-09-13 | 2022-10-20 | Sony Group Corporation | Information processing system, information processing apparatus, and information processing program |
US11745902B1 (en) | 2019-12-11 | 2023-09-05 | Government Of The United States As Represented By The Secretary Of The Air Force | Systems, methods and apparatus for multifunctional central pattern generator |
US11833676B2 (en) | 2020-12-07 | 2023-12-05 | Sarcos Corp. | Combining sensor output data to prevent unsafe operation of an exoskeleton |
CN112596531B (zh) * | 2021-03-04 | 2021-06-22 | 德鲁动力科技(成都)有限公司 | 一种四足机器人自适应负载参数调整方法 |
CN113091999A (zh) * | 2021-04-01 | 2021-07-09 | 燕山大学 | 一种足式机器人腿部一维力传感器标定方法及系统 |
CN117120961A (zh) * | 2021-04-08 | 2023-11-24 | 索尼集团公司 | 信息处理方法、信息处理装置和程序 |
CN114794953A (zh) * | 2022-04-19 | 2022-07-29 | 净豹智能机器人(台州)有限公司 | 基于深度学习的智能清洁机器人贴边清洁系统及方法 |
US11738452B1 (en) * | 2022-07-29 | 2023-08-29 | Sarcos Corp. | Sole with various compliant regions for robots |
US11826907B1 (en) | 2022-08-17 | 2023-11-28 | Sarcos Corp. | Robotic joint system with length adapter |
US11717956B1 (en) | 2022-08-29 | 2023-08-08 | Sarcos Corp. | Robotic joint system with integrated safety |
US11924023B1 (en) | 2022-11-17 | 2024-03-05 | Sarcos Corp. | Systems and methods for redundant network communication in a robot |
US11897132B1 (en) | 2022-11-17 | 2024-02-13 | Sarcos Corp. | Systems and methods for redundant network communication in a robot |
Family Cites Families (34)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63150176A (ja) * | 1986-12-15 | 1988-06-22 | 工業技術院長 | 動的歩行ロボツトの歩行制御方法 |
JP2520019B2 (ja) * | 1989-06-29 | 1996-07-31 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの駆動制御装置 |
JP2592340B2 (ja) * | 1989-12-14 | 1997-03-19 | 本田技研工業株式会社 | 脚式歩行ロボットの関節構造 |
US5221883A (en) * | 1990-11-30 | 1993-06-22 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | System for controlling locomotion of legged walking robot |
US5355064A (en) * | 1992-03-04 | 1994-10-11 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Control system for legged mobile robot |
JP3148827B2 (ja) | 1992-04-30 | 2001-03-26 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの歩行制御装置 |
US5432417A (en) * | 1992-04-30 | 1995-07-11 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Locomotion control system for legged mobile robot |
JP3233450B2 (ja) | 1992-05-22 | 2001-11-26 | 本田技研工業株式会社 | 指定時刻到達関数発生器 |
JP3132156B2 (ja) * | 1992-05-22 | 2001-02-05 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 |
JP3273443B2 (ja) * | 1992-05-22 | 2002-04-08 | 本田技研工業株式会社 | ロボットのリンクなどの軌道生成方法及び装置 |
JP3269852B2 (ja) * | 1992-05-29 | 2002-04-02 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置 |
US5404086A (en) * | 1992-07-20 | 1995-04-04 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | System for controlling locomotion of legged mobile robot and correcting inclinometer's output thereof |
JPH09272083A (ja) * | 1996-04-08 | 1997-10-21 | Mitsubishi Electric Corp | 2足歩行ロボット |
JP3663034B2 (ja) | 1996-07-25 | 2005-06-22 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 |
JP3629133B2 (ja) | 1997-01-31 | 2005-03-16 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの制御装置 |
JP3672406B2 (ja) * | 1997-01-31 | 2005-07-20 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 |
JP3655056B2 (ja) | 1997-08-04 | 2005-06-02 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの制御装置 |
US6260862B1 (en) * | 1998-02-11 | 2001-07-17 | Joseph C. Klann | Walking device |
JPH11272983A (ja) * | 1998-03-19 | 1999-10-08 | Fujitsu Ltd | 経路計画装置,到着時間予測装置,走行記録保存装置および経路計画/到着時間予測システム |
EP1120203B1 (en) * | 1998-04-20 | 2011-01-19 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Controller for legged mobile robot |
JP2000153476A (ja) | 1998-09-14 | 2000-06-06 | Honda Motor Co Ltd | 脚式移動ロボット |
JP4213310B2 (ja) * | 1999-08-30 | 2009-01-21 | 本田技研工業株式会社 | 2足歩行脚式移動ロボット |
JP4475708B2 (ja) | 1999-11-12 | 2010-06-09 | ソニー株式会社 | 脚式移動ロボット及びその動作制御方法 |
JP4480843B2 (ja) * | 2000-04-03 | 2010-06-16 | ソニー株式会社 | 脚式移動ロボット及びその制御方法、並びに、脚式移動ロボット用相対移動測定センサ |
JP2002144260A (ja) | 2000-11-13 | 2002-05-21 | Sony Corp | 脚式移動ロボット及びその制御方法 |
EP1344613B1 (en) * | 2000-11-17 | 2010-08-18 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Remote controller of biped robot |
TW499349B (en) * | 2000-11-17 | 2002-08-21 | Sony Corp | Legged mobile robot, leg structure of legged mobile robot, and mobile leg unit for legged mobile robot |
KR100637057B1 (ko) | 2000-11-17 | 2006-10-23 | 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 | 레그식 이동 로봇의 보용 생성장치 |
JP3726032B2 (ja) | 2001-04-27 | 2005-12-14 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの目標運動生成装置 |
JP4188607B2 (ja) * | 2001-06-27 | 2008-11-26 | 本田技研工業株式会社 | 二足歩行移動体の床反力推定方法及び二足歩行移動体の関節モーメント推定方法 |
DE60237470D1 (de) | 2001-12-28 | 2010-10-07 | Honda Motor Co Ltd | Gangerzeugungsvorrichtung für beweglichen roboter mit beinen |
KR100924505B1 (ko) * | 2002-01-18 | 2009-11-02 | 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 | 다리식 이동로봇의 제어장치 |
DE60332227D1 (de) * | 2002-04-26 | 2010-06-02 | Honda Motor Co Ltd | System zur selbst abschätzung der lage des mobilen roboters mit beinen |
EP1707324B1 (en) * | 2004-01-13 | 2011-03-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Gait generator for mobile robot |
-
2003
- 2003-04-28 DE DE60332227T patent/DE60332227D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 DE DE60336519T patent/DE60336519D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 KR KR1020047017286A patent/KR100956537B1/ko active IP Right Grant
- 2003-04-28 DE DE60332224T patent/DE60332224D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 US US10/511,128 patent/US6963185B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 DE DE60336518T patent/DE60336518D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 US US10/512,263 patent/US7337040B2/en active Active
- 2003-04-28 EP EP03728007A patent/EP1508408B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 WO PCT/JP2003/005447 patent/WO2003090979A1/ja active Application Filing
- 2003-04-28 EP EP03725698A patent/EP1502712B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 DE DE60332233T patent/DE60332233D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 EP EP09009476A patent/EP2106886B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-28 EP EP09009477A patent/EP2110210B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-28 WO PCT/JP2003/005449 patent/WO2003090981A1/ja active Application Filing
- 2003-04-28 EP EP03725699A patent/EP1504855B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 US US10/511,451 patent/US7145305B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-04-28 JP JP2004501988A patent/JP4181113B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-28 KR KR1020047017293A patent/KR100956520B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2003-04-28 JP JP2004501989A patent/JP4246696B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-28 KR KR1020047017278A patent/KR100956539B1/ko active IP Right Grant
- 2003-04-28 JP JP2004501990A patent/JP4181114B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-28 WO PCT/JP2003/005448 patent/WO2003090980A1/ja active Application Filing
Cited By (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2597022A1 (en) | 2011-11-26 | 2013-05-29 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664527A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664523A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664532A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664531A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664528A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664524A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2664462A1 (en) | 2012-05-14 | 2013-11-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US8825254B2 (en) | 2012-08-31 | 2014-09-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle, and control method of inverted pendulum type vehicle |
EP2727806A1 (en) | 2012-11-01 | 2014-05-07 | Honda Motor Co., Ltd. | Mobile vehicle |
US9162726B2 (en) | 2013-03-12 | 2015-10-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Mobile vehicle |
US9346511B2 (en) | 2013-03-27 | 2016-05-24 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783960A1 (en) | 2013-03-27 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9317039B2 (en) | 2013-03-29 | 2016-04-19 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9423795B2 (en) | 2013-03-29 | 2016-08-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783962A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US8949010B2 (en) | 2013-03-29 | 2015-02-03 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783961A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9139224B2 (en) | 2013-03-29 | 2015-09-22 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783959A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783963A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
EP2783958A1 (en) | 2013-03-29 | 2014-10-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9367066B2 (en) | 2013-03-29 | 2016-06-14 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9061721B2 (en) | 2013-05-31 | 2015-06-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9505459B2 (en) | 2013-05-31 | 2016-11-29 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
US9511656B2 (en) | 2013-05-31 | 2016-12-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Inverted pendulum type vehicle |
JP2021076901A (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-20 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の姿勢推定装置 |
JP7391616B2 (ja) | 2019-11-05 | 2023-12-05 | 本田技研工業株式会社 | 移動体の姿勢推定装置 |
Also Published As
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4181113B2 (ja) | 脚式移動ロボットの自己姿勢推定装置 | |
JP5221688B2 (ja) | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 | |
JP4800037B2 (ja) | 移動ロボットの歩容生成装置 | |
JP4225968B2 (ja) | 脚式移動ロボットの制御装置 | |
US7734377B2 (en) | Gait generator of legged mobile robot | |
US8204625B2 (en) | Gait creation device of leg-type mobile robot | |
EP2172312B1 (en) | Gait generating system and control device of legged mobile robot | |
US7848849B2 (en) | Controller of leg type moving robot | |
JP5219956B2 (ja) | 移動体の制御装置 | |
JP4805817B2 (ja) | 移動ロボットの歩容生成装置 | |
JP5232120B2 (ja) | 移動体の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080415 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080613 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080826 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080828 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4181113 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140905 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |