JP4155127B2 - 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 - Google Patents
回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4155127B2 JP4155127B2 JP2003195287A JP2003195287A JP4155127B2 JP 4155127 B2 JP4155127 B2 JP 4155127B2 JP 2003195287 A JP2003195287 A JP 2003195287A JP 2003195287 A JP2003195287 A JP 2003195287A JP 4155127 B2 JP4155127 B2 JP 4155127B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- magnet rotor
- seal
- multipolar magnet
- cylindrical portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2326/00—Articles relating to transporting
- F16C2326/01—Parts of vehicles in general
- F16C2326/02—Wheel hubs or castors
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルサリング、これを備えたシール装置および転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の車軸を支持する転がり軸受装置の内部を密封するために用いるシール装置に、車輪等の回転状態を検出する回転検出装置を構成するパルサリングを組み込んだものがある(例えば、特許文献1参照。)。このシール装置は、車体側に非回転に取り付けられる外輪に固定される第1シールリングと、車軸と共に回転する内輪に固定される第2シールリングとを備え、第2シールリングに多極磁石ロータが接着されたものである。
【0003】
パルサリングを構成する多極磁石ロータは、その回転に対応した磁気を発生させるべく、周方向交互にN極、S極を配置するように磁化されている。そして、内輪と共に回転する多極磁石ロータの回転状態を、外輪側に取り付けられた磁気センサにより、非接触で検出している。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−255337号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにパルサリングを組み込んだシール装置では、多極磁石ロータの被検出面が、シール装置の外部側に露出しているため、車両の走行に伴い路上等の小石や砂利等の異物が、多極磁石ロータの被検出面に直接に当りやすい構造であり、磁気センサと多極磁石ロータとの間に噛み込んだりして、被検出面が破損するおそれがある構造になっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転検出用のパルサリングは、回転輪に一体回転可能に取り付けられる非磁性の支持環と、磁気を発生する被検出面を備え且つこの被検出面が磁気センサと対向するように、前記支持環に取り付けられる多極磁石ロータとを備えた回転検出用のパルサリングに対して、前記支持環は、金属材をプレス成形により一体的に形成してなり、前記回転輪に嵌合可能な円筒部と、前記円筒部の軸方向外方側から径方向に延びる環状板部と、この環状板部から軸方向外方側に円筒状に延びる二重環状板部とから構成し、前記二重環状板部は、軸方向外方側に延びる第1円筒部と、この第1円筒部の外方側先端から径方向に延びる径方向部分を介して軸方向内方側に延びる第2円筒部とからなり、前記多極磁石ロータを筒状として前記第1円筒部と第2円筒部との間に収納固定したことにより、上述した課題を解決している。
【0007】
上記において、回転輪に取り付ける支持環としては、シール装置における回転輪側に取り付けられるシールリングを兼用してもよく、シールリングとは別体の部材で構成してもよい。
【0008】
本発明によれば、多極磁石ロータの被検出面を二重環状板部の第2円筒部で覆い隠しているため、小石等の異物が、多極磁石ロータの被検出面に直接当るようなことはなく、また異物が、磁気センサと多極磁石ロータの被検出面との間隙に侵入して噛み込んだ場合であっても、第2円筒部が多極磁石ロータの被検出面を保護することとなり、被検出面の破損がなくなる。これによって、多極磁石ロータからは磁力線が回転に対応して正確に発生できるようになり、磁気センサと共に構成される回転検出装置における回転検出精度を有効に維持できるようになる。
【0009】
また、支持環の一部に二重環状板部の第1円筒部と第2円筒部とを一体的に形成することができるので、それらを別体で製造する場合に比し、部品点数の削減が可能となりコストダウンを図れる。
【0010】
本発明の一実施態様として、前記支持環を前記回転輪に嵌合可能な円筒部と、前記円筒部の軸方向一方側から径方向に延びる環状板との形状に形成し、この環状板を互いに対して対向する少なくとも二重となった第1環状部分と第2環状部分とで構成し、前記第1環状部分を前記取り付け部とし、前記第2環状部分を前記被覆部として、両環状部分の対向面のうち第1環状部分の対向面に前記多極磁石ロータを接着し、前記第2環状部分の対向面でその接着した多極磁石ロータの被検出面を覆った構成とする。この実施態様では、多極磁石ロータが第1環状部分と第2環状部分の対向面間に挟持されることから、その周囲が被覆されたようになり、より多極磁石ロータの被検出面を異物等から保護することができるようになって好ましい。
【0011】
本発明の一実施態様として前記支持環を非磁性の金属材により形成し、前記多極磁石ロータを、磁性粉入りのゴムまたは樹脂をベースにして周方向交互にN極、S極を配置するように着磁したものにより構成する。この実施態様のように支持環を非磁性金属体により構成した場合、多極磁石ロータを支持環の被覆部で覆い隠しても、多極磁石ロータから磁気センサに向けて発生する磁力には何らの影響がなくなり、より安定した回転検出性能を発揮できるようになって好ましい。
【0012】
本発明のシール装置は、非回転輪に第1シールリングを固定し、回転輪に第2シールリングを固定し、少なくとも一方のシールリングに備えるシールリップを他方のシールリングに対して接触させ、前記非回転輪側に取り付けられる磁気センサにより非接触で検出されるパルサリングを設け、このパルサリングを、前記回転輪側に取り付けられる非磁性の支持環と、この支持環における前記磁気センサと対向する位置に接着された多極磁石ロータとで構成したシール装置において、前記支持環の一部に、前記多極磁石ロータを取り付けるための取り付け部と前記多極磁石ロータの検出を覆い隠すための被覆部とを一体に設けるとともに、前記取り付け部に前記多極磁石ロータを取り付け、前記被覆部で前記多極磁石ロータの被検出面を被覆したことにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3を参照して本発明の実施の形態に係るシール装置を説明する。図1は、そのシール装置を備えた転がり軸受の要部拡大断面図、図2は、図1のシール装置が備える第1シールリングの金属環および多極磁石ロータの一部破断斜視図、図3は、図1のシール装置が備えるパルサリングの製造状態を示す断面図である。
【0014】
図1を参照して、転がり軸受1は、非回転輪として軸受鋼等からなる外輪2と、回転輪として軸受鋼等からなる内輪3と、外輪2と内輪3の両軌道面間を転動する複数の玉からなる玉列4とを備え、かつ、軸受の内部空間である外輪と内輪3との対向環状空間を軸受端部側から密封するためのシール装置5を備えている。
【0015】
シール装置5は、第1、第2シールリング10、20を備える。第1シールリング10は、金属環13に主、補助、サイドの各シールリップ14a、14b、14cを被着した構成である。第1シールリング10の金属環13は、例えばJIS規格SUS304の非磁性ステンレス鋼など、非磁性の金属板をその構成素材にしている。第1シールリング10の金属環13は、外輪2の内周面に対して軸方向に沿う外径を有する円筒部13aと、この円筒部13aの軸方向内端から径方向内向きに延び、その内周端が内輪3の外周面に所要の隙間を空けて対向している環状板部13bとから構成される。第1シールリング10は、その円筒部13aが軸方向に沿って外輪2の内周面に圧入されることにより該外輪2の内周面に嵌合した状態に固定される。
【0016】
第2シールリング20は、第1シールリング10とは異なって、例えばJIS規格SUS304の非磁性ステンレス鋼など、非磁性金属板を素材にした金属環だけで構成されている。第2シールリング20は、第1シールリング10とはさらに異なって、多極磁石ロータ33を支持する支持環としての付加機能を有し、また、多極磁石ロータ33と共に回転検出装置の一部であるパルサリング31をも構成する。
【0017】
詳しくは、図1と共に図2も参照して、第2シールリング20は、内輪3の外周面に沿って軸方向に延びるとともにその外周面に第1シールリング10の主シールリップ14aおよび補助シールリップ14bが接触する軸方向の円筒部21を備える。第2シールリング20の円筒部21は内輪3の外周面に嵌合して当該第2シールリング20を支持する支持環本体として機能する。
【0018】
また、第2シールリング20においては、支持環本体となる円筒部21の軸方向外端から径方向に延びて二重構造となった環状板部22を備える。この環状板部22は、その内側の面に、第1シールリング10のサイドシールリップ14cが接触すると共に、多極磁石ロータ33を取り付けるための取り付け部として機能する第1環状部分23と、この第1環状部分23の外径端部から径方向内向きに延びかつ第1環状部分23に対して軸方向に所定距離平行に離隔して多極磁石ロータ33の被検出面としての被検出面33aを覆い隠す被覆部として機能する第2環状部分24と、これら第1、第2環状部分23,24を一体化する、接続部分としての短い円筒部分25とから構成されている。この場合、第2環状部分24の内周端は、内輪3の外周面との間に所定の隙間をあけて非接触状態に対向している。
【0019】
多極磁石ロータ33は、例えば磁性粉入りのゴムまたは樹脂をベースにして周方向交互にN極、S極を配置するように着磁してなるものである。
【0020】
このように第1環状部分23と第2環状部分24とは互いの対向面の間で多極磁石ロータ33を軸方向両側から挟み込み、多極磁石ロータ33の側面の被検出面(着磁面)33aを覆い隠して該被検出面33aを異物から保護している。この意味で第2環状部分24における第1環状部分23との対向面は、多極磁石ロータ33の被検出面33aを被覆する被覆部であり、かつ、被検出面33aを保護する保護部と称することができる。
【0021】
多極磁石ロータ3を第1環状部分23に取り付け、第2環状部分24で被覆した状態において、第2環状部分24の内周端面の内径D1は、多極磁石ロータ33の内径D2と等しいかそれよりも小さく設定すると好ましいが、本実施の形態では、第2環状部分24の内周端面の内径D1を、多極磁石ロータ33の内径D2よりも小さく設定して、第2環状部分24の内周端部を、多極磁石ロータ33の内周端部よりも突出させている。このように第2環状部分24の内周端部が、多極磁石ロータ33の内周端部よりも突出していると、多極磁石ロータ33の被検出面33aの全体が第2環状部分24で完全に被覆された状態となるから、多極磁石ロータ33を異物から覆い隠して保護するうえで好ましい。この場合、第2環状部分24の内側の面24aは多極磁石ロータ33の被検出面33aに密着して異物の侵入をより効果的に防止している。
【0022】
磁気センサ30は、磁気を検出するセンサであり、例えばホール素子、ホールICや磁気抵抗素子等の適宜のセンサからなり、そのセンサ出力を導出するリード線30aと共に、非磁性の素材、例えば非磁性の樹脂、からなる外装体35でモールドされている。外装体35は、磁気センサ30と多極磁石ロータ33とが軸方向に非接触な状態で対向しかつ磁気センサ30からのリード線30aを不図示の電子回路に接続できるように、外輪2側に適宜に支持される。パルサリング31と磁気センサ30は、内輪3の回転状態を検出する回転検出装置を構成する。この回転状態は特に限定されないが、例えば、回転位相、回転速度、回転数、回転方向がある。
【0023】
図3を参照して第2シールリング20に対する多極磁石ロータ33の取り付けを説明する。先ず、第2シールリング20の素材となる金属材を第2シールリング20の円筒部21をプレス成形しておく。このプレス成形の状態で二重環状板部22においては、図3の実線で示すように、円筒部21の端部から径方向外向きに第1環状部分23が延びているが、第1環状部分23と第2環状部分24とを接続する円筒部分25と第2環状部分24とが折り曲げられていない。
【0024】
次に、多極磁石ロータ33を図3に示すように第1環状部分23の外側の面に加硫成型により接着し、その接着状態した状態でN極とS極の互いに異極が周方向交互に並ぶように公知の手段を用いて着磁する。その後、第2環状部分24を図3の実線から二点鎖線で示すように折り曲げることで第2環状部分24を第1環状部分23に対して軸方向で対向させる。
【0025】
第2シールリング20に対する多極磁石ロータ33の他の取り付け例としては、第2シールリング20の素材となる金属材を第2シールリング20の円筒部21と二重環状板部22の形状にプレス成形しておく。この場合、二重環状板部22においては、図3の仮想線で示すように、第1環状部分23に対して第2環状部分24を折り曲げた状態に成形する。その成形の後で第1環状部分23と第2環状部分24との間に多極磁石ロータ33を収納し第1環状部分部23に接着し第2環状部分24を介して多極磁石ロータ33を着磁してもよい。
【0026】
さらに、シール装置5を組み付ける場合、第1シールリング10と第2シールリング20を組み合せて一体とした状態で外輪2と内輪3との間に取り付ける。第2シールリング20は、着磁された多極磁石ロータ33が予め一体的にされているため、内輪3に容易にかつ迅速に取り付けることができる。
【0027】
このような転がり軸受1において、内輪3が回転すると、内輪3と共に多極磁石ロータ33も回転する。多極磁石ロータ33はその回転に対応した磁力線を磁気センサ30に対して発生する。磁気センサ30は、その磁力線に基づいて多極磁石ロータ33の回転状態に対応した検出出力を出力する。このような回転検出において多極磁石ロータ33の被検出面33aが第2シールリング20の第2環状部分24により覆い隠されていても、第2環状部分24が非磁性の金属板により構成されているから、磁気センサ30は多極磁石ロータ33から発生する磁力線を検出できる。
【0028】
また、多極磁石ロータ33の被検出面33aは第2シールリング20の第2環状部分24によりその全面を覆われていることから、石やその他の異物により破損されるおそれはない。第2環状部分24が多極磁石ロータ33の被検出面33aに密着していることから、異物が多極磁石ロータ33の被検出面33aと第2環状部分24との間に侵入するのを防止でき、これによって、多極磁石ロータ33からは回転に正確に対応した磁力線を発生し、磁気センサ30で回転状態を高精度に検出できる。
【0029】
しかも、第2シールリング20は、第1シールリング10と共に上記転がり軸受装置の内部を密封するシール装置を構成する部材と、多極磁石ロータ33を支持する部材と、多極磁石ロータ33の被検出面33aを保護する部材とを兼用するため、部品点数の減少を図れる。
【0030】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
【0031】
図4に示されるシール装置は、駆動輪である車輪を支持するための転がり軸受装置に組み込まれている。図4では左側が車両アウター側を、右側が車両インナー側を示す。この転がり軸受装置61は、外輪62と、ハブ軸32と、内輪63と、複数の玉列44、44と、車両アウター側の第1保持器6aと、車両インナー側の第2保持器6bとを備えている。
【0032】
外輪62は、軸方向2列の冠形保持器6a、6bそれぞれでもって軸方向2列の玉列44、44それぞれを介して、ハブ軸32および内輪63を軸心Oの回りに回転自在に支持している。外輪62は、径方向外向きのフランジ62aが車体のナックル9に対してボルト8で固定されることによって、車体に非回転に固定される。
【0033】
ハブ軸32は、その外周面の車両アウター側に径方向外向きに突出したフランジ32aを備え、このフランジ32aに、不図示のブレーキディスクロータならびに車輪が取付けられる。ハブ軸32は、軸方向に貫通されかつ内周に雌スプラインが形成された中心孔を備える。このハブ軸32の中心孔に、等速ジョイントの椀形形状をした外輪39に一体的に形成された軸部40が挿入されてスプライン嵌合され、また、軸部40の端部にナット41が螺合されることにより、等速ジョイントの外輪39とハブ軸32とが一体化されている。
【0034】
内輪63は、ハブ軸32の車両インナー側の外周面に取り付けられ、ハブ軸32の車両インナー側端部のかしめつけでハブ軸32に固定されている。外輪62と内輪63との間の環状空間は、車両アウター側と車両インナー側それぞれに装着されたシール装置5、38により密封される。
【0035】
車両インナー側のシール装置5は、図1から図3に示したシール装置とされる。そして、このシール装置5の第1シールリング10の金属環13が外輪62に固定され、第2シールリング20の円筒部21が内輪63に固定される。
【0036】
このようなシール装置5を用いた場合、等速ジョイントの軸部40が回転すると、内輪63と共に多極磁石ロータ33も軸心O回りに回転するため、外輪62側(車体)に樹脂製の外装体35を介して固定された磁気センサ30が、車輪の回転状態を確実に検出できる。磁気センサ30は、外輪62に直接取り付けても良い。
【0037】
図5に示されるシール装置においては、多極磁石ロータ33と磁気センサ30とを直径方向に配置したラジアルタイプである。具体的には、第2シールリング20は、円筒部21と、この円筒部21から径方向外向きに延びる環状板部26と、この環状板部26から軸方向一方にほぼ水平に延びる二重環状板部22とから構成されている。二重環状板部22は、軸方向一方に延びる第1円筒部23aと、径方向の短い円筒部分25aと、軸方向他方に延びる第2円筒部24aとからなる。
【0038】
多極磁石ロータ33は、筒状に形成され、第2シールリング20の第1円筒部23aに接着されると共に、第1円筒部23aと第2円筒部24aとの間に収納されている。磁気センサ30は、多極磁石ロータ33に対して径方向に配置されている。かかる実施の形態も第2円筒部(被覆部)24aで多極磁石ロータ33の被検出面を覆い隠して異物から有効に保護できる。
【0039】
図6に示されるシール装置5においては、当該シール装置5とは別体にパルサリング31を取り付けている。具体的には、前記第2シールリング20は、円筒部21と環状板部27とからなる。
【0040】
パルサリング31は、第2シールリング20とは別体とされて支持環(支持環)50に、多極磁石ロータ33を接着したものである。この支持環50は、内輪3に嵌合固定される円筒部51と、二重環状板部52からなる。二重環状板部52は、円筒部51から径方向外向きに延びる第1環状部分53と、この第1環状部分53から軸方向一方に短く延びる円筒部分54と、円筒部分54の軸方向一方から径方向内向きに延びて第1環状部分54と軸方向から所定の距離を隔てて対向する第2環状部分55とから構成されている。多極磁石ロータ33は、第1環状部分53に接着され、多極磁石ロータ33の被検出面33aは第2環状部分55で被覆されて保護されている。
【0041】
この実施の形態は、シール装置5とは別体にパルサリング31を取り付けた構成であるから、パルサリング31は、シール装置5側とは無関係に、取り付け位置やスペースに応じて支持環50および多極磁石ロータ33の大きさや形状を任意に設定できる利点がある。
【0042】
図7に示されるシール装置は、例えば自動車の従動輪側に用いる転がり軸受装置に組み込まれる。この転がり軸受装置は、内輪3が非回転輪ないしは固定輪とされ、外輪2が回転輪とされる。具体的には、パルサリング31は外輪2側に取り付けられている。パルサリング31の支持環50は、外輪2の内側端部に嵌合固定される円筒部51と、二重環状板部52からなる。二重環状板部52は、円筒部51から径方向内向きに延びる第1環状部分53と、この第1環状部分53から円筒部分54を介して径方向外向きに延びる第2環状部分55とから構成されている。
【0043】
多極磁石ロータ33は、第1環状部分53に接着されると共に、その被検出面を第2環状部分55により被覆されている。尚、第1環状部分53は、外輪2の端面に当接し、支持環50の軸方向の位置決めがなされている。
【0044】
本発明は、前記それぞれの実施の形態に限定されず、本発明の回転検出器、シール装置や軸受装置の使用対象は特に限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、多極磁石ロータの被検出面を覆い隠しているため、異物によりその被検出面が破損されるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシール装置を含む転がり軸受の要部拡大断面図
【図2】同第1シールリングの金属環および多極磁石ロータの一部破断を含む斜視図
【図3】同パルサリングの製造状態を示す断面図
【図4】本発明の実施形態に係るシール装置を組み込んだ転がり軸受装置の断面図
【図5】本発明の他の実施形態を示し、図1に対応する図
【図6】本発明のさらに他の実施形態を示し、図1に対応する図
【図7】本発明のさらに他の実施形態を示し、図1に対応する図
【符号の説明】
2 外輪
3 内輪
5 シール装置
10 第1シールリング
20 第2シールリング
24 被覆部(第2環状部分)
30 磁気センサ
31 パルサリング
33 多極磁石ロータ
33a 被検出面
Claims (4)
- 回転輪に一体回転可能に取り付けられる非磁性の支持環と、磁気を発生する被検出面を備え且つこの被検出面が磁気センサと対向するように、前記支持環に取り付けられる多極磁石ロータとを備えた回転検出用のパルサリングにおいて、
前記支持環は、金属材をプレス成形により一体的に形成してなり、前記回転輪に嵌合可能な円筒部と、前記円筒部の軸方向外方側から径方向に延びる環状板部と、この環状板部から軸方向外方側に円筒状に延びる二重環状板部とから構成し、前記二重環状板部は、軸方向外方側に延びる第1円筒部と、この第1円筒部の外方側先端から径方向に延びる径方向部分を介して軸方向内方側に延びる第2円筒部とからなり、前記多極磁石ロータを筒状として前記第1円筒部と第2円筒部との間に収納固定した、回転検出用のパルサリング。 - 請求項1に記載の回転検出用のパルサリングにおいて、前記支持環を非磁性の金属材により形成し、前記多極磁石ロータを、磁性粉入りのゴムまたは樹脂をベースにして周方向交互にN極、S極を配置するように着磁したものにより構成した、回転検出用のパルサリング。
- 非回転輪に第1シールリングを固定し、回転輪に第2シールリングを固定し、少なくとも一方のシールリングに備えるシールリップを他方のシールリングに対して接触させ、前記回転輪には、前記非回転輪側に取り付けられる磁気センサにより非接触で検出されるパルサリングを設け、このパルサリングを、前記回転輪側に取り付けられる非磁性の支持環と、この支持環における前記磁気センサと対向する位置に接着された多極磁石ロータとで構成したシール装置において、
前記支持環は、金属材をプレス成形により一体的に形成してなり、前記回転輪に嵌合可能な円筒部と、前記円筒部の軸方向外方側から径方向に延びる環状板部と、この環状板部から軸方向外方側に円筒状に延びる二重環状板部とから構成し、前記二重環状板部は、軸方向外方側に延びる第1円筒部と、この第1円筒部の外方側先端から径方向に延びる径方向部分を介して軸方向内方側に延びる第2円筒部とからなり、前記多極磁石ロータを筒状として前記第1円筒部と第2円筒部との間に収納固定した、シール装置。 - 車体に非回転に固定される外輪と、この外輪の内周に複数の転動体により回転自在に設けられ、車両アウター側にはブレーキディスクロータおよび車輪取付け用のフランジを有するハブ軸と、このハブ軸の外周に固定される内輪を備え、前記外輪の車両インナー側の部分と前記内輪との間に、請求項3に記載のシール装置を装着した、転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195287A JP4155127B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195287A JP4155127B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005030475A JP2005030475A (ja) | 2005-02-03 |
JP4155127B2 true JP4155127B2 (ja) | 2008-09-24 |
Family
ID=34206182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003195287A Expired - Fee Related JP4155127B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4155127B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010002228A (ja) * | 2008-06-18 | 2010-01-07 | Jtekt Corp | 軸受装置 |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195287A patent/JP4155127B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005030475A (ja) | 2005-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7547145B2 (en) | Bearing device with a sensor | |
US7126328B2 (en) | Rolling bearing unit with rotational speed detecting device | |
JP4278324B2 (ja) | 車輪用軸受 | |
US5938346A (en) | Rolling bearing unit with rotating speed sensor | |
JP2005042866A5 (ja) | ||
EP1517148B1 (en) | Sealing device and rotation detector | |
JP5300965B2 (ja) | 転がり軸受装置の組立て方法 | |
JP4114438B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2004205008A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2004084848A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP4221944B2 (ja) | 密封装置 | |
JP4463518B2 (ja) | シール装置 | |
JP2005098761A (ja) | 回転検出器 | |
JP4155127B2 (ja) | 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 | |
JP4310975B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP4193504B2 (ja) | 転がり軸受装置の取付構造 | |
WO2006035616A1 (ja) | 磁気エンコーダおよびそれを備えた車輪用軸受装置 | |
JP2004264056A (ja) | センサ組立体、シール装置ならびに転がり軸受装置 | |
JP4026557B2 (ja) | 回転検出用のパルサリングおよびシール装置 | |
JP2002328133A (ja) | 回転速度検出装置付き車輪用軸受 | |
JP4023405B2 (ja) | 回転検出用のパルサリング、シール装置および転がり軸受装置 | |
JP4218275B2 (ja) | 車軸用転がり軸受の製造方法 | |
JP4258221B2 (ja) | センサ組立体、シール装置ならびに転がり軸受装置 | |
JP2010019423A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP4300038B2 (ja) | 軸受のシール構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060627 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070529 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070730 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080205 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080407 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080515 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080521 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080617 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080630 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |