JP4160191B2 - 感光性印刷版 - Google Patents

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JP4160191B2 JP37021898A JP37021898A JP4160191B2 JP 4160191 B2 JP4160191 B2 JP 4160191B2 JP 37021898 A JP37021898 A JP 37021898A JP 37021898 A JP37021898 A JP 37021898A JP 4160191 B2 JP4160191 B2 JP 4160191B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザーやYAGレーザー等の赤外光レーザーにより直接描画でき、感度、解像性、現像性、密着性、耐薬品性、安定性に優れ明室下でも取り扱い可能な新規な感光性印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
近年、コンピューターからのデジタル情報に基づき銀塩フィルム等のマスクを介せずレーザーの走査露光により直接画像形成可能なレーザー感光材料が求められている。特に、半導体レーザーに代表される赤外レーザーは出力、コスト、寸法、安定性に優れているため、このような赤外光に感光する材料が強く求められている。
【0003】
このような感光性組成物としてシアニン色素とトリアジン開始剤からなる光重合性組成物が知られている(特開平2−189548号公報、特開平2−306247号公報)。しかしながら、これらの感光性組成物の感光波長領域は可視光から近赤外光まで幅広いことから、白灯下で取り扱うことはできず、取り扱いは赤色燈のような暗室下とする必要があるため作業性に問題があった。
【0004】
なお、本発明者は、上記従来の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定波長に吸収極大があるフタロシアニン化合物と光重合開始剤の組み合わせ、特には、有機ホウ素錯体とを組み合わせた重合系の組成物が、驚くべきことに赤外光だけに選択的に高い感光性を有するため、白色灯下でも取り扱うことができること、また、感光液として保管しても沈殿等の変化を生じることなく安定であり、アルカリ水溶液による現象で画像形成可能であることを見出し、この知見に基いてエチレン性不飽和二重結合含有化合物、増感色素及び光重合開始剤を含有する感光性組成物において、増感色素として750〜1200nmの範囲に吸収極大があるフタロシアニン化合物を用いた感光性組成物、及び基板上にこの感光性組成物からなる感光層を形成した画像形成材料並びに画像形成方法を提案し、先に特許出願した(特願平10−285043号。以下「先願」という。)。この先願の感光性組成物であれば、赤外光を発するレーザー光に高い感度を有し、レーザー直接描画が可能で赤色燈等の特別な環境を準備しなくとも白色燈のような環境下で容易に取り扱え、アルカリ水溶液で現像処理可能で、感光液の安定性にも優れるという優れた効果が奏される。
【0005】
一方、感光性平板印刷版の支持体としては「PS版概論 米沢輝彦 印刷学会出版」に記載のような、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム等の金属板、ステンレス、アルミニウム等に銅やクロムをメッキしたもの、アルミニウムを陽極酸化して砂目立てしたもの、紙に耐水性樹脂を含浸加工し、二酸化チタン、クレー等を分散し親水性樹脂をコートしたもの、アルミ箔を紙の両面にラミネートさせたもの、アセテート、セルロース、PET等のプラスチックフィルム等、種々のものが知られている。
【0006】
しかし、これら種々の支持体と従来知られている感光性組成物との組み合わせでは、感度、解像性、現像性、密着性等の画像特性及び保存安定性、セーフライト性等の安定性を同時に満たすレーザー直接描画用の感光性印刷版は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題点を解決し、解像性、現像性、密着性、保存安定性に優れ半導体レーザー等の赤外光を用いて直接描画が可能で且つ白色灯のような明室下でも取り扱い可能な新規な感光性印刷版を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の感光性印刷版は、支持体上に、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和二重結合化合物、赤外吸収能を有する化合物及び重合開始剤を含有する感光層を設けた感光性印刷版において、該赤外吸収能を有する化合物がフタロシアニン化合物であることを特徴とする。
【0009】
即ち、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の赤外感光性の重合性組成物よりなる感光層を支持体上に形成することにより、解像性、現像性、密着性、保存安定性に優れ半導体レーザー等の赤外光を用いて直接描画が可能で且つ白色灯のような明室下でも取り扱い可能な新規な感光性印刷版が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明において、支持体としては、表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1.2μmの範囲にある陽極酸化されたアルミニウム支持体が好適である。
【0011】
また、重合開始剤としては有機ホウ素錯体が好適である。
【0012】
本発明の感光性印刷版は、感光層上に透明有機保護層を設けることが好ましい。
【0013】
なお、本発明において、支持体の表面の中心線平均粗さ(Ra)はJIS B0601−1982で規定された中心線平均粗さ(Ra)を指す。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本発明において、感光層は、必須成分であるアルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和二重結合化合物、赤外吸収能を有するフタロシアニン化合物及び重合開始剤から本質的に構成されている。
【0016】
アルカリ可溶性樹脂は水には不溶で、希アルカリ水溶液には可溶な樹脂であり、このような性質を有するものとしてフェノール性水酸基、カルボキシル基を有する樹脂を挙げることができる。
【0017】
フェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノール誘導体を酸性あるいはアルカリ性の条件下、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等で縮重合させたフェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂あるいはフェノール性水酸基とエチレン性不飽和基を併せもつモノマーをラジカル又はイオン重合させたポリビニルフェノール樹脂を挙げることができる。
【0018】
ここで、フェノール誘導体としてはフェノール、(o,m,p−)クレゾール、キシレノール、レゾール、ピロガロール、ビスフェノール等種々のものを用いることができる。
【0019】
一方、カルボキシル基を有する樹脂としては、不飽和カルボン酸を単独あるいは他の共重合モノマーとラジカル或いはイオン重合させた樹脂、不飽和基を有する酸無水物を重合させ、酸無水物の部分をハーフエステル化させた樹脂、エポキシアクリレート等のOH基部分に酸無水物を付加させることによりカルボキシル基を付与した樹脂等を挙げることができる。
【0020】
以上挙げた樹脂の中では現像性の高さからカルボキシル基を有する樹脂が好ましく、中でも不飽和カルボン酸を重合させた樹脂が合成の容易さ、コスト等の観点から好ましい。
【0021】
この不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができるが、中でも(メタ)アクリル酸を含有するアクリル樹脂が好ましいものである。単独重合させた樹脂を用いることも可能であるが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルフェノール、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等のモノマーを共重合させたアクリル共重合樹脂がより好適である。
【0022】
具体的な共重合体としては、例えば、特開昭60−208748号公報記載のメタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、特開昭60−214354号公報記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、特開平5−36581号公報記載のベンジルメタクリレート/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、特開平5−333542号公報記載のメタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸共重合体、特開平7−261407号公報記載のスチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、特開平10−110008号公報記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸共重合体、特開平10−198031号公報記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/スチレン/メタクリル酸共重合体等を挙げることができる。
【0023】
アルカリ可溶性樹脂の好ましい分子量としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で1000〜400000の範囲である。また、樹脂中に含有されるフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性基の好ましい含有量はKOHによる中和滴定で求められる酸価で20〜500mg・KOH/gの範囲である。この範囲から外れた場合には現像性や塗布特性の点で問題を生じる場合がある。
【0024】
エチレン性不飽和二重結合化合物は、少なくとも分子内に二重結合を一個、好ましくは二個有する化合物の中から選ばれる。エチレン性不飽和二重結合化合物としては分子量1000以下のモノマーから1000以上のオリゴマー、ポリマー領域のものまで種々のものを用いることができる。このような化合物としては不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等、不飽和アルコールとイソシアネート化合物とのウレタン、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とのエステル等を挙げることができる。
【0025】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。
【0026】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレト、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等を挙げることができる。
【0027】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等を挙げることができる。
【0028】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等を挙げることができる。
【0029】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。
【0030】
脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等を挙げることができる。
【0031】
不飽和アルコールとイソシアネート化合物との反応で得られるウレタン化合物の具体例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネートにヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のような水酸基を有するアクリル化合物を反応させた化合物を挙げることができる。
【0032】
不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とのエステルとしては、グリシジル基あるいは脂環式エポキシ基等のエポキシ環を有するエポキシ化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加反応させた化合物が挙げられる。
【0033】
ここで、エポキシ化合物としてはエポキシ環を結合させている基体骨格が脂肪族、芳香族、ヘテロ環、あるいはこれらが種々入り交じった構造の種々のエポキシ化合物が挙げられ、このうち芳香族エポキシ化合物としては例えばフェノールノボラックエポキシ化合物、(o,m,p)−クレゾールノボラックエポキシ化合物、ビスフェノール−Aエポキシ化合物、ビスフェノール−Fエポキシ化合物、あるいはブロム化フェノールノボラックエポキシ化合物のようにハロゲン化されたエポキシ化合物等が挙げられる。これらの化合物は低分子化合物であっても樹脂となるようなオリゴマー、高分子であってもよい。
【0034】
脂肪族エポキシ化合物としては例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0035】
ヘテロ環構造を有するエポキシ化合物としてはトリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
【0036】
脂環式エポキシ化合物としてはダイセル化学社製のセロキサイド2021、2080、3000、2000、エポリードGT300、GT400等を挙げることができる。
【0037】
不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とのエステルとしては、上記エステル化合物をさらに、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物等でさらに変性させた変性エポキシアクリレートも好ましく用いることができる。
【0038】
赤外吸収能を有する化合物としては、750〜1200nmの範囲に吸収極大を有するフタロシアニン化合物、例えば、下記式(I)又は(II)のフタロシアニン基本骨格を有する化合物の芳香環への置換基あるいは中心金属の変更等により赤外吸収能をもたせたものが好ましく用いられる。
【0039】
【化1】
Figure 0004160191
【0040】
中心金属Mとしてはアルカリ金属(Ia)、アルカリ土類金属(IIa)、IIIb族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族、VIIIb族、Ib族、IIb族、IIIa族、IVa族、Va族、ランタニド、アクチニドの種々の金属が挙げられる。
【0041】
また、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、チオエーテル基等が挙げられる。
【0042】
このような化合物としては、例えば、特開昭64−60660号公報、特開平1−100171号公報、特開平3−31247号公報、特開平4−15263、特開平4−15264号公報、特開平4−15265号公報、特開平4−15266号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開平2−138382号公報に記載のアルキルフタロシアニン化合物、特開平3−77840号公報、特開平3−100066号公報に記載のアシロキシフタロシアニン化合物号公報、特開平4−348168号公報に記載のアルコキシフタロシアニン化合物、特開昭60−23451号公報、特開昭61−215662号公報、特開昭61−215663号公報、特開昭63−270765号公報、特開平1−287175号公報、特開平2−43269号公報、特開平2−296885号公報、特開平3−43461号公報、特開平3−265664号公報、特開平3−265665号公報に記載のナフタロシアニン化合物、特開平1−108264号公報、特開平1−108265号公報記載のジナフタロシアニン化合物等挙げられる。
【0043】
具体的な化学構造を例示するならば、例えば、下記のものを挙げることができる(なお、以下において、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、Buはブチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)。
【0044】
【化2】
Figure 0004160191
【0045】
【化3】
Figure 0004160191
【0046】
【化4】
Figure 0004160191
【0047】
【化5】
Figure 0004160191
【0048】
【化6】
Figure 0004160191
【0049】
【化7】
Figure 0004160191
【0050】
【化8】
Figure 0004160191
【0051】
重合開始剤としては活性光線照射により不飽和二重結合化合物を重合させることのできるラジカル種を生成できる化合物であれば特に制限を受けない。
【0052】
このような化合物としては例えば、
(a)炭素ハロゲン結合を有する化合物
(b)カルボニル化合物
(c)有機過酸化物化合物
(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物
(e)ボレート化合物
(f)メタロセン化合物
等を挙げることができる。
【0053】
(a)炭素ハロゲン結合を有する化合物として好ましいものは、ハロメチル基を有するトリアジンである。例えば、若林ら著、Bull. Chem. Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、具体的には、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、また、F.C.Scha efer等によるJ. Org. Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,5−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。
【0054】
(b)カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4′−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
【0055】
(c)有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5 −トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−アミノパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等を挙げることができる。
【0056】
(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0057】
(e)ボレート化合物としては、特開平9−188686号公報、特開平9−1881685号公報、特開平9−188710号公報、特開平9−106242号公報、特開平8−217813号公報、特開平8−217813号公報に記載の有機ホウ素アンモニウム錯体、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等を具体例として挙げることができ、好ましい有機ホウ素錯体は下記式(III)に示される基本構造を有する化合物である。
【0058】
【化9】
Figure 0004160191
【0059】
上記一般式(III)中、R1〜R4はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラキル基、置換基を有してもよいアルカリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよい脂環基、置換基を有してもよい複素環基及び置換基を有してもよいアリル基を表し、X+はカチオン基を表す。
【0060】
安定性並びに高重合活性の観点から、有機ホウ素錯体としては、下記一般式(1)に示す如く、R1〜R4の内3個が置換基を有してもよいアリール基、好ましくはフェニル基であり、1個が置換基を有してもよいアルキル基R、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であるトリアリールアルキルボレート錯体が好ましい。
【0061】
【化10】
Figure 0004160191
【0062】
また、有機ホウ素錯体としては、下記一般式(2),(3)に示すように、ホウ素と結合したアリール基同士が化学結合したものも好ましい。
【0063】
【化11】
Figure 0004160191
【0064】
なお、カチオン基X+としては特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報に記載のカチオン染料のような可視光領域に吸収のあるものは安定性の観点から好ましくなく、できるだけ可視光領域に吸収の無いものが好ましい。例えば、アンモニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スチボニウム、オキソニウム、スルホニウム、セレノニウム、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウムカチオン基、遷移金属配位カチオン錯体等を挙げることができる。
【0065】
有機ホウ素錯体の具体例としては、下記の化合物を挙げることができる。
【0066】
【化12】
Figure 0004160191
【0067】
【化13】
Figure 0004160191
【0068】
【化14】
Figure 0004160191
【0069】
【化15】
Figure 0004160191
【0070】
【化16】
Figure 0004160191
【0071】
(f)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5− 83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えばジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル −Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル等を挙げることができる。また、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体も好適である
以上例示した光重合開始剤の中で特に好ましいものは炭素ハロゲン結合を有する化合物並びにボレート化合物であり、特にボレート化合物が好ましい。
【0072】
以上述べた感光層の構成成分の好ましい配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対してエチレン性不飽和二重結合化合物が10〜300重量部、赤外吸収能を有するフタロシアニン化合物が0.01〜30重量部、重合開始剤が0.01〜30重量部の範囲である。
【0073】
また、赤外吸収能を有するフタロシアニン化合物と重合開始剤の配合比率は、当該フタロシアニン化合物1重量部に対して重合開始剤0.1〜10重量部の範囲にするのが好ましい。
【0074】
なお、本発明に係る感光層は、種々の用途、目的から上述した必須構成成分以外にアニオン、カチオン、ノニオン、フッ素系界面活性剤等のような塗布性改良剤、消泡剤、露光後の可視画像性付与剤、密着向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、重合安定剤等の添加剤を含有していてもよい。
【0075】
次に、本発明に好適な、粗面化処理及び陽極酸化処理が施されたアルミニウム支持体について説明する。
【0076】
アウミニウム支持体の材質としては、純アルミニウム及びアルミニウム合金が好適に使用できる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
【0077】
アルミニウム支持体は、粗面化するに先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケロシンとトリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液による脱脂処理等を挙げることができる。
【0078】
脱脂処理に苛性ソーダ等アルカリの水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬してデスマット処理を施すことが好ましい。
粗面化処理方法としては、機械的に表面を粗面化する、いわゆる機械的粗面化法と、電気化学的に表面を粗面化する、いわゆる電気化学的粗面化法と、アルカリ又は酸或いはそれらの混合物からなるエッチング剤で表面を粗面化する、いわゆる化学的粗面化法があるが、これらを組み合わせた方法も利用することもできる。
【0079】
機械的粗面化法には、例えば、ボール研磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨、ホーニング研磨等の方法がある。この中でも、ブラシ研磨、ホーニング研磨が好ましい。
【0080】
電気化学的粗面化法には、例えば、塩酸又は硝酸等を含む電解液中で交流あるいは直流によって支持体を電解処理する方法であり、電気化学的粗面化法については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896563号明細書、特開昭53−67507号公報に記載されている方法を用いることができる。
【0081】
電気化学的粗面化において印加される電圧は1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好ましい。電流密度は10〜200A/dm2が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。電気量は100〜2000C/dm2、好ましくは200〜1500C/dm2、より好ましくは200〜1000C/dm2である。温度は10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。電解液の塩酸又は硝酸濃度は0.1〜5重量%が好ましい。電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることができる。
【0082】
上記粗面化処理法を2つ以上組み合わせる場合は、各処理の間に酸又はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングすることが好ましい。この場合、酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が挙げられ、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中でもアルカリの水液を用いるのが好ましい。エッチング処理は、これらの酸又はアルカリの0.05〜40重量%水溶液を用いて、40〜100℃の液温において5〜300秒処理することにより行われる。なお、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬し、デスマット処理を施すことが好ましい。
【0083】
本発明では、以上説明した粗面化処理により、アルミニウム支持体の表面粗さをJIS B 0601−1982で規定された中心線平均粗さRa値で0.1〜1.2μmとなるように処理するのが好ましい。表面粗さが上記範囲から外れると感光層と支持体との密着性、現像ムラ、耐刷性、解像性、安定性に問題を生じる。
【0084】
粗面化処理されたアウミニウム支持体は、次いで陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成し得るものであればいかなるものでも使用でき、一般に硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等或いはこれらの2種類以上を組み合わせた混酸が用いられる。陽極酸化の処理条件は、使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80重量%、温度5〜70℃、電流密度1〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理法は、硫酸法で、通常、直流電流で処理が行われるが、交流を用いることもできる。この場合、硫酸の濃度は10〜50重量%、温度20〜50℃、電流密度1〜20A/dm2で20〜250秒間電解処理を行うのが好ましい。電解液中にはアルミニウムイオンが含まれているほうが好ましい。
【0085】
アルミニウム支持体は、陽極酸化処理の後、封孔処理を施してもよい。封孔処理としては、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモン処理等が挙げられる。
また、場合により更にアルミニウム支持体は、陽極酸化処理後(封孔処理を施した場合はさらにその後)、親水化処理を施すこともできる。親水化処理としては、米国特許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セルロース、特開昭60−149491号公報、同63−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等による処理が挙げられる。
【0086】
更に、支持体には、その裏面に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−151136号公報、同57−63293号公報、同60−73538号公報、同61−67863号公報、特開平6−35174号公報等に記載されている、支持体裏面に保護層を設ける処理を行うことができる。支持体の裏面には、意匠を具現化するための任意の模様、図形、文字等及びバーコード等を、インクジェット方式や印刷方式等により形成してもよい。
【0087】
本発明において、このようなアルミニウム支持体上に感光層を形成するには、前記感光層構成部分を有機溶剤に溶かした感光液を塗布、乾燥すればよい。この場合、塗布方法としては特に制限されないが、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、スプレー塗布、エアースプレー塗布、静電エアースプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等の公知の塗布方法を用いることができる。
【0088】
感光層の構成成分を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類、アリルアルコール、ベンジルアルコール、アニソール、フェネトール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭化水素類、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−エチル−1−1ペンタノール−4−エトキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトン、ジブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、3−メチル−3−ヒドロキシ−2−ペンタノン等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアルキルエーテル類及びそのアセテート(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類及びそのアセテート(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノi−プロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル)、トリエチレングリコールアルキルエーテル類(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等)、プロピレングリコールアルキルエーテル類及びそのアセテート(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、n−プロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、モノメチルエーテルアセテート、モノエチルエーテルアセテート等)、ジプロピレングリコールアルキルエーテル類(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、n−プロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル)、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、炭酸プロピレン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0089】
感光層の厚さは0.3〜10μの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜8μの範囲である。感光層の厚みが上記範囲から外れた場合には塗膜の均一性、現像性、コスト等の点で問題を生じる場合が多い。
【0090】
感光層上には保護膜として有機透明膜を設けることができる。保護膜は感光層の保護ばかりでなく感度の向上や感光層の安定化にも寄与するため、このような保護膜を設けることは好ましい。
【0091】
保護膜としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール等のフィルムあるいはシートを感光層上にラミネートしたり、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース等の水溶性樹脂を塗布することにより設けることができる。
【0092】
これらの保護膜の中では現像時に剥離する必要のない水溶性樹脂が好ましい。
保護膜の厚さは0.3〜100μとするのが好ましい。
【0093】
本発明の感光性印刷版に適用し得る露光光源としては、赤外光を発するレーザーを挙げることができる。赤外光としては波長780〜1200nmの範囲のものが好ましく、半導体レーザーやYAGレーザーが代表例として挙げられる。
【0094】
本発明の感光性印刷版は、かかる光源にて走査露光を行った後、アルカリを含有する水溶液を用いて現像することにより、支持体上に画像を形成することができる。この現像液は、さらに、界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、染料又は顔料を含有していてもよい。
【0095】
現像液に適当なアルカリ剤としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第3リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤及びトリメチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0096】
現像液には界面活性剤を添加するのが好ましく、この場合、界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能である。
【0097】
また、必要に応じて現像液に添加し得る有機溶剤としては例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールが挙げられる。
【0098】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
【0099】
実施例1
[アルカリ可溶性樹脂の合成]
酸価200、重量平均分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し、100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させてアルカリ可溶性樹脂Aを得た。KOHによる中和滴定を行ったところ、この樹脂の酸価は80mgKOH/gであった。また、GPCで分子量測定を行った結果、重量平均分子量Mwは8000、数平均分子量Mnは3000、分子量分布Mw/Mnは2.7であった。
【0100】
[支持体の作製]
厚さ0.24mm、JIS1050のアルミニウム板を3重量%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを11.5g/L塩酸浴中で25℃、80A/dm2の電流密度で11秒電解エッチングし、水洗後30重量%硫酸浴中で30℃、11.5A/dm2の条件で15秒間陽極酸化した。得られた支持体の表面の中心線平均粗さRaを表面粗さ計(小坂研究所製「サーフコーダー SE−30H」)にて測定したところ0.6μmであった。
【0101】
[感光性印刷版の作製]
上記支持体上に、下記組成の感光性組成物塗布液をバーコーターを用いて乾燥膜厚2μmとなるように塗布、乾燥した。更にこの上に、ポリビニルアルコール水溶液をバーコーターを用いて乾燥膜厚3μとなるように塗布、乾燥して感光性平版印刷板を作製し、下記の方法で評価を行った。
【0102】
[感光性組成物塗布液組成]
アルカリ可溶性樹脂A : 100重量部
ジペンタエリスリトールヘキサクリレート: 100重量部
フタロシアニン化合物(前記R−1) : 5重量部
重量開始剤(前記B−1) : 10重量部
シクロヘキサノン :1500重量部
界面活性剤(大日本インキ社製「S−381」): 0.1重量部
[感度、画像特性]
得られた感光性印刷版を直径10cmのアルミニウム製の回転ドラムに取り付け、感光層が外側になるよう固定した後、波長830nm、出力40mwの半導体レーザー(日立製作所製「HL8325C」)で感光層表面を30μのビームスポット径にてドラムを回転させながら露光した。回転速度は5rpm、50rpm、100rpm、200rpmの4段階に設定した。
【0103】
現像は珪酸カリウム3重量%、ペレックスNBL(花王社製界面活性剤)5重量%を含有するアルカリ現像液で25℃で1分間ディップして行った。
【0104】
得られた画像を倍率100倍のルーペにて観察したところ、ドラム回転速度5rpm〜200rpmまで、線幅30μのエッジのシャープな画像が得られた。
【0105】
また、非画線部の地汚れは皆無であった。
【0106】
[耐薬品性、密着性、印刷適性]
上記画像サンプルを湿し水(東京インキ社製「エッチ液SG−51」濃度1.5重量%)に25℃で1時間浸漬後、ガームテープ剥離テストを行なった。ガムテープ剥離テストでは画像が支持体から剥離することは全く無く、良好な密着性並びに耐薬品性を有することが判り、印刷適性も良好であった。
【0107】
[セーフライト性]
感光性印刷版を白色蛍光灯で照明された室内に1日放置した後に上記と同様の条件で露光、現像したところ、白色灯によるカブリは全くみられず、5rpm〜200rpmまで30μのシャープなエッジを有する画像を得ることができ、セーフライト性が良好であることが判った。
【0108】
[保存安定性]
感光性印刷版を遮光した状況で25℃で2ヶ月間保管した後に上記と同様の条件で露光、現像したところ5rpm〜200rpmまで30μのシャープなエッジを有する画像を得ることができ、保存安定性性が良好であることが判った。
【0109】
実施例2
支持体の作製において電解エッチング時間を8秒としたこと以外は実施例1の支持体と同条件で陽極酸化したアルミニウム支持体を作製した。この支持体の表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.4μmであった。この支持体に実施例1と同様にして感光層並びに保護膜を形成して感光性印刷版を作製し、実施例1と同様に評価を行ったところ、感度、画像特性、密着性、耐薬品性、セーフライト性、保存安定性とも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0110】
実施例3
支持体の作製において電解エッチング時間を13秒としたこと以外は実施例1の支持体と同条件で陽極酸化したアルミニウム支持体を作製した。この支持体の表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.8μmであった。この支持体に実施例1と同様にして感光層並びに保護膜を形成して感光性印刷版を作製し、実施例1と同様に評価を行ったところ、感度、画像特性、密着性、耐薬品性、セーフライト性、保存安定性とも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0111】
実施例4
実施例1において、感光液組成物塗布液中のジペンタエリスリトールヘキサクリレートをヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応物に変えたこと以外は同様にして感光性印刷版を作製し、同様に評価を行ったところ、感度、画像特性、密着性、耐薬品性、セーフライト性、保存安定性とも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0112】
比較例1
支持体として板厚0.2mm、表面の中心線平均粗さ(Ra)0.8μmの銅板を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性印刷版の作製並びに評価を行ったところ、ドラム回転速度5rpm〜100rpmまで30μのエッジのシャープな画像が得られたが、実施例1に比較すると画像特性は同等なるも感度が劣る結果となった。
【0113】
また、画像サンプルを湿し水(東京インキ社製「エッチ液SG−51」濃度1.5重量%)に25℃で1時間浸漬後、ガームテープ剥離テストを行なったところ、画線部が剥離し、耐薬品性、密着性、印刷適性は不良であった。セーフライト性については良好な結果が得られたものの、保存安定性は不良であった。
【0114】
比較例2
実施例1において、感光性組成物塗布液中のフタロシアニン化合物の代わりにシアニン色素(日本化薬社製「CY−10」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性印刷版の作製並びに評価を行ったところ、画像は全く得られなかった。
【0115】
比較例3
実施例1において、感光性組成物塗布液中のフタロシアニン化合物の代わりにポリメチン色素(日本化薬社製「IR−820B」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性印刷版の作製並びに評価を行ったところ、ドラム回転速度5rpmにおいてのみ30μのエッジのシャープな画像が得られたが、回転速度が高い場合には、シャープな画像は得られなかった。また、耐薬品性、密着性、印刷適性は良好であったものの、セーフライト性、保存安定性は不良であった。
【0116】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の感光性印刷版によれば、
▲1▼ 赤外光に対して高い感度を有するため、半導体レーザー光等による直接描画でも高い生産性を上げることができる。
▲2▼ 解像性、地汚れ、密着性、耐薬品性についても良好であり高画質の印刷物を多量に刷版することが可能となる。
▲3▼ セーフライト性を有するため明室下での取り扱いが可能となり、大幅な作業性の向上を図ることができる。
▲4▼ 保存安定性についても極めて良好であるため品質の安定した製品を工業的に生産、流通させることにもことができる。
といった効果が奏される。

Claims (3)

  1. 支持体上に、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和二重結合化合物、赤外吸収能を有する化合物及び重合開始剤を含有する感光層を設けた感光性印刷版において、該支持体が、表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1.2μmの範囲にある陽極酸化されたアルミニウム支持体であり、該赤外吸収能を有する化合物がフタロシアニン化合物であることを特徴とする感光性印刷版。
  2. 重合開始剤が有機ホウ素錯体である請求項1に記載の感光性印刷版。
  3. 感光層上に透明有機保護層を設けた請求項1または2に記載の感光性印刷版。
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