JP4121386B2 - 遊星ギヤ式動力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊星ギヤ式動力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サンギヤ、遊星ギヤ及びリングギヤを組合わせることで、動力を伝達する若しくは動力を非伝達にすることのできる遊星ギヤ式動力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭60−40931号公報(第3頁、第1−2図)
【0004】
同公報の第1図及び第2図を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図12は実公昭60−40931号公報の第1図の再掲図であり、図13は実公昭60−40931号公報の第2図の再掲図である。
【0005】
図12において、遊星ギヤ式動力装置200は、鉛直に配置した入力軸201と、この入力軸201の下部に形成したサンギヤ202と、このサンギヤ202に噛合わせた図13に示す3個の遊星ギヤ203・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)と、これらの遊星ギヤ203・・・を支えるために遊星ギヤ203・・・の下方に配置した支持体204と、この支持体204から下方に且つ入力軸201と同軸にを延ばした図12に示す出力軸205と、遊星ギヤ203・・・に噛合わせたリングギヤ206と、これらの支持体204、出力軸205及びリングギヤ206を支持するケーシング207と、このケーシング207とリングギヤ206との間にリングギヤ206を制動する若しくは非制動にするために介在させた制動手段208と、から構成したものであり、制動時には入力軸201の動力を減速して出力軸205へ伝達し、非制動時にはリングギヤ206を空転させるて入力軸201の動力を出力軸205へ伝えぬようにしたものである。
【0006】
また、遊星ギヤ式動力装置200は、ケーシング207中に潤滑油209を充填したものであり、この潤滑油209の油面レベル211を、遊星ギヤ203・・・とリングギヤ206との噛合い部分を完全に沈める位置に設定したものと言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、特許文献1のような形式の遊星ギヤ式動力装置200では、リングギヤ206を空転させることで入力軸201の動力を出力軸205へ伝えぬようにしたときにも、若干の動力の伝達現象が起きる。一般的に、この現象を連れ廻り現象と呼ぶ。
連れ廻り現象は、制動手段208を解除してリングギヤ206を空転させるようにしたときでも、リングギヤ206が停止した状態を維持しようとするために起こる現象である。
【0008】
しかし、連れ廻り現象は、出力軸205に動力を伝達すべきでないときに動力が伝わるので、遊星ギヤ式動力装置200にとって好ましいことではないので、少しでも低減したいものである。
また、特許文献1の遊星ギヤ式動力装置200では潤滑油209の油面レベル211を、遊星ギヤ203・・・とリングギヤ206との噛合い部分を完全に沈める位置に設定したものであるが、この潤滑油209の油面レベル211を考慮することで、例えば、出力軸205に動力を伝達すべきでないときに支持体204側の粘性抵抗を増加させることができれば、連れ廻り現象を低減させることができ、検討の余地が残る。
さらに、支持体204は、図13に示すように、略三角形を呈し、ケーシング207の中心で支持するので、支持体204の安定した回転が得られないこともある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、連れ廻り現象を低減させるとともに安定して支持体を回転させることのできる技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、鉛直線に沿って配置した入力軸の下部にサンギヤを形成し若しくは取付け、このサンギヤに少なくとも3個の遊星ギヤを噛合わせ、これらの遊星ギヤを支える平板状の支持体を遊星ギヤの下方に配置し、支持体から下方に且つ入力軸と同軸上に出力軸を延ばし、遊星ギヤをリングギヤで囲い、このリングギヤ、遊星ギヤ、支持体及びサンギヤをケーシングで囲い、このケーシングとリングギヤとにリングギヤを任意に制動させることのできる制動手段を介在させ、制動手段で制動させたときには入力軸の動力を減速して出力軸へ伝達し、非制動時にはリングギヤを空転させることで入力軸の動力を出力軸へ伝えぬようにする遊星ギヤ動力装置において、平板状の支持体の外径を、リングギヤのピッチ円より大径に設定し、ケーシングに溜める潤滑油の油面レベルをリングギヤより下で支持体より上に設定したことを特徴とする。
【0011】
サンギヤ、遊星ギヤ及びリングギヤを組合わせ、動力を伝達する若しくは動力を非伝達にする制動手段を備えた遊星ギヤ式動力装置では、リングギヤを空転させることで入力軸の動力を出力軸へ伝えぬようにしたときにも、若干の現象を連れ廻り現象が起きるものであり、この連れ廻り現象を低減できるとすれば好ましいことである。
そこで、平板状の支持体の外径を、リングギヤのピッチ円より大径に設定することで、潤滑油による粘性抵抗を増加させることができる。この結果、連れ廻り現象を低減することができる。
【0012】
また、ケーシングに溜める潤滑油の油面レベルをリングギヤより下で支持体より上に設定することで、潤滑油によるリングギヤの抵抗を低減させることができる。この結果、リングギヤを回転しやすくすることができ、連れ廻り現象を低減することができる。
【0013】
請求項2は、支持体に、潤滑油を遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させる飛散孔を設けたことを特徴とする。
潤滑油を遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させる飛散孔を設けることで、支持体の回転時のみに潤滑油を遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させることができる。この結果、潤滑油の量を減らすことができるとともに、制動手段等に不必要な潤滑油がかかることを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の斜視図であり、歩行型農作業機10(以下では単に「農作業機10」と記す。)は、エンジン11から動力伝達装置12を介して左右の走行車輪13,14(手前側の符号13のみ示す。)及びこれらの走行車輪13,14の前方に配置した左右の耕耘装置15、16へ動力を伝達し、動力伝達装置12の後部に畝立て機等の作業装置を連結する構造を有する農業機械であり、耕耘装置15,16で圃場(ほじょう)を耕しながら、例えば畝立て機で畝(うね)を立てる。
【0015】
図2は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の側面図であり、農作業機10は、機体の上部に配置したエンジン11と、このエンジン11の下部にクラッチ(本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の制動手段)を介して取付けた動力伝達装置12と、この動力伝達装置12の前部に左右の耕耘軸15a,16a(手前側の符号15aのみ示す。)を介して回転可能に取付けた耕耘装置15,16と、動力伝達装置12の後部に左車軸13a及び右車軸14a(不図示)を介して回転可能に取付けた走行車輪13,14と、動力伝達装置12の後部から後方斜め上方に延ばしたハンドル18と、動力伝達装置12の後端に取付けた連結機構21とからなり、連結機構21に作業装置としての畝立て機22を連結したものである。なお、17はクラッチを収納するクラッチケース(ケーシング)である。
【0016】
ここで、31は動力伝達装置12の前端部に上下に位置調整可能に取付けた走行補助輪、32は動力伝達装置12及び耕耘装置14,15の上方を覆うフェンダ、33はエンジン11の上方を覆うエンジンカバー、34はエアクリーナ、35は燃料タンク給油口用キャップ、36は変速レバー、37はデフロック用レバー、38はクラッチレバー、41は連結機構21に連結した作業装置(畝立て機22等)を跳ね上げるための跳ね上げレバー、42は連結機構21に連結した作業装置の沈み込み位置を調整する沈み込み位置調整レバーである。
【0017】
図3は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の平面図であり、農作業機10は、ハンドル18の右側前部に、エンジン11を始動させるリコイルスタータ用ノブ51と、エンジン11の出力を調整するスロットルレバー52と、前述のデフロック用レバー37とを配置し、ハンドル18の左側後部にエンジン11を停止させるエンジンスイッチ53を取付け、ハンドル18の後部にクラッチレバー38を取付け、動力伝達装置12(図1参照)の後部中央から後方へ変速レバー36を延ばし、連結機構21の後部左部から後方へ跳ね上げレバー41を延ばしたことを示す。
【0018】
図4は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載したエンジン廻りの側面図である。
エンジン11は、アルミニウム合金製のクランクケース43と、このクランクケース43にガスケット(不図示)を介してボルト締めするシリンダブロック44と、このシリンダブロック44内に形成たシリンダ45にスライドさせるピストン46と、このピストン46にピストンロッド47を介して連結したクランクシャフト48を主要構成とするものであり、クランクシャフト48の一端にフライホイル49を取付け、クランクシャフト48の他端を本願発明に係る遊星ギヤ式動力装置60の入力軸61とするものである。
【0019】
図中、54,54はクランクシャフト48を回転自在に支持するベアリング、55は点火プラグ、56は吸気(排気)バルブ、57はヘッドカバー、58は燃料タンク、59はリコイルスタータを示す。
【0020】
図5は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の側面断面図である。
遊星ギヤ式動力装置60は、鉛直線Cに沿って配置した入力軸61(クランクシャフト48の他端)と、この入力軸61の先端(下部)に形成したサンギヤ62と、このサンギヤ62に噛合わせた3個の遊星ギヤ63・・・と、これらの遊星ギヤ63・・・を回転自在に支える平板状且つ円形(円盤状)の支持体64と、この支持体64に取付けるとともに入力軸61に同軸に配置した出力軸65と、3個の遊星ギヤ63・・・に噛合わせるとともに遊星ギヤ63・・・を囲うリングギヤ66と、このリングギヤ66の回転を停止若しくは許容する制動手段(クラッチ)68と、サンギヤ62、遊星ギヤ63・・・、支持体64及びリングギヤ66を覆う先に説明したケーシング17と、このケーシング17の中に溜めた潤滑油69と、からなる。
【0021】
ケーシング17は、リングギヤ66を回転自在に支持する鋼球(ボール)71・・・(1個のみ示す)と、支持体64の下面に摺接させることで、支持体64の回転を安定させるとともに支持体の摩擦抵抗を増加させる摩擦面72と、後述する弾性クリップ88の一方の端部88aを係止する係止リブ74と、出力軸65を回転自在に支持するボールベアリング75と、潤滑油69をシールするオイルシール76と、を備える。なお、摩擦面72はケーシング17の底73に設けたことを示す。
【0022】
出力軸65は、支持体64に取付けるための雄スプライン77を一端に設け、、動力伝達装置12(図1参照)に動力を伝えるベベルギヤ78を他端に設けた部材であって、入力軸61と同軸に配置したものである。
リングギヤ66は、制動手段68の一部品を構成するブレーキドラム79を備える。
潤滑油69は、油面レベル81をリングギヤ66若しくは遊星ギヤ63・・・より下で支持体64より上に設定する。
【0023】
支持体64は、円盤状の支持プレート82と、この支持プレート82の下面から延出することで出力軸65を取付けるセンタボス83と、からなり、支持体64(支持プレート82)外径を、リングギヤ66のピッチ円66bより大径に設定した。すなわち、少なくとも遊星ギヤ63・・・の支軸85・・・よりも大きく設定したものと言える。
【0024】
支持プレート82は、遊星ギヤ63・・・を回転自在に支持する支軸85・・・を備え、センタボス83は、出力軸65を取付けるためにセンタボス83に設けた雌スプライン86と、根本に支持体の摩擦抵抗を増加させるためのプーリ体87と、このプーリ体87の外周溝87aに嵌合させた略U字形の弾性クリップ88とを備える。
【0025】
遊星ギヤ式動力装置60は、鉛直線Cに沿って配置した入力軸61の下部にサンギヤ62を形成し、このサンギヤ62に少なくとも3個の遊星ギヤ63・・・を噛合わせ、これらの遊星ギヤ63・・・を支える平板状の支持体64を遊星ギヤ63・・・の下方に配置し、支持体64から下方に且つ入力軸61と同軸上に出力軸65を延ばし、遊星ギヤ63・・・をリングギヤ66で囲い、このリングギヤ66、遊星ギヤ63・・・、支持体64及びサンギヤ62をケーシング17で囲い、このケーシング17とリングギヤ66とにリングギヤ66を任意に制動させることのできる制動手段68を介在させ、制動手段68で制動させたときには入力軸61の動力を減速して出力軸65へ伝達し、非制動時にはリングギヤ66を空転させることで入力軸61の動力を出力軸65へ伝えぬようにする遊星ギヤ動力装置60において、平板状の支持体64の外径を、リングギヤ66のピッチ円66bより大径に設定し、ケーシング17に溜める潤滑油69の油面レベル81をリングギヤ66より下で支持体64より上に設定したものであると言える。
【0026】
ところで、サンギヤ、遊星ギヤ及びリングギヤを組合わせ、動力を伝達する若しくは動力を非伝達にする制動手段を備えた遊星ギヤ式動力装置では、リングギヤを空転させることで入力軸の動力を出力軸へ伝えぬようにしたときにも、若干の現象を連れ廻り現象が起きるものであり、この連れ廻り現象を低減できるとすれば好ましいことである。
【0027】
そこで、平板状の支持体64の外径を、リングギヤ66のピッチ円66bより大径に設定することで、潤滑油による粘性抵抗を増加させることができる。この結果、連れ廻り現象を低減することができる。
【0028】
また、ケーシング17に溜める潤滑油69の油面レベル81をリングギヤ66若しくは遊星ギヤ63・・・より下で支持体64のより上に設定することで、潤滑油69によるリングギヤ66の抵抗を低減させることができる。この結果、リングギヤ66を回転しやすくすることができ、連れ廻り現象を低減することができる。
【0029】
図6は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の制動手段の説明図である。
制動手段(クラッチ)68は、ケーシング17に取付けたアンカピン91と、このアンカピン91で支持した一対のブレーキシュー92,92、これらのブレーキシュー92,92を当接させためにリングギヤ66に形成したブレーキドラム79と、ブレーキシュー92,92同士に付勢したリターンスプリング98,98と、ブレーキシュー92,92を拡径する作動カム93と、この作動カム93に連結した連結レバー94と、この連結レバー94に緩衝用スプリング95を介して連結したケーブル96と、からなり、ケーブル96の先端をクラッチレバー38に接続したものである。
なお、ブレーキシュー92,92は、リングギヤ66に当てるブレーキパッド92a,92aを備える。
【0030】
すなわち、制動手段68は、クラッチレバー38を矢印aの如くハンドル18側に引き、連結レバー94を矢印bの如く回転させるとともに作動カム93を矢印bの如く回転させ、この作動カム93で一対のブレーキシュー92,92を拡径し、これらのブレーキシュー92,92でブレーキドラム79(リングギヤ66)を締付け、リングギヤ66を停止させることで、支持体64を回転させて出力軸65に動力を伝達させる手段であり、また、クラッチレバー38を離すことでブレーキシュー92,92をブレーキドラム79(リングギヤ66)から開放させることで、リングギヤ66を空転させて支持体64に動力が伝わらないようにする手段である。
【0031】
図7は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の平面図であり、89・・・は、回転時に潤滑油69(図5参照)を撹拌することで遊星ギヤ63・・・の歯部63a・・・若しくはリングギヤ66の歯部66aに飛散させる飛散孔を示す。
すなわち、遊星ギヤ式動力装置60は、支持体64に、潤滑油69を遊星ギヤ63・・・の歯部63a・・・若しくはリングギヤ66の歯部66aに飛散させる飛散孔89・・・を設けたものであると言える。
【0032】
潤滑油69を遊星ギヤ63の歯部63a・・・若しくはリングギヤ66の歯部66aに飛散させる飛散孔89・・・を設けることで、支持体64の回転時のみ油面レベル211(図5参照)を上昇させ、に潤滑油69を遊星ギヤ63・・・の歯部63a・・・若しくはリングギヤ66の歯部66aに飛散させる(供給する)ことができる。この結果、潤滑油69の量を減らすことができるとともに、制動手段68等に不必要な潤滑油69がかかることを防止することができる。
【0033】
次に、制動手段68を作動させたときのサンギヤ62(入力軸61)、遊星ギヤ63・・・、リングギヤ66及び支持体64(出力軸65)の基本動作、すなわち、連れ廻り現象がない場合の動作を説明する。
【0034】
図8(a),(b)は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の動作説明図である。(a)において、白抜き矢印で示すブレーキシュー92,92でリングギヤ66をロックする。サンギヤ62を矢印▲1▼の如く回転させることで遊星ギヤ63・・・は矢印▲2▼・・・の如く回転する。リングギヤ66をロックしているので、遊星ギヤ63・・・が矢印▲2▼・・・の如く回転し、支持体64は矢印▲3▼の如く回転する。すなわち、支持体64に嵌合させた出力軸65(図5参照)に動力を伝達することができる。
【0035】
(b)において、白抜き矢印で示すブレーキシュー92,92でリングギヤ66をアンロックする。サンギヤ62を矢印▲4▼の如く回転させることで遊星ギヤ63・・・は矢印▲5▼・・・の如く回転する。リングギヤ66をフリーにしてあるので、遊星ギヤ63・・・が矢印▲5▼・・・の如く回転し、リングギヤ66を矢印▲6▼の如く回転する。すなわち、支持体64は回転することがないので、出力軸65(図5参照)に動力を伝達することはない。
【0036】
図9(a),(b)は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の第1作用説明図である。なお、(a)は比較例の遊星ギヤ式動力装置130を示し、(b)は実施例の遊星ギヤ式動力装置60を示す。
(a)において、遊星ギヤ式動力装置130は、サンギヤ132、支持体134に回転自在に取付けた遊星ギヤ133・・・及びリングギヤ136を組合わせ、動力を伝達する若しくは動力を非伝達にする制動手段138を備えた遊星ギヤ式動力装置であり、この種の遊星ギヤ式動力装置130では、一般的に、リングギヤ136を空転させることで入力軸131の動力を出力軸135へ伝えぬようにしたときにも、若干の現象を連れ廻り現象が起きるものである。この連れ廻り現象を低減できるとすれば好ましいことである。
【0037】
そこで、(b)において、ケーシング17の底73に、支持体64の下面に摺接させる摩擦面72を設けることで、支持体64の摩擦抵抗を増加するようにした。この結果、リングギヤ66の摩擦抵抗に比べ支持体64の摩擦抵抗を増加させることができ、連れ廻り現象を低減することができる。
【0038】
また、支持体64の下面に摺接させる摩擦面72を設けることで、この摩擦面72は、支持体64を安定回転させる支持部材の役目をなす。これにより、サンギヤ62、遊星ギヤ63・・・及びリングギヤ66の噛合いを安定させることができる。この結果、サンギヤ62、遊星ギヤ63・・・及びリングギヤ66同士の伝達効率の向上を図るとともに、遊星ギヤ動力装置60から発生するの騒音を低減することができる。
【0039】
すなわち、遊星ギヤ式動力装置60は、鉛直線Cに沿って配置した入力軸61の下部にサンギヤ62を形成し若しくは取付け、このサンギヤ62に少なくとも3個の遊星ギヤ63・・・を噛合わせ、これらの遊星ギヤ63・・・を支える平板状の支持体64を遊星ギヤ63・・・の下方に配置し、支持体64から下方に且つ入力軸61と同軸上に出力軸65を延ばし、遊星ギヤ63・・・をリングギヤ66で囲い、このリングギヤ66、遊星ギヤ63・・・、支持体64及びサンギヤ62をケーシング17で囲い、このケーシング17とリングギヤ66とにリングギヤ66を任意に制動させることのできる制動手段68を介在させ、制動手段68で制動させたときには入力軸61の動力を減速して出力軸61へ伝達し、非制動時にはリングギヤ66を空転させることで入力軸61の動力を出力軸65へ伝えぬようにする遊星ギヤ動力装置60において、ケーシング17の底73に、支持体64の下面に摺接させる摩擦面72を設けたものと言える。
【0040】
図10(a)〜(c)は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の第2作用説明図である。なお、(a)は比較例の遊星ギヤ式動力装置130を示し、(b),(c)は実施例の遊星ギヤ式動力装置60を示す。
(a)は、図9(a)に示した形式の遊星ギヤ式動力装置130を再掲したものであり、リングギヤ136を空転させることで入力軸131の動力を出力軸135へ伝えぬようにしたときにも、若干の現象を連れ廻り現象が起きるものである。この連れ廻り現象を低減できるとすれば好ましいことである。
【0041】
(b)において、遊星ギヤ式動力装置60は、サンギヤ62を取付けた入力軸61と、この入力軸61と同軸上に且つケーシング17に回転自在に取付けた出力軸65と、この出力軸65に取付けた支持体64と、この支持体64に回転自在に取付けるとともにサンギヤ62に噛合わせ複数の遊星ギヤ63・・・と、これらの遊星ギヤ63・・・に噛合わせるためにケーシング17に回転自在に取付けたリングギヤ66と、このリングギヤ66の回転を停止する若しくは回転を許容する制動手段68と、からなる遊星ギヤ式動力装置60において、出力軸65若しくは支持体64にプーリ体87を取付け、このプーリ体87の外周溝87aに略U字の弾性クリップ88を挟み込み、この弾性クリップ88の端部88aをケーシング17に支持させることで、制動手段68がリングギヤ66の回転を許容させる状態のときに、出力軸65の連れ廻り現象を防止するようにしたものと言える。
【0042】
そこで、(c)において、支持体64のセンタボス83にプーリ体87をプーリ体87を一体的に取付け、このプーリ体87の外周溝87aに略U字形の弾性クリップ88を挟み込み、この弾性クリップ88の端部88aをケーシング17の係止リブ74に支持させることで、支持体64及び出力軸65が回転するときに、弾性クリップ88にプーリ体87を滑らせるようにした。これにより、支持体64及び出力軸65の摩擦抵抗を増加するようにした。この結果、リングギヤ66の摩擦抵抗に比べ支持体64の摩擦抵抗を増加させることができ、連れ廻り現象を低減することができる。
【0043】
また、遊星ギヤ式動力装置60は、弾性クリップ87の端部87aのどちらか一方を、ケーシング17の係止リブ74に支持させたことを示す。
弾性クリップ87の端部87aのどちらか一方を、ケーシング17に支持させることで、ケーシング17の構造を簡素化することができる。この結果、遊星ギヤ式動力装置60のコストの低減を図ることができる。
また、遊星ギヤ式動力装置60は、ケーシング17の加工を複雑な構造にすることなく、連れ廻り現象を抑制することができるとも言える。
【0044】
図11(a),(b)は本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の別実施例の説明図であり、遊星ギヤ式動力装置60(図5参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
(a)において、図中、17はケーシング、61は入力軸、62はサンギヤ、63・・・は遊星ギヤ、64は支持体、65は出力軸、66はリングギヤ、68は制動手段、69は潤滑油、71はボール、72は摩擦面、74は係止リブ、87はプーリ体を示し、遊星ギヤ式動力装置110は、鉛直軸C方向の厚みの少ない弾性クリップ118をプーリ体87の外周溝87aに略半円字形の弾性クリップ118を取付け、この弾性クリップ118の一方の端部118aを係止リブに係止したものである。
【0045】
(b)において、弾性クリップ118の平面形状を示し、略半円字形を呈することを示す。すなわち、ケーシング17の深さを浅くすることができ、遊星ギヤ式動力装置110を小型にすることができる。
【0046】
尚、実施の形態では図5に示すように、入力軸61の先端にサンギヤ62を一体的に形成したが、これに限るものではなく、出力軸に別体のサンギヤを取付けたものであってもよい。
実施の形態では図5に示すように、支持体64にプーリ体87を取付け、このプーリ体87に弾性クリップ88を挟み込むようにしたが、これに限るものではなく、支持体若しくは出力軸に直接的に弾性クリップを挟み込んでもよい。
実施の形態では図5に示すように、支持体64にプーリ体87を取付けたが、これに限るものではなく、支持体若しくは出力軸にプーリ体を一体的に形成したものであってもよい。
【0047】
実施の形態では図5に示すように、支持体64にプーリ体87を取付けたが、これに限るものではなく、出力軸にプーリ体を取付けたものであってもよい。
実施の形態では図10に示すように弾性クリップ88を略U字形に形成し、図11に示すように弾性クリップ118を略半円形に形成したが、これに限るものではなく、弾性クリップはプーリ体の外周溝に挟み込む形状であればよく、略U字形、略半円形若しくはこれらに類する形状を含む。
【0048】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、平板状の支持体の外径を、リングギヤのピッチ円より大径に設定したので、潤滑油による粘性抵抗を増加させることができる。この結果、連れ廻り現象を低減することができる。
また、ケーシングに溜める潤滑油の油面レベルをリングギヤより下で支持体より上に設定したので、潤滑油によるリングギヤの抵抗を低減させることができる。この結果、リングギヤを回転しやすくすることができ、連れ廻り現象を低減することができる。
【0049】
請求項2は、支持体に、潤滑油を遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させる飛散孔を設けたので、支持体の回転時のみに潤滑油を遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させるこtができる。この結果、潤滑油の量を減らすことができるとともに、制動手段等に不必要な潤滑油がかかることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の斜視図
【図2】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の側面図
【図3】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載した歩行型農作業機の平面図
【図4】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置を搭載したエンジン廻りの側面図
【図5】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の側面断面図
【図6】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の制動手段の説明図
【図7】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の平面図
【図8】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の動作説明図
【図9】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の第1作用説明図
【図10】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の第2作用説明図
【図11】本発明に係る遊星ギヤ式動力装置の別実施例の説明図
【図12】実公昭60−40931号公報の第1図の再掲図
【図13】実公昭60−40931号公報の第2図の再掲図
【符号の説明】
17…ケーシング、60,110…遊星ギヤ式動力装置、61…入力軸、62…サンギヤ、63…遊星ギヤ、63a…歯部、64…支持体、65…出力軸、66…リングギヤ、66a…歯部、66b…ピッチ円、68…制動手段、69…潤滑油、72…摩擦面、73…底、79…ブレーキドラム、88,118…弾性クリップ、88a,118a…端部、89…飛散孔。

Claims (2)

  1. 鉛直線に沿って配置した入力軸の下部にサンギヤを形成し若しくは取付け、このサンギヤに少なくとも3個の遊星ギヤを噛合わせ、これらの遊星ギヤを支える平板状の支持体を遊星ギヤの下方に配置し、前記支持体から下方に且つ前記入力軸と同軸上に出力軸を延ばし、前記遊星ギヤをリングギヤで囲い、このリングギヤ、前記遊星ギヤ、支持体及びサンギヤをケーシングで囲い、このケーシングと前記リングギヤとにリングギヤを任意に制動させることのできる制動手段を介在させ、制動手段で制動させたときには入力軸の動力を減速して出力軸へ伝達し、非制動時にはリングギヤを空転させることで入力軸の動力を出力軸へ伝えぬようにする遊星ギヤ動力装置において、
    前記平板状の支持体の外径は、前記リングギヤのピッチ円より大径に設定し、ケーシングに溜める潤滑油の油面レベルを前記リングギヤより下で支持体より上に設定したことを特徴とする遊星ギヤ動力装置。
  2. 前記支持体に、前記潤滑油を前記遊星ギヤの歯部若しくはリングギヤの歯部に飛散させる飛散孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊星ギヤ動力装置。
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