JP4165807B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラー画像の需要が増加し、出力装置も従来のモノクロ機からフルカラー機が多用されるようになってきている。フルカラー機では、モノクロ使用とフルカラー使用を併用して用いることが多いため、印字する書類によって画像面積率が大きく異なる場合がある。例えば、文字のみの情報による画像では、画像面積率が大体7%程度であるのに対し、写真やプレゼンテーションに使用する資料等の画像では、画像面積率は80%以上になることがある。このように、出力される画像によって画像面積率が大きく異なり、従って使用されるトナー量が画像によって大きく変化する。
上記のように現像装置内で1回に使用されるトナー量が変化すると、トナーが現像剤担持体上に滞在する時間も一定でなくなる。そこで、トナーが現像剤担持体上に長時間滞在すると、トナーの表面構造に変化を及ぼす。この変化は、添加剤の存在状態及び量、トナー形状の変化等であり、トナー特性、特に帯電特性に影響を与える。
【0003】
そこで、トナーの帯電特性が経時で大きく変化しないよう、トナーの添加剤の処理方法について、いくつかの従来技術が見られる。特許文献1では、添加剤とトナーの帯電性能から、添加剤の現像剤担持体への付着を防止しているが磁性キャリアへの付着は定かではない。
特許文献2では、添加剤をトナーに混合する際に室温より高い温度で混合することで添加剤をトナー表面に固定化することが記載されている。この方法では、いくつかのトナー粒子は温度効果により添加剤を固定化することが可能であるが、すべてのトナーにおける添加剤存在状態を同一にすることは不可能である。
特許文献3では、超音波を用いて添加剤の固定化を試みている。これもすべての添加剤を同じ状態にして磁性キャリアへの添加剤移行を防ぐことは難しい。
また、特許文献4、特許文献5では半分添加剤が埋没したトナーと埋没していないトナーが存在し、十分な耐久性を出すことができない。
【0004】
また、トナー形状の変化もトナー帯電特性に影響を与えるため、形状変化が起きにくいことがのぞまれる。
さらに、磁性キャリア表面のコート材料の剥離または脱離、磁性キャリア表面へのトナーの付着、トナー表面に存在するシリカの磁性キャリアへの転移等による磁性キャリアの変化もトナーの帯電特性を変化させる要因となっている。
【0005】
加えて、フルカラー画像の出力に際しては、高画質の画像が安定的に出力されることが望まれる。さらに、マシンが高耐久で信頼性が高いことも市場では望まれている。高画質の画像を安定的に出力するためには、1ドットが安定に再現される必要がある。このため、書き込みビーム径、トナーの平均粒径、磁性キャリアの平均粒径を小さくすることが必要であることがわかってきた。しかしこれまでは、初期画像の粒状性や鮮鋭性は良くても経時的に画像特性が劣化することが多かった。信頼性としては、トナー飛散や地汚れといった課題があるが、これらも画像特性に大きな影響を与えるものの、これまで顕著な取り組みが見られていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−274368号公報
【特許文献2】
特開2000−267354号公報
【特許文献3】
特開2000−267333号公報
【特許文献4】
特開平3−76035号公報
【特許文献5】
特開平7−92727号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明は、帯電特性の変化の少ない現像剤を提供し、当該現像剤を使用して高画質の画像を経時的に安定的に出力し、トナー飛散などのない信頼性の高いプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、静電潜像を現像するためのトナーと磁性キャリアからなる現像剤を現像手段に供される画像形成装置において、前記現像剤は、前記トナーの平均粒径が3〜7μmであり、前記キャリアの平均粒径が20〜50μmであって、前記トナーは、トナー表面に荷電制御剤としてフッ素系化合物を付着させて、前記トナーとシリカとを混合した後に、チタニアと混合し、その後再びシリカと混合して得られ、前記現像剤は、トナーの帯電量分布におけるピーク値/半値幅の値が0.5以上であり、前記現像手段を空回ししたときのトナー濃度変化が1%以内である画像形成装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、感光体及び現像手段と、帯電手段、クリーニング手段から選択される少なくとも1以上の手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジを備える画像形成装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、衝撃型トナー供給装置によって現像手段に前記トナーが供給される画像形成装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感光体は、表面にフィラーが含有されている画像形成装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の現像剤は、トナーと磁性キャリアからなる2成分系現像剤である。一般に、画像における画質は、粒状性、鮮鋭性、階調性で評価される。例えば、粒状性については、現像での地汚れ、ドット太り、転写でのチリ、定着でのドット太りによって悪化する。ここで、現像での地汚れ、ドット太りや転写でのチリは、トナーの帯電量分布が大きな影響を与えることがわかってきている。したがって、トナーの帯電量分布を経時的に一定に制御できれば、これら画像品質に対する悪影響因子を抑制することができる。本発明者らが、検討を行った結果、トナーの帯電量分布は、現像剤が現像手段内にあって、初期からピーク値/半値幅の値が0.5以上であり、経時でもこの分布を維持することが望ましいことがわかった。帯電量分布においてピーク値/半値幅の値が経時で0.5未満になると、帯電量分布が広がるため、現像での地汚れ、ドット太り、転写でのチリを引き起こす。
また、上記の帯電量分布を有するトナーと磁性キャリアとからなる現像剤を現像手段内で空回ししたときのトナー濃度変化が1%以内となる現像剤とする。トナー濃度変化が1%を超えると、トナー飛散などが発生して画像に悪影響を与えるからである。
【0013】
さらに、粒状性を向上させるためには、トナーの粒径が小さいことが好ましく、平均粒径を3〜7μm、より好ましくは3〜5μmとする。トナーを帯電させる磁性キャリアも粒状性に影響を与えることから小径であることが好ましく、平均粒径が20〜50μm、より好ましくは20〜40μmとする。
【0014】
トナー飛散に対しては、トナーと磁性キャリアとの付着力を制御する必要がある。これは、感光体上にトナーを供給する現像スリーブ上で、容易にトナーが磁性キャリアから脱離するとトナー飛散を誘発するからである。このため、トナーと磁性キャリアとの付着力は、ピーク値が1.0×10−8〜1.0×10−7Nであることが望ましい。この値より小さいとトナー飛散が多く発生し、また、この値を超えると現像能力が低下して画像濃度が低くなるからである。
【0015】
トナーの帯電制御剤としては、フッ素系化合物を用いることが好ましい。フッ素系化合物としては、一般式:Rf−X−NH4 +Y−で表される化合物が挙げられる。但し、Rfはパーフルオロアルキル基、Xはアミド、ウレア、ウレタン、メチレン、フェニル、ビスフェノール等の基であり、Yはハロゲンである。トナーの帯電制御は、トナーバインダ、着色剤等を有機溶媒に溶解又は分散したトナー組成物を水系媒体中に分散させてトナーを作製する重合法トナーの製造工程において、トナー表面のζ電位を制御し、上記フッ素系化合物をトナー表面に付着させることにより行うことができる。これにより、帯電量分布の制御が容易となり、かつまた経時でトナー帯電量分布の変化を最小に抑えることができる。
【0016】
トナーは、外添剤としてシリカ及びチタニアを含有するが、トナーと外添剤との混合は、シリカとの混合処理の後、チタニアとの混合処理を行い、その後再びシリカとの混合処理を行うという3回に分けた処理とすることが好ましい。この方法により外添剤が打ち込まれたトナーは、現像手段内のトナーと補給トナーとの間で添加剤交換が起こることがなく、帯電量分布が安定して得られる。したがって、トナーの帯電量分布で低帯電量成分の発生を極力抑えることが可能となり、高画像品質を達成することができる。
現像手段内のトナーの帯電量分布としては、−1fC/10μm以下の割合を10%以下とする。これにより、トナー飛散は大きく減少し、同時に地汚れトナーも低下して、高画像品質を達成する。
【0017】
また、トナーは、離型剤として60〜90℃の範囲に融点を有する化合物を含有することが好ましい。具体的には、高級脂肪酸エステル、カルナウバワックス、ライスワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。上記の化合物を含有することで記録材上へのトナーのオイルレス定着が可能となり、光沢を制御した低光沢の画像を得ることが可能となる。
【0018】
次に、本発明のプロセスカートリッジについて説明する。
図1は、本発明に係るプロセスカートリッジの概略構成を示す図である。感光体2と、感光体2表面に帯電を施す帯電手段としての帯電ローラ3、感光体2表面に形成された潜像を現像する現像手段4、画像形成後の感光体2表面をクリーニングするクリーニング手段7とが一体に支持されプロセスカートリッジ1が形成されている。本発明のプロセスカートリッジは、図1の構成に限らず、少なくとも感光体2と現像手段4とを含んでいれば良く、この他、帯電手段3、クリーニング手段7等の構成要素のうち複数のものを含んで構成しても良い。
このプロセスカートリッジ1は、複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。現像手段4には、上記に示した現像剤が使用される。
【0019】
感光体1は、表面の摩擦係数を0.5以下とし、表面粗さをサブミクロン以下に抑えることで、トナーフィルミングしない構成とする。また、フィラーを含有したトップコート層を表面に設けることで、感光体摩耗速度を抑制できる構成とする。
感光体1への帯電は、帯電ローラ3による非接触の帯電である。この帯電方式により、感光体1表面を帯電ムラがなく均一に帯電することができる。
また、以上の構成により、感光体1の耐久性を向上させることができ、300K枚まで高耐久で高画質な画像を得ることができる。
【0020】
係るプロセスカートリッジ1において、トナーの帯電量分布を適正にするためには、現像手段4へのトナーの補給方法は衝撃型トナー供給装置が好ましい。図2は、衝撃型トナー供給装置の概略構成を示す図である。図1の現像手段4に設けられたトナー濃度センサが現像手段4内のトナー濃度の低下を検知すると、図2の衝撃型トナー供給装置5に補給信号を送り、衝撃型トナー供給装置5はこれを受けるとトナー容器5aが図中矢印A方向に移動し、ダンパー5bに衝突する。この衝突によってトナー容器5a内のトナーは振動し、図中矢印C方向に落下して現像手段4に供給される。このように、トナーが振動により補給されることで、トナーの帯電量分布を適正に保つことができる。また、プロセスカートリッジを併用することで、画像形成装置の耐久性が向上し、画像の品質も安定することがわかった。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、これらの実施例は本発明の一態様にすぎないものであり、これらに限定されるものではない。
【0022】
[実施例1]
低分子量ポリエステル樹脂100重量部と、カーボンブラック6重量部と、合成エステルワックス5重量部、高分子帯電制御剤1重量部とを通常のスクリューニーダー混練方法により混練し、続いて圧延冷却後粗粉砕したトナーをジェットミルにて粉砕し、最後に気流式分級機において体積平均粒径4.8μm、個数平均粒径4.5μmのトナーを得た。
同様に、マゼンタ、シアン、イエローについても顔料を代えてカラートナーを得た。
次に、得られた各色トナー100重量部に対してシリカ0.3重量部を加えてヘンシェルミキサーにて1分間混合処理を行った。続いてチタニア0.3重量部を加えて1分間混合処理し、その後シリカ1.0重量部を加えて1分間混合処理した。
得られたトナー5重量部を平均粒径38μmの磁性キャリアと混合して現像剤を作製した。トナーの帯電量分布をホソカワミクロン社製E−Spartを用いて測定したところ、初期から経時でのピーク値/半値幅の値が0.4であり、帯電量分布で−1fc/10μm以下の割合が4%であった。また、リコー製カラープリンターIpsio8000現像ユニット単体を空回ししたときのユニット内のトナー濃度変化は0.6%であった。さらに、トナーの付着力は3.0E−08Nであった。
【0023】
次に、上記現像剤をリコー製カラープリンターIpsio8000の現像ユニットに入れ、画像形成を行った。尚、感光体は、フィラーを含有したトップコート層を表面に設けたものを用いた。現像ユニットへのトナー補給装置は、図2に示す衝撃型トナー供給装置を用いた。得られた画像は、粒状度0.12、鮮鋭性0.44の高画質な画像であった。この現像剤を用いて100K枚プリントして画像を評価したところ、粒状度0.19、鮮鋭性0.94の高画質な画像が得られた。
【0024】
[実施例2]
実施例1と同様の材料を用いて、トナー粒径を体積平均粒径3.7μm、個数平均粒径3.3μmとした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。添加剤の混合も実施例1と同様にして行った。
得られたトナー5重量部を平均粒径38μmの磁性キャリアと混合して現像剤を作製した。トナーの帯電量分布をホソカワミクロン社製E−Spartを用いて測定したところ、初期から経時でのピーク値/半値幅の値が0.43であり、帯電量分布で−1fc/10μm以下の割合が7%であった。また、リコー製カラープリンターIpsio8000現像ユニット単体を空回ししたときのユニット内のトナー濃度変化は0.3%であった。さらに、トナーの付着力は9.2E−08Nであった。
次に、上記現像剤をリコー製カラープリンターIpsio8000の現像ユニットに入れ、画像形成を行った。尚、感光体は、フィラーを含有したトップコート層を表面に設けたものを用いた。現像ユニットへのトナー補給装置は、図2に示す衝撃型トナー供給装置を用いた。得られた画像は、粒状度0.08、鮮鋭性0.41の高画質な画像であった。
【0025】
[比較例1]
実施例1と同様の材料を用いて、同様にしてトナーを作製した。添加剤の混合方法は、実施例1と異なり、一度にシリカとチタニアを混合することにより行った。
得られたトナー5重量部を平均粒径38μmの磁性キャリアと混合して現像剤を作製した。トナーの帯電量分布をホソカワミクロン社製E−Spartを用いて測定したところ、初期から経時でのピーク値/半値幅の値が1.33であり、帯電量分布で−1fc/10μm以下の割合が12%であった。また、リコー製カラープリンターIpsio8000現像ユニット単体を空回ししたときのユニット内のトナー濃度変化は2.2%であった。さらに、トナーの付着力は9.5E−09Nであった。
次に、上記現像剤をリコー製カラープリンターIpsio8000の現像ユニットに入れ、画像形成を行った。尚、現像ユニットへのトナー補給装置は、図2に示す衝撃型トナー供給装置を用いた。得られた画像は、粒状度0.55、鮮鋭性0.64の画質の低下がみられる画像であった。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、経時でも帯電特性の変化の少ない現像剤を得ることができ、高画質の画像を経時的に安定して出力することが可能となる。さらに、本発明により、トナー飛散などのない信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジの概略構成を示す図である。
【図2】衝撃型トナー供給装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電ローラ
4 現像手段
5 衝撃型トナー供給装置
7 クリーニング手段
Claims (4)
- 静電潜像を現像するためのトナーと磁性キャリアからなる現像剤を現像手段に供される画像形成装置において、
前記現像剤は、前記トナーの平均粒径が3〜7μmであり、前記キャリアの平均粒径が20〜50μmであって、
前記トナーは、トナー表面に荷電制御剤としてフッ素系化合物を付着させて、前記トナーとシリカとを混合した後に、チタニアと混合し、その後再びシリカと混合して得られ、
前記現像剤は、トナーの帯電量分布におけるピーク値/半値幅の値が0.5以上であり、前記現像手段を空回ししたときのトナー濃度変化が1%以内である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
感光体及び現像手段と、帯電手段、クリーニング手段から選択される少なくとも1以上の手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジを備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
衝撃型トナー供給装置によって現像手段に前記トナーが供給される
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記感光体は、表面にフィラーが含有されている
ことを特徴とする画像形成装置。
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