JP4145103B2 - 動画データの再生方法及び再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はMPEG (Moving Picture Experts Group) データの再生方法及び再生装置に関し、特に可変ビットレート(VBR; Variable Bit Rate)で蓄積されたMPEGデータを読み出して再生する場合に、任意の位置から再生、逆再生、早送り、又は巻き戻しを行うランダムアクセス可能なMPEGデータの再生方法及び再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、MPEGのエンコーダの価格は低下し、またLANの高速化により大容量のデータの転送も可能となってきたため、MPEGの圧縮方式は広く普及している。動画像を圧縮して蓄積する方式であるMPEG1及びMPEG2方式では、再生方向を時間軸の順方向に再生することを前提に圧縮がなされる。
【0003】
その圧縮には動画像を固定のビットレートで圧縮する方式(CBR;Constant Bit Rate)と、映像品質を同程度に保つために圧縮効率の悪いシーンにおいては高ビットレートで圧縮し、反対に圧縮効率の良いシーンでは低ビットレートで圧縮する可変ビットレートの圧縮方式(VBR)とがある。
【0004】
MPEG方式では、ランダムアクセスを可能とするポイントとしてGOP (Group of pictures) 単位が規定されている。GOPの先頭フレームは、前方及び後方フレームの参照を伴わず復号化可能なIフレームで始まり、その参照を伴うP、Bフレームが連続する。そのため、GOPのポイントからは順方向の再生が可能であり、MPEG動画像を任意のポイントから再生するときはその近傍のGOPポイントから再生を開始する。
【0005】
CBRで蓄積されているMPEGファイルの場合、GOPのポイントは一定のビットレートとGOP内のフレーム数とによりGOPサイズが確定するため、単純計算でGOPのポイントを検索することが可能である。それに対して、VBRで蓄積されているMPEGファイルの場合には、GOPのサイズがGOP毎に変動するためGOPポイントの検索が容易でない。
【0006】
このため、GOPのポイントがインデックス情報等として付加されていない任意の蓄積データ、例えばネットワークを介してダウンロードしたVBRのMPEGデータ等、に対しては、そのGOPのポイントを知るために前記蓄積データを全てスキャンし、GOPのポイントをインデックスファイル等の別情報として作成する。その後、作成した情報を用いてシークすることで、先頭データからの順方向再生以外の特殊な再生操作に対応していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、任意のMPEG蓄積データ、特にVBRによるMPEG蓄積データ、の特殊再生を行うときには再生前にインデックスファイル等を作成していたため、平均ビットレートが高い蓄積データや長時間の蓄積データの場合はその再生開始までに時間がかかるという問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記問題点に鑑み、任意のMPEG蓄積データを再生する際に、平均ビットレートを計算して非再生部分については検索すべきアクセスポイントの予測を行い、再生済みの部分についてはその再生時に検出したGOPポイント値を使用し且つ特殊再生時の予測データをそのGOPポイント値によりダイナミックに更新していくことで、任意のMPEG蓄積データの再生過程におけるランダムアクセスポイントの検索精度を随時向上させるように構成したMPEGデータの再生方法及び再生装置を提供することにある。これにより、CBRやVBRの相違やインデックスファイルの有無、等のファイル構造によらない高速で正確なランダムアクセスポイントの検索が可能となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による動画データの再生方法では、複数の画像グループを含む動画データを読み込み、前記動画データに含まれた先頭画像グループ及び次画像グループから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報と、該画像グループ間のフレーム数とに基づいて、1画像グループ時間を計算し、前記動画データの前記先頭画像グループから取り込まれた前記時間情報及びバイト位置情報と最終画像グループから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報とに基づいて、該動画データの総再生時間を算出し、前記動画データの総バイト数に基づいて先頭画像グループと前記最終画像グループ間の平均ビットレートを算出し、前記動画データの最終画像グループから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報と前記1画像グループの単位時間とに基づいて、該動画データの前記総再生時間を算出し、前記動画データの総バイト数に基づいて先頭画像グループと前記最終画像グループ間の平均ビットレートを算出し、前記先頭画像グループに対応させて、該先頭画像グループの前記時間情報に基づいた再生時間及び前記バイト位置情報と、前記平均ビットレートとを格納し、前記最終画像グループに対応させて、前記動画データの前記総再生時間と前記最終画像グループから取り込まれたバイト位置情報を格納して、テーブルを作成し、前記動画データの再生指示に従って、前記テーブルから再生指示時間に対応する前記再生時間を検索し、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間と一致する場合には、一致した再生時間に格納されたバイト位置情報を前記動画データにおけるアクセスバイト位置とし、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間に一致しない場合には、前記平均ビットレートを読み出し、該平均ビットレート及び該再生指示時間と該再生時間との差分とに基づいて求めたバイト数と、前記再生指示時間に対応する画像グループのバイト位置情報とから、前記再生指示時間に対応する前記動画データにおけるアクセスバイト位置を算出し、前記アクセスバイト位置から前記動画データの再生を行うこととした。
【0010】
また本発明によれば、蓄積された動画データを再生する動画データの再生装置であって、複数の画像グループを含む動画データに含まれた先頭画像グループと続く次画像グループとから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報と該画像グループ間のフレーム数とに基づいて、1画像グループ時間を計算する計算手段と、前記先頭画像グループと前記画像データの最終画像グループとから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報に基づいて該動画データの平均ビットレートを算出する平均ビットレート算出手段と、前記先頭画像グループに対応させて、該先頭画像グループの前記時間情報に基づいた再生時間及び前記バイト位置情報と、前記平均ビットレートとを保存し、前記最終画像グループに対応させて、前記動画データの総再生時間と前記最終画像グループから取り込まれたバイト位置情報を保存したテーブルを格納するテーブル格納手段と、前記動画データの再生指示に従って、前記テーブルから再生指示時間に対応する前記再生時間を検索し、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間と一致する場合には、一致した再生時間に格納されたバイト位置情報を前記動画データにおけるアクセスバイト位置とし、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間に一致しない場合には、前記平均ビットレートを読み出し、該平均ビットレート及び該再生指示時間と該再生時間との差分とに基づいて求めたバイト数と、前記再生指示時間に対応する画像グループのバイト位置情報とから、前記再生指示時間に対応する前記動画データにおけるアクセスバイト位置を算出するアクセス位置算出手段と、前記算出されたアクセスバイト位置から前記動画データを再生する再生手段と、を備えることとした。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるMPEGデータの再生装置の一構成例を示したものである。
図1において、ファイル1は、ハードディスク等の補助記憶装置からなり、ネットワークを介してダウンロードしたMPEG1やMPEG2−PS等のMPEGデータを蓄積する。外部制御部3は、ユーザが指定する再生すべき画像やその特殊再生等の指示をDEMUX部4に与える。蓄積データ読み込み部2は、DEMUX部4からの制御によってファイル1に蓄積されたMPEGデータの一部又は全部を読み込んでDEMUX部4に転送する。
【0012】
DEMUX部4は、外部制御部3からの指示により、通常再生又は特殊再生すべきMPEGデータを蓄積データ読み込み部2を介して取り込み、そのMPEGデータをMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータとに分離する。分離されたMPEGビデオデータはビデオデコーダ8へ、またMPEGオーディオデータはオーディオデコーダ9へそれぞれ出力される。
【0013】
ビデオデコーダ8は、受信したMPEGビデオデータに逆DCT変換等の復号処理を行ない、それによって復元したビデオデータを出力する。オーディオデコーダ9も、MPEGオーディオデータに同様の復号処理を行なって復元したオーディオデータを出力する。
【0014】
上記の構成は通常のMPEGデータ再生装置と同様であるが、本願発明ではさらに以下の構成を備える。すなわち、DEMUX部4にはPTS/DTS検出部5及びGOP検出部6が設けられ、DEMUX部4にはさらに管理テーブル7が付加される。ここでは、先ずPTS/DTS検出部5、GOP検出部6、及び管理テーブル7を説明する前に、それらと関連するMPEGデータの概要について説明しておく。
【0015】
図2には、MPEGデータフォーマットの一例を示している。また、図3にはVBRにける映像データとビットレートとの関係を示している。
図2において、図2の(a)には、MPEG1−SYSTEMやMPEG2−PS (Program Stream) のデータフォーマットの一例を示しており、先頭のパックヘッダに始まり終了コード(図示せず)で終わる。パックは一般に複数のパケットで構成され、先頭のパックヘッダにはMPEG1−SYSTEMの識別コード“00”又はMPEG2−PSの識別コード“01”が含まれる。
【0016】
システムヘッダには、ストリーム全体のパラメータが記述され、その rate_bound フィールドにはビットレートが、他のフィールドにはビデオチャネル数やオーディオチャネル数等の種々のパラメータが含まれる。また、ビデオパケットやオーディオパケットの各パケットヘッダには再生出力の時刻管理情報であるPTS (Presentation Time Stamp) や復号の時間管理情報であるDTS (Decoding Time Stamp) 等のパラメータが含まれ、それぞれ33ビットのサイクリックカウンタで構成され、最長26時間程の時刻管理が可能である。
【0017】
図2の(b)には、VBRのビデオストリームサイズの一例を示している。前述したように、GOP (Group of pictures) は、ランダムアクセスを可能とするためにフレーム内符号化画面(Iフレーム)が少なくとも1枚入った画面構造を有している。1GOPはシーケンスヘッダとGOP部とで構成され、GOP部にはIフレームが少なくとも1枚入ったB及びPフレームが複数枚含まれており、通常0.5秒(15フレーム)程度でグループ化される。
【0018】
VBRの場合はGOPサイズが映像の動きの大小によって変動するため、図3に実線で示すようにビットレートを可変にしてフレーム伝送レート(30フレーム/秒)を維持する。なお、図3に点線で示すようにCBRの場合は最大ビットレートが固定的に設定され、GOPサイズを一定にするために低ビットレートのデータにはダミーデータ(パディングデータ)が挿入される。
【0019】
上記を参考に図1に戻って、PTS/DTS検出部5は、ビデオパケットの各パケットヘッダにあるPTS(DTS)情報を検出する。GOP検出部6は、ランダムアクセス可能なGOP単位での検出を行なう。そして、管理テーブル7は、PTS/DTS検出部5及びGOP検出部6によって検出された情報を基に、通常再生時及び特殊再生時に随時追加・変更・更新されていくデータテーブルである。
【0020】
以下、本願発明の実施例について図4〜9の制御フローを中心に図10〜14の管理テーブルの一例を参照しながら説明していく。
(1)蓄積データの再生開始時
図4には、蓄積データの再生開始時における制御フローの一例を示している。また、図10には、蓄積データの再生開始時に最初に作成される再生用管理テーブルの一例を示している。
【0021】
DEMUX4は、外部制御部3による所定のMPEGフィル再生指示により、先ず蓄積データ読み込み部2を制御してファイル1から該当するMPEGファイルの先頭部分を読み込み、システムヘッダ内の rate_bound の内容を取り込んで、それより蓄積データの最大ビットレートを算出する(S101)。算出された最大ビットレート(本例では6Mbps)は、再生時の上限レートを定めるものとして特殊再生用管理テーブルに保存される(図10)。
【0022】
次に、ファイル先頭のビデオパケットにおけるGOPのPTS又はDTSを取り込み、そのバイト位置も取り込む(S102)。さらに、ファイル先頭から2番目のビデオパケットにおけるGOPのPTS又はDTSを取り込んで、そのバイト位置も取り込む。これら2つのGOP間のフレーム数から1GOP時間を計算し、この値(本例では0.5秒)も特殊再生用管理テーブルに保存される(S103)。
【0023】
一般的に、CBR/VBRを問わずMPEG蓄積データにおいては、GOP毎のデータ量は変動するが1GOP内のフレーム数は同一のため、GOP毎の時間単位は変化しないことが多い。このため、1GOPの時間情報も特殊再生のための有効な情報となる。なお、前述した最大ビットレート及び1GOP時間は固定値として保存され、以降変更や更新はされない。
【0024】
最後に、ファイルの最後尾より最大ビットレート×α(最終GOPを取り込める時間分)の戻り位置からスキャンを開始し、ビデオパケットの最後のGOPのPTS又はDTS、及びそのバイト位置を取り込む(S104)。この情報と先に求めた最初のGOPの情報からファイル総再生時間を以下のように計算する(S105)。
【0025】
ここでは、最大ビットレートを Max_Bit_Rate、先頭PTS(DTS)を First_PTS、先頭バイト位置を First_Byte、最終PTS(DTS)を Last_PTS、最終バイト位置を Last_Byte、そして総再生時間を Total_Time とする。PTS(DTS)は90KHzを単位とした33ビットのサイクリックカウンタのため、総再生時間は下記式で記述できる。なお、下記式は33ビットで指定できる最大26時間を越える時間計算も可能である。
【0026】
【0027】
図10には、上記式で算出した総再生時間を用いて、ファイルのバイトサイズ(総バイト数)から平均ビットレート(本例では4Mbps)を算出した例を示している。これより、先頭GOP及び最終GOPの各々のGOP時間とバイト位置、そして先頭GOPと最終GOPとの間の平均ビットレートが求まる。このように、ファイル再生に必要な最小限の情報をその再生開始前に取得することで、該当MPEGファイルの特殊再生を行うための初期管理テーブル7が作成される(S106)。
【0028】
本発明では、MPEG蓄積データからのみデータの平均ビットレートを計算し、且つ蓄積ファイルの先頭及び最終部分のみのサーチで済むため、再生開始時点でのサーチ量が少なく、従来のインデックスファイルを作成するようなシステムよりも高速に再生が開始される。
【0029】
(2)先頭から順方向に再生する場合
図5には、順方向再生時の制御フローの一例を示している。また、図11には、順方向再生における管理テーブル7の更新の一例を示している。
【0030】
DEMUX4は、外部制御部3からの順方向再生指示により、蓄積データ読み込み部2を制御して一連の蓄積データを復号・再生のためにシーケンシャルに読み込む(S201)。その復号・再生過程で(S204)、実際に検出されたGOP毎の時間やGOP毎の蓄積データのバイト位置からGOP毎のビットレートを算出し、その情報によって管理テーブル7の内容を保存・更新していく(S202及び203)。
【0031】
図11の例では、順方向の再生過程でGOP検出部6が検出した情報を元に算出された2番目、3番目、…、のGOP毎の時間、GOP毎のバイト位置、及びGOP毎の平均ビットレートが先頭GOPと最終GOPとの間に挿入され保存されていく。
【0032】
(3)管理テーブルにGOPのバイト位置が登録されていない時間にシーク指示が発生した場合
図6及び7には、シーク指示による制御フローの一例を示している。また、図12及び13には、管理テーブル7からシークバイト位置を求める一例を示している。
【0033】
図6において、通常、外部制御部3からのシーク指示はファイルの先頭の再生開始映像を0として時間情報で与えられるため(S301)、DEMUX4は管理テーブル7を用いて以下のようにシークすべきPTS(DTS)を計算する。PTS(DTS)=(First_PTS + 指示時間(秒) / 90000) & 0x1FFFFFFFF
【0034】
上記計算の結果、シークすべき時間と対応するバイト位置の情報が既に管理テーブル7に存在する場合は、直接そのバイト位置にシークして再生を開始する(S302、S306及び307)。再生開始後の制御フローは図5に示した通りである。
【0035】
一方、上記計算の結果、シークすべき時間と対応するバイト位置の情報が管理テーブル7に存在しない場合は、次に計算された時刻の前後又は近傍に現在判明しているGOPの時間とバイト位置が存在するか否かを判定する(S303)。存在しない場合には、該当する空間の「平均ビットレート」と「指示時間と判明しているGOP時間との差分」をかけて算出したバイト数とGOPのバイト位置を演算することでシークすべきバイト位置を割り出す(S304)。
【0036】
図12の例でいえば、該当する空間の平均ビットレート (2,666,666bps) を用い、且つ計算したシーク時間が20秒の場合は現在判明しているより近傍のGOP時間(10秒)及びバイト位置(7,500,100byte)を用いて以下のようにシークすべきバイト位置を計算する。
7500100 + (2666666 * (20-10)/8)
【0037】
一方、計算したシーク時間が80秒の場合は、現在判明しているより近傍のGOP時間(100秒)及びバイト位置 (37,500,100byte) を用いて以下のようにシークすべきバイト位置を計算する。
37500100 - (2666666 * (100-80)/8)
【0038】
一方、計算された時刻の前後又は近傍に現在判明しているGOPの時間とバイト位置が存在する場合は、さらに以下の点を考慮する(S303及び305)。すなわち、VBRでは、図3で示したようにシーンチェンジや動きの多い映像の場合は高ビットレートの符号化データとなり、動きの少ない映像の場合は低ビットレートとなる。
【0039】
そのため、動きの変化点の前後を除くとシーク位置に対応するGOPのバイト位置が管理テーブル7には登録されていないが、当該変化点の直前又は直後のミクロなGOP単位の平均ビットレートが管理テーブルに登録されている場合には、検索用の平均ビットレートを用いるよりも当該変化点の直前又は直後のGOP単位の平均ビットレートを用いるほうがシークの精度は向上する。
【0040】
この場合には、ステップ304で用いた平均ビットレートに代えて、前記直前又は直後の平均ビットレートを用いてシークの位置に対応するGOPを発見し、それによって管理テーブル7を更新する。図13の例では、該当する変化点の直前のGOP単位の平均ビットレート (2,666,666bps) を用い、計算したシーク時間が11.5秒の場合のシークすべきバイト位置を以下のように計算する。
7,833,432 + (2666666 * 10/8)
【0041】
より近傍の平均ビットレートのほうが全体の平均ビットレートよりも正確であるため、この平均ビットレートを用いて正確なランダムアクセス可能なポイントを算出し、それによって蓄積データのサーチ量も削減され、高速な特殊再生が実現される。
【0042】
このようなシークは、逆再生(MPEGでは順方向にしか復号できないため、1GOP前から1GOP分復号し、逆順で映像を表示する)、高速再生(早送りのため全てのフレームを復号する必要はなく、例えばGOP毎のIフレームのみを復号して表示する)、又は高速逆再生(早戻しも同様にGOP毎のIフレームのみを復号して表示する)等、の1GOP単位で検索する必要があるものに有効である。この場合、GOP単位の時間は再生開示時に取得したものを用いることができる。
【0043】
以降、該当バイト位置から順方向に蓄積データをサーチする(S308及び309)。ビデオパケットのPTS(DTS)を発見した場合には、発見したPTS(DTS)がシークすべきPTS(DTS)より前で且つシークすべきPTS(DTS)の基準範囲内にある場合に、そのまま蓄積データを順方向にサーチしてGOPを検索する(S310〜313)。それ以外の場合は、発見したPTS(DTS)とシークすべきPTS(DTS)との時間差と平均ビットレートから再度シークすべきバイト位置を計算しなおす(S316)。
【0044】
GOPを発見すると、そのGOPの時間及びGOPの蓄積データのバイト位置から前後のビットレートを算出し、これらの情報によって管理テーブル7を更新してから再生を開始する(S313〜315)。このようにして、シークに該当するバイト位置の検索と管理テーブル7の更新が行なわれていく。
【0045】
上述した(1)〜(3)の各処理から明らかなように、本願発明では先ず(1)の処理で計算した平均ビットレートを、(2)及び(3)の各処理によって逐次修正していく。そのため、再生が進むにつれてより正確なランダムアクセス可能なポイントが算出でき且つ蓄積データのサーチ量も削減できるため、任意のMPEG蓄積データに対して高速な特殊再生が実現される。
【0046】
(4)管理テーブルの統合
図8には、管理テーブル7の統合化のための制御フロー例を示している。また、図14には、管理テーブル7の統合化の一例を示している。
【0047】
管理テーブル7に検出されたGOP毎のデータを順次保存していくと、長時間の蓄積ファイルの場合には膨大なテーブルが必要となる。そのため、図6では隣接する前後のGOP間のビットレートが同一ビットレートの場合に、それら複数のGOPを一つに統合することで管理テーブル7の領域を削減する(S401及び402)。なお、厳密に同一ビットレートでなくても相互に近いビットレートであれば、複数のGOPを統合することは可能である。
【0048】
図14には、互いに同じ平均ビットレート (2,666,666bps) をもつGOP時間10秒とGOP時間10.5秒とを統合して、GOP時間10.5秒のデータを削除した例を示している。このうち、削除したGOP時間10.5秒のデータについては前述した計算式から正確に算出できる。
【0049】
(5)GOP単位の検索
図9には、シーク指示された時間をGOP単位に変換する制御フローの一例を示している。
図9では、先に(3)で説明したシーク指示の時間がGOP単位の時間と一致しない場合に、シーク指示された時間に一番近いGOP単位の時間を求める(S501及び502)。このように、GOP単位のバイト位置の検索を行えば、検索バイト位置からスキャンする蓄積データ量を削減することが可能できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、任意のMPEG蓄積データを、インデックス情報やインデックスファイルのような外部情報を用いずに、特殊再生を行うためのGOPのポイントを高速に且つ蓄積データ内のサーチ量が少なく正確に行なえる。
【0051】
具体的には、MPEG蓄積データからのみデータの平均ビットレートを計算し、また蓄積ファイルの先頭及び最終部分のみサーチを行うため、再生開始時点でのサーチ量は少なく、インデックスファイルを作成するようなシステムよりも高速に再生が開始できる。
【0052】
また、再生開始前に作成した平均ビットレートを再生の過程で逐次修正していくことで、再生が進むにつれてより正確なランダムアクセス可能なポイントが算出でき、それによって蓄積データのサーチ量が削減できて高速な特殊再生が実現できる。
【0053】
さらに、より近傍の平均ビットレートのほうが全体の平均ビットレートよりも正確であるため、この平均ビットレートを用いることでより正確なランダムアクセス可能なポイントが算出でき、蓄積データのサーチ量を削減した高速な特殊再生が実現できる。
【0054】
なお、本発明は蓄積ファイルがVBRに限らずCBRの場合にも適用可能である。CBRの場合には、管理テーブル上の平均ビットレートが各GOP間で同一となるため管理テーブルに対する操作が冗長となるだけで、CBR又はVBRの蓄積ファイルの構造を意識することなく適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMPEGデータの再生装置の一構成例を示した図である。
【図2】MPEGデータフォーマットの一例を示した図である。
【図3】VBRにける映像データとビットレートとの関係を示した図である。
【図4】蓄積データの再生開始時における制御フローの一例を示した図である。
【図5】順方向再生時の制御フローの一例を示した図である。
【図6】シーク指示による制御フローの一例(1)を示した図である。
【図7】シーク指示による制御フローの一例(2)を示した図である。
【図8】管理テーブルの統合化の制御フロー例を示した図である。
【図9】シーク指示時間をGOP単位に変換する制御フローの一例を示した図である。
【図10】再生開始時に作成される管理テーブルの一例を示した図である。
【図11】順方向再生における管理テーブルの更新の一例を示した図である。
【図12】管理テーブルからシークバイト位置を求める一例(1)を示した図である。
【図13】管理テーブルからシークバイト位置を求める一例(2)を示した図である。
【図14】管理テーブルの統合化の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…ファイル
2…蓄積データ読み込み部
3…外部制御部
4…DEMUX部
5…PTS/DTS検出部
6…GOP検出部
7…管理テーブル
8…ビデオデコーダ
9…オーディオでコーダ
Claims (5)
- 複数の画像グループを含む動画データを読み込み、
前記動画データに含まれた先頭画像グループ及び次画像グループから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報と、該画像グループ間のフレーム数とに基づいて、1画像グループ時間を計算し、
前記動画データの前記先頭画像グループから取り込まれた前記時間情報及びバイト位置情報と最終画像グループから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報とに基づいて、該動画データの総再生時間を算出し、前記動画データの総バイト数に基づいて先頭画像グループと前記最終画像グループ間の平均ビットレートを算出し、
前記先頭画像グループに対応させて、該先頭画像グループの前記時間情報に基づいた再生時間及び前記バイト位置情報と、前記平均ビットレートとを格納し、前記最終画像グループに対応させて、前記動画データの前記総再生時間と前記最終画像グループから取り込まれたバイト位置情報を格納して、テーブルを作成し、
前記動画データの再生指示に従って、前記テーブルから再生指示時間に対応する前記再生時間を検索し、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間と一致する場合には、一致した再生時間に格納されたバイト位置情報を前記動画データにおけるアクセスバイト位置とし、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間に一致しない場合には、前記平均ビットレートを読み出し、該平均ビットレート及び該再生指示時間と該再生時間との差分とに基づいて求めたバイト数と、前記再生指示時間に対応する画像グループのバイト位置情報とから、前記再生指示時間に対応する前記動画データにおけるアクセスバイト位置を算出し、
前記アクセスバイト位置から前記動画データの再生を行うことを特徴とする動画データの再生方法。 - 前記アクセスバイト位置から再生済の前記画像グループから取り込まれた前記時間情報及び前記バイト位置情報と前記フレーム数とから、該各画像グループ間の平均ビットレートを算出し、該画像グループに係る時間情報、該バイト位置情報及び該平均ビットレートを前記テーブルに格納し、
前記テーブルに格納された前記再生済みの前記画像グループに係る前記時間情報、前記バイト位置情報及び前記平均ビットレートに基づいて、アクセスすべき非再生部分の画像グループに係る平均ビットレートを修正することを特徴とする請求項1に記載の動画データの再生方法。 - 前記非再生部分の画像グループについて再生する場合、当該画像グループに係る平均ビットレートに、該再生のための指示時間が前記テーブルに格納された前記時間情報に近い方の前記平均ビットレートを用いることを特徴とする請求項2に記載の動画データの再生方法。
- 前記テーブルに格納された複数の平均ビットレートのうち、隣接して格納された平均ビットレート同士が同一の場合、一方の平均ビットレートに係る画像グループの時間情報、バイト位置情報及び当該平均ビットレートを前記テーブルから削減することを特徴とする請求項2又は3に記載の動画データの再生方法。
- 複数の画像グループを含む動画データに含まれた先頭画像グループと続く次画像グループとから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報と該画像グループ間のフレーム数とに基づいて、1画像グループ時間を計算する計算手段と、
前記先頭画像グループと前記画像データの最終画像グループとから取り込まれた時間情報及びバイト位置情報に基づいて該動画データの平均ビットレートを算出する平均ビットレート算出手段と、
前記先頭画像グループに対応させて、該先頭画像グループの前記時間情報に基づいた再生時間及び前記バイト位置情報と、前記平均ビットレートとを保存し、前記最終画像グループに対応させて、前記動画データの総再生時間と前記最終画像グループから取り込まれたバイト位置情報を保存したテーブルを格納するテーブル格納手段と、
前記動画データの再生指示に従って、前記テーブルから再生指示時間に対応する前記再生時間を検索し、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間と一致する場合には、一致した再生時間に格納されたバイト位置情報を前記動画データにおけるアクセスバイト位置とし、該再生指示時間が該テーブル上の再生時間に一致しない場合には、前記平均ビットレートを読み出し、該平均ビットレート及び該再生指示時間と該再生時間との差分とに基づいて求めたバイト数と、前記再生指示時間に対応する画像グループのバイト位置情報とから、前記再生指示時間に対応する前記動画データにおけるアクセスバイト位置を算出するアクセス位置算出手段と、
前記算出されたアクセスバイト位置から前記動画データを再生する再生手段と、
を有することを特徴とする動画データの再生装置。
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