JP4137037B2 - 鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法および鉄筋コンクリート梁構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法および鉄筋コンクリート梁構造 Download PDF

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本発明は、地震荷重時における鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法および鉄筋コンクリート梁構造に関し、より詳しくは、鉄筋コンクリート梁と一体に形成されるスラブの一部を考慮して該鉄筋コンクリート梁のせん断強度を算定する方法、および、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力の一部を該鉄筋コンクリート梁に連続して形成されるスラブ部で負担可能なように構成された鉄筋コンクリート梁構造に関する。
従来の鉄筋コンクリート梁100としては、図6に示すように、高強度コンクリートによって形成されたプレキャスト梁部110と、普通強度コンクリートで形成されたあと打ち部120とからなるものがある(例えば特許文献1参照)。プレキャスト梁部110は、工場等で製造したプレキャスト部材を柱と柱の間に架設して形成される。また、あと打ち部120は、梁上半部121と、この梁上半部121に連続するスラブ部122とに鉄筋を配筋した後、普通強度コンクリートを打設することにより一体に形成される。
プレキャスト梁部110には、梁下端主筋110aと、せん断補強筋110bが配筋されている。また、あと打ち部120には、梁上端主筋121a、121bと、せん断力伝達筋121cと、スラブ筋122aとが配筋されている。そして、かかる梁上端主筋121a、121bおよびせん断力伝達筋121cによって、スラブ部122を鉄筋コンクリート梁100の一部として機能させ、鉄筋コンクリート梁100をT形梁とすることにより、梁上半部121に普通強度コンクリートを用いることを可能としている。
特開平7−305443号公報(段落0005、0010、図1)
しかしながら、あと打ち部120に梁上端主筋121bとせん断力伝達筋121cとを配筋すると、当該プレキャスト梁部110の上部付近の鉄筋が非常に密になり、鉄筋間隔が狭まってコンクリートの廻り込み具合や締め固めの作業性が悪化し、品質の低下を招くという問題があった。また、配筋量が増加するとともに配筋作業が複雑になるため、作業時間と材料費の増加によりコスト増を招くという問題があった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、せん断力をスラブ部に伝達するための鉄筋を配筋しない場合において、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力を負担し得るスラブ部の一定範囲を考慮して該鉄筋コンクリート梁のせん断強度を評価する方法および鉄筋コンクリート梁構造を提供することを課題とする。
本願の発明者らは、鋭意研究の結果、せん断力をスラブ部に伝達するための鉄筋を配筋しなくても、梁上半部に連続するスラブ部の一定範囲については、いわゆるコンクリートのアーチ作用(アーチ機構ともいう。以下同じ)により、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力を負担し得ることを見いだし、本発明を創案するに至った。
請求項1に係る鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法は、先行して形成される梁下半部と、前記梁下半部に使用される第1コンクリートよりも圧縮強度の低い第2コンクリートを用いて、水平方向に連続するスラブ部と一体に形成される梁上半部と、からなる鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法であって、前記スラブ部で負担される圧縮力が、前記スラブ部と前記梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲内で、前記スラブ部の協力幅を定める第1工程と、前記協力幅に基づいて前記第2コンクリートの圧縮強度を割り増しする第2工程と、割り増しした前記第2コンクリートの圧縮強度に基づいて前記鉄筋コンクリート梁のせん断強度を求める第3工程と、を有することを特徴とする。
かかる方法によれば、第1工程によって、前記スラブ部で負担される圧縮力が前記スラブ部と前記梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲内で、前記スラブ部の協力幅が定められることから、スラブ部の協力幅を過大に考慮することがない。また、第2工程によって、前記協力幅に基づいて前記第2コンクリートの圧縮強度が割り増しされ、第3工程によって、割り増しした前記第2コンクリートの圧縮強度に基づいて前記鉄筋コンクリート梁のせん断強度が求められることから、スラブ部にせん断力伝達筋が配筋されていない場合においても、梁上半部に連続するスラブ部の効果を適切に考慮して鉄筋コンクリート梁のせん断強度を評価することができる。
なお、「協力幅」とは、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力を負担し得るスラブ部の区間をいう。
また、前記第1工程においては、前記協力幅を、次式(1)の範囲内にあるように定めるのが好適である。
B<L/(2×σc2/σs2) ・・・ 式(1)
ここに、B:協力幅
L:鉄筋コンクリート梁の内法長さ
σc2:第2コンクリートの圧縮強度
σs2:第2コンクリートのせん断強度
また、前記第2工程においては、次式(2)により前記第2コンクリートの圧縮強度を割り増しするのが好適である。
σc2’=σc2×(B×(t1+t2)+b×t1)/(b×t1) ・・・ 式(2)
ただし、σc2’がσc1を超える場合はσc2’=σc1とする。
ここに、σc2’:割り増しした第2コンクリートの圧縮強度
σc1:第1コンクリートの圧縮強度
1、t2:梁の左右にとりつくスラブ部の厚さ(ただし、t1≧t2
b:鉄筋コンクリート梁の幅
かかる式(2)は、スラブ部の協力幅まで含めた幅と梁上半部のみの幅との比率(B×(t1+t2)+b×t1)/(b×t1)に応じて梁上半部のコンクリート(第2コンクリート)の圧縮強度を割り増しすることにより、スラブの協力幅を考慮しつつ鉄筋コンクリート梁を矩形断面として取り扱うものである。
これにより、鉄筋コンクリート梁は、圧縮強度σc2’のコンクリートで形成された矩形断面の梁として、そのせん断力を計算することができる。
また、前記第3工程においては、例えば次式(3)により前記鉄筋コンクリート梁のせん断強度を計算するのが好適である。
0=bjtwσwycotφ+tanθ(1−β)bDνσc2’/2・・・式(3)
ただし、pwσwyがνσc2’/2を超える場合はpwσwy=νσc2’/2とする。
ここに、
tanθ=((L/D)2+1)0.5−L/D
β=((1+cot2φ)pwσwy)/(νσc2’)
0:鉄筋コンクリート梁のせん断強度
σwy:せん断補強筋の強度。ただし、σwyが25・σc2’(kgf/cm2)を超える場合はσwy=25・σc2’とする。
t:主筋中心間距離
D:全せい
w:せん断補強筋比
ν:コンクリート圧縮強度の有効係数
φ:トラス機構のコンクリート圧縮束の角度
かかる式(3)の右辺第1項はトラス機構による負担せん断力を表しており、右辺第2項はアーチ機構による負担せん断力を表している。
なお、かかる式(3)は、「鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針(案)・解説」の6.3「柱および梁のせん断強度」に記載されている。
請求項4に係る発明は、先行して形成される梁下半部と、前記梁下半部に使用される第1コンクリートよりも圧縮強度の低い第2コンクリートを用いて、その水平方向に連続するスラブ部と一体に形成される梁上半部と、からなる鉄筋コンクリート梁構造であって、 前記鉄筋コンクリート梁にせん断力が作用したときに、前記スラブ部は、該せん断力の一部を、該スラブ部と前記梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲で、圧縮力として負担することを特徴とする鉄筋コンクリート梁構造である。
かかる構成によれば、梁上半部の水平方向に連続して該梁上半部と一体的に形成されるスラブ部は、鉄筋コンクリート梁にせん断力が作用したときに、該スラブ部と梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲で、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力の一部を圧縮力として負担することから、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力がスラブ部に分散されることとなり、鉄筋コンクリート梁の負担するせん断力が軽減される。
ここで、「スラブ部と梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力」とは、スラブ部と梁上半部との境界面において連続している第2コンクリートによって伝達可能なせん断力である。すなわち、鉄筋コンクリート梁に作用したせん断力の一部は、スラブ部と梁上半部との境界面において連続する第2コンクリートによって該スラブ部に伝達され、当該スラブ部において圧縮力として負担されることとなる。
なお、従来の鉄筋コンクリート梁のように、スラブ部と梁上半部とに跨って配筋されたせん断力伝達筋(図6参照)によってせん断力を伝達するような構造、換言すれば、コンクリートによるせん断力の伝達を期待していない構造は、本発明から除外される。
したがって、請求項4にかかる鉄筋コンクリート梁構造によれば、従来の鉄筋コンクリート梁のようなせん断力伝達筋が不要であることから、梁上半部における鉄筋のピッチに余裕ができるため、コンクリートの充填性がよくなり、品質の向上を図ることができる。また、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力が分散されて、鉄筋コンクリート梁の負担するせん断力が小さくなることから、このような発想で設計されない鉄筋コンクリート梁に比べて、鉄筋コンクリート梁のせん断補強筋の量を少なくすることができる。
なお、このような構造の鉄筋コンクリート梁についてせん断強度を求める場合には、請求項1から請求項3に記載のいずれかの方法によってスラブ部の協力幅を評価して、その協力幅に基づいて鉄筋コンクリート梁のせん断強度を求めるのが望ましい。
また、前記境界面のうち、曲げモーメントによって引張域となった範囲については、コンクリートのアーチ機構によるせん断力負担を期待できないことから、「スラブ部と梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力」は、当該境界面のうち、鉄筋コンクリート梁に作用する曲げモーメントによる圧縮域の面積と第2コンクリートのせん断強度(例えば設計せん断応力度)に基づいて計算するのが望ましい。
本発明によれば、せん断力をスラブに伝達するための鉄筋を配筋しない場合において、鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力を負担し得るスラブ部の一定範囲を考慮して、該鉄筋コンクリート梁のせん断強度を評価することができる。そのため、梁上半部とスラブ部とに、梁下半部の第1コンクリートよりも圧縮強度の低い第2コンクリートを用いた場合でも、梁の断面や鉄筋量が大きくならずに済む。
換言すれば、スラブ部の一定範囲において鉄筋コンクリート梁に作用するせん断力を負担し得ることから、梁の断面や鉄筋量、特にせん断補強筋の量を少なくすることができる。
また、梁の断面寸法や鉄筋量が大きくならずに済むことから、鉄筋組立作業やコンクリート打ち込み作業の作業性を向上させることができる。さらに、梁下半部のコンクリートに比べて低強度のコンクリートを、梁上半部およびスラブ部に用いることができることから、材料費を低減することができるとともに、スラブ部の上面の左官仕上げの作業性を向上させることができる。また、梁上半部とスラブ部とでコンクリートを打ち分ける必要がないため、施工性の向上とコスト削減を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)はI−I断面図、(b)はII−II断面図である。図2は、鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。図3は、鉄筋コンクリート梁にせん断力が作用した場合のアーチ作用を説明するための図である。図4は、梁上半部とスラブ部の境界面が負担可能なせん断力と、スラブ部の協力幅との関係を説明するための図であり、(a)は鉄筋コンクリート梁にモーメント図を重ねて示した図、(b)はスラブ部の協力幅を説明するための図である。
<鉄筋コンクリート梁1の構造>
鉄筋コンクリート梁1は、図1に示すように、鉄筋コンクリート製の柱5、5の間に構築される鉄筋コンクリート製の梁部材であり、プレキャスト部材からなる梁下半部2と、その上部にあと打ちされる梁上半部3とから構成されている。また、この梁上半部3の両側方にはスラブ部4が連続して一体的に形成されている。
(梁下半部2)
梁下半部2は、第1コンクリートたる高強度コンクリートを用いて構成されたプレキャスト部材からなり、その横断面形状は矩形形状を呈している。梁下半部2は、梁下端主筋21と、せん断補強筋22とを予め配筋した状態で形成されている。せん断補強筋22は、その上端部が梁下半部2のコンクリート躯体から突出するように配筋されている(図2(a)参照)。
なお、本実施形態においては、梁下半部2をプレキャスト部材により構成したが、これに限られるものではなく、現場打設方式で構成してもよい。
(梁上半部3)
梁上半部3は、第2コンクリートたる普通強度コンクリートを用いて梁下半部2の上部に打設して形成される部分である。梁上半部3には、せん断補強筋22の上端部と梁上端主筋31とが配筋されている。また、梁上半部3は、梁下半部2から突出したせん断補強筋22によって梁下半部2と一体化するようになっている。
(スラブ部4)
スラブ部4は、構造物のフロアの床版を構成する部材であり、梁上半部3の側方に連続して構築されている。スラブ部4は、梁上半部3と同時に、梁上半部3と同じく普通強度コンクリートを用いて打設される。スラブ部4には、スラブ筋41がメッシュ状に配筋されている。
ここで、梁上半部3とスラブ部4との間には、従来の鉄筋コンクリート梁100(図6参照)のように、せん断力伝達筋121cは配筋されていない。そのため、梁上半部3とスラブ部4とは両者を構成するコンクリートのみを介して力が伝達されるようになっている。
なお、鉄筋コンクリート梁1と直交する方向に配筋されたスラブ筋41は、梁上半部3を貫通して配筋されているが、鉄筋コンクリート梁1に作用するせん断力を伝達するために配筋されたものではない。
<鉄筋コンクリート梁1の構築方法>
つづいて鉄筋コンクリート梁1の構築方法について図2を参照して説明する。
はじめに、図2(a)に示すように、工場等でプレキャスト製造した梁下半部2を施工現場に搬入した後、クレーンなどの揚重機を用いて梁下半部2を吊り上げ、柱5、5の間に架け渡す。
つぎに、図2(b)に示すように、スラブ部4の底面に相当する位置に型枠Kを設置するとともに、梁上端主筋31とスラブ筋41とを所定の位置に配筋する。
なお、本実施形態においては、梁下半部2を柱5、5の間に架設した後に梁上端主筋31を配筋することとしたが、梁上端主筋31を梁下半部2に予め配筋しておいてもよい。
そして、図2(c)に示すように、型枠Kの上と梁下半部2の上に普通強度コンクリートCを打設する。このコンクリートが硬化することにより、梁上半部3とスラブ部4とが連続して一体的に構築されることとなる(図2(d)参照)。
<鉄筋コンクリート梁1のせん断強度評価方法>
つづいて、鉄筋コンクリート梁1のせん断強度を評価する方法について図面を参照して説明する。
図3(a)に示すように、鉄筋コンクリート梁1及び柱5、5からなるラーメン構造の構造物に地震等による水平力Pが作用すると、鉄筋コンクリート梁1及び柱5、5は図3(a)に破線で模式的に示すようにせん断変形しようとする。このとき、鉄筋コンクリート梁1にはせん断力Vが発生する。
2本の柱5、5の間に架設された鉄筋コンクリート梁1にせん断力Vが作用した場合、せん断力Vの一部VAは、図3(b)に示すように、鉄筋コンクリート梁1の内部に形成される曲げ圧縮領域(以下、「圧縮ストラットA」という場合がある。)を斜めに伝わる。すなわち、せん断力Vの一部VAは、いわゆるアーチ作用によって圧縮ストラットAのコンクリートに圧縮応力σAとして負担される。また、せん断力Vの残りの部分は、当該鉄筋コンクリート梁1に配筋されたせん断補強筋22(図1参照)のトラス作用によって負担される。本発明は、これら2つの作用のうち、コンクリートのアーチ作用に着目したものである。
ここで、梁上半部3を構成する普通強度コンクリートの圧縮強度σc2の方が梁下半部2を構成する高強度コンクリートの圧縮強度σc1よりも小さいので、当該圧縮ストラットAで負担可能な圧縮応力σAの大きさは、梁上半部3の普通強度コンクリートの圧縮強度σc2によって上限が定まることとなる。
一方、梁上半部3の水平方向には、図4(a)、(b)に示すように、スラブ部4が連続して一体的に形成されていることから、梁上半部3とスラブ部4との境界面Sのせん断耐力を超えない範囲で、圧縮ストラットAに伝達されるせん断力VAを、スラブ部4の一定範囲(協力幅B)に圧縮力として負担させることができる。
そこで、圧縮ストラットAの一部として機能し得るスラブ部4の協力幅Bを定めるにあたり、スラブ部4の一定範囲のコンクリートに負担される圧縮力と、スラブ部4と梁上半部3との境界面Sのコンクリートが伝達可能なせん断力との関係を考えると、「スラブ部4の一定範囲のコンクリートにおいて負担される圧縮力は、スラブ部4と梁上半部3との境界面Sのコンクリートが伝達可能なせん断力を超えることはない」ということがいえる。以下、この条件に基づいて協力幅Bを定める過程について説明する。
(第1工程)
図4(a)に示すように、スラブ部4の協力幅をB、スラブ部4の厚さをt、普通強度コンクリートの圧縮強度をσc2とすると、当該スラブ部4において負担可能な圧縮力Nは、次式(1−1)のように表すことができる。
N=B×t×σc2 ・・・ 式(1−1)
一方、鉄筋コンクリート梁1と柱5、5とからなるラーメン構造に、水平力Pが作用する場合の曲げモーメント図Mは、概ね図4(b)に示すような形状となる。すなわち、鉄筋コンクリート梁1の内法長さをLとすると、鉄筋コンクリート梁1は、L/2が上側圧縮領域となり、残りのL/2が上側引張領域となる。そして、上側引張領域ではせん断耐力を期待できないことから、スラブ部4と梁上半部3との境界面Sのコンクリートが伝達可能なせん断力Qは、鉄筋コンクリート梁1に作用する曲げモーメントMの上側圧縮領域の長さ(L/2)を考慮して、次式(1−2)のように表すことができる。
Q=t×L/2×σs2 ・・・ 式(1−2)
そして、両式を、「スラブ部4の一定範囲のコンクリートにおいて負担される圧縮力Nは、スラブ部4と梁上半部3との境界面Sのコンクリートが伝達可能なせん断力Qを上回らない」という条件、すなわち、
Q>N ・・・ 式(1−3)
にあてはめると、次式(1)を得ることができる。
B<L/(2×σc2/σs2) ・・・ 式(1)
ここに、B:協力幅
L:鉄筋コンクリート梁1の内法長さ
σc2:普通強度コンクリートの圧縮強度
σs2:普通強度コンクリートのせん断強度
(第2工程)
つづいて、前記式(1)に基づいて定めたスラブ部4の協力幅Bを考慮して、梁上半部3を構成する普通強度コンクリートの圧縮強度σc2を割り増しする。
すなわち、鉄筋コンクリート梁1の断面形状を、梁下半部2と梁上半部3とからなる矩形断面と考えて、当該鉄筋コンクリート梁1のせん断強度を求める場合は、前記第1工程で定めたスラブ部4の協力幅Bの範囲内におけるスラブ部4の断面積X(以下「有効断面積X」という場合がある。)と梁上半部3の断面積Yとの合計面積(2X+Y)と、梁上半部3の断面積Yとの面積比((2X+Y)/Y)に基づいて、梁上半部3を構成する普通強度コンクリートの圧縮強度σc2を割り増しする。
具体的には、割り増しされた普通強度コンクリートの圧縮強度σc2’は、次式(2’)により求められる。
σc2’=σc2×(2X+Y)/Y
=σc2×(2×B×t+b×t)/(b×t)
=σc2×(2×B+b)/b ・・・ 式(2’)
ただし、σc2’がσc1を超える場合はσc2’=σc1とする。
ここに、σc2’:割り増しした普通強度コンクリートの圧縮強度
σc1:高強度コンクリートの圧縮強度
b:鉄筋コンクリート梁1の幅
なお、前記式(2’)は、特許請求の範囲における式(2)において、t1=t2=tとした場合の式を示している。
割り増しされた普通強度コンクリートの圧縮強度σc2’を用いることにより、鉄筋コンクリート梁1のせん断強度の計算において、スラブ部4の協力幅Bを考慮することができる。
(第3工程)
つづいて、割り増しした普通強度コンクリートの圧縮強度σc2’を用いて、鉄筋コンクリート梁1のせん断強度を計算する。
具体的には、次式(3)を用いて鉄筋コンクリート梁1のせん断強度を計算する。
0=bjtwσwycotφ+tanθ(1−β)bDνσc2’/2・・・式(3)
ただし、pwσwyがνσc2’/2を超える場合はpwσwy=νσc2’/2とする。
ここに、
tanθ=((L/D)2+1)0.5−L/D
β=((1+cot2φ)pwσwy)/(νσc2’)
0:鉄筋コンクリート梁1のせん断強度
σwy:せん断補強筋の強度。ただし、σwyが25・σc2’(kgf/cm2)を超える場合はσwy=25・σc2’とする。
t:主筋中心間距離
D:全せい
w:せん断補強筋比
ν:コンクリート圧縮強度の有効係数
φ:トラス機構のコンクリート圧縮束の角度
なお、cotφの値は、次式(4−1)〜(4−3)による値のうち最小のものとする。
cotφ=2.0 ・・・ 式(4−1)
cotφ=jt/(Dtanθ) ・・・ 式(4−2)
cotφ=(νσc2’/(pwσwy)−1.0)0.5 ・・・ 式(4−3)
前記式(3)によれば、鉄筋コンクリート梁1のトラス作用とアーチ作用に基づいて、せん断強度V0を求めることができる。
かかる方法によれば、梁上半部3とスラブ部4との間にせん断力伝達筋を配筋しない場合であっても、鉄筋コンクリート梁1のせん断強度の計算において、スラブ部4の有効断面積Xを考慮することができる。換言すれば、鉄筋コンクリート梁1のせん断強度の計算において、梁上半部3の見掛けのコンクリート強度を大きく(強く)評価することができる。そのため、梁上半部3に用いるコンクリートとして、梁下半部2に用いるコンクリートよりも圧縮強度の低いコンクリートを用いることが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、梁下半部2としてプレキャスト部材を用いたが、これに限られるものではなく、梁下半部2を現場打設によって構築するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、梁下半部2に高強度コンクリートを用いるとともに、梁上半部3およびスラブ部4に普通強度コンクリートを用いたが、これに限られるものではなく、梁下半部2に用いるコンクリートの圧縮強度よりも、梁上半部3およびスラブ部4に用いるコンクリートの圧縮強度の方が低ければ、本発明にかかる鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法を適用することができる。
また、本実施形態においては、スラブ部4の底面に相当する位置に型枠Kを設置し、その上部にコンクリートを打設してスラブ部4を構築したが、これに限られるものではなく、型枠Kの変わりに、プレキャスト製造した鉄筋コンクリート製あるいはプレストレストコンクリート製の型枠兼用板状部材を設置するようにしてもよい。
また、本発明に係る鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法および鉄筋コンクリート梁構造に用いるコンクリートの圧縮強度σc1、σc2およびせん断強度σs2は、設計において用いる設計用強度でもよいし、試験などにより測定した実際の強度(実強度)でもよい。なお、設計用強度としては、例えば、設計基準強度に安全率や材料係数を乗じた値を用いてもよい。
また、本実施形態にかかる鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法は、どのような場面に用いてもよく、例えば鉄筋コンクリート梁を設計するために用いてもよいし、既存の鉄筋コンクリート梁のせん断強度を評価するために用いてもよい。
さらに、本実施形態においては、梁上半部3の両側に連続するスラブ部4、4の厚さtが等しい場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、図5に示すように、スラブ部4、4の厚さがそれぞれ異なる場合にも本発明を適用することができる。
図5を参照して具体的に説明すると、第1工程において、まず、スラブ部4、4の協力幅をB、スラブ部4、4の厚さをそれぞれt1、t2、普通強度コンクリートの圧縮強度をσc2とすると、当該スラブ部4、4において負担可能な圧縮力Nは、次式(1−1’)のように表すことができる。
N=(B×t1+B×t2)×σc2
=B×(t1+t2)×σc2 ・・・ 式(1−1’)
つぎに、梁上半部3とスラブ部4、4との境界面Sで負担可能なせん断力Qは、鉄筋コンクリート梁1に作用する曲げモーメントM(図4(b)参照)の上側圧縮領域の長さ(L/2)を考慮して、次式(1−2’)のように表すことができる。
Q=(L/2×t1+L/2×t2)×σs2
=L/2×(t1+t2)×σc2 ・・・ 式(1−2’)
そして、この両式を、「スラブ部4の一定範囲のコンクリートにおいて負担される圧縮力Nは、スラブ部4と梁上半部3との境界面Sのコンクリートが伝達可能なせん断力Qを上回らない」という条件、すなわち、
Q>N ・・・ 式(1−3)
にあてはめると、前記式(1)を得ることができる。
また、第2工程においては、図5に示すように、前記第1工程で定めたスラブ部4の協力幅Bの範囲内におけるスラブ部4、4の断面積X1、X2と梁上半部3の断面積Yとの合計面積(X1+X2+Y)と、梁上半部3の断面積Yとの面積比((X1+X2+Y)/Y)に基づいて、梁上半部3を構成する普通強度コンクリートの圧縮強度σc2を割り増しする。
すなわち、割り増しされた普通強度コンクリートの圧縮強度σc2’は、次式(2)により求められる。
σc2’=σc2×((X1+X2+Y)/Y)
=σc2×(B×t1+B×t2+b×t1)/(b×t1
=σc2×(B×(t1+t2)+b×t1)/(b×t1) ・・・ 式(2)
ただし、σc2’がσc1を超える場合はσc2’=σc1とする。
ここに、σc2’:割り増しした普通強度コンクリートの圧縮強度
σc1:高強度コンクリートの圧縮強度
1、t2:梁の左右にとりつくスラブ部の厚さ(ただし、t1≧t2
b:鉄筋コンクリート梁1の幅
このように、梁上半部3に連続するスラブ部の厚さが異なる場合でも、式(2)を用いて本発明を適用することができる。
なお、式(1)により求めたスラブ部4の協力幅Bの最大範囲が実際のスラブ幅よりも大きい場合は協力幅Bを実際のスラブ幅とするのが好適である。
鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)はI−I断面図、(b)はII−II断面図である。 鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。 (a)は、柱と梁からなるラーメン構造に水平力が作用した場合の変形図である。(b)は、鉄筋コンクリート梁にせん断力が作用した場合のアーチ作用を説明するための図である。 梁上半部とスラブ部の境界面が負担可能なせん断力と、スラブ部の協力幅との関係を説明するための図であり、(a)は鉄筋コンクリート梁にモーメント図を重ねて示した図、(b)はスラブ部の協力幅を説明するための図である。 梁上半部に連続するスラブ部の厚さが異なる鉄筋コンクリート梁を示した断面図である。 従来の鉄筋コンクリート梁の断面図である。
符号の説明
1 鉄筋コンクリート梁
2 梁下半部
3 梁上半部
4 スラブ部
5 柱
A 圧縮ストラット
B 協力幅

Claims (4)

  1. 先行して形成される梁下半部と、
    前記梁下半部に使用される第1コンクリートよりも圧縮強度の低い第2コンクリートを用いて、その水平方向に連続するスラブ部と一体に形成される梁上半部と、からなる鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法であって、
    前記スラブ部で負担される圧縮力が前記スラブ部と前記梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲内で、前記スラブ部の協力幅を定める第1工程と、
    前記協力幅に基づいて前記第2コンクリートの圧縮強度を割り増しする第2工程と、
    割り増しした前記第2コンクリートの圧縮強度に基づいて前記鉄筋コンクリート梁のせん断強度を求める第3工程と、を有することを特徴とする鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法。
  2. 前記第1工程において、前記協力幅を、次式(1)の範囲内にあるように定めることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法。
    B<L/(2×σc2/σs2) ・・・ 式(1)
    ここに、B:協力幅
    L:鉄筋コンクリート梁の内法長さ
    σc2:第2コンクリートの圧縮強度
    σs2:第2コンクリートのせん断強度
  3. 前記第2工程において、次式(2)により前記第2コンクリートの圧縮強度を割り増しすることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート梁のせん断強度評価方法。
    σc2’=σc2×(B×(t1+t2)+b×t1)/(b×t1) ・・・ 式(2)
    ただし、σc2’がσc1を超える場合はσc2’=σc1とする。
    ここに、σc2’:割り増しした第2コンクリートの圧縮強度
    σc1:第1コンクリートの圧縮強度
    1、t2:梁の左右にとりつくスラブ部の厚さ(ただし、t1≧t2
    b:鉄筋コンクリート梁の幅
  4. 先行して形成される梁下半部と、
    前記梁下半部に使用される第1コンクリートよりも圧縮強度の低い第2コンクリートを用いて、その水平方向に連続するスラブ部と一体に形成される梁上半部と、からなる鉄筋コンクリート梁構造であって、
    前記鉄筋コンクリート梁にせん断力が作用したときに、前記スラブ部は、該せん断力の一部を、該スラブ部と前記梁上半部との境界面で伝達可能なせん断力を上回らない範囲で、圧縮力として負担することを特徴とする鉄筋コンクリート梁構造。
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