しかしながら、上記従来の反射半透過型の液晶表示パネル100においては、上記反射経路Rでは光がカラーフィルタ112を2回通過するのに対し、上記透過経路Tでは光がカラーフィルタ112を一度だけ通過するため、透過型表示の明度に較べて反射型表示の明度が低下し、また、反射型表示の彩度に対して透過型表示における彩度が悪くなるという問題点がある。すなわち、反射型表示では一般的に表示の明るさが不足しがちであるので、カラーフィルタ112の光透過率を高く設定して表示の明るさを確保する必要があるが、このようにすると、透過型表示において十分な彩度を得ることができなくなる。
また、上記のように反射型表示と透過型表示とにおいては光がカラーフィルタを通過する回数が異なるので、反射型表示の色彩と、透過型表示の色彩とが大きく異なってしまうため、違和感を与えるという問題点もある。
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、反射型表示と透過型表示の双方を可能にする表示装置に用いた場合に、反射型表示の明るさと透過型表示の彩度とを共に確保することの可能なカラーフィルタ基板を提供することにある。また、反射型表示の明るさと透過型表示の彩度とを共に確保することの可能な反射半透過型の電気光学装置を提供することにある。さらに、反射型表示と透過型表示との間の色彩の差異を低減することのできる表示技術を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は、反射層の一部にのみ着色層が平面的に重なるように構成し、反射層のその他の部分には着色層が重ならないように構成することにより、当該反射層によって反射される反射光の明るさを確保することができることを見出した。
特に、反射半透過型の電気光学装置の場合には、光学的開口を備えた反射層を設けた上で、光学的開口には着色層が少なくとも部分的に重なるように構成する一方、反射層の一部にのみ着色層が重なるように構成することにより、反射型表示の明るさを確保しつつ透過型表示の彩度を向上させることができる。
より具体的には、着色層を光学的開口に重ねた状態で透過型表示が良好に得られるように、予め着色層を所定の色濃度に設定しておき、その後、着色層が反射層と重なる割合を調節することによって反射型表示の明るさを確保することができる。
本発明の電気光学装置は、一対の基板間に配置された電気光学物質層を有し、複数の画素が設定されてなる電気光学装置において、各々の前記画素内の反射部に配置され、前記電気光学物質層を通過した光を反射する反射層と、各々の前記画素内に配置された前記反射層が設けられていない領域と、前記反射部の一部に重なる位置に配置された第1の着色層と、前記反射部の一部と前記反射層が設けられていない領域とに重なる位置に配置され、前記第1の着色層よりも高い色濃度を有する第2の着色層とを備えることを特徴とする。また、一対の基板間に配置された電気光学物質層を有し、複数の画素が設定されてなる電気光学装置において、各々の前記画素内の反射部に配置され、前記電気光学物質層を通過した光を反射する反射層と、各々の前記画素内に配置された前記反射層が設けられていない領域と、前記反射部の一部に重なる位置に配置された第1の着色層と、前記反射層が設けられていない領域に重なる位置に配置された第1の着色層と、前記反射部の一部と、前記反射層が設けられていない領域及び前記第1の着色層とに重なる位置に配置された第2の着色層とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、着色層が反射層が設けられていない領域上に配置されているとともに反射部上の一部にのみ配置されていることにより、着色層の反射層に対する重なり割合に応じて反射光の明るさを調整することが可能になる一方、このような調整は着色層と 光学的開口との重なり状態には無関係であるので、透過光の色彩には影響を与えないようにすることができる。したがって、反射光に対する着色層の影響と透過光に対する着色層の影響を相互に独立して設定することが可能になる。
ここで、前記反射部の面積と前記反射部における前記着色層が配置されている領域の面積との比(以下、単に「反射着色比」という。)は、前記反射層が設けられていない領域の面積と前記反射層が設けられていない領域における前記着色層が配置されている領域の面積との比(以下、単に「透過着色比」という。)よりも小さいことが好ましい。反射光は着色層を2回透過するのに対して光学的開口を通過する透過光は着色層を1回だけ透過するので、通常であれば反射光の明度は透過光より低くなり、透過光の彩度は反射光の彩度より低くなるが、反射着色比を透過着色比よりも小さくすることにより、反射光の明るさを高めることができるともに透過光の彩度を相対的に向上させることができ、反射光と透過光との間の色彩の相違を低減することができる。
また、前記第2の着色層は前記反射層が設けられていない領域を完全に覆うように配置されていることが好ましい。着色層が光学的開口を完全に覆うように配置されていることにより、透過光の彩度をさらに高めることができる。
ここで、前記反射層及び前記着色層は前記一対の基板のうち一方の前記基板上に配置されている場合があり、また、前記反射層は前記一対の基板のうち一方の前記基板上に配置され、前記着色層は前記一対の基板のうち他方の基板上に配置されている場合もある。いずれの場合であっても、光学的に同様の作用効果を得ることができる。
また、前記第2の着色層は前記反射層が設けられていない領域上から前記反射層が設けられていない領域周囲の前記反射部上に張り出すように配置されていることが好ましい。反射層が設けられていない領域上からその周囲の反射部上に張り出すように着色層が配置されていることにより、着色層を一体のものとして形成することが可能になる。したがって、着色層のパターンをそれほど細かく形成する必要がなくなり、より容易にしかも高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明の別の電気光学装置は、複数の画素上に配置された電気光学物質層と、各々の前記画素上に配置された着色層と、各々の前記画素上に配置され、前記電気光学物質層および前記着色層を通過した光を反射する反射部と開口部とを有する反射層とを備え、前記着色層は前記開口部上に配置されているとともに、前記反射部上の一部にのみ配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の画素において、着色層が開口部上に配置されているとともに反射部上の一部にのみ配置されていることにより、着色層の反射層に対する重なり割合に応じて反射光の明るさを画素毎に調整することが可能になる一方、このような調整は着色層と光学的開口との重なり状態には無関係であるので、透過光の色彩には影響を与えないようにすることができる。したがって、反射光に対する着色層の影響と透過光に対する着色層の影響を画素毎に相互に独立して設定することが可能になる。
ここで、各々の前記画素において、前記反射部の全面積に対する前記着色層と重なる前記反射部の部分の面積の比は、前記開口部の全面積に対する前記着色層と重なる前記開口部の部分の面積の比よりも小さいことが好ましい。反射光は着色層を2回透過するのに対して光学的開口を通過する透過光は着色層を1回だけ透過するので、通常であれば反射光の明度は透過光より低くなり、透過光の彩度は反射光の彩度より低くなるが、反射着色比を透過着色比よりも小さくすることにより、画素毎に反射光の明るさを高めることができるともに透過光の彩度を相対的に向上させることができ、反射光と透過光との間の色彩の相違を画素毎に低減することができる。
また、前記着色層が前記開口部を完全に覆うように配置されていることが好ましい。着色層が光学的開口を完全に覆うように配置されていることにより、透過光の彩度をさらに高めることができる。
さらに、前記電気光学物質層を挟持した一対の基板を備え、前記反射層及び前記着色層は前記一対の基板のうち一方の基板上に配置されている場合があり、また、前記反射層は前記一対の基板のうち一方の前記基板上に配置され、前記着色層は前記一対の基板のうち他方の前記基板上に配置されている場合もある。いずれの場合であっても、光学的に同様の作用効果を得ることができる。
また、各々の前記画素において、前記着色層は前記開口部上から前記開口部周囲の前記反射部上に張り出すように配置されていることが好ましい。これによれば、画素毎に、開口部に平面的に重なる領域から周囲の前記反射層上に張り出した一体構造となるように着色層を設けることができるので、着色層のパターンをそれほど細かく形成する必要がなくなり、より容易に、しかも高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明の異なる電気光学装置は、一対の表示用電極と、前記一対の表示用電極の間に配置された電気光学物質層と、前記一対の表示用電極の平面的な重なり領域に対応して配設された複数の画素と、各々の前記画素内に配置された着色層と、各々の前記画素内に配置され、前記電気光学物質層および前記着色層を通過した光を反射する反射部と開口部とを有する反射層とを備え、前記着色層は前記開口部上に配置されているとともに、前記反射部上の一部に配置されていることを特徴とする。
また、前記複数の画素のそれぞれに対応する前記反射層が設けられていない領域の面積は、互いに実質的に同一であることが好ましい。
さらに、本発明の別の電気光学装置は、複数の画素上に配置された電気光学物質層と、前記画素上に配置された、相互に異なる色を有する複数種類の着色層と、各々の前記画素上に配置され、前記電気光学物質層および前記着色層を通過した光を反射する反射部と開口部とを有する反射層とを備え、前記着色層は前記開口部及び前記反射部上に配置されているとともに、前記複数種類の着色層のうちの少なくとも一種の前記着色層が前記反射部上の一部にのみ配置されていることを特徴とする。
本発明において、前記反射層の開口部の面積は、異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で同一に構成されていることが好ましい。反射層の開口部の面積が異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されていることにより、各色の画素において入射光量を等しくすることができるため、透過表示の色調整を比較的簡単に行うことが可能になる。また、反射部の面積についても異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されるので、反射表示の色調整を行う際に、各色に対する着色層の反射部上の面積を調整しやすくなる。
本発明において、前記着色層の前記反射部上の被覆面積率(上記の反射着色比と同等)は、少なくとも2つの異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で異なることが好ましい。これにより、開口部の透過光によって実現される透過表示の色を最適化するように各色の着色層の光学特性を調整するとともに、反射部と重なる各色の着色層の被覆面積率を調整することにより反射表示の色を最適化するといったことが可能になる。したがって、各色についてそれぞれ透過表示の色と反射表示の色とを独立に調整することができる。
本発明において、赤、緑、青の各色の前記着色層を備え、緑の前記着色層の前記被覆面積率は赤及び青の前記着色層の前記被覆面積率よりも小さいことが好ましい。透過表示は、開口部と重なる領域において着色層を1回だけ透過した光により構成されるが、反射表示は、反射部と重なる領域において着色層を2回透過する光により主として構成され、部分的に開口部と重なる領域における着色層による反射光にも影響される。したがって、一般的に反射表示は透過表示よりも彩度が高くなる反面、暗くなりやすい。ところで、比視感度は黄緑の波長領域にピークを有するため、赤及び青の光の彩度が上がると暗くなるのに対して、緑の光の彩度を上げても暗くなりにくい。これにより、反射表示において明度を高めようとすれば、特に赤や青の彩度が低下しやすくなる。したがって、赤や青の画素においては、被覆面積率を高くして(すなわち、着色層と重ならない反射部の面積をなくすか、或いは、少なくして)彩度を確保し、緑の画素においては被覆面積率を低くする(すなわち、着色層と重ならない反射部の面積を増大させる)ことにより反射光量をかせぐようにすれば、反射表示の色再現性を確保しつつ、明度を大幅に増大させることが可能になる。
本発明において、緑の前記着色層の前記被覆面積率は30〜50%であり、赤及び青の前記着色層の前記被覆面積率は60〜100%であることが好ましい。
緑の被覆面積率と赤及び青の被覆面積率を上記範囲に設定することにより、透過表示の色再現性を確保しつつ、反射表示の色再現性及び明度を向上させることができる。特に、緑の着色層の被覆面積率としては35〜45%、赤及び青の着色層の被覆面積率としては85〜100%の範囲であることが最も望ましい。
本発明において、前記反射部は前記反射層が設けられていない領域の全周囲に配置されていることが好ましい。これにより、反射層が設けられていない領域が反射部により取り囲まれた状態に形成されていることとなるため、着色層と反射層との間に多少の位置ずれが発生したとしても、着色層で覆われない領域が反射層が設けられていない領域に生じないようにすることができる。特に、前記反射層が設けられていない領域は反射部の略中央に形成されていることが望ましい。
本発明において、前記開口部による前記反射層に対する開口率は、30〜70%であることが好ましい。一般に、反射層の開口率が大きくなると透過表示は明るくなるが、反射表示は逆に暗くなるので、透過表示と反射表示のバランスを採るように反射層の開口率を設定する必要がある。より具体的には、開口率が小さすぎると、バックライトの照度を高くする必要があり、バックライトの消費電力が増大する。また、開口率が大きすぎると、反射表示が暗くなり視認しにくくなる。本実施形態では、反射部の一部に着色層と重ならない領域が設けられることにより反射表示の明るさをかせぐことができるので、反射層全体に着色層を重ねた構造を採用する場合に較べて、開口率が大きい上記範囲で透過表示と反射表示のバランスをとることが可能になり、透過表示と反射表示の双方において良好なカラー品位を実現することができる。開口率が上記範囲を下回ると、透過表示の明度を確保する必要から消費電力が増大するので携帯電話等の携帯型電子機器には採用しにくくなる。また、開口率が上記範囲を上回ると、反射表示における明度と彩度の両立が困難になり、反射表示におけるカラー品位を確保することが難しくなる。
本発明の電子機器は、上記いずれかの電気光学装置と、この電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。特に、電気光学装置としてのカラー表示可能な液晶表示装置を備えた電子機器、例えば、携帯電話、携帯型情報端末、液晶表示機能を有する撮像装置など、が挙げられる。これによって、電子機器の表示部として電気光学装置を用いる場合には、反射型表示と透過型表示との色彩の相違を低減し、高い表示品位を実現することができる。
なお、反射型表示と透過型表示にはそれぞれに適した色彩の発色態様があり、それぞれに別個のカラーフィルタを設けることができるのであればよいが、実際には、共通のカラーフィルタで双方の表示を実現しなければならない。本発明においては、上記のように反射着色比と透過着色比とを相互に変えることによって、着色層が共通であっても反射型表示の着色態様と透過型表示の着色態様とを別々に設定することが可能になる。
次に、本発明のカラーフィルタ基板は、複数の画素が設定された基板と、各々の前記画素内の反射部に配置され、前記電気光学物質層を通過した光を反射する反射層と、各々の前記画素内に配置された前記反射層が設けられていない領域と、前記反射部の一部に重なる位置に配置された第1の着色層と、前記反射部の一部と前記反射層が設けられていない領域とに重なる位置に配置され、前記第1の着色層よりも高い色濃度を有する第2の着色層とを備えることを特徴とする。また、複数の画素が設定された基板と、各々の前記画素内の反射部に配置され、前記電気光学物質層を通過した光を反射する反射層と、各々の前記画素内の反射部に配置され、前記電気光学物質層を通過した光を反射する反射層と、各々の前記画素内に配置された前記反射層が設けられていない領域と、前記反射層が設けられていない領域に重なる位置に配置された第1の着色層と、前記反射部の一部と、前記反射層が設けられていない領域及び前記第1の着色層とに重なる位置に配置された第2の着色層とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、着色層が反射層が設けられていない領域上に配置されているとともに反射部上の一部にのみ配置されていることにより、着色層の反射層に対する重なり割合に応じて反射光の明るさを調整することが可能になる一方、このような調整は着色層と光学的開口との重なり状態には無関係であるので、透過光の色彩には影響を与えないようにすることができる。したがって、反射光に対する着色層の影響と透過光に対する着色層の影響を相互に独立して設定することが可能になる。
ここで、前記反射部の全面積に対する前記着色層が配置されている前記反射部の面積の比は、前記開口部の全面積に対する前記着色層が配置されている前記開口部の面積の比よりも小さいことが好ましい。反射光は着色層を2回透過するのに対して光学的開口を通過する透過光は着色層を1回だけ透過するので、通常であれば反射光の明度は透過光より低くなり、透過光の彩度は反射光の彩度より低くなるが、反射着色比を透過着色比よりも小さくすることにより、画素毎に反射光の明るさを高めることができるともに透過光の彩度を相対的に向上させることができ、反射光と透過光との間の色彩の相違を画素毎に低減することができる。
また、前記着色層が前記的開口部を完全に覆うように配置されていることが好ましい。着色層が光学的開口を完全に覆うように配置されていることにより、透過光の彩度をさらに高めることができる。
さらに、前記着色層は前記開口部上から前記開口部周囲の前記反射部上に張り出すように配置されていることが好ましい。開口部上からその周囲の反射部上に張り出すように着色層が配置されていることにより、着色層を一体のものとして形成することが可能になる。したがって、着色層のパターンをそれほど細かく形成する必要がなくなり、より容易にしかも高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明の別のカラーフィルタ基板は、画素が設定された基板と、前記画素に合わせて前記基板上に配置された着色層と、前記画素に合わせて基板上に配置され、光を反射する反射部と開口部とを有する反射層とを備え、前記着色層は前記開口部上に配置されるとともに、前記反射部上の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、着色層が開口部上に配置されているとともに反射部上の一部にのみ配置されていることにより、着色層の反射層に対する重なり割合に応じて反射光の明るさを画素毎に調整することが可能になる一方、このような調整は着色層と光学的開口との重なり状態には無関係であるので、透過光の色彩には影響を与えないようにすることができる。したがって、反射光に対する着色層の影響と透過光に対する着色層の影響を相互に独立して設定することが可能になる。
ここで、前記反射部の全面積に対する前記着色層が配置された前記反射部の面積の比は、前記開口部の全面積に対する前記着色層が配置された前記開口部の面積の比よりも小さいことが好ましい。反射光は着色層を2回透過するのに対して光学的開口を通過する透過光は着色層を1回だけ透過するので、通常であれば反射光の明度は透過光より低くなり、透過光の彩度は反射光の彩度より低くなるが、反射着色比を透過着色比よりも小さくすることにより、画素毎に反射光の明るさを高めることができるともに透過光の彩度を相対的に向上させることができ、反射光と透過光との間の色彩の相違を画素毎に低減することができる。
また、前記着色層が前記開口部を完全に覆うように配置されていることが好ましい。着色層が光学的開口を完全に覆うように配置されていることにより、透過光の彩度をさらに高めることができる。
さらに、前記着色層は前記開口部上から前記開口部周囲の前記反射部上に張り出すように配置されていることが好ましい。開口部上からその周囲の反射部上に張り出すように着色層が配置されていることにより、着色層を一体のものとして形成することが可能になる。したがって、着色層のパターンをそれほど細かく形成する必要がなくなり、より容易にしかも高い歩留まりで製造することができる。
次に、本発明の別のカラーフィルタ基板は、画素が設定された基板と、前記画素に合わせて前記基板上に配置された、相互に異なる色を有する複数種類の着色層と、前記画素に合わせて前記基板上に配置され、光を反射する反射部と開口部とを有する反射層とを備え、前記着色層は前記開口部及び前記反射部上に配置されるとともに、前記複数種類の着色層のうちの少なくとも一種の前記着色層が前記反射部上の一部にのみ配置されていることを特徴とする。
本発明において、前記反射層の開口部の面積は、異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で同一に構成されていることが好ましい。反射層の開口部の面積が異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されていることにより、各色の画素において入射光量を等しくすることができるため、透過表示の色調整を比較的簡単に行うことが可能になる。また、反射部の面積についても異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されるので、反射表示の色調整を行う際に、各色に対する着色層の反射部上の面積を調整しやすくなる。
また、前記着色層の前記反射部上の被覆面積率は、少なくとも2つの異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で異なることが好ましい。これにより、開口部の透過光によって実現される透過表示の色を最適化するように各色の着色層の光学特性を調整するとともに、反射部と重なる各色の着色層の被覆面積率を調整することにより反射表示の色を最適化するといったことが可能になる。したがって、各色についてそれぞれ透過表示の色と反射表示の色とを独立に調整することができる。
この場合に、赤、緑、青の各色の前記着色層を備え、緑の前記着色層の前記被覆面積率は赤及び青の前記着色層の前記被覆面積率よりも小さいことが望ましい。透過表示は、開口部と重なる領域において着色層を1回だけ透過した光により構成されるが、反射表示は、反射部と重なる領域において着色層を2回透過する光により主として構成され、部分的に開口部と重なる領域における着色層による反射光にも影響される。したがって、一般的に反射表示は透過表示よりも彩度が高くなる反面、暗くなりやすい。ところで、比視感度は黄緑の波長領域にピークを有するため、赤及び青の光の彩度が上がると暗くなるのに対して、緑の光の彩度を上げても暗くなりにくい。これにより、反射表示において明度を高めようとすれば、特に赤や青の彩度が低下しやすくなる。したがって、赤や青の画素においては、被覆面積率を高くして(すなわち、着色層と重ならない反射部の面積をなくすか、或いは、少なくして)彩度を確保し、緑の画素においては被覆面積率を低くする(すなわち、着色層と重ならない反射部の面積を増大させる)ことにより反射光量をかせぐようにすれば、反射表示の色再現性を確保しつつ、明度を大幅に増大させることが可能になる。
さらに、緑の前記着色層の前記被覆面積率は30〜50%であり、赤及び青の前記着色層の前記被覆面積率は60〜100%であることが好ましい。緑の被覆面積率と赤及び青の被覆面積率を上記範囲に設定することにより、透過表示の色再現性を確保しつつ、反射表示の色再現性及び明度を向上させることができる。
特に、緑の着色層の被覆面積率としては35〜45%、赤及び青の着色層の被覆面積率としては85〜100%の範囲であることが最も望ましい。
また、前記反射部は前記開口部の全周囲に配置されていることが好ましい。これにより、反射層において開口部が反射部により取り囲まれた状態に形成されていることとなるため、着色層と反射層との間に多少の位置ずれが発生したとしても、着色層で覆われない領域が開口部に生じないようにすることができる。特に、前記開口部は前記反射層の略中央に形成されていることが望ましい。
さらに、前記開口部による前記反射層に対する開口率は、30〜70%であることが好ましい。一般に、反射層の開口率が大きくなると透過表示は明るくなるが、反射表示は逆に暗くなるので、透過表示と反射表示のバランスを採るように反射層の開口率を設定する必要がある。より具体的には、開口率が小さすぎると、バックライトの照度を高くする必要があり、バックライトの消費電力が増大する。また、開口率が大きすぎると、反射表示が暗くなり視認しにくくなる。本実施形態では、反射部の一部に着色層と重ならない領域が設けられることにより反射表示の明るさをかせぐことができるので、反射層全体に着色層を重ねた構造を採用する場合や、反射部に重なる部分と開口部に重なる部分とで異なる光学特性の着色層を構成する場合などに較べて、開口率が大きい上記範囲で透過表示と反射表示のバランスをとることが可能になり、透過表示と反射表示の双方において良好なカラー品位を実現することができる。開口率が上記範囲を下回ると、透過表示の明度を確保する必要から消費電力が増大するので携帯電話等の携帯型電子機器には採用しにくくなる。また、開口率が上記範囲を上回ると、反射表示における明度と彩度の両立が困難になり、反射表示におけるカラー品位を確保することが難しくなる。
以上、説明したように本発明によれば、反射型表示の明るさを確保しつつ透過型表示の彩度を向上できる。また、反射型表示と透過型表示との間の色彩の差異を低減できる。
次に、添付図面を参照して本発明に係る電気光学装置、カラーフィルタ基板及び電子機器の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る第1実施形態の電気光学装置を構成する液晶パネル200の外観を示す概略斜視図であり、図2(a)は、液晶パネル200の模式的な概略断面図、図2(b)は、液晶パネル200を構成するカラーフィルタ基板210の拡大部分平面図である。
この電気光学装置は、いわゆる反射半透過方式のパッシブマトリクス型構造を有する液晶パネル200に対して、必要に応じて図示しないバックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを適宜に取付けてなる。
図1に示すように、液晶パネル200は、ガラス板や合成樹脂板等からなる透明な第1基板211を基体とするカラーフィルタ基板210と、これに対向する同様の第2基板221を基体とする対向基板220とがシール材230を介して貼り合わせられ、シール材230の内側に注入口230aから液晶232が注入された後、封止材231にて封止されてなるセル構造を備えている。
第1基板211の内面(第2基板221に対向する表面)上には複数並列したストライプ状の透明電極216が形成され、第2基板221の内面上には複数並列したストライプ状の透明電極222が形成されている。また、上記透明電極216は配線218Aに導電接続され、上記透明電極222は配線228に導電接続されている。透明電極216と透明電極222とは相互に直交し、その交差領域はマトリクス状に配列された多数の画素を構成し、これらの画素配列が液晶表示領域Aを構成している。
第1基板211は第2基板221の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部210Tを有し、この基板張出部210T上には、上記配線218A、上記配線228に対してシール材230の一部で構成される上下導通部を介して導電接続された配線218B、及び、独立して形成された複数の配線パターンからなる入力端子部219が形成されている。また、基板張出部210T上には、これら配線218A,218B及び入力端子部219に対して導電接続されるように、液晶駆動回路等を内蔵した半導体IC261が実装されている。また、基板張出部210Tの端部には、上記入力端子部219に導電接続されるように、フレキシブル配線基板263が実装されている。
この液晶パネル200において、図2に示すように、第1基板211の外面には位相差板(1/4波長板)240及び偏光板241が配置され、第2基板221の外面には位相差板(1/4波長板)250及び偏光板251が配置されている。
<カラーフィルタ基板210の構造>
次に、図2(a)及び(b)を参照して、カラーフィルタ基板210の構造を詳細に説明する。第1基板211の表面には反射層212が形成され、上記画素毎に開口部212aが設けられている。この反射層212のうち、開口部212a以外の部分が実質的に光を反射する反射部212bである。本実施形態の場合には画素毎に開口部212aと反射部212bとを有する反射層212が形成されている。もっとも、反射層212を液晶表示領域A全体に形成し、開口部212aのみを画素毎に形成してもよい。
反射層212の上には着色層214が形成され、その上を透明樹脂等からなる表面保護層(オーバーコート層)215が被覆している。この着色層214と表面保護層215とによってカラーフィルタが形成される。
着色層214は、通常、透明樹脂中に顔料や染料等の着色材を分散させて所定の色調を呈するものとされている。着色層の色調の一例としては原色系フィルタとしてR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の組合せからなるものがあるが、これに限定されるものではなく、補色系その他の種々の色調で形成できる。通常、基板表面上に顔料や染料等の着色材を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって不要部分を除去することによって、所定のカラーパターンを有する着色層を形成する。ここで、複数の色調の着色層を形成する場合には上記工程を繰り返す。
なお、着色層の配列パターンとして、図2(b)に示す図示例ではストライプ配列を採用しているが、このストライプ配列の他に、デルタ配列や斜めモザイク配列等の種々のパターン形状を採用することができる。また、上記RGBの各着色層の周囲には、着色層の一部として、画素間領域の遮光を行うための遮光膜(ブラックマトリクス或いはブラックマスク)を形成することができる。
表面保護層215の上には、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる透明電極216が形成されている。透明電極216は図2(b)の図示上下方向に伸びる帯状に形成され、複数の透明電極216が相互に並列してストライプ状に構成されている。透明電極216の上にはポリイミド樹脂等からなる配向膜217が形成されている。
本実施形態においては、図2(b)に示すように、カラーフィルタを構成する着色層214が、各画素内において反射層212の開口部212aを完全に覆うように平面的に重なっているとともに、開口部212aと平面的に重なる領域から周囲へ向けて、開口部212aの周囲の反射部212b上に張り出すように一体に形成されている。
また、着色層214は、各画素全体に形成されているのではなく、反射層212の一部にのみ重なるように形成されている。すなわち、反射層212には、着色層214と平面的に重なる領域(図示例では開口部212aに臨む内周領域)と、着色層214と平面的に重ならない領域(図示例では外周領域)とが存在する。
一方、上記液晶パネル200において、上記カラーフィルタ基板210と対向する対向基板220は、ガラス等からなる第2基板221上に、上記と同様の透明電極222、SiO2やTiO2などからなる硬質保護膜223、上記と同様の配向膜224を順次積層させたものである。
以上のように構成された本実施形態において、対向基板220側から反射部212bに入射した外光は一部が着色層214を透過した後に反射部212bにて反射し、一部が着色層214を通過することなく反射部212bにて反射し、再び対向基板220を透過して出射する。このとき、着色層214を透過する外光は着色層214を2回通過するが、着色層214を透過しない外光は着色層214を通過することなく出射する。したがって、着色層214が画素内の反射層212全体を覆っている場合に較べて反射型表示の明度を向上させることができる。
一方、着色層214は反射層212の開口部212aを全て覆っているので、例えばカラーフィルタ基板210の背後にバックライト等を配置して、背後から照明光を照射した場合には、当該照明光の一部が開口部212aを通過して着色層214を透過し、液晶232及び対向基板220を通過して出射する。したがって、透過光は着色層214を1回だけ透過するため、着色層214の色濃度(光を透過させた場合に可視光領域のスペクトル分布に偏りを与える度合)に応じた透過型表示の色彩が得られる。このとき、反射光の彩度は上記のように着色層を通過しない反射光成分が含まれているために低下するので、透過型表示の彩度は相対的に高まる。
本実施形態では、着色層214の光学的特性を透過型表示に対応するように形成し、着色層214と平面的に重なる反射部212bの反射面積を調整することにより、反射型表示の色彩、特に明度、を確保することができる。したがって、反射型表示の明るさを確保しながら透過型表示の彩度を高めることができる。また、反射型表示と透過型表示との色彩(特に彩度と明度)の差異を低減することもできる。
上記の効果は、通常のカラーフィルタの製造工程と同様に、着色層を全体的にほぼ一様の色濃度に(例えば顔料や染料等の着色材の濃度をほぼ一様に)形成するとともに、着色層を全体的にほぼ一様の厚さに形成する場合には特に好適である。この場合には、着色層214における開口部212aに平面的に重なる領域と、着色層214における反射部212bに平面的に重なる領域との光学的特性がほぼ一致するので、従来構造では反射型表示の色彩と透過型表示の色彩との間に必然的に大きな彩度や明度の相違が生ずるから、本発明の効果が特に顕著なものとなる。
反射型表示と透過型表示にはそれぞれに適した色彩の発色態様があり、それぞれに別個のカラーフィルタを設けることができるのであればよいが、実際には、共通のカラーフィルタで双方の表示を実現することが製造上好ましい。本実施形態では、上記のように反射着色比と透過着色比とを相互に変えることによって、着色層が共通であっても反射型表示の着色態様と透過型表示の着色態様とを別々に設定することが可能になった。
[第2実施形態]
次に、図3(a)及び(b)を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態の液晶パネル300では、上記第1実施形態と同様の第1基板311、第2基板321、着色層314、表面保護層315、透明電極316、配向膜317、透明電極322、硬質保護膜323、配向膜324、シール材330、液晶332、位相差板340,350、偏光板341,351を有しているので、これらについては説明を省略する。
本実施形態の液晶パネル300においては、反射層312が液晶表示領域内にほぼ全面的に一体に形成されており、画素毎に開口部312aが設けられている。この反射層312のうち、開口部312a以外の部分が実質的に光を反射する反射部312bである。また、画素間領域には黒色樹脂等からなる黒色遮光膜314BMが形成されている。黒色樹脂としては、黒色の顔料や染料等の着色材を透明樹脂中に分散させたもの、或いは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の着色材を共に混合させて透明樹脂中に分散させたものなどが用いられる。
本実施形態では反射層312を複数の画素に亘って一体に形成されたものとしたが、第1実施形態のように画素毎に反射層を形成し、反射層の間に上記黒色遮光膜を形成してもよい。
[第3実施形態]
次に、図4(a)及び(b)を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態の液晶パネル400は、上記第2実施形態と同様の第1基板411、第2基板421、開口部412aと反射部412bとを有する反射層412、透明電極416、配向膜417、透明電極422、配向膜423、シール材430、液晶432、位相差板440,450、偏光板441,451を有しているので、これらについては説明を省略する。
本実施形態においては、図4(a)に示すように、反射層412の形成された第1基板421ではなく、第2基板421上にカラーフィルタが形成されている。より具体的には、第2基板421上には着色層424が画素毎に形成され、画素間領域には第2実施形態と同様の黒色遮光膜424BMが形成されている。着色層424及び黒色遮光膜424BMの上には透明な表面保護層425が形成されている。
上記表面保護層425上には透明電極422が形成され、この透明電極422の上には配向膜423が形成されている。
図4(b)に示すように、反射層412の形成された反射基板410に対して、カラーフィルタ基板420の着色層424(図示一点鎖線)は、反射層412の開口部412aと平面的に重なり、開口部412aを完全に覆うように構成されている。また、着色層424は開口部412aと平面的に重なる領域から周囲に向けて反射層412の反射部412bと重なる領域に張り出すように一体に構成されている。すなわち、反射層412は、着色層424と平面的に重なる領域(図示例では内周領域)と、着色層424と平面的に重ならない領域(図示例では外周領域)とを備えている。
本実施形態のように反射層412と着色層424とが異なる基板上に形成されていても、反射層412と着色層424の平面的な重なり態様が上記のように構成されていれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[その他の構成例]
次に、図5(a)〜(d)及び図6(a)〜(d)を参照して、上記各実施形態に適用可能なその他の構成例について説明する。以下に説明する各構成例では、反射層と着色層との平面的な位置関係についてのみ図示し、説明する。
(構成例1) 図5(a)に示す構成例1においては、各画素において、開口512aを備えた反射層512上に、R(赤)の色相を呈する着色層514rと、G(緑)の色相を呈する着色層514gと、B(青)の色相を呈する着色層514bとがそれぞれ平面的に重なるように形成されている。この構成例では、上記各実施形態と同様に、各画素内の着色層514r,514g,514bがそれぞれ開口部512aを完全に覆うように構成され、開口部512aと平面的に重なる領域から周囲の反射面と平面的に重なる領域に張り出すように、一体に構成されている。
(構成例2) 図5(b)に示す構成例2においては、各画素において、開口部612aを備えた反射層612上に、R(赤)の色相を呈する着色層614rと、G(緑)の色相を呈する着色層614gと、B(青)の色相を呈する着色層614bとがそれぞれ平面的に重なるように形成されている。この構成例では、各着色層614r,614g,614bが開口部612aを完全に覆ってはおらず、開口部612aの一部に着色層と平面的に重ならない領域が存在する。
この構成例2では、反射型表示と透過型表示との色彩の差異を低減させるために、反射着色比(反射層612の全反射面積に対する着色層と平面的に重なる領域の面積比)が透過着色比(開口部612aの全開口面積に対する着色層と平面的に重なる領域の面積比)よりも小さくなるように構成されている。この結果、反射表示の明度は向上し、透過型表示の彩度は相対的に高まる。
(構成例3) 図5(c)に示す構成例3においては、各画素において、開口部712aを備えた反射層712上にそれぞれ平面的に重なるように、それぞれ複数の、R(赤)の色相を呈する着色層714r,715r,716rと、G(緑)の色相を呈する着色層714g,715g,716gと、B(青)の色相を呈する着色層714b,715b,716bとが形成されている。
この構成例では、着色層714r,714g,714bが開口部712aと平面的に重なり、それ以外の着色層715r,715g,715b,716r,716g,716bが反射層712の反射面上にのみ平面的に重なるように構成されている。このように各画素においてそれぞれ複数の着色層が平面的に重なるように構成されていても構わない。
(構成例4) 図5(d)に示す構成例4においては、開口部812aを備えた反射層812上に、R(赤)の色相を呈する着色層814rと、G(緑)の色相を呈する着色層814gと、B(青)の色相を呈する着色層814bとがそれぞれ平面的に重なるように形成されている。この構成例では、着色層812r,812g,812bが相互に異なった面積になるように構成され、その結果、反射着色比(画素内の全反射面積に対する着色層と平面的に重なった反射面積の比)が、着色層の色相R(赤)、G(緑)及びB(青)に応じて相互に異なった値になっている。より一般的に言えば、上記反射着色比と、透過着色比(画素内の全開口面積に対する着色層と平面的に重なった開口面積の比)との比が色毎に相互に異なった値となっている。
本構成例4によれば、上記実施形態や他の構成例のように反射型表示と透過型表示の色彩を別々に設定できるだけでなく、上記反射着色比(或いは反射着色比と透過着色比との比)を色毎に設定することにより、各色の着色層の材質に応じて適切な色彩を得ることができる。
(構成例5) 図6(a)に示す構成例5においては、反射層912において画素毎に複数(図示例では2つ)の開口部912aが設けられている。この反射層912のうち、開口部912a以外の部分が実質的に光を反射する反射部912bである。そして、この反射層912と平面的に重なる着色層914r,914g,914bは、それぞれ複数の開口部912aを覆うとともに、反射部912bの一部のみに平面的に重なるように構成されている。
(構成例6) 図6(b)に示す構成例6においては、開口部1012aと反射部1012bとを有する反射層1012と平面的に重なる複数(図示例では3つ)の着色層1014r,1014g,1014b,1015r,1015g,1015b,1016r,1016g,1016bが設けられている。ここで、着色層1014r,1014g,1014bは開口部1012aと平面的に重なるように構成され、着色層1015r,1015g,1015b,1016r,1016g,1016bは反射部の一部にのみ平面的に重なるように構成されている。そして、着色層1014r,1014g,1014bは着色層1015r,1015g,1015b,1016r,1016g,1016bよりも高い色濃度を有するように、すなわち、顔料や染料等の着色材をより高濃度に含むように、構成されている。
この構成例6では、開口部1012aと平面的に重なる着色層1014r,1014g,1014bの光濃度が高く、反射部1012bの一部にのみ平面的に重なるように構成された着色層1015r,1015g,1015b,1016r,1016g,1016bの光濃度が低いので、上記各実施形態の場合に較べて、透過光の彩度は相対的にさらに高くなり、反射光はさらに明るくなる。
以上のように、本発明においては、着色層の光濃度が部分的に異なるように構成する場合を排除しない。特に、着色層については、反射層の光学的開口と平面的に重なる領域の光濃度を高く、それ以外の反射層と平面的に重なる領域の光濃度を低くすることが望ましい。
(構成例7) 図6(c)に示す構成例7においては、開口部1112aと反射部1112bとを有する反射層1112と平面的に重なる複数(図示例では2つ)の着色層1114r,1114g,1114b,1115r,1115g,1115bが設けられている。着色層1114r,1114g,1114bと着色層1115r,1115g,1115bとは相互に積層配置されているか、或いは、相互に平面的に重なるように別々に配置されている。なお、図6(d)は、この構成例7において、反射層1112、着色層1114r,1114g,1114b及び着色層1115r,1115g,1115bを相互に積層して形成させた場合の断面図を示すものである。
この構成例7においては、着色層1114r,1114g,1114bと着色層1115r,1115g,1115bとが平面的に重なる領域、すなわち、開口部1112aと平面的に重なる領域においては、着色層の厚さが実質的に厚く、着色層1114r,1114g,1114bが形成されている領域内であって着色層1115r,1115g,1115bと平面的に重ならない領域、すなわち反射部1112bと平面的に重なる領域においては、着色層の厚さが実質的に薄くなるように構成されている。したがって、透過光の彩度は厚い着色層によってさらに向上し、反射光の明度は薄い着色層が部分的に形成されていることによりさらに向上する。
以上のように、本発明においては、着色層が部分的に厚さを変えて形成されている場合を排除するものではない。特に、着色層については、反射層の光学的開口と平面的に重なる領域において実質的に厚く、それ以外の反射層と平面的に重なる領域において実質的に薄く形成することが望ましい。
ここで、上記効果をより高めるために、開口部1112aと平面的に重なる着色層1115r,1115g,1115bの色濃度を高く、開口部1012aと平面的に重なる領域から反射面の一部に平面的に重なる領域に張り出すように構成された着色層1114r,1114g,1114bの色濃度を低くしてもよい。
(構成例8) 図7には構成例8の構成を模式的に示す。この構成例8では、R画素及びB画素においては反射層1212上に全面的に着色層1214r,1214bが形成されているが、G画素においては反射層1212の一部にのみ重なるように着色層1214gが形成されている。着色層1214gは、開口部1212aを全面的に覆うとともに、その開口縁に張り出すように広がり、これによって着色層1214gは反射部1212bの一部にのみ重なるように構成される。
この構成例8においては、反射層1212の開口率(反射層1212の全面積に対する開口部1212aの面積の比)は、RGB各画素に共通で30〜70%である。また、G画素の被覆面積率(反射部1212bの面積に対する着色層1214gの面積の比)は40〜80%である。
上記のように構成することにより、R画素及びB画素においては反射部1212bに対する着色層1214r,1214bの被覆面積率(反射部1212の面積に対する反射部1212に重なる着色層の面積の比、すなわち反射着色比)を100%とすることで彩度を確保し、また、G画素においては反射部1212bに対する着色層1214gの被覆面積率を低くすることによって明度を高めるようにしている。このようにすると、R及びBの彩度を実質的にあまり低下させることなく、反射表示の明るさを高めることが可能になる。
(構成例9) 図8には、構成例9の構成を模式的に示す。この構成例9においては、B画素では反射層1312上を全面的に着色層1314bが被覆し(被覆面積率100%)、R画素では着色層1314rが反射層1312の一部を露出する開口部1314raを備えている。さらに、G画素では着色層1314gが反射層1312の開口部1312aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1312b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例9においては、反射層1312の開口率は、RGB各画素に共通で30〜70%である。また、R画素の被覆面積率は60〜100%、G画素の被覆面積率は40〜80%である。
(構成例10) 図9には、構成例10の構成を模式的に示す。この構成例10においては、B画素では反射層1412上を全面的に着色層1414bが被覆し(被覆面積率100%)、R画素では着色層1414rが反射層1412の一部を露出する開口部1414raを備えている。この例では開口部1414raは2つ設けられている。さらに、G画素では着色層1414gが反射層1412の開口部1412aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1412b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例10においては、反射層1412の開口率は、RGB各画素に共通で30〜70%である。また、R画素の被覆面積率は60〜100%、G画素の被覆面積率は40〜80%である。
(構成例11) 図10には、構成例11の構成を模式的に示す。この構成例11においては、B画素では着色層1514bが反射層1512の一部を露出する開口部1514baを備えている。この例では開口部1514baは2つ設けられている。また、R画素では着色層1514rが反射層1512の一部を露出する開口部1514raを備えている。この例では開口部1514raは2つ設けられている。さらに、G画素では着色層1514gが反射層1512の開口部1512aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1512b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例11においては、反射層1512の開口率は、RGB各画素に共通で30〜70%である。また、B画素の被覆面積率は70〜100%、R画素の被覆面積率は60〜100%、G画素の被覆面積率は40〜80%である。
(構成例12) 図11には、構成例12の構成を模式的に示す。この構成例12においては、B画素では着色層1614bが反射層1612の一部を露出する開口部1614baを備えている。この例では開口部1614baは2つ設けられている。また、R画素では着色層1614rが反射層1612の一部を露出する開口部1614raを備えている。この例では開口部1614raは2つ設けられている。さらに、G画素では着色層1614gが反射層1612の開口部1612aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1612b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例12においては、反射層1612の開口率は、RGB各画素に共通で30%である。また、B画素の被覆面積率は65.3%、R画素の被覆面積率は65.3%、G画素の被覆面積率は30.2%である。
(構成例13) 図12には、構成例13の構成を模式的に示す。この構成例13においては、B画素では着色層1714bが反射層1712の一部を露出する開口部1714baを備えている。この例では開口部1714baは2つ設けられている。また、R画素では着色層1714rが反射層1712の一部を露出する開口部1714raを備えている。この例では開口部1714raは2つ設けられている。さらに、G画素では着色層1714gが反射層1712の開口部1712aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1712b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例13においては、反射層1712の開口率は、RGB各画素に共通で30%である。また、B画素の被覆面積率は75.4%、R画素の被覆面積率は75.4%、G画素の被覆面積率は40.2%である。
(構成例14) 図13には、構成例14の構成を模式的に示す。この構成例14においては、B画素では着色層1814bが反射層1812の一部を露出する開口部1814baを備えている。この例では開口部1814baは2つ設けられている。また、R画素では着色層1814rが反射層1812の一部を露出する開口部1814raを備えている。この例では開口部1814raは2つ設けられている。さらに、G画素では着色層1814gが反射層1812の開口部1812aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1812b上の一部にのみ重なっている。
また、この構成例14においては、反射層1812の開口率は、RGB各画素に共通で50%である。また、B画素の被覆面積率は75.4%、R画素の被覆面積率は75.4%、G画素の被覆面積率は47.7%である。
(構成例15) 図14には、構成例15の構成を模式的に示す。この構成例15においては、各画素の反射層1912は、左右一対の反射部1912bが分離された状態で設けられ、その間に開口部1912aが形成される。また、B画素及びR画素では着色層1914b,1914rが反射層1912を全面的に被覆している。さらに、G画素では着色層1914gが反射層1912の開口部1912aと完全に重なるとともに、その周囲に張り出すように構成されて反射部1912b上の一部にのみ重なっている。すなわち、反射部1912bは、着色層1914gに設けられた開口部1914aにより部分的に露出した状態となっている。
また、この構成例15においては、反射層1912の開口率は、RGB各画素に共通で70%である。また、B画素及びR画素の被覆面積率は100%、G画素の被覆面積率は50.0%である。
(光学特性) 次に、上記の構成例8乃至構成例11の光学特性を図15に示す。図15は、1931CIEのxyz表色系におけるxy色度図上において、上記各構成例のRGB画素の透過光及び反射光の色データを示すものである。一般に、xy色度図においては、図16に示すように、可視光領域の単波長光の色味(色相及び彩度)を境界線とする釣鐘形状の範囲内に現実に視認される色味が配置されるようになっている。また、3色(例えばRGB)の着色層を用いてカラー表示を行う場合には、各着色層RGBのデータ点を結ぶことによって形成される3角形内の色味を形成することが可能である。基本的には上記3角形の面積が大きい程カラー表示の品位が向上することになる。
図15には、上記構成例8〜11の透過表示の色データ(図示一点鎖線で囲まれたデータ点)と、反射表示の色データ(図示二点鎖線で囲まれたデータ点)とを併記してある。ここで、菱形は構成例8のデータ点を、正方形は構成例9のデータ点を、三角形は構成例10のデータ点を、×印は構成例11のデータ点を示す。また、図示Hは白色表示のデータ点を示す。
図15においては、上記構成例の色データと比較するために、反射層の開口率を30%とし、RGB各色に対してそれぞれ開口部に重なる透過部着色層と、反射部に重なる反射部着色層とを別々に形成し、6回のパターニングを行う6段プロセスにて形成したカラーフィルタ基板を用いた場合についても測定し、比較例として図示黒点で示してある。ここで、図17(a)には上記透過部着色層の分光透過率を示し、図17(b)には上記反射部着色層の分光透過率を示す。透過領域(開口部)では光は1回のみ透過部着色層を透過するのに対して、反射領域(反射部)では光は往復するために2回反射部着色層を透過するため、透過部着色層は図17(a)に示すように比較的彩度の高い光学特性を示す(平均透過率Tは低い)ものを採用し、反射部着色層は図17(b)に示すように比較的彩度が低いが平均透過率Tは高い光学特性を示すものを採用している。これにより、透過表示の彩度を確保しつつ、反射表示の明るさを向上できる。
本発明に係る構成例8〜11においては、上記6段プロセスの比較例の透過部着色層と同一の光学特性、すなわち図17(a)に示す分光透過率を呈する着色層を用いた。その結果、図15に示すように、上記比較例に近い反射表示のカラー品位を得ることができた。特に、構成例11は、上記比較例と実質的にほぼ等しい色相及び彩度を有する構成となっている。このように、本発明においては、透過領域と反射領域のフィルタ部分の光学特性を別々に設定する場合と同等のカラー品位を実現することができる。そして、上記比較例に対しては、RGB各色についてそれぞれ2回ずつのパターニング(例えばフォトリソグラフィ・プロセス)を必要としないので、製造コストを大幅に低減できるという利点を有する。
上記構成例8〜15に示すように、前記反射層の開口部の面積は、異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で同一に構成されていることが好ましい。これは、反射層の開口部の面積が異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されていることにより、各色の画素において入射光量を等しくすることができるため、透過表示の色調整を比較的簡単に行うことが可能になるからである。例えば、透過領域を構成する開口面積がRGB各色で相互に同一であるため、色の発現態様は透過型表示装置と同様であるから、RGB各色の着色層について、透過型表示装置に用いられるカラーフィルタの色材を基準にして適宜調整して色材の光学特性を設定することができる。また、反射部の面積についても異なる色の着色層を備えた画素間で同一に構成されるので、反射表示の色調整を行う際に、各色に対する着色層の反射部上の面積を調整しやすくなる。例えば、反射領域を構成する反射部面積がRGB各色で相互に同一であるため、色の発現態様は反射型表示装置と同様であるから、RGB各色の着色層について、反射型表示装置に用いられるカラーフィルタを基準にして適宜調整して被覆面積率を設定することができる。
上記構成例では、前記着色層の前記反射部上の被覆面積率は、少なくとも2つの異なる色の前記着色層を備えた前記画素間で異なっている。これにより、開口部の透過光によって実現される透過表示の色を最適化するように各色の着色層の光学特性を調整するとともに、反射部と重なる各色の着色層の被覆面積率を調整することにより反射表示の色を最適化するといったことが可能になる。したがって、各色についてそれぞれ透過表示の色と反射表示の色とを独立に調整することができる。
赤、緑、青の各色の着色層を備えている場合には、緑の着色層の被覆面積率を赤及び青の着色層の被覆面積率よりも小さくすることにより、反射表示における彩度の低下を抑制しつつ明るさを向上することができる。透過表示は、開口部と重なる領域において着色層を1回だけ透過した光により構成されるが、反射表示は、反射部と重なる領域において着色層を2回透過する光により主として構成され、開口部と重なる領域にある着色層の部分で反射された反射光にも部分的に影響されるので、一般的に反射表示は透過表示よりも彩度が高くなる反面、暗くなりやすい。したがって、反射表示においては、着色層の光学特性として、彩度を多少低下させても、明度を高める必要がある。
ところが、特に、比視感度は波長555nmでピークを有することから同じ光エネルギー量であっても緑色や黄色は赤色や青色よりも明るく見えることになるため、各色毎に彩度と明度との関係は異なる。例えば、赤(R画素)や青(B画素)の着色層を明るくするためには、赤や青の波長域の光エネルギーを大幅に増大させない限り、赤や青以外の光(比視感度の高い緑色や黄色の光)を増やすしか方法はないから、全体の光量が限られている場合には、明度の向上に値しない大幅な彩度の低下を招いてしまう。これに対して、比視感度の高い波長域を主体とする緑(G画素)の場合には彩度を上げても暗くなりにくいため、明度を高めても彩度が大幅に低下することはない。
本発明の場合には、着色層の反射部上の被覆面積率を調整することによって、反射表示における彩度と明度の両立を図っている。この場合、R画素やB画素においては、被覆面積率を大きく低下させると明るくはなるものの彩度が急激に低下するため、被覆面積率は60〜100%と高く設定することが好ましい。一方、G画素においては、被覆面積率を低下させることにより、反射光に緑以外の赤や青の波長域の光が含まれることとなるが、これらの他の波長域に対して比視感度に大きな差があるためにそれほど彩度は低下しないので、被覆面積率としては35〜50%と低く設定することが好ましい。緑の被覆面積率と赤及び青の被覆面積率を上記範囲に設定することにより、透過表示の色再現性を確保しつつ、反射表示の色再現性及び明度を向上させることができる。
上記構成例においてはいずれも反射部が開口部の全周囲に配置されている。すなわち、反射層において開口部が反射部により取り囲まれた状態に形成されている。したがって、着色層と反射層との間に多少の位置ずれが発生したとしても、着色層で覆われない領域が開口部に生じないようにすることができる。特に、開口部が反射層の略中央に形成されていることにより、反射層の中央部分及びその周囲に重なるように着色層を形成することができるため、パターニング誤差等に対してカラーフィルタの光学性能が影響を受け難くなり、安定した生産が可能になる。
開口部による反射層に対する開口率は30〜70%であることが好ましい。一般に、反射層の開口率が大きくなると透過表示は明るくなるが、反射表示は逆に暗くなるので、透過表示と反射表示のバランスを採るように反射層の開口率を設定する必要がある。より具体的には、開口率が小さすぎると、バックライトの照度を高くする必要があり、バックライトの消費電力が増大する。また、開口率が大きすぎると、反射表示が暗くなり視認しにくくなる。本実施形態では、反射部の一部に着色層と重ならない領域が設けられることにより反射表示の明るさをかせぐことができるので、反射層全体に着色層を重ねた構造を採用する場合に較べて、開口率が大きい上記範囲で透過表示と反射表示のバランスをとることが可能になり、透過表示と反射表示の双方において良好なカラー品位を実現することができる。開口率が上記範囲を下回ると、透過表示の明度を確保する必要から消費電力が増大するので携帯電話等の携帯型電子機器には採用しにくくなる。また、開口率が上記範囲を上回ると、反射表示における明度と彩度の両立が困難になり、反射表示におけるカラー品位を確保することが難しくなる。
[電子機器の実施形態]
上記液晶パネルを含む電気光学装置を電子機器の表示装置として用いる場合の実施形態について説明する。図18は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記と同様の液晶パネル200と、これを制御する制御手段1200とを有する。ここでは、液晶パネル200を、パネル構造体200Aと、半導体IC等で構成される駆動回路200Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路1220と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有する。
表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されている。
表示情報処理回路1220は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路200Bへ供給する。駆動回路200Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路1230は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
図19は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話を示す。この携帯電話2000は、ケース体2010の内部に回路基板2001が配置され、この回路基板2001に対して上述の液晶パネル200が実装されている。ケース体2010の前面には操作ボタン2020が配列され、また、一端部からアンテナ2030が出没自在に取付けられている。受話部2040の内部にはスピーカが配置され、送話部2050の内部にはマイクが内蔵されている。
ケース体2010内に設置された液晶パネル200は、表示窓2060を通して表示面(上記の液晶表示領域A)を視認することができるように構成されている。
尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態に示す液晶パネルは単純マトリクス型の構造を備えているが、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置にも適用することができる。また、上記実施形態の液晶パネルは所謂COGタイプの構造を有しているが、ICチップを直接実装する構造ではない液晶パネル、例えば液晶パネルにフレキシブル配線基板やTAB基板を接続するように構成されたものであっても構わない。
上述した実施形態では、電気光学装置として、液晶装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管、液晶シャッター等を用いた小型テレビ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた装置などの各種の電気光学装置に適用できる。