JP4156317B2 - 浴式冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホットパックにより袋や容器に充填された調味料、食品、飲料水等を冷却槽に浸漬して冷却する浴式冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホットパックにより個別包装袋に充填されてシールされた袋詰食品を冷却する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この冷却装置は、樋状の槽内に冷却水を流し、その槽内の側面に配置された噴流ノズルによって冷却水の流れに回転を与えるようになっており、多数の袋詰食品を収納した網袋を槽の上流側から供給すると、その網袋が水流に浮遊しながら下流側に移動し、移動中、噴流ノズルから吐出される噴流によって網袋が回転するため、袋詰食品を短時間に冷却することができるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−91786号公報(第(2)−(3)頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記冷却装置では網袋が水流まかせで移動するため、その移動速度が一定せず、個別包装袋内の食品に温度むらが発生する。また、網袋の供給間隔が短いと網袋が塊状になって移動し、冷却効率が低下するという問題もある。
【0006】
本発明は以上のような従来の冷却装置における課題を考慮してなされたものであり、被冷却物を均一に冷却することができるとともに、安定した冷却効率を得ることができる浴式冷却装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴式冷却装置は、一つの冷却槽で構成された浴式冷却装置と、折返部で連通された平行水路からなる浴式冷却装置がある。
【0008】
第一の浴式冷却装置は、冷却水が出入りし得る開口を有し被冷却物を収容する容器と、冷却水を流す樋状水路からなりその一方端に設けられた容器投入部と他方端に設けられた容器取出部との間に容器を互いに接触した状態で直列に収容し得る冷却槽と、容器取出部に移動した容器を冷却槽から引き揚げ、冷却槽の容器取出部に容器一つ分の空きスペースを確保する容器引揚手段と、冷却槽内の容器列の最後尾を押し出すための移送シリンダを有し、一つの上記容器を移動単位として上記容器列を容器取出部に向けて移動させる容器移動手段と、その容器列の移動によって冷却槽の容器投入部に生じた空きスペースに次の被冷却物を収納した容器を浸漬させる容器投入手段とを備えてなる浴式冷却装置である。
【0009】
上記冷却槽の上段には、容器取出手段によって取り出された容器を容器投入部に帰還させる搬送路を設けることが好ましく、この搬送路に被冷却物を容器から取り出す取出装置を備えることができる。
【0010】
また、上記冷却槽内の冷却水を、容器列移動方向と逆方向に流す冷却水循環手段を設けることが好ましい。
【0011】
第二の浴式冷却装置は、冷却水が出入りし得る開口を有し被冷却物を収容する容器と、折返部で連通された樋状の平行水路からなり、その一方端に設けられた容器投入部と他方端に設けられた容器取出部との間に容器を直列に収容し得る冷却槽と、容器取出部に移動した容器を冷却槽から引き揚げ、冷却槽の容器取出部に容器一つ分の空きスペースを確保する容器引揚手段と、冷却槽内の容器列を容器取出部に向けて移動させる容器移動手段と、その容器列の移動によって冷却槽の容器投入部に生じた空きスペースに次の被冷却物を収納した容器を浸漬させる容器投入手段と、冷却槽を折返部で遮断するとともに容器列の移動時に開動作する開閉ゲートとを備えてなる浴式冷却装置である。
【0012】
上記冷却槽の一方水路には一次冷却用の冷却水を流し、他方水路に二次冷却用の冷却水を流すことができる。
【0013】
また、上記各水路内の冷却水を、容器列移動方向と逆方向に流す冷却水循環手段を設けることが好ましい。
【0014】
また、上記冷却槽には、水路内の水流を撹拌するための撹拌手段を設けることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0016】
まず、第一の浴式冷却装置の構成について図1〜図3を参照しながら説明する。
【0017】
図1(a)は浴式冷却装置の平面図、(b)は正面図である。
【0018】
同図において浴式冷却装置1は、複数の脚部2によって支持される樋状水路としての冷却槽3を有し、この冷却槽3は、後述する被冷却物が入れられた容器4a〜4hを直列に収容することができるようになっている。
【0019】
冷却槽3の右側には下移送シリンダ(容器移動手段)5が設けられ、この下移送シリンダ5のロッドが伸長すると、そのロッド先端に設けられた押板5aが最後尾の容器4hを矢印A方向に押し出し、それにより、容器列4a〜4h全体が矢印A方向に移動し、その結果、先頭の容器4aが容器取出部Sliftに入り込む。
【0020】
図2は上記冷却槽3に投入される容器4aの構成を例示したものである。
【0021】
同図(a)は、箱形に成形された例えばポリプロピレン樹脂等からなる容器であり、各側面4a1,4a2および底面4a3にそれぞれ多数の開口S1が形成されており、この開口S1を通して冷却水が容器4aを通り抜けることができるようになっている。
【0022】
同図(b)は、箱状に組まれたステンレススチール製のフレーム4a4の各側面および底面に、同じくステンレススチール製のネット4a5,4a6,4a7を取り付け、籠構造としたものである。
【0023】
また、同図(c)は、箱状に組まれたステンレススチール製のフレーム4a8の正面にパンチングメタルプレート4a9を取り付け、側面から底面にわたって同じパンチングメタル4a10をU字状に取り付けたものである。この種の容器4aであれば、要するに水槽内搬送用として所定の剛性と耐水性を備え、且つ冷却水の出入りが自由なものであれば任意の容器を使用することができる。
【0024】
この容器4aに、被冷却物、具体的にはホットパックにより充填され個装された例えばスープ等の食品(以下、袋詰食品と呼ぶ)が入れられる。
【0025】
図1に戻って説明する。
【0026】
冷却槽3における容器取出部Sliftには冷却水供給部3aが設けられ、容器投入部Sinには冷却水排出部3bが設けられている。それにより、冷却水は冷却槽3内を矢印A方向とは逆方向、すなわち容器搬送方向と逆方向に流れ、冷却に供せられ冷却水は冷却水排出部3bから排出される。排出された冷却水はチラーユニット6を通過することによって所定の温度に降温され、冷却水供給部3aに戻される。上記冷却槽3に配管を介して接続されたチラーユニット6は冷却水循環手段として機能する。
【0027】
また、冷却槽3の中心から容器投入部Sin側にはエアレーションを行うためのエアーノズル7が設けられ冷却槽3内を流れる冷却水を撹拌するようになっている。
【0028】
冷却槽3の中心から容器取出部Slift側には循環ポンプ8が複数設けられ、各循環ポンプ8は吸引口8aから冷却水を吸引して吐出口8bから噴出することにより、冷却水を強制撹拌するようになっている。上記エアーノズル7および循環ポンプ8は撹拌手段として機能する。
【0029】
なお、上記したエアレーションのためのエアーノズル7および循環ポンプ8の配置は、冷却効率を考慮して適宜決められるものであり、冷却槽3の一部に限らず、全体に配設することもできる。
【0030】
冷却槽3における容器取出部Sliftの上部には、容器を冷却槽3から引き揚げるための引揚リフト(容器引揚手段)9が配置されている。
【0031】
この引揚リフト9は、冷却槽3上に門形に組まれた架台10に固定された昇降シリンダ9aと、この昇降シリンダ9aのロッド下端に取り付けられた籠部9bを有し、この籠部9bは、冷却槽3内に降下して容器4aが送られてくるのを待機し、容器4aが送られてきた際にその容器4aを内部に取り入れ、冷却槽3の上方にすくい揚げるように構成されている。すなわち、引揚リフト9の籠部9bは冷却槽3内に待機している。
【0032】
なお、籠部9bの底面は、すのこ状に形成されており、水切りができるようになっている。また、上記昇降シリンダ9aは、速度調節ができるエアシリンダで構成することができる。
【0033】
すくい揚げられた容器4aの左側面に対向する位置には、上移送シリンダ11が配置されており、この上移送シリンダ11が伸長するとそのロッド先端に設けられた押板11aが容器4aを矢印B方向に送り出し、取出位置Soutに移動させる。
【0034】
この取出位置Soutには取出装置12が設けられ、容器4aに収容されている袋詰食品を払出すようになっている。
【0035】
図3はその取出装置12の構成を示したものであり、図1(b)のC−C矢視図を示している。
【0036】
同図において、取出装置12は、容器4aの下面を支持している底板12aを有し、この底板12aは架台10の右側下部に設けられた回転軸12bを回転中心として矢印D方向に回転することができ、底板12aの右側端部には後述するリンク12gが一体に固定されている。
【0037】
12cは底板12aから鍵状に立設された脱落防止部であり、12dは容器4aのずれを防止する位置決め部である。
【0038】
架台10の右側上部から垂下された取出シリンダ12eが伸長すると、そのロッドの先端に設けられたロッド12fが下降し、このロッド12fに連結ピンで連結されているリンク12gがθ°回転する。
【0039】
リンク12gの回転によって底板12aが二点鎖線で示す位置まで変位し、脱落防止部12cと位置決め部12dによって保持されている容器4aの開口が下向きになると、その内部に収容されていた袋詰食品が払い出されて受け箱Eに受けられる。
【0040】
図1に戻り、冷却槽3の上段には上記取出装置12によって空になった容器4aを矢印F方向に移送する搬送路が設けられており、この搬送路にローラコンベア13が設けられ、このローラコンベア13上を空の容器列が移動するようになっている。そしてローラコンベア13の経路上であって投入リフト14の手前で、次に冷却される袋詰食品が空容器に投入される(図1(b)のG位置参照)。
【0041】
投入リフト(容器投入手段)14は、基本的に上述した引揚リフト9と同じ構成からなり、昇降シリンダ14aと籠部14bを有し、ローラコンベア13によって搬送されてきた先頭の容器を籠部14b内に取り込み、冷却槽13における容器投入部Sinに降下させるようになっている。ただし、籠部14bは容器投入部Sinの上方で待機するものとする。
【0042】
なお、図中、15は冷却ユニット6に送る冷却水を一時的に貯留して吸込水量を確保するための戻りタンクであり、16は冷却装置の運転を行うための操作ボタンである。
【0043】
また、上記ローラコンベア13上に、濡れた被冷却物を乾燥させる乾燥装置を配置することもできる。この場合、冷却から乾燥までの工程をコンパクトな装置で実現することができるという利点がある。ただし、取出装置12については袋詰食品投入位置G寄りに移動させる必要がある。
【0044】
次に、上記構成を有する浴式冷却装置1の動作について説明する。
【0045】
なお、冷却槽3内には温度管理された冷却水が循環しているものとする。
【0046】
まず、前準備として、空容器を投入リフト14に入れ、投入リフト14の昇降、下移送シリンダ15の伸縮によって冷却槽3内に空容器を順次直列に送っていくとともに、引揚リフト9の昇降、上移送シリンダ11の伸縮によってローラコンベア13上にも容器列を直列に配置していく。
【0047】
容器投入部Sinの上段と容器取出部Sliftの下段とにそれぞれ容器一つ分の空きスペースを残した状態でローラコンベア13および冷却槽3が容器列で埋まると、袋詰容器投入位置Gから、袋詰食品が所定数、容器4iに投入される。
【0048】
操作ボタン16を押して運転を開始すると、下移送シリンダ5が伸長して容器列4a〜4hを左に移動させ、容器引揚部Sliftに容器4aが入ると、引揚リフト9が上昇してその容器4aを引き揚げる。
【0049】
引き揚げられた容器4aは上移送シリンダ11の伸長によって矢印B方向に押し出され、引揚リフト9の籠部9bは再び水中に降下する。
【0050】
容器4iが押されて投入リフト14の籠部14b内に入ると、投入リフト14が下降して容器4iを冷却槽3内に浸漬させる。
【0051】
次いで下移送シリンダ5が伸長して容器列4b〜4iを左方向に移動させ、先頭の容器4bが引揚リフト9の籠部9bに入る。引揚リフト9が上昇してから以降は、上記の動作を繰り返す。
【0052】
このように、本実施形態の浴式冷却装置によれば、一つの容器を移動単位として袋詰食品を保持した容器が冷却槽3内で移動するため、容器が冷却槽3内に浸漬されてから引き揚げられるまでの時間を常に一定にすることができ、袋詰食品を均一に冷却することができる。
【0053】
また、冷却が終えた空容器は袋詰食品投入位置に自動的に戻ってくるため、作業者は移動することなく作業が行える。
【0054】
また、容器内の袋詰食品はエアレーションや循環ポンプによって循環される冷却水によって冷却されるが、水流に随伴されて移動する範囲は容器内に限られるため、個装袋に過大な力が加わらず、袋のシール部分が剥がれる等のトラブルを解消することができる。
【0055】
次に、第二の浴式冷却装置の構成について図4〜図6を参照しながら説明する。
【0056】
図4(a)は浴式冷却装置20の平面図、(b)は正面図である。
【0057】
同図に示す浴式冷却装置20は、複数の脚部21によって支持される樋状水路としての第一冷却槽22および第二冷却槽23を平行に備え、各冷却槽は折返部24で接続されている。
【0058】
第一冷却槽22は、複数の袋詰食品を保持した容器25i〜25pを直列に収容することができ、第一冷却槽22の後端部(図の左側)上部には容器を投入するための容器投入部Tinが設けられ、この容器投入部Tinに投入リフト(容器投入手段)26が備えられている。
【0059】
第二冷却槽23も同様に複数の袋詰食品を保持した容器25a〜25hを直列に収容することができ、第二冷却槽23の後端部(図の左側)上部には容器引揚部Tliftが設けられ、この容器引揚部Tliftに引揚リフト(容器引揚手段)38が備えられている。
【0060】
なお、各冷却槽22,23に投入される容器25a〜25pの構成は図2に示したものと同じものである。
【0061】
上記投入リフト26は、図5に示すように、昇降シリンダ26aのロッド26bに容器25pを保持し得る籠部26cを備えており、その籠部26cから上方に立設された二本のガイドシャフト26d,26dは、門形に形成されたフレーム26eに設けられたガイドブッシュ26f,26fにガイドされて昇降するようになっている。それにより、籠部26cに収容された容器25pを第一冷却槽22に浸漬するようになっている。
【0062】
第一冷却槽22の後端部には第一移送シリンダ(容器移動手段)27が設けられ、この第一移送シリンダ27のロッドが伸長すると、そのロッド先端に設けられた押板(図示しない)が、浸漬された容器列の最後尾25pを矢印H方向に押し出すようになっている。
【0063】
第一冷却槽22の右側先端部には冷却水供給部22aが設けられ、容器投入部Tinには冷却水排出部22bが設けられている。それにより、冷却水は第一冷却槽22内を矢印H方向とは逆方向、すなわち容器搬送方向と逆方向に流れ、冷却に供せられ冷却水は冷却水排出部22bから排出され、クーリングタワー28で所定の温度に降温され、冷却水供給部22aに戻される。この第一冷却槽22は袋詰食品の一次冷却を行うようになっている。
【0064】
上記第一冷却槽22に配管を介して接続されたクーリングタワー28は冷却水循環手段として機能する。
【0065】
容器折返部Tretには左右方向に槽間移送シリンダ29が配置されており、さらに、第一冷却槽22と第二冷却槽23とを連通または遮断する開閉ゲート30が設けられている。
【0066】
図6は、図4(a)を矢印I方向から見た図であり、上記槽間移送シリンダ29を拡大して示したものである。
【0067】
図6において、第一冷却槽22の容器折返部Tret上部にはフレーム22cが門形に形成されており、このフレーム22cに槽間移送シリンダ29が固定されている。
【0068】
槽間移送シリンダ29は、そのチューブに沿ってフローティングブラケット29aを往復動させるシリンダからなり、そのフローティングブラケット29aから鍵状のプレート29bが垂下され、そのプレート29bの先端に押圧板29cが固定されている。
【0069】
槽間移送シリンダ29を駆動して押圧板29cを矢印J方向に移動させることにより、第一冷却槽22内の容器25iを第二冷却槽23内に移し替えることができる。
【0070】
図7は図4(b)のK部拡大図である。
【0071】
図7において、第一冷却槽22と第二冷却槽23との間には開閉ゲート30が設けられている。この開閉ゲート30は、開閉シリンダ31によって矢印L方向に往復動するようになっている。
【0072】
詳しくは、第一冷却槽22と第二冷却槽とは開口部32を介して連通しており、開閉ゲート30はガイドシャフト33から吊具33a,33bを介して吊持されており、一方の吊具33bは開閉シリンダ31のロッドと接続されている。従って、開閉シリンダ31が伸縮すると、吊具33a,33bを介して吊持されている開閉ゲート30が移動し、開口部32を開くかまたは遮断するようになっている。
【0073】
図4に戻って説明する。ただし、容器25iは第一冷却槽22内にあるものとする。
【0074】
第二冷却槽23の始端部(図の右側)には第二移送シリンダ(容器移動手段)34が設けられ、この第二移送シリンダ34のロッドが伸長すると、そのロッド先端に設けられた押板34aが最後尾の容器25hを矢印M方向に押し出し、それにより、容器列25a〜25h全体が矢印M方向に移動し、その結果、先頭の容器25aが容器取出位置Tliftに送り込まれるとともに、第二冷却槽23の始端部に第一冷却槽22から移送される容器25iのためのスペースが確保される。
【0075】
上記容器取出位置Tliftの上部には、容器25aを冷却槽23から引き揚げるための引揚リフト38が配置されている。
【0076】
この引揚リフト38は、基本的に投入リフト26と同じ構成からなり、第二冷却槽23上に組まれた架台38aに固定されている昇降シリンダ38bと、この昇降シリンダ38bのロッド下端に取り付けられた籠部38cを有し、この籠部38cは、第二冷却槽23内に降下して容器25aが送られてくるのを待機し、容器25aが送られてきた際にその容器25aを内部に取り込み、第二冷却槽23の上方にすくい揚げるように構成されている。
【0077】
すくい揚げられた容器25aの右側面に対向する位置には上移送シリンダ39が配置されており、この上移送シリンダ39が伸長するとそのロッド先端に設けられた押板(図示しない)が容器25aを矢印N方向に送り出し、テーブル40上に移し替える。
【0078】
このテーブル40は、投入リフト26まで延設されており、袋詰食品が取り出された空容器25aを矢印O方向に移動させることにより、投入リフト26位置まで戻すことができる。
【0079】
また、第二冷却槽23における容器取出部Tliftには冷却水供給部23aが設けられ、容器折返部Tretには冷却水排出部23bが設けられている。それにより、冷却水は第二冷却槽23内を矢印M方向とは逆方向、すなわち容器搬送方向と逆方向に流れ、冷却に供せられ冷却水は冷却水排出部23bから排出される。排出された冷却水はチラーユニット35を通過することによって二次冷却温度に降温され、冷却水供給部に戻される。
【0080】
上記第二冷却槽23に配管を介して接続されたチラーユニット35は冷却水循環手段として機能する。
【0081】
また、第一冷却槽22内の下部にはエアレーションを行うためのエアーノズル36が幅方向に配設され、冷却槽23内を流れる冷却水を撹拌するようになっている。
【0082】
さらに、冷却槽23の側壁には循環ポンプ37が長手方向に配列されており、この循環ポンプ37は吸引口37aから冷却水を吸引して吐出口37bから噴出することにより、冷却水を強制循環させるようになっている。上記エアーノズル36および循環ポンプ37は撹拌手段として機能する。
【0083】
なお、図中41は、第一冷却槽22に設けられた戻りタンクであり、42は第二冷却槽23に設けられた戻りタンクである。
【0084】
また、43は袋詰食品を容器に搬送するためのコンベアであり、第一冷却槽22中に浸漬された空容器に対して袋詰食品を投入するようになっている。このように、投入リフト26によって水中に降下している空容器に対して袋詰食品を投入するように構成すれば、空容器の位置決めをする必要がなく、しかも水中に投下することにより袋詰食品の袋が損傷する虞れもない。また、44は冷却装置の運転を行うための操作ボタンである。
【0085】
次に、上記構成を有する浴式冷却装置の動作について説明する。
【0086】
第一冷却槽22および第二冷却槽23の各槽内に容器が直列に収容されていることを前提とする。なお、本実施形態では袋詰食品を第一冷却槽22内で一次冷却し、次いで第二冷却槽23内で二次冷却する場合について説明する。
【0087】
第一冷却槽22内にはクーリングタワー28によって20℃に温調された水道水(または井水)が循環されており、第二冷却槽23にはチラーユニット35によって3℃に温調されたチラー水が循環されている。
【0088】
容器25pが投入リフト26の籠部26aに保持され、第一冷却槽22内に浸漬されている状態で、袋詰食品(投入時80℃)がその容器25p内に投入される。
【0089】
操作ボタン44を押して運転を開始すると、まず、第二移送シリンダ34が伸長し、第二冷却槽23内の先頭の容器25aが、水中に待機している引揚リフト38の籠部38a内に入る。
【0090】
次いで引揚リフト38は容器25aを引き揚げる。容器25aが引き揚げられると、上移送シリンダ39が伸長し、容器25aをテーブル40上に払出す。
【0091】
容器25aが払出されると、引揚リフト38の籠部38aを降下させ、第二冷却槽23内に浸漬させて次の容器25bの受け入れに待機する。
【0092】
次いで、第一移送シリンダ27を伸長させ、容器列25i〜25pを矢印H方向に移動させ、先頭の容器25iを折返部Tretに送り込む。容器25iが折返部Tretに送り込まれると、開閉シリンダ31を伸長させて開閉ゲート30を開き、第一冷却槽22と第二冷却槽23との間の開口部32を開口させる。
【0093】
次いで、槽間移送シリンダ29を伸長させて第一冷却槽22の先端に位置する容器25iを第二冷却槽23の始端部に移し替える。容器25iの移送が終わると、槽間移送シリンダ29を縮小させるとともに開閉ゲート30を閉じる。
【0094】
投入リフト26下方の第一冷却槽22には容器1個分の空きスペースができるため、引き揚げられテーブル40上にある容器25aを再度、投入リフト26の籠部26cに入れ、籠部26cを下降させて第一冷却槽22に浸漬させる。
【0095】
以下、上述した手順を繰り返すことにより、第一冷却槽22から第二冷却槽23に容器が循環し、袋詰食品の冷却が連続して行われる。
【0096】
このように第一冷却槽22内を容器が移動する時間は常に一定であるため、容器に投入された袋詰食品は第一冷却槽22を移動する間に均一に冷却される。具体的には投入時80℃であった各袋詰食品は、第一冷却槽22の折返部Tretに到達した時点で40℃に一次冷却されることになる。そしてさらに、第二冷却槽23に移送された後、引揚リフト38に到達した時点で5℃まで二次冷却される。
【0097】
なお、引揚リフト38の籠部38cの上昇位置を投入リフト26のそれよりも若干高い位置に設定し、テーブル40を矢印O方向に向けて先下がりに傾斜させれば、引き揚げられた容器25aを投入リフト側に滑らせて送ることができる。
【0098】
また、上記実施形態では、袋詰食品を冷却する場合を例にとり説明したが、これに限らず、ホットパックにより容器に充填された調味料、食品、飲料水等を冷却することもできる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、被冷却物を容器に投入し、冷却槽内にその容器を直列に収納し、冷却槽の一方から容器を引き揚げ、冷却槽の他方から容器を投入するように構成したため、被冷却物の浸漬時間を揃えることができ、被冷却物を均一に冷却することができる。また、被冷却物は容器内に保持された状態で撹拌されるため、被冷却物を個装している袋等を損傷する虞れがない。
【0100】
請求項2の本発明によれば、冷却槽の上段に、容器取出手段によって取り出された容器を容器投入部に帰還させる搬送路を設け、この搬送路に、被冷却物を容器から取出す取出装置を備えたため、容器回収作業が必要とされず、しかも作業者は移動することなく被冷却物を投入することができる。
【0101】
請求項3の本発明によれば、上記冷却槽内の冷却水を、容器列移動方向と逆方向に流すことができるため被冷却物と冷却水との接触率が高まり、冷却効果を高めることができる。
【0102】
請求項4の本発明によれば、被冷却物を容器に投入し、第一の冷却槽と第二の冷却槽内にその容器を直列に収納し、第一の冷却槽から第二の冷却槽に容器を移し替え、第二の冷却槽から容器を引き揚げるように構成したため、被冷却物の冷却効率を向上させることができる。
【0103】
請求項5の本発明によれば、上記冷却槽の一方水路に一次冷却用の冷却水を流し、他方水路に二次冷却用の冷却水を流すようにしたため、被冷却物を短時間で冷却することができる。
【0104】
請求項6の本発明によれば、各冷却槽内の冷却水を、容器列移動方向と逆方向に流すことができるため被冷却物と冷却水との接触率が高まり、冷却効果を高めることができる。
【0105】
請求項7の本発明によれば、冷却槽の側壁に水路内の水流を撹拌するための撹拌ノズルを設けたため、冷却槽内の水流を撹拌して冷却効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第一の浴式冷却槽の平面図、(b)はその正面図である。
【図2】本発明に使用される容器の形態を例示した斜視図である。
【図3】図1の取出装置の動作を説明する拡大左側面図である。
【図4】 (a)は本発明の第二の浴式冷却槽の平面図、(b)はその正面図である。
【図5】 (a)は図4の投入リフトの構成を示す正面拡大図、(b)はその左側面図である。
【図6】図4の開閉ゲートの動作を説明する正面拡大図である。
【図7】図4(b)のK部拡大図である。
【符号の説明】
1 浴式冷却装置
2 脚部
3 冷却槽
4a〜4j 容器
5 下移送シリンダ
6 チラーユニット
7 エアーノズル
8 循環ポンプ
9 引揚リフト
9a 昇降シリンダ
9b 籠部
10 架台
11 上移送シリンダ
12 取出装置
13 ローラコンベア
14 投入リフト
14a 昇降シリンダ
14b 籠部
Claims (4)
- 冷却水が出入りし得る開口を有し被冷却物を収容する容器と、折返部で連通された樋状の平行水路からなりその一方端に設けられた容器投入部と他方端に設けられた容器取出部との間に上記容器を直列に収容し得る冷却槽と、上記容器取出部に移動した容器を上記冷却槽から引き揚げ、冷却槽の容器取出部に容器一つ分の空きスペースを確保する容器引揚手段と、上記冷却槽内の容器列を上記容器取出部に向けて移動させる容器移動手段と、その容器列の移動によって上記冷却槽の容器投入部に生じた空きスペースに次の被冷却物を収納した容器を浸漬させる容器投入手段と、上記冷却槽を上記折返部で遮断するとともに容器列の移動時に開動作する開閉ゲートとを備えてなることを特徴とする浴式冷却装置。
- 上記冷却槽の一方水路に一次冷却用の冷却水が流され、他方水路に二次冷却用の冷却水が流される請求項1記載の浴式冷却装置。
- 上記各水路内の冷却水を、容器列移動方向と逆方向に流す冷却水循環手段が設けられている請求項1または2記載の浴式冷却装置。
- 上記冷却槽に、水路内の水流を撹拌するための撹拌手段が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の浴式冷却装置。
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