JP4117955B2 - ビレットの穿孔方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、継目無鋼管の素材であるビレットを穿孔して、ビレットの軸心に貫通孔を形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マンドレルミル法により継目無鋼管を製造するときには、素材であるビレットをビレット加熱炉で圧延に適した温度に加熱した後、穿孔機によりビレットの軸芯を貫通する貫通孔をビレットに設ける。そして、ビレットに貫通孔が設けられてできた中空素管を、マンドレル圧延機で圧延して、所定の内径を有するがシェルの肉厚が製品仕様よりも厚い中間段階の継目無鋼管とする。
【0003】
この中間段階の継目無鋼管をウォ−キングビ−ムタイプの再加熱炉によって再加熱した後、ストレッチレデュ−サ−で圧延して、内径およびシェルの肉厚とも製品仕様に適合した継目無鋼管とする。
【0004】
また、プラグミルおよびサイザ−により継目無鋼管を製造する場合も、上記のようにして製造した中空素管が使用される。
【0005】
最終製品の寸法に圧延された継目無鋼管は、ストレッチレデュ−サ−またはサイザ−を出た後、搬送テ−ブルを通って冷却床に送られ冷却される。そして、切断機により所定の長さに切断され、矯正機で矯正された後、所定の検査工程を経て出荷される。
【0006】
上述したマンドレルミルやプラグミルによる継目無鋼管の一連の製造工程のうち、中空素管を作る際には、一般に図4および図5に示すような2ロ−ル型の傾斜式圧延機が使用される。
【0007】
図4および図5において、符号21は素材ビレット、22aおよび22bは対向して配置された穿孔ロ−ルである。この1対の穿孔ロ−ル22aおよび22bは、それぞれの軸線31aおよび31bはパスライン30に対してβの角度傾き、かつ軸線31aおよび31bとが交差するように配置されている。
【0008】
また、穿孔ロ−ル22aおよび22bは、入口面角α(パスラインに対する投影角度)を有する入側テ−パ−部23と平行部(最大径部で通常ゴ−ジ部といわれるので、以下ゴ−ジ部という)24および出側テ−パ−部25を有するバレル形ロ−ルとなっている。
【0009】
符号26は素材ビレット21を穿孔するためのプラグであり、符号27は穿孔ロ−ル22aと穿孔ロ−ル22bの間に配置されたガイドである。
【0010】
そして、素材ビレット21は、穿孔プラグ26と穿孔ロ−ル22aおよび22bとの間でマンネスマン効果により圧延・穿孔されながら、中空素管21aを形成していく。
【0011】
このようにして、素材ビレット21から中空素管21aが形成されていくときの従来の圧延・穿孔過程を、図6に示した穿孔ロ−ル22、穿孔プラグ26およびガイドシュ−27との相対位置関係で詳細に説明すると、次のようになる。
【0012】
すなわち、素材ビレット21が前進して、1対の穿孔ロ−ル22の入側テ−パ−部23間のロ−ルギャップが素材ビレット21の外径Dよりも小さい位置に達すると、素材ビレット21は1対の穿孔ロ−ル22により圧下され、回転しながら前進する。このように、圧下された状態でスパイラル状に前進することで、素材ビレット21の横断面中心部に孔が形成される。
【0013】
孔のあいた素材ビレット21がさらに前進して、流線型をした穿孔プラグ26の先端26aに達すると、素材ビレット21の孔は穿孔プラグ26により押し広げられていく。一方、素材ビレット21の外径は、素材ビレット21が傾斜ロ−ル22の入側テ−パ−部23の範囲に位置する間は、ロ−ルギャップがだんだん小さくなっていくので、穿孔ロ−ル22の圧下によって徐々に小さくなり、ゴ−ジ部24では素材ビレット21の外径は変化しない。
【0014】
そして、素材ビレット21がゴ−ジ部24を過ぎて穿孔ロ−ル22の出側テ−パ−部25に達すると、ロ−ルギャップがだんだん大きくなっていくので、素材ビレット21は圧下されなくなる。しかしながら、穿孔プラグ26の外径は素材ビレット21が穿孔ロ−ル22の出側テ−パ−部25に達しても、出側テ−パ−部25のテ−パ−とほぼ同じような割合で大きくなっていくので、素材ビレット21は中心部の孔が穿孔プラグ26のテ−パ−部26bによって拡大されていくだけではなく、外径も穿孔ロ−ル22の出側テ−パ−部25のテ−パ−に沿って増大していく。
【0015】
そして、素材ビレット21が穿孔プラグ26の最大外径部26cを通過すると、穿孔プラグ26による素材ビレット21の孔の拡大はなくなり、したがって素材ビレット21の外径の増大もなくなる。
【0016】
なお、ガイドシュ−27(説明の都合上、実際の配置位置から穿孔プラグ26の軸線を中心に90度回転した状態で示している)の長手方向の断面形状は、対向するガイドシュ−27間のギャップが、穿孔ロ−ル22のギャップとほぼ同じになるような形状となっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の継目無鋼管の素材であるビレットに、ビレットの軸線に沿って貫通孔を穿孔するビレットの穿孔方法には、次のような問題点がある。
【0018】
ビレットが連続鋳造されたままの連続鋳造ビレットである場合、最初に圧延するビレット端部の内面に、連続鋳造時に発生した内質欠陥(ザクや偏析)に起因する疵が発生する。
【0019】
そして、この疵を除去するためには、あらかじめ製造する鋼管の肉厚を、製品仕様の肉厚よりも厚くしておき、圧延後鋼管が冷却された段階で、疵が発生している部分を削り取るという工程が必要になる。
【0020】
この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、連続鋳造ビレットを穿孔する場合にも、ビレットの端部内面に疵が発生しないビレットの穿孔方法を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るビレットの穿孔方法は、バレル形の胴部を有する穿孔ロ−ルで、継目無鋼管素材の連続鋳造ビレットを穿孔する方法であって、ビレットの噛み込み側端部の中心に、径が前記ビレットの外径の0.1〜0.3倍で、深さがビレットの外径の1〜3倍の凹部を形成してから穿孔するものである。
【0022】
連続鋳造ビレットを継目無鋼管の素材として使用する場合、ビレットを穿孔するときに、連続鋳造時に発生したビレットの内質欠陥(ザクや偏析)に起因する内面疵が発生する。したがって、ビレットの内質欠陥が発生しているビレット中心部を、ビレットの全長にわたって取り除いてしまえば、内面疵の発生を防止することはできるのであるが、そのような方法であると、内質欠陥部を除去するための加工費がかさむ上に、圧延歩留が低下する。
【0023】
そこで、可能なかぎり加工費を低減させ、圧延歩留を低下させない方法について検討した。ビレットの内質欠陥に起因する内面疵は、ある程度以上の圧延を行なうと、軽減されることは経験的に把握できているので、内面疵が圧延された継目無鋼管の全長にわたって、どのような状態で発生しているのかを調査した。
【0024】
その結果、最初に圧延される側のビレット端部から一定の長さの範囲について、連続鋳造時の内質欠陥部を除去しておけば、内面疵は発生しにくいことが分かった。
【0025】
本発明において、内質欠陥除去部の外径を、ビレット外径の0.1倍以上、内質欠陥除去部のビレット端部からの長さを、ビレット外径の1倍以上としたのは、これだけ除去すれば外面疵の発生を大幅に低下させることができるからである。
【0026】
また、内質欠陥除去部の外径を、ビレット外径の0.3倍以下、内質欠陥除去部のビレット端部からの長さを、ビレット外径の3倍以下としたのは、これ以上の範囲にわたって内質欠陥を除去しても、内面疵の発生はさほど変化せず、いたずらに加工費がかわむだけであるからである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1はこの発明の実施の形態の連続鋳造ビレットの穿孔方法において、連続鋳造ビレットに凹部を設けた状態を示す斜視図である。
【0029】
このビレットの穿孔方法においては、ビレット1の先端部の中心に、径d、深さLの凹部2を形成してから、穿孔を行なうようにしている。
【0030】
そして、凹部2の径dは、ビレット1の外径Dの0.1〜0.3倍とし、凹部2の深さLは、ビレット1の外径Dの1〜3倍としている。
【0031】
図2は、凹部2の径dと疵の発生状態との関係を示すグラフであり、図2(a)は径dと肉厚に対する内面疵の深さの割合との関係を、図2(b)は径dと鋼管の噬み込み側からの内面疵の発生している範囲の鋼管全長に対する割合との関係を示すグラフである。いずれも、径dが0.1D未満であると、内面疵の発生度合いが大きいが、径dが0.1D以上であると、内面疵の発生が減少することが分かる。
【0032】
図3は、凹部2の深さLと疵の発生状態との関係を示すグラフであり、図3(a)は深さLと肉厚に対する内面疵の深さの割合との関係を、図3(b)は深さLと鋼管の噬み込み側からの内面疵の発生している範囲の鋼管全長に対する割合との関係を示すグラフである。いずれも、深さLが1D未満であると、内面疵の発生度合いが大きいが、深さLが1D以上であると、内面疵の発生が減少することが分かる。
【0033】
【実施例】
連続鋳造により製造した170mm径のビレットの噬み込み側端部の中心に、穴径50mm、深さ500mmの穴を機械加工した後、穿孔を行なった。
【0034】
その結果、疵の発生している範囲は従来の5〜10%程度、疵の深さは従来の5〜15%となり、疵の除去作業はあるものの、除去作業に要する工数が、従来の10〜20%に低減された。
【0035】
【発明の効果】
この発明により、連続鋳造ビレットを使用して、内面疵を発生させにくい状態で継目無鋼管の製造ができるので、分塊圧延ビレットを使用して継目無鋼管を製造するときよりも、製造原価を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の連続鋳造ビレットの穿孔方法において、連続鋳造ビレットに凹部を設けた状態を示す斜視図である。
【図2】凹部の径と疵の発生状態との関係を示すグラフであり、(a)は径と肉厚に対する内面疵の深さの割合との関係を、(b)は径と鋼管の噬み込み側からの内面疵の発生している範囲の鋼管全長に対する割合との関係を示すグラフである。
【図3】凹部の深さと疵の発生状態との関係を示すグラフであり、(a)は深さと肉厚に対する内面疵の深さの割合との関係を、(b)は深さと鋼管の噬み込み側からの内面疵の発生している範囲の鋼管全長に対する割合との関係を示すグラフである。
【図4】従来の2ロ−ル型の傾斜式圧延機の側面図である。
【図5】従来の継目無鋼管の傾斜ロ−ル穿孔方法の説明図である。
【図6】従来のビレットの穿孔方法の説明図である。
【符号の説明】
1 ビレット
2 凹部
Claims (1)
- バレル形の胴部を有する穿孔ロ−ルで、継目無鋼管素材の連続鋳造ビレットを穿孔する方法であって、ビレットの噛み込み側端部の中心に、径が前記ビレットの外径の0.1〜0.3倍で、深さがビレットの外径の1〜3倍の凹部を形成してから穿孔することを特徴とするビレットの穿孔方法。
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JP36581798A JP4117955B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | ビレットの穿孔方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP36581798A JP4117955B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | ビレットの穿孔方法 |
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JP36581798A Expired - Lifetime JP4117955B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | ビレットの穿孔方法 |
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JP5277908B2 (ja) * | 2008-11-28 | 2013-08-28 | Jfeスチール株式会社 | ビレットの穿孔圧延方法 |
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1998
- 1998-12-24 JP JP36581798A patent/JP4117955B2/ja not_active Expired - Lifetime
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