JP4175663B2 - オレフィンメタセシス反応による環状オレフィンからの二官能性テレキリックポリオレフィンの付加生成物の製造方法 - Google Patents
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Description
先行技術は例えばエステル、アミン、アルコール及び他の反応基のような官能性末端基を有する不飽和ポリマー炭化水素の製造を教示するが、得られる二官能性テレキリックポリオレフィンが、得られる生成物のオレフィン特徴を制限するか又は完全に変化させる付加部分を含有する、同時のオレフィンメタセシス反応と付加反応とによって二官能性テレキリックポリオレフィンの付加生成物を製造することの成功は報告されていない。オレフィンメタセシスと付加反応とを同時におこなうことの考えられる問題は、オレフィン反応物(特に、環状オレフィン)が迅速に付加反応を受けて、オレフィンメタセシスを受けることができない飽和分子を生ずることである。このような場合には、ポリマー生成物が殆ど又は全く得られない。驚くべきことに、本発明ではこれは重大な問題ではなく、部分的飽和ポリマー生成物を得ることができる。
本発明の同時のROMPと付加反応プロセスとを用いると、得られる生成物は通常の不飽和二官能性テレキリックポリオレフィンに比べて、例えばより大きな酸化安定性、オゾン作用に対する耐性、UV光への暴露による分解を受け難いといったような、付加的な有利な性質を有し、さらなる反応に適する。特許請求する本発明の方法は時間を節約し、2つの別々の反応器(ROMP反応用と付加反応用)を用いて、ROMP反応の中間不飽和ポリオレフィン生成物を単離する可能な必要性を除去する。
発明の概要
本発明は、ビニル基以外の末端官能性反応基を含有する線状テレキリック二官能性不飽和ポリマーの付加生成物の製造方法であって、炭素数約4〜30の少なくとも1種の環状オレフィンと、炭素数約30までの少なくとも1種の二官能性非環状オレフィンと、少なくとも1種の反応物YZとを、少なくとも1種のオレフィンメタセシス触媒の存在下で同時に反応させて、YZがROMP反応条件下で炭素−炭素二重結合を横切って付加することができる線状二官能性不飽和ポリマーを製造することを含む方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明は、炭素数約30までの環状オレフィンと、炭素数約30までの非環状オレフィンとからの、炭素−炭素二重結合に付加する反応物YZの存在下での開環メタセシス重合方法によってテレキリック二官能性ポリマーの付加生成物を製造する重合方法に関する。
本発明では、ROMP反応が環状オレフィンと、二官能性非環状オレフィンと、炭素−炭素二重結合に付加することができる試薬(YZ)との存在下で、付加反応と同時におこなわれる。このようにして、ポリマー中の炭素−炭素二重結合の一部又は全てがYZとオレフィンメタセシス反応触媒との存在のために付加反応を受けているポリマー生成物が得られる。この付加反応は次の通りである:
試薬YZは一般に、特に求電子付加機構又はフリーラジカル付加機構によって炭素−炭素二重結合に付加することができる任意の化合物である。YZの典型的な例は、分子状水素(ジュウテリウムを含む)、水、過酸化水素、ハロゲン(F2、Cl2、Br2及びI2を含む)、ハロゲン化水素(HF、HCl、HBr及びHIを含む)、無機ハロヒドリン(この場合、Yはハロゲンであり、Zはヒドロキシルである)、硫酸、炭素数30までのハロゲン化炭素化合物(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで、CF4、CCl4、CBr4、Cl4、Br−CCl3及びCl−CBr3を含む)、炭素数約30までのアルキルハライドとアリールハライド(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)、構造式ROH[式中、Rは炭素数30まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)のアルキル、アリール、アリールアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、ハロゲン化アリールアルキル基である]で示されるアルコール並びにこれらの混合物である;この場合に用いられるハロゲンはF、Cl、Br及びIを包含する。好ましくは、YはH又はハライドであり、ZはH、ハライド又はヒドロキシルであり;最も好ましくは、YとZはHとハライド原子(halide atom)から選択される。1種より多くのYZ反応物が反応中に存在して、生成物の混合物を製造することができる;Brを含有するYZが難燃性である生成物を生じると予想される。付加反応はオレフィンメタセシス反応(ROMP)と同時に、即ち、併発的におこなわれる。このような同時反応は時間を節約し、スループットを高め、最初のメタセシス反応とその後の付加反応とを含む二段階方法に比べて必要な装置量を減じる(従って、資本を節約する)。
付加反応は添加した付加反応触媒を用いて又は用いずにおこなうことができる。ROMP反応に用いた同じ触媒を付加反応に用いることができる。或いは、付加反応触媒が異なる触媒であることもできる。YZ=H2である付加反応のための触媒の例は、例えばNi、Fe、Co、Cu、Pt、Pd、Ir、Ru、Rh、Re、Ag及びAuに基づく均一触媒及び不均一触媒(例えば、ラネーニッケル;可溶性Ru化合物;炭素、木炭、シリカ、アルミナ、チタニア又は他の担体に担持された金属)のような周知の水素化触媒である。例えば、反応物YZがH2、ハロゲン(F2、Cl2、Br2及びI2を包含する)又はハロゲン化水素(HF、HCl、HBr及びHIを包含する)である場合には、一般に、ROMP反応に用いる触媒とは異なる触媒は不必要であり、用いられない。
本発明の方法に用いることができる環状オレフィン反応物は技術上周知である。一般に、本発明のオレフィン化合物を製造するために、それぞれ炭素数4から約30までの任意の1種以上の環状オレフィンを用いることができる。環状オレフィンは例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン及び環(単数又は複数)に置換基を有する環状オレフィンのような、開環オレフィンメタセシスを受ける任意の単環状又は多環状モノエン又はポリエンであることができる。
好ましい不飽和非環状化合物は、単一不飽和脂環式環を含むものである。これらの脂環式環は例えばアルキル、アリール、アリールアルキル及びハロゲン基のような基によって単置換又は多置換されることができる。
環(cyclic ring)中に少なくとも4個から5個以下の炭素原子を有し、前記環中に1個の二重結合を有する単一脂環式環を含有する不飽和脂環式化合物の典型的な例は、シクロブテンとシクロペンテンである。環中に少なくとも7個の炭素原子を有し、環中に1個以上の非共役炭素−炭素二重結合を含有する不飽和脂環式化合物の典型的な例はシクロオクテン、1,4−及び1,5−シクロオクタジエン、1,4,7−シクロノナトリエン、シクロデセン、シクロドデセン、1,4−、1,5−及び1,6−シクロデカジエン、1,4−、1,5−、1,6−及び1,7−シクロドデカジエン、1,4,7−及び1,5,9−シクロドデカトリエン等を包含する。
本発明の最も好ましい不飽和脂環式化合物は、環中に1個から3個までの炭素−炭素二重結合を有し、これらの二重結合が相互に対して隣接せずかつ共役しないように配置される化合物である。このような好ましい物質の典型的な例は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、及び1,9,17−シクロテトラコサトリエンである。
置換脂環式化合物の典型的な例は、例えば1−メチル−1,5−シクロオクタジエンのようなアルキル置換化合物;例えば3−フェニル−1−シクロオクテンのようなアリール置換化合物;例えば3−ベンジル−1−シクロオクテンのようなアラルキル置換化合物;例えば3−トリル−1−シクロオクテンのようなアルカリール(alkaryl)置換化合物;並びに例えば5−クロロ−1−シクロオクテン、1−クロロ−1,5−シクロオクタジエン、5−クロロ−1−シクロドデセン及び5,6−ジクロロ−1−シクロオクテンのようなハロゲン置換化合物である。置換不飽和脂環式化合物と非置換不飽和脂環式化合物の両方を含めて、不飽和脂環式化合物の混合物も適する。
一般に、環状オレフィンはシクロヘプテン;1,3−シクロオクタジエン;1,4−シクロオクタジエン;1,5−シクロオクタジエン;ノルボルネン;ノルボルナジエン、2,2,2−ビシクロオクテン−2;シクロオクテン;シクロデセン;メチルシクロオクタジエン;ジメチルシクロオクタジエン;メチルシクロオクテン;ジメチルシクロオクテン;1,4,7−シクロノナトリエン;1,4−シクロデカジエン;1,5−シクロドデカジエン;1,6−シクロデカジエン;1,7−シクロドデカジエン;1,4,7−シクロドデカトリエン;1,5,9−シクロドデカトリエン;トリメチル1,5,9−シクロドデカトリエン;シクロペンテン;シクロドデセン;シクロブテン;1,9,17−シクロテトラコサトリエン;1−メチル−1,5−シクロオクタジエン;3−フェニル−1−シクロオクテン;3−ベンジル−1−シクロオクテン;3−トリル−1−シクロオクテン;5−クロロ−1−シクロオクテン;1−クロロ−1,5−シクロオクタジエン;5−クロロ−1−シクロドデセン;5,5−ジクロロ−1−シクロオクテン及びこれらの混合物から選択される。
本発明に用いることができる二官能性脂環式オレフィン反応物も技術上周知である。二官能性非環状オレフィンは2つの官能基(例えば、ヒドロキシル、ニトリル、エステル、アルコール、アミン、酸、アシルハライド、ケトン、アルデヒド、ボラン、アミド、酸無水物、エーテル、イミド、ハロゲン原子、炭素数約30までのアルキン、アルキル、アリール及び置換アリール基並びにこれらの混合物、前記置換アリール基の置換基は部分(moiety)の前記官能性反応基の少なくとも1つの反応性置換基を含む)を、オレフィン化合物中の炭素−炭素二重結合の各側にこのような官能基の1つを配置して、含有する任意の非環状オレフィン化合物であることができる。これらの2官能基は一般には同じであるが、2官能基が相互に異なることもできる。二官能性非環状オレフィンの例は3−ヘキセン二酸、3−ヘキセン二酸のエステル誘導体(例えば、ジメチル 3−ヘキセンジオエート及びジエチル 3−ヘキセンジオエートのようなジアルキル 3−ヘキセンジオエート)、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオールのエステル(例えば、モノアセテート、ジアセテート、モノプロピオネート、ジプロピオネート、モノブチレート、ジブチレート、モノベンゾエート、モノピバレート、ジピバレート及びジベンゾエート)及びこれらの混合物を包含する。
二官能性非環状オレフィンは公知の方法によって、例えば、炭素原子30個までを含有し、ヒドロキシル、ニトリル、エステル、アルコール、アミン、酸、アシルハライド、ケトン、アルデヒド、ボラン、アミド、酸無水物、エーテル、イミド、ハロゲン原子、炭素数約30までのアルキン、アルキル、アリール及び置換アリール基並びにこれらの混合物から成る反応性部分から選択された少なくとも1つの官能性反応基(置換アリール基の置換基は前記官能性反応基部分の少なくとも1つの反応性置換基及び前記反応性部分の組合せを含む)を含有する非環状オレフィン化合物反応物(非環状オレフィンはオレフィン化合物中の炭素−炭素二重結合の各側にこのような官能基の1つを有することができる)をオレフィンメタセシス反応にかけて、2つの官能性末端反応性部分を有する直鎖官能性オレフィン化合物生成物と、前記1つの非環状直鎖オレフィン化合物反応物よりも低分子量のオレフィン化合物生成物とを製造する方法(米国特許第5,512,635号に記載、この特許はその全体で本明細書に援用される)によって製造される。得られる二官能性非環状オレフィンを本発明の方法に用いることができるまでに、低分子量のオレフィン化合物生成物を公知方法(例えば、米国特許第5,512,635号に記載)によって除去することが必要である;これを除去しない場合には、これが環状オレフィンと反応して(ROMP反応段階)、非官能性末端基を有するポリマーを生成する可能性がある。例えば、製造される典型的な低分子量オレフィン化合物はエチレンであり、これは環状オレフィンと反応して、ビニル末端基を有するポリマーを生じると考えられる。
非環状直鎖オレフィン化合物反応物の例は、炭素数30までのアルキル若しくはアリールアクリレート、アルキル若しくはアリールメタクリレート及びアルキル若しくはアリールウンデシレネート、アリルアセテート、アリルプロピオネート、アリルブチレート、アリルベンゾエート、アリルピバレート、及びビニルアセテートを包含する。
方法に用いた環状オレフィン/非環状オレフィンのモル比は生成物の分子量に影響を与え、このモル比は約1:1から約10,000:1まで、好ましくは1:1から1,000:1まで、より好ましくは1:1から500:1まで、最も好ましくは1:1から250:1までの範囲であることができる。オレフィン反応物の量に対するYZ化合物の使用量はポリオレフィン生成物の飽和度に影響を与える。したがって、多量のYZ(オレフィン反応物に対して)の使用はポリオレフィンの大きい飽和度を生じる傾向がある。一般に、環状オレフィン/YZのモル比は1:10,000から10,000:1まで、好ましくは1:1,000から1,000:1まで、より好ましくは1:100から100:1までの範囲であることができる。
本発明の方法は一般に、「生」の又は溶媒中に溶解した、反応物オレフィンとYZ化合物(単数又は複数種類)から主として成る液体媒質中に溶解及び/又は懸濁した触媒(単数又は複数種類)によっておこなわれる。例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、デカリン及びジクロロメタンのような脂肪族化合物と、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼンのような芳香族化合物を包含する、多様な溶媒を用いることができる。好ましくは、溶媒を用いる場合には、例えばビニル基を有するオレフィン又は非環状オレフィンのような不純物を除去するために、例えば分別蒸留のような技術上周知の方法によって溶媒を精製する。
本発明の方法は適当なROMP反応条件においておこなわれる。一般に、これらの条件は約−20℃〜約250℃(好ましくは、約0℃〜約200℃、より好ましくは約20℃〜約150℃)の範囲である温度と、大気圧未満から高圧まで(典型的には約0.1〜約1000気圧、好ましくは1〜約200気圧、最も好ましくは約2〜50気圧)の範囲である圧力を包含する。反応時間は選択された条件において所望の反応度に達するように選択され、約24時間までに及ぶことができるが、好ましくは約5分間から約10時間までである。反応は例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素及び水素のような、適当な雰囲気下でおこなわれる。
このプロセスは、例えば、Noels等(A.Demonceau,A.F.Noels,E.Saive及びA.J.Hubert,J.Mol.Catal.,1992,76:123〜132;A.W.Stumpf,E.Saive,A.Demonceau及びA.F.Noels,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1995,1127〜1128頁)と、Grubbs等(P.Schwab等,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1995,34:2039〜2041;P.Schwab,R.H.Grubbs及びJ.W.Ziller,J.Am.Chem.Soc.,1995,118:100〜110)とによって述べられているような、技術上公知のメタセシス触媒系であるオレフィンメタセシス触媒の存在下でおこなわれる。好ましくは、ルテニウム化合物(A)と、リン化合物(B)と、炭素−炭素三重結合を含有する化合物(C)とを含有するルテニウムに基づくメタセシス触媒系が用いられる;このルテニウムに基づくメタセシス触媒系は触媒成分又は先駆体としてジアゾ化合物を用いない。化合物A:B:Cのモル比は典型的に約1.0:0.01〜100:0.01〜100の範囲内である。ルテニウム化合物はアニオンリガンド(X)と、場合によってアレーンリガンドと、場合によってリン化合物リガンドとを含有するRu(II)、Ru(III)又はRu(IV)である。リン化合物(B)は、ルテニウム化合物(A)がリン含有リガンドを含有する場合には、任意成分である。
好ましい触媒のルテニウム化合物(A)は、例えば、アニオンリガンド(X)を含有し、場合によってアレーンリガンドと、場合によってリン化合物リガンド(例えば、ホスフィン又はホスファイト)を含有するRu(II)、Ru(III)又はRu(IV)化合物を包含する。一般に、ルテニウム化合物は式:
[RuXn(PR’3)q(アレーン)p]z
式中、n=2,3又は4;q=0,1,2,3又は4;z=1又は2
によって表される。
Xはアニオンリガンド(負に荷電した部分)である。Xは炭素原子約20個までを含有する脂肪族アニオンリガンドであるか又は炭素原子約20個までを含有する芳香族アニオンリガンドであることができる。Xはまた、例えばハロゲン、ヒドロキシド若しくはアルコキシドのような負に荷電した基から選択されることができる;又はXはニトレート(NO3)、ニトリット(NO2)、アセテート(CH3CO2)、トリフルオロアセテート(CF3CO2)、アセチルアセトネート(CH3COCHCOCH3)、ヘキサフルオロアセチルアセトネート(CF3COCHCOCF3)及びこれらの混合物であることができる。
リン化合物リガンド(PR’3)はホスフィン又はホスフィットであることができる。R’はR及び(OR)から選択され、この場合にホスフィン又はホスフィットのR基の各々は同じであるか又は独立的であり、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール及びアリールアルキル基(非置換又は置換形であり、各基は炭素数20まで)から成る群から選択されることができ;置換基はハロゲン、又は炭素数20までのアルキル若しくはアリール部分であることができる。R’がORである場合には、R’とRは水素ではない。R’がRである場合には、少なくとも1つのRは水素ではない。換言すると、リン化合物リガンドはPH3、P(OH)3、PR(OH)2、PR2(OH)、PH(OH)2又はPH2(OH)のいずれでもない。
アレーンリガンドは、置換又は非置換形の炭素数約30までの芳香族リガンドであることができ;置換芳香族リガンドの置換基はハロゲン、炭素数約25までのアルキルとアリール基、炭素数約25までのトリアルキルシリルとトリアリールシリル基、及びこれらの混合物から成る群から選択されることができる。芳香族リガンドはアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン、アリールベンゼン、ポリアリールベンゼン、ハロベンゼン、ハロアルキルベンゼン、ハロアリールベンゼン、アルキルナフタレン、アリールナフタレン、ポリアルキルナフタレン、ポリアリールナフタレン、ハロナフタレン、ハロアルキルナフタレン及びハロアリールナフタレンから選択されることができる。芳香族リガンドは特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン、p−シメン、ジュレン、トリメチルシリルベンゼン、1,4−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン又はナフタレンであることができる。
触媒に有用なルテニウム化合物(A)は、特に、[RuX2(アレーン)]2、RuX2(アレーン)(PRR1R2)、RuX2(アレーン)(PHRR1)、RuX2(アレーン)(PH2R)、RuX2(アレーン)[P(OR)(OR1)(OR2)]、RuX3、RuX3−水和物、RuX2(PRR1R2)3、RuX2(PHRR1)3、RuX2(PH2R)3、RuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]3、RuX2(PRR1R2)4、RuX2(PHRR1)4、RuX2(PH2R)4又はRuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]4(これらの式において、Pはリンである)を包含する。
ルテニウム化合物(A)のリン化合物のR基、例えば上記R、R1及びR2は非置換又は置換形のアルキル、シクロアルキル、アリール及びアルキルアリール基から成る群から選択される同じ基であることも、この群から独立的に選択されることもでき、各基は炭素数約20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)である;置換基はハロゲン(F、Cl、Br及びI)、炭素数約20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)のアルキル又はアリール部分であることができる。
Xは脂肪族アニオンリガンド(負に荷電した脂肪族部分;例えば、炭素数約20まで、好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル)と、芳香族アニオンリガンド(負に荷電した芳香族部分;例えば、炭素数20まで、好ましくは炭素数12まで、より好ましくは炭素数約8まで、例えばフェニル、ベンジル)から成る部分から選択される。Xは例えばハロゲン(F、Cl、Br及びI)、ヒドロキシド(OH)又はアルコキシド(OR3、R3はアルキル、シクロアルキル、アリール及びアルキルアリール基から成る群から選択され、各基は炭素数約20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)である。Xはニトレート(NO3)、ニトリット(NO2)、アセテート(CH3CO2)、トリフルオロアセテート(CF3CO2)、アセチルアセトネート(CH3COCHCOCH3)、ヘキサフルオロアセチルアセトネート(CF3COCHCOCF3)及びこれらの混合物であることができる。
前記ルテニウム化合物(A)、例えば[RuX2(アレーン)]2、RuX2(アレーン)(PRR1R2)、RuX2(アレーン)(PH2R)、RuX2(アレーン)(PHRR1)及びRuX2(アレーン)[P(OR)(OR1)(OR2)]のアレーン基は典型的にベンゼン及びナフタレンのアレーン誘導体に基づく。アレーン基は置換又は非置換形の炭素数約30まで(好ましくは炭素数約20まで、より好ましくは炭素数約15まで)の芳香族リガンドと、これらの混合物である。芳香族リガンドが有することができる置換基の数は芳香核に依存し;例えば、ベンゼン核は6置換基までを有することができ、ナフタレン核は8置換基までを有することができる。置換芳香族リガンドの置換基はハロゲン(例えばF、Cl、Br、I;好ましくはCl)、炭素数約25まで(好ましくは炭素数約20まで、より好ましくは炭素数約12まで、最も好ましくは炭素数約8まで)のアルキルとアリール基、炭素数約25まで(好ましくは炭素数約20まで、より好ましくは炭素数約15まで、最も好ましくは炭素数約8まで)のトリアルキルシリルとトリアリールシリル基、及びこれらの混合物から成る群から選択される。芳香族リガンドはアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン、アリールベンゼン、ポリアリールベンゼン、ハロベンゼン、ハロアルキルベンゼン、ハロアリールベンゼン、アルキルナフタレン、アリールナフタレン、ポリアルキルナフタレン、ポリアリールナフタレン、ハロナフタレン、ハロアルキルナフタレン及びハロアリールナフタレンから選択されることができる。芳香族リガンドは特にベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン、p−シメン、ジュレン、トリメチルシリルベンゼン、1,4−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン、又はナフタレンであることができる。
リン化合物(B)は典型的に、式:PR3、P(OR)3、PH2R、PHRR1、PRR1R2及びP(OR)(OR1)(OR2)で示されるホスフィン及びホスフィット化合物から成る群から選択されることができる。R、R1及びR2は非置換又は置換形のアルキル、シクロアルキル、アリール及びアルキルアリール基から成る群から選択される同じ基であることも、この群から独立的に選択されることもでき、各基は炭素数約20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)である;置換基はハロゲン(F、Cl、Br及びI)、炭素数約20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは炭素数約8まで、最も好ましくは炭素数約6まで)のアルキル又はアリール部分であることができる。リン化合物(B)は好ましくはホスフィン化合物であり、より好ましくは典型的にトリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン及びトリシクロペンチルホスフィンから成る群から選択されるトリアルキルホスフィン又はトリシクロアルキルホスフィン(各アルキル又はシクロアルキルはC3〜C8である)である。ルテニウム化合物(A)がリン含有リガンドを有する場合には、リン化合物(B)は任意成分である。リン含有リガンドを有するこのようなルテニウム化合物(A)は、RuX2(アレーン)(PRR1R2)、RuX2(アレーン)(PHRR1)、RuX2(アレーン)(PH2R)、RuX2(アレーン)[P(OR)(OR1)(OR2)]、RuX2(PRR1R2)3、RuX2(PHRR1)3、RuX2(PH2R)3、RuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]3、RuX2(PRR1R2)4、RuX2(PHRR1)4、RuX2(PH2R)4又はRuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]4(これらの式において、Pはリンである)を包含する。
炭素−炭素三重結合を含有する化合物である触媒化合物(C)は、置換又は非置換形のC2〜C20アルキン(好ましくは炭素数約16まで、より好ましくは炭素数約12まで、最も好ましくは炭素数約8まで)、例えば、末端アルキン、内部アルキン又は、1個以上(例えば、1又は2個)の脂肪族若しくは芳香族官能性置換基(好ましくは炭素数約20まで、より好ましくは炭素数約12まで、最も好ましくは炭素数約8まで)、ハロゲン(F、Cl、Br及びl)、エステル、ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、エーテル、カルボキシル、アミド、無水物、ニトリル、シリル又はアミン官能性置換基及びこれらの混合物を有するアルキンであることができる。触媒化合物(C)はアセチレン(C2H2)、プロピン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキシン、2−ヘキシン、3−ヘキシン、1−ヘプチン、1−オクチン、1−デシン、1−ドデシン、トリメチルシリルアセチレン、フェニルアセチレン、ジフェニルアセチレン、2−ブチン−1,4−ジオール、例えば1,4−ジアセトキシ−2−ブチン、2−ブチン−1,4−ジオールモノアセテート、2−ブチン−1,4−ジオールジアセテート、2−ブチン−1,4−ジオールモノプロピオネート、2−ブチン−1,4−ジオールジプロピオネート、2−ブチン−1,4−ジオールモノベンゾエート、2−ブチン−1,4−ジオールジベンゾエートのような、2−ブチン−1,4−ジオールのエステル誘導体、プロパルギルアルコール、及び例えばプロパルギルアセテート、プロパルギルプロピオネート、プロパルギルブチレート、プロパルギルベンゾエート及びプロパルギルピバレートのようなプロパルギルアルコールのエステル誘導体から成る群から選択されることができる。
化合物として表現されたA:B:Cのモル比は典型的に1:0.01〜100:0.01〜100(好ましくは1.0:0.1〜40:0.1〜40、より好ましくは1.0:0.2〜20:0.2〜20)の範囲内である。化合物として表現されたA:Bのモル比は典型的に1:0.01〜100(好ましくは1.0:0.1〜40、より好ましくは1.0:0.2〜20)の範囲内である。
上記ルテニウムに基づく触媒系によって、水素(H2)の存在が触媒活性、反応物転化率及び生成物収率を改良することが判明している。触媒系活性剤としての水素の存在(典型的には、約1x10-2mmHgから約200気圧まで、好ましくは約0.1mmHgから約100気圧まで、より好ましくは1mmHg〜約20気圧の水素分圧において、但し、一般に圧力は重要ではない)は、本発明の方法では、触媒活性、反応物転化率及び生成物収率を改良する。YZがH2でない場合には、水素化が望ましくないならば、ルテニウムに基づく触媒系を低いH2圧及び/又は低い反応温度の条件下で用いることが望ましい;このような条件は当業者によって容易に決定され、例えば1気圧、60℃においては一般に水素化が殆ど生じない(典型的に、1%未満)。
活性剤はルテニウムに基づく触媒系の1成分として存在することが触媒活性増大、反応物転化率増大及び生成物収率増大のために好ましい。水素(H2)は触媒系の活性剤として作用することが判明している。液相(生の又は溶媒に溶解した反応物オレフィンから成る液相による)中の水素の溶解度が触媒系の触媒活性を助けると推定される。水素が溶媒に可溶性であり、圧力の上昇によって液体媒質中の水素の溶解度が増大することは周知である(A.Seidell、「無機化合物と金属有機化合物の溶解度」,1巻,D.Van Nostrand Co.,N.Y.,N.Y.,1940,564〜567頁)。このような溶媒は以下に列挙する溶媒を包含する。
用いるルテニウムに基づく触媒系を、「生」の又は溶媒に溶解した反応物オレフィンから主として成る液相によって、液相に溶解又は懸濁させる。例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、デカリン及びジクロロメタンのような脂肪族溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼンのような芳香族化合物、並びに例えばジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのような他の溶媒を含めた、多様な溶媒を用いることができる。この触媒系は窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、二酸化炭素又は水素の雰囲気下で、典型的に大気圧未満(即ち、減圧下)から約200気圧までの圧力において用いることができる。水素雰囲気が好ましい。一般に、広範囲の温度、圧力及び反応時間を用いることができる。ルテニウムに基づく触媒系を用いるオレフィンメタセシスプロセスは典型的に約−20℃〜約250℃(好ましくは約0℃〜約200℃、より好ましくは約20℃〜約150℃;但し、一般に温度は重要ではない)において、かつ典型的に大気圧未満から高圧まで(典型的に約0.1気圧から約1000気圧まで、好ましくは約1気圧から約200気圧まで、より好ましくは約2気圧から約50気圧まで;但し、一般に圧力は重要ではない)の範囲の圧力においておこなわれることができる。典型的に、ルテニウムに基づく触媒系を用いるオレフィンメタセシスプロセスの反応時間(又は連続反応における滞留時間)は、選択された条件において所望の反応度を達するように選択され、約24時間までに及ぶことができ、好ましくは約5分間から約10時間までである。
上記ルテニウムに基づく触媒系の使用は、例えばNoels等とGrubbs等によって述べられているような技術上公知の他のメタセシス触媒系に比べて利点を提供する。Noels等とGrubbs等によって報告されている触媒の欠点は、ジアゾ化合物が触媒成分として(Noels等)又は触媒を合成するための試薬として(Grubbs等)用いられることである。Noels等とGrubbs等によって用いられる有機ジアゾ化合物は高価であり、多量には商業的に入手不能である。さらに、これらのジアゾ化合物(例えば、フェニルジアゾメタン)の多くは危険なまでに不安定であり、室温においてさえ爆発する可能性がある(X.Creay,Org.Synth.,Coll.Vol.7,1990,438〜443頁)。好ましい実施態様では、本発明は既述されたルテニウムに基づくメタセシス触媒系をメタセシス(例えば、歪みの小さい(low-strain)環状オレフィンと非環状オレフィンの)のために用いており、このような触媒系は触媒成分又は先駆体としてジアゾ化合物を用いない。
本発明の方法によって製造された線状非架橋二官能性テレキリック部分飽和ポリマーは典型的に、正確に定義された末端基を有する厳密に規則的な構造の実際の線状化合物である。周知であるように、オレフィンメタセシス反応中には副反応が起こりうる。これらの副反応は、アルキル化、異性体化、環化及び二重結合移動を包含する。意外にも、本発明の条件下の交差メタセシス反応にはこれらの副反応が最小であるか又は存在しない。本発明の方法によって製造されたテレキリック二官能性ポリマーの平均官能価(functionality)は、核磁気共鳴分光法(13C NMR)によって測定して、約2である(例えば、1.95〜2.0、好ましくは1.96〜2.0、より好ましくは1.98〜2.0、最も好ましくは2.0)。NMRによって官能価数(functionality number)(Fn)を測定するために用いる方法は非常に重要であり、米国特許第5,559,190号の実施例3、4、5及び6に述べられている。核磁気共鳴分光法手段によって測定される官能価は、Nubel,P.O.等「二段階オレフィンメタセシス方法によるエステル末端テレキリックポリブタジエンの製造」,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical(1997)、115:43〜50によっても述べられている。Fn2.0を例えばFn1.9以下から識別するために、NMRスペクトルにおける非常に弱い(即ち、低強度の)共鳴を包含して、全ての共鳴を同定し、定量することが必要である。これはFnの算出を可能にするために全ての末端基種類を同定し、定量するためにおこなわれる。Fn2.0を例えばFn1.9以下から識別するには、低レベルの非官能性末端基が重要である。理論的な例として、二官能性テレキリック線状ポリマー中の5モル%の非官能性末端基(95モル%の官能性末端基)がFn=1.9に相当する;10モル%の非官能性末端基(90モル%の官能性末端基)はFn=1.8に相当する。したがって、非官能性末端基がポリマー中に官能性末端基種類に対して約5モル%以下のレベルまで存在するかどうかを判定することが必要である。これは、米国特許第5,559,190号とNubel等の文献に述べられているように、特別なNMR条件(例えば、約100:1のシグナル対ノイズ比)を用いることによっておこなうことができる。
本発明の方法によって製造されるテレキリック二官能性ポリマーは、交差メタセシス反応であるオレフィンメタセシス反応によって製造される。交差メタセシス反応は一般に次の3カテゴリー:(1)2種類の異なるオレフィン化合物を製造するための2オレフィン化合物間の原子の置換、(2)非環状ポリマーを製造するための環状オレフィン化合物の開環、及び(3)低分子量のオリゴマーを製造するためのオレフィンポリマーの分解、であるとして分類されている。本発明の反応は3カテゴリーの反応である。
本発明の方法によって得られる非架橋線状テレキリック二官能性ポリマーは、炭素数3〜30の反復モノマー単位を含む、厳密に線状の炭化水素鎖から本質的に成るポリマーとして定義される。モノマー反復単位の数は一般に3から約10,000まで(好ましくは3〜1,000、より好ましくは3〜500、最も好ましくは3〜250)であることができる。
本発明の方法によって得られる非架橋線状二官能性テレキリックポリマーは末端の官能性末端基を含有する二官能性ポリマーとして定義され、平均官能価は、NMRによって測定して、約2である(例えば、1.95〜2.0、好ましくは1.96〜2.0、より好ましくは1.98〜2.0、最も好ましくは2.0);付加生成物の約2の官能価(Fn)は末端基を意味し、YZ反応物のために付加された基を意味するのではない。
反応物、特に環状オレフィンモノマー(例えば、1,5−シクロオクタジエン(COD))の純度は2.0官能価を得ることにおいて重要である。2.0官能価を得ることにおける環状オレフィンモノマーの純度は米国特許第5,559,190号の実施例4、5及び6に明確に説明されている。4−ビニル−1−シクロヘキセンはブタジエンからのCODの製造において形成される商業的COD中の不純物である。例えば4−ビニル−1−シクロヘキセンのようなビニル基を有するオレフィンは開環メタセシス反応における好ましくない連鎖移動剤として作用して、ビニル末端基を有するポリマー生成物を生じる可能性がある(Olefin Metathesis,K.J.Ivin,Academic Press,New York,1983,15章,282〜288頁)。米国特許第5,559,190号の実施例4〜6は、低純度のCOD反応物(0.2%の4−ビニル−1−シクロヘキセンを含有する)の使用が有意な量の好ましくないビニル(非官能性)末端基型を有するポリマー生成物を生じたことを明確に実証している。米国特許第5,559,190号の実施例6における0.2%レベルの4−ビニル−1−シクロヘキセンはAldrich Chemical Co.から得られる商業的COD製品中に存在した。4−ビニル−1−シクロヘキセン不純物の重要性はNubel等の「二段階オレフィンメタセシスプロセスによるエステル末端テレキリックポリブタジエンの製造」,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical(1997),115,43〜50によってさらに検討されている。Nubel文献は、COD反応物が4−ビニル−1−シクロヘキセン不純物を含有する場合に、ポリオレフィンの13C NMRスペクトル中の138.0ppmと114.3ppmにビニル末端基がどのように存在するかを検討している。このことは、例えばビニル末端基のような非官能性末端基の低レベルを定量するためにどのように特別のNMR条件(即ち、約100:1のシグナル対ノイズ比)が必要であるかを述べている米国特許第5,559,190号の実施例4と一致する。
このように、反応物と溶媒とが、本発明の生成物中に非官能性末端基を生じる不純物を含有しないことが必要である。このような不純物はビニル基を有するオレフィンと非環状オレフィンを包含する。
環状オレフィン反応物の非環状オレフィン反応物に対する比は一般に、本発明の方法の生成物の分子量に比例する。したがって、約2.0の官能価を得るためには、生成物の分子量が大きければ大きいほど、環状オレフィン反応物中に存在する不純物(ビニル基を有するオレフィンと非環状オレフィン)は少なくなければならないということになる。
下記実施例は例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。
実施例I
下記実施例はYZ=H2である場合のプロセスを説明する。予想外に、ROMP反応と水素化反応(炭素−炭素二重結合へのH2の付加反応)の両方が1つの触媒系(以下で述べるようなルテニウムに基づく触媒系)のみを用いて生じた。
シス,シス−1,5−シクロオクタジエン(1,5−COD)とシス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス−1,4−DAB)とのROMP反応は60psigの水素雰囲気下でおこなわれた:
15.0mlの1,5−COD(122mmol、GC分析によって99.9%純度)と、3.7mlの1,4−DAB(23mmol、95+%シス、TCI America)、0.098gの[RuCl2(p−シメン)]2(0.16mmol、Strem Chemicals Inc.)と、0.18gのトリシクロヘキシルホスフィン(0.64mmol、Aldrich)と、35mlのクロロベンゼン(Aldrich HPLC等級、4Aモレキュラーシーブ上で乾燥)とから成る溶液を8オンスFisher−Porterガラスボトル中に1気圧のN2下で装填した。シス−1,4−DAB反応物のフレームイオン化検出器(FID)ガスクロマトグラフィー(GC)分析は、この反応物が0.15重量%のアルキン 2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートを含有することを実証した;したがって、上記溶液は0.035mmolの2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートを含有した。このボトルを90℃オイル浴に浸漬し、H2によって60psig(約5気圧)に加圧し、静水素圧下で(水素供給源への弁を閉じて)シールして、液体内容物を90℃において4時間磁気撹拌した(magnetically stirred)。この時間中にボトル中の圧力は徐々に低下し;1時間後に20psigであり、4時間後には〜2psigであった。ボトルを90℃における4時間後に室温に冷却した。反応溶液のフレームイオン化検出器ガスクロマトグラフィー(FID−GC)は、CODの転化が約85%であり、1,4−DABの転化が約44%であることを実証した。クロロベンゼン溶媒、COD及び残留DABの一部を真空下の回転蒸発によって除去して、15gの褐色油状液体生成物を得た。
触媒残渣を除去するために、この褐色油状液体生成物を30mlのクロロベンゼン(55mgのBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)を添加)中に溶解して、25gのシリカゲル(DAVISIL等級923、100〜200メッシュ)カラムに通して濾過した。このカラムを過剰なクロロベンゼンによって洗浄し、洗液(washing)を濾液に加えて、溶媒を蒸発させて、11〜12gの生成物を得た。この生成物を20mlのCH2Cl2中に溶解し、200mlのメタノールと共に激しく撹拌し、メタノール相を分離して、捨てることによって、メタノール洗浄した。メタノール不溶性生成物を同様にメタノールによってさらに2回洗浄した。真空下での回転蒸発によって残留メタノールを除去して、5〜6gの最終油状液体生成物を得た。この最終生成物のGPC分析は次の通りであった。Mn=1660、Mw=2610、Mw/Mn=1.6(THF溶媒;ポリブタジエン校正)。GPCクロマトグラムは大体モノモード(monomodal)であり、主要ピークの低分子量側にショルダーを有した。
生成物のサンプルをCDCl3中に溶解して、13C NMR分光法によってVarian VXR−300分光計を用いて分析した;NMR試験のための緩和剤(relaxation agent)としてクロム・アセチルアセトネート(chromium acetylacetonate)を溶液に加えた。NMR分析は、生成物が部分的水素化1,4−ポリブタジエン・バックボーン構造を有し、60:40シス/トランス炭素−炭素二重結合比を有することを実証した。上記と同じ条件下で、但しH2の存在なしに製造された純粋な不飽和1,4−ポリブタジエン・バックボーン構造に比べて、7〜13%の炭素−炭素二重結合が飽和された(水素化された)ことが推定された。13C NMRによって観察された鎖末端基の割合は約99%のアセテート型末端基(−CH2OC(O)CH3)と約1%のビニル末端基(−CH=CH2)であり、このことはこのNMRデータに基づくと二官能性テレキリックポリマー生成物の1.98のアセテート官能価を実証した。
分析は、生成物が鎖末端基の主要な型としてアセテート型官能基を有する、低分子量の部分的水素化された(部分的飽和された)1,4−ポリブタジエン物質であることを示した。水素化(H2の付加反応)はオレフィンメタセシス(開環オレフィンメタセシス重合、又はROMP)反応と同時に生じた。
水素化が水素圧と共に増大し、100〜3000psigの水素圧を用いることによって炭素−炭素二重結合の約50%が飽和(水素化)されうることが予想される。
実施例II
下記実施例はYZ=HBrである場合のプロセスを説明する。
0.098gの[RuCl2(p−シメン)]2(0.16mmol)と、0.18gのトリシクロヘキシルホスフィン(0.64mmol)と、3.7mlのシス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(“シス−1,4−DAB”、23mmol)と、15.0mlのシス,シス−1,5−シクロオクタジエン(“1,5−COD”、122mmol、GC分析によって99.9%純度)と、35mlのクロロベンゼンとから成る溶液をガラス耐圧反応器(pressure reactor)中にN2下で大気圧(15psig)において装填する。シス−1,4−DAB反応物のフレームイオン化検出器(FID)ガスクロマトグラフィー(GC)分析は、この反応物が0.15重量%のアルキン 2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートを含有することを実証する;したがって、上記溶液は0.035mmolの2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートを含有する。この反応器をガス状HBrによって60psigに加圧し、シールして、90℃に加熱する。反応器内容物を90℃において数時間撹拌する。反応器を冷却し、液体(未反応CODとDAB)の蒸発と、実施例1に述べた手段による触媒残渣の除去とによって、ポリマー生成物を単離する。得られるポリマー生成物は、アセテート型鎖末端基を有する部分的飽和1,4−ポリブタジエン物質である。炭素−炭素二重結合へのHBrの付加のために部分的飽和したポリマー生成物は、ポリマーバックボーンにペンダントBr基を含有する。このようなポリマー生成物が約2.0のアセテート官能価を有することが予想される。
本明細書に述べる他のYZ反応物が実施例IとIIにおける反応物と同様に反応することが予想される。
したがって、上記を考慮すると、本発明はその一部として(in part)下記に関する:
ビニル基以外の末端官能性反応基を含有する線状テレキリック二官能性不飽和ポリマーの付加生成物の製造方法であって、少なくとも1種の炭素数約4〜30の環状オレフィンと、少なくとも1種の炭素数約30までの二官能性非環状オレフィンと、少なくとも1種の反応物YZとを少なくとも1種のオレフィンメタセシス触媒の存在下で同時に反応させて、線状二官能性不飽和ポリマーの付加生成物を製造することを含み、YZがROMP反応条件下で炭素−炭素二重結合に付加することができる上記製造方法。
YZがH2、D2、H2O、過酸化水素、ハロゲン、ハロゲン化水素、無機ハロヒドリン(この場合、Yはハロゲンであり、Zはヒドロキシルである)、硫酸、炭素数30までのハロゲン化炭素化合物、炭素数約30までのアルキルハライドとアリールハライド、構造式ROH[式中、Rは炭素数30までのアルキル、アリール、アリールアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、ハロゲン化アリールアルキル基である]で示されるアルコール並びにこれらの混合物から成る群から選択される上記方法。
前記環状オレフィンが、シクロヘプテン;1,3−シクロオクタジエン;1,4−シクロオクタジエン;1,5−シクロオクタジエン;ノルボルネン;ノルボルナジエン、2,2,2−ビシクロオクテン−2;シクロオクテン;シクロデセン;メチルシクロオクタジエン;ジメチルシクロオクタジエン;メチルシクロオクテン;ジメチルシクロオクテン;1,4,7−シクロノナトリエン;1,4−シクロデカジエン;1,5−シクロドデカジエン;1,6−シクロデカジエン;1,7−シクロドデカジエン;1,4,7−シクロドデカトリエン;1,5,9−シクロドデカトリエン;トリメチル1,5,9−シクロドデカトリエン;シクロペンテン;シクロドデセン;シクロブテン;1,9,17−シクロテトラコサトリエン;1−メチル−1,5−シクロオクタジエン;3−フェニル−1−シクロオクテン;3−ベンジル−1−シクロオクテン;3−トリル−1−シクロオクテン;5−クロロ−1−シクロオクテン;1−クロロ−1,5−シクロオクタジエン;5−クロロ−1−シクロドデセン;5,5−ジクロロ−1−シクロオクテン及びこれらの混合物から成る群から選択される上記方法。
前記非環状オレフィンが、3−ヘキセン二酸、3−ヘキセン二酸のエステル、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオールのエステル、及びこれらの混合物から成る群から選択される上記方法。
2−ブテン−1,4−ジオールの前記エステルがモノアセテート、ジアセテート、モノプロピオネート、ジプロピオネート、モノブチレート、ジブチレート、モノベンゾエート、ジベンゾエート、モノピバレート及びジピバレートから成る群から選択される上記方法。
3−ヘキセン二酸の前記エステルがジメチル 3−ヘキセンジオエート及びジエチル 3−ヘキセンジオエートから成る群から選択される上記方法。
前記二官能性非環状オレフィンの官能基がヒドロキシル、ニトリル、エステル、アルコール、アミン、酸、アシルハライド、ケトン、アルデヒド、ボラン、アミド、酸無水物、エーテル、イミド、ハロゲン原子、炭素数約30までのアルキン、アルキル、アリール及び置換アリール基並びにこれらの混合物から成る群から選択される上記方法。
前記ハロゲンがF2、Cl2、Br2又はI2であり、前記ハロゲン化水素がHF、HCl、HBr又はHIであり、前記ハロゲン化炭素化合物が約12個(又は約8個又は約6個)までの炭素原子を含有し、前記アルキルハライドとアリールハライドが約12個までの炭素原子を含有し、前記Rが炭素数約12(又は約8又は約6)までのアルキル、アリール、アリールアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール又はハロゲン化アリールアルキル基である上記方法。
前記オレフィンメタセシス触媒がルテニウム化合物(A)と、リン化合物(B)と、炭素−炭素三重結合を含有する化合物(C)とを含有するルテニウムに基づくメタセシス触媒系であり、化合物として表現されるA:B:Cのモル比が1.0:0.01〜100:0.01〜100の範囲内である上記方法。
前記ルテニウム化合物はアニオンリガンド(X)を含有し、場合によってアレーンリガンドと場合によってリン化合物リガンドとを含有するRu(II)、Ru(III)又はRu(IV)である。
リン化合物(B)は、ルテニウム化合物(A)がリン含有リガンドを含有する場合には、任意成分である。
前記環状オレフィンがシス,シス−1,5−シクロオクタジエンであり、前記二官能性非環状オレフィンがシス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテンであり、前記YZ反応物がH2、HBr又はBr2であり、前記化合物(A)が(RuCl2(p−シメン))2であり、前記化合物(B)がトリシクロヘキシルホスフィンであり、前記化合物(C)が2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートである上記方法。
前記プロセスが約−20℃〜約250℃の温度及び約1気圧〜約1000気圧の圧力においておこなわれる上記方法。
炭素原子30個までを含有し、ヒドロキシル、ニトリル、エステル、アルコール、アミン、酸、アシルハライド、ケトン、アルデヒド、ボラン、アミド、酸無水物、エーテル、イミド、ハロゲン原子、炭素数約30までのアルキン、アルキル、アリール及び置換アリール基並びにこれらの混合物から成る反応性部分から選択された少なくとも1つの官能性反応基(前記置換アリールの置換基は前記官能性反応基の部分の1つの反応性置換基と、前記反応性部分の組合せを含む)を含有する非環状線状オレフィン化合物反応物をオレフィンメタセシス反応にかけて、2個の官能性末端反応性部分を有する線状官能性オレフィン化合物生成物と、前記1種の非環状線状オレフィン化合物反応物よりも低分子量のオレフィン化合物生成物とを製造し、さらに、より低分子量のオレフィン化合物生成物を、2個の官能性末端反応性部分を有する前記線状官能性オレフィン化合物生成物から分離することを含むプロセスによって、前記二官能性非環状オレフィンが製造される上記方法。
前記非環状オレフィン化合物反応物が炭素数30までのアルキル若しくはアリールアクリレート、炭素数30までのアルキル若しくはアリールメタクリレート、炭素数30までのアルキル若しくはアリールウンデシレネート、アリルアセテート、アリルプロピオネート、アリルブチレート、アリルベンゾエート、アリルピバレート、及びビニルアセテートから成る群から選択される上記方法。
YがH又はハライドであり、ZがH、ハライド又はヒドロキシルである上記方法。
本発明はまた、その一部として、本発明の方法に下記ルテニウムに基づく触媒系を用いることにも関する:
ルテニウム化合物(A)と、リン化合物(B)と、炭素−炭素三重結合を含有する化合物(C)とを含み、化合物として表現されるA:B:Cのモル比が1.0:0.01〜100:0.01〜100の範囲内である、ルテニウムに基づくメタセシス触媒系。
前記ルテニウム化合物(A)は、アニオンリガンド(X)を含有し、場合によってアレーンリガンドと場合によってリン化合物リガンドを含有するRu(II)、Ru(III)又はRu(IV)化合物である。
但し、リン化合物(B)は、前記ルテニウム化合物(A)がリン含有リガンドを含有する場合には、任意成分である。
前記ルテニウム化合物が式:
[RuXn(PR’3)q(アレーン)p]z
式中、n=2,3又は4;q=0,1,2,3又は4;z=1又は2
によって表される、ルテニウムに基づく上記触媒系。
化合物として表現されるA:B:Cの前記モル比が約1.0:0.1〜40:0.1〜40(又は、約1.0:0.2〜20:0.2〜20)の範囲内である、ルテニウムに基づく上記触媒系。
Xが脂肪族アニオンリガンド(例えば、炭素原子20個まで若しくは12個まで若しくは8個まで若しくは6個までを含有;例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、又はヘキシル)又は芳香族アニオンリガンド(例えば、炭素原子20個まで若しくは12個まで若しくは8個まで若しくは6個までを含有;例えばフェニル若しくはベンジル)であるか、又はXがハロゲン(F、Cl、Br及びI)、ヒドロオキシド若しくはアルコキシド(例えば、OR3(R3はアルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリール基(例えば炭素数約250まで若しくは約12まで若しくは約8まで若しくは約6まで)から成る群から選択される)であるか、又はXがニトレート、ニトリット、アセテート、トリフルオロアセテート、アセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトネート及びこれらの混合物から成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。
R’がR及び(OR)から選択され、この場合にR基の各々は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール及びアリールアルキル基(各基は炭素数約20まで若しくは約12まで若しくは約8まで若しくは約6までであり、非置換又は置換形であり、例えば置換形の場合には、置換基はハロゲン(F、Cl、Br及びI)又はアルキル若しくはアリール基(例えば炭素数約20まで若しくは約12まで若しくは約8まで若しくは約6まで)であることができる)から成る群から選択される同じものであるか、又は独立的に選択され;R’がORである場合には、R’とRは水素ではなく;R’がRである場合には、少なくとも1つのRは水素ではない、ルテニウムに基づく上記触媒系。
前記ルテニウム化合物(A)の前記アレーンリガンドが、非置換芳香族リガンド(例えば、炭素数約30まで若しくは約20まで若しくは約15まで)、置換芳香族リガンド(例えば、炭素数約30まで若しくは約20まで若しくは約15まで)、又はこれらの混合物から成る群から選択され、前記ルテニウム化合物(A)の前記アレーン基の前記置換芳香族リガンドの置換基がハロゲン(F、Cl、Br及びI)、アルキル及びアリール基(例えば炭素数約25まで若しくは約20まで若しくは約8まで)、トリアルキルシリル及びトリアリールシリル基(例えば、炭素数約25まで若しくは約20まで若しくは約8まで)並びにこれらの混合物から成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。アレーンリガンドはアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン、アリールベンゼン、ポリアリールベンゼン、ハロベンゼン、ハロアルキルベンゼン、ハロアリールベンゼン、アルキルナフタレン、アリールナフタレン、ポリアルキルナフタレン、ポリアリールナフタレン、ハロナフタレン、ハロアルキルナフタレン及びハロアリールナフタレンから選択されることができる。アレーンリガンドはベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン、p−シメン、ジュレン、トリメチルシリルベンゼン、1,4−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン又はナフタレンから成る群から選択されることができる。
前記リン化合物(B)が、式:PR3、P(OR)3、PH2R、PHRR1、PRR1R2及びP(OR)(OR1)(OR2)[式中、R、R1及びR2は非置換又は置換形のアルキル、シクロアルキル、アリール及びアルキルアリール基(例えば、炭素数約20まで若しくは約12まで若しくは約8まで若しくは約6までの基)から成る群から選択される同じ基であるか、又は独立的に選択され、置換基はハロゲン(F、Cl、Br及びI)、炭素数20まで(好ましくは炭素数約12まで、より好ましくは約8まで、最も好ましくは約6まで)のアルキル若しくはアリール部分であることができる]で示されるホスフィン化合物及びホスフィット化合物から成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。リン化合物(B)は好ましくはホスフィン化合物であり、より好ましくは、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン及びトリシクロペンチルホスフィンから成る群から選択されるトリアルキルホスフィン又はトリシクロアルキルホスフィン(各アルキル又はシクロアルキルはC3〜C8である)である。
前記化合物(C)が、置換又は非置換形のアルキン(例えば、炭素数約20まで若しくは約16まで若しくは約12まで若しくは約8まで)であるか、又は末端アルキン、内部アルキン又は、1個以上の脂肪族、芳香族、ハロゲン(F、Cl、Br及びl)、エステル、ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、エーテル、カルボキシル、アミド、無水物、ニトリル、シリル又はアミン基及びこれらの混合物を有するアルキンから成る群から選択される、又は好ましくは、アセチレン、プロピン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキシン、2−ヘキシン、3−ヘキシン、1−ヘプチン、1−オクチン、1−デシン、1−ドデシン、トリメチルシリルアセチレン、フェニルアセチレン、ジフェニルアセチレン、2−ブチン−1,4−ジオール、例えば1,4−ジアセトキシ−2−ブチン、2−ブチン−1,4−ジオールモノアセテート、2−ブチン−1,4−ジオールジアセテート、2−ブチン−1,4−ジオールモノプロピオネート、2−ブチン−1,4−ジオールジプロピオネート、2−ブチン−1,4−ジオールモノベンゾエート、2−ブチン−1,4−ジオールジベンゾエートのような、2−ブチン−1,4−ジオールのエステル誘導体、プロパルギルアルコール、及び例えばプロパルギルアセテート、プロパルギルプロピオネート、プロパルギルブチレート、プロパルギルベンゾエート及びプロパルギルピバレートのようなプロパルギルアルコールのエステル誘導体から成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。
水素(H2)が1x10-2mmHgから約200気圧まで(又は0.1mmHgから約100気圧まで、又は1mmHgから約20気圧まで)の水素の分圧において触媒系の活性剤として存在する、ルテニウムに基づく上記触媒系。
前記ルテニウム化合物(A)が[RuCl2(p−シメン)]2、[RuCl2(4−tert−ブチルトルエン)]2、[RuCl2(1,3−ジイソプロピルベンゼン)]2、[RuCl2(1,4−ジイソプロピルベンゼン)]2、及び[RuCl2(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)]2から成る群から選択され、前記リン化合物(B)がトリシクロヘキシルホスフィンであり、炭素−炭素三重結合を含有する前記化合物(C)が1,4−ジアセトキシ−2−ブチン、3−ヘキシン及び1−デシンから成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。
前記ルテニウム化合物(A)が、[RuX2(アレーン)]2、RuX2(アレーン)(PRR1R2)、RuX2(アレーン)(PHRR1)、RuX2(アレーン)(PH2R)、RuX2(アレーン)[P(OR)(OR1)(OR2)]、RuX3、RuX3−水和物、RuX2(PRR1R2)3、RuX2(PHRR1)3、RuX2(PH2R)3、RuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]3、RuX2(PRR1R2)4、RuX2(PHRR1)4、RuX2(PH2R)4及びRuX2[P(OR)(OR1)(OR2)]4[これらの式において、Pはリンであり、Xは脂肪族アニオンリガンド、芳香族アニオンリガンド、ハロゲン(F、Cl、Br及びI)、ヒドロキシド、アルコキシド、ニトレート、ニトリット、アセテート、トリフルオロアセテート、アセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトネート及びこれらの混合物から成る群から選択され、R,R1及びR2は非置換及び置換形のアルキル、シクロアルキル、アリール及びアリールアルキル基から選択される同じものであるか又は独立的に選択され、前記ルテニウム化合物(A)のアレーン基が非置換芳香族リガンド、置換芳香族リガンド、及びこれらの混合物から成る群から選択される、ルテニウムに基づく上記触媒系。
本発明のさらなる変更及び改変は上記から当業者に明らかになると思われ、これらは本明細書に添付する請求の範囲によって包括されるように意図される。
下記米国特許及び特許出願はそれらの全体において(特に、本発明に用いられることができる触媒と、例えば環状オレフィンと非環状オレフィンのような反応物に関するそれらの教示に関して)本明細書に援用される:5,519,101;5,403,904;5,512,635;5,589,548;5,559,190;5,589,543;5,621,047;及び1996年9月3日出願の08/706,893。
1997年4月24日出願の米国特許出願08/842,251と1997年4月25日出願のPCT出願PCT/US97/0693とは、それらの全体において(特に、本発明に用いられることができるルテニウムに基づくメタセシス触媒系に関するそれらの教示に関して)本明細書に援用される。
Claims (7)
- ビニル基以外の末端官能性反応基を含有する線状テレキリック(telechelic)二官能性不飽和ポリマーの付加生成物の製造方法であって、
少なくとも1種の炭素数4〜30の環状オレフィンと、
3−ヘキセン二酸、3−ヘキセン二酸のエステル、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオールのエステル、及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の炭素数30までの二官能性非環状オレフィンと、
H 2 、D 2 、H 2 O、過酸化水素、ハロゲン、ハロゲン化水素、YがハロゲンでありZがヒドロキシルである無機ハロヒドリン、硫酸、炭素数30までのハロゲン化炭素化合物、炭素数30までのアルキルハライドとアリールハライド、構造式ROH[式中、Rは炭素数30までのアルキル、アリール、アリールアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール又はハロゲン化アリールアルキル基である]で示されるアルコール及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の開環オレフィンメタセシス重合(ROMP)反応条件下で炭素−炭素二重結合に付加することができる反応物YZと、を
ルテニウム化合物(A)と、リン化合物(B)と、炭素−炭素三重結合を含有する化合物(C)とを含む、ルテニウムに基づく触媒系であり、化合物として表現されるA:B:Cのモル比が1.0:0.01〜100:0.01〜100の範囲内であり;前記ルテニウム化合物(A)がアニオンリガンド(X)を含有し、場合によってアレーンリガンドと、場合によってリン化合物リガンドとを含有するRu(II)、Ru(III)又はRu(IV)化合物であり;ルテニウム化合物(A)がリン含有リガンドを含有する場合にはリン化合物(B)が任意成分である少なくとも1種のオレフィンメタセシス触媒の存在下で同時に反応させて、線状二官能性不飽和ポリマーの付加生成物を製造することを含む、上記製造方法。 - 前記環状オレフィンが、シクロヘプテン;1,3−シクロオクタジエン;1,4−シクロオクタジエン;1,5−シクロオクタジエン;ノルボルネン;ノルボルナジエン、2,2,2−ビシクロオクテン−2;シクロオクテン;シクロデセン;メチルシクロオクタジエン;ジメチルシクロオクタジエン;メチルシクロオクテン;ジメチルシクロオクテン;1,4,7−シクロノナトリエン;1,4−シクロデカジエン;1,5−シクロドデカジエン;1,6−シクロデカジエン;1,7−シクロドデカジエン;1,4,7−シクロドデカトリエン;1,5,9−シクロドデカトリエン;トリメチル 1,5,9−シクロドデカトリエン;シクロペンテン;シクロドデセン;シクロブテン;1,9,17−シクロテトラコサトリエン;1−メチル−1,5−シクロオクタジエン;3−フェニル−1−シクロオクテン;3−ベンジル−1−シクロオクテン;3−トリル−1−シクロオクテン;5−クロロ−1−シクロオクテン;1−クロロ−1,5−シクロオクタジエン;5−クロロ−1−シクロドデセン;5,5−ジクロロ−1−シクロオクテン及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載の方法。
- 前記ハロゲンがF2、Cl2、Br2又はI2であり、前記ハロゲン化水素がHF、HCl、HBr又はHIであり、前記ハロゲン化炭素化合物が12個までの炭素原子を含有し、前記アルキルハライドとアリールハライドが12個までの炭素原子を含有し、前記Rが炭素数12までのアルキル、アリール、アリールアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール又はハロゲン化アリールアルキル基である、請求項1記載の方法。
- 前記環状オレフィンがシス,シス−1,5−シクロオクタジエンであり、前記二官能性非環状オレフィンがシス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテンであり、前記YZ反応物がH2、HBr又はBr2であり、前記化合物(A)が(RuCl2(p−シメン))2であり、前記化合物(B)がトリシクロヘキシルホスフィンであり、前記化合物(C)が2−ブチン−1,4−ジオールジアセテートである、請求項1記載の方法。
- 炭素原子30個までを含有し、ヒドロキシル、ニトリル、エステル、アルコール、アミン、酸、アシルハライド、ケトン、アルデヒド、ボラン、アミド、酸無水物、エーテル、イミド、ハロゲン原子、炭素数30までのアルキン、アルキル、アリール及び置換アリール基並びにこれらの混合物から成る反応性部分から選択された少なくとも1つの官能性反応基(前記置換アリールの置換基は前記官能性反応基の部分の1つの反応性置換基と、前記反応性部分の組合せを含む)を含有する非環状線状オレフィン化合物反応物をオレフィンメタセシス反応にかけて、2個の官能性末端反応性部分を有する線状官能性オレフィン化合物生成物と、前記1種の非環状線状オレフィン化合物反応物よりも低分子量のオレフィン化合物生成物とを製造し、さらに、より低分子量のオレフィン化合物生成物を、2個の官能性末端反応性部分を有する前記線状官能性オレフィン化合物生成物から分離することを含むプロセスによって、前記二官能性非環状オレフィンが製造される、請求項1記載の方法。
- 前記非環状線状オレフィン化合物反応物が炭素数30までのアルキル若しくはアリールアクリレート、炭素数30までのアルキル若しくはアリールメタクリレート、炭素数30までのアルキル若しくはアリールウンデシレネート、アリルアセテート、アリルプロピオネート、アリルブチレート、アリルベンゾエート、アリルピバレート、及びビニルアセテートから成る群から選択される、請求項5記載の方法。
- YとZが、Hとハライドから独立的に選択される、請求項1記載の方法。
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