JP4167007B2 - 工具状態検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具または被加工物の何れか一方を回転部に装着した状態で回転させることにより被加工物の加工を行なう工作機械装置について使用される、工具状態検知装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
被加工物を加工する所謂マシニングセンタなどの工作機械は、無人の状態で運転されることが多い。従って、加工に使用される工具に例えば折損が発生した場合には、その状態を自動的に検出して工具を交換する必要がある。
【0003】
従来、工具の状態として折損を検知する方式には様々なものがある。例えば、加工が終了した後、工具がツールマガジンに収納された状態で、スイングバー式のリミットスイッチを用いて検知する機械検知型や、工具の折損によりスピンドル(主軸)が無負荷となることで、消費電力が変化することに基づいて検知する電力検知型などがある。
【0004】
しかしながら、機械検知型のものでは加工の全工程が終了した後に検知を行うため、加工の途中で工具が折損した場合は、その状態で被加工物の加工が行なわれてしまう可能性がある。すると、工具の折損状態が悪化したり、被加工物の加工不良が発生するおそれがある。加えて、上記の検出機構は比較的大掛かりなものとなるため、設置スペースの確保が問題となる。
【0005】
また、電力検知型では、加工時におけるスピンドルの負荷が小さく消費電力量も小さい場合には、工具が折損した場合の電力変化量も小さいため、検知を行なうことができない。例えば、定格12kWのスピンドルでφ2のドリル穴加工を行った場合には、工具の折損による電力変化の差が現れない。
【0006】
更に、工具と被加工物との間に直流電圧を印加しておき、両者の接触、非接触状態をスイッチとみなした閉回路を構成し、前記スイッチの開閉状態によって検出を行なう方式もあるが、主軸のベアリング部分に電蝕現象などが発生するため、装置の信頼性を低下させるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工の途中であっても、また、負荷が小さい場合でも、工具の状態を確実に検出することができる工具状態検知装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の工具状態検知装置は、工具または被加工物の何れか一方を回転部に装着した状態で回転させることにより前記被加工物の加工を行なう工作機械装置について使用されるものであり、
出力端子の一端が前記回転部を支承する固定部に接続された状態で、前記回転部側に高周波信号を輻射する高周波信号出力手段と、
この高周波信号出力手段によって輻射される高周波信号を、前記回転部を指向した状態で受信する受信手段と、
前記受信手段による受信電界強度を測定する電界強度測定手段とを備え、
前記高周波信号出力手段と、前記受信手段とは、前記回転部の回転中心を介して径方向にほぼ180度の位置関係となるように配置され、
前記工具と前記被加工物との間の相対的な変位状態と、前記受信手段による前記高周波信号の受信状態とに基づいて、前記工具の状態を検知することを特徴とする。
【0009】
即ち、高周波信号出力手段によって出力される高周波信号は、工作機械装置の回転部と固定部との間に輻射・印加される。そして、回転部の回転が停止している場合、回転部と固定部との間はベアリング(軸受)などを介して電気的に導通接触している。よって、両者間のインピーダンスは、回転部が有するインダクタンス→ベアリング部の抵抗→固定部が有するインダクタンス、の総和となる。また、回転部が回転する場合は、ベアリングのボール若しくはローラは油膜に覆われるため、その油膜がキャパシタンスをなす。
【0010】
そして、上記構成の工作機械装置においては、工具、被加工物の何れか一方は固定部側に電気的に接続されているので、工具と被加工物とが接触すると、回転部と固定部とが直接接続されることになり、高周波信号の伝送路におけるインピーダンスは大きく変化する。
【0011】
するとその時、回転部を指向した状態で高周波信号を受信している受信手段の受信状態も大きく変化するので、工具と被加工物との間の相対的な変位状態と受信手段の受信状態とを参照すれば、工具の状態を検知することができる。そして、工具による被加工物の加工が行われている途中であっても状態の検知が可能であり、また、工具にかかる負荷が小さい場合でも検知することができる。更に、広いスペースを要せずとも状態検知を行なうことができ、従来のように直流電圧を用いないので、電蝕等が発生することもない。
【0012】
また、高周波信号は回転部に対して輻射されるため、その信号の一部が受信手段に直接受信されてしまう、所謂「回り込み」が発生するおそれがある。従って、前記高周波信号出力手段と、前記受信手段とを、前記回転部の回転中心を介して径方向にほぼ180度の位置関係となるように配置すれば、高周波信号が受信手段に直接受信されることを極力防止できる。
加えて、前記受信手段による受信電界強度を測定する電界強度測定手段を備えるので、受信手段による受信状態の変化を、受信電界強度の変化によって簡単に観測することができる。
【0013】
また、請求項に記載したように、前記高周波信号出力手段と、前記受信手段とを、軸方向について異なる位置に配置すると良く、この場合も、軸方向における位置をずらすことで、高周波信号の回り込みを防止することができる。
【0014】
更に、請求項に記載したように、前記工具の状態として、工具の折損を検知することが好適である。即ち、工具が折損した状態で被加工物の加工が行われると、加工不良が発生する可能性が高いので、本発明によれば工具の折損を速やかに検知して対応することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明を主軸装置を有してなる工作機械に適用した場合の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、工作機械の構成を概略的に示すと共に、本発明の工具状態検知装置の構成を示すものである。工作機械(工作機械装置)50の主軸装置1は、例えば、中空円筒状のヘッド(ハウジング,固定部)2内に、スピンドル(主軸,回転部)3とそのスピンドル3を回転駆動させる図示しない誘導モータとを内蔵するビルトインタイプとして構成されている。スピンドル3の先端部分(及び図示しない後端部分)は玉軸受4によりヘッド2に対して回転自在に支承されている。尚、ヘッド2及びスピンドル3は、いずれも鉄系材料で構成されている。
【0017】
スピンドル3の先端には、図示しないチャック機構によって把持されるツールホルダ5が把持されており、ツールホルダ5には切削加工用の工具6が取付けられている。
【0018】
工作機械50は、ベッド51上にサドル52及びテーブル53が配置されており、テーブル53上に導電性材料よりなる被加工物54が載置される。また、ベッド51上には、コラム55が立設されており、そのコラム55は、主軸装置1を支持するようになっている。
【0019】
また、コラム55と主軸装置1との間には、図示しない駆動機構が存在しており、主軸装置1を上下方向に変位させて工具6により被加工物54の加工を行なうようになっている。尚、ベッド51、サドル52、テーブル53及びコラム55も、鉄系材料によって構成されている。
【0020】
高周波信号出力装置7の出力端子の一端は、同軸ケーブル8の中心導体8aを介して送信用電極9に接続され、他端は同軸ケーブル8の外部導体8bを介して主軸装置1のハウジング(機械側アース)2に接続されている。送信用電極9は、円弧状を成して例えばヘッド2に固定支持されており、スピンドル3がヘッド2の下端面より若干下方に突出している部分3aと所定の間隔(0.5mm)を有するように配置されている。
【0021】
高周波信号出力装置7は、例えば100MHzの高周波信号を出力する。即ち、周波数を100MHzにすることで、送信用電極9のサイズを小型にすることができる。また、高周波信号の波長の1/4が工具6の長さ以下になると共振が発生し、誤動作の原因となるおそれがある。従って、工具6の長さが例えば700mmであれば、周波数は100MHz程度が適当となる。加えて、100MHzの高周波信号は、FM帯でも使用されていないためノイズが少なく、測定を行なうのに有利である。
【0022】
また、送電用電極9のサイズは、スピンドル3の突出部3aの長さと外径に応じて適切となるように設定すれば良いが、本実施例では、5mm×100mmの面積を有している。尚、高周波信号出力装置7、同軸ケーブル8及び送信用電極9は、高周波信号出力手段を構成している。
【0023】
圧縮空気送出装置(圧縮空気送出手段)10は、送信用電極9側から当該電極9と突出部3aとの間に乾燥圧縮空気を送出するものである。即ち、工具6によって被加工物54の加工を行なう際には、切削屑が生じたり、或いは冷却用のクーラント液が図示しない供給手段によって供給される。これらが電極9とスピンドル3の突出部3aとの間に入ると両者が短絡する可能性があることから、その防止のために乾燥圧縮空気を送出するようになっている。
【0024】
即ち、図3に示すように、送信用電極9は、例えば樹脂製の電極部11に取り付けられている。電極部11は、径方向に厚みを有する円弧状に形成されており、突出部3aと対向する面側には、例えば深さ1mm程度の溝12が形成されている。そして、送信用電極9は、溝12に貼り付けられている。
【0025】
また、電極部11の図3(b)中左方側には貫通孔13が設けられており、圧縮空気送出装置10より送出された圧縮空気は、この貫通孔13を介して送信用電極9と突出部3aとの間に供給される。また、溝12及び貫通孔13も圧縮空気送出手段を構成している。
【0026】
そして、送信用電極9とスピンドル3の回転中心を介して径方向にほぼ180度となる位置には、電界強度計(電界強度測定手段)14を構成する受信コイル(受信手段)15が配置されている。電界強度計14は、高周波信号出力装置7によって出力された高周波信号を受信コイル15により受信して、その受信電界強度を測定するように構成されている。電界強度計14の出力信号は、検出装置16に与えられている。
尚、送信用電極9と電界強度計14との位置関係は、図1に示すように側面から見ると、軸方向において異なる位置に配置されている。また、電界強度計14も、送信用電極9と同様にヘッド2に取り付けられて支持されている。
【0027】
図4は、測定系の構成を、電気的接続関係を中心として等価回路的に示すものである。即ち、スピンドル3とヘッド2(アース)−同軸ケーブル8の外部導体8bとの間におけるインピーダンスは、スピンドル3のインダクタンスL1,軸受4部の抵抗R1(停止時)及びキャパシタンスC1(回転時)の並列回路,ヘッド2のインダクタンスL2が直列に接続されている。
【0028】
尚、抵抗R1は、スピンドル3の回転が停止している場合における、玉軸受4部の抵抗分であり、キャパシタンスC1は、スピンドル3が回転している場合において、玉軸受4のベアリングが油膜に覆われた状態となることで生成されるスピンドル3とヘッド2との間の容量分である。
【0029】
また、上記の回路と並列に、スイッチSWとインダクタンスL3との直列回路が接続されている。スイッチSWは、工具6と被加工物54との間の接触、非接触状態に対応するものであり、インダクタンスL3は、ベッド51、サドル52、テーブル53及びコラム55などが有するインダクタンスである。
【0030】
一方、受信側は、電界強度計14及び検出装置16の電気的構成を示している。即ち、受信コイル15の両端にはコンデンサ(受信手段)17が接続されており、LC共振回路を構成している。その共振周波数は100MHzとなるように回路定数が設定されている。また、受信コイル15の両端は、一端側にダイオード18を介して検出装置16を構成する増幅器19の入力端子に接続されており、増幅器19の出力端子は判別器(例えばコンパレータ)20の入力端子に接続されている。
【0031】
即ち、電界強度計14は、受信コイル15が受信した高周波信号をダイオード18で直流に整流して検出装置16に出力し、検出装置16は、入力信号を増幅器19により増幅して判別器20に出力するようになっている。
【0032】
このように、受信した高周波信号を直流信号に整流するのは、高周波信号が電界強度計14と検出装置16との間の接続線にも回り込むおそれがあるため、直流成分のみを検出装置16に入力させることで動作を安定させる(S/N比を向上させる)ためである。
【0033】
次に、本実施例の作用について説明する。図1に示すように、工具6と被加工物54との間が非接触状態でスイッチSWが開いており、且つ、スピンドル3の回転が停止している場合、高周波信号出力装置7により出力される高周波信号は、図4において送信用電極9,インダクタンスL1,抵抗R1,インダクタンスL2,外部導体8bの実線で示す経路で流れ、スピンドル3が回転すると、上記経路における抵抗R1がキャパシタンスC1に置き換わる。
【0034】
そして、その状態から、図2に示すように、工具6と被加工物54との間が接触状態となってスイッチSWが閉じると、高周波信号はスイッチSW,インダクタンスL3の破線で示す経路でも流れる。
【0035】
このように、工具6と被加工物54との間が非接触状態から接触状態に変化すると、電界強度計14によって受信される電界強度レベルは大きく減衰する。本発明の発明者らが行なった実験では、電界強度レベルは1/1000以下まで減衰しほぼ0となった。即ち、判別器20に入力される信号レベルが大である場合は工具6と被加工物54との間が非接触状態にあり、前記信号レベルがほぼ0である場合、両者は接触状態にあると判定できる。
【0036】
従って、主軸1を所定位置まで下降させ、工具6により被加工物54の加工を行っている状態にあれば判別器20の入力信号レベルは大であり、その状態において入力信号レベルがほぼ0に変化した場合は、工具6が折損することで被加工物54との電気的接触が断たれたものと判定することが可能である。
【0037】
以上のように本実施例によれば、高周波信号出力装置7の出力端子の一端を送信側電極9に接続し、他端を主軸装置1のヘッド2に接続することで工具部15に高周波信号を輻射し、その高周波信号を、電界強度計14の受信コイル15で受信して、工具6と被加工物54との間の相対的な変位状態と、電界強度計14が示す受信電界強度とに基づいて工具6の折損を検知するようにした。
【0038】
即ち、工具6が折損した場合は、工具6が被加工物に接触する位置に変位しても両者が接触しなくなり測定系のインピーダンスが変化するので、その変化の影響を受けて受信電界強度が変化する。従って、その変化状態により工具6の折損を簡単に検知することができる。そして、被加工物54の加工が行われている途中であっても折損の速やかな検知が可能であり、また、工具6にかかる負荷が小さい場合でも折損を検知することができる。
【0039】
更に、高周波信号を用いることで、広いスペースを要することなく工具状態検知装置を配置することができる。加えて、従来のように直流信号を主軸装置1に対して直流電圧を印加しないので、軸受4等に電蝕等が発生することがなく、主軸装置1の信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施例によれば、送信用電極9と、電界強度計14の受信コイル15とを、スピンドル3の回転中心を介して径方向にほぼ180度の位置関係となるように、且つ、軸方向について異なる位置となるように配置した。従って、送信用電極9より輻射された高周波信号が受信コイル15に直接受信されることを極力防止できる。
【0041】
加えて、送信用電極9とスピンドル3の突出部3aとの間に圧縮空気を送出するための圧縮空気送出装置10を設けたので、両者の隙間にクーラント液や加工により発生する切削屑などが入って短絡が発生することを防止できる。
【0042】
(第2実施例)
図5は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例は、本発明を旋盤(工作機械装置)21に適用した場合であり、図5は、旋盤21の構成を本発明の要旨にかかる部分のみ概略的に示すものである。
【0043】
旋盤21は、基本的には、工具と被加工物との間の回転側、低側の関係が逆転したものであり、ヘッド(固定部)22及びスピンドル(回転部)23を有し、スピンドル23の先端部に配置されたチャック機構24により被加工物25を把持固定した状態でスピンドル23を回転させ、固定側となる工具26により被加工物25を切削加工する。そして、工具26と被加工物25との間は、図示しない機構部を介すことで所定のインピーダンスを有して交流的に接続されている。
【0044】
この旋盤21に対して、高周波信号出力装置7の出力端子の一端を送信用電極9に接続してチャック機構24の外周部に配置し、他端をヘッド22に接続することで高周波信号を輻射する。そして、その高周波信号を、電界強度計14の受信コイル15で受信して、工具26と被加工物25との間の相対的な変位状態と、電界強度計14が示す受信電界強度とに基づく検出装置16の出力に応じて工具26の折損を検知する。
【0045】
尚、圧縮空気送出装置10などは図示を省略している。また、旋盤21においては、主軸装置1のように軸方向にスペースの余裕がないため、送信用電極9と電界強度計14とが同一平面内となる位置で対向配置されている。
以上のように構成された第2実施例によれば、被加工物25側が回転する旋盤21に対しても、本発明を適用することができる。
【0046】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
の対策などによって、送信用電極9と突出部3aとの間にクーラント液や切削屑などが入るおそれがない場合は、圧縮空気送出装置10等を設けなくても良い。
【0047】
送信用電極9と受信コイル15との配置関係は、スピンドル3の回転中心を介してほぼ180度となるものに限らず、また、第2実施例で示したように、必ずしも軸方について異なる位置に配置しなくても良い。これらは、各個別の状態における回り込みの許容レベルに応じて適宜設定すれば良い。
ビルトインタイプの主軸装置1に限らず、主軸装置の外部にモータが配置されるものであっても良い。
電界強度計14の出力信号を光電変換素子を用いて光信号に変換し、その光信号を光ファイバを用いて検出装置16に伝送し、検出装置16においても光電変換素子を用いて信号処理しても良い。斯様に構成すれば、電界強度計14と検出装置16との間に高周波信号が回り込むことをより確実に防止できる。
【0048】
工具の状態としては、折損を検知するものに限ることなく、その他、例えば以下のようにして、工具の長さや幅、或いは工具の振れなどを検出することも可能である。工具の長さは、その先端が被加工物に接触した時点における主軸装置の変位量で検知することができ、工具の幅は、工具が幅方向に変位する場合に同様にして検知できる。また、工具の振れは、振れ幅の許容範囲に対応する位置に被加工物側に電気的に接続される導体板を配置しておけば、その導体板に工具が接触することで振れ幅が許容範囲一杯になったことが検知できる。
更に、被加工物の状態、例えば加工後の寸法を測定することに適用しても良い。即ち、これについても、工具が被加工物に接触した時点における主軸装置の変位量で検知することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであり、以下の効果を奏する。
請求項1記載の工具状態検知装置によれば、高周波信号出力手段によって工作機械装置の回転部側に高周波信号を輻射し、その高周波信号を、受信手段が回転部を指向した状態で受信する。そして、工具と被加工物との間の相対的な変位状態と、受信手段による高周波信号の受信状態とに基づいて工具の状態を検知するようにした。従って、工具による被加工物の加工が行われている途中であっても状態の検知が可能であり、また、工具にかかる負荷が小さい場合でも検知することができる。更に、広いスペースを要せずとも状態検知を行なうことができ、従来のように直流電圧を用いないので、電蝕等が発生することもないので、工作機械装置の信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、高周波信号出力手段と受信手段とを、回転部の回転中心を介して径方向にほぼ180度の位置関係となるように配置するので、高周波信号が受信手段に直接受信されてしまう回り込みを極力防止することができる。
そして、電界強度測定手段によって受信手段による受信電界強度を測定するので、受信手段による受信状態の変化を、受信電界強度の変化によって簡単に観測することができる。
【0051】
請求項記載の工具状態検知装置によれば、高周波信号出力手段と受信手段とを、軸方向について異なる位置に配置することで、この場合も高周波信号の回り込みを防止することができる。
請求項記載の工具状態検知装置によれば、工具の状態として折損を検知するので、本発明により工具の折損を速やかに検知して対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を、主軸装置を有してなる工作機械に適用した場合の第1実施例であり、工作機械の構成を概略的に示すと共に、本発明の工具状態検知装置の構成を示す図
【図2】工具と被加工物とが接触した状態を示す図1相当図
【図3】(a)は、電極部の構成を示す斜視図、(b)は電極部の一部を透視して示す平面図
【図4】測定系の構成を、電気的接続関係を中心として等価回路的に示す図
【図5】本発明を旋盤に適用した場合の第2実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は主軸装置、2はヘッド(固定部)、3はスピンドル(回転部)、12は工具、7は高周波信号出力装置(高周波信号出力手段)、8は同軸ケーブル(高周波信号出力手段)、9は送信用電極(高周波信号出力手段)、10は圧縮空気送出装置(圧縮空気送出手段)、12は溝(圧縮空気送出手段)、13は貫通孔(圧縮空気送出手段)、14は電界強度計(電界強度測定手段)、15は受信コイル(受信手段)、21は旋盤(工作機械装置)、22はヘッド(固定部)、23はスピンドル(回転部)、25は被加工物、26は工具、50は工作機械(工作機械装置)、54は被加工物を示す。

Claims (3)

  1. 工具または被加工物の何れか一方を回転部に装着した状態で回転させることにより前記被加工物の加工を行なう工作機械装置について使用されるものであり、
    出力端子の一端が前記回転部を支承する固定部に接続された状態で、前記回転部側に高周波信号を輻射する高周波信号出力手段と、
    この高周波信号出力手段によって輻射される高周波信号を、前記回転部を指向した状態で受信する受信手段と、
    前記受信手段による受信電界強度を測定する電界強度測定手段とを備え、
    前記高周波信号出力手段と、前記受信手段とは、前記回転部の回転中心を介して径方向にほぼ180度の位置関係となるように配置され、
    前記工具と前記被加工物との間の相対的な変位状態と、前記受信手段による前記高周波信号の受信状態とに基づいて、前記工具の状態を検知することを特徴とする工具状態検知装置。
  2. 前記高周波信号出力手段と、前記受信手段とは、軸方向について異なる位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の工具状態検知装置。
  3. 前記工具の状態として、工具の折損を検知することを特徴とする請求項1または2記載の工具状態検知装置。
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