JP4157359B2 - 除電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正負のイオンを生成する除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
除電装置には、従来から特開2000−58290公報に開示されているものが挙げられる。これは、図10に示すように、電源101からの出力電圧を、正極性及び負極性の高電圧発生回路103,104に交互に供給して、これら高電圧発生回路103,104からの正負の高電圧を放電針107に印加するものである。
【0003】
具体的には、スイッチ102a,102bを介して電源101と両高電圧発生回路103,104とが接続され、これらスイッチ102a,102bは、スイッチ制御回路105からの制御信号により交互にオンされるようになっている。両高電圧発生回路103,104の出力端子の間には、互いに直列接続された2つの抵抗106a,106bが接続されており、この共通接続点に放電針107が接続された構成とされている。その動作は、まず、スイッチ制御回路105により、スイッチ102aがオンされると、正極性の高電圧発生回路103のコンデンサ群103aが充電されることによって正の高電圧が生成される。そして、その出力電圧が抵抗106a,106bに印加され、負極性の高電圧発生回路104側に接続された抵抗106bの分担電圧が放電針107とグランドラインとの間に印加される。そして、印加電圧がコロナ放電の放電開始電圧に達するとコロナ放電が起こり正のイオンが発生する。
【0004】
一方、スイッチ102bがオンされると、負極性の高電圧発生回路104aのコンデンサ群104aが充電されることによって負の高電圧が生成される。そして、その出力電圧が抵抗106a,106bに印加され、正極性の高電圧発生回路に接続された抵抗106aの分担電圧が放電針107とグランドラインとの間に印加される。そして、印加電圧がコロナ放電の放電開始電圧に達するとコロナ放電が起こり、負のイオンが発生する。以降、上記動作を繰り返すことにより、正負のイオンが交互に生成されるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−58290公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、正負のイオンを生成するために2つの高電圧発生回路が必要とされるから、装置が大型化・コスト高となるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型・低コスト化を図ることができる除電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、グランドラインとの間に正又は負の直流パルス電圧を出力する高電圧発生回路と、前記高電圧発生回路の出力端子に接続されるコンデンサと、前記コンデンサに直列接続されて前記グランドラインとの間で放電を生じさせる放電針と、前記高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス振幅を時間の経過とともに順次大きくして前記直流パルス電圧の出力開始時から所定時間経過後に所定の振幅となるように制御する電圧制御手段とを備えるところに特徴を有する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記電圧制御手段は前記直流パルス電圧の出力開始時におけるパルス振幅を所定の振幅に対して半分の振幅に制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、グランドラインとの間に正又は負の直流パルス電圧を出力する高電圧発生回路と、前記高電圧発生回路の出力端子に接続されるコンデンサと、前記コンデンサに直列接続されて前記グランドラインとの間で放電を生じさせる放電針と、前記高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス幅を時間の経過とともに順次広くして前記直流パルス電圧の出力開始時から所定時間経過後に所定のパルス幅となるように制御するパルス幅制御手段とを備えるところに特徴を有する。
【0015】
【発明の作用及び効果】
<請求項1、請求項2及び請求項3の発明>
本発明は具体的には、直流パルス電圧のパルス幅よりも十分大きい時定数とされるようにCR微分回路の回路定数を設定しておく。そうすると、直流パルス電圧を十分長い時間印加し続けた状態において、コンデンサの充電電圧が直流パルス電圧のパルス振幅の半分の振幅に相当する電圧に収束することで、直流パルス電圧とコンデンサの充電電圧との差の電圧、即ち、直流パルス電圧のパルス振幅の半分の振幅に相当する電圧が放電針に印加される。
従って、例えば直流パルス電圧の電圧値を放電針の放電開始電圧の2倍の電圧に設定しておけば、放電針には放電開始電圧に相当する電圧を正負交互に印加することができるのである。
ここで問題となるのは、直流パルス電圧が印加されてから初期の期間では放電針に印加される電圧が正又は負のいずれかに偏っているから、直流パルス電圧出力開始時から直流パルス電圧のパルス振幅を放電開始電圧の2倍の電圧に相当する振幅としてしまうと、放電針とグランドラインとの間の絶縁破壊電圧以上の電圧が両者間に印加されることとなる。そうすると、放電針とグランドラインとの間でアーク放電が発生して放電針の針先が磨耗するから、放電針の寿命が短くなるという不都合が生じる。
【0016】
これに対して請求項1の発明では、電圧制御手段により高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス振幅を時間の経過とともに順次大きくして所定時間経過後に所定の振幅となるように制御する構成としている。
このようにすれば、例えば除電装置の動作初期においては直流パルス電圧のパルス振幅を絶縁破壊電圧以下の電圧に設定し、その後パルス振幅を順次大きくして放電開始電圧の2倍の電圧に相当する振幅(所定の振幅)に近づけるように制御する。このようにすれば、放電針とグランドラインとの間に印加される電圧を絶縁破壊電圧以下の電圧に抑えてアーク放電に起因する放電針の磨耗を防止することができる。
【0017】
また、請求項2の発明では、電圧制御手段の制御により、前記直流パルス電圧の出力開始時におけるパルス振幅を所定の振幅に対して半分の振幅としている。
具体的には、直流パルス電圧の出力開始時にはそのパルス振幅を放電開始電圧に相当する振幅(所定の電圧の半分の振幅)に設定し、その後、パルス振幅を順次大きくして放電開始電圧の2倍の電圧に相当する振幅(所定の振幅)に近づけるように構成する。このようにすれば、最短時間で放電針に正負同電圧の交流電圧を印加しつつ、アーク放電の発生を防止することができる。
【0018】
また、請求項3の発明では、パルス幅制御手段により高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス幅を時間の経過とともに順次広くして所定時間経過後に所定のパルス幅となるように制御する構成としている。
通常、パルス電圧の波形は、完全な矩形形状ではなく、パルスベースとパルストップとの間に傾斜となる立ち上がり区間が形成されているから、例えば高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス幅を立ち上がり区間の間隔よりも狭くすることでパルス振幅を調整することができる。
したがって、出力する直流パルス電圧のパルス幅を時間の経過とともに順次広くして立ち上がり区間に相当する間隔に近づけるように制御すれば、放電針に印加される電圧を絶縁破壊電圧以下の電圧に抑えることが可能となり、請求項3の発明と同様にアーク放電に起因する放電針の磨耗を防止することができる。
また、直流パルス電圧の出力開始時には、そのパルス振幅が放電開始電圧に相当する振幅となるようにパルス幅を設定し、その後パルス幅を順次広くして直流パルス電圧のパルス振幅を大きくするように構成すれば、最短時間で放電針に正負同電圧の交流電圧を印加しつつ、アーク放電の発生を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る除電装置の一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の除電装置は放電針42とグランドラインGNDとの間に交流電圧を印加することにより正負のイオンを生成するものであり、その構成を図1に示す。
高電圧発生回路1は入力端子1A,1Bに1次巻線(請求項に記載の「入力端子」に相当)が接続された昇圧トランス11と、昇圧トランス11の二次巻線(請求項に記載の「出力端子」に相当)の一端側と出力端子1Cとの間に接続されてグランドラインGNDに対して正の直流電圧を生成するコッククロフト型の倍電圧整流回路12とから構成されており、出力端子1Cから電圧2V1 (V)(具体的には、放電針42のコロナ放電の開始電圧(放電開始電圧)の2倍に相当する電圧とする。)の直流電圧を出力する。また、昇圧トランス11の二次巻線の他端側が出力端子1Dに接続されている。
【0020】
高電圧発生回路1の入力端子1Aには制御回路2Bにより開閉動作が行なわれるスイッチ2A(制御回路2Bとともに請求項に記載の「スイッチング手段」を構成する)が接続されており、このスイッチ2Aに交流電源3が接続されている一方、出力端子1Cにはコンデンサ41が接続され、さらにコンデンサ41に放電針42が直列接続されている。また、入力端子1Bと出力端子1Dとの間には抵抗5が接続され、このうち入力端子1BがグランドラインGNDに接続されているとともに、出力端子1C,1D間には抵抗6が接続されている。また、コンデンサ41と放電針42との共通接続点と出力端子1Dとの間には抵抗43が接続されている。
なお、高電圧発生回路1、スイッチ2A及び制御回路2Bで請求項に記載の「高電圧発生回路」を構成している。
【0021】
制御回路2Bは倍電圧発生回路12から、パルス幅T、パルス間隔2Tの直流パルス電圧を出力させるために、交流電源3の周期よりも十分に長い周期(具体的には、交流電源3の周期の2倍以上の周期)でスイッチ2Aを開閉動作させるようになっている。
尚、CR微分回路4を構成するコンデンサ41、放電針42及び抵抗43(これについては、後述する。)の時定数は、パルス幅Tよりも十分大きい値とされている。
【0022】
以下、上記構成の動作について説明する。
交流電源3からの交流電圧は所定周期で開閉動作するスイッチ2Aにより、間欠的に高電圧発生回路1に供給され、出力端子1Cからは、図2(A)に示すようパルス幅T、パルス間隔2Tの直流のパルス電圧が出力されるとともに、この直流パルス電圧がコンデンサ41及び放電針42に印加される。
【0023】
ところで、放電針42は抵抗素子とみなすことができるから、高電圧発生回路1の出力端子1Cにはコンデンサ41、放電針42及び抵抗43からなる微分回路4が接続されているのと等価となる。従って、CR微分回路4に直流パルス電圧が印加されると、放電針42の印加電圧は図2(B)に示すような波形となり、コンデンサ41の充電電圧は図2(C)に示すような波形となる。
【0024】
まず、高電圧発生回路1の直流パルス電圧のうち立上りの区間▲1▼では、放電針42に直流パルス電圧の電圧値V1 (V)と同じ電圧値の正の電圧が印加されるとともに、コンデンサ41の電圧電圧が上昇し始め、電圧値一定の区間▲2▼ではコンデンサ41の充電電圧が上昇し続けることで、放電針42の印加電圧は所定の傾きでもってゼロレベルに近づく。ここで、CR微分回路4の時定数は直流パルス電圧のパルス幅よりも十分に大きくされているから、コンデンサ41はほとんど充電されず、その充電電圧は直流パルス電圧の電圧値2V1 (V)にまで至らない。
尚、放電針42は非常に高い抵抗値(一般には、ギガオームオーダー)であるから、放電針42のみでコンデンサ41を放電させることは非常に困難である。これに対して、本実施形態では放電針42と並列に抵抗43を接続することにより、CR微分回路4の抵抗成分の抵抗値を低下させ、コンデンサ41の放電を促すようにしている。
【0025】
そして、直流パルス電圧が立下りとなる区間▲3▼では、コンデンサ41が放電されることで、その充電電圧が減少し始めるとともに、放電針42に負の電圧が印加される。直流パルス電圧が出力されていない区間▲4▼では、コンデンサ41に蓄えられた電荷が放電されることでその充電電圧が減少するとともに、放電針42の印加電圧が所定の傾きでゼロレベルに近づく。また、コンデンサ41は完全に放電されることが無く、所定の電圧で充電されている。
尚、出力パルス電圧のうち▲3▼の区間では、倍電圧整流回路12を構成するコンデンサに蓄えられた電荷が抵抗7を介して放電されるようになっており、これによって、放電針42の印加電圧の立下りが早くされる。
【0026】
このようにコンデンサ41は▲4▼の区間内で完全に放電されることがないから、上記の動作が繰り返されると、コンデンサ41の充電電圧が徐々に上昇して、その電圧がV1 (V)に収束するとともに、放電針42の印加電圧のうち正の電圧のピーク値が徐々に低下して正負の電圧が同じとなる。
このような状態となると、直流パルス電圧が印加されるときには、放電針42には直流パルス電圧の電圧値2V1 (V)とコンデンサの充電電圧V1 (V)との差の電圧V1 (V)が印加され、パルス電圧が印加されていないときには、−V1 (V)の電圧が印加される。これによって、放電針42に放電開始電圧に相当する振幅を有する交流電圧が印加されることとなり、正負のイオンが交互に同じ量生成される。
【0027】
尚、抵抗6には、イオン電流(放電針42とグランドラインGNDとの間に流れる電流)相当の電流が流れ、その印加電圧を計測することで、イオン電流を検出することができるようになっている。
【0028】
本実施形態の除電装置によれば、高電圧発生回路1にて出力された直流パルス電圧をコンデンサ41、放電針42、及び抵抗43で構成されているCR微分回路4に印加することで、放電針42に交流電圧を印加することができるから、高電圧発生回路を1つにすることが可能となり、もって、装置の小型・低コスト化を図ることができる。さらには、スイッチ2Aを低圧側に配したことにより、耐圧の低い小型のものを用いることができるから、装置を一層小型化することができる。
【0029】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図3から図5を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果についての説明も省略する。
本実施形態では、高電圧発生回路1の入力端子1Aとスイッチ2Aとの間に抵抗71が接続されている。また、入力端子1AとグランドラインGNDとの間には、抵抗72a,72bの直列回路及びアナログスイッチ73a,73bの直列回路が接続されており、抵抗72a,72bの中間接続点とアナログスイッチ73a,73bの中間接続点とが接続された状態とされている。そして、アナログスイッチ73a,73bは、制御回路2Bの制御によりオン・オフ動作するようになっている。
ここで、図4に示すように、アナログスイッチ73a,73bのオン・オフ動作により高電圧発生回路1には3種類の異なる値の電圧Va,Vb,Vc(Va<Vb<Vc。)が入力されるようになっている。
尚、制御回路2B、抵抗71,72a,72b、アナログスイッチ73a,73bにより請求項に記載の「電圧制御手段」が構成されている。
【0030】
以下、本実施形態の動作について説明する。尚、図5(a)には、高電圧発生回路1の出力電圧の時間変化を示し、図5(b)には、放電針42の印加電圧の時間変化を示す。
除電装置を作動させると、まず制御回路2Bからの制御信号によりアナログスイッチ73aがオフされて73bがオンされるとともに、スイッチ2Aが所定の周期でオン・オフ動作して交流電源3から高電圧発生回路1へ間欠的に電源供給される。このとき、高電圧発生回路1に電圧Vaの交流電圧が印加されて(図4▲1▼)、放電開始電圧に相当するパルス振幅V1 の正の直流パルス電圧の出力が開始される。
【0031】
この後、第1実施形態と同様に直流パルス電圧の出力に伴なってコンデンサ41の充放電が繰り返される。ここで、CR微分回路4の時定数は直流パルス電圧のパルス幅に対して十分に大きな値とされているから、コンデンサ41の充電電圧が所定の電圧に収束するとともに、放電針42には正のピーク値を徐々に低下させながら、正負の電圧が交互に印加されるようになる。そして、放電針42に印加される電圧の正負の値が略同一となる状態にまで時間が経過すると、アナログスイッチ73aがオンされて73bがオフされる。これにより、高電圧発生回路1には電圧Vb(Va<Vb)の交流電圧が入力され(図4▲2▼)、パルス振幅V2 の直流パルス電圧が出力される。
【0032】
以降、再び放電針42に印加電圧の正負の値が同一になるまで時間が経過すると、アナログスイッチ73a,73bがオフされることで、高電圧発生回路1に電圧Vcの交流電圧が印加され(図4▲3▼)、パルス振幅V1 (「所定の振幅」)の直流パルス電圧が出力される。
ところで、アナログスイッチ73a,73bのオン・オフが切り替えられると、高電圧発生回路1の入力電圧の増加分に応じて放電針42の印加電圧が増加するのであるが、高電圧発生回路1の入力電圧を低く抑えているから、放電針42に印加される電圧は放電針42とグランドラインGNDとの間の絶縁破壊電圧Verr 以下に抑えられる。
【0033】
本実施形態の除電装置によれば、高電圧発生回路1から出力される直流パルス電圧のパルス振幅を時間の経過とともに段階的に大きくする構成としているから、放電針42とグランドラインGNDとの間に印加される電圧を絶縁破壊電圧Verr 以下に抑えることが可能となり、アーク放電の発生を防止することができる。
【0034】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図6及び図7を参照して説明する。尚、第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果についての説明も省略する。
本実施形態では、スイッチ2Aと交流電源3との間に発振回路8(請求項に記載の「電圧制御手段」に相当する)を設けた構成とされており(図6参照)、制御回路2Bからの制御信号を受けると放電開始電圧の2倍の電圧に相当する振幅電圧2V1 の交流電圧を出力する構成とされている。
【0035】
一般に、発振回路8の発振振幅は動作開始から時間経過とともに順次大きくなる過渡状態を経て、一定の振幅が持続する定常状態に移行する。これを利用して、発振回路8の動作開始から所定時間経過してその発振振幅が所定の値となったときに、スイッチ2Aのスイッチング動作を開始するように制御回路2Bから両者に制御信号を送出するようにする。
すると、高電圧発生回路1から出力される直流パルス電圧はパルス振幅V1 から始まって時間経過とともに徐々に上昇する。
このとき、第1実施形態と同様に直流パルス電圧の出力に伴なってコンデンサ41の充放電が繰り返される。ここで、CR微分回路4の時定数は直流パルス電圧のパルス幅に対して十分に大きな値とされているから、その充放電量が次第に減少して充電電圧が所定の値に収束するとともに、放電針42には正のピーク値を一定としつつ負のピーク値が徐々に増加して、正負の電圧が交互に印加されるようになる。
【0036】
そして、高電圧発生回路1から出力される直流パルス電圧の振幅が一定の定常状態になると、これに伴なって放電針42に印加される電圧の正負の値が略同一となり、結果として振幅V1 交流電圧が印加され続ける(図7(a)、(b)参照)。
【0037】
このような構成としても、第2実施形態と同様に放電針42の印加電圧を絶縁破壊電圧Verr 以下の電圧に抑えることができるから、アーク放電の発生を防止することができる。
【0038】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について図8及び図9を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果についての説明も省略する。
本実施形態の回路構成は、第1実施形態と同様であり、スイッチ2Aのスイッチング動作の周期が変化するところが異なっている。
図8に示すように、直流パルス電圧の波形は完全な矩形形状とはならず、パルストップとパルスベースとの間には傾斜となる立ち上がり区間Tcが存在する。そこで、高電圧発生回路1に3種類のパルス振幅Va,Vb,Vc (Va<Vb<Vc。)の直流パルス電圧が入力されるように、制御回路2Bはスイッチ2Aがオンされている時間(以下、オン時間という。)が立ち上がり区間Tcの時間間隔よりも短い時間Ta、Tbとなるようにスイッチ2Aをスイッチング動作させるように構成されている。
尚、スイッチ2A及び制御回路2Bは、請求項に記載の「パルス幅制御手段」の構成も兼ねている。
【0039】
以下、本実施形態の動作について説明する。
除電装置を作動させると、スイッチ2Aは制御回路2Bの制御により周波数f1でスイッチング動作する(図9参照)。周波数f1では、オン時間はTaとされており、高電圧発生回路1からはパルス幅Ta、パルス振幅V1 の直流パルス電圧の出力が開始される(図8参照)。
【0040】
この後、第1実施形態と同様に、直流パルス電圧の出力に伴なってコンデンサ41の充放電が繰り返される。ここで、CR微分回路4の時定数は直流パルス電圧のパルス幅に対して十分に大きな値とされているから、コンデンサ41の充電電圧が所定の値に収束するとともに、放電針42には正のピーク値を徐々に低下させながら、正負の電圧が交互に印加されるようになる。そして、放電針42に印加される電圧の正負の値が略同一となる状態にまで時間が経過すると、制御回路2Bによりスイッチ2Aは周波数f2(f2<f1)でスイッチング動作する。周波数f2ではオン時間はTbとされて高電圧発生回路1からはパルス幅Tb、パルス振幅V2 の直流パルス電圧が出力される。以降、再び放電針42に印加される交流電圧の電圧値が正負で同一になるまで時間が経過すると、制御回路2Bの制御によりスイッチ2Aは周波数f3(f3<f2)でスイッチング動作する。周波数f3では、オン時間Tとされて、高電圧発生回路1からパルス幅T(「所定のパルス幅」)、パルス振幅V1 の直流パルス電圧が出力される。
ところで、スイッチ2Aのスイッチング周波数の切り替えられると、高電圧発生回路1の入力電圧の増加分に応じて放電針42の印加電圧が増加するのであるが、高電圧発生回路1の入力電圧の増加分を低く抑えているから、放電針42に印加される電圧は放電針42とグランドラインGNDとの間の絶縁破壊電圧Verr 以上になることはない。
【0041】
このような構成とすれば、高電圧発生回路1から出力される直流パルス電圧のパルス振幅を任意に制御することができる。これにより、放電針42に印加される交流電圧の電圧レベルを絶縁破壊電圧Verr 以下の電圧に抑えることができるから、アーク放電の発生を抑止することができる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、正の電圧を出力する倍電圧整流回路1Bを用いたい構成を示したが、負の電圧を出力する倍電圧整流回路を用いた構成としても良い。
【0043】
(2)また、電源には交流電源3に限らず、直流電源を間欠的に供給する構成としても良く、例えば、直流電源とトランジスタとの直列回路を高電圧発生回路1に接続し、トランジスタのスイッチングにより間欠的に電源供給するようにしても良い。
【0044】
(3)また、昇圧トランスとしては、単巻のトランスを用いて、その巻線の一端と巻線の途中に交流電源3を接続し、巻線の両端に倍電圧整流回路の入力端子を接続する構成としても良い。
【0045】
(4)また、上記実施形態ではスイッチ2Aを高電圧発生回路1の入力端子1Aに接続した構成を示したが、高電圧発生回路1の出力端子1Cとコンデンサ41との間に接続した構成としても良い。
【0046】
(5)第2実施形態では、電圧制御手段をスイッチ2Aと高電圧発生回路1の入力端子1Aとの間に接続した構成を示したが、これに限られず、例えば高電圧発生回路1の出力端子1Cに接続した構成としても良い。
さらには、抵抗72a,72b、アナログスイッチ73a,73bに代わって可変抵抗を設け、その抵抗値を制御回路2Bの制御信号により変えるように構成しても良い。この場合には昇圧トランス11の1次巻線に印加される電圧を略無段階に制御することが可能である。
【0047】
(6)第3実施形態では、発振回路8の過渡特性を利用して、アーク放電の防止を図る構成を示したが、例えば発振回路8を定常状態で動作させておき、その後ゲイン調整により直流パルス電圧のパルス振幅を制御する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の除電装置の電気的構成を示した回路図
【図2】(A)高電圧発生回路の出力電圧波形
(B)放電電極の印加電圧の波形
(C)コンデンサの充電電圧波形
【図3】第2実施形態の除電装置の電気的構成を示した回路図
【図4】アナログスイッチのスイッチング状態と高電圧発生回路の入力電圧との関係を示した図
【図5】(a)高電圧発生回路の出力電圧波形
(b)放電電極の印加電圧の波形
【図6】第3実施形態の除電装置の電気的構成を示した回路図
【図7】(a)高電圧発生回路の出力電圧波形
(b)放電電極の印加電圧の波形
【図8】高電圧発生回路の入力される電圧波形の図
【図9】(a)高電圧発生回路の出力電圧波形
(b)放電電極の印加電圧の波形
【図10】従来の除電装置の電気的構成を示した回路図
【符号の説明】
1…高電圧発生回路
2A…スイッチ
2B…制御回路
3…交流電源
41…コンデンサ
42…放電針
Claims (3)
- グランドラインとの間に正又は負の直流パルス電圧を出力する高電圧発生回路と、
前記高電圧発生回路の出力端子に接続されるコンデンサと、
前記コンデンサに直列接続されて前記グランドラインとの間で放電を生じさせる放電針と、
前記高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス振幅を時間の経過とともに順次大きくして前記直流パルス電圧の出力開始時から所定時間経過後に所定の振幅となるように制御する電圧制御手段とを備えることを特徴とする除電装置。 - 前記電圧制御手段は前記直流パルス電圧の出力開始時におけるパルス振幅を所定の振幅に対して半分の振幅に制御することを特徴とする請求項1に記載の除電装置。
- グランドラインとの間に正又は負の直流パルス電圧を出力する高電圧発生回路と、
前記高電圧発生回路の出力端子に接続されるコンデンサと、
前記コンデンサに直列接続されて前記グランドラインとの間で放電を生じさせる放電針と、
前記高電圧発生回路から出力される直流パルス電圧のパルス幅を時間の経過とともに順次広くして前記直流パルス電圧の出力開始時から所定時間経過後に所定のパルス幅となるように制御するパルス幅制御手段とを備えることを特徴とする除電装置。
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