JP4174193B2 - 電子線またはx線用ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

電子線またはx線用ポジ型レジスト組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物に関し、特に電子線又はX線で照射して得られるパターンプロファイルに優れ、高感度で高解像力である電子線またはX線用化学増幅系ポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミンクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるまでになってきている。更に、電子線またはX線により更に微細なパターン形成が検討されるに至っている。
【0003】
特に電子線またはX線は次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置づけられ、高感度、高解像度かつ矩形なプロファイル形状を達成し得るポジ型及びネガ型レジスト組成物の開発が望まれている。
【0004】
更には、ポジ型電子線あるいはX線レジストの場合,大気中の塩基性汚染物質の影響あるいは照射装置内外で曝される影響(塗膜の乾燥)を受けやすく表面が難溶化し、ラインパターンの場合にはT−Top形状(表面がT字状の庇になる)になり、コンタクトホールパターンの場合には表面がキャッピング形状(コンタクトホール表面に庇形成)になるという問題があった。
一方、キャッピング形状あるいはT−Top形状を防止するために、バインダーを親水的にすると膜べりが起こるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高感度かつ高解像度で、得られるレジストパターンプロファイルが矩形(特に電子線照射用レジストに特有のT−top形状とならない)である、優れた電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
高性能に向けた検討の結果、電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物において、酸により脱離する基の中にp−ヒドロキシスチレン単位(p−エチルフェノール)のイオン化ポテンシャル(Ip:約8.9eV)より低いIp値を示す構造を含むポリマーと特定の低分子アセタール化合物とを用いることで、高性能、高解像、さらに優れたレジストパターンプロファイルが得られることを見出した。即ち、本発明により、下記の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物が提供され上記目的が達成される。
【0007】
(a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物、
(b1)酸の作用により脱離する基の中に、p−エチルフェノールのイオン化ポテンシャル値より小さいイオン化ポテンシャル値を示す化合物の残基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、及び
(c)一般式(A)または一般式(B)で表されるアセタール化合物のうち少なくとも一種
を含有することを特徴とする電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0008】
【化6】
Figure 0004174193
【0009】
式(A)または(B)中、R1’およびR2’は互いに独立して炭素数1〜30の有機基を表す。
(2) 前記(b1)樹脂が、水酸基を有するアルカリ可溶性ポリマーと下記一般式(C)で表されるビニルエーテル化合物および下記一般式(D)で表されるアルコール化合物とを酸触媒下反応させて得られる樹脂であることを特徴とする前記(1)記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0010】
【化7】
Figure 0004174193
【0011】
式(C)中、R3’は炭素数1〜30の有機基を表す。
式(D)中、Wは2価の有機基を表す。Xは有機基であり、HO−Xのイオン化ポテンシャル(Ip)の値がp−エチルフェノールのIp値より小さい値を示す基である。nは0〜4の整数を表す。nが2〜4のとき、複数のWは同じでも異なっていても良い。
(3)(a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物、
(b2)式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、及び
(c)請求項1に記載の一般式(A)または一般式(B)で表されるアセタール化合物のうち少なくとも一種
を含有することを特徴とする電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0012】
【化8】
Figure 0004174193
【0013】
式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2及びR3は、各々独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。W、X、nは前記と同義である。
(4) Xが式(II)で表されることを特徴とする前記(2)又は(3)記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
−L−Y (II)
式(II)中、Lは単結合又はアルキレン基を表す。Yは
【0014】
【化9】
Figure 0004174193
【0015】
の群から選ばれる基を表す。R4は、各々独立に炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。n1は0〜3の整数、n2は0〜7の整数、n3は0〜9の整数、n4は0〜9の整数、n5は0〜9の整数を表す。
(5) 前記(c)アセタール化合物の総量が、前記(b1)あるいは(b2)のポリマーの総重量に対して0.1重量部以上100重量部未満であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジレジスト組成物。
(6) (a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(I')〜(III')のいずれかで表される化合物のうち少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0016】
【化10】
Figure 0004174193
【0017】
式中、R1〜R37は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状、分岐状あるいは 環状アルキル基、直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−S−R38基を表す。R38は、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基又はアリール基を表す。また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して、単結合、炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上を含む環を形成していてもよい。
-は、スルホン酸のアニオンを表す。
【0018】
以下に、好ましい態様を記載する。
(7) X-が、
少なくとも1個のフッ素原子、
少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシル基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシロキシ基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニル基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルオキシ基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルアミノ基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアリール基、
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアラルキル基、及び
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキシカルボニル基、
から選択された少なくとも1種を有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸のアニオンであることを特徴とする前記(6)電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0019】
(8)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主に含むことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0020】
(9)(e)有機塩基性化合物を更に含有することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0021】
(10)(f)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を更に含有することを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物(以下、ポジ型電子線又はX線レジスト組成物ともいう)について説明する。
【0023】
〔I〕(a)電子線又はX線の照射により酸を発生する化合物(以下、「成分(a)」ともいう)
成分(a)としては、電子線又はX線の照射により酸を発生する化合物であれば、いずれのものでも用いることができるが、一般式(I')〜(III')で表される化合物が好ましい。
【0024】
一般式(I')〜(III')において、R1〜R38の直鎖状、分岐状アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。R1 〜R37の直鎖状、分岐状アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
環状アルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
1 〜R37のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
38のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げられる。
【0025】
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0026】
また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して形成する、単結合、炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上を含む環としては、例えば、フラン環、ジヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオフェン環、ピロール環等を挙げることができる。
【0027】
一般式(I')〜(III')において、X-はスルホン酸のアニオンである。
さらに例として、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0028】
なかでもX-は下記基から選択される少なくとも1種を有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸のアニオンであることが、より好ましい。
少なくとも1個のフッ素原子
少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基
少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシル基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシロキシ基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニル基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルオキシ基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルアミノ基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアリール基
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアラルキル基及び
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキシカルボニル基
【0029】
上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロドデシル基、パーフロロシクロヘキシル基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1〜4のパーフロロアルキル基が好ましい。
【0030】
上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエトキシ基、ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフロロブトキシ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフロロドデシルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好ましい。
【0031】
上記アシル基としては、炭素数が2〜12であって、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロロアセチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフロロベンゾイル基等を挙げることができる。
【0032】
上記アシロキシ基としては、炭素数が2〜12であって、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオキシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
【0033】
上記スルホニル基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニル基、ペンタフロロエタンスルホニル基、パーフロロブタンスルホニル基、パーフロロオクタンスルホニル基、ペンタフロロベンゼンスルホニル基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることができる。
【0034】
上記スルホニルオキシ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニルオキシ、パーフロロブタンスルホニルオキシ基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
【0035】
上記スルホニルアミノ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニルアミノ基、パーフロロブタンスルホニルアミノ基、パーフロロオクタンスルホニルアミノ基、ペンタフロロベンゼンスルホニルアミノ基等を挙げることができる。
【0036】
上記アリール基としては、炭素数が6〜14であって、1〜9個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニル基、4−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフロロナフチル基、ノナフロロアントラニル基、4−フロロフェニル基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げることができる。
【0037】
上記アラルキル基としては、炭素数が7〜10であって、1〜15個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニルメチル基、ペンタフロロフェニルエチル基、パーフロロベンジル基、パーフロロフェネチル基等を挙げることができる。
【0038】
上記アルコキシカルボニル基としては、炭素数が2〜13であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメトキシカルボニル基、ペンタフロロエトキシカルボニル基、ペンタフロロフェノキシカルボニル基、パーフロロブトキシカルボニル基、パーフロロオクチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0039】
最も好ましいX-としてはフッ素置換ベンゼンスルホン酸アニオンであり、中 でもペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオンが特に好ましい。
【0040】
また、上記含フッ素置換基を有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸は、さらに直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基(これらの炭素数範囲は前記のものと同様)、ハロゲン(フッ素を除く)、水酸基、ニトロ基等で置換されてもよい。
【0041】
一般式(I')で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0042】
【化11】
Figure 0004174193
【0043】
【化12】
Figure 0004174193
【0044】
【化13】
Figure 0004174193
【0045】
【化14】
Figure 0004174193
【0046】
【化15】
Figure 0004174193
【0047】
一般式(II')で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0048】
【化16】
Figure 0004174193
【0049】
【化17】
Figure 0004174193
【0050】
一般式(III')で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0051】
【化18】
Figure 0004174193
【0052】
【化19】
Figure 0004174193
【0053】
【化20】
Figure 0004174193
【0054】
【化21】
Figure 0004174193
【0055】
以下に一般式(I')〜(III')で表される化合物以外の酸発生剤の例を挙げる。
【0056】
【化22】
Figure 0004174193
【0057】
【化23】
Figure 0004174193
【0058】
【化24】
Figure 0004174193
【0059】
一般式(I')〜(III')で表される化合物は、1種あるいは2種以上を併用して用いてもよい。
【0060】
一般式(I')、(II')の化合物は、例えばアリールマグネシウムブロミド等のアリールグリニャール試薬と、置換又は無置換のフェニルスルホキシドとを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換する方法、置換あるいは無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物とをメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミニウム等の酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、又はジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅等の触媒を用いて縮合、塩交換する方法等によって合成することができる。
式(III')の化合物は過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させることにより合成することができる。
また、塩交換に用いるスルホン酸あるいはスルホン酸塩は、市販のスルホン酸クロリドを加水分解する方法、芳香族化合物とクロロスルホン酸とを反応する方法、芳香族化合物とスルファミン酸とを反応する方法等によって得ることができる。
【0061】
以下具体的に、一般式(I')〜(III')の具体的化合物の合成方法を以下に示 す。
(ぺンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の合成)
ペンタフロロペンセンスルホニルクロリド25gを氷冷下メタノール100m1に溶解させ、これに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gをゆっくり加えた。室温で3時間撹伴するとペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液が得られた。この溶液をスルホニウム塩、ヨードニウム塩との塩交換に用いた。
【0062】
(トリフェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成:具体例(I−1)の合成)
ジフェニルスルホキシド509をベンゼン800m1に溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、24時間還流した。反応液を水2Lにゆっくりと注ぎ、これに濃塩酸400m1を加えて70℃で10分加熱した。この水溶液を酢酸エチル500m1で洗浄し、ろ過した後にヨウ化アンモニウム200gを水400m1に溶解したものを加えた。
析出した粉体をろ取、水洗した後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニウムヨージドが70g得られた。
トリフェニルスルホニウムヨージド30.5gをメタノール1000m1に溶解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4時間撹伴した。溶液をろ過し、これに過剰量の上記で合成したペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン500m1に溶解し、この溶液を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、及び水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフェニルスルホニウムペンタフロロベンセンスルホネートが得られた。
【0063】
(トリアリールスルホニウムペンタフロロベンセンスルホネートの合成:具体例(I−9)と(II−1)との混合物の合成)
トリアリールスルホニウムクロリド50g(Fluka製、トリフェニルスルホニ ウムクロリド50%水溶液)を水500m1に溶解させこれに過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液を加えると油状物質が析出してきた。上澄みをデカントで除き、得られた油状物質を水洗、乾燥するとトリアリールスルホニウムペンタフロロべンセンスルホネート(具体例(I−9)、(II−1)を主成分とする)が得られた。
【0064】
(ジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンセンスルホネートの合成:具体例(III−1)の合成)
t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170m1を混合し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下した。氷冷下2時間撹伴した後、室温で10時間撹伴した。反応液に氷冷下、水500m1を加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500m1を加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、及び水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンセンスルホネートが得られた。
その他の化合物についても同様の方法を用いることで合成できる。
【0065】
本発明において使用される成分(a)は、上記の電子線又はX線の照射により分解して酸を発生する化合物に限られるものではなく、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている電子線又はX線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0066】
たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特願平3-140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307 (1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049 号、同第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号等に記載 のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同3,902,114号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のス ルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレ ノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公 昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特 開昭61-169835 号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007 (1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2-161445号等に記 載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、 D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、 J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022 号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、 欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第618,564号、同4,371,605号、 同4,431,774号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に 記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0067】
また、これらの電子線又はX線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada etal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、獨国特許第3914407号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63- 146038号、特開昭63-163452 号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0068】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許 第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0069】
上記併用可能な電子線又はX線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0070】
【化25】
Figure 0004174193
【0071】
式中、R201 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3をし めす。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0072】
【化26】
Figure 0004174193
【0073】
【化27】
Figure 0004174193
【0074】
【化28】
Figure 0004174193
【0075】
(2)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0076】
【化29】
Figure 0004174193
【0077】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206 は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
【化30】
Figure 0004174193
【0079】
【化31】
Figure 0004174193
【0080】
【化32】
Figure 0004174193
【0081】
【化33】
Figure 0004174193
【0082】
【化34】
Figure 0004174193
【0083】
成分(a)は、単独で使用しても、複数を混合して使用してもよい。成分(a)のとしての総含量は、本発明のポジ型電子線又はX線レジスト組成物全組成物の固形分に対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。
【0084】
〔II〕酸分解性樹脂
本発明で使用される樹脂は、p−エチルフェノールのイオン化ポテンシャル(Ip)値より小さいIp値を有する化合物の残基を含有する離脱基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂である。
ここで言うIp値とは、MOPACによる分子軌道計算で算出されたものを指す。MOPACによる分子軌道計算とは、James J.P.Stewart,Journal of Computer-Aided Molecular Design Vol.4, No.1 (1990), pp.1-105 に開示された手法によるものである。この分子軌道計算は、例えば、Oxford Molecular 社のソフトウエアー、CACheを使用することにより行うことができる。尚、この計算において使用するパラメーターとしては、PM3パラメーターが好ましい。
Ip値は、好ましくは8.9未満、より好ましくは8.6以下、更に好ましくは8.2以下である。下限については特に限定されないが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。
【0085】
本発明において、p−エチルフェノールより小さいIp値を有する化合物の残基とは、当該Ip値を有する化合物から水素原子をひとつ除いた基を意味する。
【0086】
本発明の樹脂は、上記離脱基を有する繰り返し単位として、上記一般式(I)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。式(I)において、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Wは2価の有機基、Xは有機基であり、H−O−XのIp値がp−エチルフェノールのIp値より小さいものである。nは0〜4の整数であり、好ましくは1または2である。nが複数のとき、複数のWは同じでも異なっていてもよい。
尚、式(I)中においての離脱基は、R2及びR3が共通に結合している炭素原子からXまでの基が相当している。
【0087】
Wの2価の有機基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
アルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rf)(Rg)〕r−
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、アルコキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。rは1〜10の整数である。
シクロアルキレン基としては、炭素数3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0088】
2及びR3としての炭素数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0089】
また、式(I)中のXが式(II)で表される構造であることが好ましい。
−L−Y (II)
式(II)中、Lは単結合またはアルキレン基、Yは
【0090】
【化35】
Figure 0004174193
【0091】
から選ばれる基を表す。ここで、R4は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
Lとしてのアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rf)(Rg)〕r−
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。rは1〜10の整数である。
【0092】
4としての炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、置換基を有していてもよい。置換基としては、置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数10以下である。
【0093】
本発明の離脱基を付与する繰り返し単位の単量体としては、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸等に代表される置換スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、無水マレイン酸、フマル酸エステル類、マレイミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物が挙げられる。
【0094】
本発明で用いられる(b1)あるいは(b2)のポリマーは、フェノール性水酸基を有する幹ポリマーのそのフェノール性水酸基の一部を該当するビニルエーテル化合物と酸触媒とを用いてアセタール化反応させることにより得ることができる。例えば、特開平5−249682、特開平8−123032、特開平10−221854に記載の方法でアセタール基を導入することができる。
また、本発明で用いられる(b1)あるいは(b2)のポリマーは、J. Photopolym. Sci. Tech., 11(3) 431 (1998)に記載された S. Malikのアセタール交換反応を用いて所望のアセタール基を導入することが可能である。
即ち、本発明で用いられる(b1)あるいは(b2)のポリマーは、水酸基を有するアルカリ可溶性ポリマーと上記一般式(C)で表されるビニルエーテル化合物および上記一般式(D)で表されるアルコール化合物とを酸触媒下反応させて得られる樹脂であることが好ましい。ここで、水酸基を有するアルカリ可溶性ポリマーとしては、フェノール性水酸基を有する樹脂が好ましく、より好ましくはポリヒドロキシスチレン、あるいはポリヒドロキシスチレン共重合体である。
ここで、酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等を用いることができる。
この方法は、例えば下記反応式に示すように、フェノール性水酸基を有する樹脂と、上記一般式(C)で示されるビニルエーテル化合物及び上記一般式(D)で示されるアルコール化合物とを酸触媒存在下反応させることによりR3及びR4、若しくはR4のみを下記一般式(F)に示すようにアセタール基として導入することができる。
【0095】
【化36】
Figure 0004174193
【0096】
本発明においては、アセタール化の方法としては反応前駆体(ビニルエーテル)を合成することなく、入手容易なアルコールを用いて行うことができるアセタール交換反応が好ましい。
以下に、本発明で使用される離脱基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0097】
【化37】
Figure 0004174193
【0098】
【化38】
Figure 0004174193
【0099】
【化39】
Figure 0004174193
【0100】
【化40】
Figure 0004174193
【0101】
【化41】
Figure 0004174193
【0102】
本発明における酸分解性樹脂は、本発明の特定の離脱基を有する繰り返し単位の単量体、必要に応じて、他の脱離基(酸分解性基)を有する繰り返し単位の単量体、酸分解性基を有しない単量体とともに、重合することにより合成できる。
【0103】
即ち、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
【0104】
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
【0105】
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0106】
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルアクリレート):
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等。
【0107】
メタクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレート):
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等。
【0108】
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等がある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等。
【0109】
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等がある)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等。
【0110】
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等。
【0111】
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等。
【0112】
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等。
【0113】
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等。
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類;ジブチルフマレート等。
【0114】
その他クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等。
【0115】
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
【0116】
酸分解性樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0117】
本発明における酸分解性樹脂は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知の方法によって合成できる。対応するモノマーを組み合わせてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モノマーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用した場合に、より好適に合成できる。また、重合開始種によってモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適当な保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保護することによって望む重合体を得ることができる。重合法については、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講座19高分子化学[I]等に記載されている。
【0118】
酸分解性樹脂における本発明の離脱基を有する繰り返し単位の単量体の含有量は、全繰り返し単位に対して一般的に5〜40モル%、好ましくは、10〜25モル%である。
【0119】
また、本発明の酸分解性樹脂は、分子量が3、000を超え、1,000,000以下である。好ましくは、重量平均分子量が3,000を越え、500,000以下である。より好ましくは、重量平均分子量が3,000を越え、100,000以下である。
【0120】
上記の合成方法により合成できる酸分解性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であることが好ましく、これにより、特にレジストを高感度化することができる。なお、このような分子量分布の樹脂は、上記合成方法において、リビングアニオン重合を利用することによって合成することができる。
【0121】
(c)アセタール化合物。
本発明における(c)成分は、一般式(A)及び/又は一般式(B)で表される化合物である。
1’及びR2’はそれぞれ独立して、炭素数1〜30個の有機基を表す。この有機基の炭素数としては、好ましくは2〜20個であり、より好ましくは4〜16個である。
1’およびR2’の炭素数1〜30個の有機基としては、直線、分岐、あるいは環状の置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、または置換基を有していても良いアラルキル基が挙げられる。
【0122】
直鎖、分岐、または環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基,n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチルエチル基等の炭素数1〜12個のアルキル基があげられる。
これらのアルキル基の更なる置換基としては、水酸基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、アルコキシ基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、アリールオキシ基、スルホニル基を有する置換基等が挙げられる。ここで、カルボニル基としては、アルキル置換カルボニル基、芳香族置換カルボニル基が好ましく、エステル基としてはアルキル置換エステル基、芳香族置換エステル基が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基等が好ましい。シクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基等が挙げられ、ヘテロ原子を含むものとしては、オキソラニル基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、このアリール基には置換基を有していてもよい。スルホニル基を有する置換基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基等が挙げられる。
【0123】
アリール基としては、芳香環の骨格としてベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン骨格等が挙げられ、具体的には炭素数6〜30個のものが挙げられ、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等が挙げられる。これらのアリール基には、アルキル基の更なる置換基で記載したものを置換基として有することができる。
アラルキル基としては、芳香環の骨格としてベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン骨格等が挙げられ、具体的には炭素数7〜30個のものが挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、ナフチルメチル基等があげられる。これらのアラルキル基には、アルキル基の更なる置換基で記載したものを置換基として有することができる。
1’およびR2’の炭素数1〜30個の有機基としては、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニルメチル基、3,4,5−トリメトキシフェニルメチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、9−アンスリルメチル基、10−メトキシ−1−アンスリル基、9−フェナンスレン基、1−ピレニルメチル基である。
【0124】
上記アセタール化合物の合成法としては、ビニルエーテル化合物と、対応するアルコール化合物とを適当な溶剤に溶解し、酸触媒存在下反応させることにより合成することができる。ここで酸触媒としてはp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等を用いることができる。
反応はアセタール交換反応を伴うことがあり、複数のアセタール化合物の混合物として得られることがあるが、単体でも、混合物であっても本発明の目的に好適に用いることができる。
ビニルエーテル化合物及びアルコール化合物としては、各々上記一般式(C)及び一般式(D)で表すことができる。一般式(C)においてR3’の炭素数1〜30個の有機基としては、一般式(A)又は一般式(B)のR1’およびR2’の炭素数1〜30個の有機基と同様ものを挙げることができる。また、一般式(D)におけるW、X、nとしては前述の(b1)あるいは(b2)の樹脂のところで説明したものと同義である。
以下、本発明に好適に用いられる(c)アセタール化合物の例を示す。尚、以下の具体例において、Meはメチル基、t−Buはt−ブチル基、iso-Buはイソブチル基を表す。
【0125】
【化42】
Figure 0004174193
【0126】
【化43】
Figure 0004174193
【0127】
【化44】
Figure 0004174193
【0128】
【化45】
Figure 0004174193
【0129】
【化46】
Figure 0004174193
【0130】
【化47】
Figure 0004174193
【0131】
【化48】
Figure 0004174193
【0132】
【化49】
Figure 0004174193
【0133】
【化50】
Figure 0004174193
【0134】
【化51】
Figure 0004174193
【0135】
【化52】
Figure 0004174193
【0136】
【化53】
Figure 0004174193
【0137】
本発明の必須成分である(c)アセタール化合物は、(b1)又は(b2)のポリマーの固形分100重量部に対して0.1重量部以上100重量部未満であることが好ましい。更に好ましくは、1重量部以上50重量部未満であり、より好ましくは2重量部以上30重量部未満である。100重量部を超えるとレジストの耐熱性が低下する傾向となるため好ましくなく、また0.1重量部未満では本発明の効果を発現できない場合がある。
【0138】
〔III〕溶剤
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する点で溶剤を含有する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用することができる。
本発明において、溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましく、またこれにより、面内均一性に優れるようになる。
本発明の組成物の固形分(下記で説明される他の添加剤等も含む)の濃度が、一般的に0.5〜20重量%、好ましくは3〜15重量%となるように溶剤に溶解させる。
【0139】
〔IV〕有機塩基性化合物
本発明で用いられる有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
なかでも下記式(A)〜(E)で示される構造を含む含窒素塩基性化合物が好ましい。
【0140】
【化54】
Figure 0004174193
【0141】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0142】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0143】
これらの有機塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機塩基性化合物の使用量は、本発明の(a)電子線又はX線の照射により酸を発生する化合物に対し、通常、0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%である。0.01モル%未満ではその添加の効果が得られない。一方、10モル%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0144】
〔V〕フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型フォトレジスト組成物に使用できる界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好適に用いられ、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することができる。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62-36663号、同61-226746号、同61-226745号、同62-170950号、同63-34540号、特開平7-230165号、同8-62834号、同9-54432号、同9-5988号、米国特許5405720号、同5360692号、同5529881号、同5296330号、同5436098号、同5576143号、同5294511号、同5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0145】
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の界面活性剤を併用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、アクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0146】
これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の全組成物の固形分に対し、通常、2重量%以下、好ましくは1重量%以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上を組み合わせて添加することもできる。
【0147】
半導体の更なる進歩を追求していくと本質的なレジストの高解像力等の性能に加え、感度、塗布性、最小塗布必要量、基板との密着性、耐熱性、組成物の保存安定性等の種々の観点より高性能の組成物が要求されている。
最近では、出来上がりのチップの取れる絶対量を増やすため大口径のWaferを使用してデバイスを作成する傾向にある。
しかしながら、大口径に塗布すると、塗布性、特に面内の膜厚均一性の低下が懸念されるため、大口径のWaferに対しての膜厚面内均一性の向上が要求されている。この均一性を確認することができる手法としてWafer内の多数点で膜厚測定を行い、各々の測定値の標準偏差をとり、その3倍の値で均一性を確認することができる。この値が小さい程面内均一性が高いと言える。値としては、標準偏差の3倍の値が100以下が好ましく、50以下がより好ましい。
また、光リソグラフィー用マスク製造においてもCDリニアリティーが最重要視され、ブランクス内の膜厚面内均一性の向上が要求されている。
【0148】
本発明のレジスト組成物は、溶剤に溶かした後濾過することができる。そのために使用されるフィルターは、レジスト分野で使用されるものの中から選択され、具体的にはフィルターの材質が、ポリエチレン、ナイロン又はポリスルフォンを含有するものが使用される。
より具体的には、ミリポア社製のマイクロガード、マイクロガードPlus、マイクロガードミニケム−D、マイクロガードミニケム−D PR、ミリポア オブチマイザーDEV/DEV−C、ミリポア オブチマイザー16/14、ポール社製のウルチボアN66、ポジダイン、ナイロンファルコン等が挙げられる。また、フィルターの孔径については下記の方法により確認したものを使用できる。つまり超純水中にPSL標準粒子(ポリスチレンラテックスビーズ 粒子径0.100μm)を分散させて、チューブポンプにてフィルター1次側に連続的に定流量で流し、チャレンジ濃度をパーティクルカウンターにより測定し、90%以上捕捉できたものを孔径0.1μmフィルターとして使用できる。
【0149】
本発明のポジ型電子線又はX線レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)あるいは光リソグラフィー用マスク製造用基板(例:ガラス/Cr被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
【0150】
本発明の組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0151】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0152】
1.構成素材の合成例
(1)電子線またはX線により酸を発生する化合物
(1−1)ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の合成ペンタフロロベンゼンスルホニルクロリド25gを氷冷下メタノール100mlに溶解させ、これに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gをゆっくり加えた。室温で3時間攪拌するとペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液が得られた。この溶液をスルホニウム塩、ヨードニウム塩との塩交換に用いた。
【0153】
(1−2)トリフェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、24時間還流した。反応液を氷2Lにゆっくりと注ぎ、これに濃塩酸400mlを加えて70℃で10分加熱した。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニウムヨージドが70g得られた。
トリフェニルスルホニウムヨージド30.5gをメタノール1000mlに溶解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4時間攪拌した。溶液をろ過し、これに過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン500mlに溶解し、この溶液を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(I−1)が得られた。
【0154】
(1−3)ジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成
t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下した。氷冷下2時間攪拌した後、室温で10時間攪拌した。反応液に氷冷下、水500mlを加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500mlを加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(III−1)が得られた。
他の酸発生剤についても上記と同様の方法を用いて合成できる。
【0155】
(2)樹脂の合成
(合成例1) ビニルエーテル1の合成
4−メトキシ−1−ナフトール25g、クロロエチルビニルエーテル22.9gをDMAc 140mlに溶解させ、NaOH 6.90gを加えて120℃で2時間攪拌した。その後NaCl塩を濾過し、酢酸エチルと水を加えて分液した。その後有機層から酢酸エチルを留去し、メタノールで再結晶を行い、ビニルエーテル1を収率84%で得た。
【0156】
(合成例2〜14) ビニルエーテル2〜14の合成
加えるアルコールを変更する以外は合成例1と同様に反応を行い、シリカゲルカラムクロマトもしくはメタノール再結晶により、ビニルエーテル2〜14を得た。
【0157】
(合成例15) ビニルエーテル15の合成
乾燥したフラスコ中に、9−ヒドロキシメチルアントラセン25gを無水THF 100mlに溶解させ、窒素気流下で0℃に冷却した。水素化ナトリウム3.17gを加え、しばらく攪拌させた。その後、0℃のままクロロエチルビニルエーテル19.2gを滴下し、滴下終了後、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルと水を加えて分液した。その後有機層から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ビニルエーテル15を収率88%で得た。
【0158】
【化55】
Figure 0004174193
【0159】
【化56】
Figure 0004174193
【0160】
【化57】
Figure 0004174193
【0161】
(合成例16) 樹脂1の合成
日本曹達株式会社製、ポリ(p-ヒドロキシスチレン)(VP−8000)50gを無水THF200gに溶解させ、ビニルエーテル1を15.25g、p-トルエンスルホン酸80mgを加えて室温下18時間攪拌した。反応液を超純水5L中に激しく攪拌しながら滴下、再沈を行った。得られた樹脂を真空乾燥機中で70℃下、12時間乾燥し、樹脂1を得た。なお、VP−8000の重量平均分子量はGPC測定ポリスチレンを標準サンプルとして9800であった。
【0162】
(合成例17〜30)
加えるビニルエーテルを変更する以外は合成例16と同様に反応を行い、樹脂2〜15を得た。
【0163】
上記で合成した樹脂を以下に示す。
【0164】
【化58】
Figure 0004174193
【0165】
【化59】
Figure 0004174193
【0166】
【化60】
Figure 0004174193
【0167】
【化61】
Figure 0004174193
【0168】
(合成例31)
ポリ(p−ヒドロキシスチレン) 日本曹達(株)製(分子量8,000) 70gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)320gに溶解し更にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩0.35gを加え60℃に加熱溶解した。この混合物を60℃、20mmHgまで減圧して約40gの溶剤を系中に残存している水とともに留去した。20℃まで冷却し、下記構造のアルコール(alchol)(1)44.1gを添加溶解した。その後tert−ブチルビニルエーテル17.5gを添加し、5時間20℃下撹拌を続けた。反応混合物に酢酸エチル280mlを加え、更に140mlの水及び12mlのアセトンを加えて抽出操作を行った。水洗操作を3回繰り返した後、60℃、20mmHgにて留去を行い系中の水分を除去した。
更に得られた樹脂溶液をアセトンで希釈し、大量のヘキサンに沈殿させることで白色の樹脂を得た。
この操作を3回繰り返し、得られた樹脂を真空乾燥器で40℃、24時間加熱して乾燥し、以下に示す構造の〔樹脂16〕を得た。重量平均分子量は8,400であった。
【0169】
(合成例32)〜(合成例39)
加えるアルコールを下記構造のアルコール(2)〜(8)に変更する以外は合成例31と同様に反応を行い、樹脂17〜23を得た。
【0170】
【化62】
Figure 0004174193
【0171】
【化63】
Figure 0004174193
【0172】
【化64】
Figure 0004174193
【0173】
上記の樹脂が有している式(I)におけるHO−X対応部分のIp値は、以下のとおりである。 Oxford Molecular社製、ソフトウエア− CAChe4.1.1 のMOPAC(PM3パラメータ)を使用して算出した。 (単位:eV)
樹脂1: 8.237
樹脂2: 8.717
樹脂3: 8.783
樹脂4: 8.505
樹脂5: 8.543
樹脂6: 8.469
樹脂7: 8.293
樹脂8: 8.722
樹脂9: 8.715
樹脂10: 8.477
樹脂11: 7.698
樹脂12: 8.029
樹脂13: 8.500
樹脂14: 8.109
樹脂15: 8.015
樹脂16: 8.588
樹脂17: 8.608
樹脂18: 8.739
樹脂19: 8.413
樹脂20: 8.746
樹脂21: 8.109
樹脂22: 8.851
樹脂23: 8.182
比較用樹脂24:10.890(計算対象化合物エタノール)
【0174】
また、各樹脂の離脱基を有する繰り返し単位の比率及び重量平均分子量を以下に示す。
【0175】
【表1】
Figure 0004174193
【0176】
(合成例40)
ベンジルアルコール 54.1g及びp−トルエンスルホン酸 0.4gをPGMEA 230gに溶解し、60℃、20mmHg下減圧留去を行って、系中の水を除去した。 留分は約18gであった。20℃まで冷却した後、tert−ブチルビニルエーテル50.1gを添加し1時間撹拌を行った。反応混合物に0.4gのトリエチルアミンを加え撹拌した後、酢酸エチル200mlを添加し、100mlの水で水洗抽出を行った。この水洗工程を3回繰り返した後、酢酸エチルを減圧留去し、アセタール化合物A−1及びA−2混合物を得た。この混合物をシリカゲルカラムクロマトで単離した。
【0177】
【化65】
Figure 0004174193
【0178】
(合成例41)
ベンジルアルコールの代わりに下記に示すアルコール化合物を用い、合成例40と同様の方法でアセタール化合物A−3〜A−12を得た。
【0179】
【表2】
Figure 0004174193
【0180】
【化66】
Figure 0004174193
【0181】
2.実施例〔実施例1〜23及び比較例1、2〕
(1)レジストの塗設
樹脂1(12g)、酸発生剤(I−1)(0.11g)、含窒素塩基性化合物B−1(0.0065g)、界面活性剤W−1(0.0022g)、アセタール化合物(A−9)(表3に記載の添加量)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.5gに溶解させ、これを0.1μmのテフロンフィルターによりろ過して実施例1のレジスト溶液を調製した。
同様にして、表3に示すように各成分の種類を変えて、実施例2〜23及び比較例1、2のレジスト溶液を調製した。
各試料溶液をスピンコーターを利用して、シリコンウエハー上に塗布し、120℃、90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.5μmのレジスト膜を得た。
【0182】
(2)レジストパターンの作成
このレジスト膜に電子線描画装置(加圧電圧50KV)を用いて照射を行った。
照射後にそれぞれ真空吸着型ホットプレートで(110℃で60秒)加熱を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。
得られたコンタクトホールパターン及びラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡により観察した。
【0183】
(3)感度及び解像力の評価
感度は、0.20μmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射量を感度とし、その照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。0.20μmライン(ライン:スペース=1:1)が解像しないものついては限界の解像力を解像力とし、その時の照射量を感度とした。
【0184】
パターントップとボトムでのライン幅の評価
走査型電子顕微鏡で0.2μmライン(ライン:スペース=1:1)のライン幅を上部(トップ)と底部(ボトム)で観測し、トップとボトムのライン幅の差により評価した。0.2μmライン(ライン:スペース=1:1)が解像しないものについては限界の解像力でのライン幅について評価した。
◎:トップ部とボトム部のライン幅の差が3%未満(ボトム部のライン幅に対する%)
○:トップ部とボトム部のライン幅の差が5%未満(ボトム部のライン幅に対する%)
×:トップ部とボトム部のライン幅の差が5%以上(ボトム部のライン幅に対する%)
【0185】
【表3】
Figure 0004174193
【0186】
表3において使用した略号は下記の内容を示す。
【0187】
有機塩基性化合物については、以下の通りである。
B−1:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
B−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
B−3:4−ジメチルアミノピリジン
B−4:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
B−5:N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルチオ尿素
【0188】
界面活性剤については、以下の通りである。
W−1:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−2:メガファックF176(大日本インキ(株)製)
W−3:メガファックR08(大日本インキ(株)製)
W−4:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
W−5:サーフロンS−382(旭硝子(株)製)
【0189】
【表4】
Figure 0004174193
【0190】
表4の結果から、本発明のポジ型レジスト組成物は、高感度かつ高解像度で、得られるパターンプロファイルが良好であることが判る。
【0191】
実施例1〜23において、溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=80/20(重量比)に変更して同様に実施したところ、同様な効果が得られた。
【0192】
(4)等倍X線露光によるパターニング
上記実施例1及び20と比較例1及び2の各レジスト組成物を夫々用い、上記(1)と同様の方法で膜厚0.40μmのレジスト膜を得た。次いで、等倍X線露光装置(ギャップ値;20nm)を用いた以外は上記(2)と同様にしてパターニングを行い、上記(3)と同様の方法でレジスト性能を評価した。評価結果を表5に示す。
【0193】
Figure 0004174193
【0194】
上記表5より明らかなように、本発明のレジスト組成物がX線露光においても極めて優れた性能を示すことが判る。
【0195】
【発明の効果】
本発明の電子線又はX線用ポジ型レジスト組成物は、高感度かつ高解像度で、得られるレジストパターンが良好である。

Claims (6)

  1. (a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物、
    (b2)式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、及び
    (c)一般式(A)または一般式(B)で表されるアセタール化合物のうち少なくとも一種
    を含有することを特徴とする電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004174193
    式(A)または(B)中、R1'およびR2'は互いに独立して炭素数1〜30の有機基を表す。
    Figure 0004174193
    式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2及びR3は、各々独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    Wは2価の有機基を表す。
    Xは式(II)で表される部分構造を表す。
    nは0〜4の整数を表す。nが2〜4のとき、複数のWは同じでも異なっていても良い。
    −L−Y (II)
    式(II)中、Lは単結合又はアルキレン基を表す。Yは
    Figure 0004174193
    の群から選ばれる基を表す。
    4は、各々独立に炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
    n1は0〜3の整数、n2は0〜7の整数、n3は0〜9の整数、n4は0〜9の整数、n5は0〜9の整数を表す。
  2. (a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物、
    (b3)下記構造式(I−1)もしくは(I−2)で表される繰り返し単位を有する樹脂、または、(b4)下記構造式(I−A)で表される構造からなる樹脂、及び
    (c)一般式(A)または一般式(B)で表されるアセタール化合物のうち少なくとも一種
    を含有することを特徴とする電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004174193
    Figure 0004174193
    Figure 0004174193
    式(A)または(B)中、R1'およびR2'は互いに独立して炭素数1〜30の有機基を表す。
  3. 前記(b2)樹脂が、水酸基を有するアルカリ可溶性ポリマーと下記一般式(C)で表されるビニルエーテル化合物および下記一般式(D)で表されるアルコール化合物とを酸触媒下反応させて得られる樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004174193
    式(C)中、R3'は炭素数1〜30の有機基を表す。
    式(D)中、Wは2価の有機基を表す。
    Xは式(II)で表される部分構造を表す。
    nは0〜4の整数を表す。nが2〜4のとき、複数のWは同じでも異なっていても良い。
    −L−Y (II)
    式(II)中、Lは単結合又はアルキレン基を表す。Yは
    Figure 0004174193
    の群から選ばれる基を表す。
    4は、各々独立に炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
    n1は0〜3の整数、n2は0〜7の整数、n3は0〜9の整数、n4は0〜9の整数、n5は0〜9の整数を表す。
  4. 前記(c)アセタール化合物の総量が、前記(b2)、(b3)または(b4)のポリマーの総重量に対して0.1重量部以上100重量部未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
  5. (a)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(I')〜(III')のいずれかで表される化合物のうち少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004174193
    式中、R1〜R37は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状、分岐状あるいは 環状アルキル基、直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−S−R38基を表す。R38は、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基又はアリール基を表す。また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して、単結合、炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上を含む環を形成していてもよい。
    -は、スルホン酸のアニオンを表す。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子線またはX線用ポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜に電子線またはX線を照射し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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