(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図15に従って説明する。
図1は、液晶表示装置の製造工程のうち、液晶注入及び貼り合せを行う工程を実施する貼合せ基板製造装置の概略構成図である。
貼合せ基板製造装置10は、供給される2種類の基板W1,W2の間に液晶を封止して液晶表示パネルを製造する。尚、本実施形態の装置にて作成される液晶表示パネルは例えばアクティブマトリクス型液晶表示パネルであって、第1の基板W1はTFT等が形成されたアレイ基板(TFT基板)、第2の基板W2はカラーフィルタや遮光膜等が形成されたカラーフィルタ基板である。これら基板W1,W2は、それぞれの工程によって作成され供給される。
貼合せ基板製造装置10は、制御装置11と、それが制御するシール描画装置12と液体滴下装置としての液晶滴下装置13と貼合せ装置14を含む。貼合せ装置14は、プレス装置15と硬化装置16とから構成され、それら装置15,16は制御装置11により制御される。尚、それぞれの装置11〜13,15,16は、必要に応じて複数備えられる。
また、貼合せ基板製造装置10は、供給される基板W1,W2を搬送する搬送装置17a〜17eを備える。詳しくは、制御装置11は、それら搬送装置17a〜17e及び貼合せ装置14内における搬送手段としての搬送ロボット(図1では省略)を制御し、基板W1,W2とそれにより製造された貼合せ基板を搬送する。
第1及び第2の基板W1,W2は、搬送装置17aによりシール描画装置12に搬送される。搬送装置17aは、基板W1,W2の種類を区別するための識別情報(以下、基板ID)を読み取り可能なIDリーダ18を備え、基板W1,W2が供給されると、制御装置11からの制御信号に応答してIDリーダ18により基板IDを読み取った後、それら基板W1,W2をシール描画装置12に搬送する。尚、制御装置11は、IDリーダ18により読み取られた基板IDに基づいて、後述する液晶の滴下量を制御する。
シール描画装置12は、搬送された第1及び第2の基板W1,W2の何れか一方(本実施形態ではガラス基板W1)の上面に、周辺に沿って所定位置にシール材を枠状に塗布する。シール材には、少なくとも光硬化性接着剤を含む接着剤が用いられる。そして、基板W1,W2は搬送装置17bに供給され、その搬送装置17bは基板W1,W2を1組にして液晶滴下装置13に搬送する。
液晶滴下装置13は、搬送された基板W1,W2のうち、シール材が塗布された基板W1上面の予め設定された複数の所定位置に液晶を点滴する。液晶が滴下された基板W1及び基板W2は、搬送装置17cにより貼合せ装置14に搬送される。
貼合せ装置14は、位置決め装置(図1では省略)を備え、液晶が滴下された基板W1及び基板W2は、この位置決め装置に搬送される。貼合せ装置14において、プレス装置15は、両基板W1,W2の貼り合せ位置を精密に位置合せする必要がある。位置決め装置は、そのプレス装置15への基板W1,W2の搬入前に、基板W1,W2毎に予備的な位置決めを行うことで、基板貼り合せ時の位置合せ精度を向上させる。この位置決め装置により位置決めされた基板W1,W2は、搬送ロボットによりプレス装置15に搬送される。
プレス装置15は処理室としての真空チャンバを備え、そのチャンバ内には基板W1,W2をそれぞれ吸着保持するチャックが設けられている。プレス装置15は、同時に搬入された基板W1,W2をそれぞれ下側チャックと上側チャックとに吸着保持した後、チャンバ内を真空排気する。そして、プレス装置15は、チャンバ内に所定のガスを供給する。供給するガスは、PDP(Plasma Display Panel)のための励起ガス等の反応ガス、窒素ガス、クリーンドライエアーなどの不活性ガスを含む置換ガスである。これらガスにより、基板や表示素子の表面に付着した不純物や生成物を反応ガスや置換ガスに一定時間さらす前処理を行う。
この処理は、貼り合せ後に開封不可能な貼合せ面の性質を維持・安定化する。第1及び第2の基板W1,W2は、それらの表面に酸化膜などの膜が生成したり空気中の浮遊物が付着し、表面の状態が変化する。この状態の変化は、基板毎に異なるため、安定したパネルを製造できなくなる。従って、これら処理は、膜の生成や不純物の付着を抑える、また付着した不純物を処理することで基板表面の状態変化を抑え、パネルの品質の安定化を図っている。
次に、プレス装置15は、位置合せマークを用いて光学的に両基板W1,W2の位置合せを非接触にて(基板W1上面のシール材及び液晶に基板W2の下面を接触させることなく)行う。その後、プレス装置15は、両基板W1,W2に所定の圧力を加えて所定のセル厚までプレスする。そして、プレス装置15は、真空チャンバ内を大気開放する。
尚、制御装置11は、第1及び第2の基板W1,W2の搬入からの時間経過を監視し、プレス装置15内に供給したガスに第1及び第2の基板W1,W2を暴露する時間(搬入から貼合せを行うまでの時間)を制御する。これにより、貼り合せ後に開封不可能な貼合せ面の性質を維持・安定化する。
搬送装置17dは、プレス装置15内から貼り合わされた液晶パネルを取り出し、それを硬化装置16へ搬送する。この時、制御装置11は、液晶パネルをプレスしてからの時間経過を監視し、予め定めた時間が経過すると搬送装置17dを駆動して基板を硬化装置16に供給する。硬化装置16は、搬送された液晶パネルに所定の波長を有する光を照射し、シール材を硬化させる。
即ち、貼り合わされた液晶パネルは、プレスから所定時間経過後にシール材を硬化させるための光が照射される。この所定時間は、液晶の拡散速度と、プレスにより基板に残留する応力の解放に要する時間により予め実験により求められている。
プレス装置15により基板W1,W2間に封入された液晶は、プレス及び大気開放によって拡散する。この液晶の拡散が終了する、即ち液晶がシール材まで拡散する前に、そのシール材を硬化させる。
更に、基板W1,W2は、プレスにおける加圧等により変形する。搬送装置17dにより搬送中の液晶パネルは、シール材が硬化されていないため、基板W1,W2に残留する応力は解放される。従って、シール材の硬化時には残存する応力が少ないため、位置ズレが抑えられる。
こうしてシール材が硬化された液晶パネルは、搬送装置17eにより次工程を行うための装置(検査装置等)に搬送される。例えば、検査装置では、搬送された液晶パネルの基板W1,W2の位置ズレ等が測定され、その測定結果に基づいて、プレス装置15における次の位置合せに補正が加えられる。
次に、基板W1,W2を吸着固定する構成について説明する。
図2は、プレス装置15の吸着機構を説明する概略構成図である。
プレス装置15は、処理室としての真空チャンバ20を備え、その真空チャンバ20は上下に分割され、上側容器20aと下側容器20bとから構成されている。
上側容器20aは、図示しないアクチュエータ等の駆動機構により上下方向に移動可能に支持されている。下側容器20bの上辺には、シール部21が設けられ、図3に示すように、上側容器20aを下降させてチャンバ20を閉塞すると、そのチャンバ20内はシール部21により気密される。
チャンバ20内には、基板W1,W2を吸着するための第1及び第2の保持板としての上平板22a及び下平板22bが設けられている。尚、図は、上平板22aに第2の基板W2が吸着され、下平板22bに第1の基板W1が吸着されている様子を示す。上平板22aは、図示しない駆動機構により上下動可能に支持されている。一方、下平板22bは、図示しない駆動機構により水平方向(XY軸方向)に移動可能に支持されると共に、水平回転(θ方向)可能に支持されている。
上平板22aは、上定盤23aと、その下面に取着された静電チャック部としての加圧板24aとから構成されている。また、上平板22aには、基板W2を真空吸着するための吸着管路25が形成されている。吸着管路25は、加圧板24aの下面に形成された複数の吸着孔と上定盤23a内に水平方向に沿って形成された吸着孔とを連通する管路から構成されている。
吸着管路25は、配管26aを介して第1の真空ポンプ27と接続され、その配管26aの途中には吸引吸着バルブ28aが設けられている。第1の真空ポンプ27及び吸引吸着バルブ28aは図示しない制御装置に接続され、該制御装置は、真空ポンプ27の駆動制御及びバルブ28aの開閉制御を行う。
配管26aには、その配管26a内とチャンバ20内とを連通して基板W2の背圧(吸着管路25内の圧力)をチャンバ20内の圧力と略等圧にするための配管26bが接続されている。この配管26bの途中には背圧開放バルブ28bが設けられ、このバルブ28bは図示しない制御装置により開閉制御される。
また、配管26aには、その配管26a内に大気を開放して基板W2の背圧を大気圧と略等圧にするための配管26cが接続されている。この配管26cの途中には大気開放バルブ28cが設けられ、このバルブ28cは図示しない制御装置により開閉制御される。
同様に、下平板22bは、下定盤23bと、その上面に取着された静電チャック部としてのテーブル24bとから構成されている。尚、本実施形態は、下平板22bに基板W1を真空吸着するための吸引吸着機構を有さない構成としたが、前述したような吸引吸着機構を有する構成としてもよい。
チャンバ20は、そのチャンバ20内を真空排気するための配管26dを介して第2の真空ポンプ29と接続され、その配管26dの途中には排気バルブ28dが設けられている。第2の真空ポンプ29及び排気バルブ28dは図示しない制御装置に接続され、該制御装置は、真空ポンプ29の駆動制御及びバルブ28dの開閉制御を行う。
また、チャンバ20には、そのチャンバ20内に所定のガス(不活性ガス等)を供給するための配管26eが接続されている。この配管26eの途中にはガス導入バルブ28eが設けられ、このバルブ28eは図示しない制御装置により開閉制御される。
このように構成されたチャンバ20において、制御装置は、第1の真空ポンプ27を駆動すると共に吸引吸着バルブ28aを開放することで、吸着管路25及び配管26a内を真空排気し、基板W2を真空吸着する。また、制御装置は、静電チャック部としての加圧板24a及びテーブル24bに電圧を印加してクーロン力を発生させることで、基板W2,W1を静電吸着する。
制御装置は、チャンバ20内の圧力(真空度)により基板W2の真空吸着と静電吸着とを切替え制御する。例えば、制御装置は、後述する基板W2の搬入時において搬送ロボットから基板W2を受け取る際には、加圧板24aから基板W2に吸引吸着力を作用させて吸着する。そして、制御装置は、配管26a内に設けられた図示しない圧力センサからの信号に基づいて、チャンバ20内の圧力が配管26a(及び吸着管路25)内の圧力よりも低くなると、吸引吸着バルブ28aを閉じて真空源を遮断した後、加圧板24aから基板W2に静電吸着力を作用させて静電吸着を行う。
次に、基板W1,W2のプレス装置15への搬入について引き続き図2を参照しながら説明する。
まず、基板W2(加圧板24aに保持する基板:カラーフィルタ基板)の搬入について説明する。
基板W2は、搬送ロボット31により吸着保持された状態でプレス装置15に搬入される。尚、説明の便宜上、図2は、基板W2の吸着機構を有する搬送ロボット31の搬送部としてのハンド31aを示す(この搬送ロボット31の詳細については後述する)。
搬送ロボット31のハンド31aには、基板W2の内面(以下、基板W1,W2間に液晶が封入される側を内面、反対側を外面という)外周部(シール材が設けられる位置から基板端までの部分)を吸着する複数の吸着パッド32が設けられている。各吸着パッド32及びハンド31a内には、基板W2を真空吸着するための複数の吸着孔を連通する吸着管路33が形成されている。吸着管路33は、図示しない配管を介してその配管及び吸着管路33内を真空排気する真空源(図示略)に接続されている。
また、ハンド31aには、基板W2の対向辺外周部をそれぞれ保持する吸着パッド32間において、一又は複数のガス噴出ノズル34が形成されている。ガス噴出ノズル34は、ハンド31a内に形成されるガス供給管路34a及び図示しない配管を介してガス供給源(図示略)と接続され、そのガス供給源から供給されるガスが、ガス噴出ノズル34から基板W2の内面に向かって噴出される。
即ち、搬送ロボット31は、そのハンド31aの吸着パッド32に保持した基板W2の内面に向かってガスを吹き付ける。
このとき噴出するガスは、基板W2の単位面積あたりの重量に相当する圧力が生じる流速にて基板W2に吹き付けられる。尚、ガスの噴出量は、基板W2の面積、厚さ、比重、ガス噴出ノズル34が形成されるピッチ及びそのノズル34から基板W2の内面までの距離等から計算により推定し、実験にて条件が設定される。このガスの噴出により生じる圧力によって、搬送ロボット31に吸着保持される基板W2は、自重による撓みが防止され、ほぼ平面に近い状態で保たれる。
また、基板W2に吹き付けるガスには、前述したような反応ガス、窒素ガス、クリーンドライエアーなどの不活性ガスが用いられる。従って、これらガスに基板W2の内面をさらすことにより、その基板W2に付着した不純物や生成物を除去する効果をも有している。
搬送ロボット31は、このようにして基板W2の内面に対しガスを吹き付けながら基板W2を吸着保持し、その基板W2をほぼ平面状態で維持したまま、図2に示すように加圧板24aの吸着面に近接させる。そして、この状態で、加圧板24aから基板W2に吸引吸着力及び静電吸着力のうち少なくとも一方を作用させることにより、該基板W2が加圧板24aに保持される。
次に、基板W1(テーブル24bに保持する基板:アレイ基板)の搬入について説明する。
基板W1は、搬送ロボット31が有する他のハンド(図2では省略)により吸着保持された状態でプレス装置15に搬入される。
テーブル24bには、上下動可能に支持された公知のリフトピン(図示略)が設けられている。搬送ロボット31により搬入された基板W1は、上昇した複数のリフトピンにより受け取られ、それらリフトピンが下降することで、基板W1がテーブル24b上に載置される。そして、この状態で、テーブル24bから基板W1に静電吸着力を作用させることにより、該基板W1がテーブル24bに保持される。
次に、加圧板24aの吸着面について詳述する。
図4に示すように、加圧板24aの吸着面には、基板W2を保持した状態にて吸着管路25と非連通する複数の吸着溝25aが所定の間隔で形成されている。複数の吸着溝25aは、所定の方向に沿って加圧板24aの端面まで延びるように辺を切り欠いて形成されている。尚、図4(b),(c)は、加圧板24aの側面図を示すものである。
このように、吸着面に複数の吸着溝25aを形成することにより、チャンバ20内の減圧時に、加圧板24aの吸着面と基板W2の接触界面に残存する気泡によって基板W2が移動若しくは脱落するのを防ぐことができる。即ち、減圧時に、吸着面と基板W2の間に残存する気泡が複数の吸着溝25aを介してチャンバ20内に移動することで、基板W2を加圧板24aに平面状態で密着させ易くなる。
また、このような複数の吸着溝25aは、吸着面と基板W2との接触面積を小さくして、基板W2の加圧処理時に蓄積される応力により加圧力が開放されるときの基板W2の位置ズレを防止する効果をも有している。
尚、図面を省略したが、基板W1を保持するテーブル24bの吸着面にも、加圧板24aの吸着面と同様に複数の吸着溝が形成され、それにより基板W1が平面状態で密着して保持され、該基板W1の移動、離脱等を防止している。
次に、基板W1,W2の貼合せ方法について説明する。
図5は、プレス装置15による基板W1,W2の貼合せ工程を説明するフローチャートである。
今、プレス装置15は初期状態にある(ステップ41)。詳しくは、プレス装置15は、各バルブ28a〜28eを全て閉鎖し、チャンバ20の上側容器20aを上端に移動させてチャンバ20を開放する。尚、第1及び第2の真空ポンプ27,29は常時駆動されている。
そして、この初期状態において、基板W1,W2が搬送ロボット31によりプレス装置15内に搬入される。因みに、基板W1は、シール材(接着剤)が枠状に塗布され、その枠内に液晶が滴下されたアレイ基板(TFT基板)であり、基板2はカラーフィルタ基板である。
詳述すると、搬送ロボット31は、上記したように、吸着保持した基板W2をほぼ平面状態に維持したまま加圧板24aに近接させる。この状態で、プレス装置15は、吸引吸着バルブ28aを開放し、基板W2を真空吸着により加圧板24aに保持する(ステップ42)。続いて、搬送ロボット31は、吸着保持した基板W1をテーブル24bに載置する。この状態で、プレス装置15は、テーブル24bに所定の電圧を印加し、基板W1を静電吸着によりテーブル24bに保持する(ステップ43)。
次に、プレス装置15は、チャンバ20の上側容器20aを下側容器20bに接近させ、図3に示すように、チャンバ20を閉塞する(ステップ44)。これにより、チャンバ20内は気密される。
次に、プレス装置15は、背圧開放バルブ28bを開放する(ステップ45)。これにより、吸着管路25及び配管26aが配管26bを介してチャンバ20内と連通され、基板W2の背圧(吸着管路25内の圧力)とチャンバ圧とが略等圧になる。
即ち、この背圧開放バルブ28bを開放することで、基板W2の内面側と外面側の圧力が略等圧となる。従って、基板W2の表裏の圧力差により生じる基板W2の局部的な撓みが解消され、該基板W2は略平面状態で加圧板24aに安定して保持される。
次に、プレス装置15は、吸引吸着バルブ28aを閉鎖する(ステップ46)。これにより、真空ポンプ27による真空排気が停止され、基板W2に作用している吸引吸着力が解除される。この時、基板W2は、吸引吸着力が解除された後も加圧板24aから直ちには落下しない。これは、基板W2の外面及び加圧板24aの吸着面が略平面に形成されており、且つ、加圧板24aと基板W2の間に大気中に含まれる水分が介在することによりそれら平面間では密着力が作用しているためであると思われる。
プレス装置15は、この密着力によって基板W2が固定されている所定時間内に、加圧板24aに電圧を印加して基板W2を静電吸着により加圧板24aに保持する(ステップ47)。
次に、プレス装置15は、排気バルブ28d及びガス導入バルブ28eを開放する(ステップ48)。
これにより、チャンバ20内は、真空ポンプ29により真空排気されて減圧されると共に、ガス(不活性ガス)の供給により置換される。このチャンバ20内の減圧過程において、基板W2は略平面状態で加圧板24aに静電吸着されているため、基板W2と加圧板24aの接触面には気泡が殆ど残存しない。従って、グロー放電の発生が抑止され、基板W2の位置ズレ及び脱落は防止される。
また、減圧時には背圧開放バルブ28bが開放されていることにより、基板W2の内面側と外面側の圧力が略等圧となるため、それによる基板W2の位置ズレ及び脱落も防止される。
プレス装置15は、上記チャンバ20内の置換が完了する所定時間経過後にガス導入バルブ28eを閉鎖し(ステップ49)、次いで、位置合せマークを用いて両基板W1,W2の位置合せを光学的に(基板W1上面のシール材及び液晶に基板W2の下面を接触させることなく)行う。(ステップ50)。
その後、プレス装置15は、上定盤23aを下降させ、両基板W1,W2に所定の圧力を加えて所定のセル厚までプレスする、即ち両基板W1,W2の貼合せを真空下にて行う(ステップ51)。
このような両基板W1,W2の貼合せ後、プレス装置15は、加圧板24aの静電吸着を停止させ(ステップ52)、排気バルブ28dを閉鎖して大気開放バルブ28cを開放する(ステップ53)。これにより、真空ポンプ29によるチャンバ20内の真空排気が停止され、該チャンバ20内は大気圧となる。
次に、プレス装置15は、テーブル24bの静電吸着を停止させて上定盤23aを上昇させる。その後、チャンバ20の上側容器20aを上端に移動させてチャンバ20を開放する(ステップ54)。
搬送ロボット31は、テーブル24bに載置されている貼り合せ後の両基板W1,W2を取り出し、それを次工程を行うための所定の位置に搬送する(ステップ55)。そして、この貼り合せ後の両基板W1,W2が搬送された後、プレス装置15は、上記ステップ41の初期状態に戻る(ステップ56)。
従って、このような貼り合せ方法では、基板W2の局部的な撓みが矯正されて略平面状態で静電吸着により加圧板24aに保持されるため、チャンバ20内の減圧過程での位置ズレ及び落下が防止される。
尚、このような基板W1,W2の貼合せ方法は以下のように変更してもよい。
図6は、プレス装置15による基板W1,W2の貼合せ工程のその他の例を説明するフローチャートである。
プレス装置15は、図5のステップ41〜44と同様にして、初期状態から、基板W2を加圧板24aに保持し、基板W1をテーブル24bに保持した後、チャンバ20を閉塞して該チャンバ20内を気密する(ステップ61〜64)。
次に、プレス装置15は、ガス導入バルブ28eを開放してチャンバ20内にガスを導入し、そのチャンバ20内を揚圧する(ステップ65)。例えば、本実施形態では、このガスを注入することによりチャンバ圧を、大気圧+2KPa(キロパスカル)にまで揚圧する。
次に、プレス装置15は、吸引吸着バルブ28aを閉鎖して真空ポンプ27による真空排気を停止する(ステップ66)。その後、大気開放バルブ28cを開放して配管26a及び吸着管路25内を大気圧にする(ステップ67)。
このとき、チャンバ20内には上記ガスが注入されており、チャンバ圧>大気圧であるため、基板W2は、その圧力差により加圧板24aに固定される。その際、チャンバ圧と大気圧との圧力差は、基板W2を加圧板24aに保持することのできる必要十分な圧力差(例えばチャンバ圧=大気圧+2KPa)になるように制御される。従って、前述したような基板W2における局部的な撓みの発生は抑止され、基板W2は略平面状態で加圧板24aに安定して固定される。
プレス装置15は、この圧力差により基板W2が固定されている状態で加圧板24aに電圧を印加し、該加圧板24aに基板W2を静電吸着により保持する(ステップ68)。その後、大気開放バルブ28c及びガス導入バルブ28eを閉鎖し、背圧開放バルブ28bを開放する(ステップ69)。この背圧開放バルブ28bを開放することは、前記(図5のステップ45)と同様に基板W2の表裏の圧力差により生じる基板W2の局部的な撓みを解消する。
次に、プレス装置15は、排気バルブ28d及びガス導入バルブ28eを開放する(ステップ70)。
これにより、チャンバ20内は、真空ポンプ29により真空排気されて減圧されるとともに置換される。その際、前記(図5のステップ48)と同様に、チャンバ20内の減圧過程において、基板W2は略平面状態で加圧板24aに静電吸着されているため、基板W2と加圧板24aの接触面には気泡が殆ど残存しない。従って、グロー放電の発生が抑止され、基板W2の位置ズレ及び脱落は防止される。
また、減圧時には背圧開放バルブ28bが開放されていることにより、基板W2の内面側と外面側の圧力が略等圧となるため、それによる基板W2の位置ズレ及び脱落も防止される。
そして、プレス装置15は、上記チャンバ20内の置換が完了する所定時間経過後に前記ガス導入バルブ28eを閉鎖する(ステップ71)。
その後は、図5のステップ50〜55と同様にして、両基板W1,W2の位置合せを行った後、それら基板W1,W2に所定の圧力を加えて所定のセル厚までプレスし、それによる貼り合せ後の基板W1,W2は、搬送ロボット31により次工程を行うための所定の位置に搬送される(ステップ72〜77)。そして、この貼り合せ後の基板W1,W2が搬送された後、プレス装置15は、上記ステップ51の初期状態に戻る(ステップ78)。
このような図6に示す貼合せ方法では、図5と同様にチャンバ20内の減圧過程において、基板W2の撓みによる加圧板24aからの位置ズレ及び落下が防止される。また、真空吸着が停止された後(静電吸着により基板W2が保持されるまでの間)基板W2は、ガス(具体的には圧力差)により加圧板24aに押圧されて固定される。これにより、基板W2をより安定して固定させることが可能である。同時に、この方法では、ガスによるチャンバ20内及び基板W2の内面の不純物の除去効果をさらに高めることができる。
次に、基板W2を加圧板24aに固定する際に発生する、基板W2の局部的な撓みについて詳述する。
図7(a)に示すように、吸引吸着によって基板W2を加圧板24aに固定する際には、上記したように、基板W2の表裏の圧力差により局部的な撓みが発生する。この基板W2の撓みは、基板W2が薄型化するにつれて顕著に発生する。
この基板W2に発生する局部的な撓みを防止する手段として、図7(b)に示すように、加圧板24aの吸着面に形成されている吸着溝25a(図4参照)に例えば多孔質セラミック等で構成される通気性を有したポーラス部材80を設けるようにしてもよい。このようなポーラス部材80を吸着溝25aに設けることにより、該吸着溝25aの面が平面化されるとともに吸着面の剛体性が向上されるため、基板W2に発生する撓みが防止される。
従って、ポーラス部材80が設けられた加圧板24aを用いることにより、前述した基板W1,W2の貼合せ工程において、基板W2の撓みによる加圧板24aからの位置ズレ及び落下の防止効果がさらに向上される。
尚、ポーラス部材80の内部にゴミが蓄積し、それにより基板W2が汚染されることを防止するため、ガス(不活性ガス)を逆流させることで定期的に塵等を除去することが望ましい。
次に、加圧板24a,テーブル24bに付着している不純物を取り除く方法(不純物除去手段)について詳述する。
加圧板24a及びテーブル24bには塵や基板W1,W2のガラス破片などの不純物が付着している場合がある。このような不純物は、基板W1,W2の吸着時に加圧板24aやテーブル24bの吸着面を損傷させたり、基板W1,W2の位置ズレ及び離脱を発生させる原因となりうる。このため、それらに付着している不純物を除去する必要がある。
図8に示すように、粘着テープ81は、テープ基材82とそのテープ基材82の両面に塗布された粘着剤83とから形成される。
この粘着テープ81を用いて加圧板24a及びテーブル24bに付着している塵やガラス破片などの不純物84を除去するには、まず、図示しない搬送機構によりプレス装置15内に粘着テープ81が供給され、テーブル24bの吸着面に貼着される。
次いで、プレス装置15は、チャンバ20を閉塞して排気バルブ28dを開放し、チャンバ20内を真空排気する。そして、チャンバ20内を所定の圧力(真空下)まで減圧した後、加圧板24aと粘着テープ81が密着する位置まで上定盤23aを下降させる。その後、排気バルブ28dを閉鎖してガス導入バルブ28eを開放し、チャンバ圧を大気圧と略等圧とした後に、チャンバ20を開放して上定盤23aを上昇させ、前記搬送機構によりテーブル24b上の粘着テープを剥離する。
このような除去方法では、真空下で粘着テープ81が加圧板24a及びテーブル24bに均一に(隙間無く)密着するため、それらに付着している塵やガラス破片などの不純物84が粘着剤83に取り込まれ、微小な塵まで効果的に除去することが可能である。また、加圧板24a及びテーブル24bを粘着テープ81に密着させる際は、テープ基材82の弾性によりそれらの吸着面を損傷させずに塵等を除去することができる。
尚、本実施形態では、不純物除去効果を高めるため、真空下で行うようにしたが、その減圧のための時間を短縮するために、大気圧下で実施した場合にも相応の除去効果が得られる。
また、粘着テープ81を加圧板24a及びテーブル24bで挟み込むようにしたが、それらに粘着テープ81を貼り付けた後に剥離するのみでもよい。また、粘着剤83がテープ基材82の片面のみに塗布されている場合は、加圧板24a及びテーブル24bに付着している不純物を任意の順番で交互に除去する、あるいは個別に粘着テープ81を貼り付けるようにしてもよい。
さらに、加圧板24a及びテーブル24bがプレス装置15から脱着可能である場合には、チャンバ20の外(貼合せ基板製造装置10の外)で粘着テープ81により不純物を除去するようにしてもよい。
次に、両基板W1,W2間に封入する液晶量について詳述する。
貼合せを行う両基板W1,W2の間隔(セル厚)は極めて小さく、それら基板W1,W2間に封入する液晶の量は適正量に調整する必要がある。
このため、図9に示すように、貼合せを行う一方の基板W1(液晶を滴下する基板:アレイ基板)には、両基板W1,W2の間隔を規制してセル厚に応じた液晶LCの量を滴下させるための複数の柱85が形成されている。尚、同図は、基板W1,W2を貼合せた後の液晶パネルの一部分を示すものであり、液晶パネルは、基板W1の内面外周部に枠状(詳しくは画素部周辺に沿って枠状)にシール材86が塗布され、そのシール材86の枠内に液晶LCが滴下された後に両基板W1,W2を貼合せて作成される。
ところで、基板W1に形成される複数の柱85には、高さ(以下、柱高さ)のばらつきが生じる場合がある。この柱高さのばらつきは、貼合せを行う両基板W1,W2の間隔を変化させ、それらの間に封入する液晶LCの量を変化させる。このため、両基板W1,W2を貼合せる前に、滴下する液晶LCの量を柱高さに応じて調整する必要がある。
図10は、液晶量の制御方法を説明するためのブロック図である。
尚、同図は、図1で説明した貼合せ基板製造装置10が複数のシール描画装置12、液晶滴下装置13、プレス装置15、硬化装置16を備えている様子を示し、搬送装置17は搬送装置17a〜17eを含む。そして、上記したように、IDリーダ18は搬送装置17aに備えられている。
柱高さ測定装置87は、貼合せ基板製造装置10とネットワーク接続されて設置されている。柱高さ測定装置87は、基板W1,W2のうちいずれか一方の基板W1(アレイ基板)に形成された柱85の高さを測定する。また、この測定装置87は、基板W1,W2の種類を区別するための基板IDを読み取るIDリーダ88を備えている。
図11(a)に示すように、柱高さ測定装置87は、貼合せ基板製造装置10への基板W1の搬入に先立って、IDリーダ88により基板W1の基板IDを読み取る(ステップ91a)。次いで、柱高さ測定装置87は、基板W1に形成された柱85の高さを測定し(ステップ92a)、その測定した柱高さデータと基板IDを対応付けて該測定装置87内の図示しない第1の記憶装置に記憶する(ステップ93a)。柱高さ測定装置87は、これらの処理(ステップ91a〜93a)を、予め貼合せ基板製造装置10への基板W1の搬入前に行う。
一方、図11(b)に示すように、貼合せ基板製造装置10において、制御装置11(図1参照)は、搬送装置17aに基板W1,W2が供給されると、その基板W1の基板IDをIDリーダ18により読み取る(91b)。即ち、搬送装置17aは、基板W1,W2が供給されると、制御装置11からの指令に基づいて、柱85が形成されている基板W1の基板IDをIDリーダ18にて読み取った後、両基板W1,W2をシール描画装置12に搬送する。
制御装置11は、IDリーダ18により読み取った基板IDに対応付けて記憶されている柱高さデータを前記第1の記憶装置から読み出し、その柱高さデータを該制御装置11内の図示しない第2の記憶装置に記憶する(ステップ92b)。また、制御装置11は、読み出した柱高さデータに基づいて、液晶LCを滴下するための液晶滴下装置13を決定する(ステップ93b)。尚、設置される液晶滴下装置13が1種類のみである場合、このステップ93bは省略される。即ち、搬送装置17bは、シール描画装置12にて処理された基板W1,W2を取り出し、両基板W1,W2を制御装置11からの指令に基づいて所定の液晶滴下装置13に搬送する。
次いで、制御装置11は、液晶滴下装置13による液晶LCの点滴量を計算する(ステップ94b)。具体的には、柱高さデータ及び液晶滴下装置13に応じて予め設定された点滴量の補正値(液晶滴下装置13間の機差により生じる点滴量の誤差を補正する値)に基づいて、基板W1に滴下する液晶LCの適正量を計算する。尚、柱高さデータに対する液晶LCの点滴量及び液晶滴下装置13に設定する点滴量の補正値は予め実験によって求められ、制御装置11は、それらに基づいて適正量を計算する。
制御装置11は、このようにして算出した液晶LCの点滴量を液晶滴下装置13のディスペンサ装置(図示略)に指示し(ステップ95b)、ディスペンサ装置は、その指示された点滴量にて液晶LCを基板W1に滴下する(ステップ96b)。
このような制御方法では、基板W1に形成された柱85の柱高さに応じて、さらには液晶LCを滴下する液晶滴下装置13に応じて、液晶LCが最適な量にて滴下される。これにより、貼合せ後の基板W1,W2(液晶パネル)の不良率の低減化及び液晶LCの使用量のムダをなくすことができる。
尚、本実施形態において、上記した基板ID及び柱高さデータに、柱高さを測定した柱高さ測定装置87の種類を区別するための号機データを付与するようにしてもよい。
詳述すると、柱高さ測定装置87は、量産性及び安定稼動等のために複数台設置される場合がある。このような場合、前述した液晶滴下装置13と同様に、柱高さ測定装置87間の機差によって柱高さの測定値に誤差が生じる可能性がある。このため、液晶滴下装置13に搬入された基板W1の柱高さデータがどの測定装置87で測定されたかを把握しておく必要がある。この際、基板ID及び柱高さデータに柱高さ測定装置87の号機データを付与することで、柱高さ測定装置87と液晶滴下装置13の機差を考慮して補正した液晶LCの点滴量を計算することができる。
また、基板ID及び柱高さデータにロット番号を付与するようにしてもよい。ロット番号は、液晶LCを滴下する液晶滴下装置13での処理単位毎に基板W1に対し付与される番号である。この方法では、同一のロット番号を持つ基板W1の柱高さデータをまとめて取得することが可能であるため、それらに対応する液晶の点滴量を液晶滴下装置13での処理前に予め計算しておくことができる。これにより、点滴量の計算を逐次計算する場合に起こりうる制御装置11での応答時間の遅れが防止され、生産性の向上が可能となる。
次に、搬送手段としての搬送ロボットについて詳述する。
尚、以下で説明する搬送ロボットは、上述したガス噴出機構を有する搬送ロボット31(図2参照)と異なる構成を有している。
図12は、貼合せ装置14のレイアウト(硬化装置16は図示せず)を示しており、搬送ロボット101は、基板W1,W2毎の位置決めを行う位置決め装置102と、貼合せを行うプレス装置15と、基板払い出し位置103との間に設置され、それぞれと対向する位置へ旋回可能に設けられている。
搬送ロボット101は、プレス装置15による基板W1,W2の1回の貼合せ工程で3枚の基板(基板W1、基板W2、貼合せ後の基板W1,W2)を搬送する必要があり、液晶基板の製造工程では、生産に直接寄与しないこの搬送時間の短縮が強く求められている。
搬送ロボット101は、回動部104と、2本の第1及び第2の搬送アーム105,106を備えている。図13(a)に示すように、回動部104は、本体104aを回動中心としてほぼ360度で回動可能及びその軸方向(Z軸方向)に沿って上下動可能に設けられている。第1及び第2の搬送アーム105,106は、回動部104に対して水平方向(XY軸方向)に個別に伸縮可能であるとともに、Z軸方向に沿って若干の上下動が可能である。
従って、搬送ロボット101は、位置決め装置102、プレス装置15、基板払い出し位置103の各位置にそれぞれ旋回して、第1及び第2の搬送アーム105,106のうち少なくとも一方を伸縮させることにより、基板W1,W2の搬送を行う。
図13(b)に示すように、第1の搬送アーム105は、その先端部に搬送部としての第1及び第2のハンド105a,105bを備えている。第1のハンド105aは、その下面側に複数の吸着パッド107を有し、その吸着パッド107により基板W2(カラーフィルタ基板)を保持する。具体的には、基板W2の外面を図示しない真空源により吸引吸着する。同様に、第2のハンド105bは、その上面側に複数の吸着パッド108を有し、その吸着パッド108により基板W1(アレイ基板)の外面を吸引吸着して保持する。
また、図13(c)に示すように、第2の搬送アーム106は、その先端部に同じく搬送部としての第3のハンド106aを備えている。第3のハンド106aは、その上面側に複数の吸着パッド109を有し、その吸着パッド109により貼合せ後の基板W1,W2(液晶パネル)を吸引吸着して保持する。
このように構成された搬送ロボット101は、まず、位置決め装置102と対向する位置に旋回し、基板W1,W2のうち貼合せ位置が位置決めされた一方の基板W2を第1のハンド105aに保持して取り出す。次いで、位置決めされた他方の基板W1を第2のハンド105bに保持して取り出す。搬送ロボット101は、これらの操作をプレス装置15が前の基板W1,W2の貼合せを行っている間に行う。
次に、搬送ロボット101は、プレス装置15と対向する位置に旋回する。そして、プレス装置15が前の基板W1,W2の貼合せを完了すると、搬出する基板(貼合せ後の基板W1,W2)を第3のハンド106aに保持して取り出した後、第1及び第2のハンド105a,105bに予め保持しておいた基板W2,W1を搬入する。その後、搬送ロボット101は、基板払い出し位置103と対向する位置に旋回し、第3のハンド106aに保持している貼合せ後の基板W1,W2を払い出す。
このように、搬送ロボット101は、プレス装置15への基板W1,W2の1回の搬送時に、位置決め装置102からの1回の旋回動作と、プレス装置15内での搬入/搬出処理のための第1及び第2の搬送アーム105,106のそれぞれ1回ずつ(計2回)の伸縮動作を行う。
ところで、従来では、搬送ロボットは、第1及び第2の搬送アームにそれぞれ1つずつのハンドを備えた構成である。即ち、第1の搬送アームは第1のハンドを備え、第2の搬送アームは第2のハンドを備えている。このため、従来の搬送ロボットは、プレス装置15への基板W1,W2の1回の搬送時に、位置決め装置102からの2回の旋回動作と、プレス装置15内での搬入/搬出処理のための第1及び第2の搬送アームの計3回の伸縮動作を行う必要がある。
このような従来構成に対して、本実施形態では、搬送ロボット101の旋回動作及び伸縮動作の回数が削減されるため、基板搬送時間が短縮され、延いてはプレス装置15の稼動停止時間を短縮することができる。
尚、搬送ロボット101の第1のハンド105aは、基板W2の外面を保持する構成としたが、このようなハンド105aにより基板W2をプレス装置15へ搬入する(加圧板24aに保持させる)場合は、加圧板24aの構成を図15に示すように一部変更する。
詳述すると、この加圧板111には、第1のハンド105aの経路に沿って所定の個所に溝111aが形成されている。第1のハンド105aは、基板W2の外面を保持した状態で加圧板111の下方に移動し、図15(a),(b)に示すように、基板W2が加圧板111の吸着面に近接する位置まで上昇する。その際、第1のハンド105aは、加圧板111の溝111a内に収容されるため、加圧板111と干渉しない。この状態で、加圧板111から吸引吸着力及び静電吸着力のうち少なくともいずれかを基板W2に作用させることで、基板W2が保持される。その後、第1のハンド105aは、基板W2への吸引吸着を停止し、該基板W2から若干距離上昇して縮短する。
このような構成の第1のハンド105aは、基板W2の外面を吸引吸着して保持するため、基板W2が大型且つ薄型である場合にも自重による撓みを防止して略平面状態で基板W2を保持することができる。従って、加圧板111の吸着面に略平面状態で吸着させることが可能である。
尚、この搬送ロボット101は、第1及び第2の搬送アーム105,106のうち少なくとも一方に2つのハンドを備えるように構成されるものであり、第2の搬送アーム106に2本のハンドを備えてもよい。
また、第1のハンド105aに変えて、上述した図2に示すハンド31aを備えるように搬送ロボット101を構成しても当然よい。この場合は、例えば、第1の搬送アーム105に基板W2を搬送するハンド31aを備え、第2の搬送アーム106に基板W1を搬送する第2のハンド105b及び貼合せ後の基板W1,W2を搬送する第3のハンド106aを備えるように構成する。
次に、位置決め装置102について詳述する。
プレス装置15では、両基板W1,W2の貼合せを行う際に、対向する基板W1,W2間の貼合せ位置を精密に位置合せする必要がある。
一般に、基板W1,W2間の貼合せ精度は数μmオーダーの高い位置合せ精度が必要であり、両基板W1,W2にはミクロンサイズの位置合せマークが形成されている。離間した2つの基板W1,W2にそれぞれ形成された位置合せマークの像を同時に捉えるためには焦点距離の長いレンズが必要であるが、そのようなレンズは構造が複雑で容易に実現することができない。このため、プレス装置15にて基板W1,W2の貼合せを行う前に、基板W1,W2毎に予備的な位置決めを行う必要がある。
図14に示すように、位置決め装置102は、ベース板121と、そのベース板121に取着された位置決めピン122と、基板W2を支持する支持板123と、基板W1を支持するサポートピン124と、吸着機構125と、位置決め機構126と、リニアアクチュエータ127とを備える。
支持板123は、ベース板121上に設けられたリニアガイド121aに沿って基板W2の内面外周部を支持する位置あるいは基板W2から離間する位置にそれぞれ移動可能に設けられている。サポートピン124は、上下方向に移動可能に設けられ、位置決め機構126は、前後方向(図14(a)に示す矢印方向)に移動可能に設けられている。尚、支持板123、サポートピン124及び位置決め機構126は、図示しないシリンダ等の駆動源により駆動制御される。
吸着機構125は、リニアアクチュエータ127によりベース板121に対して上下方向に移動可能である。吸着機構125は、上板128aと、下板128bと、上板128aを下板128bに対し水平方向(XY軸方向)に移動可能に支持する軸受129と、上板128aを下板128bに対し基準位置(図14(a)に示す位置)に付勢するスプリング130とを備える。上板128aの下面側には、複数の吸着部131が並列して設けられ、それら吸着部131には所定の間隔で複数の吸着パッド132が設けられている。
以下、このように構成された位置決め装置102により基板W1,W2の位置決めを行う場合を説明する。
まず、基板W2の位置決めを行う場合について説明する。
基板W2は、液晶滴下装置13から搬送装置17c(図1参照)により搬送され、支持板123により支持される(図14(a)に示す2点鎖線)。尚、基板W2の搬送に際して、予め、吸着機構125は上昇し、サポートピン124は下降している。
基板W2が支持板123上に載置されると、吸着機構125は下降し、複数の吸着パッド132により基板W2の外面を吸引吸着して吊下げ保持した後、若干距離上昇する。また、この吸着機構125により基板W2が保持されると、支持板123は、基板W2と干渉しない位置まで該基板W2から離間する方向に移動する。
次いで、位置決め機構126は、基板W2に向かって前進し、該基板W2の端面(角)を押してそれと対向する端面(角)を位置決めピン122に押し付けることにより、基板W2の位置決めを行う。その際、吸着機構125は、保持している基板W2とともに水平方向に該基板W2が補正された距離だけ移動する。このとき、基板W2は吸着機構125により吊下保持されているため、位置決め機構126による基板W2の移動がスムーズに行われる。
この状態で、前述した搬送ロボット101は、第1の搬送アーム105を伸長し、第1のハンド105aにより基板W2の上面(外面)を吸引吸着して保持する。
搬送ロボット101により基板W2が保持されると、吸着機構125は、吸着パッド132から基板W2への吸引吸着を停止し、リニアアクチュエータ127により上昇する。基板W2への吸着を停止した吸着機構125は、スプリング130の付勢力により基準位置に復帰する。
基板W1は、液晶滴下装置13から搬送装置17c(図1参照)により搬送され、上昇しているサポートピン124により支持される。尚、基板W1の搬送に際して、予め、吸着機構125は上昇し、支持板123は基板W1と干渉しない位置に移動している。そして、前記と同様に、位置決め機構126は基板W1の端面を押して位置決めを行う。この状態で、前述した搬送ロボット101は、第1の搬送アーム105を伸長し、第2のハンド105bにより基板W1の下面(外面)を吸引吸着して保持する。
このような位置決め装置102では、基板W2の位置決め時に、基板W2の外面が吸着機構125により吸着保持されるため、基板W2の自重による撓みが抑止され、該基板W2は略平面状態で位置決め機構126により位置決めされる。
ところで、従来の位置決め装置は、上記吸着機構125を備えていない。このため、基板W2が大型あるいは薄型である場合等には、自重により基板W2に撓みが発生する。このような撓みが発生している状態で、位置決めが行われると、基板W2の撓みがますます大きくなって正確な位置決めができなくなるという問題を有していた。
このような従来構成に対して、本実施形態では、基板W2が略平面状態に保持された状態で位置決め機構126により基板W2の位置が補正されて位置決めが行われる。従って、基板W2の位置決め精度が向上され、その結果プレス装置15での位置合せ精度を向上させることができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)基板W2の内面に向かってガスを噴出させながらその内面外周部を吸着保持する搬送ロボット31、或いは、基板W2の外面を吸着保持する搬送ロボット101により、基板W2をプレス装置15内へ搬入し、加圧板24aに保持させるようにした。これによれば、自重による撓みの大きな基板W2の場合にも、その基板W2を略平面状態に保ったまま加圧板24aに確実に吸着保持させることができる。従って、加圧板24aに基板W2を安定して保持させることができるため、基板W2の撓みによる加圧板24aからの基板W2の位置ズレ及び脱落を防止することができる。また、略平面状態で基板W2が加圧板24aに吸着されるため、静電吸着時のグロー放電の発生も抑止される。その結果、大型化,薄型化する液晶パネルの製造歩留まりを向上させることができ、生産性が高められる。
(2)チャンバ20内の減圧に際して、加圧板24aに保持されている基板W2の背圧はチャンバ圧と略等圧に保たれる。これにより、基板W2の表裏の圧力差による該基板W2の局部的な撓みが防止されるため、チャンバ20内の減圧過程において、加圧板24aの吸着面と基板W2の接触界面に残存する気泡によって基板W2が移動若しくは脱落するのを防ぐことができる。
(3)加圧板24aの吸着面には、該加圧板24aの端面(辺)が切り欠かれた状態で複数の吸着溝25aが所定間隔で形成されている。これにより、チャンバ20内の減圧過程において、基板W2と加圧板24aの接触界面に気泡が仮に残存する場合にもその気泡がチャンバ20内へと移動し易くなる。従って、その気泡の影響(膨張等)による基板W2の移動及び脱落等も防止される。
(4)加圧板24aの吸着溝25aに通気性を有したポーラス部材80を設けるようにした。このような構成では、基板W2の吸引吸着時において、該基板W2の表裏の圧力差による局部的な撓みの発生が確実に防止される。従って、上述した(2)の効果をさらに高めることができる。
(5)加圧板24a及びテーブル24bに付着している塵やガラス破片等の不純物を粘着テープ81により除去するようにした。そして、本実施形態では、この粘着テープ81が真空下で加圧板24a及びテーブル24bに均一に密着されるため、それら不純物が効果的に除去される。
(6)柱高さ測定装置87は、基板W1に形成された柱85の柱高さを予め測定する。そして、柱高さデータに応じて、且つ、液晶LCを滴下する液晶滴下装置13に応じて、液晶LCが最適な量にて滴下される。これにより、貼合せ後の基板W1,W2の不良率が低減されるとともに、液晶LCの使用量のムダをなくすことができる。その際、柱高さを測定した測定装置87の号機データやロット番号を柱高さデータに付与するようにすることで、液晶量の計算を精度よく且つ効率よく行うことができる。このようにして、封入する液晶LCを適正量に制御することが可能であるため、液晶パネルの歩留まりを向上させることができ、また基板間隔の狭い製品にも対応可能である。
(7)搬送ロボット101は、第1の搬送アーム105に第1及び第2のハンド105a,105bを備え、第2の搬送アーム106に第3のハンド106aを備える。これにより、2枚の基板W1,W2を同時にプレス装置15内に搬入することができるため、搬送ロボット101の旋回動作及び伸縮動作の回数が削減される。従って、基板搬送時間が短縮され、延いては搬送によるプレス装置15のアイドル時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
(8)第1及び第2のハンド105a,105bは、基板W2,W1の外面をそれぞれ吸引吸着して保持する。これにより、基板W2,W1が大型・薄型である場合にも自重による撓みを防止して略平面状態で安定させて保持できる。従って、第1の搬送アーム105に取り付ける第1及び第2のハンド105a,105bの間隔を小さくできるため、プレス装置15を大型化させることもない。
(9)位置決め装置102による基板W2の位置決めは、該基板W2が吸着機構125により略平面状態に保持された状態で行われる。これにより、その位置決め精度が向上され、その結果プレス装置15での位置合せ精度を向上させることができる。また、位置決め装置102での基板W2の位置決めを迅速に行うことができるため、プレス装置15内での位置合せ時間を短縮させることができる。これにより、貼合せ基板の製造時間を短縮させることができる。
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図16,図17に従って説明する。
図16は、第二実施形態のプレス装置141の吸着機構を説明するための概略構成図である。尚、第一実施形態の図2で説明した構成と同様な構成部分には同一符号を付してその詳細な説明を一部省略する。
同図に示すように、プレス装置141は、配管26aと配管26dを接続する配管26fを備えている。この配管26fの途中には排気バルブ28fが設けられ、該排気バルブ28fは図示しない制御装置により開閉制御される。即ち、プレス装置141は、配管26dを開路してチャンバ20内を真空排気するための第1の排気バルブ28dと、配管26fを開路して配管26a及び吸着管路25内を真空排気するための第2の排気バルブ28fを有している。
図17は、このようなプレス装置141を使用した基板W1,W2の貼合せ工程を説明するためのフローチャートである。尚、以下で説明する工程は、チャンバ20内の減圧を行う方法(図5に示すステップ48若しくは図6に示すステップ70)を一部変更して実施する処理であり、その他の処理については同様に行われる。
詳述すると、プレス装置141は、チャンバ20内の置換を開始する際には、第1及び第2の排気バルブ28d,28fを開放する(このとき、第一実施形態と同様にガス導入バルブ28eも開放する)(ステップ151)。
その際、第1及び第2の排気バルブ28d,28fの開放時に伴う圧力変動が大きくなるのを防止するため、減圧開始時において、それら排気バルブ28d,28fの開度は僅かに調整される。尚、このような圧力変動の調節は、同時に真空ポンプ29の回転数を調整(徐々に回転数を上昇させる)して行うようにしてもよい。
そして、プレス装置141は、基板W2の背圧がチャンバ圧と略等圧又はそれ以下になるように第1及び第2の排気バルブ28d,28fの開度を徐々に増加させ(ステップ152)、チャンバ圧及び基板W2の背圧が所定圧力に達すると両排気バルブ28d,28fの開度を全開にする(ステップ153)。
その後は、第一実施形態と同様にして、チャンバ20内の置換が完了した後、ガス導入バルブ28eを閉鎖し、両基板W1,W2の位置合せを行った後、プレス処理する。
この方法では、排気バルブ28d,28fの開度を調整(即ち排気速度を加減速調整)することで、加圧板24aの吸着面からチャンバ20内までのコンダクタンス(吸着管路25,配管26a,26bの経路内での真空度)が小さい場合にも、基板W2の背圧をチャンバ圧と略等圧又はそれ以下に調整可能である。つまり、加圧板24aの吸着面からチャンバ20内までの経路が狭く、減圧されにくい場合にも、上述した第一実施形態と同様の効果を奏する。尚、本実施形態の方法は、配管26b及び背圧開放バルブ28bを設けない構成の場合においても同様の効果を奏する。
(第三実施形態)
以下、本発明を具体化した第三実施形態を図18に従って説明する。
図18は、本実施形態の吸着機構を説明するための概略図であって、第一実施形態の加圧板24aへの吸着方法を一部変更したものである。
本実施形態において、上平板161は、上定盤162及び加圧板163から構成されており、この上平板161には加圧板163の吸着面から上定盤162の上面まで貫通する貫通経路164が形成されている。
また、上平板161は、その貫通経路164に遊挿され、図示しない駆動機構により該貫通経路164内を上下動可能に支持される吸着機構165を備えている。詳述すると、吸着機構165は、天板165aと、その天板165aに支持された複数の吸着部165bと、各吸着部165bの先端(下端)部に設けられた吸着パッド165cとから構成されている。複数の吸着パッド165cは、図示しない経路を介して真空源に接続され、その真空源により基板W2の外面を吸引吸着保持する。
このように構成された吸着機構では、図18(a)に示すように、加圧板163の吸着面から吸着パッド165cが突出する位置まで吸着機構165が下降した状態で、搬送ロボット31(図2参照)により搬入された基板W2が吸着パッド165cに吸着保持される。
次いで、保持された基板W2が加圧板163の吸着面に近接する位置まで吸着機構165が上昇し、その状態で加圧板163から基板W2に吸引吸着力又は静電吸着力を作用させて加圧板163に基板W2を保持した後、図18(b)に示すように、吸着機構165の吸着作用を停止する。
このような構成では、基板W2の外面が吸着機構165により吸引吸着された状態で、基板W2が加圧板163に吸着保持される。従って、第一実施形態と同様、基板W2に自重による撓みが大きく発生している場合にも基板W2を略平面状態で加圧板163に保持させることができるため、加圧板163からの位置ズレ及び脱落が防止される。
また、図18(b)に示すように、基板W2を保持した状態で、吸着機構165により吸着される基板W2の外面は、貫通経路164を介してチャンバ20(図では省略)内に対し開放されている。従って、チャンバ20内の減圧過程において、基板W2の背圧がチャンバ圧よりも高くなることによる基板W2の脱落等も防止される。尚、本実施形態に於いて、天板165aに支持する複数の吸着部165bを個別に上下動可能とするように設けてもよい。このように構成することで、撓みの大きい基板W2に対する吸着動作をスムーズに行うことができる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・図2では、加圧板24aに保持する基板W2を搬送する場合についてのみ説明したが、基板W1の搬送時に、該基板W1の下方よりガスを噴出しながら搬入するようにしてもよい。
・図5に示す両基板W1,W2の貼合せ工程において、チャンバ20を閉塞させるタイミングはステップ47の後でもよい。
・搬送ロボット31によるプレス装置15への基板W2の搬入時において、基板W2の内面に吹き付けるガスは、必ずしも不活性ガスのみに限定されるものでなく、基板W2に影響を与えなければその他の気体であってもよい。
・基板W2への発塵が懸念される場合は、ガス噴出ノズル34の前段にフィルタを設けてもよい。
・基板W2のサイズが大きい場合には、基板W2の内面に対しガスを吹き付けながら、基板W2の外面を吸着保持可能とするように搬送ロボット31を構成してもよい。
・液晶LCの点滴量を制御する際の基板ID及び柱高さデータを記憶する第1及び第2記憶装置を、貼合せ基板製造装置10とネットワーク接続されたサーバに設けるようにしてもよい。
・基板W1,基板W2,貼合せ後の両基板W1,W2の3枚の基板のうち、第1〜第3のハンド105a,105b,106aにそれぞれ保持する基板の種類は、実施形態で説明した種類に限定されない。即ち、図13(c)に示す第3のハンド106aに基板W1を保持して搬入し、第2のハンド105bにより貼合せ後の両基板W1,W2を保持してプレス装置15から搬出するようにしてもよい。尚、実施形態のように、第1の搬送アーム105の第1及び第2のハンド105a,105bに基板W2,W1をそれぞれ保持して搬入する場合は、基板W1へ塵等が落下することを防止できる。
上記各実施形態の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1) 2枚の基板を処理室内に搬送する搬送手段を備え、前記処理室内にて対向して配置された第1及び第2の保持板にそれぞれ保持した両基板を貼り合わせる貼合せ基板製造装置において、
前記搬送手段は、前記第1及び第2の保持板に保持する2枚の基板のうち上側の基板を吸着し、該吸着した基板をその下方から所定の気体を噴出しながら水平方向に保持する保持部を備えることを特徴とする貼合せ基板製造装置。
(付記2) 2枚の基板を処理室内に搬送する搬送手段を備え、前記処理室内にて対向して配置された第1及び第2の保持板にそれぞれ保持した両基板を貼り合わせる貼合せ基板製造装置において、
前記搬送手段は、前記処理室内に搬送する2枚の基板から選択的に1枚を吸着保持する保持部を備え、該保持部は基板の外面を吸着して水平方向に保持することを特徴とする貼合せ基板製造装置。
(付記3) 前記搬送手段には、前記保持部を有する2本の搬送アームが設けられ、該2本の搬送アームのうち少なくとも一方には前記2枚の基板を同時に保持可能としたことを特徴とする付記2記載の貼合せ基板製造装置。
(付記4) 前記第1及び第2の保持板は、前記保持部に保持された基板に対し吸引吸着力及び静電吸着力のうち少なくとも一方を作用させて該基板を保持することを特徴とする付記1乃至3の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記5) 前記第1及び第2の保持板のうち少なくとも一方の保持板には、該保持板とは独立して上下動可能に設けられ前記保持部に保持された基板の外面を吸引吸着して保持する吸着機構が備えられ、該保持板は前記吸着機構に保持された基板に対し吸引吸着力及び静電吸着力のうち少なくとも一方を作用させて該基板を保持することを特徴とする付記1乃至3の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記6) 前記第1及び第2の保持板には該保持板を貫通する複数の貫通経路が上下方向に形成され、前記吸着機構は前記複数の貫通経路内を上下動可能とする複数の吸着部を備えることを特徴とする付記5記載の貼合せ基板製造装置。
(付記7) 前記複数の吸着部は、該吸着部毎に独立して上下動可能に設けられ、前記基板に対して該吸着部毎に個別に吸着可能であることを特徴とする付記6記載の貼合せ基板製造装置。
(付記8) 前記第1及び第2の保持板のうち少なくとも一方の吸着面には、該吸着面の端面まで延びるように辺を切り欠いて複数の吸着溝が形成されていることを特徴とする付記1乃至7の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記9) 前記複数の吸着溝には、通気性を有したポーラス部材が前記吸着溝を平面化する状態で設けられていることを特徴とする付記8記載の貼合せ基板製造装置。
(付記10) 前記処理室内への前記2枚の基板の搬入に先立って、前記第1及び第2の保持板に付着している不純物を除去するための不純物除去手段を備えていることを特徴とする付記1乃至9の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記11) 前記不純物除去手段は、弾性を有するテープ基材と該テープ基材のうち少なくとも片面に塗布された粘着剤とから構成される粘着テープを前記第1及び第2の保持板の吸着面に接触させ、前記粘着剤により不純物を除去する手段であることを特徴とする付記10記載の貼合せ基板製造装置。
(付記12) 前記処理室内の減圧下にて前記粘着テープを前記第1及び第2の保持板により挟み込むことを特徴とする付記11記載の貼合せ基板製造装置。
(付記13) 前記2枚の基板間に封入する液体を、前記2枚の基板のうち何れか一方の基板上に滴下する液体滴下装置と、
前記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板に形成されて前記2枚の基板同士の間隔を規制する柱の高さを測定する柱高さ測定装置とを備え、
前記柱高さ測定装置は前記柱の高さを測定した基板の識別情報と該基板の柱高さデータとを対応付けて第1の記憶装置に記憶し、前記液体滴下装置は前記識別情報に基づいて前記第1の記憶装置から抽出した前記柱高さデータ及び予め定められた点滴量の補正値に応じた量の液体を前記基板上に滴下することを特徴とする付記1乃至12の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記14) 前記柱高さデータには、前記柱の高さを測定する柱高さ測定装置の号機データ及び前記液体滴下装置での処理単位毎に前記基板に対して付与されるロット番号のうち少なくとも一方が付与されることを特徴とする付記13記載の貼合せ基板製造装置。
(付記15) 前記処理室内への前記2枚の基板の搬入に先立って、前記第1及び第2の保持板にそれぞれ保持される前記2枚の基板の位置決めを該基板毎に行う位置決め装置を備え、
前記位置決め装置は、前記基板の外面を吸着して水平方向に移動可能に吊下保持する吸着機構と、その吸着機構により吊下保持された基板の辺及び角のうち少なくとも一箇所を押して位置決めを行う位置決め機構とを備えることを特徴とする付記1乃至14の何れか一記載の貼合せ基板製造装置。
(付記16) 2枚の基板を処理室内に搬送する搬送手段を備え、前記処理室内にて対向して配置された第1及び第2の保持板にそれぞれ保持した両基板を貼り合わせる貼合せ基板製造方法において、
前記第1及び第2の保持板のうち少なくとも一方の保持板は、前記処理室内が大気圧下では前記基板を吸引吸着して保持し、前記処理室内の減圧に際しては、前記吸引吸着を停止した後に前記基板の背圧を前記処理室内の圧力と略等圧とする状態にて前記基板を静電吸着して保持することを特徴とする貼合せ基板製造方法。
(付記17) 2枚の基板を処理室内に搬送する搬送手段を備え、前記処理室内にて対向して配置された第1及び第2の保持板にそれぞれ保持した両基板を貼り合わせる貼合せ基板製造方法において、
前記第1及び第2の保持板のうち少なくとも一方の保持板は、前記処理室内が大気圧下では前記基板を吸引吸着して保持し、前記処理室内の減圧に際しては、該処理圧内の圧力を大気圧に対し所定の圧力まで揚圧して前記吸引吸着を停止した後に前記基板を静電吸着して保持することを特徴とする貼合せ基板製造方法。
(付記18) 真空ポンプの駆動に基づいて前記処理室内を減圧するための第1の排気バルブと、前記真空ポンプの駆動に基づいて前記基板の背圧を調整するための第2の排気バルブとが設けられ、
前記処理室内の減圧下では、前記基板の背圧を前記処理室内と略等圧若しくはそれよりも低圧とするように前記第1及び第2の排気バルブの開度及び前記真空ポンプの回転数のうち少なくとも一方を調整することを特徴とする付記16又は17記載の貼合せ基板製造方法。