JP4124846B2 - リクライニング式シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクターを有するリクライニング式シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の乗員等を座席に安全に保持するためのシートベルト装置には、急な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によってリトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備えて乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リトラクターが用いられている。
【0003】
更に、こうした緊急ロック式リトラクターに用いられる慣性感知手段としては、車体の加速度を感知する車体加速度センサーがある。車体加速度センサーは、例えば慣性体が車体の衝突で移動すると、該慣性体の上部に設けられたセンサーアームを揺動し、ウェビングが巻装された巻取軸のウェビング引出し方向の回転をロックするロック手段を作動させる構成である。
【0004】
近年、上述の如きリトラクターを車両等のリクライニング式シートのシートバック(シート背もたれ)内に取り付け、シートバックの傾斜角度が変更されても同様に作動可能であるシートバック用車体加速度センサーが提案されている。
例えば特開平3−148350号公報に開示された車体加速度センサーは、回転自在にリトラクターベースに支持されたセンサーケースに対して、該センサーケース上の慣性支持体の向きがシートバックの傾斜状態に拘わらず適正に保たれるように前記シートバックの傾斜角度に応じて前記センサーケースをその回動軸線回りに連動させるべく、該センサーケースとシート金具との間に可撓軸を配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平3−148350号公報に開示された車体加速度センサーは、センサーアームとラチェットホイールとが係合する位置の近傍にある軸を中心にセンサーが揺動するので、シートバックを傾斜させてセンサーの位置が変わればセンサーアームの先端とラチェットホイールとの当たり方(当接角度)が変わってしまう。当たり方が変わってしまうと、所定の位置でセンサーアームがラチェットホイールを止められず、ロック機構を正常に機能させられなくなる恐れがある。
【0006】
すなわち、ラチェットホイールを用いたリトラクターは、車体加速度センサーのセンサーアームの位置と、ロック手段が作動する位置に相関があり、所定の位相が設定されている。そして、ロック手段を正常に作動させる車体加速度センサーの位置が限られており、その位置以外に車体加速度センサーを配置することは、不適当である。例えば、巻取軸に備えたラチェットホイールが回転を停止されて巻取軸と相対回転することにより、巻取軸に備えたロック部材が、リトラクターベースに設けた係合歯と係合する構成のロック手段にあっては、ロック位置を設定するリトラクターベースの係合歯とラチェットホイールの係合歯との位相が一定でないと、ロック手段の作動タイミングが変化してしまう。リトラクターベースに連続して設けられた係合歯のいずれかにロック部材が係合することによりロックする構成にあっては、ロック部材の作動タイミングが変化すると、ロック部材が係合歯と本来係合すべき位置まで到達せず、係合が不充分となる。この係合を充分にするために巻取軸が強制的に回転させられると、例えばセンサーアーム等に過大な力が作用するため好ましくない。
そこで、本発明の目的は、シートバックが異なる傾動位置にあるときにも車体の加速度を確実に感知してロック手段が適正に作動する信頼性の高いリクライニング式シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、巻取軸のウェビング引出し方向への回転を段階的にロックするロック手段と、所定の加速度を感知し、該ロック手段を作動させる車体加速度センサーとを備えたリトラクターをシートバックに内蔵し、前記車体加速度センサーを前記シートバックの傾斜状態に拘わらず水平状態に保持する調節手段を備えたリクライニング式シートにおいて、前記シートバックは段階的に傾斜状態が設定されるための所定ピッチ角Aで形成された歯を有する係合歯車を備え、前記ロック手段は前記巻取軸の回転を段階的にロックするための所定ピッチ角Aで形成された係合歯を備え、前記シートバックの前記係合歯車の前記歯のピッチ角Aと前記ロック手段の前記係合歯のピッチ角Aとが等しく構成されたことを特徴とするリクライニング式シートにより解決される。
【0008】
本発明によれば、前記シートバックの傾斜状態を設定するための係合歯車のピッチ角(傾斜ピッチ角)と前記ロック手段に備えた係合歯のピッチ角(ロック位置のピッチ角)が等しいので、乗員の体格等に応じて前記シートバックの傾斜角度が変更されても前記車体加速度センサーと前記ロック手段との相対的な位置が変わらない。したがって、車体の加速度を確実に感知して前記ロック手段が適正に作動することができる。
【0009】
ここで、前記シートバックの傾斜ピッチ角と前記ロック手段によるロック位置のピッチ角を等しくするには、例えばシートバックの傾斜角度を調整するシート角度固定手段の歯車のピッチ角と、前記ロック手段を構成する係合歯のピッチ角を等しくすることが好ましい。この場合、係合歯がリトラクターベースに設けられ、ロック部材が巻取軸に設けられる構成でもよく、逆に係合歯が巻取軸に設けられロック部材がリトラクターベースに設けられる構成であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1に本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクターが取り付けられたリクライニング式シートの概略側面図を示す。図1に示すように、車体加速度センサー51を備えたシートベルト用リトラクター100は、車体に取り付けられたリクライニング式シート61のシートバック62内に取り付けられている。前記シートバック62は、車体幅方向に延在する調節軸71を中心として枢動し得るように、シート座部63に接続されており、乗員の体格等に応じて傾斜角度が調整される。
【0011】
図2及び図3にシートベルト用リトラクター100の分解斜視図を示す。図2及び図3に示すように、リトラクターベース1はその大部分がコの字状断面を有しており、対向する側板1a,1bにはそれぞれ巻取軸貫通穴が穿設され、ウェビングを巻装する巻取軸であるボビン3がこれら巻取軸貫通穴を挿通した状態で回動自在に軸架されている。
【0012】
前記側板1aに設けられた巻取軸貫通穴の内周縁には切り欠きピッチ角が角度A毎である係合内歯2が形成されており、該巻取軸貫通穴の外側にはリング部材4が並設されている。そして、前記ベース1の側板1a側には、緊急時にウェビングの引き出しを阻止するための緊急ロック機構が配置されている。また、前記ベースの側板の側板1bには、公知の巻取りばね装置15が配置されており、ボビン3はウェビングを巻取る方向に常時付勢されている。
【0013】
前記ボビン3は、略円筒形の巻取軸であり、ウェビングが巻回される胴部28には、ウェビング端部を挿通させて保持するための直径方向に貫通するスリット開口28aが設けられている。また、ボビン3の外周部には別体で形成されたフランジ部材13が装着され、ウェビングの巻乱れを防止する。また、リトラクターベース1に組み付けたボビン3の外周に巻装されたウェビングは、リトラクターベース1の背板側の上部に取り付けられたウェビングガイド41を挿通させることによって、出入り位置が規制される。
【0014】
前記ボビン3の両端面には該ボビン3を回転自在に支持する為の回転支軸が突設されるが、ボビン3のセンサー側端面には別体に構成された支軸ピン6が回転支軸として圧入されている。また、ボビン3のセンサー側端面には、前記係合内歯2に係合可能なロック部材であるポール16を揺動可能に軸支する支軸7が突設されている。
【0015】
前記ポール16の揺動端部には、側板1aに構成された前記係合内歯2に対応して係合可能な係合歯16cが一体形成されている。また、ポール16の中央部には、前記支軸7に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、該ポール16のセンサー側面には、揺動端側に位置する係合突起16bとポール後端部16e側に位置する押圧突起16dとが突設されている。軸穴16aは支軸7に対して遊嵌状態なので、ポール16が該支軸7に対して揺動可能及び所定量移動可能に軸支されている。
【0016】
そして、ポール16の係合突起16bの端部は、前記支軸ピン6に回動自在に軸支されたラチェットホイール18に形成されているカム穴18aに挿入されている。そこで、該ラチェットホイール18がボビン3に対してウェビング巻取方向(図3中矢印X1 方向)に相対回転すると、前記カム穴18aが係合突起16bの端部をボビン3の回転中心軸から半径方向外方に移動させるように作用するので、ポール16は前記側板1aに構成された係合内歯2との係合方向(図2中矢印Y1 方向)へ前記支軸7を中心に揺動させられる。すなわち、前記ポール16が、係合内歯2と係合する方向に揺動させられ、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に係合することによって前記ボビン3のウェビング引出し方向の回転を阻止するロック手段を構成している。
【0017】
前記ラチェットホイール18は、中心穴が前記支軸ピン6に回動自在に軸支された爪車であり、その外周部には車体加速度センサー51のセンサーアーム53と係合するためのピッチ角A毎であるラチェット歯18bが形成されている。更に、前記支軸ピン6のフランジ部6aは、ウェビングの引き出し加速度を感知する慣性感知手段であるウェビング加速度感知手段を構成するための円盤状の慣性部材であるイナーシャプレート30の中心穴30aを軸支している。
【0018】
前記ロックアーム26には、ギアケース34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと、線状のセンサースプリング25の長手方向中央部を押圧するアーム部26cとが設けられている。そこで、該ロックアーム26は、係合爪26bが被係合部である内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転を阻止する係止部材を構成している。
【0019】
そして、前記イナーシャプレート30の外側に配設されたギアケース34の中心部には、前記支軸ピン6を介して前記ボビン3を回転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、該軸支部34bの底面には支軸ピン6のフランジ部6aが当接し、ボビン3の軸線方向の位置決め面となっている。
【0020】
また、前記ギアケース34の図3中右側にはハンガー部材37が配設されており、前記ギアケース34を覆う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設される。前記ハンガー部材37の回転軸線は、シートバック62の調節軸71に対して平行に延在するボビン3の回転軸線に一致させてある。そして、前記車体加速度センサー51は、前記ハンガー部材37の収納部38に着脱可能に取り付けられている。また、前記ハンガー部材37には、後述の調節手段39との連結部となる長穴37aが形成された舌状の連結部37bが半径方向外方に向かって延設されている。
【0021】
図4にシートベルト用リトラクター100の部分断面図を示す。図4に示すように、前記車体加速度センサー51のセンサーアーム53は、基端側の軸部53aが前記ハンガー部材37に回転自在に支持されている。そして、センサーアーム53は、その先端部53bが前記ラチェットホイール18の歯18bに係合することによって前記ボビン3のウェビング引出し方向への回転をロックするロック手段を作動させる第1の位置から、先端部53bが前記歯18bから離脱して前記ロック手段を作動させない第2の位置まで前記軸部53aを回転中心として揺動変位可能である。なお、図4ではイナーシャプレート30、ギアケース34、センサーカバー35は図示を省略されている。
【0022】
次に、上記シートベルト用リトラクター100の作動について説明する。衝突等の緊急時に慣性感知手段であるウェビング加速度感知手段又は前記車体加速度センサー51が作動すると、前記ロック作動手段のウェビング引出し方向の回転を阻止する係止手段であるロックアーム26又はセンサーアーム53がラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転を阻止して、リトラクター100のロック手段を作動させる。
【0023】
そして、ラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転が阻止された後、更にウェビングがリトラクター100から引出されると、ラチェットホイール18はボビン3に対して回転遅れを生じ、ウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをボビン3の回転中心軸から半径方向外方に移動させていく。そこで、ポール16は前記支軸7を中心に前記係合内歯2との係合方向(図2中、矢印Y1 方向)へ揺動回転させられる。そして更に、ウェビングがリトラクター100から引出されると、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に噛み合い完了となる。
【0024】
次に本実施形態の特徴部分について説明する。図5に本発明の一実施形態に係るリクライニング式シートの調整手段の概略側面図を示す。図5に示すように、調節手段39は、前記シート座部63側に固定され、前記調節軸71を中心に周方向に延びるカム面を有するカム板84と、該カム板84のカム面に従動して前記ハンガー部材37をその回動可能範囲のみ回動軸線回りに連動させる伝達部材としての棒部材81と、該棒部材81を摺動自在に収容したガイド筒82と備える。また、シートバック62内には、ピッチ角A毎の歯87aが設けられた歯車87が固定されており、シート座部63内には歯87aと係合する係合部材88が設けられている。該歯車87と係合部材88は、シート角度固定手段を構成し、シートバック62は、歯87aと係合部材88が噛み合う位置すなわち角度A毎にしか止まらないようになっている。
【0025】
前記棒部材81が挿通するガイド筒82のリトラクター側端部は、図4に示すように、前記棒部材81のリトラクター側端部がハンガー部材37の連結部37bの周辺を通過するように、リトラクターベース1の側板1aに固定されている。また、ガイド筒82のカム板側端部には、棒部材81のカム板側端部81aが前記シートバック62の調節軸71に向かって延出するように(すなわち、棒部材81のカム板側端部81aが、前記シートバック62の調整軸71を通る直線C上に配置されるように)、シートバック62に固定装備された支持プレート86に位置決めされている。
【0026】
前記棒部材81のリトラクター側端部は、前記連結部37bの長穴37aに係合するピン85を介して前記ハンガー部材37に連結され、かつ、ガイド筒82のリトラクター側端部に装着されたガイド部材90に装備された圧縮コイルばねによって、他端側に付勢されている。また、前記棒部材82のカム板側端部81aは、前記カム板84のカム面に従動する従動子として機能するもので、前記ガイド部材90内に装備された圧縮コイルばねの付勢力により、カム板84のカム面に当接した状態を維持できるように付勢されている。
【0027】
前記カム板84は、外周面がシートバック62の傾動時に前記棒部材81のカム板側端部81aを前記直線C上に沿って進退動作させるカム面となっている。前記カム板84のカム面は、前記シートバック62の傾斜角度に応じて前記センサーケース30をその回動軸線回りに連動させる連動領域となる連動用カム面84aと、この連動用カム面84aの前後に連なり、前記ハンガー部材37をシートバック62の傾動に連動させない非連動領域となる非連動用カム面84b,84cとを備えた3つのカム面から構成されている。
【0028】
前記連動用カム面84aは、ウェビングにより乗員を適正に拘束し得る前記リトラクター100の適正使用範囲内でのシートバック62の傾動時に、前記車体加速度センサー51の向きが前記シートバック62の傾斜状態に拘わらず適正に保たれるように、前記棒部材81のカム板側端部81aの進退動作を制御する。
【0029】
前記シートバック62がシートベルトの使用範囲内で最大に前傾された状態(図1に示した状態)にある時、棒部材51のカム板側端部81aは、図5に示すように、連動用カム面84aの前端に位置している。この状態から、例えば図6に示すようにシートバック62が角度A後傾操作されると、それに応じて棒部材81のカム板側端部81aがシートバック62と一体に調節軸71の周囲を図4で時計回り方向に移動し、図7に示すように該カム板側端部81aが連動用カム面84aに倣って押し上げられる。シートバック62の後傾操作時に連動用カム面84aによって押し上げられた棒部材81は、ハンガー部材37をボビン3に対して図4で反時計回り方向に回動させて、図8に示すように前記車体加速度センサー51の向きを適正な状態に保つ。
【0030】
ここで、前記歯車87と前記係合部材88によりシートバック62は、ピッチ角A毎にしか止まらないようになっているのに対応して、前記車体加速度センサー51の向きもピッチ角A毎にしか止まらないようになっている。また、前記ラチェットホイール18の歯18bはピッチ角A毎に設けられているため、シートバック62が傾斜されても、リトラクターベース1に対する車体加速度センサー51の位置はずれるが、前記センサーアーム53の先端部53bとラチェットホイール18の歯18bとの当たり方が変わらないように、すなわち相対的な位置が変わらないようにできる。
更に、前記リトラクターベース1aの係合内歯2はピッチ角A毎に歯が設けられているので、シートバック62の傾斜がピッチ角A毎に変更されても、前記ロック手段を構成する前記ポール16と前記係合内歯2との相対的な位置が変わらない。
【0031】
車体加速度センサー51のセンサーアーム53の位置と、ポール16の位置とには相関があり、センサーアーム53がラチェットホイール18に係合すべき位置が限られている。ロック手段を適正に作動させる車体加速度センサー51の位置は、ポール16と係合するリトラクターベース1aの係合内歯2に対する相対位置によって設定される。そして、センサーアーム53により回転を停止されるラチェットホイール18の位置により、ポール16が係合するリトラクターベース1aの係合内歯2が決まる。
【0032】
本実施形態ではリトラクターベース1aの係合内歯2のピッチ角Aは、ラチェットホイール18の歯18bのピッチ角Aと等しい。そこで、ラチェットホイール18の適正な停止位置で、ラチェットホイール18の歯18bとリトラクターベース1aの係合内歯2とがちょうど重なる位相であるとすると、シートバック62が傾動された後でもラチェットホイール18の歯18bとリトラクターベース1aの係合内歯2とが重なる位相になる。したがって、シートバック62がどのような傾斜角度であっても、ラチェットホイール18の停止位置は変わらない。
【0033】
例えば、図8に想像線で示す位置から実線で示す位置にシートバック62が時計回り方向に角度A傾斜されると、車体加速度センサー51は調整手段39により逆に反時計回り方向に角度A回動されて水平状態が保たれるとともに、リトラクターベース1aの係合内歯2又はラチェットホイール18の歯18bとの相対位置が変わらないようにされる。同様に、シートバック62が時計回り方向に角度2A傾斜されると、車体加速度センサー51は反時計回り方向に角度2A回動されて水平状態が保たれるとともに、リトラクターベース1aの係合内歯2又はラチェットホイール18の歯18bとの相対位置が変わらないようにされる。なお、図8ではイナーシャプレート30、ギアケース34、センサーカバー35は図示を省略されている。
【0034】
したがって、シートバック62の傾斜状態に拘わらず車体の加速度を確実に感知してロック手段が適正に作動することができる。
なお、図8に示すように、ラチェットホイール18の歯18bの先端直下より図中わずかに左側にセンサーアーム53bが位置するように設定すれば、センサーアーム53bがラチェットホイール18を係止する時間が最短になるので、ロック手段が最短時間で作動できる。
【0035】
上述したように、本実施形態によれば、シートバック62の傾斜状態がリトラクター100の適正使用範囲内で変更される場合であれば、回転伝達手段39の棒部材81が前記連動用カム面84aに従動して前記ハンガー部材37をシートバック62の傾動に連動させる。したがって、センサーアーム33とラチェットホイール18の相対的な位置が変わらないように維持したまま、車体加速度センサー51は良好な姿勢が保たれ、かつ、車両緊急時の衝撃等により移動する慣性体はセンサーケース52上の慣性体54のみとなり、ポール16と係合内歯2の相対的な位置も変わらないため、センサー感度の鈍化等が起こらず、車体の加速度を安定して確実に感知することができる。
【0036】
なお、本発明におけるロック手段、車体加速度センサー等の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて適宜変更可能である。例えば、ロック手段を構成する係合歯がボビンに設けられ、該係合歯と係合するロック部材がリトラクターベースに設けられる構成であってもよい。また、前記ロック手段を構成する前記リトラクターベースの係合内歯に代えて、係合歯を外周に備えたラッチプレートを用いる構成であってもよい。更に、リトラクターベースの歯とラチェットホイールの歯のピッチ角は、相関さえ保たれていれば、同ピッチ角でなくてもよく、例えばリトラクターベースの係合内歯のピッチ角がラチェットホイールの歯のピッチ角の整数倍であってもよい。この場合、リトラクターベースの歯のピッチ角とシートバックの傾斜ピッチ角とが等しくされる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、前記シートバックは段階的に傾斜状態が設定され、前記シートバックの傾斜状態を設定するための係合歯車のピッチ角と前記ロック手段に備えた係合歯のピッチ角が等しいので、前記シートバックの傾斜角度が変更されても前記ロック手段の相対的な位置が変わらず、シートバックの傾斜状態に拘わらず車体の加速度を確実に感知して、ロック手段が適正に作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクターが取り付けられたリクライニング式シートの概略側面図である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの分解斜視図の一部である。
【図3】図2に示したシートベルト用リトラクターの残り部分の分解斜視図である。
【図4】図1に示したシートベルト用リトラクターの部分断面図である.
【図5】図1に示したリクライニング式シートの調節手段の概略側面図である。
【図6】図1に示したリクライニング式シートのシートバックを後傾させた状態を示すシート側面図である。
【図7】図1に示したリクライニング式シートの調節手段の概略断面図である。
【図8】図1に示したシートベルト用リトラクターの部分断面図である。
【符号の説明】
1 リトラクターベース
1a,1b 側板
2 係合内歯
3 ボビン
4 リング部材
15 巻取りばね装置
16 ポール
16c 係合歯
18 ラチェットホイール
18a 歯
30 イナーシャプレート
37 ハンガー部材
39 調整手段
51 車体加速度センサー
53 センサーアーム
61 リクライニング式シート
62 シートバック
63 シート座部
100 シートベルト用リトラクター
Claims (4)
- 巻取軸のウェビング引出し方向への回転を段階的にロックするロック手段と、所定の加速度を感知し、該ロック手段を作動させる車体加速度センサーとを備えたリトラクターをシートバックに内蔵し、前記車体加速度センサーを前記シートバックの傾斜状態に拘わらず水平状態に保持する調節手段を備えたリクライニング式シートにおいて、前記シートバックは段階的に傾斜状態が設定されるための所定ピッチ角Aで形成された歯を有する係合歯車を備え、前記ロック手段は前記巻取軸の回転を段階的にロックするための所定ピッチ角Aで形成された係合歯を備え、前記シートバックの前記係合歯車の前記歯のピッチ角Aと前記ロック手段の前記係合歯のピッチ角Aとが等しく構成されたことを特徴とするリクライニング式シート。
- 前記係合歯がリトラクターベースに設けられ、前記ロック手段が前記巻取軸に設けられたことを特徴とする請求項1記載のリクライニング式シート。
- 前記係合歯が前記巻取軸に設けられ、前記ロック手段がリトラクターベースに設けられたことを特徴とする請求項1記載のリクライニング式シート。
- 前記リトラクターベースの前記係合歯のピッチ角Aが、前記ロック手段を構成するラチェットホイールの歯のピッチ角の整数倍であり、前記リトラクターベースの前記係合歯のピッチ角Aと前記シートバックの前記係合歯車の前記歯のピッチ角Aとが等しくされることを特徴とする請求項2記載のリクライニング式シート。
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CN116142044B (zh) * | 2023-02-28 | 2024-07-12 | 一汽奔腾轿车有限公司 | 用于安全带卷收器的座椅靠背角度机械传感装置 |
-
1997
- 1997-12-02 JP JP33185997A patent/JP4124846B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11165570A (ja) | 1999-06-22 |
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